ジブ張出格納装置
【課題】格納位置にあるジブのブーム側方への突出量を小さくすることができ、かつ、構成が簡易なジブ張出格納装置を提供する。
【解決手段】ジブ張出格納装置は、ブーム5に設けられたブーム側ガイド部材30と、ジブ8に設けられたジブ側ガイド部材40と、ジブ中間支持機構10に設けられた油圧シリンダ15と、を備えている。そして、格納位置にあるジブ8が、油圧シリンダ15からの付勢力により、第1回動軸A1まわりに回動しているときに、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接してブーム側ガイド部材30からの付勢力によりジブ8が第2回動軸A2まわりに回動し、下抱き位置まで移動する。
【解決手段】ジブ張出格納装置は、ブーム5に設けられたブーム側ガイド部材30と、ジブ8に設けられたジブ側ガイド部材40と、ジブ中間支持機構10に設けられた油圧シリンダ15と、を備えている。そして、格納位置にあるジブ8が、油圧シリンダ15からの付勢力により、第1回動軸A1まわりに回動しているときに、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接してブーム側ガイド部材30からの付勢力によりジブ8が第2回動軸A2まわりに回動し、下抱き位置まで移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール式クレーン等の移動式クレーンにおいて、不使用時にはジブをブームに格納することができ、使用時に当該ジブをブーム先端に張り出すことができるジブ張出格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジブ格納装置が設けられたホイール式クレーンとして、特許文献1〜3に記載のものが知られている。これらのホイール式クレーンは、伸縮自在なブームの先端部両側面にジブ支持軸が突設されている。そして、ジブの基端部の両側に、前記ジブ支持軸に対して着脱可能に連結される連結部が設けられている。ジブを使わない場合には、ジブ両側の前記連結部(以下、両側連結部と記載する)がブーム先端側を向いて上下に位置する竪置き姿勢でブーム側面に格納することができる。一方、ジブを使用する場合は、この格納位置から、ブーム下面側において前記両側連結部が前記ブーム両側の前記ジブ支持軸(以下、両側ジブ支持軸と記載する)に臨む横置き姿勢で、かつ、ジブ先端側がブーム起伏シリンダを避けるように平面視でブーム軸心に対して傾斜する下抱き位置に移動させる工程を経て前記両側連結部を前記両側ジブ支持軸に連結し、この連結点を支点としてブーム先端部前方に張り出すことができる。尚、これと逆の手順によって張り出した状態のジブを格納することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のジブ格納装置を用いる場合、以下のような課題がある。
即ち、下抱き位置にあるジブは、平面視で、基端側がブーム直下方向に位置して前記両側連結部が両側ジブ支持軸に対向し、先端側がブーム下面よりも側方にはみ出した状態となる。そのため、ジブを格納位置から下抱き位置まで水平軸まわりに一気に回動させようとすると、このような下抱き位置におけるジブの姿勢に対応して、格納位置においてもジブをブーム軸心に対して平面視で大きく傾斜させなければならない。結果として、ジブ先端側のブーム側方への突出量が大きくなるため、車幅が増加し、あるいはこれを防止するためにジブの長さを短くしなければならない。
【0004】
一方、特許文献3に記載のジブ張出格納装置は、ブームに対して、側面視においてブーム軸心と平行となる第1回動軸、及びブーム水平状態でほぼ鉛直となる第2回動軸のまわりにそれぞれ回動可能に設けられたジブ支持機構を備え、かつ、前記ジブ支持機構とジブの中間部とを着脱可能に連結する連結手段と、前記ジブ支持機構を前記第1回動軸まわりに回動させてジブを前記格納位置と横置き姿勢でブーム下面側に位置する下方位置との間で移動させるジブ昇降手段と、前記ジブ支持機構を前記下方位置で前記第2回動軸まわりに回動させてジブを前記下方位置と前記下抱き位置との間で移動させるジブ回動手段とを備えている。
この構成によると、ジブを横抱き格納位置から一気に前記下抱き位置に移動させるのではなく、第1回動軸を中心として、一旦、前記下方位置まで移動させた後、第2回動軸まわりに回動させて前記下抱き位置にセットすることができる。そのため、横抱き格納位置でのジブの傾斜角度を小さくすることができ、特許文献1及び特許文献2の上記課題を解決することができる。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−2693号公報
【特許文献2】実開平2−127693号公報
【特許文献3】特開平7−149496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載されたジブ張出格納装置は、前記ジブ支持機構を前記第1回動軸まわりに回動させるジブ昇降手段と、前記ジブ支持機構を前記第2回動軸まわりに回動させるジブ回動手段と、の両方の構成が必要である。そして、ジブを張出/格納する際には、ジブ昇降手段とジブ回動手段との両方を制御する必要があるため、制御構成が複雑になる。結果として、ジブ張出格納装置の構成が複雑になり、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、格納位置にあるジブのブーム側方への突出量を小さくすることができ、かつ、構成が簡易なジブ張出格納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ホイール式クレーン等の移動式クレーンにおいて、不使用時にはジブをブームに格納することができ、使用時に当該ジブをブーム先端に張り出すことができるジブ張出格納装置に関する。
