説明

ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの阻害剤

本発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)の阻害剤としての、下記の式Iの化合物:


またはその医薬的に許容可能な塩、ならびに肥満を治療する方法、糖尿病を治療する方法、および医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)を阻害する化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
トリグリセリド合成における重要な酵素である、DGAT−1の阻害は、肥満を治療および/またはインスリン感受性を改善する新規アプローチを提供できることが報告されている。DGATは低分子阻害剤についての優れた標的であると報告されているが、限定された数の化合物だけがDGAT−1活性を阻害すると報告されている。既知のDGAT−1阻害剤は医薬用途として承認されていない。それゆえ、DGAT−1を阻害するより小さな分子についての必要性が存在する。特に、所望の薬理学プロファイルを有するDGAT−1阻害剤化合物についての必要性が存在する。
【0003】
DGATの調節因子であると報告されている化合物は特許文献1(Chengら)に開示されている。Chengにより開示されている化合物はチアンカルボキシアミドである。シクロアルキル、ラクタム、ラクトン、および関連化合物は、アルツハイマー病の治療に使用するためのβ−アミロイドペプチド遊離の阻害剤として特許文献2(Weら)に報告されている。アシルベンザゼピンは、不整脈を治療するために使用され得る化合物として特許文献3(Balwinら)に開示されている。対照的に、現在特許請求されているイミダゾ−ベンザゼピンは、Cheng、We、およびBalwinのものと構造的に異なる。さらに、WeまたはBalwinの化合物はDGAT−1阻害剤として使用できることが教示も示唆もされていない。アゼピノン化合物は、2010年5月20日に公開された特許文献4においてDGATの調節因子であると報告されている。特許文献4に報告されているアゼピノン化合物は、現在特許請求されているイミダゾ−ベンザゼピンと構造的に異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第2008/0090876号明細書
【特許文献2】国際公開第98/28268号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,696,111号明細書
【特許文献4】国際公開第2010/056496号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の化合物は有効なDGAT−1の阻害剤である。本発明は、市販の治療剤と比べて特有である薬理学的機構を介して作用する所望の新規治療オプションを提供する。さらに、本発明の特定の化合物はDGAT−2と比べてDGAT−1を選択的に阻害する。選択的DGAT−1阻害剤としての本発明の化合物の薬理学的プロファイルは特に、肥満の治療および/またはインスリン感受性を改善することの使用に好適であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記式Iの化合物:
【化1】

(式中、
は、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、
は、Hおよび−CHからなる群より選択され、
は、Hおよび−CHからなる群より選択され(ただし、RおよびRからなる群の少なくとも1つはHである)、
nは、1、2、または3である)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0007】
好ましくは、本発明は、式Iの化合物
(式中、
は、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCHCH(CH、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、nは1または3であり、RおよびRは各々Hである)
を提供する。
【0008】
好ましくは、本発明は、式Iの化合物
(式中、
は、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCHCH(CH、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、
nは、1である)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0009】
好ましくは、本発明は、式Iの化合物
(式中、
は、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、nは3である)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0010】
好ましくは、本発明は、式Iの化合物
(式中、Rは、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、nは3であり、RはHである)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0011】
好ましくは、本発明は、式Iの化合物
(式中、Rは、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、nは1であり、RはHである)
またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0012】
以下が好適であり得る。
がHである式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0013】
nが1または3である式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0014】
nが1である式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0015】
がHであり、RがHである式Iの化合物またはその塩もまた好ましい。
【0016】
化合物がR異性体である式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0017】
が、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCHCH(CH、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択される式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0018】
が、F、Cl、および−O(C−Cアルキル)からなる群より選択される式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0019】
が、Clおよび−O(C−Cアルキル)からなる群より選択される式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0020】
が、−OCHCHである式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0021】
が、Clである式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0022】
が、CHであり、Rが、Hである式Iの化合物またはその塩が好ましい。
【0023】
nが3である化合物が好ましい。
【0024】
好ましい実施形態は、下記の式の化合物:
【化2】

またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
好ましい実施形態は、下記の式の化合物:
【化3】

またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0026】
式Iの化合物は、ラセミ混合物の形態であってもよい。好ましい異性体は、本明細書の下記の式IIに示すような「R」立体形態である。
【0027】
好ましくは、本発明は、下記の式II:
【化4】

に示すような異性体構造を有する式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0028】
式Iの化合物が合成され得、次いでRおよびS異性体がキラルクロマトグラフィーにより分離され得る。式Iの化合物は、具体的には好ましいR異性体を合成するようにキラル合成を用いて合成され得る。
【0029】
本発明のさらなる実施形態は、糖尿病および/または肥満を治療するための医薬の製造における本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明の別の実施形態は、肥満を治療するのに使用するための、本発明によって特許請求されている化合物、またはその塩である。本発明のさらなる実施形態は、治療に使用するための本明細書で特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩である。本発明のさらなる実施形態は、糖尿病の治療に使用するための本発明によって特許請求されている化合物、またはその医薬的に許容可能な塩である。さらに、本発明は、哺乳動物におけるインスリン感受性を改善するのに使用するための本発明によって特許請求されている化合物に関する。
【0030】
本発明は、哺乳動物における肥満を治療する方法であって、本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩を哺乳動物に投与する工程を含む、方法を提供する。本発明は、哺乳動物における糖尿病を治療するおよび/またはインスリン感受性を改善する方法であって、本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩を哺乳動物に投与する工程を含む、方法を提供する。本発明のさらなる実施形態は、哺乳動物における脂質異常性を治療する方法であって、本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩を哺乳動物に投与する工程を含む、方法である。本発明のさらなる実施形態は、哺乳動物における座瘡を治療する方法であって、本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩を哺乳動物に投与する工程を含む、方法である。本発明のさらなる実施形態は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染を治療する方法であって、本発明によって特許請求されている化合物またはその医薬的に許容可能な塩を哺乳動物に投与する工程を含む、方法である。
【0031】
別の実施形態において、本発明はまた、本発明によって特許請求されている化合物、またはその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物に関する。さらなる実施形態は、第2の薬剤をさらに含む本発明の医薬組成物である。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、本発明によって特許請求されている化合物、またはその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能な担体と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む製剤に関する。さらなる実施形態は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS−L)である医薬製剤である。さらなる実施形態は、本発明によって特許請求されている化合物、またはその医薬的に許容可能な塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとを接触させることを含む、製剤を調製するためのプロセスである。さらなる実施形態は、ヒドロキシメチルセルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS−L)である医薬製剤を調製するためのプロセスである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
「医薬的に許容可能な塩」は、臨床および/または獣医用途に許容可能であるとみなされる本発明の化合物の塩を指す。それらの塩は当業者に公知の方法によって調製され得る。医薬的に許容可能な塩およびそれらを調製するための一般的方法は当該分野において周知である。例えば、P.Stahlら,HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE,(VCHA/Wiley−VCH,2002);S.M.Bergeら,「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,1977年1月を参照のこと。本発明の化合物は好ましくは種々の経路によって投与される医薬組成物として調製される。用語「医薬的に許容可能な担体」は、担体、希釈剤、賦形剤および塩が、組成物の他の成分と医薬的に適合可能であることを意味する。最も好ましくは、これらの組成物は経口投与用である。医薬的に許容可能な組成物およびそれを調製するためのプロセスは当該分野において周知である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaroら,eds.,19th ed.,Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。
【0034】
本発明の化合物は、スキームA、B、C、D、E、F、G、H、I、およびJに示し、調製例および実施例に記載した方法を用いて調製され得る。調製例および実施例は、Symyx(登録商標)Draw Version3.1用いて命名される。
【0035】
本明細書におけるスキーム、調製例、実施例および処理に使用される用語および略語は、他に指定されない限り、それらの通常の意味を有する。
【0036】
即時のスキーム、調製例、実施例および処理に使用される用語および略語は、他に指定されない限り、それらの通常の意味を有する。例えば、本明細書で使用する場合、以下の用語は示した意味を有する:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);メチルtert−ブチルエーテル(MTBE);テトラヒドロフラン(THF);疑似移動床式(SMB)クロマトグラフィー;メタノール(MeOH);水酸化リチウム(LiOH);N−メチル−2−ピロリドン(NMP);ヨウ化銅(CuI);[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)Pd(II)ジクロリド:ヨウ化銅(I)(PEPPSI(商標));N,N−ジメチルエチルアミン(DMEA);および1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン,2,4,6−トリプロピル−2,4,6−トリオキシド(T3P)。
【0037】
【化5】

上記のスキームにおいて、好ましくは、Rは、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択される。より好ましくは、Rは、−O(C−Cアルキル)またはClである。最も好ましくは、Rは、−OCHCHまたはClである。
【実施例】
【0038】
調製例1
エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート
【化6】

ジクロロメタン(3L)中の4−エトキシ安息香酸(334.5g、1.99mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に塩化オキサリル(189mL、2.17mol)を加える。25〜26℃にて1時間後、一定の重量が達成されるまで減圧下で混合物を濃縮する。氷水浴中でエチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩(300g、1.81mol)およびジクロロメタン(2.5L)を攪拌する。トリエチルアミン(631mL、4.53mol)を加え、次いで酸塩化物(約380g)のジクロロメタン溶液(500mL)を加える。反応混合物を室温にて約16時間攪拌する。1Nの塩酸水溶液(1L)で反応物を希釈する。ジクロロメタン(1L)で水層を抽出する。水(2L)およびブライン(2L)で有機層を洗浄する。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中で残渣をスラリーにし、濾過して、象牙質粉末として標題化合物(478g、95%)を得る:MS(質量分析)(m/z):278(M+1)。
【0039】
調製例2
1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸
【化7】

エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(478g、1.72mol)をテトラヒドロフラン(2L)およびメタノール(1L)に加える。水酸化リチウム(LiOH)(144.7g、3.45mol)を水(1L)に溶解し、それを混合物に加える。55℃で加熱しながら反応混合物を攪拌する。反応物を周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮する。2.5Lの溶媒を除去した後、混合物を水(2L)で希釈し、それを氷水浴中に浸す。5Nの塩酸水溶液(750mL)でpHを2に調整する。沈殿物を濾過し、ケーキを水(2×2L)で洗浄し、乾燥させて、白色粉末として標題化合物(425g、99%)を得る:MS(m/z):250(M+1)。
【0040】
調製例3
エチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート
【化8】

エチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレート(89.2g、0.54mol)をジクロロメタン(900mL)中のジイソプロピルエチルアミン(187.86mL、1.08mol)に加える。フラスコを冷水浴に浸し、4−クロロ安息香酸クロリド(75.46mL、0.59mole)をゆっくりと加える。添加が完了した後、浴を取り除き、反応物を20℃で平衡にし、約2時間攪拌する。1Nの塩酸(HCl)、続いて飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、水、次いでブラインで洗浄する。硫酸ナトリウム(NaSO)で有機層を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をヘプタンでスラリーにし、濾過し、ヘプタンでリンスして、白色の粉末として標題化合物(142g、98%)を得る:MS(m/z):268(M+1)。
【0041】
調製例4
1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸
【化9】

1,4−ジオキサン(2.4L)中のエチル1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(157g、0.58mol)に、水酸化リチウム(123.05g、2.93mol)水溶液(1.2L)を加える。反応混合物を周囲温度にて4時間攪拌し、次いでそれを減圧下で濃縮する。混合物を水(1L)で希釈し、それを氷水浴に浸す。5NのHCl水溶液でpHを約2に調整する。沈殿物を濾過し、水(3×1L)でケーキを洗浄し、乾燥させて(50℃、真空オーブン)、白色の粉末として標題化合物(132g、94%)を得る:MS(m/z):240(M+1)。
【0042】
調製例5
ベンジルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化10】

メタノール(5000mL)および5Nの塩化水素水溶液(1393mL、5.57mol)を合わせ、35℃で15分間加熱する。tert−ブチルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(Armstrong III,Joseph Dら,Tetrahedron Let.35(20)pp.3239−3242(1994)(770g、mmolおよび商業的に利用可能である)を1時間にわたって少しずつ加える。減圧下で混合物を白色の固体まで濃縮する。この固体と、追加の(3R)−3−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−2−オン(異なるロット、同じ方法;660g、3.78mol)とを合わせ、水(2.5L)に溶解する。得られた溶液に炭酸ナトリウム(3.17kg、3.18mol)およびアセトニトリル(7.5L)を加える。クロロギ酸ベンジル(7.14mol、1.21Kg)を2時間にわたって滴下して加える。周囲温度にて2時間後、酢酸エチル(8L)を加え、濾過する。湿潤ケーキを水(4.0L)、アセトニトリル(2.0L)、および酢酸エチル(3.0L)で洗浄する。減圧下で48時間、固体を乾燥させて、標題化合物(2.14kg、105%)を得る:MS(m/z):310.8(M+1)。
【0043】
調製例6
ベンジルN−(2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル)カルバメート
【化11】

2−メチル−テトラヒドロフラン(15L)中のN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(2.13kg、6.88mol)に五硫化リン(1.68kg、7.57mol)を30分にわたって加え、50℃で24時間加熱する。29℃まで冷却し、シリカゲル(2.0Kg)を加え、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をクロロホルム(4.0L)に溶解し、クロマトグラフィー(1:1の酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、赤色の固体として標題化合物(1.65kg、73%)を得る:MS(m/z):327(M+1)。
【0044】
調製例7
ベンジルN−[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化12】

ジクロロメタン(12L)にベンジルN−(2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル)カルバメート(1.78Kg、5.13mol)およびパラ−トルエンスルホン酸一水和物(48.8g、256mmol)を溶解する。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(2.70Kg、25mole)を1時間にわたって滴下して加え、周囲温度にて36時間攪拌する。さらにアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(1.40Kg、13mol)を加え、周囲温度にて12時間攪拌する。水(5.0L)を加え、有機層を分離し、ジクロロメタン(2.0L)で水相を抽出する。有機層を合わせ、水、飽和塩化アンモニウム(6.0L)、およびブライン(4.0L)で洗浄する。珪藻土で有機物を濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の油として標題化合物(2.30kg、118%)を得る:MS(m/z):398(M+1)。
【0045】
調製例8
ベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメート
【化13】

ベンジルN−[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(1.80kg、4.1mol)およびギ酸(6.4L)の混合物を95℃にて80分間加熱する。減圧下で混合物を濃縮して、黒色の油を得て、それをジクロロメタン(7.0L)と水(5L)との間に分配する。水層のpHが7になるまで炭酸ナトリウムを加える。有機層を除去し、水(3×)で洗浄する。ジクロロメタンで水層を抽出する。有機層を合わせ、減圧下で濃縮して、黒色の油を得る。2.297kgの黒色の油を約250gの部分に分け、各部分をジクロロメタン(250mL)に溶解する。3.5kgのMerck 9385、60A、230〜400メッシュシリカに加える。6カラム容積で開始する75:25の酢酸エチル/ヘプタンで標的化合物を溶出する(より高速で溶出する不純物が最初に溶出する)。続いて5:95のメタノール/酢酸エチルで行い、残存している生成物(1082gを回収した)を取り除く。以下のキラルHPLC条件を用いて生成混合物を評価する:4.6×150mmキラルパックAD−Hカラム、15:85:0.2のアセトニトリル/3A等級エタノール/ジメチルエチルアミン移動相、0.6mL/分の流速、250nmのUV検出。これらの条件下で異性体比3:2(望ましい/望ましくない)を観察する。30mg/mLの20:80のアセトニトリル/3Aエタノールで異性体混合物を溶解する。以下の分取キラルHPLC条件を用いて異性体を精製する:定常状態リサイクル(SSR)技術(J.H.Kennedy,M.D.Belvo,V.S.Sharp,J.D.Williams,Comparison of separation efficiency of early phase active pharmaceutical intermediates by steady state recycle and batch chromatographic techniques,Journal of Chromatography A,1046 p55−60(2004))を用いる、8×40.5cm キラルパックAD(20ミクロン)カラム、20:80:0.2のアセトニトリル/3Aエタノール/N,N−ジメチルエチルアミン(DMEA)移動相、490mL/分の流速、250nM UV検出、1.5g(50mL)注入、4.6分サイクル時間/注入。異性体1の回収は0.4〜0.9分であり、異性体2の回収は2.4〜4.2分である。望ましい異性体(異性体2;R異性体)は第2の溶出物:ベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメートである。減圧下で、画分を含有する生成物を濃縮して、標題化合物(615g、73%)を白色の固体として得る:MS(m/z):334(M+1)。
【0046】
調製例9
(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンヨウ化水素酸塩
【化14】

ヨードトリメチルシラン(783mL、5.49mol)をジクロロメタン(800mL)に加え、氷水浴中で冷却する。ジクロロメタン(1L)中にベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメート(610g、1.83mol)を溶解し、ヨードトリメチルシラン溶液に加える。添加が完了した後、氷水浴を取り除き、周囲温度にて反応物を約16時間攪拌させる。氷水浴中でヘキサン(6L)およびエタノール(1L)の混合物を攪拌する。攪拌したヘキサン/エタノール混合物を、泡立ちを回避するように注意深く反応混合物に加える。それを周囲温度にて10分攪拌する。得られた固体を濾過により除去し、ヘキサン(3×2L)でケーキを洗浄して、橙色の遊離流動固体として標題化合物(817.1g、98%)を得る:MS(m/z):200(M+1)。
【0047】
調製例10
(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化15】

Buchi水素化装置(hydrogenator)内でベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメート(120.0g、359.9mol)およびエタノール(2.0L)を合わせ、トルエン(200ml)中でスラリーにした10%パラジウム炭素(Pd/C)(10.0g、9.4mmol)を加える。約64時間、混合物を水素化する(60psi、周囲温度)。珪藻土で混合物を濾過し、ケーキをTHF(300ml)で洗浄する。減圧下で濾液を濃縮して、白色の泡状物として標題化合物(60g、84%)を得る:MS(m/z):200(M+1)。
【0048】
実施例1
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド
【化16】

(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンヨウ化二水素酸塩(650g、1.43mol)、1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(427g、1.71mol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(262.5g、1.71mol)をジクロロメタン(3L)に加える。混合物を氷水浴中で攪拌し、ジイソプロピルエチルアミン(797ml、4.57mol)をゆっくりと加える。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(333.6g、1.71mol)を10分にわたって加える。氷水浴を取り除き、混合物を周囲温度にて約16時間攪拌する。反応混合物を水(3×4L)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し、減圧下で混合物を約1L容積まで濃縮する。残渣を酢酸エチル(4L)で希釈する。減圧下で2Lの溶媒を除去する。周囲温度にて混合物を1時間静置させる。得られた沈殿物を濾過により単離し、ヘキサン(2×2L)でケーキを洗浄して、淡黄色の固体として標題化合物(569.9g、93%)を得る:MS(m/z):431(M+1)。H NMR(399.81MHz,DMSO):8.91(s,1H),7.95−7.93(d,J=7.5Hz,1H),7.87−7.83(d,J=8.7Hz,2H),7.49(d,J=1.4Hz,1H),7.44−7.43(d,J=7.6Hz,1H),7.38(m,2H),7.34−7.29(m,1H),7.00−6.96(d,J=8.7Hz,2H),6.95(d,J=1.3Hz,1H),4.65−4.60(m,1H),4.08(q,J=7.0Hz,2H),2.70−2.65(m,1H),2.59−2.56(m,1H),2.33−2.28(m,1H),2.04−2.00(m,1H),1.34−1.31(m,4H),1.27−1.25(m,1H),1.03−0.98(m,1H),0.96−0.90(m,1H)。
【0049】
実施例2
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド
【化17】

THF(300mL)中の(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(30g、151mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20g、151mmol)、トリエチルアミン(41.97mL、301mmol)、および1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(40g、166mmol)の10℃のスラリーに、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(29g、151mmol)を加える。氷浴を取り除き、混合物を周囲温度まで加温し、それを4時間攪拌する。混合物を水(1.0L)に注ぎ、酢酸エチル(1.0L)で抽出する。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を酢酸エチル(300mL)中でスラリーにし、71℃で加熱する。周囲温度まで冷却し、沈殿物を濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄して、標題化合物(38.8g、61%)を得る:MS(m/z):421(M+1)。
【0050】
【化18】

スキームBにおいて、キラル合成処理により、「R」異性体を得る。
【0051】
調製例11
(3R)−3−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−2−オン塩酸塩
【化19】

tert−ブチルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(Armstrong III,Joseph Dら,Tetrahedron Let.35(20)pp.3239−3242(1994)に記載される方法によって実質的に調製する、15g、54.28mmol)を1,4−ジオキサン(100mL、1.17mole)中でスラリーにし、それを氷浴中で冷却する。ジオキサン(100mL、4.0M)中にHClを迅速に添加し、添加後、浴を取り除く。3時間後、さらにジオキサン中のHCL(100mL、4.0M)を加える。反応物を約16時間攪拌する。濾過により固体を回収し、それを少量のエーテルで洗浄し、それをオーブン中で乾燥させて、白色の固体として標題化合物(11.2g、99%)を得る:MS(m/z):177(M+1)。
【0052】
調製例12
ベンジルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化20】

