説明

シール装置

【課題】包装袋内全域の空気を円滑に脱気する。
【解決手段】吸気ノズル14で吸気後の包装袋2の開口部2aをシールするシール装置である。包装袋2内を入退出する棒17を、その先端が包装袋2の奥に向いた状態で、かつ、先端よりも後側が包装袋2の開口部2aに至った状態で包装袋2に入り込ませ、開口部2aに臨んだ吸気ノズル14で包装袋2内の空気を脱気し、その脱気をしながら、棒17を包装袋2から退出させて、開口部2aをシール機5でシールする。この吸気時、包装袋2の開口部2aが扁平状になろうとしても、包装袋2内に棒17に沿って吸気道32が形成されるので、この吸気道32を介して包装袋2内全域の空気が円滑に脱気される。また、吸気しながら棒17を包装袋2から退出させることにより、その退出に伴うその退出路への空気流入がなくなるとともに、棒17を容易に退出させ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装袋内の空気を脱気して、その包装袋の開口部をシールするシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシール装置は、包装袋内を吸気ノズルで吸気して脱気した後、その包装袋の開口部をシール機でシールして、包装袋の嵩を小さくする等するものである。その脱気する手段は、吸気ノズルを包装袋の開口部に臨ませて吸気するものと(特許文献1 段落0014)、吸気ノズルを包装袋内に入れて吸気するものがある(特許文献2 段落0008 図1〜図6)。
【特許文献1】特開2004−345656号公報
【特許文献2】特開平7−187144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の包装袋の開口部に吸気ノズルを臨ませて吸気するシール装置は、包装袋の開口部近くが先に吸気されて、その開口部が扁平状になって閉じてしまい、包装袋内全域の空気を脱気するのが困難であった。そのため、包装袋の嵩を十分に小さくすることができない。
【0004】
また、特許文献2の吸気ノズルを包装袋内に入れて吸気するシール装置では、吸気ノズルの開口近くが先に吸気されて、その付近の包装袋が張り付き、同様に、包装袋内全域の空気を円滑に脱気するのが困難なため、包装袋の嵩を十分に小さくすることができない。
さらに、このシール装置は、包装袋の大きさ・内容物等に応じて十分かつ必要な脱気が行なわれるように脱気時間が適宜設定されており、その脱気時間が経過すると、吸気ノズルを、包装袋から円滑に退出させるために、その吸気を止めて包装袋から退出するようになっている。そのため、その吸気ノズルが包装袋から退出するときに、吸気ノズルの退出路を介して包装袋内に空気が入ってしまう恐れもあった。
【0005】
そこで、この発明は、包装袋内全域の空気を円滑に脱気することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は、まず、棒を、その先端が包装袋の奥に向き、かつ、先端よりも後側が包装袋の開口部に至っている状態となるように包装袋に入り込ませて吸気道を作り、その吸気道を通じて脱気することとしたのである。棒は包装袋の開口部よりも奥側から開口部に至っているので、棒に沿って包装袋の開口部まで吸気道が形成され、その吸気道に向かって包装袋全域の空気が流れて脱気されるため、包装袋全域の空気の脱気が円滑に行なわれる。
【0007】
つぎに、この発明は、前記棒の後側が包装袋の開口部に臨む吸気ノズルの吸気流内に位置するようにしたのである。棒が吸気流内になければ、吸気道を介して包装袋内の空気が吸気されないからである。このとき、吸気ノズルが包装袋の開口部に臨んでいても、その開口部に棒が至っており、その棒に沿って吸気道が形成されるので、その開口部が扁平状になって閉じることもなく、円滑な脱気が行なわれる。
【0008】
この発明の構成としては、包装袋内の空気を脱気する吸気ノズルと、その吸気ノズルで空気が脱気された包装袋の開口部をシールするシール機とを有するシール装置において、前記包装袋内を入退出する棒を、その先端が包装袋の奥に向き、かつ、先端よりも後側が包装袋の開口部に至った状態となるように包装袋に入り込ませるとともに、その棒の後側が前記吸気ノズルの吸気流内に位置するように、前記吸気ノズルを前記開口部に臨ませて包装袋内の空気を脱気し、その包装袋から前記棒を退出させて、前記開口部を前記シール機でシールする構成を採用することができる。
前記棒の先端が包装袋の奥側に至る長さは、作業性、吸気性等を考慮し、実験等によって適宜に設定する。
【0009】
