説明

ジハロゲノプロペン誘導体及び殺虫剤

【課題】 優れた殺虫活性を示しかつ高い安全性を有する新規なジハロゲノプロペン誘導体を提供すること。
【解決手段】 式
【化1】


式中、Qは場合により置換されていてもよいフェニル基又は場合により置換されていてもよい複素環式基を示し;Aはアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ又はアルキレンオキシアルキレンを示し;2個のXはそれぞれ独立してハロゲンを示し;Rは水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルコキシ、ハロアルキル又はハロアルコキシを示し;Rは水素、ハロゲン又はアルキルを示し;Rは水素又はアルキルを示し;そしてRは水素、ハロゲン、アルキル又はアルコキシを示す、
で表されるジハロゲノプロペン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なジハロゲノプロペン誘導体、その製造方法及び殺虫剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のジハロゲノプロペン誘導体が殺虫剤としての作用を示すことは既に知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【特許文献1】PCT国際公開WO96/15093パンフレット、
【特許文献2】PCT国際公開WO01/44154パンフレット、
【特許文献3】PCT国際公開WO03/42147パンフレット、
【特許文献4】特開平10−338668号公報、
【特許文献5】特開2001−335550号公報。
【発明の開示】
【0003】
本発明者らは、今回、優れた殺虫活性を示し、かつ高い安全性を有する下記式(I)で表されるジハロゲノプロペン誘導体を見出した。
【0004】
【化1】

【0005】
式中、
Qは場合により置換されていてもよいフェニル基又は場合により置換されていてもよい複素環式基を示し、
Aはアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ又はアルキレンオキシアルキレンを示し、
2個のXはそれぞれ独立してハロゲンを示し、
は水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルコキシ、ハロアルキル又はハロアルコキシを示し、
は水素、ハロゲン又はアルキルを示し、
は水素又はアルキルを示し、そして
は水素、ハロゲン、アルキル又はアルコキシを示す。
【0006】
本発明の上記式(I)の化合物は、例えば、下記の製法(a)〜(d)のいずれかによって合成することができる。
製法(a)

【0007】
【化2】

【0008】
式中、
X、R、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を式
NO−A−Q (III)
式中、
A及びQは前記と同義である、
で表される化合物と反応させる方法。
製法(b)

【0009】
【化3】

【0010】
式中、
X、R、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を式
Hal−A−Q (V)
式中、
A及びQは前記と同義であり、
Halはハロゲンを示す、
で表される化合物と反応させる方法。
製法(c)

【0011】
【化4】

【0012】
式中、
A、Q、R、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を式
【0013】
【化5】

【0014】
式中、
Xは前記と同義である、
で表される化合物と反応させる方法。
製法(d): Qが場合により置換されていてもよい複素環式基を示す場合:

