ジェットポンプ計測配管のクランプ装置
【課題】沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に装備されるジェットポンプの計測配管のクランプ装置を、例えばタイロッドやライザ管等の干渉物がある狭隘部で取り付け容易とする。
【解決手段】ジェットポンプのディフューザ13の外面に接するC形アーム30と、前記アーム30の一端に設けられたボディ31と、前記ボディ31に位置調整可能に保持され、前記計測配管28の外面に当接される押し付け用部材35と、前記押し付け用部材35を前記ボディ31と相対的に変位させるよう配置された締付ボルト34を備え、クランプ装置を前記ディフューザ13に固定し、さらに前記計測配管28をクランプする機能を持つ前記押し付け用部材35が締付ボルト34の回転に伴い、前記計測配管28側に直線的にねじ送りされて変位するよう構成することで可動部の小型化、特に厚さを低減する。
【解決手段】ジェットポンプのディフューザ13の外面に接するC形アーム30と、前記アーム30の一端に設けられたボディ31と、前記ボディ31に位置調整可能に保持され、前記計測配管28の外面に当接される押し付け用部材35と、前記押し付け用部材35を前記ボディ31と相対的に変位させるよう配置された締付ボルト34を備え、クランプ装置を前記ディフューザ13に固定し、さらに前記計測配管28をクランプする機能を持つ前記押し付け用部材35が締付ボルト34の回転に伴い、前記計測配管28側に直線的にねじ送りされて変位するよう構成することで可動部の小型化、特に厚さを低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉(以下、BWRと表記する。)の原子炉圧力容器(以下、RPVと表記する。)内に設置されたジェットポンプの流量を計測するための計測配管に取り付けるクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BWRのRPV内には、原子炉の炉心に冷却水を供給するジェットポンプが設置されている。そのジェットポンプは炉心を囲む炉心シュラウド(以下、シュラウドと表記する。)とRPVの間の狭隘な環状空間(以下、アニュラス部と表記する。)に複数台配置されている。
【0003】
そのジェットポンプは、RPVの外に設置された再循環ポンプがアニュラス部下部の冷却水を吸い込み、昇圧して、ジェットポンプライザ管(以下、ライザ管と表記する。)へと送る。昇圧された冷却水は駆動流体としてライザ管の上部に取り付けられたノズルを通して噴出され、その噴出勢いでノズル周辺のアニュラス部内の冷却水を被駆動流体としてジェットポンプのスロート内へひき込む。
【0004】
駆動流体と被駆動流体とされた冷却水はスロート内で混合され、ジェットポンプのディフューザに通されて拡散され、RPVの下部プレナムを通って炉心へと供給される。
【0005】
ジェットポンプ計測配管(以下、計測配管と表記する。)はディフューザの上下端に接続しており、ディフューザ内の圧力をRPV外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものである。そのような計測配管は、計測配管サポート(以下、サポートと表記する。)を介してディフューザ外面に例えば溶接で取り付けられている。
【0006】
ジェットポンプは、冷却水の流れの中に浸漬した状態で用いられ、内部にも高速流体が流れるため、外部と内部の流体から流体振動の影響を受ける。この流体振動による振動が計測配管に伝わるが、この流体振動の振動数が、計測配管の固有振動数と合致すると、計測配管は共振する。
【0007】
そこで、この共振が計測配管に与える影響を緩和するために、計測配管にディフューザ外面側からクランプ装置を取り付け、計測配管を強固に拘束することで、計測配管の発生応力を低減している(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、近年ではディフューザ側からの拘束を加えて計測配管を3点支持することで、万一計測配管が破断した場合にもずれないよう拘束する型のクランプ装置が取り付けられている(例えば、特許文献2,3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−90085号公報
【特許文献2】特開2004−212336号公報
【特許文献3】特開2007−333431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ジェットポンプが設置されているRPV内のアニュラス部には、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていることがある。前記特許文献1〜3に記載されたクランプ装置は、計測配管の締付機構にくさびを採用しており、締付ボルトがくさびと一体となって移動する形状であることから、厚さ方向の寸法が大きく、上記干渉物と干渉して取り付けが不可能な場合がある。
【0010】
また、前記計測配管がディフューザ外面のうちライザ管に近い側に設置されている場合、クランプ装置取り付け対象箇所の一つである最下段サポートはライザ管の下に位置する。従って、従来のように前記クランプ装置の締付ボルトを上部から直接締め付けることができない。また、締付装置を設定する場合もクランプ装置とライザ管の間隔が狭いため、上部から締め付ける型の装置設定は困難である。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するためのもので、その目的は干渉物が存在することによりインストール及び締付スペースが限られたプラントで取り付け可能なように小型化したクランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的を達成するための基本的手段は、C型のアームと、前記アームに設けたボディと、前記ボディに前記C型の外周側と内周側とにかけて貫通して設けた穴と、前記ボディに前記C型の外周側と内周側との方向に移動自在に設けたジェットポンプ計測配管への当て部材と、前記穴に締付部が自転自在に設けられ、ねじ部が前記当て部材に設けたねじ孔に螺合されて前記当て部材をねじ送りする締付ボルトと、を備えたジェットポンプ計測配管のクランプ装置である。
【0013】
このような構成によれば、前記当て部材が締付ボルトの回転に伴い、クランプする対象の計測配管側に直線的に変位するが、その変位を発生させる機構を水平一直線上に配置できて可動部を小型化、特に締付ボルトの締付部がボディの上下厚みの範囲内に収まり上下厚さを低減したことにより、干渉物が存在するためにインストール及び締付スペースが限られたプラントで取り付け可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のジェットポンプ計測配管のクランプ装置は、計測配管へ当てる当て部材の動きと、その当て部材をねじ送りする締付ボルトを水平一直線上に配置した上、その締付ボルトの締付部をクランプ装置のボディ上下厚み内部に納めることができるようになったため、その厚さ方向の寸法が大幅に低減される。また、従来のクランプ装置では最も干渉しやすい締付ボルトの頭部が存在しないため、周辺の干渉物と干渉する箇所がなくなる。
【0015】
この結果、本発明によれば、干渉物が存在するRPV内のジェットポンプ計測配管の固定が容易且つ確実に得られるジェットポンプ計測配管のクランプ装置を提供することができ、冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止する効果を確実に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるジェットポンプ計測配管のクランプ装置の第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のクランプ装置の正面図である。
