説明

ジフルオロエタノールを製造するための方法

本発明は、ジフルオロエタノールの調製のための新規な方法に関する。本発明によるジフルオロエタノールの調製のための方法は、酸の性質を有する固体の無機支持体上に沈着した周期律表のVIII族の少なくとも1つの元素を含む触媒の有効量の存在下で、下記の式(I)


(式中、Xは、フッ素原子以外のハロゲン原子を表わす。)に対応するアセチルハライドの水素化を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ジフルオロエタノールの調製のための新規な方法である。
【背景技術】
【0002】
ジフルオロエタノールは、有機合成、特に農薬および医薬の分野で用いられるアルコールである。
【0003】
ジフルオロエタノールの合成に対して種々の方法が既に提案されている。
【0004】
具体的には、水素化物を用いるか(A.L. Henne and R.L. Pelley, JACS, 74(1952),1426−8)、または接触水素化(Asahi Chemical,特許JP61268639(05/24/85))によるかのいずれかによるジフルオロアセチルクロライドの還元、またはホウ化水素ナトリウムを用いるジフルオロ酢酸エチルの還元〔M.Lewis and E. de Clerck, J Chem Res., Miniprint 8(2001), 844−56〕によって、ジフルオロエタノールを製造することが可能である。
【0005】
ジフルオロ酢酸のボラン/硫化メチル複合体による還元も挙げることができる(W.G.Reinfenrath and E.B. Roche, J Med Chem.,23(9),(1980)、985−90)。
【0006】
しかし、これらの方法は、ジフルオロ酢酸から出発する合成の複数の段階を必要とし、または高価な反応物を使用し、このことは、その方法を複雑で、経済的に実行可能でないものにする。
【0007】
ジフルオロエタノールへのもう1つの到達経路は、150℃および200℃の間で、2,2−ジフルオロー1−ブロモエタンの加水分解を行うことにある。報告された収率は約50%である。
【発明の開示】
【0008】
本発明の目的は、容易に入手可能な反応物から出発してジフルオロエタノールを調製する方法を提供することである。
【0009】
酸の性質を有する固体の無機支持体上に沈着した周期律表のVIII族からの少なくとも1つの元素を含む触媒の有効量の存在下で、下記の式に対応するアセチルハライドの水素化を含むことを特徴とする、ジフルオロエタノールの調製のための方法がいま見出され、これは本発明の主題を構成するものである。
【0010】
【化2】

(式中、Xは、フッ素原子以外のハロゲン原子を表わす。)
【0011】
式(I)中、Xは塩素、臭素またはヨウ素原子を表わす。
【0012】
本発明の方法は、非常に具体的には、式(I)(式中、Xは塩素原子を表わす)に対応する基質に適用する。
【0013】
本発明の方法に従って、三重の接触水素化、即ち、カルボニル基の還元および二重の脱ハロゲン化水素反応が行われる。
【0014】
好適な水素化触媒として、元素の周期律表のVIII族の元素から選ばれる金属元素が使用される。
【0015】
元素の定義については、下記フランス化学会の会報No.1(1966)に発表された元素の周期律表を参照する。
【0016】
元素は、より詳細には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、または白金等の貴金属である。
【0017】
該元素の混合物を使用してもよい。
【0018】
好適に使用される金属元素として、パラジウムおよび/または白金を挙げ得る。
【0019】
該金属は、支持体上に、細かく分割された金属の形または水素の存在下で金属に還元され得る化合物の形で沈着され得る。従って、該金属は、酸化物または水酸化物のような無機誘導体の形で使用され得る。無機塩、好適には硝酸塩、硫酸塩、オキシ硫酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ケイ酸塩または炭酸塩、または有機誘導体、好適にはシアン化物、シュウ酸塩、アセチルアセトネート、アルコキシド、より好適にはさらにメトキシドまたはエトキシド、またはカルボン酸エステル、より好適にはさらに酢酸エステルが使用され得る。該貴金属および/またはアルカリ金属(好適にはナトリウムまたはカリウム)またはアンモニウムの複合体、特に塩素化複合体も使用され得る。
【0020】