【0015】
【化6】

【0016】
式中、
A、X、R、R、R及びRは前記と同義であり、
Halはハロゲンを示す、
で表される化合物を式
H−Q (IX)
式中、
は場合により置換されていてもよい複素環式基を示す、
で表される化合物と反応させる方法。
【0017】
本明細書において、
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が包含される。
【0018】
「アルキル」は、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−4アルキルであることができ、具体的には、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル等を例示することができる。
【0019】
「アルコキシ」は、アルキル部分が上記の意味を有するアルキル−O−基であり、例えばC1−4アルコキシであることができ、具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−もしくはiso−プロポキシ、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブトキシ等が挙げられる。
【0020】
「ハロアルキル」は、少なくとも1つの水素がハロゲンで置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキルを示し、例えば、1〜6個のフッ素、塩素及び/又は臭素により置換されたC1−4アルキルを例示することができ、その具体例としては、フルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル等を挙げることができる。
【0021】
「ハロアルコキシ」は、ハロアルコキシ部分が上記の意味を有するハロアルキル−O−基であり、例えば、C1−4ハロアルコキシであることができ、具体的には、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、ジクロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3−クロロプロポキシ等が挙げられる。
【0022】
「アラルキル」は、アリール−置換されたアルキルであり、具体的には、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル等を挙げることができる。
【0023】
「アルキレン」は、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C2−7アルキレンであることができ、具体的には、例えば、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン(プロピレン)、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等を挙げることができる。
【0024】
「アルキリデン」は、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−6アルキリデンであることができ、具体的には、例えば、メチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン等を挙げることができる。
【0025】
「アルキレンオキシ」は、アルキレン部分が上記の意味を有するアルキレン−O−基であり、具体的には、例えば、エチレンオキシ、プロピレンオキシ等を挙げることができる。
【0026】
「アルキレンオキシアルキレン」は、アルキレン部分が上記の意味を有するアルキレン−O−アルキレンであり、具体的には、例えば、エチレンオキシエチレン、プロピレンオキシプロピレン等を挙げることができる。
【0027】
「複素環式基」は、窒素、酸素及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含む単環式もしくは多環式の基であり、例えば、1〜3個の窒素原子を含む5もしくは6員の複素環式基であることができる。
【0028】
「1〜3個の窒素原子を含む5もしくは6員の複素環式基」としては、例えば、ピロリル、ピラゾリル、トミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル等が挙げられる。
【0029】
前記式(I)の化合物において、好ましくは、
Qは場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ及びシアノからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよいフェニル基又は場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4ハロアルキルからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよい1〜3個の窒素原子を含む5もしくは6員の複素環式基を示し、
AはC2−7アルキレン、C1−6アルキリデン、C2−7アルキレンオキシ又はC2−7アルキレンオキシC2−7アルキレンを示し、
2個のXはそれぞれ独立してフッ素、塩素又は臭素を示し、
は水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C7−10アラルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル又はC1−4ハロアルコキシを示し、
は水素、ハロゲン又はC1−4アルキルを示し、
は水素又はC1−4アルキルを示し、そして
は水素、ハロゲン、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシを示す。
【0030】
前記式(I)の化合物において、特に好ましくは、
Qは場合によりフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよいフェニル基又は場合により塩素、メチル及びトリフルオロメチルからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよい、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジン又はピリミジンを示し、
Aはエチレン、トリメチレン、メチレン、エチリデン、エチレンオキシ、トリメチレンオキシ又はエチレンオキシエチレンを示し、
2個のXはそれぞれ独立して塩素又は臭素を示し、
は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシを示し、
は水素、塩素又はメチルを示し、
は水素又はメチルを示し、そして
は水素、フッ素、塩素、メチル又はメトキシを示す。
【0031】
前記製法(a)は、原料として、例えば、2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシムとO−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]ヒドロキシルアミンを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0032】
【化7】

【0033】
前記製法(b)は、原料として、例えば、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシムと4−(トリフルオロメチル)ベンジル ブロミドを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0034】
【化8】

【0035】
前記製法(c)は、原料として、例えば、3−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]]オキシムとO−(3,3−ジクロロプロペニル)ヒドロキシルアミンを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0036】
【化9】

【0037】
前記製法(d)は、原料として、例えば、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(2−ブロモエチル)]オキシムと3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ピラゾールを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0038】
【化10】

【0039】
上記製法(a)において出発原料として用いられる式(II)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
【0040】
【化11】

【0041】
式中、
、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を式
【0042】
【化12】

【0043】
式中、
X及びHalは前記と同義である、
で表されるそれ自体既知の化合物と、文献、例えば、Journal of the Chemical Sociey.Vol.69,p.73,1896年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することできる。
【0044】
上記式(X)の化合物は、その一部は従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
【0045】
【化13】

【0046】
式中、
、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を亜硝酸塩と、酸の存在下に、文献、例えば、特開昭54−160325号公報;Journal of the American Chemical Society,Vol.66,p.1330−1331,1944年;Journal of Medical Chemistry,Vol.30,No.5,p.906−911,1987年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0047】
上記式(XII)の化合物はそれ自体既知の化合物である。
【0048】
上記製法(a)において出発原料として用いられる式(III)の化合物は、その一部は従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
−A−Q (XV)
式中、
Q及びAは前記と同義であり、
はヒドロキシ又はハロゲンを示す、
で表される化合物から、Journal of Medicinal Chemistry,Vol.40,No.15,p.2363−2373,1997年;Agricultural and Biological Chemistry,Vol.49,No.11,p.3197−3202,1985年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0049】
上記式(XV)の化合物はそれ自体既知の化合物である。
【0050】
上記製法(a)において出発原料として用いられる式(II)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2,5−ジメチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2,6−ジメチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
3−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2−ブロモ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2−ヨード−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2−メチル−5−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2−メチル−5−フルオロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム、
2−メトキシ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム等。
【0051】
上記製法(a)において出発原料として用いられる式(III)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
O−フェニルヒドロキシルアミン、
O−ベンジルヒドロキシルアミン、
O−(4−トリフルオロメチル)ベンジルヒドロキシルアミン、
O−(4−トリフルオロメトキシ)ベンジルヒドロキシルアミン、
O−(2−フェニルエチル)ヒドロキシルアミン、
O−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]ヒドロキシルアミン、
O−[2−(4−トリフルオロフェニル)エチル]ヒドロキシルアミン、
O−[2−(4−トリフルオロフェニルオキシ)エチル]ヒドロキシルアミン、
O−[2−(4−ブロモフェニルオキシ)エチル]ヒドロキシルアミン、
O−(1−メチル−2−フェニルエチル)ヒドロキシルアミン、
O−(2−フェノキシプロピル)ヒドロキシルアミン、
O−(2−フェニル−2−プロピル)ヒドロキシルアミン、
O−(3−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン、
O−[3−(4−フロオロフェニル)プロピル]ヒドロキシルアミン、
O−[3−(4−トリフロオロメチルフェニル)プロピル]ヒドロキシルアミン、
O−[3−(4−フロオロフェニルオキシ)プロピル]ヒドロキシルアミン、
O−[3−(4−トリフロオロメチルフェニルオキシ)プロピル]ヒドロキシルアミン、
O−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)プロピル]ヒドロキシルアミン、
O−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)ブチル]ヒドロキシルアミン等。
【0052】
上記製法(b)において出発原料として用いられる式(IV)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
【0053】
【化14】