【図3】クランプ装置のボディ部を左からみた側面図である。
【図4】図1のクランプ装置の押し付け用部材の斜視図である。
【図5】図1のクランプ装置の締付ボルトの斜視図である。
【図6】本発明によるジェットポンプ計測配管のクランプ装置の第二の実施形態を示す平面図である。
【図7】クランプ装置の正面図である。
【図8】図6のA−A断面である。
【図9】図6の引き止め用部材の斜視図である。
【図10】引き止め用部材と螺合する締付ボルトの斜視図である。
【図11】沸騰水型原子炉内部の構造を示す断面図である。
【図12】原子炉圧力容器内のジェットポンプ部分の正面図である。
【図13】図12のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例によるクランプ装置は、原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に設置されているジェットポンプのディフューザにサポートを介して取り付けられた流量計測用の計測配管をクランプするジェットポンプ計測配管のクランプ装置であって、ディフューザの外面に接するC形のアームと、そのアームの一端に設けられたボディと、そのボディに位置調整可能に保持され、計測配管の外面に当接される当て部材としての押し付け用部材と、その押し付け用部材を前記ボディと相対的に変位させるよう配置された締付ボルトを備え、前記締付ボルトの締付部をボディの上下厚みの範囲内に収める貫通されている穴とを備え、クランプ装置をディフューザに固定し、さらに押し付け用部材を締付ボルトの回転によって、計測配管側に直線的にねじ送り変位させて計測配管に押し付け用部材が当てられ、押し付け用部材が計測配管をクランプする機能を発揮する。
【0018】
締付ボルトはボディの内側に自転できるように納められ、押し付け用部材をねじ送りするが、その締付ボルト自体はボディに対して退出することなく、さらにはボディの上下厚みの範囲にとどまるので、可動部を小型化、特に厚さを低減したことにより、干渉物が存在するためにインストール及び締付スペースが限られた原子炉圧力容器内でもジェットポンプの計測配管にクランプ装置を取り付け適用可能となる。
【0019】
このように、クランプ装置の締付機構は、計測配管を固定する押し付け用部材に螺合する締付ボルトの回転により押し付け用部材を直線的にねじ送り駆動する構造とすることにより、厚さ方向の寸法が大幅に低減され、干渉物との干渉する箇所がなくなる結果、干渉物が存在する原子力プラントのジェットポンプ計測配管の固定が強固に得られ、原子炉圧力容器内やジェットポンプ内の冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止する効果を発揮する。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1実施例を、沸騰水型原子炉を例に取り、図面を用いて説明する。図11は沸騰水型原子炉(BWR)用の原子炉圧力容器(RPV)1の概略断面図である。RPV1は、一般的に中央本体部分がほぼ円筒形状を有し、その下端は部分球面形状の底部ヘッド2により、またその上端は部分球面形状であって脱着可能な上部ヘッド3により閉じられている。
【0021】
シュラウド4は一般的にRPV1内で炉心5を囲む円筒形状を成している。そのシュラウド4は、シュラウド支持構造6により支持される。RPV1の円筒形状の部分と円筒形状のシュラウド4の間には環状空間7がアニュラス部11やダウンカマとも称されて形成されている。
【0022】
入口ノズル8はRPV1の側壁を貫通して延び、ジェットポンプ9に結合される。図示しない再循環ポンプでRPV1内の冷却水がRPV1から引き出されるように吸い込まれて昇圧され、昇圧された冷却水は入口ノズル8からライザ管19に供給されてノズル10から下向きにインレットミキサ22内へ向けて噴射され、アニュラス部11の冷却水を吸い込み、スロート12,ディフューザ13及び下部プレナム14を通過して、炉心5へと循環供給される。
【0023】
ジェットポンプ9で炉心5へ冷却水を循環すると、ジェットポンプ9はアニュラス部11の冷却水も吸い込んで循環させるので、再循環ポンプによりRPV1の外部に引き出す冷却水の量よりも多量の冷却水を炉心へと供給することができる。さらに炉心5の流量を制御することで、ボイド効果(気泡の発生により冷却水の密度が減少し、原子炉の反応度が下がる効果)による反応度の変化を利用して出力を制御することが可能である。
【0024】
炉心5で発生した蒸気が、セパレータ15及びドライヤ16によって過熱蒸気となり、主蒸気ノズル17を通ってタービン(図示せず)を駆動する。一方、セパレータ15及びドライヤ16で分離された水は、アニュラス部11内において、給水系(図示せず)によって原子炉へと戻ってきた水と混合され、再びジェットポンプ9により炉心5へと供給される。
【0025】
図12にジェットポンプの正面図を示し、ジェットポンプ9の構造について説明する。図12において、18はライザエルボ、19はライザ管、20はトランジションピース、21はエルボ、10はノズル、22はインレットミキサ、13はディフューザ、23はブラケット、24はサポート、25はウェッジ、26はビーム、27はライザブレースである。
【0026】
図12のB部の拡大図を図13に示す。28は計測配管、29は計測配管サポート(サポート)である。計測配管28はディフューザ13内の圧力をRPV1の外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、サポート29を介してディフューザ13に例えば溶接で取り付けられている。
【0027】
図1は、本発明の第一の実施形態によるクランプ装置の平面図で、図2はその正面図、図3はその側面図の一部である。このクランプ装置はC形アーム30を備えていて、このアーム30の一端にC形アーム30と一連一体状のボディ31が設けられている。このアーム30には、図1に示されているように、2箇所に内側に向かって突起32が設けてあり、これらの突起32がディフューザ13の外面に接触することにより、アーム30がディフューザ13に的確に保持されるようになっている。
【0028】
更に、図2に示すようにこれらのアーム30とボディ31の上面には吊金具33が設けられているが、これらの吊金具33には、アーム30の曲率と同一方向に向かって開口されている吊り下げ用のロープを通すための孔33aが設けてあり、クランプ装置をディフューザ13に取り付ける際に吊金具33の孔33aに通したロープがディフューザ13と干渉することを防止できるようにしてある。
【0029】
次に、図1及び図3に示すようにボディ31には、当て部材としての押し付け用部材35が挿入される溝36と、締付ボルト34の一部がボディ31を貫通する穴37が設けられている。
【0030】
押し付け用部材35の両側には図4に示すようにコの字型の突起38が形成されている。そのコの字型の突起38の突端部分間にボディ31を上下方向で挟むようにして押し付け用部材35がボディ31へ水平移動自在に取り付けられている。このような取り付け構造により、押し付け用部材35のボディ31からの上下方向の外れを防止して脱落を防いでいる。
【0031】