この構成において、吸気ノズルの吸気を止めた後に、前記棒が包装袋から退出するようにしてもよいが、前記吸気ノズルで包装袋内の空気を脱気しながら、前記棒が包装袋から退出するようにすれば、棒の先端の退出につれて、その先端付近の包装袋が吸気されて扁平状になり、その作用が開口部まで行なわれるので、棒の退出に伴うその退出路への空気流入がなくなる。そのため、吸気後の空気の流入を招くことなく、包装袋全域の脱気が円滑になされる。また、包装袋内の空気が脱気されてその袋が棒に密着しようとしても、包装袋内の奥からその開口部に向かって空気が流れる吸気道が棒に沿って形成されるので、包装袋が棒に密着し難く、その空気の流れに沿って棒を容易に退出させることができる。
【0010】
また、前記吸気ノズルの開口から前記棒を出没自在に設ければ、その棒は、包装袋に入り込ませたときに吸気ノズルの吸気流内に位置するので、吸気ノズルの開口を包装袋の開口部に臨ませる操作をする必要が無く、脱気操作を迅速に行なうことができる。
【0011】
吸気ノズルの構成としては、従来の種々のものを適宜に採用できるが、例えば、前記包装袋の開口部に対向させる吸気ボックスの前面にその吸気ノズルの開口を形成したものとすれば、吸気ボックスを固定物とすることにより、包装袋の開口部を吸気ボックスの開口(吸気ノズルの開口)に容易に臨ませることができる。
【0012】
棒を包装袋内に入退出させる手段としては、進退するエアシリンダ、同電動プラジャ等の従来周知の進退させる器具を採用したり、棒を固定したラックにピニオンを噛み合わせ、そのピニオンを可逆回転するモータで回してラック(棒)を進退させたりすることができるが、例えば、前記吸気ボックスの後面に水平軸を設け、その水平軸に、前記吸気ボックスを貫通した前記棒が固定されたスライダをその水平軸の軸方向にスライダ自在に設け、そのスライダに前記軸方向に対して横方向に伸びるレールを設け、そのレールに前記水平軸の軸方向に一体に移動しそのレールの長さ方向には移動自在な移動子を設け、その移動子を前記水平軸の軸方向前後に長い環状走行体に取り付けた構成を採用することができる。
【0013】
この構成では、モータ等の駆動機により、走行体を走行させて移動子を前記水平軸の軸方向前後に移動させ、その移動子の軸方向前後の動きに伴いレールを介してスライダを水平軸の軸方向に移動させることにより、前記棒を、吸気ノズルの開口から出没自在にさせる。
このとき、スライダに対する移動子の前記横方向の移動はレール長さ方向の移動子の移動によって吸収される。
走行体としては、チェーン、ベルト等が考えられる。また、移動子としては、コロ等が考えられる。
【0014】
脱気後の包装袋は、手でもってシール機に搬送しても良いが、従来周知のシール機の前面にその全長に亘ってコンベアを設け、そのコンベアによってシール機に搬送するようにし得る。この場合、吸気ノズルを設ける位置としては、そのコンベアの始端に臨む前記シール機に隣接した位置とすることができる。
このようにすると、包装袋内の空気を脱気した後、その包装袋を、コンベアに沿って少し動かすだけでシール機にセットすることができるので、迅速にシールすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、棒を、その先端が包装袋の奥に向き、かつ、先端よりも後側が包装袋の開口部に至った状態となるように包装袋に入れて吸気道を作り、その吸気道を通じて脱気することとしたので、包装袋全域の脱気を円滑に行なうことができる。また、棒の後側が、吸気ノズルの吸気流内に位置するようにしたので、吸気ノズルが包装袋の開口部に臨んでいても、その開口部には、棒に沿った吸気道が形成されるので、扁平状になって閉じることもなく、その吸気道を介して円滑な脱気が行なわれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、この実施形態におけるシール装置1を示す。シール装置1は、図1に示すように、シールされる包装袋2を搬送するコンベア3と、包装袋2内の空気を脱気する脱気装置4と、脱気した包装袋2の開口部2aをシールするシール機5とを備えている。
【0017】
コンベア3は、対のベルトプーリ3aにコンベアベルト3bが掛け渡され、シール機5の前面にその全長に亘って設けられている。シール機5は、包装袋2の開口部2aを挟んで搬送する搬送手段と、その搬送手段により搬送される包装袋2の開口部2aをシールするシール鏝6と、そのシール部分を冷却する冷却盤7とを備えている。搬送手段は、フレーム8の両端に対のベルトプーリ9,10をそれぞれ上下に設け、その対のベルトプーリ9,10に、搬送ベルト11,12がそれぞれ掛け渡されて構成される。これにより、包装袋2の開口部2aを搬送ベルト11,12の間に挟んで搬送する搬送ライン13が形成される。
【0018】