炭酸カリウム(KCO)(19.50g、141.06mmol)を水(36mL)に溶解し、それを、1−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ベンザゼピン−2−オンHCl塩(6g、28.21mmol)のジクロロメタン溶液(CHCl)(270mL)に加える。クロロギ酸ベンジル(6.24mL、42.32mmol)を加え、周囲温度にて約16時間、反応混合物を激しく攪拌する。濾過により沈殿物を回収し、それを水およびエーテルで洗浄し、それを真空オーブン中で乾燥させて、白色の固体として標題化合物(7.2g、82%)を得る:MS(m/z):311(M+1)。
【0053】
調製例13
ベンジルN−[(3R)−2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化21】

ベンジルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(9.4g、30.29mmol)のテトラヒドロフラン溶液(470mL)に、ローソン試薬(12.25g、30.29mmol)を加え、反応物を周囲温度にて約16時間、窒素下で攪拌する。濾過により沈殿物を取り除き、それを捨てる。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解する。水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮して、厚い黄色の油を得る。エーテルを厚い油に加え、それを引っ掻いて固体を形成させる。濾過により固体を回収し、それをエーテルで洗浄する。エーテルで固体を粉砕し、濾過によりそれを回収して、白色の固体として標題化合物(7.28g、74%)を得る:MS(m/z):349(M+23)。
【0054】
調製例14
ベンジルN−[(3R)−2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化22】

テトラヒドロフラン(250mL)中にベンジルN−[(3R)−2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(8.71g、26.68mmol)、塩化第二水銀(HgCl)(9.42g、34.69mmol)、およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(11.65mL、106.73mmol)を合わせ、20分間、55℃で加熱する。混合物を周囲温度まで冷却し、それを珪藻土で濾過する。ケーキをTHFおよび酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濾液を濃縮する。得られた油をジクロロメタンに溶解し、温水(4×)およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮して、固体として標題化合物(9.78g、92%)を得る:MS(m/z):398(M+1)。
【0055】
調製例15
ベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメート
【化23】

ベンジルN−[(3R)−2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(9.78g、24.61mmol)をギ酸(60mL、96%)に溶解し、100℃にて1.5時間加熱する。混合物を冷却し、それをグラスウールプラグで濾過することにより黒い沈殿物を除去する。減圧下で濾液を濃縮し、それを水に注ぎ、それを1MのNaOHで塩基性にする。得られた沈殿物に酢酸エチルを加え、有機層を分離する。酢酸エチルで水層を抽出する。合わせ、洗浄し(ブライン)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮して、標題化合物(6.95g、85%)を得る:MS(m/z):334(M+1)、97.8%ee、異性体1(R異性体)についての保持時間、4.58分、異性体2(S異性体)についての保持時間、3.20分。(キラルパックAD−Hカラム、0.2%ジメチルエチルアミンを含む100%EtOH、流速1.0mL/分、225nM)。
【0056】
調製例16
(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化24】

ベンジルN−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバメート(6.95g、20.85mmol)を無水エタノール(375mL、6.44mole)に溶解し、10%炭素パラジウム(Pd/C)(0.70g、6.57mmol)を加える。水素(H)下で7時間、Parrシェーカーに混合物を入れる(60psi、周囲温度)。濾過により触媒を除去し、減圧下で濾液を濃縮して、黄色の固体として標題化合物(4.17g、100%)を得る:MS(m/z):200(M+1)。
【0057】
【化25】

スキームCにおいて、合成処理によりラセミ混合物を生じる。
【0058】
調製例17
ベンジルN−(2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル)カルバメート
【化26】

ローソン試薬(6.52g、16.11mmol)を、トルエン(120mL)中のベンジルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(10.0g、32.22mmol)の溶液に加え、窒素下で100℃にて2.5時間、反応物を加熱する。反応物を冷却し、濾過により沈殿物を回収する。ケーキを洗浄(エーテル)し、それを真空オーブン中で乾燥させて、標題化合物(5.5g、16.8mmol)を得る。減圧下で濾液を濃縮し、それをフラッシュクロマトグラフィー(30%ヘキサン/CHCl〜100%CHCl)により精製して、標題化合物(3.48g、10.7mmol)を得る。化合物を部分的にラセミ化する。標題化合物の全収率は85%である:MS(m/z):327(M+1)。
【0059】
調製例18
ベンジルN−[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化27】

出発物質としてベンジルN−(2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル)カルバメート(4.2g、12.87mmol)を用いて、調製例14の方法を使用して、黄褐色の固体として標題化合物(4.68g、92%)を得る:MS(m/z):398(M+1)。
【0060】
調製例19
ベンジルN−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート
【化28】

出発物質としてベンジルN−[2−(2,2−ジメトキシエチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(4.6g、11.57mmol)を用いて、調製例15の方法を使用して、標題化合物(3.8g、88%)を得る:MS(m/z):334(M+1)。
【0061】
調製例20
5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化29】

出発物質としてベンジルN−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート(3.36g、10.08mmol)を用いて、調製例16の方法を使用して、黄色の油として標題化合物(2.2g、100%)を得る:MS(m/z):200(M+1)。
【0062】
【化30】

【0063】
調製例21
ベンジルN−[(3R)−1−アセトニル−2−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化31】

粉末水酸化カリウム(KOH)(0.72g、12.89mmol)を、テトラヒドロフラン(65mL)中のベンジルN−[(3R)−2−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(2.0g、6.44mmol)、クロロアセトン(1.19g、12.89mmol)、およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.29mL、1.29mmol、THF中の1M溶液)の溶液に加える。周囲温度にて約16時間、混合物を攪拌する。さらなる水酸化カリウム(0.361g、6.44mmol)、クロロアセトン(0.59g、6.44mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.65mL、0.65mmol、THF中の1M溶液)およびTHF(20mL)を反応物に加え、周囲温度にて約48時間攪拌する。珪藻土で反応混合物を濾過し、減圧下で濾液を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン〜100%酢酸エチル)により精製して、標題化合物(1.64g、65%)を得る:MS(m/z):389(M+23)。
【0064】
調製例22
ベンジルN−(2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート
【化32】

酢酸(20.0mL)中でベンジルN−[(3R)−1−アセトニトリル−2−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(0.7g、1.91mmol)と酢酸アンモニウム(2.94g、38.2mmol)とを合わせ、115℃で24時間加熱し、次いで周囲温度にて約16時間、混合物を攪拌する。反応混合物を氷水に注ぎ、それを水酸化アンモニウム(28〜30%)で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン〜50%酢酸エチル/ヘキサン)、次いでSCXカラム(メタノール、次いでメタノール中の10%の2Nアンモニア/CHCl)により精製して、白色の固体として標題化合物(0.21g、32%)を得る:MS(m/z):348(M+1)。(この中間体から作製した最終化合物に基づいて、標題化合物を部分的にラセミ化する)。
【0065】
調製例23
2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化33】

出発物質としてベンジルN−(2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート(0.19g、0.55mmol)を用いて、調製例16の方法を使用して、標題化合物(0.082g、69%)を得る:MS(m/z):214(M+1)。
【0066】
【化34】

【0067】
調製例24
ベンジルN−[(3R)−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート
【化35】

ベンジルN−[(3R)−2−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(1.5g、4.60mmol)をTHF(40mL)に溶解し、0℃に冷却し、水素化ナトリウム(NaH)(192.9mg、4.83mmol、鉱油中に60%)を一度に全て加える。浴を取り除き、窒素下で約1時間、反応物を攪拌する。ヨウ化メチル(300μL、4.83mmol)を加え、周囲温度にて約1時間攪拌する。減圧下で反応物を濃縮して大部分のTHFを除去し、残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮して、白色の固体として標題化合物(1.5g、96%)を得る:MS(m/z):341(M+1)。
【0068】
調製例25
ベンジルN−(1−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート
【化36】

フェニルエーテル−ビフェニル混合物(2mL、6.53mmol)(ダウサムA)中でベンジルN−[(3R)−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−3H−1−ベンザゼピン−3−イル]カルバメート(500mg、1.47mmol)、プロパルギルアミン(197.28μL、2.94mmol)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(30mg、157.71μmole)を合わせ、180℃にて約45分間、混合物を攪拌する。反応物を冷却し、エーテル(20mL)を加え、次いで2MのHCl(20mL)を加える。数分間攪拌し、水層を除去し、2NのHCl(2×)で有機層を抽出する。水層を合わせ、アルカリ性になるまで水酸化アンモニウム(28%)で塩基性にする。濾過により沈殿物を回収し、それを水で洗浄し、それを真空オーブン中で乾燥させる。沈殿物をフラッシュクロマトグラフィー(50%の5%アンモニア溶液/ジクロロメタン中のメタノール(2M)〜90%の5%溶液)により精製して、オフホワイトの固体として標題化合物(358mg、70%)を得る:MS(m/z):348(M+1)。異性体1(S異性体)についての保持時間=3.3分;異性体2(R異性体)についての保持時間=3.7分。(キラルパックAD−Hカラム;0.2%ジメチルエチルアミンを含む100%EtOH;流速1.0mL/分;225nM)。キラル分析により、約20%のラセミ化が示される。
【0069】
調製例26
1−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化37】

無水エタノール(50mL)中でベンジルN−(1−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)カルバメート(0.99g、2.85mmol)および10%Pd/C(200mg、1.88mmol)を合わせる。7時間(水素(H)60psi、周囲温度)、Parrシェーカーに混合物を入れる。濾過により触媒を除去し、10%Pd/C(200mg、1.88mmol)を濾液に加え、さらに7時間(60psi、周囲温度)、Parrシェーカーに混合物を入れる。7時間後、さらに10%Pd/C(189mg、1.78mmol)を加え、さらに7時間振盪する。濾過により触媒を除去し、減圧下で濾液を濃縮して、標題化合物(0.53g、87%)を得る:MS(m/z):214(M+1)。
【0070】
【化38】

スキームFにおいて、Rは、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、Rは、HおよびCHからなる群より選択され、Rは、HおよびCHからなる群より選択され(ただし、RおよびRからなる群の少なくとも1つはHである)、n=1、2、または3であり、Rは、CHまたはCHCHであり得る。好ましくは、RはCHCHである。
【0071】
調製例27
1−ブロモ−4−ビニルオキシ−ベンゼン
【化39】

