説明

ジアゼピンジオン誘導体

【課題】P2X受容体拮抗剤の提供。
【解決手段】5−(3−ヒドロキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン等で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する神経因性疼痛の予防又は治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はP2X受容体拮抗作用を有するジアゼピンジオン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
ATP受容体はイオンチャネル型受容体のP2XファミリーとG蛋白質共役型受容体のP2Yファミリーに大別され、現在までそれぞれ7種類(P2X1−7)、8種類(P2Y1,2,4,6,11−14)のサブタイプが報告されている。
P2XファミリーのサブタイプであるP2X受容体(Genebank No.X87763)は、中枢神経系などで広く発現していることが報告されている。(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)
さて、神経因性疼痛をはじめとする難治性疼痛は発症の仕組みが正確には解かっておらず、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)やモルヒネが効かない場合は治療法がない。よって、患者や周囲の人たちの心身への負担は非常に重い。神経因性疼痛は末梢神経あるいは中枢神経の損傷によるものが多く、例えば、手術の後遺症、がん、脊髄損傷、帯状疱疹、糖尿病性神経炎、三叉神経痛などによって引き起こされる。
最近、井上らは異痛症(アロディニア)を検出できる、脊髄神経を損傷した動物モデルを使い神経因性疼痛におけるP2X受容体の関与を検証した。そして、脊髄のミクログリア細胞において発現するP2X受容体を介して神経傷害性の異常疼痛(特にアロディニア)が誘発されることを発表している。(非特許文献6、非特許文献7、特許文献1)
従って、P2X受容体の働きを阻害する物質は、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛及び神経因性疼痛における痛みの予防剤あるいは治療剤として期待される。
一方、特許文献2には、次の一般式(A)、
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、Rがハロゲンで、かつRが水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C(O)−OR,C(O)−NR,SO−OR,SO−NRであるか又はRが水素で、かつRがハロゲン、ニトロ、シアノ、C(O)−OR,C(O)−NR,SO−OR,SO−NRである。)

で表されるベンゾフロ−1,4−ジアゼピン−2−オン誘導体が、P2X受容体拮抗作用を有する旨の報告がなされている。

また本発明者等も次の一般式(B)
【0005】
【化2】

【0006】
(式中、R11は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、
21は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシル基を表し、
そしてR31は、水素原子又はハロゲン原子を表す。)
で表される1,4−ジアゼピン−2−オン誘導体が、P2X受容体拮抗作用を有する旨を見出し特許出願している。(特許文献3)

一方、1,5−ジアゼピン誘導体に関し、特許文献4には、次の式(C)、
【0007】
【化3】

【0008】
で表される化合物が記載されている。
しかしながら特許文献4には、上記式(C)で表される化合物が写真用カプラーとして用いられる旨の記載はあるが、これらの薬物とP2X受容体拮抗作用との関係を示唆する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許公開 20050074819
【特許文献2】WO 2004/085440
【特許文献3】WO 2008/023847
【特許文献4】特開平2−304437
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Buell et al.(1996) EMBO J.15:55−62
【非特許文献2】Seguela et al.(1996) J.Neurosci.16:448−455
【非特許文献3】Bo et al.(1995) FEBS Lett.375:129−133
【非特許文献4】Soto et al.(1996) Proc Natl. Acad.Sci.USA 93:3684−3788
【非特許文献5】Wang et al.(1996) Biochem. Res.Commun. 220:196−202
【非特許文献6】M.Tsuda et al.(2003) Nature,424,778−783
【非特許文献7】Jeffrey A.M.Coull et al.(2005) Nature,438,1017−1021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的はP2X受容体拮抗作用を有する下記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明は、次の一般式(I)、
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基を表し、
は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数2〜8のアシルアミノ基、炭素数1〜8のアルキルスルホニルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1〜8。)、カルバモイル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、
は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアシル基、又はアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1〜8。)を表し、
そしてR及びRは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。)

で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩に関する。
【0015】
また、本発明は上記一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するP2X受容体拮抗剤に関する。
さらにまた、本発明は上記一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する神経因性疼痛の予防又は治療剤に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)で表される本発明化合物において、R、R、R、R及びRの炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
の炭素数2〜8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
及びRの炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
及びRのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
、R、R、R及びRの1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基としては、1〜3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt−ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基又は2−フルオロエチル基等が挙げられる。
及びRの1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基としては、1〜3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt−ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基又は2−フルオロエトキシ基等が挙げられる。
及びRのアシル基としては、アセチル基が挙げられる。
及びRのアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数1〜8)としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
のフェニル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
の炭素数1〜8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
また、Rの炭素数1〜8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。