【0054】
式中、
、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を前記式(VII)の化合物と、文献、例えば、Chemical and Pharmaceutical Bulletin,Vol.31,No.8,p.2601−2606、1983年;Chemische Berichte,Vol.63,p.2476,2483,1930年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0055】
上記式(XIV)の化合物は、その一部は従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
【0056】
【化15】

【0057】
式中、
、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を亜硝酸塩と、酸の存在下に、文献、例えば、特開昭54−160325号公報;Journal of the American Chemical Society,Vol.66,p.1330−1331,1944年;Journal of Medical Chemistry,Vol.30,No.5,p.906−911,1987年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0058】
上記式(XV)及び(V)の化合物はそれ自体既知の化合物である。
【0059】
上記製法(b)において出発原料として用いられる式(IV)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム、
2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム、
2−クロロ[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム、
2−ブロモ[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム、
3−メトキシ[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム等。
【0060】
上記製法(b)において出発原料として用いられる式(V)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
ベンジルブロミド、
2−フルオロベンジルブロミド、
3−フルオロベンジルブロミド、
4−フルオロベンジルブロミド、
2−クロロベンジルブロミド、
3−クロロベンジルブロミド、
4−クロロベンジルブロミド、
2−ブロモベンジルブロミド、
3−ブロモベンジルブロミド、
4−ブロモベンジルブロミド、
2−トリフルオロメチルベンジルブロミド、
3−トリフルオロメチルベンジルブロミド、
4−トリフルオロメチルベンジルブロミド、
2−メタンスルホニル−5−トリフルオロメチルピリジン、
3−クロロ−2−メタンスルホニル−5−トリフルオロメチルピリジン、
2−(ブロモメチル)ピリジン等。
【0061】
上記製法(c)において出発原料として用いられる式(VI)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記式(XIV)の化合物を前記式(V)化合物と、文献、例えば、Journal of the Chemical Sociey.Vol.69,p.73,1896年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することできる。
【0062】
また、上記式(VI)の化合物は、例えば、式
【0063】
【化16】

【0064】
式中、
、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を前記式(III)の化合物と、文献、例えば、Chemical and Pharmaceutical Bulletin,Vol.31,No.8,p.2601−2606、1983年;Chemische Berichte,Vol.63,p.2476,2483,1930年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0065】
上記式(XVI)の化合物はそれ自体既知の化合物である。
【0066】
上記製法(c)において出発原料として用いられる式(VI)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
3−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
3−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
3−ブロモ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
2−メチル−5−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
3−(トリフルオロメチル)−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
3−メトキシ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム、
2,5−ジメチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]オキシム等。
【0067】
上記製法(c)において出発原料として用いられる式(VII)の化合物はそれ自体既知の化合物であり、例えば、文献、特開平10−338668号公報に記載されており、その代表例としては下記のものを例示することができる。
O−(3,3−ジフロロプロペニル)ヒドロキシルアミン、
O−(3,3−ジクロロプロペニル)ヒドロキシルアミン、
O−(3,3−ジブロモプロペニル)ヒドロキシルアミン等。
【0068】
上記製法(d)において出発原料として用いられる式(VIII)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
【0069】
【化17】