図5に示す締付ボルト34はねじ部39より締付部40が細くなっており、その間の段差41を成す面がボディ31と接する構造となって、締付時の荷重を当該接触部で受けることができるようになっている。締付ボルト34の頭部である締付部40は穴37に自転自在に挿入されることにより、締付ボルト34とボディ31とは穴37の部分で入れ子構造にて組み合わされている。この組み合わせにより、締付ボルト34をボディ31の外部に突出しない、あるいは突出長さが短い構造とすることができる。ただし、抜け止めや廻り止めのためのナット(図示せず)を取り付ける場合はナットを取り付けるために必要な寸法を突出させてもよい。
【0032】
締付ボルト34のねじ部39は図4に示す押し付け用部材35に開けられたねじ孔42と螺合することで結合している。したがって、締付ボルト34を自転回転させることにより、締付ボルト34が移動することなく押し付け用部材35の水平方向への移動を達成することができ、押し付け用部材35の水平方向の位置調整を行うことが可能になる。このとき、押し付け用部材35の移動方向はサポート29の長手方向となる。
【0033】
また、ねじ孔42は押し付け用部材35に設けられたU型の溝43の中心から外れていることで、締付ボルト34によるねじ送りストロークを大きく取ることができる。また、締付方向が水平横方向からであることにより、締付箇所の上部に、例えばライザ管などの干渉物が存在する場合でも締め付けが可能である。
【0034】
クランプ装置は、図1に示されているように、押し付け用部材35が計測配管28に対してディフューザ13と反対側の外面に当接され、押し付け用部材35に設けられたU形の溝43に計測配管28が係合されることでクランプ装置本体と計測配管28、それにディフューザ13が一体化される。
【0035】
このとき、押し付け用部材35が計測配管28に接する部分の中間部分には、図4に示されているように、切欠部35aが形成してあり、これにより、計測配管28に曲がりがあっても押し付け用部材35の計測配管28に接する部分の上下2箇所で接触できるようにしてある。
【0036】
締付ボルト34は、六角レンチを締付ボルト34の頭部である締付部40の端部に設けられた孔44へ差し込み、回転させることで締め付けることができる。孔44は、六角レンチを差し込みやすいように、六角穴を2つ、30°ずらして重ねた形としてもよい。同様に、差し込みを容易にするために六角レンチの先端部を細くしておいてもよい。さらに、締付ボルト34の頭部に、回転方向を90°変換する機構、例えばかさ歯車などを形成することで、上部から締付可能とすることができるようにしても良い。
【0037】
締付ボルト34には、頭部をボディの貫通孔37に挿入後、円盤状のナットを例えば溶接などで取り付けることで、抜け止めとしてもよい。また、締付ボルト34には廻り止め機構、例えば座金の折り曲げ機構を持たせてもよい。この廻り止め機構により、クランプ装置による計測配管28のクランプ後において締付ボルト34が緩んでしまうのを抑える。
【0038】
このような実施例1によれば、穴37や締付ボルト34や押し付け用部材の向きや動き方向が水平方向になるので、クランプ装置の上下厚さの低減や、クランプ装置の操作に伴う動きも水平方向となるので、そのクランプ装置の設置や操作に必要な空間について、広い上下方向の空間を必要とせず、ジェットポンプが設置されているRPV内のアニュラス部に、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていても、その干渉物と干渉してクランプ装置の取り付けや操作が不可能となることを回避できると言う効果が得られる。このことは、容易且つ確実なクランプ装置の設置に貢献できる。
【実施例2】
【0039】
図6から図10までの各図は、本発明の第2実施例によるクランプ装置を示すものであり、図6はその平面図であり、図7はその正面図であり、図8はその計測配管の締付部の断面図(図6のA−A断面)であり、図9はそのクランプ装置に採用した引き止め用部材45の斜視図であり、図10はそのクランプ装置に採用した締付ボルト50の斜視図である。
【0040】
第2の実施例によるクランプ装置は、第一の実施形態の押し付け用部材35に加え、押し付け用部材35の締付方向とは反対側から当接される引き止め用部材45が当て部材として備えられる。このクランプ装置はC形のアーム46を備えていて、このアーム46の一端にボディ47が設けられている。押し付け用部材35とその駆動機構は第1の実施形態に示すものと同等である。
【0041】
また、このアーム46には、図6に示されているように、第1の実施例と同様に2箇所に内側に向かって突起32が設けてあり、これらの突起32がジェットポンプのディフューザ13の外面に接触することにより、アーム46がディフューザ13に的確に保持されるようになっている。また、吊金具33の機能は第1の実施例に示すものと同等である。
【0042】
次に、ボディ47には、第1の実施例と同様に押し付け用部材35が挿入される溝36と、締付ボルト34の一部がボディ47を貫通する穴48の他に、引き止め用部材45が挿入される溝49と締付ボルト50が貫通する穴51が設けられている。
【0043】
クランプ装置は、図6に示されているように、押し付け用部材35が計測配管28に対してディフューザ13と反対側の外面に当接され、押し付け用部材35に設けられたU形の溝43に計測配管28が係合されることでクランプ装置と計測配管28、それにディフューザ13が一体化される。その後、引き止め用部材45がサポート29側の計測配管28の外面に当接されることで、計測配管28が2方向3点支持されるようにクランプされる。
【0044】
図6の溝36及び溝49にはそれぞれ押し付け用部材35及び引き止め用部材45が取り付けられる。押し付け用部材35及び引き止め用部材45の両側にはコの字型の突起38が形成されている。その突起38の突端部分の間にボディ47を上下に挟むようにして、押し付け用部材35及び引き止め用部材45が水平移動自在に取り付けられる。このようにボディ47に押し付け用部材35及び引き止め用部材45が取り付けられることで、押し付け用部材35及び引き止め用部材45が脱落することを防止すると同時にスムーズな水平方向への移動による位置調整を可能にしている。
【0045】
図10に示す締付ボルト34は、図4と同じく、ねじ部39より締付部40が細くなっており、その間の段差41を成す面がボディ47と接する構造となって、締付時の荷重を当該接触部で受ける。また、図10に示す締付ボルト50はねじ部52より締付部53が太くなっており、その太さの差分に応じた段差部で、締付ボルト34と同様に、締付時の荷重を締付ボルト50とボディ47の接触部で受ける。
【0046】
両締付ボルト34,50の各締付部40,53である頭部は、貫通している各穴48,51に自転自在に挿入されることにより、締付ボルト34及び50とボディ47とは入れ子構造にて組み合わされている。このような組み合わせ構造により、各締付ボルト34及び50をボディ47の外部に突出しない、ないしは突出長さを短くした構造とすることができる。
【0047】
ただし、締付ボルト34に関しては、抜け止めや廻り止めのためのナット(図示せず)を取り付ける場合はナットを取り付けるために必要な寸法を突出させてもよい。また、締付ボルト50に廻り止めのつばを持たせる場合、つばの寸法分突出させてもよい。
【0048】