の炭素数2〜8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
の1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数2〜8のアシルアミノ基としては、トリフルオロメチルカルボニルアミノ基が挙げられる。
の炭素数1〜8のアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基が挙げられる。
の炭素数1〜8のアルキルチオ基としては、メチルチオ基が挙げられる。
の炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基が挙げられる。
の炭素数1〜8のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基が挙げられる。

なお、上記一般式(I)中のR及びRは、R、Rが置換しているベンゼン環に、同一又は異なったものが1〜3個存在していても良い。
【0017】
さらに、上記一般式(I)の本発明化合物としては、次に示す化合物が好ましい。

(1)
が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(2)
が水素原子である上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(3)
が水素原子で、Rが水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である上記(1)、(2)又は上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(4)
及びRが共に水素原子である上記(1)、(2)又は上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(5)
が炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数が1〜8)である上記(1)〜(4)の何れか又は上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(6)
が炭素数1〜8のアルコキシ基又はヒドロキシル基である上記(1)〜(4)の何れか又は上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
(7)
が水素原子である上記(1)〜(6)の何れか又は一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【0018】
上記一般式(I)で表される化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えばR、Rがアミノ基の場合は塩酸塩等が挙げられる。更にR、Rがカルボキシル基の場合はナトリム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
また本発明化合物には、シス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の光学異性体が存在する場合もあるが、何れも本発明に含まれる。
【0019】
次に上記一般式(I)で表される本発明化合物の合成スキームを以下に示す。

(方法1) R=Hの場合
【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
(式中、Xは臭素原子等のハロゲン原子を表し、そしてR、R、R及びRは前記と同じ。)
【0024】
(第1工程)
一般式(c)で表される化合物は、炭酸セシウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下、トルエン、tert−ブタノール等の反応に関与しない溶媒中、パラジウム触媒等を用いた一般式(a)で表される化合物と一般式(b)で表される化合物のクロスカップリング反応によって得ることができる。
(第2工程)
一般式(d)で表される化合物は、THF、メタノール、クロロホルム、酢酸等の反応に関与しない溶媒中、一般式(c)で表される化合物を鉄、塩化第一スズ、亜鉛、又はパラジウム−炭素等を触媒とする接触添加により還元することで得ることができる。
(第3工程)
一般式(f)で表される本発明化合物は、塩基の存在下または非存在下に、トルエン、THF等の反応に関与しない溶媒中、一般式(d)で表される化合物と一般式(e)で表される化合物を反応させることで得ることができる。

(方法2)R≠Hの場合
【0025】
【化8】

【0026】
(式中Xは臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トシル基又はメシル基を表し、そしてR、R、R、R及びRは前記と同じ。)
【0027】
一般式(h)で表される本発明化合物は、水素化ナトリウム等の塩基の存在下、ジメチルスルホキシド等の反応に関与しない溶媒中で、一般式(f)で表される化合物と一般式(g)で表される化合物を反応させることで得ることができる。
【0028】
また上記一般式(I)で表される本発明化合物は、後記の実施例の他、前記の特許文献及び公知文献等を参考にして製造することもできる。

斯くして得られた本発明化合物例を表1〜10に示す。
(1)
次の一般式で表される化合物。
【0029】
【化9】

【0030】
(式中、R、R、R及びRは表1〜4記載のものを表す。)
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
(2)
次の一般式で表される化合物。
【0036】
【化10】