シール鏝6と冷却盤7は、それぞれ、搬送ライン13上に沿って順次配設されている。シール鏝6は、その内部にヒータ(図示せず)が設置されており、搬送される包装袋2の開口部2aに当接して熱融着によりその開口部2aをシールする。冷却盤7は、搬送される包装袋2の熱融着されたシール部分に当接してそのシール部分を冷却する。
【0019】
脱気装置4は、図1、図2に示すように、樹脂製包装袋2の開口部2aを対抗させる前面15に開口16が形成されて吸気ノズルをなす吸気ボックス14と、その吸気ボックス14の開口16から出没自在に設けられた円柱状の真っ直ぐな棒17とを備えている。吸気ボックス14の開口16は、棒17の断面径よりも大きい径を有する円状に形成されている。吸気ボックス14は、吸引ホース14aを介して吸引ポンプ(図示省略)が接続されており、その吸引ポンプを作動すると、開口16から空気を吸引することができる。また、吸気ボックス14は、コンベア3の始端3cに臨んでシール機5に隣接して設けられている。
なお、吸引ポンプは、インバータ制御により、吸引量を調節できるようになっており、作業者が調節つまみ(図示せず)でもって適宜にその吸引量を調節し得る。包装袋2の大きさ等をセンサーで検知して、その検知信号に基づき自動的にその包装袋2に応じた吸引量とし得るようにすることもできる。
【0020】
棒17は、図2、図3に示すように、吸気ボックス14の後面18を気密に貫通して、後面18に取り付けられた水平軸19を前後にスライド可能なスライダ20に固定されている。棒17を気密に貫通させる手段としては、ナイロン樹脂やゴム性樹脂等のシールをその貫通孔を塞ぐように吸気ボックス14の後面18に設けて、棒17をそのシールに気密性をもって摺動自在に貫通させる等の構成を採用する。このとき、棒17も滑性の高い、例えばナイロン樹脂等の樹脂としたり、その表面に4フッ化樹脂等の滑性コーティングを施したりしたものとすると良い。
【0021】
スライダ20は、図3、4に示すように、その下方の前後二箇所に左右方向に伸びるレール21,22が設けられ、そのレール21,22の下方には、回転軸23を垂直に立てたモータ24が配置されている。その回転軸23には、直径がスライダ20の左右方向の長さと略同一のスプロケット25が嵌め込まれており、そのスプロケット25の後方に同一大きさの別のスプロケット26が配置されている。
【0022】
スプロケット26は、モータ24の上面に水平に設けられた板部27に固定された軸28に嵌め込まれている。そのスプロケット25,26の歯に噛み合わされるチェーン29の連結軸30には、移動子となるローラ31が回転可能に嵌め込まれており、そのチェーン29は、ローラ31が前記レール21,22の間に位置するようにスプロケット25,26に噛み合わされる。そのため、チェーン29が走行すると、それにつれて、ローラ31も水平軸19の軸方向(図3左右方向)及びその横方向(図4上下方向)に移動し、そのローラ31の軸方向の移動に伴ってスライダ20も前後(図3左右方向)にスライドし、棒17も、吸気ボックス14の開口16から出没する。このとき、そのスライダ20に対するローラ31の横方向(レール21の長さ方向)移動はレール21、22の間のローラ31のその横方向の移動で吸収される。
【0023】
吸気ボックス14による吸気は、常時、吸気していても良いが、例えば、吸引ポンプのON、OFFによったり、吸引ポンプから吸気ボックス14までの空気路に電磁弁を介設して、その電磁弁の開閉によったりして、その吸気を適宜に行っても良い。棒17を出没させる作用は、作業者による手動スイッチやタイマー等で行っても良いが、一定時間間隔でもって、棒17を自動出没するようにすることもできる。
【0024】
この実施形態では、常時、吸気状態である吸気ボックス14の開口16から棒17がフートスイッチ(図示せず)とタイマーで出没するようにした。即ち、棒17は、吸気ボックス14の開口16から突出した状態でフートスイッチが押されると、吸気ボックス14内に収納される。棒17が収納されると、所定時間がタイマーにセットされ、その時間が経過すると、棒17は、再び吸気ボックス14の開口16から自動的に突出するようにした。また、棒17の突出もフートスイッチ等の手動スイッチにより行うようにすることができる。
【0025】
その所定時間は、吸気ボックス14内に棒17が収納された後、作業者が、包装袋2を搬送ライン13の始端13aへの移動が完了する(包装袋2の右縁が吸気ボックス14の開口16の左側に移動する)までの時間を言う。このとき、タイマーの時間が短いと、包装袋2を搬送ライン13の始端13aに移動させる間に、吸気ボックス14の開口16から棒17が突出してしまい、包装袋2を握っている手に棒17が当たってしまうことがある。逆に、タイマー時間が長いと、作業効率が落ちる。