【0070】
式中、
A、X、R、R、R及びRは前記と同義である、
で表される化合物を、文献、例えば、Journal of Organic Chemistry,Vol.42,p.353−355,1977年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0071】
上記式(XVII)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、前記式(II)の化合物を式
NO−A−OH (XVIII)
式中、
Aは前記と同義である、
で表される化合物と、文献、例えば、Chemical and Pharmaceutical of Bulletin,Vol.31,No.8,p.2601−2606,1983等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0072】
上記式(XVIII)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、式
HO−A−OH (XIX)
式中、
Aは前記と同義である、
で表される化合物から、文献、例えば、Journal of Medicinal Chemistry,Vol.13,No.3,p.398−403,1970年等に記載の方法に従って反応させることにより、容易に製造することができる。
【0073】
上記式(XIX)の化合物はそれ自体既知の化合物である。
【0074】
上記製法(d)において出発原料として用いられる式(VIII)の化合物の代表例としては下記のものを例示することができる。
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[(2−ブロモエチル)オキシム]、
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[(3−ブロモプロピル)オキシム]、
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[(4−ブロモブチル)オキシム]、
2−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[(2−ブロモエチル)オキシム]、
2−クロロ−5−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[(2−ブロモエチル)オキシム]等。
【0075】
上記製法(d)において出発原料として用いられる式(IX)の化合物はそれ自体既知のものであり、その代表例としては下記のものを例示することができる。
3−(トリフルオロメチル)ピラゾール、
5−(トリフルオロメチル)ピラゾール、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ピラゾール、
5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール等。
【0076】
上記製法(a)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;アルコ−ル類、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等を挙げることができる。
【0077】
製法(a)は、酸触媒の存在下で行うことができ、該酸触媒の例としては、鉱酸類、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、亜硫酸水素ナトリウム等;有機アミン塩酸塩、例えば、ピリジン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等;アミンスルホン酸塩、例えば、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、トリエチルアミンp−トルエンスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0078】
製法(a)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができるが、一般には約−50〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃の間の温度が適当である。
【0079】
また、該反応は常圧下で行うことが望ましいが、場合によっては加圧または減圧下で操作することもできる。
【0080】
製法(a)を実施するにあたっては、例えば、式(II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばエタノール中、0.5〜2モル量の式(III)の化合物を、ピリジニウム 4−トルエンスルホナートの存在または非存在下で反応させることによって、目的化合物を得ることができる。
【0081】
上記製法(b)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル-イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等を挙げることができる。
【0082】
製法(b)は、酸結合剤の存在下で行うことができ、該酸結合剤としては、無機塩基として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩等、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;有機塩基として、アルコラート、第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)及び1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク-7-エン(DBU)等;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n-ブチルリチウム・DABCO、n-ブチルリチウム・DBU、n-ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0083】
製法(b)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができるが、一般には約−50〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃の間の温度が適当である。
【0084】
また、該反応は常圧下で行うことが望ましいが、場合によっては加圧または減圧下で操作することもできる。
【0085】
製法(b)を実施するにあたっては、例えば、式(IV)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばアセトニトリル中、0.1〜10モル量の式(V)の化合物を、炭酸カリウムの存在下で反応させることによって、目的化合物を得ることができる。
【0086】
上記製法(c)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;アルコ−ル類、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等を挙げることができる。
【0087】
製法(c)は、酸触媒の存在下で行うことができ、該酸触媒の例としては、鉱酸類、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、亜硫酸水素ナトリウム等;有機アミン塩酸塩、例えば、ピリジン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等;アミンスルホン酸塩、例えば、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、トリエチルアミンp−トルエンスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0088】
製法(c)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができるが、一般には約−50〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃の間の温度が適当である。
【0089】
また、該反応は常圧下で行うことが望ましいが、場合によっては加圧または減圧下で操作することもできる。
【0090】
製法(c)を実施するにあたっては、例えば、式(VI)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばエタノール中、0.5〜2モル量の式(VII)の化合物を、ピリジニウム 4−トルエンスルホナートの存在または非存在下で反応させることによって、目的化合物を得ることができる。
【0091】
上記製法(d)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エ−テル類、例えば、エチルエ−テル、メチルエチルエ−テル、イソプロピルエ−テル、ブチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル-イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等を挙げることができる。
【0092】
製法(d)は、酸結合剤の存在下で行うことができ、該酸結合剤としては、無機塩基として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩等、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;有機塩基として、アルコラート、第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)及び1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク-7-エン(DBU)等;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n-ブチルリチウム・DABCO、n-ブチルリチウム・DBU、n-ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0093】
製法(d)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができるが、一般には約−50〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃の間の温度が適当である。
【0094】
また、該反応は常圧下で行うことが望ましいが、場合によっては加圧または減圧下で操作することもできる。
【0095】
製法(d)を実施するにあたっては、例えば、式(VIII)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばアセトニトリル中、1〜3モル量の式(IX)の化合物を、炭酸カリウムの存在下で反応させることによって、目的化合物を得ることができる。
【0096】
本発明の式(I)の化合物は強力な殺虫作用を現す。従って、それらは殺虫剤として使用することができる。そして、本発明の式(I)の活性化合物は、栽培植物に対し薬害を与えることなく、有害昆虫に対し的確な防除効果を発揮する。また、本発明の化合物は、広範な種々の害虫、例えば、有害な吸液昆虫、咀嚼昆虫およびその他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のために使用することができ、それらの駆除撲滅のために適用することができる。
【0097】
そのような害虫の例としては、以下の如き害虫を例示することができる。
【0098】
昆虫類の例として、鞘翅目害虫、例えば、