そして、本発明に係るジブ張出格納装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明のジブ張出格納装置は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るジブ張出格納装置における第1の特徴は、先端部両側面にジブ基端支持部が設けられたブームと、前記ジブ基端支持部に対して着脱可能に連結される連結部が基端部両側に設けられたジブと、を備え、前記ジブの基端部を前記ブームの先端側に向けた竪置き姿勢で前記ジブを前記ブームの側方の格納位置に保持可能であり、当該格納位置から、前記ブームの下方において、前記連結部が前記ジブ基端支持部に臨む横置き姿勢となる下抱き位置に前記ジブを移動させる工程を経て前記連結部を前記ジブ基端支持部に連結し、この連結点を支点として前記ジブを前記ブームの先端部前方に張り出すことが可能であり、これと逆の手順によって前記ジブを前記格納位置に移動可能な移動式クレーンに設けられるジブ張出格納装置であって、前記ブームに設けられ、前記ジブの中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、連結された前記ジブを、側面視において前記ブームの長手方向に延びる第1回動軸、及び側面視において前記第1回動軸に対して傾いた第2回動軸のまわりに回動できるように支持するジブ中間支持機構と、前記ブームに設けられたブーム側ガイド部材と、前記ジブに設けられたジブ側ガイド部材と、前記ジブ中間支持機構に設けられた油圧シリンダと、を備え、前記格納位置にある前記ジブが、前記油圧シリンダからの付勢力により、前記第1回動軸まわりに回動しているときに、前記ジブ側ガイド部材が前記ブーム側ガイド部材に当接して当該ブーム側ガイド部材からの付勢力により前記ジブが前記第2回動軸まわりに回動し、前記下抱き位置まで移動することである。
【0010】
ここで、竪置き姿勢とは、ジブ両側の前記連結部が略鉛直面内に並んだ状態で、ブームに沿って配置されるジブの姿勢をいう。また、横置き姿勢とは、ジブ両側の前記連結部が略水平面内に並んだ状態で、ブームに沿って配置されるジブの姿勢をいう。
【0011】
この構成によると、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材とが設けられていることで、一の油圧シリンダの作動により、ブームの側面に格納されたジブを、ブームの長手方向に延びる第1回動軸及びこれと非平行な第2回動軸まわりにも回動して下抱き位置まで移動させることができる。
これにより、一の回動軸まわりにのみにジブを回動させて格納位置から下抱き位置に移動させる構成に比べ、格納位置でのジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる。更に、このようにジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ、ブーム側ガイド部材、及びジブ側ガイド部材を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【0012】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第2の特徴は、前記ジブ側ガイド部材は、前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、を備えることである。
【0013】
この構成によると、ジブが格納位置にあるとき、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材の第1当接部とが当接しており、ジブを格納位置に確実に位置決めすることができる。
更に、ジブが下抱き位置にあるとき、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材の第2当接部とが当接しており、ジブを下抱き位置に確実に位置決めすることができる。
【0014】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第3の特徴は、前記ジブ側ガイド部材は、前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、前記第1当接部と前記第2当接部との間に設けられ、前記ジブが前記格納位置と前記下抱き位置との間を移動するときに前記ブーム側ガイド部材と当接する第3当接部と、を備えることである。
【0015】
この構成によると、第3当接部の形状に基づいて、格納位置と下抱き位置との間を移動するときのジブの軌道が定まる。従って、第3当接部の形状を調整することで、当該ジブの軌道が所望の軌道となるように調整することができる。
【0016】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第4の特徴は、前記ジブ中間支持機構は、前記ブームに固定されたブーム側ブラケットと、当該ブーム側ブラケットに対して前記第2回動軸のまわりに回動可能に連結された中間フレームと、当該中間フレームに対して前記第1回動軸のまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレームと、前記ジブに固定され、前記ジブ支持フレームに連結可能なジブ側ブラケットと、を有し、前記ジブ支持フレームが前記第1回動軸まわりに前記下抱き位置まで回動した状態で、当該ジブ支持フレームが前記中間フレームとともに前記第2回動軸まわりに回動することを規制する回動規制部を備えることである。
【0017】
この構成によると、ジブ格納工程において、ジブを下抱き位置に配置するため、ジブ側ブラケットとジブ支持フレームとを連結する際に、ジブ支持フレームの第2回動軸まわりの回動が回動規制部により規制される。これにより、当該連結時のジブ支持フレームの位置あわせが容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、格納位置でのジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ、ブーム側ガイド部材、及びジブ側ガイド部材を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るジブ張出格納装置を備えるホイール式クレーン100の側面模式図である。また、図2及び図3は、それぞれ、図1に示すホイール式クレーン100のブーム5近傍部の側面模式図及び平面模式図である。
図4、図7、及び図8は、それぞれ、図2におけるX1−X1、X2−X2、及びX3−X3断面矢視模式図である。また、図5は、図4におけるジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14との連結部のY1方向矢視模式図であり、図6は、図5におけるY2−Y2断面矢視模式図である。
尚、図1〜図8においては、ジブ8がブーム5の側面の格納位置にある状態を示す。また、図2〜図8においては、ブーム5の先端側が基端側よりも高い位置となるようにブーム5を起こした状態を示している。
【0021】