トルエン(430mL)中の4−ブロモフェノール(75g、433.5mmol)、酢酸エテニルエステル(80.5mL、867.0mmol)および炭酸ナトリウム(27.6g、260.10mmol)の混合物に、ジ−μ−クロロビス((1,2,5,6−η)−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(2.9g、4.34mmol)を加え、100℃にて2.5時間混合物を加熱する。混合物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(EtOAc)(300mL)で希釈し、水(400mL)で一度洗浄する。有機部分を分離し、ブライン(250mL)で一度洗浄する。その物質を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(0%〜5%EtOAc/Hex)により精製して、標題化合物(63.5g、74%)を得る:GCMS:198。
【0072】
調製例28
1−ブロモ−4−(シクロプロポキシ)ベンゼン
【化40】

1,2−ジクロロエタン(410mL)中の1−ブロモ−4−ビニルオキシ−ベンゼン(31.75g、159.51mmol)およびクロロヨードメタン(101.3g、574.2mmol)の0℃の溶液に、5℃以下の温度を維持しながら、1時間にわたってジエチル亜鉛(ヘプタン中に1M、380mL)をゆっくりと加える。0〜5℃にて2時間、白色の混合物を攪拌する。5℃にて反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(400mL、発熱)でクエンチし、層を分離する。水層をジエチルエーテル(2×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、飽和塩化アンモニウム(400ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油として標題化合物(33g、97%)を得る:GCMS:212。
【0073】
調製例29
4−(シクロプロポキシ)安息香酸
【化41】

テトラヒドロフラン(500mL)中の1−ブロモ−4−(シクロプロポキシ)ベンゼン(33g、154.9mmol)の−78℃の溶液に、−70℃以下に温度を維持しながら、ヘキサン(96.8mL、154.9mmol)中の1.6Mのブチルリチウムを加える。添加後、−78℃にて20分間、混合物を攪拌する。ドライアイス(464.6mmol)を5分間隔で3回に分けて加える。−78℃にて30分間、混合物を攪拌する。冷却浴を取り除き、10%の硫酸水素ナトリウム(NaHSO)(200mL)で混合物をクエンチする。混合物を周囲温度まで加温し、EtOAc(300mL)で3回抽出する。有機物を合わせ、ブラインで一度洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をジエチルエーテルに懸濁し、濾過する。固体を真空オーブン中で乾燥させて、標題化合物(12.9g、47%)を得る:MS(m/z):179(M+1)。
【0074】
調製例30
エチル1−[[4−(シクロプロポキシ)ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート
【化42】

2滴のDMFを含有するジクロロメタン(350mL)中の4−シクロプロポキシ安息香酸(24.5g、137.3mmol)の0℃の懸濁液に、塩化オキサリル(23.8mL、274.7mmol)をゆっくりと加える。添加後、冷却浴を取り除き、2時間攪拌する。その物質を減圧下で乾燥するまで濃縮する。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、次いでエチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩(Indofine#04−265、24.9g、150.5mmol)およびトリエチルアミン(57.2mL、410.4mmol)を加える。周囲温度にて約16時間、混合物を攪拌する。混合物を10%NaHSO(250mL)で一度洗浄する。有機部分を分離し、ジクロロメタン(200mL)で水性部分を2回抽出する。有機物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(0%〜45%EtOAc/Hex)により精製して、標題化合物(33.7g、85%)を得る:MS(m/z):290(M+1)。
【0075】
調製例31
エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート
【化43】

テトラヒドロフラン(500mL)中de4−エトキシ安息香酸(10.0g、60.18mmol)、エチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩(商業的に利用可能、10.96g、66.19mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(13.84g、72.21mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(9.76g、72.21mmol)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(23.09mL、132.39mmol)を3〜5分にわたって加え、窒素下で周囲温度にて約16時間、反応物を攪拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、希HCl、希NaHCO、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をエタノールから再結晶により精製して、白色の固体として標題化合物(13.93g、84%)を得る:MS(m/z):278(M+1)。
【0076】
表1の調製例は、4−エトキシ安息香酸の代わりに3列目の試薬を用いて調製例31の方法に記載したように実質的に調製でき、次いで再結晶(エタノールまたはメタノール)またはフラッシュクロマトグラフィー(10〜50%の範囲のEtOAc/ヘキサン勾配)による精製をせずに、または精製に供さずに使用できる。調製例36および37に関して、エチル1−アミノシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩の代わりにメチル1−アミノシクロペンタンカルボキシレート塩酸塩(商業的に利用可能である)を使用する。調製例32および35をエタノールから再結晶により精製する。調製例33および34をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。調製例36は精製せずに使用できる。調製例37はメタノールから再結晶により精製する。
【0077】
【表1】

【0078】
調製例38
1−[[4−(シクロプロポキシ)ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸
【化44】

エタノール(380mL)中のエチル1−(4−シクロプロポキシベンズアミド)シクロプロパンカルボキシレート(33.7g、6.48mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(174.7mL、174.7mmol)を加え、混合物を65℃にて3時間攪拌する。その物質を周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮して、エタノールを除去する。残渣を10%NaHSOで酸性化する。得られた固体を濾過し、水(3×)およびジエチルエーテル(2×)で洗浄する。その物質を真空オーブン中で乾燥させて、白色の固体として標題化合物(29.9g、98%)を得る:MS(m/z):262(M+1)。
【0079】
調製例39
1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸
【化45】

1,4−ジオキサン(60mL)中にエチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(4.25g、15.33mmol)を溶解し、水(30mL)に溶解した水酸化リチウム(LiOH)(3.22g、76.63mmol)を加える。反応物を周囲温度にて約16時間攪拌する。減圧下で混合物を濃縮し、水を加え、5NのHClで酸性化し、濾過により沈殿物を回収して、白色の固体として標題化合物(2.8g、73%)を得る:MS(m/z):248(M+1)。
【0080】
表2の調製例は、調製例39の脱保護法に記載したように実質的に調製できる。
【0081】
【表2】

【0082】
実施例3
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド
【化46】

テトラヒドロフラン(40mL)中で(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(0.50g、2.51mmol)、1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(0.75mg、3.01mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(407mg、3.01mmol)、および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(577mg、3.01mmol)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(0.53mL、3.01mmol)を加え、窒素下で周囲温度にて約16時間、反応物を攪拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン〜100%EtOAc)により精製して、標題化合物(860mg、80%)を得る:MS(m/z):431(M+1)。
【0083】
表3の実施例は実施例3の方法によって記載したように実質的に調製できる。
【0084】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0085】
調製例46
4−(シクロプロポキシ)−N−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロプロピル]ベンズアミド
【化47】

ジクロロメタン(8mL)中の5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(400mg、2.01mmol)、1−(4−シクロプロポキシベンズアミド)シクロプロパンカルボン酸(577mg、2.21mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(462mg、2.41mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(369mg、2.41mmol)の混合物に、トリエチルアミン(1.26mL、9.03mmol)を加え、周囲温度にて約16時間、混合物を攪拌する。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(0%〜5%MeOH/ジクロロメタン)により精製して、黄褐色の泡状物として標題化合物(791mg、89%)を得る:MS(m/z):443(M+1)。
【0086】
実施例16
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]−4−フルオロ−ベンズアミド
【化48】

N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中で(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(95.0mg、0.48mmol)、1−[(4−フルオロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(128.0mg、0.57mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(218.0mg、0.57mmol)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.19mmol)を加え、窒素下で周囲温度にて約16時間、反応物を攪拌する。酢酸エチルで反応物を希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン中の3%アンモニア(2M)溶液)により精製して、標題化合物(131.0mg、68%)を得る:MS(m/z):405(M+1)。
【0087】
実施例17
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド
【化49】

実施例17は実施例17における方法によって記載したように実質的に調製できる:MS(m/z)387(M+1)。収率63%。
【0088】
【化50】

スキームGにおいて、Rは、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、Rは、HおよびCHからなる群より選択され、Rは、HおよびCHからなる群より選択され(ただし、RおよびRからなる群の少なくとも1つはHである)、n=1、2、または3である。
【0089】
調製例47
tert−ブチルN−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]カルバメート
【化51】

テトラヒドロフラン(10mL)中で(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(570mg、2.86mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸(商業的に利用可能である、633.19mg、3.15mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(464mg、3.43mmol)、および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(658mg、3.43mmol)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(599μL、3.43mmol)を加え、窒素下で周囲温度にて約16時間、反応物を攪拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン〜85%EtOAc/ヘキサン)により精製して、白色の固体として標題化合物(860mg、79%)を得る:MS(m/z):383(M+1)。
【0090】
調製例48
tert−ブチルN−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロプロピル]カルバメート
【化52】

調製例48は、5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンを用いることを除いて調製例47の方法に記載したように実質的に調製できる。30〜95%酢酸エチル/ヘキサンの範囲内の勾配を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。MS(m/z):383(M+1)。
【0091】
調製例49
tert−ブチルN−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロペンチル]カルバメート
【化53】

調製例49は、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンタンカルボン酸(商業的に利用可能である)を用いることを除いて調製例47の方法に記載されるように実質的に調製できる。20〜90%酢酸エチル/ヘキサンの範囲内の勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。MS(m/z):411(M+1)。
【0092】
調製例50
1−アミノ−N−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]シクロプロパンカルボキシアミド
【化54】

tert−ブチルN―[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]カルバメート(856mg、2.24mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、氷浴中で冷却する。トリフルオロ酢酸(10mL、132.25mmol)を加える。浴を取り除き、反応物を1時間攪拌する。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルを加える。1NのNaOHおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮して、標題化合物(470mg、74%)を白色の固体として得る:MS(m/z):283(M+1)。
【0093】
調製例51
1−アミノ−N−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)シクロペンタンカルボキシアミド
【化55】

調製例51は、tert−ブチルN−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロペンチル]カルバメートを用いることを除いて調製例50の方法に記載されるように実質的に調製できる。MS(m/z):311(M−1)。
【0094】
調製例52
1−アミノ−N−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)シクロプロパンカルボキシアミド
【化56】

調製例52は、tert−ブチルN−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロプロピル]カルバメートを用いることを除いて調製例50の方法に記載されるように実質的に調製できる。MS(m/z):283(M+1)。
【0095】
実施例18
4−クロロ−N−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロペンチル]ベンズアミド
【化57】