アズキゾウムシ(Callosobruchus Chinensis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジユウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、コロラドポテトビートル(Leptinotarsa decemlineata)、ジアブロテイカ(Diabrotica spp.)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ヒラタキクイムシ(Lyctus bruneus);
鱗翅目害虫、例えば、
マイマイガ(Lymantria dispar)、ウメケムシ(Malacosoma neustria)、アオムシ(Pieris rapae )、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウ(Mamestra brassicae)、ニカメイチユウ(Chilo suppressalis)、アワノメイガ(Pyrausta nubilalis)、コナマダラメイガ(Ephestia cautella)、コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、コドリンガ(Carpocapsa pomonella)、カブラヤガ(Agrotis fucosa)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella maculipennis)、ヘリオティス(Heliothis virescens)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella);
半翅目害虫、例えば、
ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ニセダイコンアブラムシ(Rhopalosiphum pseudobrassicas)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、アオカメムシ(Nazara spp.)、トコジラミ(Cimex lectularius)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、キジラミ(Psylla spp.)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argetifoli)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis);
直翅目害虫、例えば、
チヤバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ケラ(Gryllotalpa africana)、バツタ(Locusta migratoria migratorioides);
等脚目害虫、例えば、
ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
双翅目害虫、例えば、
イエバエ(Musca domestica)、ネツタイシマカ(Aedes aegypti)、タネバエ(Hylemia platura)、アカイエカ(Culex pipiens)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhychus)、
等を挙げることができる。
【0099】
また、ダニ類として、例えば、
ニセナミハダニ(Tetranychus telarius)、ナミハダニ(Tetranychus nrticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ホコリダニ(Tarsonemus spp.)
等を挙げることができる。
【0100】
さらに、センチュウ類として、例えば、
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus lignicolus Mamiya et Kiyohara)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus spp.)
等を挙げることができる。
【0101】
更に、獣医学の分野において、本発明の化合物を種々の有害な動物寄生虫害虫(内部および外部寄生害虫)、例えば、昆虫類及びぜん虫に対して有効に使用することができる。そのような動物寄生害虫の例としては、以下の如き害虫を例示することができる。
【0102】
昆虫類としては、例えば、
ウマバエ(Gastrophilus spp.)、サシバエ(Stomoxys spp.)、ハジラミ(Trichodectes spp.)、サシガメ(Rhodnius spp.)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)
等を挙げることができる。
【0103】
ダニ類としては、例えば、
カズキダニ(Ornithodoros spp.)、マダニ(Ixodes spp.)、オウシマダニ(Boophilus spp.)
等を挙げることができる。
【0104】
本発明ではこれらのすべてを包含する害虫に対する撲滅作用を有する物質を殺虫剤と呼ぶことがある。
【0105】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用する場合、通常の製剤形態に製剤化することができる。製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、粒状水和剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、錠剤、粒剤、エアゾール、活性化合物浸潤−天然又は合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば、燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、かん、コイルなど)、ULV[コールドミスト(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)]等を挙げることができる。
【0106】
これらの製剤はそれ自体既知の方法で調製することができ、例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体の希釈剤又は担体;液化ガス希釈剤又は担体;固体の希釈剤又は担体と、そして場合によってはさらに界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤と共に混合することによって調製することができる。
【0107】
展開剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒をまた補助溶媒として使用することができる。
【0108】
液体希釈剤又は担体としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素類[例えば、シクロヘキサン、パラフィン類(例えば鉱油留分など)等]、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール等)又はそれらのエーテル、エステル等、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等を挙げることができる。
【0109】
液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧下ではガスであるもの、例えば、ブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤等を挙げることができる。
【0110】
固体希釈剤としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイト、珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)を挙げることができる。
【0111】
粒剤のための固体担体としては、例えば、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機又は有機物粉の合成粒、有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸、タバコの茎等)の細粒体等を挙げることができる。
【0112】
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、例えば、非インオ又は陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル)、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等]、アルブミン加水分解生成物等を挙げることができる。
【0113】
分散剤としては、例えば、リグニンサルフアイト廃液、メチルセルロース等が包含される。
【0114】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、該固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然又は合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート等)を挙げることができる。
【0115】
着色剤を使用することもでき、該着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーなど)、アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料、そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛などの金属の塩のような微量要素を挙げることができる。
【0116】
該製剤は、一般には、前記活性成分を0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の範囲内の量で含有することができる。
【0117】
本発明の式(I)の活性化合物は、それらの商業上有用な製剤又はそれらの製剤から調製された使用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、殺カビ剤、生長調整剤又は除草剤との混合剤として存在することもできる。ここで、上記殺虫剤としては、例えば、有機リン剤、カーバメート剤、カーボキシレート系薬剤、クロル化炭化水素系薬剤、微生物より生産される殺虫性物質などを挙げることができる。
【0118】
更に、本発明の式(I)の活性化合物は、協力剤との混合剤として存在することもでき、かかる製剤及び使用形態は商業上有用なものを挙げることができる。該共力剤はそれ自体活性である必要はなく、活性化合物の作用を増強する化合物である。
【0119】
本発明の式(I)の活性化合物の商業上有用な使用形態における含有量は、広い範囲内で変えることができる。また、本発明の式(I)の活性化合物の使用上の濃度は、例えば、0.0000001〜100重量%、好ましくは0.00001〜1重量%の範囲内とすることができる。
【0120】
本発明の式(I)の化合物は使用形態に適合した通常の方法で使用することができる。
【0121】
本発明の活性化合物は、衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用するに際して、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性を有しており、しかも木材及び土壌における優れた残効性を示す。
【実施例】
【0122】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
合成例1 (a法)
【0123】
【化18】