図1に示すように、ホイール式クレーン100(移動式クレーン)は、タイヤ走行式の下部走行体2を備えており、この下部走行体2の上に、旋回ベアリング3を介して旋回される上部旋回体が設けられている。この上部旋回体には、ブーム5を挟むように一対の板状フレーム4が立設されている。この板状フレーム4の後方上部には、ブーム5の起伏支点となるブームフットピン4aが貫通するブーム支持穴が形成され、ブームフットピン4aが当該ブーム支持穴とブーム5の基端部とに挿通されることにより、ブーム5が回動自在に支持される。ブーム5は、箱型の多段伸縮ブームとして構成され、下面側に設けられたブーム起伏シリンダ7により、前下がり状態から所定の起伏角度まで起伏できるように構成されている。また、上部旋回体におけるブーム5の右側に運転室6が設けられ、この運転室6の後方位置にはポンプ装置、エンジン等(図示せず)が設けられている。
【0022】
図2及び図3に示すように、ブーム5の先端部両側面にはジブ支持軸5a,5a(ジブ基端支持部)が突設されている。また、ブーム5の側面には、ジブ8の中間部におけるジブ8の重心よりも基端側の部分を支持するジブ中間支持機構10、及びジブ8の先端部を支持する先端側固定機構50が設けられている。
【0023】
図4(後述する図11、図14、図15参照)に示すように、ジブ中間支持機構10は、ブーム5に固定されたブーム側ブラケット11と、当該ブーム側ブラケット11に取り付けられた中間フレーム12と、当該中間フレーム12に取り付けられたジブ支持フレーム13と、ジブ8に固定されたジブ側ブラケット14とを備えている。
【0024】
ブーム側ブラケット11には、上下両側にブーム5の軸心に対してほぼ垂直となる支軸11a,11aが設けられている。尚、当該支軸11a,11aの中心軸A2(第2回動軸)は、ブーム5が水平状態のときに鉛直となる軸である。従って、図2に示すように、ブーム5が前上がりの状態で保持されている場合は、当該中心軸A2は、ブーム5の水平状態からの起伏角度に相当する角度θだけ鉛直方向Nに対して傾くことになる。尚、ジブ8を張り出す工程においては、当該角度θを、約1〜5°とすることが望ましい。
【0025】
中間フレーム12は、上下両側でこの支軸11a,11aまわりに回動可能に支持される。
また、ジブ支持フレーム13は、中間フレーム12に対して、支軸13aまわりに回動可能に取り付けられている。尚、この支軸13aは、中心軸A1(第1回動軸)が、側面視においてブーム5の軸心と平行になるように配置される(図2参照)。
中間フレーム12とジブ支持フレーム13との間には油圧シリンダ15が設けられている。この油圧シリンダ15の作動により、ジブ支持フレーム13は、中間フレーム12に対して支軸13aまわりに回動される。
【0026】
ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14との連結状態について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6に示すように、ジブ支持フレーム13(図5において斜線を施して示す部分)は、ジブ側ブラケット14に係合し、ジブ8側に設けられた自動連結ピン16と、手動で着脱される格納固定ピン17とによって、当該ジブ側ブラケット14に連結される。
【0027】
自動連結ピン16は、ジブ8側に固定されたピンガイドプレート18,19によってジブ8の長さ方向にスライド自在に支持され、バネ26の押圧力により、先端部16aがジブ8の基端側からジブ支持フレーム13のピン穴13bに嵌まり込んでジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とを連結する。尚、自動連結ピン16の先端部16aは、図6に示すように、ジブ8を張出し状態から格納する際、ピン穴13bに自動的に嵌まり込むように先尖りに形成されている。
【0028】
格納固定ピン17は、第1軸部17aと、これよりも長い第2軸部17bがプレート17c及び取っ手17dで一体に連結されたヘアピン状に形成されている。
この格納固定ピン17の第1軸部17aは、自動連結ピン16による連結点に対してジブ先端側にずれた位置でジブ支持フレーム13の突出端部13cとジブ側ブラケット14の突出端部14aとに跨って挿通される。これによりジブ8が、中間部における長さ方向の2点でジブ支持フレーム13に支持される。
【0029】
このように、ジブ8が自動連結ピン16と格納固定ピン17とによって長さ方向の2ヶ所で支持されるため、自動連結ピン16のみによって1点で支持する場合のように、ジブ8が中間支持点を中心として上下に揺れ動くおそれがなく、格納位置から下抱き位置への回動操作を容易に行うことができる。
【0030】
一方、第2軸部17bは、ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とに跨って挿入され、ジブ側ブラケット14を貫通した端部に抜け止めピン21が差し込まれている。
この抜け止めピン21により、格納固定ピン17が抜け止めされ、ひいては自動連結ピン16がジブ支持フレーム13から外れることが阻止される。逆にいうと、ジブ8(ジブ側ブラケット14)は、抜け止めピン21が取り外された状態でのみブーム5の先端側に移動可能となる。
尚、ブーム5の先端側へのジブ8の移動時に、ジブ側ブラケット14とジブ支持フレーム13とが干渉しないように、ジブ側ブラケット14はブーム5の基端側には開放した形状になっている。
【0031】
また、図4(後述する図11、図14、図15参照)に示すように、ジブ側ブラケット14及び中間フレーム12には、それぞれフランジ14b及びフランジ12aが設けられている。ジブ格納状態においては、このフランジ同士が格納ロックピン24によって連結される。
【0032】
また、図7に示すように、先端側固定機構50は、ブーム5の側面に突設された架台51と、この架台51の先端下面に取り付けられたブーム側支持ブラケット52と、ジブ8に突設されたジブ側支持ブラケット53と、この両ブラケット52,53同士を連結する先端固定ピン54と、この先端固定ピン54に差し込まれるジブ先端固定用抜け止めピン55とによって構成される。
【0033】
図2及び図3に示すように、ジブ8は、ジブ支持軸5a,5aに対してそれぞれ着脱可能に連結される連結部8a,8aが基端部両側に設けられており、上述したジブ中間支持機構10及び先端側固定機構50により、基端部がブーム5の先端側を向くとともに両側の連結部8a,8aが略鉛直上下に位置する竪置き姿勢でブーム5の側面に格納される。
【0034】
また、図2、図3、及び図8に示すように、ブーム5には、ブーム側ガイド部材30が設けられている。
図8に示すように、ブーム側ガイド部材30は、内部中空の棒状部材(パイプ状部材)により構成され、ブーム5が水平状態にある場合において、ブーム5の側面から略水平に延びる第1棒状部31と、当該第1棒状部31から屈曲して略鉛直下方に延びる第2棒状部32と、当該第2棒状部32からブーム5に近づくように屈曲して斜め下方に延びる第3棒状部33と、ブーム5の下部から略水平に延びて前記第2棒状部32の長手方向における略中央部を支持する第4棒状部34と、を有している。