支持体の選択は、支持体がルイス酸の性質を有する無機性固体であるかまたは本発明の方法において放出される塩酸の存在下でルイス酸性度を生じ得る無機性固体でなければならないと云う事実によって条件づけられる。
【0021】
ルイス酸の定義については、とりわけJerry Marchによる論文Advanced Organic Chemistry, 8, p.260(1992)が参照され得る。
【0022】
ルイス酸は、空軌道を示し、従って電子を受容する能力のある任意の化学的実体として定義される。
【0023】
本発明の好適な実施形態において、該支持体はアルミナを含み、ルイス酸AlClを生じる無機の固体である。
【0024】
本発明の方法に適した支持体の例として、アルミナおよびアルミナを含む化合物が使用され得る。
【0025】
アルミナは、本発明の方法において好適に選ばれる支持体である。それは、α−、γ−またはη−アルミナであり得、γ−アルミナが好適である。
【0026】
アルミナを含む支持体に関して、任意の天然または合成のアルミノケイ酸塩およびより詳細には酸性粘土および酸性ゼオライトを挙げ得る。
【0027】
本発明の方法の実施に全体的によく適した無機支持体の第一の種類は、酸性粘土の無機支持体である。
【0028】
好適な実施例として、モンモリロナイトを挙げ得る。それらは、式3SiO.Al.(Mg,Ca)O.nHO(nは5および7の間)によって表わされ得る。ベントナイトもまた挙げ得る。
【0029】
好適には、特にTonsil Optimum FFおよびK10のような既に酸性である市販の粘土が使用され得る。
【0030】
必要ならば、市販の粘土が、強酸の水溶液を用いて処理され得る。この処理は、従来の仕方で当業者によって実施される。例えば、その粘土を、2および4の間のpHを有する硫酸水溶液中に導入することが可能である。
【0031】
本発明に適した他の支持体として、ゼオライトを挙げ得る。
【0032】
天然ゼオライトは元素の周期律表のIaおよびIIa族からの金属(例えば:カルシウム、マグネシウム、カリウム等)の水和アルミノケイ酸塩の種類に属する物質である。
【0033】
構造的に、ゼオライトは酸素イオンの交換を介して相互に結合した四面体AlO4およびSiOで形成された4つの点において結合した構造の無限の3次元的連続に基づく結晶性無機高分子複合体である。その構造の中に存在するそれぞれの四面体AlO4は、強い負の電荷を与え、その電荷は陽イオン(Ca2+,Mg2+等)で相殺される。
【0034】
2種類のゼオライトが存在する:天然ゼオライトおよび合成ゼオライトであり、これは両方とも本発明の方法に含められ得る。
【0035】
本発明に適したゼオライト支持体の例として、例えば菱沸石(チャバザイト/chabazite),斜プチロル沸石(クリノプチロライト/clinoptilolite),エリオン沸石(エリオナイト/erionite),モルデン沸石(モルデナイト/mordenite),十字沸石(フィリップサイト/phillipsite)またはオフレット沸石(オフレタイト/offretite)等の天然ゼオライトを挙げ得る。
【0036】
合成ゼオライトは、本発明の実施に好適に適している。MFI型のゼオライトHZSM−5、MEL型のゼオライトHZSM−11、フォージャサイト(FAU)型のゼオライトHY、H−モルデナイト(MOR)またはゼオライトKLが非常に特別に選択される。
【0037】
ゼオライトは、文献に広く記述されている既知の製品であり、特に国際ゼオライト学会の構造委員会出版(1992)p132、W.M. Meier and D.H. Olsonの“Atlas of zeolites structure types”に記述されている。
【0038】
本発明の方法において、合成ゼオライトおよびより詳細には次の形の市販ゼオライトを使用するのが好適である。
−10から500のSi/Alモル比を有するゼオライトHZSM−5またはアルミニウムケイ酸塩
−5から30のSi/Al原子比を有するゼオライトZSM−11
-2.3から40のSi/Al原子比を有するゼオライトHY
-5から45のSi/Al原子比を有するH−モルデナイト
【0039】
好適には、Zeolystによって販売されている、Si/Al原子比がそれぞれ15に等しいCBV720等のHY型ゼオライトのような酸の形の市販のゼオライトHYまたはH−モルデナイトおよびSi/Al原子比がそれぞれ10および45に等しいCBV20Aおよび90A等のH−モルデナイト型のゼオライトが使用される。
【0040】
本発明に従って、該触媒は、上に定義した支持体上に沈着したVIII族からの金属元素を含む。
【0041】