【0124】
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム(0.150g, 0.610mmol)、O−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]ヒドロキシルアミン(0.162g, 0.731mmol)及びピリジニウム 4−トルエンスルホナート(0.015g, 0.061mmol)をエタノール中で混合し、12時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)オキシム](0.253g, 92%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.49-7.36 (2H, m), 7.25-7.17 (2H, m), 7.13 (1H, d, J = 10.1 Hz), 7.03 (1H, s), 6.63 (1H, d, J = 10.1 Hz), 6.17 (1H, t, J = 6.6 Hz), 5.24 (2H, s), 4.83 (2H, d, J = 6.6 Hz), 2.07 (3H, s).
合成例2 (b法)
【0125】
【化19】

【0126】
2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム(0.21g, 0.80mmol)、4−(トリフルオロメチル)ベンジル ブロミド(0.23g, 0.97mmol)及び炭酸カリウム(0.17g, 1.21mmol)をアセトニトリル中で混合し、6時間加熱還流した。無機固形物をろ過により除去し、溶媒を減圧下留去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(4−トリフルオロメチルベンジル)オキシム](0.15g,45%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.62 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.13 (1H, d, J = 10.1 Hz), 7.04 (1H, s), 6.62 (1H, d, J = 10.1 Hz), 6.17 (1H, d, J = 6.8 Hz), 5.29 (2H, d, J = 3.7 Hz), 4.83 (2H, d, J = 6.8 Hz), 2.12 (3H, s).
合成例3 (c法)
【0127】
【化20】

【0128】
3−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]]オキシム(0.30g,0.95mmol)、O−(3,3−ジクロロプロペニル)ヒドロキシルアミン(0.14g,0.95mmol)及びピリジニウム 4−トルエンスルホナート(0.024g,0.095mmol)をエタノール中で混合し、12時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、2−クロロ[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(4−トリフルオロメチルベンジル)オキシム](0.36g,85%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.63 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.40 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 10.1 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 10.1, 1.8 Hz), 6.19 (1H, t, J = 6.4 Hz), 5.32 (2H, s), 4.91 (2H, d, J = 6.4 Hz).
合成例4 (d法)
【0129】
【化21】