【0035】
第1棒状部31は、ブーム5の側面における上下方向略中央部から当該ブーム5の側面に対して略垂直に延びている。また、第2棒状部32は、当該第1棒状部31の高さからブーム5の下端よりも低い位置(図2におけるブーム起伏シリンダ7の上端部の高さ)まで延びている。また、第3棒状部33は、図2に示すように、ブーム起伏シリンダ7の側方を覆うように第2棒状部32から屈曲して延びている。
【0036】
また、図2、図3、及び図8に示すように、ジブ8には、ジブ側ガイド部材40が設けられている。
図8に示すように、ジブ側ガイド部材40は、箱型に形成されたジブ8本体の長手方向垂直断面における角部近傍に設けられている。当該角部は、格納位置から下抱き位置への移動時に前記ブーム側ガイド部材30に臨む角部である。そして、ジブ側ガイド部材40は、ジブ8の下面81(格納された状態でブーム5の側面に対向する面)に設けられた第1ガイド部41と、ジブ8の側面82(格納された状態で下方を向く面)に設けられた第2ガイド部42と、を備えている。
【0037】
第1ガイド部41は、略コの字状に屈曲するパイプ状部材であり、ジブ8の下面に対して垂直に延びる一対の垂直軸部41a,41aと、当該垂直軸部41a,41aの端部を連結してジブ8の軸心と略平行に延びる平行軸部41b(第1当接部)とを有する(図14、図15参照)。当該一対の垂直軸部41a,41aと平行軸部41bとはジブ8の側面82と略平行な面内に配置される。
【0038】
そして、平行軸部41bが、ブーム側ガイド部材30における第2棒状部32に当接した状態において、ジブ8が竪置き姿勢となるように、平行軸部41bの形状及び位置が調整されている。尚、本実施形態においては、連結部8a,8aが略鉛直上下に位置し、側面視においてジブ8の軸心とブーム5の軸心とが略平行になる竪置き姿勢でジブ8がブーム5の側面に格納されている。
【0039】
また、第2ガイド部42は、略コの字状に屈曲するパイプ状部材であり、ジブ8の側面に対して垂直に延びる一対の垂直軸部42a,42bと、ジブ8の軸心に対して傾いて延び当該垂直軸部42a,42bの端部を連結する傾斜軸部42c(第2当接部)とを有する(図15参照)。当該傾斜軸部42cは、ジブ8の先端側に向かうほど、ジブ8の側面から離れるように傾斜している。即ち、一対の垂直軸部42a,42bのうち、ジブ8の先端側に位置する垂直軸部42aは、ジブ8の基端側に位置する垂直軸部42bよりも長くなるように形成される。当該一対の垂直軸部42a,42bと傾斜軸部42cとはジブ8の下面81と略平行な面内に配置される。
【0040】
ジブ8は、図1〜図8に示す格納位置から、次の手順によって、図9〜図11に示す下抱き位置を経て、ブーム5の前方に張り出される。尚、図9〜図11は、それぞれ、図2〜図4に対応する図である。
【0041】
(1)ホイール式クレーン100は、走行時には、図1に示すように、ブーム5の先端を斜め下方に下げた走行姿勢とされている。ジブ8を張り出す際は、まず、アウトリガを最大に張り出し、車体を水平にし、その後、図2に示すように、ブーム5の先端側が基端側よりも上がった状態になるように、ブーム起伏シリンダ7を伸長して所定の起伏角度までブーム5を起こす。
【0042】
(2)先端側固定機構50の先端固定ピン54を外しジブ8の先端側の固定を解き(図7参照)、ジブ中間支持機構10の格納ロックピン24を外す(図4参照)。
この状態では、ジブ8は自動連結ピン16と格納固定ピン17とによってブーム5に支持される(図5参照)。
【0043】
(3)図2において二点鎖線で示すように、ブーム5を少し(1m程度)伸長させてジブ支持軸5aを連結部8aよりも前方に移動させる。その後、ジブ中間支持機構10の油圧シリンダ15を伸長させることにより、ジブ支持フレーム13及びこれに連結したジブ8が支軸13aまわりに回動する(図4における矢印R1方向に回動する)。
【0044】
このジブ8の回動動作について図12及び図13に基づいて説明する。
図12及び図13は、それぞれ、格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す斜視模式図、及び図8に対応する断面模式図である。尚、図12(a)〜(d)は、図13(a)〜(d)にそれぞれ対応する図である。また、図12及び図13において(a)はジブ8が格納位置にある状態を示し、(b)及び(c)は、下抱き位置への移行途中の状態を示し、(d)はジブ8が下抱き位置にある状態を示す。
また、図14及び図15は、それぞれ、図12(a)及び図12(d)における、ジブ中間支持機構10及びガイド部材30,40近傍部(図中、二点鎖線で囲む部分)の拡大模式図である。
【0045】
ここで、上述したように、ジブ8の重心は、ジブ中間支持機構10よりもジブ8の先端側に位置している。
また、図2に示すように、支軸11a,11aの中心軸A2は鉛直軸に対して、格納された状態のジブ8の軸心先端側が軸心基端側よりも低い位置となるように傾いている。
更に、図3に示すように、平面視において、支軸13aの中心軸A1は、ブーム5の先端側に向かうほどブーム5の側面に近づくように、ブーム5の軸心に対して傾いている。
したがって、ジブ8には、自重により、重心の位置を鉛直方向において最も低い位置に移動させる方向への回動力が作用する結果、平面視において、支軸13aの中心軸A1が、ブーム5の軸心と平行になるように(即ち、ジブ8の軸心がブーム5の軸心と平行になるように)、中心軸A2まわりの回動力(図3、図12における矢印S1方向への回動力)が作用する。つまり、ジブ8には、自重により、当該ジブ8の先端がブーム5の側面に近づくように、中心軸A2まわりの回動力が作用することになる。
そして、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接することで、当該回動力によるジブ8の中心軸A2まわりの回動が規制されている。
【0046】
油圧シリンダ15が伸長されることにより、ジブ8が中心軸A1まわり(図4、図13における矢印R1方向)に回動すると、ジブ8はブーム側ガイド部材30から付勢されて、前記自重による回動力に抗して中心軸A2まわりに回動する力(図3、図12における矢印S2方向に回動する力)を受ける。即ち、ジブ8は、中心軸A1まわりに回動するとともに、連結部8aがブーム5の下側に回りこむように中心軸A2まわりに回動する。
【0047】