テトラヒドロフラン(12mL)中で1−アミノ−N−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル)シクロペンタンカルボキシアミド(158mg、509.02μmole)、4−クロロ安息香酸(95.64mg、610.83μmole)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(117.10mg、610.83μmole)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(82.54mg、610.83μmole)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(106.53μL、610.83μmole)を加え、周囲温度にて約16時間、反応物を攪拌する。反応物をEtOAcで希釈し、希炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜40%の5%アンモニア溶液/メタノール/ジクロロメタン(2N)/ジクロロメタン)により精製して、標題化合物(101.0mg、44%)を得る:MS(m/z):449(M+1)。
【0096】
表4の実施例は、3列目に記載した試薬を用いることを除いて実施例18の方法に記載されるように実質的に調製できる。精製のために、0〜80%の範囲のジクロロメタン中のメタノール中の5%アンモニア(2M)溶液/ジクロロメタン勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーを使用する。
【0097】
【表4】

【0098】
実施例21
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド
【化58】

N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中で1−アミノ−N−[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]シクロプロパンカルボキシアミド(160mg、0.57mmol)、4−クロロ安息香酸(106mg、0.68mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(259.0mg、0.68mmol)を合わせる。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.25mL、1.42mmol)を加え、窒素下で周囲温度にて約5時間、反応物を攪拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム、水(2×)、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で有機層を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン〜100%EtOAc)により精製して、標題化合物(190.0mg、80%)を得る:MS(m/z):421(M+1)。
【0099】
表5の実施例は、4−クロロ安息香酸の代わりに3列目の試薬を用い、かつキラルおよびラセミ体アミンを用いる約16時間の反応時間を用いて実施例21の方法によって記載されるように実質的に調製できる。(方法1;実施例22、23、24、25、27、28、29、30、31および32):0〜100%の範囲のジクロロメタン中のメタノール中の3〜5%アンモニア(2M)溶液/ジクロロメタン勾配または(方法2;実施例26):25〜90%の範囲の酢酸エチル/ヘキサン勾配のいずれかを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製を行う。
【0100】
【表5−1】

【表5−2】

【表5−3】

【0101】
【化59】

ラセミ混合物は分離でき、異性体を方法A、B、C、D、EおよびFの下で記載したクロマトグラフィー条件により単離する。
【0102】
ラセミ混合物はRおよびS異性体に分離できる。キラルクロマトグラフィーについての条件:
方法A
SFC−キラルカラム:キラルパックAD−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む20〜30%の範囲のエタノールおよびCOを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長で検出した。
【0103】
方法B
SFC−キラルカラム:キラルパックAD−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む25〜40%の範囲のイソプロパノールおよびCOを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長検出した。
【0104】
方法C
SFC−キラルカラム:キラルパックOD−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む20%エタノールおよびCOを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長で検出した。
【0105】
方法D
SFC−キラルカラム:キラルパックOD−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む15〜20%の範囲のメタノールおよびCOを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長で検出した。
【0106】
方法E
LC−キラルカラム:キラルパックAD−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む100%メタノールを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長で検出した。
【0107】
方法F
SFC−キラルカラム:キラルセルOJ−H
溶出液:0.2%イソプロピルアミン修飾剤を含む10%イソプロパノールおよびCOを用いるアイソクラチック条件
シグナルは225nM波長で検出した。
【0108】
表6において、実施例(2列目)を、クロマトグラフ法A、B、C、D、EおよびFを用いて異性体1(R異性体)および2(S異性体)に分離する。実施例29、30、20、8および6を、方法Aを用いて分離し、実施例10、13、18、19および15を、方法Bを用いて分離し、実施例14、12および11を、方法Cを用いて分離し、実施例7を、方法Dを用いて分離し、実施例9を、方法Eを用いて分離し、調製例47を、方法Fを用いて分離する。異性体1(R異性体)および2(S異性体)、異性体の実施例番号、および異性体の保持時間を1列目に示す。
【0109】
【表6−1】

【表6−2】

【0110】
【化60】

実施例49
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド;4−メチルベンゼンスルホン酸
【化61】

4−クロロ−N−[1−[[(4R)−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(439mg、1.04mmol)をイソプロピルアルコール(13.9mL)に溶解し、イソプロピルアルコール(1.60mL)中の4−メチルベンゼンスルホン酸一水和物(198.40mg、1.04mmol)を周囲温度にてゆっくりと加える。混合物を約2時間攪拌し、濾過により固体を回収する。それを真空オーブン中で乾燥させて、白色の固体として標題化合物(487mg、79%)を得る:MS(m/z):421(M+23)。
【0111】
表7の実施例は、実施例49の方法によって記載されるように実質的に調製できる。
【0112】
【表7】

【0113】
実施例54
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド;塩酸塩
【化62】

4−クロロ−N−[1[[(4R)−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(350.0mg、0.83mmol)をメチルアルコール(12.0mL)に溶解し、溶液を氷浴中で冷却する。エーテル(3.33mL、3.33mmol)中の塩化水素(1N)を滴下して加える。浴を取り除き、混合物を30分間攪拌し、減圧下でそれを濃縮して、白色の固体として標題化合物(323mg、85%)を得る:MS(m/z):421(M+1)。
【0114】
実施例55
4−クロロ−N−[1−(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イルカルバモイル)シクロプロピル]ベンズアミド塩酸塩
【化63】

実施例55を、実施例54の方法に記載されるように実質的に調製する。MS(m/z):421(M+1)。
【0115】
実施例56
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−ヒドロキシ−ベンズアミド
【化64】

4−ベンジルオキシ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(145mg、294.37μmole)をエタノール(20mL)に溶解し、10%Pd/C(22.8mg、10.71μmole)を有するParrシェーカーで18時間(60psi、周囲温度)、水素添加する。触媒を濾過し、減圧下で濾液を濃縮して、白色の固体として標題化合物(107mg、90%)を得る:MS(m/z):403(M+1)。
【0116】
スキームJは、N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミドの合成についての代替の手順を示す。
【化65】

【0117】
調製例53
5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−オン
【化66】

反応器に630kgのDMFを入れ、窒素ブリード下で1〜2時間攪拌する。171kgの炭酸セシウムおよび45.0kgの3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸を入れ、80〜85℃にて1〜2時間、混合物を攪拌し、次いで20〜25℃に冷却し戻す。反応器に27.0kgのイミダゾールおよび4.4kgのヨウ化銅を入れ、20〜25℃にて窒素ブリード下で1〜2時間、混合物を攪拌する。温度を115〜125℃に調節し、20〜24時間激しく攪拌する、[HPLC<3%、3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸]。反応物を60℃に冷却し、181kgのエタノールをゆっくりと入れる。反応物を0〜15℃に冷却し、混合物を8〜10時間攪拌する。遠心分離により固体副産物(bi−product)を単離する。湿潤ケーキ、184kgのエタノールおよび36kgのDMFを反応器に入れ、0〜15℃にて0.5〜1時間攪拌する。遠心分離により固体副産物を単離する。濾液を合わせ、パイプフィルタを介して反応器に移し、微粒子を除去する。内部温度を65℃以下に維持しながら、減圧下で混合物を675〜720Lに濃縮する。25〜35℃に冷却し、174kgのエタノールを反応器に入れる。10〜15分間攪拌し、溶液の水含有量を確認する(KF値<0.5%)。
【0118】
25〜40℃の間の内部温度を維持しながら、上記の溶液に95kgの塩化チオニルをゆっくりと入れる。混合物を7〜10時間、還流まで加熱する[HPLC<3%の3−(2−イミダゾール−1−イル−フェニル)−プロピオン酸]。20〜35℃に冷却する。混合物を濾過し、189kgのエタノールで濾過ケーキを洗浄する。
【0119】
合わせた濾液を反応器に入れ、65℃の内部温度を維持しながら、減圧下で攪拌しながら675〜720Lに濃縮する。温度を20〜30℃に調節する。450kgの水をゆっくり入れ、内部温度を20〜30℃に維持し、10〜15分間攪拌する。
【0120】
得られた混合物をヘプタン(3×153kg)で洗浄し、30℃未満に内部温度を維持しながら、25%NaCO水溶液(45kg)を用いて水層のpHをpH8.0に調整する。得られた混合物をMTBE(3×450kg)で抽出し、合わせたMTBE層(1×369kgの2%NHOH;2×362kgのHO)を洗浄する。40℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で有機層を90〜180Lに濃縮する。パイプフィルタを介して220kgの2−MeTHFを入れ、微粒子を除去し、40℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で90〜180Lに濃縮する。パイプフィルタを介して214kgの2−MeTHFを入れ、微粒子を除去し、(処理中のKF値<0.2%)、きれいなプラスチックドラムに溶液を移し、2−MeTHF中のエチル3−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)プロパノエートの195.8kgの溶液を得る。
【0121】
反応器に281kgの2−MeTHFおよび31kgのジイソプロピルアミンを入れる。−80〜−70℃に冷却し、n−ヘキサン中の86kgのn−ブチルリチウムをゆっくりと入れ、−80〜−70℃に温度を維持し、1〜3時間攪拌する。−80〜−70℃にて反応器に2−MeTHF中のエチル3−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)プロパノエートの195.8kgの溶液をゆっくりと入れ、−80〜−70℃にて2〜4時間攪拌する(処理中のHPLC<3%、エチル3−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)プロパノエート)。−80〜−70℃にて反応器に47.8kgのエタノールをゆっくりと入れ、−80〜70℃にて0.5〜2時間攪拌する。−25℃以下に内部温度を維持しながら、反応器に310kgのMTBEをゆっくりと入れる。292kgの10%クエン酸水溶液でpHを7.5に調整する。温度を約0℃に調整する。水層を分離し、202kgの25%NaCl水溶液で有機層を洗浄する。層を分離し、40℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で41〜82Lに有機層を濃縮する。水層を200kgのジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、15〜25℃にて0.5〜1時間攪拌する。二酸化ケイ素(20kg)のパッドで濾過し、60kgのジクロロメタンでパッドを洗浄する。40℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で濾液を82〜123Lに濃縮する。170kgのMTBEを残渣に入れ、50℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で82〜123Lに濃縮する。208kgのMTBEを入れ、10〜15分間攪拌する(処理中にコントロールは10.8%の2−MeTHFおよび4.6%のDCMを示した)。279kgのMTBEを入れ、50℃以下に内部温度を維持しながら、減圧下で82〜123Lに濃縮する(残留2−MeTHF%=1.6%、残留DCM%=2.7%)。14.5kgの酢酸メチルを残渣に入れ、30〜60分間、還流まで混合物を加熱する。混合物を0〜15℃に冷却し、0〜15℃にて6〜8時間攪拌する。遠心分離により固体を単離し、35kgのMTBEでケーキを洗浄する。得られた固体を乾燥して、15.8kgの5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−オンを得る。LC/MS=199(M+1)、419(2M+23)。
【0122】
調製例54
5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾ[f]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−4−オンオキシム
【化67】