【0037】
(式中、R、R、R及びRは表5〜7記載のものを表す。)
【0038】
【表5】

【0039】
【表6】

【0040】
【表7】

【0041】
(3)
次の一般式で表される化合物。
【0042】
【化11】

【0043】
(式中、R〜Rは表8〜10記載のものを表す。)
【0044】
【表8】

【0045】
【表9】

【0046】
【表10】

【0047】
次に本発明の薬理効果について述べる。
本発明化合物のP2X受容体拮抗作用を、以下のように測定した。
ATP受容体(ヒトP2X)を1321N1細胞に導入し、安定ATP受容体発現系として使用した。P2X 発現1321N1細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃, 5% CO条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura−2 AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にfura−2 AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダーであるFluostar optima (BMG Labtech) を使用した。キセノンランプから照射される光を340nmおよび380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340およびF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発Ca2+応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。
【0048】
実施例6から明らかなように本発明化合物は優れたP2X受容体拮抗作用を示した。
従って、上記一般式(I)で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩は、P2X受容体拮抗作用を有することから侵害受容性疼痛、炎症性疼痛及び神経因性疼痛における痛みの予防又は治療剤として有用であると考えられる。即ち各種癌による痛み、糖尿病の神経障害に伴う痛み、ヘルペスなどのウイルス性疾患に伴う痛み、変形性関節症等の予防又は治療剤として有用である。また、本発明の予防又は治療剤は必要に応じて他の薬剤と併用されても良く、例えばオピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル)、ナトリウムチャネル遮断剤(ノボカイン、リドカイン)、NSAIDs (アスピリン、イブプロフェン)等との併用が挙げられる。また、癌性疼痛に使用するときは、化学療法剤等の抗ガン剤との併用が挙げられる。
【0049】
本発明化合物は、ヒトに対して経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法により投与することができる。
製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、例えば錠剤の場合、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などが用いられる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。注射剤の調整には溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などが用いられる。
【0050】
投与量は通常成人においては、注射剤で有効成分である本発明化合物を1日約0.01mg〜100mg,経口投与で1日1mg〜2000mgであるが、年齢、症状等により増減することができる。

次に、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0051】
5−(3−ヒドロキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
(1)N−(3−メトキシフェニル)−1−ニトロ−2−ナフチルアミン
1−ニトロ−2−ナフチルアミン(565mg,3.00mmol)、3−ブロモアニソール(374mg,2.00mmol)、炭酸カリウム(691mg,5.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(18mg,0.02mmol)および2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(48mg,0.10mmol)のtert−ブタノール(4mL)溶液を85℃で16時間攪拌した。放冷後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製し、表題化合物を得た(588mg、収率99%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 3.83(3H,s),6.7−6.9(3H,m),7.32(1H,t,J=8Hz),7.3−7.5(2H,m),7.63(1H,ddd,J=2,7,9Hz),7.71(1H,d,J=7Hz),7.75(1H,d,J=9Hz),8.54(1H,d,J=8Hz),9.48(1H,s)

(2)−(3−メトキシフェニル)ナフタレン−1,2−ジアミン
N−(3−メトキシフェニル)−1−ニトロ−2−ナフチルアミン(7.36g,25.01mmol)のメタノール(100mL)およびクロロホルム(100mL)溶液に10%パラジウム−炭素(736mg)を加え、常温常圧で16時間接触水素添加した。触媒をろ別後、減圧下に溶媒留去し、残留物を酢酸エチル(50mL)に懸濁して30分間加熱還流した。放冷後、析出した結晶をろ取し、少量の酢酸エチルおよびヘキサンで洗浄した。母液及び洗液はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/1)により精製した。上記の結晶と合わせ、表題化合物を得た(6.50g、収率98%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 3.52(3H,s),6.30(1H,d,J=8Hz),6.4−6.6(2H,m),6.91(1H,t,J=8Hz),7.3−7.4(2H,m),7.51(1H,d,J=9Hz),7.7−7.8(2H,m),8.2−8.3(1H,m),10.29(2H,br s)


(3)5−(3−メトキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
−(3−メトキシフェニル)ナフタレン−1,2−ジアミン(2.00g,7.57mmol)を無水トルエン(20mL)に懸濁し、氷冷下にマロニルクロリド(883μL,9.08mmol)の無水トルエン(2mL)溶液を滴下した。反応混合液を40分間で80℃まで昇温し、さらに110℃で20分間攪拌した。放冷後、溶液部は飽和重層水に注ぎ、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。反応系に析出した固体はクロロホルムに溶解後、飽和重層水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。それぞれの粗体を合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=55/45)により精製し、表題化合物を得た(977mg、収率40%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 3.61(2H,s),3.77(3H,s),6.8−6.9(3H,m),7.07(1H,d,J=9Hz),7.32(1H,t,J=8Hz),7.5−7.6(2H,m),7.7(1H,dt,J=1,8Hz),7.85(1H,d,J=8Hz),8.13(1H,d,J=8Hz),8.97(1H,br s)

(4)5−(3−ヒドロキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
5−(3−メトキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン(1.34g,4.03mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、1M 三臭化ホウ素−ジクロロメタン溶液(8.1mL,8.1mmol)を氷冷化に加え室温で5時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水に注いでクロロホルムを加え、室温で10分間攪拌し、不溶の結晶をろ別後、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒留去し、上記の結晶とあわせてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=96/4)により精製した。得られた結晶を酢酸エチル(4mL)に懸濁し、30分間加熱還流後、0℃で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、表題化合物を白色結晶として得た(963mg、収率75%)。
mp:290℃(分解点)
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ:3.12(1H,d,J=12Hz),3.68(1H,d,J=12Hz),6.6−6.7(2H,m),6.74(1H,d,J=8Hz),7.02(1H,d,J=9Hz),7.22(1H,t,J=8Hz),7.59(1H,t,J=8Hz),7.6−7.7(2H,m),7.91(1H,d,J=8Hz),8.23(1H,d,J=8Hz),9.64(1H,s)10.88(1H,s)
IR(cm−1,KBr):3205,3126,2943,1684,1637,1597,1512,1458,1431,1398,1371,1311,1279,1238,1178,1151,1003,970,893,860,820,783,769,748,708,690,611,567,511,434.
【実施例2】
【0052】
5−(3−カルボキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]−ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン

(1)3−(1−ニトロ−2−ナフチルアミノ)安息香酸エチル
実施例1(1)と同様の手法で3−ブロモ安息香酸エチルを用い表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 1.40(3H,t,J=7Hz),4.40(2H,q,J=7Hz),7.33(1H,d,J=9Hz),7.4−7.6(3H,m),7.64(1H,ddd,J=1,7,9Hz),7.73(1H,d,J=7Hz),7.79(1H,d,J=9Hz),7.90(1H,dt,J=1,7Hz),7.94(1H,s),8.49(1H,d,J=9Hz),9.38(1H,s)

(2)3−(1−アミノ−2−ナフチルアミノ)安息香酸エチル
実施例1(2)と同様の手法を用い表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 1.36(3H,t,J=7Hz),4.34(2H,q,J=7Hz),5.38(1H,s),6.7−6.9(1H,m),7.2−7.4(4H,m),7.4−7.5(4H,m),7.5−7.9(2H,m)

(3)5−(3−エトキシカルボニルフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]−ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
実施例1(3)と同様の手法を用い表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 1.36(3H,t,J=7Hz),3.63(2H,s),4.3−4.4(2H,m),6.98(1H,d,J=9Hz),7.4−7.5(2H,m),7.5−7.6(2H,m),7.71(1H,dt,J=1,7Hz),7.85(1H,d,J=8Hz),7.90(1H,s),8.0−8.1(1H,m),8.10(1H,d,J=9Hz),8.59(1H,s)

5−(3−カルボキシフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]−ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
5−(3−エチルカルボニルフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]−ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン(70mg,0.19mmol)のエタノール(42mL)および1,4−ジオキサン(1mL)溶液に、1M 水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,0.5mmol)を加え室温で16時間攪拌した。1M 塩酸(0.5mL)で中和後、0.1M 塩酸水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=96/4)により精製して、表題化合物を微茶色粉体として得た(45mg、収率69%)。
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ:3.17(1H,d,J=12Hz),3.74(1H,d,J=12Hz),6.96(1H,d,J=9Hz),7.4−7.7(6H,m),7.8−7.9(2H,m),8.26(1H,d,J=8Hz),8.30(1H,s),10.91(1H,s)
【実施例3】
【0053】
5−(3−シアノフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン

(1)3−(1−ニトロ−2−ナフチルアミノ)ベンゾニトリル
1−ニトロ−2−ナフチルアミン(875mg,4.65mmol)、3−ブロモベンゾニトリル(846mg,4.65mmol)、炭酸セシウム(3.03g,9.30mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(213mg,0.23mmol)および(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(217mg,0.35mmol)の無水トルエン(10mL)溶液を110℃で16時間攪拌した。放冷後、反応混合物を飽和重層水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製し、表題化合物を得た(503mg、収率37%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.37(1H,d,J=9Hz),7.4−7.6(5H,m),7.66(1H,t,J=8Hz),7.78(1H,d,J=8Hz),7.86(1H,d,J=9Hz),8.38(1H,d,J=9Hz),8.98(1H,s)

(2)3−(1−アミノ−2−ナフチルアミノ)ベンゾニトリル
実施例1(2)と同様の手法で表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 4.38(2H,br s),5.45(1H,br s),6.87(2H,s),7.06(1H,d,J=7Hz),7.2−7.4(3H,m),7.4−7.5(2H,m),7.8−7.9(2H,m)

(3)5−(3−シアノフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
実施例1(3)と同様の手法で表題化合物を得た。
mp:220−222℃
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 3.63(2H,s),6.93(1H,d,J=9Hz),7.5−7.7(6H,m),7.73(1H,t,J=7Hz),7.89(1H,d,J=8Hz),8.10(1H,d,J=9Hz),8.61(1H,s)
IR(cm−1,KBr):3238,2931,2229,1693,1628,1601,1583,1512,1483,1460,1423,1362,1309,1263,1122,993,958,899,866,816,795,769,708,679,604,565,523,492,476,432.
【実施例4】
【0054】
5−(3−シアノフェニル)−1−メチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H )−ジオン及び5−(3−シアノフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H )−ジオン