【0130】
2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(2−ブロモエチル)]オキシム(0.20g, 0.54mmol)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ピラゾール(0.13g,0.65mmol)及び炭酸カリウム(0.098g,0.71mmol)をアセトニトリル中で混合し、6時間加熱還流した。反応混合物に対し水を加え、エーテルで抽出した。有機層をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−[O−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ピラゾール−1−イル)エチル)]オキシム(0.12g,45%)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.13 (1H, d, J = 10.3 Hz), 6.93-6.86 (2H, m), 6.56 (1H, dd, J = 10.2, 1.9 Hz), 6.17 (1H, t, J = 6.6 Hz), 4.83 (2H, d, J = 6.6 Hz), 4.71-4.55 (4H, m), 2.08 (3H, s).
上記合成例1〜4と同様にして得られる化合物を、合成例1〜4で合成した化合物と共に下記第1〜2表に示す。
【0131】
第1〜2表において、Meはメチルを示し、Etはエチルを示し、iPrはイソプロピルを示し、Bnはベンジルを示し、そしてOMeはメトキシを示す。
【0132】
なお、物性欄において*マークを表示する化合物については、第1〜2表とは別に、第3表にNMR値をまとめて示す。
【0133】
【表1】

【0134】
【表1−2】

【0135】
【表2】

【0136】
【表3−1】

【0137】
【表3−2】

【0138】
【表3−3】

【0139】
合成例5 (中間体の製造)
【0140】
【化22】

【0141】
2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−オキシム(6.72g,49.0mmol)、1,1,3−トリクロロプロペン及び炭酸カリウム(9.48g, 68.6mmol)をアセトニトリル中で混合し、約70℃に加熱下8時間撹拌した。放冷後固形物をろ過により除去し、溶媒を減圧下留去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)]オキシム(6.40g,53%)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.60 (1H, d, J = 10.1 Hz), 6.39 (1H, dd, J = 10.1, 2.0 Hz), 6.33-6.29 (1H, m), 6.18 (1H, t, J = 6.7 Hz), 4.95 (2H, d, J = 6.6 Hz), 2.20 (3H, s).
合成例6 (中間体の製造)
【0142】
【化23】

【0143】
水(75ml)と酢酸(2ml)の混合液に亜硝酸ナトリウム(17.9g, 259mmol)を溶解し氷冷下撹拌した。この溶液に対し希硫酸(10.8gの濃硫酸を20mlに希釈)と3−クレゾール(20gのクレゾールを酢酸3mlで希釈)の両方を同時にゆっくりと滴下した。滴下には約5時間を要した。滴下終了後、懸濁液を室温で1時間撹拌した。固形物を桐山ロートにより濾別し、水とエーテルで洗浄後乾燥し、2−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−オキシムを得た(19.1g,75%)。
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.76 (1H, d, J = 10.3 Hz), 6.43 (1H, dd, J = 10.3, 2.0 Hz), 6.34 (1H, d, J = 2.0 Hz), 2.21 (3H, s).
合成例7 (中間体の製造)
【0144】
【化24】

【0145】
3−メチル−[1,4]ベンゾキノン 1−オキシム(0.300g, 2.188mmol)、O−(3,3−ジクロロプロペニル)ヒドロキシルアミン(0.373g, 2.625mmol)及びピリジニウム 4−トルエンスルホナート(0.055g, 0.22mmol)をエタノール中で混合し、8時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、2−メチル[1,4]ベンゾキノン 1−[O−(3,3−ジクロロプロペニル)オキシム] 4−オキシム(0.49g, 86%)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.14 (1H, d, J = 10.1 Hz), 7.09-7.08 (1H, m), 6.64 (1H, dd, J = 10.1, 2.0 Hz), 6.17 (1H, t, J = 6.5 Hz), 4.82 (2H, d, J = 6.6 Hz), 2.12 (3H, s).
合成例8 (中間体の製造)
【0146】
【化25】