窒素雰囲気下で、反応器に42kgの(5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−オン)、15.5kgのヒドロキシルアミン塩酸塩、21.5kgの無水酢酸ナトリウム、および171kgのメタノールを入れる。得られた茶色の懸濁液を20時間、60〜70℃に加熱する(処理中のHPLC<3%の5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−オン)。反応物を23〜25℃に冷却し、8時間攪拌する。遠心分離により固体を単離し、33kgの冷メタノールでリンスする。得られた固体を反応器に移し、85〜90℃にて2時間、210kgの水でスラリーにする。遠心分離により固体を単離し、85kgの水で固体をリンスする。得られた固体を乾燥させて、39.65kgの5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾ[f]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−4−オンオキシムを得る。MS=214(M+1)。
【0123】
調製例55
5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン二塩酸塩
【化68】

不活性雰囲気下で反応器に、153kgのメタノール、9.6kgの5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾ[f]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−4−オンオキシム、1.9kgの水酸化ナトリウム固体、10kgの水および10kgのラネーニッケル(Suzhou Tailida Sci−tech Co.,Ltd.)を入れる。反応器を58〜65psiに水素ガスで加圧し、60〜65℃に加熱する。40時間後、10〜20℃に冷却し、濾過し、8kgの珪藻土のパッドでニッケル触媒を除去し、33kgのメタノールでリンスする。減圧下で濾液を1〜2容量の間に濃縮し、50℃以下に反応温度を保持する。130kgのジクロロメタンを入れ、1〜2容量に濃縮し、さらに130kgのジクロロメタンおよび104kgの水を入れる。10〜20℃にて10〜15分間攪拌し、30〜35分間攪拌せずに保持する。層を分離し、有機物および水層を別のタンクに移す。104kgの精製水および104kgの25%塩化ナトリウム溶液で有機層を洗浄する。水層から有機層を分離する。層分離に使用した元の反応器は、最小量のエタノール(20kg)でリンスされるべきであり、エタノールリンス液を有機層に加えた。40℃以下に内部温度を維持しながら、真空下で有機層を1〜2容量に濃縮する。57〜58kgのエタノールを入れ、1〜2容量に濃縮し、40℃以下に内部温度を維持し、残存溶媒の解析(GC)によりジクロロメタンが検出されなくなるまで繰り返す。3容量のエタノールを入れ、残存ジクロロメタンについて解析する(GC)。何も検出されない場合、10〜15℃まで冷却し、酢酸エチル中の100kgの4NのHClをゆっくりと入れる。10〜20℃にて3〜8時間攪拌し、濾過し、25kgのエタノールでケーキをリンスする。50〜55℃にて12〜16時間、ケーキを乾燥させて、11.1kgのラセミ体アミンビスHCl塩(5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾ[f]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−4−アミン1.5〜2.0HCl塩)を得る。MS=200(M+1)。
【0124】
調製例56
(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化69】

反応器に35.9kgの5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン二塩酸塩および453mlの水を入れる。25℃以下に温度を維持しながら、30分以内に29.7LのNHOH25%をゆっくりと加える。添加後、pHは9であり、透明な茶色の溶液になる。22℃にて31.5グラムの晶種を加えることによって結晶化を誘導する。懸濁液を8時間攪拌し、5℃に冷却する。濾過し、54Lの冷水で濾過ケーキを洗浄し、31時間、N/真空を用いてフィルター中で得られた濾過ケーキを乾燥させ、5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンを得る。29kgの粗フィルターケーキを145Lのエタノールに少しずつ溶解する。真空蒸留により73Lの溶媒を除去する。108Lのエタノールを加え、除去し、最終濃度が2L/kgになるまで、133Lの溶媒を蒸留する。処理中にカールフィッシャー分析を実施して、≦0.1%w/wで最終水含有量を測定する。
【0125】
キラル固定相(CSP)として、キラルパックAS−V、20Qm上で5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンのSMB分離を実施する。移動相はエタノール/メタノール/N,N−ジエチルメチルアミン=70:30:0.1v:v:vである。標的鏡像異性体(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンは2番目に溶出する鏡像異性体である。抽出ストリームのイン・スペック(in−spec)画分をプールし、≦65℃および約20%の残存体積に対してp=300〜79mbarにて濃縮する。濃縮のために充填したプールを、下流のインライン−フィルターポリキャップHD(5.0μm)を用いて活性炭カートリッジZetaCarbon R55SPに通す。[キラルパックAS−V、20μm;移動相:エタノール/メタノール/N,N−ジエチルメチルアミン=70:30:0.1 v:v:v;供給:溶出液(移動相)中に約173g粗物質/L;抽出:220.60mL/分;ラフィネート:46.22mL/分;溶出液:245.03mL/分;供給:21.80mL/分;リサイクル:382.38mL/分;時間:1.00分;温度:室温;圧力:約42bar]。
【0126】
【表8】

【0127】
調製例57
エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート
【化70】

800Lの反応器に4−エトキシ安息香酸(11.0kg)およびジクロロメタン(132.6kg)を入れる。ジメチルホルムアミド(34mL)を加え、次いで27±2℃の温度を維持しながら、塩化オキサリル(9.2kg)を約45分にわたって加える。27±2℃にて4.5時間、反応器の内容物を攪拌する。HPLC分析により、2.5%の4−エトキシ安息香酸が示される。真空蒸留により過剰な塩化オキサリルを除去する。油状の残留物をジクロロメタン(55kg)に溶解する。800Lの反応器に1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(10kg)およびジクロロメタン(110kg)を入れる。トリエチルアミン(15.3kg)を入れ、添加の間、10℃未満の温度を維持する。温度を15℃以下に維持しながら、少なくとも45分にわたって酸塩化物溶液を加える。得られた混合物を23℃にて一晩(12時間)攪拌する。HPLC分析により、約85%純粋であることが示される。生成物のスラリーを1NのHCl(33.4L)で抽出し、ジクロロメタン(44.3kg)で水層を抽出する。合わせた有機層を8%のNaHCO水溶液(50.4kg)で洗浄する。有機層を水(33.4kg)およびブライン(33.4kg)で洗浄する。蒸留物の体積が約70Lに到達するまで、ジクロロメタンを蒸留し、次いで十分なスラリー状でヘプタン(164kg)を加える。蒸留物の体積がさらに70Lのジクロロメタンに到達するまで、蒸留し続ける。この真空蒸留の間、バッチ温度は0℃の低さである。生成物のスラリーを20±5℃にて1時間攪拌する。生成物を濾過し、ヘプタン(2×20kg)で洗浄し、真空下で乾燥させて、エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(14.6kg、86%収率、HPLCにより93.5%純粋)を得る。
【0128】
エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレートの再結晶:
800Lの反応器に粗エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(14.19kg)およびジクロロメタン(144kg)を入れる。混合物を30分間、25±2℃で攪拌して、透明溶液を得る。ヘキサン(191kg)を上記の溶液中で30分にわたって加える。得られた生成物のスラリーを25±2℃にて20分間攪拌し、次いで20±5℃にて真空蒸留によりジクロロメタンを除去する。十分なスラリーを攪拌するためにさらにヘキサン(29kg)を加え、25±2℃にて1時間攪拌する。固体を濾過し、ヘキサン(19kg、38kg、29kgおよび19kg)で洗浄する。エチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレートの湿潤ケーキは、HPLC分析により検出した場合、不純な(4−エトキシ安息香酸無水物)を示さなかった。40℃にて減圧下で23時間乾燥させて、白色のふわふわした粉末としてエチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(12.21kg、86%収率、HPLCにより99.9%純粋)を得る。プロトンNMRは構造と一致する。
【0129】
調製例58
1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸
【化71】

800Lの反応器にエチル1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(12.19kg)、THF(45.5kg)およびMeOH(20.2kg)を入れる。移す間、23℃未満の温度を維持しながら、水(25.6kg)中のLiOH一水和物(2.49kg)の溶液を反応器に加える。得られた溶液を20±3℃にて一晩(19時間)攪拌する。真空蒸留によりTHFおよびMeOHを除去し、次いで水(67kg)を反応器に加える。17±2℃にて5NのHCl(約12L)で反応物のpHを約2.0のpHに調整する。17±2℃にて得られたスラリーの生成物を50分間攪拌する。濾過により固体を回収し、水(3×40Kg)で洗浄する。真空下で47℃にて湿潤ケーキを乾燥させて、白色の粉末固体として1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(10.74kg、98%収率、HPLCにより>99%純粋、0.03%KF)を得る。LC−MS(M+1=250)。
【0130】
実施例57
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド
【化72】