5−(3−シアノフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン(98mg,3mmol)を乾燥ジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、水冷攪拌下50−72%水素化ナトリウム(12mg)を加え、室温で1時間攪拌した。これにヨウ化メチル(0.06mL,1mmol)を加え、室温で4時間攪拌後、50−72%水素化ナトリウム(6mg)、及びヨウ化メチル(0.03mL,0.5mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。この反応混合物に冷水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残留物を酢酸エチル及びヘキサンで順次洗浄して5−(3−シアノフェニル)−1−メチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン(28mg、収率27%)を淡黄色結晶として得た。また、洗液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)により精製し、5−(3−シアノフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン(9mg、収率8%)を淡黄色油状物として得た。

5−(3−シアノフェニル)−1−メチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H )−ジオン
FAB−MS(m/z):342(M+1)
H NMR(CDCl3,400MHz):δ=3.55(1H,d,J=12Hz),3.59(3H,s),3.65(1H,d,J=12Hz),6.92(1H,d,J=9Hz),7.5−7.7(7H,m),7.89(1H,d,J=8Hz),7.95(1H,d,J=9Hz).

5−(3−シアノフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H )−ジオン
H NMR(CDCl3,400MHz):δ=0.84(3H,d,J=8Hz),3.59(3H,s),4.10(1H,q,J=8Hz),6.87(1H,d,J=9Hz),7.5−7.7(7H,m),7.88(1H,d,J=8Hz),7.94(1H,d,J=8Hz).
【実施例5】
【0055】
5−(4−シアノフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
(1)4−(1−ニトロ−2−ナフチルアミノ)ベンゾニトリル
実施例3(1)と同様の手法を用い表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:7.25(2H,d,J=7Hz),7.46−7.53(2H,m),7.62−7.70(3H,m),7.80(1H,d,J=8Hz),7.90(1H,d,J=9Hz),8.28(1H,d,J=9Hz),8.72(1H,br s)

(2)4−(1−アミノ−2−ナフチルアミノ)ベンゾニトリル
実施例1(2)と同様の手法を用い表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ: 4.37(2H,br s),5.71(1H,br s),6.65−6.70(2H,m),7.20−7.30(1H,m),7.30−7.40(1H,m),7.45−7.55(4H,m),7.80−7.90(2H,m)

(3)5−(4−シアノフェニル)−1H−ナフト[1,2−b][1,4]ジアゼピン−2,4(3H,5H)−ジオン
実施例1(3)と同様の手法を用い表題化合物を得た。
mp:241−243℃
H NMR(DNSO−d,400MHz)δ: 3.18(1H,d,J=12Hz),3.76(1H,d,J=12Hz)6.93(1H,d,J=9Hz),7.45(2H,d,J=8Hz),7.60−7.73(3H,m),7.90−7.95(3H,m),8.28(1H,d,J=8Hz),10.96(1H,br s)
IR(cm−1,KBr):3236,3153,2929,2231,1684,1664,1599,1500,1471,1423,1369,1313,1255,1225,1201,1176,1111,1018,982,920,849,823,783,748,708,677,555,498,455,428.
【実施例6】
【0056】
(試験方法)
本発明化合物のP2X受容体拮抗作用を、以下のように測定した。
ATP受容体(ヒトP2X)を1321N1細胞に導入し、安定ATP受容体発現系として使用した。P2X 発現1321N1細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃, 5% CO条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura−2 AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にfura−2 AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダーであるFluostar optima (BMG Labtech) を使用した。キセノンランプから照射される光を340nmおよび380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340およびF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発Ca2+応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。
(試験結果)
【0057】
【表11】

【0058】
従って、表11記載のとおり本発明化合物は、優れたP2X受容体拮抗作用を有することが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I)、
【化1】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基を表し、
は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数2〜8のアシルアミノ基、炭素数1〜8のアルキルスルホニルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1〜8。)、カルバモイル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、
は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアシル基、又はアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1〜8。)を表し、
そしてR及びRは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3のハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
で表されるジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である請求項1記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
が水素原子である請求項1記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
が水素原子で、Rが水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である請求項1〜3の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
及びRが共に水素原子である請求項1〜3の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
が炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1〜8。)である請求項1〜5の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
が炭素数1〜8のアルコキシ基又はヒドロキシル基である請求項1〜5の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
が水素原子である請求項1〜7の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するP2X受容体拮抗剤。
【請求項10】
請求項1〜8の何れかの項に記載のジアゼピンジオン誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する神経因性疼痛の予防又は治療剤。

【公開番号】特開2012−87053(P2012−87053A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22242(P2009−22242)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】