その支持体上の沈着は、当業者により通常使用される技術、例えば支持体上での含浸、に従って行われる。
【0042】
一般に、該金属は、該触媒重量の0.1%から10%、好適には0.5%から5%までの比率で沈着される。
【0043】
好適には、アルミナ支持体上に沈着した白金および/またはパラジウムに基づく触媒が使用される。
【0044】
好適には、該白金および/またはパラジウムは該支持体上に該触媒重量の0.5%から5%までの比率で沈着される。
【0045】
該触媒は、粉末、ペレットまたは顆粒の形でも使用され得る。
【0046】
本発明の方法に従って、出発基質上で接触水素化が行われる。
【0047】
使用する水素の量は、基質モル当たり少なくとも2モルである。好適には2および10の間および優先的には3および10の間である。
【0048】
本発明の方法は、気相または液相中で実施され得る。
【0049】
本発明の好適な実施形態は、本発明の方法を気相で実施することにある。
【0050】
ついで、該温度は、150℃から350℃に亘る、およびより好適には200℃および300℃の間の温度範囲内で選ばれる。
【0051】
該反応は、大気圧より僅かに大きい圧力から数バールの圧力までの範囲の水素圧下で行われる。有利には、該水素圧は、1および10バールの間およびより好適には1および5バールの間で変化する。
【0052】
本発明の好適な実施形態は、該固定床技術に従って該方法を実施することにある。
【0053】
好適には、該反応は、固定床として置かれた該固体触媒を含む、加熱手段を備えた管状反応器中で連続的に行われる。
【0054】
該触媒床は、上に定義された範囲内で選ばれる反応温度にされ、その上を該水素ガスを通過させる。
【0055】
式(I)の化合物が、ついで触媒床の上を運ばれる。
【0056】
それはまた、下に定義される溶媒の中にも導入され得る。
【0057】
ガス相における該触媒床上の物質流の滞留時間は、非常に短く、一般に1秒未満から約1分の間で変化する:該圧力はまた、大気圧にも近いが、10バールに達し得る圧力下で操作することが可能である。
【0058】
固定床の上を通過後、該ガス流は、例えば20℃および40℃の間の温度で液化される。
【0059】
ジフルオロエタノールを含む液相が得られ、ジフルオロエタノールは常法により蒸留により、または、混合しない溶媒、例えばジイソプロピルエーテルを用いる液/液抽出によっても回収され得る。
【0060】
該非液化流は、該反応の間に形成されたハロゲン化水素酸を除去するために水酸化ナトリウムを含む洗浄カラムに運ばれる。従って、その精製された水素は該反応に循環され得る。
【0061】
本発明のもう1つの実施形態に従って、該反応を液相で行うことが可能である。
【0062】
ついで、該反応の温度が、20℃および150℃の間および好適には40℃および70℃の間で有利に選ばれる。
【0063】
該反応は、大気圧より僅かに大きい圧力から数十バールの圧力までの範囲の水素圧下で行われる。有利には、該水素圧は、1から50バールの間およびより好適には10から20バールの間で変化する。
【0064】
該反応は、溶媒の非存在下で行い得る。しかし、溶媒の存在下で操作することが好適である。特に、水または脂肪族もしくは脂環式およびハロゲン化されているもしくはハロゲン化されていない炭化水素、好適にはヘキサン、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンまたはハロゲン化されているもしくはハロゲン化されていない芳香族炭化水素、好適にはトルエンまたはモノクロロベンゼン等の不活性有機化合物が用いられ得る。
【0065】
バッチ様形態に従って、使用可能な溶媒、式(I)の化合物および該触媒が、該反応器に仕込まれる。
【0066】
式(I)の化合物の重量あたりの触媒の重量として表した、水素化触媒の用いられる量は、例えば、0.5%および20%の間、好適には0.5および5%の間で変化し得る。
【0067】
加熱は、上に定義された温度まで行われる。
【0068】
所望の水素圧がかけられ、水素圧は水素を連続的に添加することにより維持される。
【0069】
該反応媒体は、水素ガスの消費が止まるまで攪拌下に保たれる。
【0070】
該反応中に形成されたハロゲン化水素酸を除去するために、該反応器内の該圧力を一定に保ちながら、連続的に排出させることまたは不連続的排出を実施することが賢明である。同様に、これは水酸化ナトリウムを含む洗浄カラム中で回収され得る。
【0071】
該反応の終りに、該触媒は、従来の固/液分離技術によって、好適には濾過によって分離される。
【0072】