【0147】
2−クロロ−[1,4]ベンゾキノン(1.0g, 7.0mmol)、O−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]ヒドロキシルアミン(1.3g,7.0mmol)及びピリジニウム 4−トルエンスルホナート(0.17g,0.70mmol)をエタノール中で混合し、12時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、3−クロロ−[1,4]ベンゾキノン 1−[O−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]]オキシム(0.74g,33%)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 7.88 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.66 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.50 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 9.9, 2.6 Hz), 6.61 (1H, d, J = 9.9 Hz), 5.45 (2H, s).
生物試験例1:ハスモンヨトウ幼虫に対する試験
供試薬液の調製
溶剤: ジメチルホルムアミド 3重量部
乳化剤: ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 1重量部
適当な活性化合物の調合物をつくるために、活性化合物1重量部を上記量の乳化剤を含有する上記量の溶剤と混合し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。
【0148】
試験方法
サツマイモの葉を水希釈した所定濃度の供試薬液に浸漬し、薬液の風乾後、直径9cmのシャーレに入れ、ハスモンヨトウ3令幼虫を10頭放ち、25℃の定温室に置き、2日及び4日後にサツマイモの葉を追加し、7日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。
【0149】
本試験では1区2シャーレの結果を平均した。
【0150】
試験結果
代表例としての化合物番号1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−10、1−11、1−12、1−13、1−16、1−17、1−19、1−20、1−23、1−27、1−30、1−32、1−35、1−36、1−37、1−39、1−44、1−46、1−47、1−49、1−50、1−51、1−53、1−54、1−57、1−60、1−65、1−66、1−67、1−68、1−69、1−73、2−1、2−2、2−3、2−5及び2−8の化合物は、有効成分濃度100ppmで、殺虫率100%を現した。
【0151】
製剤例1(粒剤)
本発明化合物No.1−46(10部)、ベントナイト(モンモリロナイト)(30部)、タルク(滑石)(58部)及びリグニンスルホン酸塩(2部)の混合物に、水(25部)を加え、良く捏化し、押し出し式造粒機により、10〜40メッシュの粒状として、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0152】
製剤例2(粒剤)
0.2〜2mmに粒度分布を有する粘土鉱物粒(95部)を回転混合機に入れ、回転下、液体希釈剤とともに本発明化合物No.1−46(5部)噴霧し均等に湿らせた後、40〜50℃で乾燥し粒剤とする。
【0153】
製剤例3(乳剤)
本発明化合物No.1−46(30部)、キシレン(55部)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(8部)及びアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム(7部)を混合撹拌して乳剤とする。
【0154】
製剤例4(水和剤)
本発明化合物No.1−46(15部)、ホワイトカーボン(含水無結晶酸化ケイ酸微粉末)と粉末クレーとの混合物(1:5)(80部)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(2部)及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン重合物(3部)を粉末混合し、水和剤とする。
【0155】
製剤例5(水和顆粒)
本発明化合物No.1−46(20部)、リグニンスルホン酸ナトリウム(30部)、ベントナイト(15部)及び焼成ケイソウ土粉末(35部)を十分に混合し、水を加え、0.3mmのスクリーンで押し出し乾燥して、水和顆粒とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

式中、
Qは場合により置換されていてもよいフェニル基又は場合により置換されていてもよい複素環式基を示し、
Aはアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ又はアルキレンオキシアルキレンを示し、
2個のXはそれぞれ独立してハロゲンを示し、
は水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルコキシ、ハロアルキル又はハロアルコキシを示し、
は水素、ハロゲン又はアルキルを示し、
は水素又はアルキルを示し、そして
は水素、ハロゲン、アルキル又はアルコキシを示す、
で表されるジハロゲノプロペン誘導体。
【請求項2】
Qが場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ及びシアノからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよいフェニル基又は場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4ハロアルキルからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよい1〜3個の窒素原子を含む5もしくは6員の複素環式基を示し、
AがC2−7アルキレン、C1−6アルキリデン、C2−7アルキレンオキシ又はC2−7アルキレンオキシC2−7アルキレンを示し、
2個のXがそれぞれ独立してフッ素、塩素又は臭素を示し、
が水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C7−10アラルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル又はC1−4ハロアルコキシを示し、
が水素、ハロゲン又はC1−4アルキルを示し、
が水素又はC1−4アルキルを示し、そして
が水素、ハロゲン、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシを示す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Qが場合によりフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよいフェニル基又は場合により塩素、メチル及びトリフルオロメチルからなる群より選ばれる1もしくは2個の基により置換されていてもよい、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル又はピリミジニルを示し、
Aがエチレン、トリメチレン、メチレン、エチリデン、エチレンオキシ、トリメチレンオキシ又はエチレンオキシエチレンを示し、
2個のXがそれぞれ独立して塩素又は臭素を示し、
が水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシを示し、
が水素、塩素又はメチルを示し、
が水素又はメチルを示し、そして
が水素、フッ素、塩素、メチル又はメトキシを示す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。

【公開番号】特開2006−104137(P2006−104137A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294055(P2004−294055)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】