各締付ボルト34,50の各ねじ部39,52はそれぞれ押し付け用部材35と引き止め用部材45に開けられたねじ孔42及びねじ孔54と螺合して結合している。したがって、締付ボルト34,50を回転させることにより締付ボルト34,50が移動することなく押し付け用部材35と引き止め用部材45がねじ送りされて水平方向へ移動することになる。このとき、押し付け用部材35及び引き止め用部材45の移動方向はサポート29の長手方向となる。また、ねじ孔42は押し付け用部材35に設けられたU型の溝43の中心から外れていることで、締付ボルト34によるねじ送りストロークを大きく取ることができる。また、締付方向が水平横方向からであることにより、締付箇所の上部に、例えばライザ管などの干渉物が存在する場合でも締め付けが可能である。
【0049】
そして、引き止め用部材45は、図9に示されているように、サポート29を間に挟むように先端は上下に二股形状に分かれて両先端部55,56を形成している。そしてこれらの先端部55,56が計測配管28に接するような構造を有している。
【0050】
クランプ装置の取り付けの際は、下側の先端部56の上面が計測配管サポート29の下面に接し、これによりクランプ装置全体がディフューザ13のテーパ、すなわち上方へ行くに従い外径が細くなる形状、の影響により振動を受けているうちに浮き上がってしまうことを抑えられる。
【0051】
両締付ボルト34,50は、六角レンチを両締付ボルト34,50の頭部に設けられた六角形状の孔44及び57へ差し込み、回転させることで締め付ける。各孔44,57は、六角レンチを差し込みやすいように、六角穴を2つ、30°ずらして重ねた形としてもよい。同様に、差し込みを容易にするために六角レンチの先端部を細くしておいてもよい。さらに、締付ボルト34及び50の頭部に、回転方向を90°変換する機構、例えばかさ歯車などを形成することで、上部から締付可能とすることができる。
【0052】
締付ボルト34には、図示してないが、頭部をボディの穴37に挿入後、円盤状のナット(図示せず)を例えば溶接などで取り付けることで、抜け止めとしてもよい。両締付ボルト34,50には、まわり止め機構、例えば座金の折り曲げ機構を持たせてもよい。このまわり止め機構により、クランプ装置による計測配管28のクランプ後において締付ボルト34及び50が緩んでしまうのを抑える。
【0053】
以上の各実施例から、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内のジェットポンプの近傍における狭隘な箇所でも容易且つ確実にジェットポンプの計測配管に振動を抑制するクランプ装置を適用するための以下の新規な技術的事項が提案できる。
【0054】
すなわち、第1の技術的事項は、原子炉圧力容器とシュラウドの間の環状領域に設置されているジェットポンプのディフューザにサポートを介して取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記ディフューザの外面に接するC形アームと、前記アームの一端に設けられたボディと、前記ボディに位置調整可能に保持され、前記計測配管の外面に当接される押し付け用部材と、前記押し付け用部材を前記ボディと相対的に変位させるよう配置された締付ボルトを備え、前記クランプ装置を前記ディフューザに固定し、さらに前記計測配管をクランプする機能を持つ前記押し付け用部材が締付ボルトの回転に伴い前記計測配管側に直線的に変位して計測配管を拘束するよう構成することである。
【0055】
同じく、第2の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記ボディに位置調整可能に保持され、他端が前記計測配管外面に当接される引き止め用部材を備え、前記引き止め用部材は前記押し付け用部材とは反対側の前記計測配管の外面に当接されることで、前記計測配管が挟まれた状態でクランプされるように構成されることを特徴とすることである。
【0056】
同じく、第3の技術的事項は、上記第2の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記引き止め用部材に前記サポートの下面に当接する先端部が設けられていることを特徴とすることである。
【0057】
同じく、第4の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトに断面積が変化する段差箇所を設け、当該箇所が前記ボディと干渉することで締付時の荷重を受けることを特徴とすることである。
【0058】
同じく、第5の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトとボディが入れ子構造となっていることを特徴とすることである。
【0059】
同じく、第6の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトの中心軸が前記押し付け用部材の前記計測配管に当接される箇所の中心から外れていることを特徴とすることである。
【0060】
同じく、第7の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトの締付部に締め付けに要する回転力の伝達方向を90°変換する回転力伝達機構を設けたことを特徴とすることである。
【0061】
同じく、第8の技術的事項は、上記第7の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、回転力伝達機構の回転力伝達手段として摩擦車列が採用されていることを特徴とすることである。
【0062】
同じく、第9の技術的事項は、上記第7の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、回転力伝達機構の回転力伝達手段として歯車列が採用されていることを特徴とすることである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、沸騰水型原子炉のジェットポンプの計測配管をクランプする技術として利用可能性がある。
【符号の説明】
【0064】
1 原子炉圧力容器
9 ジェットポンプ
12 スロート
13 ディフューザ
19 ライザ管
22 インレットミキサ
28 計測配管
30,46 アーム
31,47 ボディ
32,38 突起
33 吊金具
34,50 締付ボルト
35 押し付け用部材
35a 切欠部
36,43,49 溝
37,48,51 貫通孔
39,52 ねじ部
40,53 締付部
41 段差
42,54 ねじ孔
44,57 孔
45 引き止め用部材
55 先端部(上側)
56 先端部(下側)
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉(以下、BWRと表記する。)の原子炉圧力容器(以下、RPVと表記する。)内に設置されたジェットポンプの流量を計測するための計測配管に取り付けるクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BWRのRPV内には、原子炉の炉心に冷却水を供給するジェットポンプが設置されている。そのジェットポンプは炉心を囲む炉心シュラウド(以下、シュラウドと表記する。)とRPVの間の狭隘な環状空間(以下、アニュラス部と表記する。)に複数台配置されている。
【0003】
そのジェットポンプは、RPVの外に設置された再循環ポンプがアニュラス部下部の冷却水を吸い込み、昇圧して、ジェットポンプライザ管(以下、ライザ管と表記する。)へと送る。昇圧された冷却水は駆動流体としてライザ管の上部に取り付けられたノズルを通して噴出され、その噴出勢いでノズル周辺のアニュラス部内の冷却水を被駆動流体としてジェットポンプのスロート内へひき込む。
【0004】
駆動流体と被駆動流体とされた冷却水はスロート内で混合され、ジェットポンプのディフューザに通されて拡散され、RPVの下部プレナムを通って炉心へと供給される。
【0005】