ジブ8の回動時における、ブーム側ガイド部材30とジブ側ガイド部材40との当接状態を更に詳しく説明する。
図12(a)及び図13(a)、に示すように、格納状態においては、ジブ側ガイド部材40の第1ガイド部41の平行軸部41bがブーム側ガイド部材30の第2棒状部32に当接している。尚、この状態においては、ジブ側ガイド部材40の第1ガイド部41の垂直軸部41a,41aは、第2棒状部32と略垂直に配置され、平行軸部41bは、ブーム5の軸心と略平行に配置される。
【0048】
油圧シリンダ15が伸長するにつれ、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並ぶようにジブ8が回動していく。このとき、図12(b)及び図13(b)に示すように、ジブ側の第1ガイド部41とブーム側の第2棒状部32との当接点は徐々に下方にずれていくとともに、垂直軸部41a,41aは、第2棒状部32に対して平行な状態に近づくように徐々に傾斜していく。
【0049】
続いて、第1ガイド部41の平行軸部41bと第2ガイド部42の傾斜軸部42cとの双方が当該ブーム側ガイド部材30に対して当接する状態(図示せず)を経て、図12(c)及び図13(c)に示すように、第2ガイド部42の傾斜軸部42cのみが第2棒状部32に当接する状態に移行する。
【0050】
その後、図12(d)及び図13(d)に示すように、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並ぶまでジブ8が回動する。尚、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並んだ状態において、第2ガイド部42の垂直軸部42a,42bは、第2棒状部32と略垂直に配置され、傾斜軸部42cは、ブーム5の軸心と略平行に配置される。
【0051】
尚、本実施形態においては、上述のように、ジブ8が油圧シリンダ15により格納位置から下抱き位置に移動される間、ジブ側ガイド部材40における第1ガイド部41及び第2ガイド部42の少なくともいずれか一方がブーム側ガイド部材30に当接しているので、回動時におけるジブ8の動作を安定させることが可能である。
【0052】
また、当該ジブ8の先端部が板状フレーム4やブーム起伏シリンダ7等のクレーン構成部材に干渉せず、かつ、当該クレーン構成部材に近接する位置を通過するように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。本実施形態においては、平面視において、ジブ8の先端部が、ホイール式クレーン100の上部旋回体の幅(図12においてWで示す幅)を超えて移動しないように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。
【0053】
(4)ジブ8を下抱き位置(図12(d)の状態)に移動させた後、図9及び図10に示すように、ブーム5を全縮させて、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aを、ジブ8基端の連結部8a,8aにそれぞれ係合させる。そして、ジブ保持ピン25によってこれらを分離不能に連結する。
【0054】
尚、本実施形態においては、油圧シリンダ15を全伸長させると、ジブ8基端の連結部8a,8aが、それぞれ、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aに臨む位置に配置されるように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。そのため、図12(d)に示す状態で、ブーム5を収縮させることで、別途位置あわせを行うことなく、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aを、ジブ8基端の連結部8a,8aにそれぞれ係合させることができる。
【0055】
(5)ジブ8の基端部をブーム5の先端部に連結した後、ジブ中間支持機構10において、抜け止めピン21を外して格納固定ピン17を抜き取り(図5参照)、共用の抜け止めピン21を左側ジブ保持ピン25に差し込んで、当該左側ジブ保持ピン25の抜け止めをする。この状態では、ジブ8は、自動連結ピン16のみによってジブ支持フレーム13に連結されている。
【0056】
(6)次に、図16に示すようにブーム5を起こし、ブーム5を少し伸長させる。尚、ブーム5を伸長する際、ジブ8は、補巻ロープ61、補フック62、補助ロープ63(図17参照)で支持されている。これにより、ジブ8をブーム先端方向に移動させ、自動連結ピン16をジブ支持フレーム13から離脱させる。
【0057】
(7)そして、図17に示すように、補巻ロープ61を徐々に巻下げてジブ8を垂下させ、補助ロープ63を取り外す。
【0058】
(8)その後、図18に示すように、補フック62をジブ先端に係止させた状態で、ブーム5を水平に向けて倒しながら、ジブ8の先端が略水平に移動するように補巻ロープ61を巻き上げて、当該ジブ8をジブ支持軸5a,5aまわりに回動させる。このようにして、ジブ8をブーム5の前方に張り出した後、ブームヘッド5bとジブ8との間にサスペンションロッド64を掛け渡してジブ8の張り出しが完了する。
【0059】
次に、ジブ8の格納手順について説明する。
ジブ8の格納は、基本的に上記ジブ8の張り出し手順と逆の手順で行うことができる。
要点のみを説明すると、以下の通りである。
【0060】
(1)ジブ8を、図17に示すように垂下させ、補巻ロープ61、補フック62、補助ロープ63で支持した後、図16に示すようにブーム5の下面側に引き寄せ、ジブ支持フレーム13をジブ側ブラケット14に係合させると同時に自動連結ピン16をピン穴13bに自動的に挿入させる(図5、図6参照)。
【0061】
図19は、図11におけるZ1−Z1断面矢視模式図である。尚、図19においては、ブーム5の断面は省略し、ブーム5の側面の位置を二点鎖線で示している。
図19および図15に示すように、ブーム側ブラケット11には、中間フレーム12及びジブ支持フレーム13がブーム側ブラケット11に対して支軸11aまわりに回動することを規制する回動規制部70が設けられている。
当該回動規制部70は、ブーム側ブラケット11の側面に一端側を固定され他端側をブーム側ブラケット11よりもブーム5の側方に延出させた梁部材71と、当該梁部材71の先端部に設けられジブ支持フレーム13に対向する側に突出するように固定された軸部72と、当該軸部72の先端に螺合されたナット73とを有する。ジブ支持フレーム13の側面には、ナット73と対向する位置に、突起13dが設けられている。
【0062】