下流のインラインフィルターポリキャップHD(5.0μm)を有するZeta−Carbon R55SP活性炭カートリッジを介して(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンの46.36kgのエタノール溶液を20Lのロータリエバポレーターに数回に分けて移し、55〜58℃かつp=130〜079mbarにて濃縮し、最終的に凝固残留物を得る。その物質を2つの部分(4.524kgおよび4.468kg)に分ける。
【0131】
第1の部分を11kgのジクロロメタンに溶解し、55℃かつ600〜200mbarにて再度濃縮する。乾燥するまで蒸発させた後、得られた固体を11kgのジクロロメタンに溶解し、得られた溶液を残留エタノールのNMR測定のためにサンプリングする。55℃かつp=600〜200mbarにて乾燥するまで蒸発させる。11kgのジクロロメタンに再溶解する。有機溶液を新しいドラムに移し、5.5kgのジクロロメタンでロータリエバポレーターをリンスし、リンス溶液と第1の濃縮物とを合わせる。
【0132】
第2の部分を11kgのジクロロメタンに溶解し、55℃かつp=600〜200mbarにて蒸発させ、11kgのジクロロメタンに再溶解する。乾燥するまで蒸発させる。11kgのジクロロメタンに再溶解し、エタノールについてサンプリングする。55℃かつp=600〜200mbarにて蒸発させ、次いで11kgのジクロロメタンに再溶解する。残留エタノールについてサンプリングする。第1の濃縮物と合わせる。5.5kgのジクロロメタンでロータリエバポレーターをリンスし、次いで他の濃縮溶液と合わせる。160Lの反応器を不活性化し、その反応器に移す。20℃にて反応器に34Lのジクロロメタンを入れ、10.4kgの1−[(4−エトキシベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸および17.5Lのトリエチルアミンを入れる。50分以内に得られた溶液を−20℃に冷却する。27LのT3Pを、−20℃にて3時間以内に添加タンクを介してゆっくりと反応混合物に加える。反応物を−18℃にて9時間攪拌する。40分以内に反応物を−3℃まで加温する。45分以内に42Lの水を加え、温度を6℃まで上昇させ、鮮黄色の懸濁液を形成させる。20℃にて45分後、反応混合物はまだ懸濁している。17Lのジクロロメタンを加え、20分後に固体の完全な溶解を達成する。層分離(25分)後、水層(pH8)を除去し、有機ジクロロメタン相を43Lの水で洗浄する。相分離後、水層(pH9)を除去する。有機ジクロロメタン層を42Lの水で2回洗浄する。相分離(15分)後、有機層を新しいドラムに移す。水層を洗浄し、反応器に移し、21Lのジクロロメタンで2回洗浄する。反応器中に全ての有機抽出相を合わせ、約5日間、−10℃にて使用または保存する。反応器をメタノールでリンスし、インラインフィルターを介して反応器に移す。65℃かつp=1bar〜700mbarにて7.0L/kgの(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンの溶液を濃縮し、73Lの溶媒を除去する。20℃にて一晩、得られた濃縮物を攪拌し、懸濁液を形成させる。66.5Lのインライン濾過した(inline−filtered)酢酸イソプロピルで懸濁液を希釈する。65℃かつp=1barおよび300mbarにて懸濁液を濃縮し、58Lの溶媒を除去する。65℃にて67Lのインライン濾過した酢酸イソプロピルで懸濁液を希釈し、65℃かつp=300〜140mbarにて再度濃縮し、67Lの溶媒を除去する。全ての蒸留工程の間、最大温度は50℃である。45分以内に濃縮した懸濁液を65℃まで加熱する。35分以内に65〜62℃にて55Lのインライン濾過したn−ヘプタンを加える。12時間以内に、20℃から冷却しながら、中間の速度で懸濁液を攪拌する。ヌッチ(nutsch)(高速濾過:16分)を介して懸濁液を濾過する。25Lのインライン濾過したn−ヘプタンで反応器をフラッシュし、洗浄懸濁液をフィルターケーキ上に通す。フィルターケーキをブロードライし、真空下(p=200〜100mbar)で乾燥させ、16.8kgのN−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミドを得る。実施例57の物質のNMRは実施例1の物質と一致する。
【0133】
調製例59
5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン
【化73】

空気下で25mLの丸底フラスコに、(4S)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミン(1.0g、5.02mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(492mg、5.12mmol)、PEPPSI(商標)(37mg、0.054mmol)および攪拌バーを加える。隔壁でフラスコを閉じ、それをニードルを介してダブルマニホルドに取り付ける。フラスコを排気し、窒素で3回埋め戻す。シリンジを介してエタノール(12mL)を加え、60℃の油浴中で24時間加熱する。油浴からフラスコを除去する。1gのシリカゲルおよび400mgのSi−チオール金属捕集剤を加え、140分間攪拌する。混合物を濾紙で濾過し、ロータリエバポレーターを介して濾液を濃縮する。真空下で75℃にて残留物を乾燥させて、1.0gの黄褐色の固体を得る。キラルLC(キラルセルOD−Hカラム上の0.2%DMEAを有する10%エタノール/90%ヘプタン)−0.2%ee。ES/MS m/z 200.2[m+H]。
【0134】
実施例58
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド
【化74】

カップリング反応に使用する前に乾燥するまで(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンのエタノール溶液を濃縮する。15.0gの(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−アミンおよび18.03gの1−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸を、120mlのジクロロメタンおよび32mlのトリエチルアミンに溶解する。−20℃まで冷却した後、−19℃の温度を維持しながら、40分以内に53.0ml(1.2eq.)のT3Pを加える。反応物を室温まで一晩加温する。出発物質が完全に消費しているかをHPLCにより確認する。0〜6℃にて水性クエンチ(75mlの水)後、ジクロロメタンでさらに希釈し(さらなる180mlのジクロロメタンの添加後、沈殿している固体が溶解した)、相を分離させる。有機層を75mlの水で2回洗浄し、次いで合わせた水層を75mlのジクロロメタンで一度逆抽出する。有機抽出相(420ml)を濃縮し、290mlの溶媒を除去する(固体の沈殿が始まる)。240mlの酢酸イソプロピルを加え、次いでさらに250mlの溶媒を除去する。得られた厚い懸濁液を70℃まで加温し、30mlのn−ヘプタンを加え、懸濁液を室温まで一晩ゆっくりと冷却する。ガラスフィルターヌッチを介して懸濁液を濾過し、n−ヘプタンで濾過ケーキを洗浄する。ロータリエバポレーターで乾燥後、29.65gの薄茶色の固体を得る(93.58%収率、HPLC(アキラル))。LC−MS(質量分析)(m/z):421。
【0135】
生物学的アッセイ
DGAT−1酵素アッセイ:DGAT−1の阻害剤は、酵素源としてsf9昆虫細胞において発現する組換えヒトDGAT−1を使用するインビトロ酵素アッセイと同一である。DGAT−1酵素は、DGAT−1発現ベクターを含有する組換えバキュロウイルスを有する感染細胞により生成される。48時間後、感染細胞を遠心分離により収集し、冷やした20mMのNaClに再懸濁し、Dounceホモジナイザーで破壊する。15mlの20mMのNaClを、感染細胞懸濁液の各リットルについて細胞ペレットに加える。ホモジネート中のDNAを、25ゲージニードルを介して細胞抽出物を引っ張ることによって剪断する。バキュロウイルス感染細胞ホモジネート中のDGAT−1活性を、非感染細胞由来のホモジネートと比較して、sf9細胞と関連するバックグラウンド酵素活性を評価する。
【0136】
Coleman(Methods in Enzymology 209.pp98−102(1992))に記載されているアッセイの修飾を用いて、アッセイを96ウェルプレートで実施する。手短に述べると、化合物を100μM〜1.7nMの最終濃度の1:3連続希釈スキームで試験する。酵素反応混合物は、150mMのHepesバッファー pH7.4、0.7%vol/vol Triton(商標登録)X−100およびComplete(商標)プロテアーゼ阻害剤を含有する水性バッファー中に基質である250μMの1,2−sn−ジアシルグリセロール(Avanti Polar Lipids)、5μMの14CオレオイルCoA、および45μMのオレオイルCoAを含有する。2マイクログラムのsf9ホモジネートを反応ウェルごとに使用する。合計反応体積は50μlである。反応物を25分間室温にてインキュベートし、次いで58.8%イソプロパノール、14.7%n−ヘプタン、11.5%水、12.5%エタノール、および2.5%1N水酸化ナトリウムを含有する50μlの溶液を添加することによって停止する。次いで100マイクロリットルのシンチレーションカクテルを加え、8時間後、プレートをカウントする。化合物についての濃度反応曲線およびIC50値を、ActivityBase(IDBS)データ解析ソフトウェアを用いて生データから誘導する。
【0137】
本明細書に開示した実施例の化合物の全ては、本明細書に実質的に記載したDGAT−1酵素アッセイにおいて、600nM未満の測定したIC50を有する活性を示す。化合物N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)に関して、測定したIC50は134±8.0nM(n=2;幾何平均±標準誤差)であり、化合物4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)に関して、測定したIC50は89.0±0.98nM(n=3;幾何平均±標準誤差)である。
【0138】
DGAT−1酵素アッセイからの結果は、本明細書に開示した実施例がDGAT−1酵素の有効な阻害剤であることを示す。
【0139】
脂肪細胞トリグリセリド合成アッセイ:このアッセイは、インタクトなマウス3T3−L1脂肪細胞においてトリグリセリド合成を阻害する化合物の能力を測定する。未分化3T3−L1細胞を、標準的な組織培養条件を用いて25,000細胞/ウェルの密度にて96ウェルプレート中で培養する。培養下で2日後、細胞を、0.5mMの1−メチル−3−イソブチルキサンチン(IBMX)、10μg/mLのインスリンおよび1μMのデキサメタゾンを添加した培地に入れることによって脂肪細胞に分化させる。培養下で5日後、細胞を10μg/mLのインスリンのみを添加した培地中で増殖させる。細胞を12日培養した後、アッセイを実施する。アッセイを開始するために、培地を細胞から除去し、0.375μCi/ウェル14Cアセテートを含有する50μlのOptiMEM(登録商標)培地と置き換える。次いで細胞を4時間、7.5%CO中で37℃にてインキュベートする。このインキュベーションの終わりに、培地を除去し、ハンクス平衡塩で細胞を1回洗浄し、25μlの0.7%Triton(登録商標)X−100を各ウェルに加え、5分間細胞を抽出する。この時間の終わりに、58.8%イソプロパノール、14.7%n−ヘプタン、11.5%水、12.5%エタノール、および2.5%1N水酸化ナトリウムを含有する75μlの溶液を各ウェルに加え、プレートをオービタルシェーカーで2分間振盪する。次いで100μlのヘプタンを加え、プレートをさらに2分間振盪する。次いでプレートを低速の遠心分離で回転させ、相の分離を容易にし、50μlの疎水性相をシンチレーション計数のために除去する。濃度応答曲線および化合物についてのEC50値は、ActivityBase(IDBS)データ解析ソフトウェアを用いて生データから誘導される。本明細書に記載した脂肪細胞トリグリセリド合成アッセイ法によって実質的に化合物を試験する。
【0140】
化合物N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)に関して、測定したEC50は175nM±94.0(n=2;幾何平均±標準誤差)である。化合物4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)に関して、EC50は213nM±78.2(n=4;幾何平均±標準誤差)である。
【0141】
脂肪細胞トリグリセリド合成アッセイからの結果は、化合物N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミドおよび4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミドが、インタクトなマウス3T3−L1脂肪細胞においてトリグリセリド合成の有効な阻害剤であることを示す。
【0142】
油ボーラス吸着モデル:DGAT−1が小腸からの脂質吸収に関与していることを示している、Buhmanら(Journal of Biological Chemistry 277 pp25474−25479(2002))の実験に基づいて、DGAT−1阻害のインビボモデルを開発し、オリーブ油ボーラスのラットへの経口投与後の血漿トリグリセリドレベルを測定する。通常の食餌でオスのSprague−Dawleyラット(280〜320g、n=6/試験群)を、化合物評価の前に少なくとも1週間、試験動物施設に順応させる。化合物を試験する前に、ラットを16時間絶食させる。1ml/kgの体積にて10%エタノール/90%トウモロコシ油のビヒクルで化合物を強制経口投与により投与する。化合物投与の4時間後、0.5mlの血液サンプルを尾静脈を介して回収する。4時間の血液回収の直後に、オリーブ油の3.0mlのボーラスを強制経口投与により投与する。化合物投与の6時間後、最終的な血液サンプルを尾静脈から回収する。血漿を遠心分離により血液サンプルから調製し、Hitachi912臨床化学分析器を用いて、トリグリセリド含有量、および試験化合物レベルの両方を解析する。血漿トリグリセリドの増加を50%(ED50)および80%(ED80)低下させる有効量を測定する。DGAT−1阻害は、ビヒクル処置した(コントロール)動物においてこの研究の4〜6時間の間(変更したモデルにおいて14〜16時間の間)で生じる血漿トリグリセリドの増加を阻害する試験化合物の能力の指標である。モデルの変更において、第1の血液サンプル回収および油ボーラス投与の14時間前に化合物を投与する。最終的な血液サンプルを投与後16時間で回収する。このより長い時間バージョンのモデルにおいて、より短い時間バージョンのモデルと一致する化合物投与の10時間後、化合物を有さない10%エタノール/90%トウモロコシ油ビヒクルを投与する。本明細書に記載した油ボーラス吸収ラットモデル法により実質的に化合物を試験する。
【0143】
化合物N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)に関して、3つの実験は1、3、10および30mg/kgの用量を使用した。化合物4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)に関して、実験1は0.3、1、3、10および30mg/kgの用量を使用し、実験2および3に関して、用量は0.1、0.3、1、3および10mg/kgを使用する。結果を表8および9に与える。
【0144】
表8:16時間の油ボーラス試験におけるN−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)の結果
【表9】