ジェットポンプ計測配管(以下、計測配管と表記する。)はディフューザの上下端に接続しており、ディフューザ内の圧力をRPV外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものである。そのような計測配管は、計測配管サポート(以下、サポートと表記する。)を介してディフューザ外面に例えば溶接で取り付けられている。
【0006】
ジェットポンプは、冷却水の流れの中に浸漬した状態で用いられ、内部にも高速流体が流れるため、外部と内部の流体から流体振動の影響を受ける。この流体振動による振動が計測配管に伝わるが、この流体振動の振動数が、計測配管の固有振動数と合致すると、計測配管は共振する。
【0007】
そこで、この共振が計測配管に与える影響を緩和するために、計測配管にディフューザ外面側からクランプ装置を取り付け、計測配管を強固に拘束することで、計測配管の発生応力を低減している(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、近年ではディフューザ側からの拘束を加えて計測配管を3点支持することで、万一計測配管が破断した場合にもずれないよう拘束する型のクランプ装置が取り付けられている(例えば、特許文献2,3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−90085号公報
【特許文献2】特開2004−212336号公報
【特許文献3】特開2007−333431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ジェットポンプが設置されているRPV内のアニュラス部には、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていることがある。前記特許文献1〜3に記載されたクランプ装置は、計測配管の締付機構にくさびを採用しており、締付ボルトがくさびと一体となって移動する形状であることから、厚さ方向の寸法が大きく、上記干渉物と干渉して取り付けが不可能な場合がある。
【0010】
また、前記計測配管がディフューザ外面のうちライザ管に近い側に設置されている場合、クランプ装置取り付け対象箇所の一つである最下段サポートはライザ管の下に位置する。従って、従来のように前記クランプ装置の締付ボルトを上部から直接締め付けることができない。また、締付装置を設定する場合もクランプ装置とライザ管の間隔が狭いため、上部から締め付ける型の装置設定は困難である。
【0011】
本発明は、前記課題を解決するためのもので、その目的は干渉物が存在することによりインストール及び締付スペースが限られたプラントで取り付け可能なように小型化したクランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的を達成するための基本的手段は、C型のアームと、前記アームに設けたボディと、前記ボディに前記C型の外周側と内周側とにかけて貫通して設けた穴と、前記ボディに前記C型の外周側と内周側との方向に移動自在に設けたジェットポンプ計測配管への当て部材と、前記穴に締付部が自転自在に設けられ、ねじ部が前記当て部材に設けたねじ孔に螺合されて前記当て部材をねじ送りする締付ボルトと、を備えたジェットポンプ計測配管のクランプ装置である。
【0013】
このような構成によれば、前記当て部材が締付ボルトの回転に伴い、クランプする対象の計測配管側に直線的に変位するが、その変位を発生させる機構を水平一直線上に配置できて可動部を小型化、特に締付ボルトの締付部がボディの上下厚みの範囲内に収まり上下厚さを低減したことにより、干渉物が存在するためにインストール及び締付スペースが限られたプラントで取り付け可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のジェットポンプ計測配管のクランプ装置は、計測配管へ当てる当て部材の動きと、その当て部材をねじ送りする締付ボルトを水平一直線上に配置した上、その締付ボルトの締付部をクランプ装置のボディ上下厚み内部に納めることができるようになったため、その厚さ方向の寸法が大幅に低減される。また、従来のクランプ装置では最も干渉しやすい締付ボルトの頭部が存在しないため、周辺の干渉物と干渉する箇所がなくなる。
【0015】
この結果、本発明によれば、干渉物が存在するRPV内のジェットポンプ計測配管の固定が容易且つ確実に得られるジェットポンプ計測配管のクランプ装置を提供することができ、冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止する効果を確実に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるジェットポンプ計測配管のクランプ装置の第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のクランプ装置の正面図である。
【図3】クランプ装置のボディ部を左からみた側面図である。
【図4】図1のクランプ装置の押し付け用部材の斜視図である。
【図5】図1のクランプ装置の締付ボルトの斜視図である。
【図6】本発明によるジェットポンプ計測配管のクランプ装置の第二の実施形態を示す平面図である。
【図7】クランプ装置の正面図である。
【図8】図6のA−A断面である。
【図9】図6の引き止め用部材の斜視図である。
【図10】引き止め用部材と螺合する締付ボルトの斜視図である。
【図11】沸騰水型原子炉内部の構造を示す断面図である。
【図12】原子炉圧力容器内のジェットポンプ部分の正面図である。
【図13】図12のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例によるクランプ装置は、原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に設置されているジェットポンプのディフューザにサポートを介して取り付けられた流量計測用の計測配管をクランプするジェットポンプ計測配管のクランプ装置であって、ディフューザの外面に接するC形のアームと、そのアームの一端に設けられたボディと、そのボディに位置調整可能に保持され、計測配管の外面に当接される当て部材としての押し付け用部材と、その押し付け用部材を前記ボディと相対的に変位させるよう配置された締付ボルトを備え、前記締付ボルトの締付部をボディの上下厚みの範囲内に収める貫通されている穴とを備え、クランプ装置をディフューザに固定し、さらに押し付け用部材を締付ボルトの回転によって、計測配管側に直線的にねじ送り変位させて計測配管に押し付け用部材が当てられ、押し付け用部材が計測配管をクランプする機能を発揮する。
【0018】
締付ボルトはボディの内側に自転できるように納められ、押し付け用部材をねじ送りするが、その締付ボルト自体はボディに対して退出することなく、さらにはボディの上下厚みの範囲にとどまるので、可動部を小型化、特に厚さを低減したことにより、干渉物が存在するためにインストール及び締付スペースが限られた原子炉圧力容器内でもジェットポンプの計測配管にクランプ装置を取り付け適用可能となる。
【0019】