中間フレーム12及びジブ支持フレーム13は、油圧シリンダ15が全伸長した状態において、ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73の端面に当接する位置で、支軸11aまわり(図19における矢印S1方向)の回動を規制される。
そして、ジブ支持フレーム13の突起13dが当該ナット73の端面に当接しているときの当該ジブ支持フレーム13の位置が、ジブ8が下抱き位置にあるときのジブ支持フレーム13の位置(図9、図10参照)と同じ位置になるように、ナット73のねじ込み量が調整されている。
【0063】
図17に示すように、ジブ側ブラケット14がジブ支持フレーム13に連結される前の状態であって、ブーム5が前上がりに傾斜している場合は、自重により中間フレーム12及びジブ支持フレーム13が中心軸A2まわり(図19において矢印S1方向)に回動力を受け、ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73に当接する。これにより、当該ジブ支持フレーム13の位置を、ジブ側ブラケット14と連結可能な所定の位置に配置することができる。
結果として、ジブ8を格納する工程においてジブ8をブーム5の下面に引き寄せる際に、ジブ側ブラケット14がジブ支持フレーム13の係合位置に確実に案内される。これにより、ジブ8を下抱き位置で仮固定(自動連結ピン16により固定)することが容易になる。
【0064】
(2)ジブ8を下抱き位置で仮固定した後、図9に示す状態(水平面に対してブーム5の先端を約1〜5°上げた状態)までブーム5を倒し、両側のジブ保持ピン25を抜き、ジブ8の連結部8a,8aとブーム5のジブ支持軸5a,5aとの固定を解く。また、格納固定ピン17をセットし、一方のジブ保持ピン25から取り外した共用の抜け止めピン21を格納固定ピン17に移し変える。
【0065】
(3)この状態でブーム5を伸長させて連結部8a,8aとジブ支持軸5a,5aとを分離する。
【0066】
(4)油圧シリンダ15を収縮させてジブ8を下抱き位置から格納位置まで移動させる。
この場合においても、ジブ8を張り出すときと同じように、ジブ8には、自重により当該ジブ8の先端がブーム5の側面に近づくように、中心軸A2まわりの回動力(図10、図12における矢印S1方向の回動力)が作用しているので、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接した状態が維持される。即ち、油圧シリンダ15を収縮させることにより、ジブ8は、図12及び図13における(d),(c),(b),(a)の順序で下抱き位置から格納位置まで移動する。
【0067】
(5)ジブ8を格納位置まで移動させた後、ジブ中間支持機構10に格納ロックピン24を挿入した後、先端側固定機構50に先端固定ピン54を挿入する。これにより、ジブ8を当該格納位置に固定することができる。
【0068】
以上説明したように、ホイール式クレーン100は、先端部両側面にジブ支持軸5a,5aが突設されたブーム5と、ジブ支持軸5a,5aに対して着脱可能に連結される連結部8a,8aが基端部両側に設けられたジブ8と、ブーム5の下面側に設けられたブーム起伏シリンダ7とを備えている。当該ホイール式クレーン100は、ジブ8の基端部がブーム5の先端側を向くとともに両側の連結部8a,8aが上下に位置する竪置き姿勢でジブ8をブーム5の側面の格納位置に保持可能である。そして、当該格納位置から、ブーム5の下面側においてジブ8の両側の連結部8a,8aがブーム5の両側のジブ支持軸5a,5aにそれぞれ臨む横置き姿勢で、ジブ8の先端側がブーム起伏シリンダ7を避けるように平面視でブーム5の軸心に対してジブ8の軸心が傾斜する下抱き位置にジブ8を移動させる工程を経て連結部8a,8aをジブ支持軸5a,5aに連結し、この連結点を支点としてジブ8をブーム5の先端部前方に張り出すことが可能である。また、これと逆の手順によってジブ8を格納可能である。
【0069】
第1実施形態に係るジブ張出格納装置は、ブーム5に設けられ、ジブ8の中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、側面視においてブーム5の軸心と略平行に延びる支軸13aの中心軸A1、及びブーム5が水平状態のときに略鉛直に延びる支軸11aの中心軸A2のまわりにそれぞれ回動可能となるように、連結されたジブ8を支持するジブ中間支持機構10を備えている。尚、本実施形態においては、側面視において中心軸A2は、中心軸A1と直交する。
また、ブーム5に設けられたブーム側ガイド部材30と、ジブ8に設けられたジブ側ガイド部材40と、ジブ中間支持機構10に設けられた油圧シリンダ15と、を更に備えている。
そして、格納位置にあるジブ8が、油圧シリンダ15からの付勢力により、中心軸A1まわりに回動しているときに、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接してブーム側ガイド部材30からの付勢力によりジブ8が中心軸A2まわりに回動し、下抱き位置まで移動する。
【0070】
この構成によると、ブーム側ガイド部材30とジブ側ガイド部材40とが設けられていることで、一の油圧シリンダ15の作動により、ブーム5の側面に格納されたジブ8を、中心軸A1まわりに回動するとともに、中心軸A2まわりにも回動して下抱き位置まで移動させることができる。
これにより、一の回動軸まわりにのみにジブ8を回動させて格納位置から下抱き位置に移動させる構成に比べ、格納位置でのジブ8のブーム5側方への突出量を小さくすることができる。更に、このようにジブ8のブーム5側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ15、ブーム側ガイド部材30、及びジブ側ガイド部材40を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【0071】
また、第1実施形態に係るジブ張出格納装置において、第1ガイド部41の平行軸部41bは、ジブ8が格納位置にあるときに、ブーム側ガイド部材30に当接するとともにブーム5の軸心と平行に配置される。また、第2ガイド部42の傾斜軸部42cは、ジブ8が下抱き位置にあるときに、ブーム側ガイド部材30に当接するとともにブーム5の軸心と平行に配置される。
【0072】
この構成によると、ジブ8が格納位置にあるとき、ブーム側ガイド部材30と第1ガイド部41の平行軸部41bとが当接しており、ジブ8を格納位置に確実に位置決めすることができる。
【0073】
更に、ジブ8が下抱き位置にあるとき、ブーム側ガイド部材30と第2ガイド部42の傾斜軸部42cとが当接しており、ジブ8を下抱き位置に確実に位置決めすることができる。