なお、その所定時間は、包装袋(幅)の大きさや作業者の能力に応じて異なるので、例えば、幅が大きければ長くなるので、実験、実操業などにより適切な時間、例えば、1〜10秒等と適宜に設定する。このとき、調節つまみでもって、その時間を調節可能として円滑なシール作業ができる(ノイズ=シール不良が生じない)ようにする。この実施例では、3秒とした。
【0026】
このように構成されたシール装置1は、次のようにして使用する。いま、吸気ボックス14の開口16から棒17が前方に突出した状態において、図5(a)矢印のごとく、鎖線から実線で示すように、商品を収納した包装袋2にその開口部2aから中央部近傍にまで棒17を入り込ませて、その開口部2aを吸気ボックス14の開口16に臨ませる。
すると、吸気ボックス14の開口16から吸気されているため、包装袋2内が吸気されて脱気される。このとき、包装袋2の開口部2a近くが先に吸気されることにより、図6に示すように、包装袋2の開口部2aが扁平状になろうとするが、その開口部2aには、同図(a)に示す矢印のように、包装袋2の奥から開口部2aに向かって袋2内の空気が流れる吸気道32が棒17の側面に沿って形成されるので、この吸気道32を介して、包装袋2内の空気を円滑に脱気する。
【0027】
包装袋2内の空気が十分に脱気されたのを確認し、フートスイッチを押すと、棒17が包装袋2内から退出する。その棒17の退出時、吸気ボックス14の開口16から包装袋2内の空気を吸気しながら棒17が退出するので、棒17が退出したときに包装袋2の開口部2aが閉じて、その袋2内に空気が入らない。また、包装袋2内の空気が脱気されて袋2が棒17に密着しようとするが、吸気道32を流れる空気が、包装袋2内から開口部2aに向かって流れているので、棒17を包装袋2内から容易に退出させることができる。
【0028】
包装袋2内の空気が脱気されて、棒17が包装袋2内から退出すると、図7に示す矢印のように、手動により、包装袋2の開口部2aをシール機5の搬送ライン13の始端13aに移動させる。このとき、包装袋2を、コンベア3に沿って少し横方向に動かすだけで始端13aにセットすることができるとともに、その開口部2aを搬送ベルト11,12の間に挟むことができるので、迅速にシールすることができる。
【0029】
搬送ライン13に移動されてセットされた包装袋2は、図1、図8に示すように、始端13aから終端13bに向かって搬送される。この移動途中において、従来と同様に、まず、シール鏝6により開口部2aがシールされ、次に、そのシール部分が冷却盤7により冷却されて、脱気シールされた包装袋2がコンベア3の終端から払い出される。
【0030】
上記棒17の退去後(フートスイッチを押した後)、3秒が経過すると、タイマーによって棒17が再び突出し、その後、図5、図6に示す、上記の包装袋2をその開口部2aから中央部近傍にまで棒17を入り込ませて脱気する作用、及びシール作用を繰り返し、このシール装置1による包装袋2の脱気とシールが行われる。
【0031】
上記実施形態では、包装袋2内を入退出する棒17を、断面が円形である円柱状としたが、断面が角形である角柱としてもよく、これらに限定されるものではない。要は、吸気道32を形成し得る断面形状の棒であれば、いずれの断面形状であってもよい。
【0032】
また、吸気ボックス14の開口16の形状を円状にしたが、四角形などの角形にしてもよく、これらに限定されるものではない。要は、棒17の周りに開口が形成されていればよい。また、包装袋2内の空気を脱気するには、棒17の周りに吸気ボックスの開口が形成されているのが好ましいが、包装袋2内に棒17を入り込ませた状態で吸気したときに、棒17に沿って吸気道が形成される位置に吸気ボックスの開口を形成すれば足りる。
【0033】
さらに、一方向にのみ回転可能なモータ24の動力により、棒17を吸気ボックス14の開口16から出没自在にしたが、可逆回転可能なモータにより、棒17を吸気ボックス14の開口16から出没自在にしたり、互いに回転方向が逆の二つのモータの動力をクラッチで切り換えたりすることにより、棒17を吸気ボックス14の開口16から出没自在にしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、二つのレール21,22の間に移動子をなすローラ31を配置して、そのローラ31をレール21,22に沿って移動自在にしたが、移動子をなすローラは、モノレールのように、一つのレールに離脱不能で移動自在に設けた構成とすることができる。
【0035】
また、上記実施形態のように、包装袋2内の空気を円滑に脱気するには、棒17を包装袋2の中央部近傍まで入り込ませるのが好ましいが、少なくとも棒17を包装袋2の開口部2aに入り込ませれば足りる。少なくとも包装袋2の開口部2aには、棒17に沿って吸気道32が形成されるので、包装袋2内の空気を脱気することができるからである。