このように、クランプ装置の締付機構は、計測配管を固定する押し付け用部材に螺合する締付ボルトの回転により押し付け用部材を直線的にねじ送り駆動する構造とすることにより、厚さ方向の寸法が大幅に低減され、干渉物との干渉する箇所がなくなる結果、干渉物が存在する原子力プラントのジェットポンプ計測配管の固定が強固に得られ、原子炉圧力容器内やジェットポンプ内の冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止する効果を発揮する。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1実施例を、沸騰水型原子炉を例に取り、図面を用いて説明する。図11は沸騰水型原子炉(BWR)用の原子炉圧力容器(RPV)1の概略断面図である。RPV1は、一般的に中央本体部分がほぼ円筒形状を有し、その下端は部分球面形状の底部ヘッド2により、またその上端は部分球面形状であって脱着可能な上部ヘッド3により閉じられている。
【0021】
シュラウド4は一般的にRPV1内で炉心5を囲む円筒形状を成している。そのシュラウド4は、シュラウド支持構造6により支持される。RPV1の円筒形状の部分と円筒形状のシュラウド4の間には環状空間7がアニュラス部11やダウンカマとも称されて形成されている。
【0022】
入口ノズル8はRPV1の側壁を貫通して延び、ジェットポンプ9に結合される。図示しない再循環ポンプでRPV1内の冷却水がRPV1から引き出されるように吸い込まれて昇圧され、昇圧された冷却水は入口ノズル8からライザ管19に供給されてノズル10から下向きにインレットミキサ22内へ向けて噴射され、アニュラス部11の冷却水を吸い込み、スロート12,ディフューザ13及び下部プレナム14を通過して、炉心5へと循環供給される。
【0023】
ジェットポンプ9で炉心5へ冷却水を循環すると、ジェットポンプ9はアニュラス部11の冷却水も吸い込んで循環させるので、再循環ポンプによりRPV1の外部に引き出す冷却水の量よりも多量の冷却水を炉心へと供給することができる。さらに炉心5の流量を制御することで、ボイド効果(気泡の発生により冷却水の密度が減少し、原子炉の反応度が下がる効果)による反応度の変化を利用して出力を制御することが可能である。
【0024】
炉心5で発生した蒸気が、セパレータ15及びドライヤ16によって過熱蒸気となり、主蒸気ノズル17を通ってタービン(図示せず)を駆動する。一方、セパレータ15及びドライヤ16で分離された水は、アニュラス部11内において、給水系(図示せず)によって原子炉へと戻ってきた水と混合され、再びジェットポンプ9により炉心5へと供給される。
【0025】
図12にジェットポンプの正面図を示し、ジェットポンプ9の構造について説明する。図12において、18はライザエルボ、19はライザ管、20はトランジションピース、21はエルボ、10はノズル、22はインレットミキサ、13はディフューザ、23はブラケット、24はサポート、25はウェッジ、26はビーム、27はライザブレースである。
【0026】
図12のB部の拡大図を図13に示す。28は計測配管、29は計測配管サポート(サポート)である。計測配管28はディフューザ13内の圧力をRPV1の外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、サポート29を介してディフューザ13に例えば溶接で取り付けられている。
【0027】
図1は、本発明の第一の実施形態によるクランプ装置の平面図で、図2はその正面図、図3はその側面図の一部である。このクランプ装置はC形アーム30を備えていて、このアーム30の一端にC形アーム30と一連一体状のボディ31が設けられている。このアーム30には、図1に示されているように、2箇所に内側に向かって突起32が設けてあり、これらの突起32がディフューザ13の外面に接触することにより、アーム30がディフューザ13に的確に保持されるようになっている。
【0028】
更に、図2に示すようにこれらのアーム30とボディ31の上面には吊金具33が設けられているが、これらの吊金具33には、アーム30の曲率と同一方向に向かって開口されている吊り下げ用のロープを通すための孔33aが設けてあり、クランプ装置をディフューザ13に取り付ける際に吊金具33の孔33aに通したロープがディフューザ13と干渉することを防止できるようにしてある。
【0029】
次に、図1及び図3に示すようにボディ31には、当て部材としての押し付け用部材35が挿入される溝36と、締付ボルト34の一部がボディ31を貫通する穴37が設けられている。
【0030】
押し付け用部材35の両側には図4に示すようにコの字型の突起38が形成されている。そのコの字型の突起38の突端部分間にボディ31を上下方向で挟むようにして押し付け用部材35がボディ31へ水平移動自在に取り付けられている。このような取り付け構造により、押し付け用部材35のボディ31からの上下方向の外れを防止して脱落を防いでいる。
【0031】
図5に示す締付ボルト34はねじ部39より締付部40が細くなっており、その間の段差41を成す面がボディ31と接する構造となって、締付時の荷重を当該接触部で受けることができるようになっている。締付ボルト34の頭部である締付部40は穴37に自転自在に挿入されることにより、締付ボルト34とボディ31とは穴37の部分で入れ子構造にて組み合わされている。この組み合わせにより、締付ボルト34をボディ31の外部に突出しない、あるいは突出長さが短い構造とすることができる。ただし、抜け止めや廻り止めのためのナット(図示せず)を取り付ける場合はナットを取り付けるために必要な寸法を突出させてもよい。
【0032】
締付ボルト34のねじ部39は図4に示す押し付け用部材35に開けられたねじ孔42と螺合することで結合している。したがって、締付ボルト34を自転回転させることにより、締付ボルト34が移動することなく押し付け用部材35の水平方向への移動を達成することができ、押し付け用部材35の水平方向の位置調整を行うことが可能になる。このとき、押し付け用部材35の移動方向はサポート29の長手方向となる。
【0033】
また、ねじ孔42は押し付け用部材35に設けられたU型の溝43の中心から外れていることで、締付ボルト34によるねじ送りストロークを大きく取ることができる。また、締付方向が水平横方向からであることにより、締付箇所の上部に、例えばライザ管などの干渉物が存在する場合でも締め付けが可能である。
【0034】
クランプ装置は、図1に示されているように、押し付け用部材35が計測配管28に対してディフューザ13と反対側の外面に当接され、押し付け用部材35に設けられたU形の溝43に計測配管28が係合されることでクランプ装置本体と計測配管28、それにディフューザ13が一体化される。
【0035】
このとき、押し付け用部材35が計測配管28に接する部分の中間部分には、図4に示されているように、切欠部35aが形成してあり、これにより、計測配管28に曲がりがあっても押し付け用部材35の計測配管28に接する部分の上下2箇所で接触できるようにしてある。
【0036】
締付ボルト34は、六角レンチを締付ボルト34の頭部である締付部40の端部に設けられた孔44へ差し込み、回転させることで締め付けることができる。孔44は、六角レンチを差し込みやすいように、六角穴を2つ、30°ずらして重ねた形としてもよい。同様に、差し込みを容易にするために六角レンチの先端部を細くしておいてもよい。さらに、締付ボルト34の頭部に、回転方向を90°変換する機構、例えばかさ歯車などを形成することで、上部から締付可能とすることができるようにしても良い。
【0037】
締付ボルト34には、頭部をボディの貫通孔37に挿入後、円盤状のナットを例えば溶接などで取り付けることで、抜け止めとしてもよい。また、締付ボルト34には廻り止め機構、例えば座金の折り曲げ機構を持たせてもよい。この廻り止め機構により、クランプ装置による計測配管28のクランプ後において締付ボルト34が緩んでしまうのを抑える。
【0038】