【0074】
また、第1実施形態に係るジブ張出格納装置において、ジブ中間支持機構10は、ブーム5に固定されたブーム側ブラケット11と、ブーム側ブラケット11に対して支軸11aのまわりに回動可能に連結された中間フレーム12と、中間フレーム12に対して支軸13aのまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレーム13と、ジブ8に固定され、ジブ支持フレーム13に連結可能なジブ側ブラケット14と、を有している。そして、当該ジブ張出格納装置は、ジブ8を格納する工程において、ジブ側ブラケット14をジブ支持フレーム13に連結させる際に、ジブ支持フレーム13に当接することで中間フレーム12の支軸11aまわりの回動を規制する回動規制部70を備える。
【0075】
この構成によると、中間フレーム12及びジブ支持フレーム13の支軸11aまわりの回動が、当該ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73の端面に当接する位置で規制される。そのため、ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とを連結する際の当該ジブ支持フレーム13の位置決めが容易になる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るジブ張出格納装置について説明する。
図20は、第2実施形態に係るジブ張出格納装置のジブ中間支持機構10及びガイド部材30,40’近傍部の拡大斜視模式図である。また、図21は、格納位置から下抱き位置までに移行するときのジブ8の動きを示す断面模式図である。
第2実施形態に係るジブ張出格納装置は、第1ガイド部41の平行軸部41bと第2ガイド部42の傾斜軸部42cとの間にガイドプレート43(第3当接部)を備える点で、第1実施形態と異なる。その他の部分は同様であるため、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0077】
図20に示すように、ガイドプレート43は、平行軸部41bと傾斜軸部42cとの間に配置され、ジブ8から離れる方向(ブーム5に向かう方向)に凸となるように湾曲する金属プレートである。
【0078】
図21(a)に示すように、格納位置においては、第1実施形態と同様に第1ガイド部41がブーム側ガイド部材30に当接している。この状態から油圧シリンダ15が伸長すると、図21(b),(c)に示すように、ガイドプレート43をブーム側ガイド部材30に当接させながら、ジブ8が中心軸A1まわり(図21(a)における矢印R1方向)に回動する。そして、図21(d)に示すように、ジブ8は、下抱き位置まで回動し、第2ガイド部42がブーム側ガイド部材30に当接する。このように、ジブ8が格納位置と下抱き位置との間を移動する間、ガイドプレート43が、ブーム側ガイド部材30と連続的に当接している。
【0079】
従って、ガイドプレート43の形状を調整することで、ジブ8を格納位置から下抱き位置に移動させる途中の当該ジブとブームとの離間距離を連続的に調整できる。即ち、格納位置におけるジブ8とブーム5との離間距離は、第1ガイド部41の形状により決定され、下抱き位置における当該離間距離は、第2ガイド部42の形状により決定されるところ、第2実施形態に係るジブ張出格納装置においては、ガイドプレート43の形状を適宜調整することで、格納位置から下抱き位置に移行する途中の当該離間距離を所望の離間距離とすることができる。これにより、上部旋回体に搭載される部材やフレームの形状等に合わせてガイドプレート43の形状を調整することで、ジブ8を格納位置から下抱き位置に移動させる際に、ジブ8の先端がクレーンを構成する部材に干渉せず、且つ、当該先端の軌跡が、よりブーム5側面に近づくような構成とすることが容易になる。
【0080】
尚、第1ガイド部41と第2ガイド部42との間にガイドプレート43が設けられているので、第1ガイド部41と第2ガイド部42とガイドプレート43とを有して構成されるジブ側ガイド部材40’の強度増加を図ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態に係るジブ張出格納装置を備えるホイール式クレーンの側面模式図。
【図2】図1に示すホイール式クレーンのブーム近傍部の側面模式図。
【図3】図2に示すブーム近傍部の平面模式図。
【図4】図2におけるX1−X1断面矢視模式図。
【図5】図4における連結部のY1方向矢視模式図。
【図6】図5におけるY2−Y2断面矢視模式図。
【図7】図2におけるX2−X2断面矢視模式図。
【図8】図2におけるX3−X3断面矢視模式図。
【図9】ジブが下抱き位置にあるときのブーム近傍部の側面模式図。
【図10】図9に示すブーム近傍部の平面模式図。
【図11】図9におけるX1’−X1’断面矢視模式図。
【図12】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す斜視模式図。
【図13】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す断面模式図。
【図14】図12(a)におけるジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図15】図12(d)におけるジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図16】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図17】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図18】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図19】図11におけるZ1−Z1断面矢視模式図。
【図20】第2実施形態に係るジブ張出格納装置のジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図21】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す断面模式図。
【符号の説明】
【0083】
5 ブーム
5a ジブ支持軸(ジブ基端支持部)
8 ジブ
8a 連結部
10 ジブ中間支持機構
A1 中心軸(第1回動軸)
A2 中心軸(第2回動軸)
15 油圧シリンダ
30 ブーム側ガイド部材
40、40’ ジブ側ガイド部材
41b 平行軸部(第1当接部)