得られた製品は常法により、好適には蒸留または液/液抽出によって回収される。
【0073】
本発明の典型的実施形態を説明の目的で下に挙げるが、制限するものではない。
【0074】
この実施例において、その転化率は、仕込まれた基質のモル数に対する転化された基質のモル数の比に対応し、得られた収率は仕込まれた基質のモル数に対する形成された製品のモル数の比に対応する。
【実施例1】
【0075】
α型のアルミナのビーズ上に支持された2.5重量%のパラジウムからなる触媒20mlを、該触媒を保持することを可能にするスクリーンを備えた2.54cmの内径を有する管状ニッケル反応器に導入する。
【0076】
該アルミナは、α型であり、3mmの直径を有するビーズの形である。
【0077】
該触媒の上を通す前に、該反応物を蒸発させ、混合するために、ガラス粉10mlを該触媒の上に導入する。
【0078】
ついで、該反応器を5l/hの水素流下、電気炉を用いて300℃まで加熱する。
【0079】
該システムをこれらの条件下で30分間維持し、ついでクロロジフルオロアセチルクロライドを、水素流速を維持しながら、10g/hの流速でポンプを用いて注入する。
【0080】
ついで、水素化物を水浴に浸した容器内で液化させる。
【0081】
形成されたハロゲン化水素酸の一部は、過剰水素流によって同伴される。
【0082】
これらの条件下で10時間操作した後、水素化物をガスクロマトグラフィーにより定量測定した後、クロロジフルオロアセチルクロライドの転化が85%であることおよびジフルオロエタノールの収率は75%であることが見出される。
【実施例2】
【0083】
クロロジフルオロアセチルクロライド100g、シクロヘキサン50gおよび乾燥カーボンブラック上に沈着したパラジウム3重量%を含む触媒4gをハステロイB2製の300mlの反応器の中に導入する。
【0084】
該反応器を10バール下の窒素で2回パージする。
【0085】
ついで、該反応器を10バール下の水素で2回パージし、ついで15バール下で加圧し、攪拌し、75℃に加熱する。
【0086】
該圧力は、該反応の継続中、該反応器中で一定に保たれる。
【0087】
5時間後、水素の消費が止まる。
【0088】
該反応器をパージし、該触媒をろ別し、該反応媒体を分析する。
【0089】
すべての出発物質は転化され、ジフルオロエタノールの収率は60%である。
【0090】
これらの条件下で、ジフルオロエチルジフルオロアセテートおよびジフルオロエチルクロロジフルオロアセテートから構成されたエステルの混合物が形成される。
【実施例3】
【0091】
触媒として、ゼオライトHY上に3重量%の割合で沈着したパラジウムを用いて、実施例1を再現する。この場合、転化は95%であり、ジフルオロエタノールの収率は78%である。
【実施例4】
【0092】
触媒として、ゼオライトHZSM5上に3重量%の割合で沈着したパラジウムを用いて、実施例1を再現する。この場合、転化率は98%であり、ジフルオロエタノールの収率は70%である。
【実施例5】
【0093】
350℃で操作した以外は同じ仕方で、実施例1を再現した。
100%の転化率に対して、61%の収率が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフルオロエタノールの調製のための方法であり、酸の性質を有する固体の無機支持体上に沈着した周期律表のVIII族からの少なくとも1つの元素を含む触媒の有効量の存在下で、下記の式
【化1】

(式中、Xは、フッ素原子以外のハロゲン原子を表わす。)
に対応するアセチルハライドの水素化を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
使用されるアセチルハライドが、式(I)(式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素原子、好適には塩素原子を表わす。)に対応することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触媒が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金、好適にはパラジウムおよび/または白金から選ばれる金属元素に基づくことを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
金属元素が、支持体上に、細かく分割された金属の形または水素の存在下で金属に還元され得る化合物の形で沈着され得ることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の方法。