このような実施例1によれば、穴37や締付ボルト34や押し付け用部材の向きや動き方向が水平方向になるので、クランプ装置の上下厚さの低減や、クランプ装置の操作に伴う動きも水平方向となるので、そのクランプ装置の設置や操作に必要な空間について、広い上下方向の空間を必要とせず、ジェットポンプが設置されているRPV内のアニュラス部に、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていても、その干渉物と干渉してクランプ装置の取り付けや操作が不可能となることを回避できると言う効果が得られる。このことは、容易且つ確実なクランプ装置の設置に貢献できる。
【実施例2】
【0039】
図6から図10までの各図は、本発明の第2実施例によるクランプ装置を示すものであり、図6はその平面図であり、図7はその正面図であり、図8はその計測配管の締付部の断面図(図6のA−A断面)であり、図9はそのクランプ装置に採用した引き止め用部材45の斜視図であり、図10はそのクランプ装置に採用した締付ボルト50の斜視図である。
【0040】
第2の実施例によるクランプ装置は、第一の実施形態の押し付け用部材35に加え、押し付け用部材35の締付方向とは反対側から当接される引き止め用部材45が当て部材として備えられる。このクランプ装置はC形のアーム46を備えていて、このアーム46の一端にボディ47が設けられている。押し付け用部材35とその駆動機構は第1の実施形態に示すものと同等である。
【0041】
また、このアーム46には、図6に示されているように、第1の実施例と同様に2箇所に内側に向かって突起32が設けてあり、これらの突起32がジェットポンプのディフューザ13の外面に接触することにより、アーム46がディフューザ13に的確に保持されるようになっている。また、吊金具33の機能は第1の実施例に示すものと同等である。
【0042】
次に、ボディ47には、第1の実施例と同様に押し付け用部材35が挿入される溝36と、締付ボルト34の一部がボディ47を貫通する穴48の他に、引き止め用部材45が挿入される溝49と締付ボルト50が貫通する穴51が設けられている。
【0043】
クランプ装置は、図6に示されているように、押し付け用部材35が計測配管28に対してディフューザ13と反対側の外面に当接され、押し付け用部材35に設けられたU形の溝43に計測配管28が係合されることでクランプ装置と計測配管28、それにディフューザ13が一体化される。その後、引き止め用部材45がサポート29側の計測配管28の外面に当接されることで、計測配管28が2方向3点支持されるようにクランプされる。
【0044】
図6の溝36及び溝49にはそれぞれ押し付け用部材35及び引き止め用部材45が取り付けられる。押し付け用部材35及び引き止め用部材45の両側にはコの字型の突起38が形成されている。その突起38の突端部分の間にボディ47を上下に挟むようにして、押し付け用部材35及び引き止め用部材45が水平移動自在に取り付けられる。このようにボディ47に押し付け用部材35及び引き止め用部材45が取り付けられることで、押し付け用部材35及び引き止め用部材45が脱落することを防止すると同時にスムーズな水平方向への移動による位置調整を可能にしている。
【0045】
図10に示す締付ボルト34は、図4と同じく、ねじ部39より締付部40が細くなっており、その間の段差41を成す面がボディ47と接する構造となって、締付時の荷重を当該接触部で受ける。また、図10に示す締付ボルト50はねじ部52より締付部53が太くなっており、その太さの差分に応じた段差部で、締付ボルト34と同様に、締付時の荷重を締付ボルト50とボディ47の接触部で受ける。
【0046】
両締付ボルト34,50の各締付部40,53である頭部は、貫通している各穴48,51に自転自在に挿入されることにより、締付ボルト34及び50とボディ47とは入れ子構造にて組み合わされている。このような組み合わせ構造により、各締付ボルト34及び50をボディ47の外部に突出しない、ないしは突出長さを短くした構造とすることができる。
【0047】
ただし、締付ボルト34に関しては、抜け止めや廻り止めのためのナット(図示せず)を取り付ける場合はナットを取り付けるために必要な寸法を突出させてもよい。また、締付ボルト50に廻り止めのつばを持たせる場合、つばの寸法分突出させてもよい。
【0048】
各締付ボルト34,50の各ねじ部39,52はそれぞれ押し付け用部材35と引き止め用部材45に開けられたねじ孔42及びねじ孔54と螺合して結合している。したがって、締付ボルト34,50を回転させることにより締付ボルト34,50が移動することなく押し付け用部材35と引き止め用部材45がねじ送りされて水平方向へ移動することになる。このとき、押し付け用部材35及び引き止め用部材45の移動方向はサポート29の長手方向となる。また、ねじ孔42は押し付け用部材35に設けられたU型の溝43の中心から外れていることで、締付ボルト34によるねじ送りストロークを大きく取ることができる。また、締付方向が水平横方向からであることにより、締付箇所の上部に、例えばライザ管などの干渉物が存在する場合でも締め付けが可能である。
【0049】
そして、引き止め用部材45は、図9に示されているように、サポート29を間に挟むように先端は上下に二股形状に分かれて両先端部55,56を形成している。そしてこれらの先端部55,56が計測配管28に接するような構造を有している。
【0050】
クランプ装置の取り付けの際は、下側の先端部56の上面が計測配管サポート29の下面に接し、これによりクランプ装置全体がディフューザ13のテーパ、すなわち上方へ行くに従い外径が細くなる形状、の影響により振動を受けているうちに浮き上がってしまうことを抑えられる。
【0051】
両締付ボルト34,50は、六角レンチを両締付ボルト34,50の頭部に設けられた六角形状の孔44及び57へ差し込み、回転させることで締め付ける。各孔44,57は、六角レンチを差し込みやすいように、六角穴を2つ、30°ずらして重ねた形としてもよい。同様に、差し込みを容易にするために六角レンチの先端部を細くしておいてもよい。さらに、締付ボルト34及び50の頭部に、回転方向を90°変換する機構、例えばかさ歯車などを形成することで、上部から締付可能とすることができる。
【0052】
締付ボルト34には、図示してないが、頭部をボディの穴37に挿入後、円盤状のナット(図示せず)を例えば溶接などで取り付けることで、抜け止めとしてもよい。両締付ボルト34,50には、まわり止め機構、例えば座金の折り曲げ機構を持たせてもよい。このまわり止め機構により、クランプ装置による計測配管28のクランプ後において締付ボルト34及び50が緩んでしまうのを抑える。
【0053】
以上の各実施例から、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内のジェットポンプの近傍における狭隘な箇所でも容易且つ確実にジェットポンプの計測配管に振動を抑制するクランプ装置を適用するための以下の新規な技術的事項が提案できる。
【0054】
すなわち、第1の技術的事項は、原子炉圧力容器とシュラウドの間の環状領域に設置されているジェットポンプのディフューザにサポートを介して取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記ディフューザの外面に接するC形アームと、前記アームの一端に設けられたボディと、前記ボディに位置調整可能に保持され、前記計測配管の外面に当接される押し付け用部材と、前記押し付け用部材を前記ボディと相対的に変位させるよう配置された締付ボルトを備え、前記クランプ装置を前記ディフューザに固定し、さらに前記計測配管をクランプする機能を持つ前記押し付け用部材が締付ボルトの回転に伴い前記計測配管側に直線的に変位して計測配管を拘束するよう構成することである。