【0145】
表9:6時間の油ボーラス試験における4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)の結果
【表10】

【0146】
データをメタ解析を用いて解析する。全ED50(ED80)を、個々の研究からED50(ED80)の加重平均として推定し、加重は、ED50(ED80)推定の分散の逆数である。均質性Q試験を実施する。この試験が0.10レベルで有意である場合、試験間(inter−study)および試験内(intra−study)変動性の両方を含むように混合効果モデルを使用する。加重を、個々の研究からのED50(ED80)の試験間分散および試験内分散の合計の逆数に調節する。試験間分散はPaule−Mandel推定器により推定する(参考文献:Sutton,A.J.,Jones,D.R.,Abrams,K.R.,Sheldon,T.A.,およびSong,F.,Methods for Meta−analysis in Medical Research London,John Wiley,ISBN0−471−49066−0(2000)。Dersimonian R.,およびKacker,R.,Random−effects model for meta−analysis of clinical trials:An update,Contemporary Clinical Trials 28 p105−114(2007)。
【0147】
表10:16時間の油ボーラス試験におけるN−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)のメタ解析
【表11】

【0148】
表11:6時間の油ボーラス試験における4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)のメタ解析
【表12】

この結果は、N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)および4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)が、油ボーラス吸収ラットモデルにおいて血漿トリグリセリドの増加を阻害することを示す。これらの結果はDGAT−1の阻害の指標である。
【0149】
食餌性肥満マウスモデル:体重および食物摂取に対する効果を測定するために、高脂肪食餌(Research Diets D12492)を与えたC57 Bl6マウスにおいて化合物を試験する。D12492で飼育した14週齢のマウスを、12時間明/暗サイクルで2週間、試験動物施設に順応させる。化合物を試験する7日前に、処置しているマウスを慣れさせるために、適切なビヒクルを用いて1日に1回または2回のいずれかで動物に経口強制投与する。ビヒクル投与の6日目に、定量的核磁気共鳴(QNMR)により身体組成を測定する。ビヒクル投与の7日目に、体重により動物を無作為化し、試験群(n=8)に分類する。化合物投与を1日に2回、ビヒクル投与の7日後に開始する。暗/明サイクルの暗期間の30分前に動物に化合物を与え、所望の場合、再度、暗期間中の5.5時間に与える。化合物投与を15〜22日間継続し、その期間の間、食物摂取および体重測定を毎日測定する。実験の14日目に、2回目のQNMRにより身体組成を測定する。15日目に、最終投与の後、血漿中の試験化合物レベルを測定するために、0、2、4、および6時間にて試験群ごとに2匹の動物から末端の血液を得る。
【0150】
メタ解析を用いてデータを解析する。体重増加(損失)の割合および脂肪塊増加(損失)の割合に関して、メタ解析における治療効果の測定は、処置群とコントロール群との間の群の平均差である。コントロールからの累積食物摂取量の変化の割合(%CFICFC)に関して、治療効果の測定は%CFICFC自体である。個々の試験からの治療効果の加重平均として全体の治療効果を推定し、加重は、個々の試験の治療効果推定の分散の逆数である。均質性Q試験を実施する。この試験が0.10レベルで有意である場合、試験間および試験内変動性の両方を含むように混合効果モデルを使用する。加重を、個々の研究からの治療効果推定の試験間分散および試験内分散の合計の逆数に調節する。試験間分散はPaule−Mandel推定器により推定する(参考文献:Sutton,A.J.,Jones,D.R.,Abrams,K.R.,Sheldon,T.A.,およびSong,F.,Methods for Meta−analysis in Medical Research London,John Wiley,ISBN0−471−49066−0(2000)。Dersimonian R.,およびKacker,R.,Random−effects model for meta−analysis of clinical trials:An update,Contemporary Clinical Trials 28 p105−114(2007)。本明細書に記載した食餌性肥満マウスモデル法により実質的に化合物を試験する。
【0151】
N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)に関して、3つの実験を、1、3、10および30mg/kg(2つの実験)ならびに3および30mg/kg(1つの実験)の用量で実施した。3および30mg/kg用量は実験に共通しているので、これらの用量を結果を比較するために使用する。
【0152】
4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)に関して、2つの実験を、3、10、30および60mg/kgの用量にて、ならびに0.3、1、3および10mg/kgの用量にて実施した。各々の実験に関して、用量は1日に2回与える。3および10mg/kg用量は実験に共通であるので、それらの用量を結果を比較するために使用する。
【0153】
表12、13および14は、N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)に関して、体重、脂肪塊、および食物摂取の増加(プラス)または損失(マイナス)の平均の割合の結果を示す。
【0154】
表12:ビヒクルで抑制した体重増加変化の割合
【表13】

【0155】
表13:ビヒクルで抑制した脂肪塊変化の割合
【表14】

【0156】
表14:ビヒクルで抑制した食物摂取変化の割合
【表15】

【0157】
表15、16および17は、4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)に関して、体重、脂肪塊、および食物摂取の増加(プラス)または損失(マイナス)の平均の割合の結果を示す。
【0158】
表15:ビヒクルで抑制した体重変化の割合
【表16】

【0159】
表16:ビヒクルで抑制した脂肪塊変化の割合
【表17】

【0160】
表17:ビヒクルで抑制した食物摂取変化の割合
【表18】

【0161】
この結果は、N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(実施例1、3、57)および4−クロロ−N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]ベンズアミド(実施例2、21、58)が、食餌性肥満マウスモデルにおいて体重、脂肪塊、および食物摂取を減少させることを示す。
【0162】
製剤
pH5.5で溶解し、30%N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド/70%HPMC−AS−L固体分散を生じる等級である、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS−L)を用いる製剤の調製。
【0163】
フィルムキャスティング:350.12mgのHPMC−AS−L、150mgのN−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミドおよび溶媒として5mLの50/50MeOH/アセテート溶液を用いてサンプルを調製する。約60℃に予熱した平底ペトリ皿に溶液の一部を分配する。55℃にて3.5時間、真空オーブン中でフィルムを保存して、全ての残留溶媒を除去する。
【0164】
皿からサンプルを擦り、モルタルおよび乳棒を用いて粒径を減少させる。HPMCポリマーは、容易に除去されるが、さらに粒径を減少させることが困難である扱える粉末を形成しない、弾性フィルムを形成する。モルタルおよび乳棒を用いてサンプルを研磨して、均一な塊サイズを形成させる。
【0165】
GEA NERO SDMICRO(商標)スプレードライヤー:HPMC−AS−L(25.7g);N−[1−[[(4R)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a][1]ベンザゼピン−4−イル]カルバモイル]シクロプロピル]−4−エトキシ−ベンズアミド(11.0g);噴霧化ガス流(約2.0kg/h);溶媒流の間の出口温度(52℃);および溶液流速(約8〜10mL/分)を用いて噴霧乾燥する。溶媒としてアセトン:メタノールの70:30混合物を使用する。各操作についてのこの系に対する窒素の質量流は32.5kg/hである。各操作は約4重量%の固体の溶液を使用する。より高い重量パーセントの固体を使用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式の化合物
【化1】

(式中、
は、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−O(C−Cアルキル)、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択され、
は、Hおよび−CHからなる群より選択され、
は、Hおよび−CHからなる群より選択され(ただし、RおよびRからなる群の少なくとも1つはHである)、
nは、1、2、または3である)
またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
nが1または3である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
nが1である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
がHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
が、H、F、Cl、−CF、−CH、−OH、−OCH、−OCHCH、−OCHCHCH、−OCHCH(CH、−O−シクロプロピル、−O−CH−フェニル、−OC(H)F、および−OCFからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
が、Clおよび−O−(C−Cアルキル)からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
がClである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
R1が−OCHCHである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
前記化合物がR異性体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の塩。
【請求項12】
下記の式の化合物:
【化2】

またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項13】
下記の式の化合物:
【化3】

またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項14】
医薬的に許容可能な担体と、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩とを含む、医薬組成物。
【請求項15】
第2の薬剤をさらに含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
哺乳動物における肥満を治療する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に化合物またはその医薬的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
【請求項17】
哺乳動物におけるインスリン感受性を改善する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
【請求項18】
治療に使用するための請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項19】
肥満の治療に使用するための請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項20】
糖尿病の治療に使用するための請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項21】
下記の式の中間体化合物
【化4】



【公表番号】特表2013−513607(P2013−513607A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543187(P2012−543187)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059158
【国際公開番号】WO2011/071840
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】