【請求項5】
支持体が、アルミナまたはアルミナを含む化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
支持体が、α−、γ−またはη−アルミナ、好適にはγ−アルミナであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
支持体が、酸性白土、好適にはモンモリロナイトであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
支持体が、天然のまたは合成の酸ゼオライト、好適にはMFI型のゼオライトHZSM−5、MEL型のゼオライトHZSM−11、フォージャサイト(FAU)型のゼオライトHY、ゼオライトH−モルデナイトまたはゼオライトKLであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
触媒が、アルミナ上に沈着したパラジウムおよび/または白金に基づく触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
反応が、気相で行われることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の方法。
【請求項11】
反応が、150℃から350℃に亘る、および好適には200℃および300℃の間の温度範囲内で選ばれる温度で行われることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
反応が、1および10バールの間およびより好適には1および5バールの間で変化する水素圧下で行われることを特徴とする、請求項10および11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
触媒床上の物質流の滞留時間が非常に短く、および1秒未満から約1分までの間で変化することを特徴とする、請求項10から12の一項に記載の方法。
【請求項14】
反応が、固定床技術に従って行われることを特徴とする、請求項10から13の一項に記載の方法。
【請求項15】
触媒床が、反応の温度にされ、水素流が通され、ついで式(I)の化合物が導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
反応が、液相で行われることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の方法。
【請求項17】
水素圧が、1および50バールの間、好適には10および20バールの間であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
反応が、20℃から150℃に亘る、および好適には40℃および70℃の間の温度範囲内で選ばれる温度で行われることを特徴とする、請求項16および17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
反応が、ハロゲン化されているまたはハロゲン化されていない、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素、好適にはヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエンまたはモノクロロベンゼンから選ばれる有機溶媒中で行われることを特徴とする、請求項16から18の一項に記載の方法。
【請求項20】
式(I)の化合物の重量あたりの触媒重量として表された、使用される水素化触媒の量が、0.5%および20%の間、好適には0.5%および5%の間で変化することを特徴とする、請求項16から19の一項に記載の方法。
【請求項21】
ジフルオロエタノールが、反応の終りに蒸留または液/液抽出によって回収されることを特徴とする、請求項1から20の一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−520008(P2009−520008A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546514(P2008−546514)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002780
【国際公開番号】WO2007/071841
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508183151)ロデイア・オペラシヨン (70)
【Fターム(参考)】