【0055】
同じく、第2の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記ボディに位置調整可能に保持され、他端が前記計測配管外面に当接される引き止め用部材を備え、前記引き止め用部材は前記押し付け用部材とは反対側の前記計測配管の外面に当接されることで、前記計測配管が挟まれた状態でクランプされるように構成されることを特徴とすることである。
【0056】
同じく、第3の技術的事項は、上記第2の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、前記引き止め用部材に前記サポートの下面に当接する先端部が設けられていることを特徴とすることである。
【0057】
同じく、第4の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトに断面積が変化する段差箇所を設け、当該箇所が前記ボディと干渉することで締付時の荷重を受けることを特徴とすることである。
【0058】
同じく、第5の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトとボディが入れ子構造となっていることを特徴とすることである。
【0059】
同じく、第6の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトの中心軸が前記押し付け用部材の前記計測配管に当接される箇所の中心から外れていることを特徴とすることである。
【0060】
同じく、第7の技術的事項は、上記第1の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、締付ボルトの締付部に締め付けに要する回転力の伝達方向を90°変換する回転力伝達機構を設けたことを特徴とすることである。
【0061】
同じく、第8の技術的事項は、上記第7の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、回転力伝達機構の回転力伝達手段として摩擦車列が採用されていることを特徴とすることである。
【0062】
同じく、第9の技術的事項は、上記第7の技術的事項を含むジェットポンプ計測配管のクランプ装置において、回転力伝達機構の回転力伝達手段として歯車列が採用されていることを特徴とすることである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、沸騰水型原子炉のジェットポンプの計測配管をクランプする技術として利用可能性がある。
【符号の説明】
【0064】
1 原子炉圧力容器
9 ジェットポンプ
12 スロート
13 ディフューザ
19 ライザ管
22 インレットミキサ
28 計測配管
30,46 アーム
31,47 ボディ
32,38 突起
33 吊金具
34,50 締付ボルト
35 押し付け用部材
35a 切欠部
36,43,49 溝
37,48,51 貫通孔
39,52 ねじ部
40,53 締付部
41 段差
42,54 ねじ孔
44,57 孔
45 引き止め用部材
55 先端部(上側)
56 先端部(下側)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C型のアームと、
前記アームに設けたボディと、
前記ボディに前記C型の外周側と内周側とにかけて貫通して設けた孔と、
前記ボディに前記C型の外周側と内周側との方向に移動自在に設けたジェットポンプ計測配管への当て部材と、
前記孔に締付部が自転自在に設けられ、ねじ部が前記当て部材に設けたねじ孔に螺合されて前記当て部材をねじ送りする締付ボルトと、
を備えたジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ねじ部から外れた前記締付ボルトの部位に前記当て部材を前記ジェットポンプ計測配管に当てた際の反力を前記ボディ部に受け止める前記ボディとの接触部を有することを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記当て部材は、前記ジェットポンプ計測配管へあたる部分から外れた位置に、前記ねじ孔を備えていることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項において、締付ボルトの頭部の端部にレンチを差し込める孔が設けられていることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項において、前記ボディに設けた孔と、前記当て部材と、前記ねじ孔と、前記締付ボルトとを一対ずつ備え、前記一対の前記当て部材は前記ジェットポンプ計測配管を挟んで互いに反対側に位置できるようにしたことを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項6】
請求項5において、前記一対の前記当て部材の内、前記ジェットポンプに近接する側に配置される前記当て部材は、前記ジェットポンプ計測配管のサポートを上下方向に挟むことのできる二股形状部分を有していることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項1】
C型のアームと、
前記アームに設けたボディと、
前記ボディに前記C型の外周側と内周側とにかけて貫通して設けた孔と、
前記ボディに前記C型の外周側と内周側との方向に移動自在に設けたジェットポンプ計測配管への当て部材と、
前記孔に締付部が自転自在に設けられ、ねじ部が前記当て部材に設けたねじ孔に螺合されて前記当て部材をねじ送りする締付ボルトと、
を備えたジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ねじ部から外れた前記締付ボルトの部位に前記当て部材を前記ジェットポンプ計測配管に当てた際の反力を前記ボディ部に受け止める前記ボディとの接触部を有することを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記当て部材は、前記ジェットポンプ計測配管へあたる部分から外れた位置に、前記ねじ孔を備えていることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項において、締付ボルトの頭部の端部にレンチを差し込める孔が設けられていることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項において、前記ボディに設けた孔と、前記当て部材と、前記ねじ孔と、前記締付ボルトとを一対ずつ備え、前記一対の前記当て部材は前記ジェットポンプ計測配管を挟んで互いに反対側に位置できるようにしたことを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【請求項6】
請求項5において、前記一対の前記当て部材の内、前記ジェットポンプに近接する側に配置される前記当て部材は、前記ジェットポンプ計測配管のサポートを上下方向に挟むことのできる二股形状部分を有していることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−27657(P2011−27657A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175995(P2009−175995)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]