【0036】
また、上記実施形態では、吸気ノズルをなす吸気ボックス14の開口16から棒17を出没自在としたが、その開口16から棒17を出さずに、別の場所でもって入退出自在とすることもできる。このとき、棒17の後側が吸気流内に位置するようにすることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施形態のシール装置を示す斜視図
【図2】図1のシール装置に用いられる脱気装置を示す斜視図
【図3】図2の脱気装置を示す正面図
【図4】図3に示す脱気装置のスライダとローラとの間を切断した部分拡大断面図
【図5】脱気前の包装袋の状態を示す図であり、(a)は包装袋内に棒を入り込ませた状態を示す図、(b)は(a)の包装袋の開口部に沿って切断した断面図
【図6】脱気後の包装袋の状態を示す図であり、(a)は包装袋の開口部に吸気道が形成された状態を示す図、(b)は(a)の包装袋の開口部に沿って切断した断面図
【図7】図1のシール装置の使用方法を示す部分拡大平面図
【図8】図1のシール装置の使用方法を示す部分拡大正面図
【符号の説明】
【0038】
2 包装袋
2a 開口部
3 コンベア
3c 始端
5 シール機
14 吸気ノズル(吸気ボックス)
15 吸気ボックスの前面
16 吸気ノズル(吸気ボックス)の開口
17 棒
18 吸気ボックス後面
19 水平軸
20 スライダ
21,22 レール
23 回転軸
24 モータ
25 スプロケット
29 チェーン
30 連結軸
31 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋(2)内の空気を脱気する吸気ノズル(14)と、その吸気ノズル(14)で空気が脱気された包装袋(2)の開口部(2a)をシールするシール機(5)とを有するシール装置において、
前記包装袋(2)内を入退出する棒(17)を、その先端が包装袋(2)の奥に向き、かつ、先端よりも後側が包装袋(2)の開口部(2a)に至っている状態となるように包装袋(2)に入れるとともに、その棒(17)の前記後側が前記吸気ノズル(14)の吸気流内に位置するように、前記吸気ノズル(14)を前記開口部(2a)に臨ませて包装袋(2)内の空気を脱気し、その包装袋(2)から前記棒(17)を退出させて、前記開口部(2a)を前記シール機(5)でシールすることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
前記吸気ノズル(14)で包装袋(2)内の空気を脱気しながら、前記棒(17)を包装袋(2)から退出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記吸気ノズル(14)の開口(16)から前記棒(17)を出没自在に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記包装袋(2)の開口部(2a)を対向させる吸気ボックス(14)の前面(15)に前記吸気ノズル(14)の開口(16)を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシール装置。
【請求項5】
前記吸気ボックス(14)の後面(18)に水平軸(19)を設け、その水平軸(19)に、前記吸気ボックス(14)を貫通した前記棒(17)が固定されたスライダ(20)をその水平軸(19)の軸方向に移動自在に設け、そのスライダ(20)に前記軸方向に対し横方向に伸びるレール(21)を設け、そのレール(21)に、前記水平軸(19)の軸方向に一体に移動しそのレール(21)の長さ方向には移動自在の移動子(31)を設け、その移動子(31)を前記水平軸(19)の軸方向に長い環状走行体(29)に取り付け、その走行体(29)を駆動機(24)で走行させることにより、前記移動子(31)を前記水平軸(19)の軸方向前後に移動させて前記レール(21)を介して前記スライダ(20)を前記水平軸(19)の軸方向に移動させ、そのスライダ(20)の移動に伴って、前記棒(17)を、前記吸気ノズル(14)の開口(16)から出没自在としたことを特徴とする請求項4に記載のシール装置。
【請求項6】
前記シール機(5)の前面にその全長に亘って包装袋(2)を搬送するコンベア(3)を設け、そのコンベア(3)の始端(3c)に臨んで前記シール機(5)に隣接して前記吸気ボックス(14)を設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載のシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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