42c 傾斜軸部(第2当接部)
43 ガイドプレート(第3当接部)
70 回動規制部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール式クレーン等の移動式クレーンにおいて、不使用時にはジブをブームに格納することができ、使用時に当該ジブをブーム先端に張り出すことができるジブ張出格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジブ格納装置が設けられたホイール式クレーンとして、特許文献1〜3に記載のものが知られている。これらのホイール式クレーンは、伸縮自在なブームの先端部両側面にジブ支持軸が突設されている。そして、ジブの基端部の両側に、前記ジブ支持軸に対して着脱可能に連結される連結部が設けられている。ジブを使わない場合には、ジブ両側の前記連結部(以下、両側連結部と記載する)がブーム先端側を向いて上下に位置する竪置き姿勢でブーム側面に格納することができる。一方、ジブを使用する場合は、この格納位置から、ブーム下面側において前記両側連結部が前記ブーム両側の前記ジブ支持軸(以下、両側ジブ支持軸と記載する)に臨む横置き姿勢で、かつ、ジブ先端側がブーム起伏シリンダを避けるように平面視でブーム軸心に対して傾斜する下抱き位置に移動させる工程を経て前記両側連結部を前記両側ジブ支持軸に連結し、この連結点を支点としてブーム先端部前方に張り出すことができる。尚、これと逆の手順によって張り出した状態のジブを格納することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のジブ格納装置を用いる場合、以下のような課題がある。
即ち、下抱き位置にあるジブは、平面視で、基端側がブーム直下方向に位置して前記両側連結部が両側ジブ支持軸に対向し、先端側がブーム下面よりも側方にはみ出した状態となる。そのため、ジブを格納位置から下抱き位置まで水平軸まわりに一気に回動させようとすると、このような下抱き位置におけるジブの姿勢に対応して、格納位置においてもジブをブーム軸心に対して平面視で大きく傾斜させなければならない。結果として、ジブ先端側のブーム側方への突出量が大きくなるため、車幅が増加し、あるいはこれを防止するためにジブの長さを短くしなければならない。
【0004】
一方、特許文献3に記載のジブ張出格納装置は、ブームに対して、側面視においてブーム軸心と平行となる第1回動軸、及びブーム水平状態でほぼ鉛直となる第2回動軸のまわりにそれぞれ回動可能に設けられたジブ支持機構を備え、かつ、前記ジブ支持機構とジブの中間部とを着脱可能に連結する連結手段と、前記ジブ支持機構を前記第1回動軸まわりに回動させてジブを前記格納位置と横置き姿勢でブーム下面側に位置する下方位置との間で移動させるジブ昇降手段と、前記ジブ支持機構を前記下方位置で前記第2回動軸まわりに回動させてジブを前記下方位置と前記下抱き位置との間で移動させるジブ回動手段とを備えている。
この構成によると、ジブを横抱き格納位置から一気に前記下抱き位置に移動させるのではなく、第1回動軸を中心として、一旦、前記下方位置まで移動させた後、第2回動軸まわりに回動させて前記下抱き位置にセットすることができる。そのため、横抱き格納位置でのジブの傾斜角度を小さくすることができ、特許文献1及び特許文献2の上記課題を解決することができる。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−2693号公報
【特許文献2】実開平2−127693号公報
【特許文献3】特開平7−149496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載されたジブ張出格納装置は、前記ジブ支持機構を前記第1回動軸まわりに回動させるジブ昇降手段と、前記ジブ支持機構を前記第2回動軸まわりに回動させるジブ回動手段と、の両方の構成が必要である。そして、ジブを張出/格納する際には、ジブ昇降手段とジブ回動手段との両方を制御する必要があるため、制御構成が複雑になる。結果として、ジブ張出格納装置の構成が複雑になり、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、格納位置にあるジブのブーム側方への突出量を小さくすることができ、かつ、構成が簡易なジブ張出格納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ホイール式クレーン等の移動式クレーンにおいて、不使用時にはジブをブームに格納することができ、使用時に当該ジブをブーム先端に張り出すことができるジブ張出格納装置に関する。
そして、本発明に係るジブ張出格納装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明のジブ張出格納装置は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るジブ張出格納装置における第1の特徴は、先端部両側面にジブ基端支持部が設けられたブームと、前記ジブ基端支持部に対して着脱可能に連結される連結部が基端部両側に設けられたジブと、を備え、前記ジブの基端部を前記ブームの先端側に向けた竪置き姿勢で前記ジブを前記ブームの側方の格納位置に保持可能であり、当該格納位置から、前記ブームの下方において、前記連結部が前記ジブ基端支持部に臨む横置き姿勢となる下抱き位置に前記ジブを移動させる工程を経て前記連結部を前記ジブ基端支持部に連結し、この連結点を支点として前記ジブを前記ブームの先端部前方に張り出すことが可能であり、これと逆の手順によって前記ジブを前記格納位置に移動可能な移動式クレーンに設けられるジブ張出格納装置であって、前記ブームに設けられ、前記ジブの中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、連結された前記ジブを、側面視において前記ブームの長手方向に延びる第1回動軸、及び側面視において前記第1回動軸に対して傾いた第2回動軸のまわりに回動できるように支持するジブ中間支持機構と、前記ブームに設けられたブーム側ガイド部材と、前記ジブに設けられたジブ側ガイド部材と、前記ジブ中間支持機構に設けられた油圧シリンダと、を備え、前記格納位置にある前記ジブが、前記油圧シリンダからの付勢力により、前記第1回動軸まわりに回動しているときに、前記ジブ側ガイド部材が前記ブーム側ガイド部材に当接して当該ブーム側ガイド部材からの付勢力により前記ジブが前記第2回動軸まわりに回動し、前記下抱き位置まで移動することである。
【0010】
ここで、竪置き姿勢とは、ジブ両側の前記連結部が略鉛直面内に並んだ状態で、ブームに沿って配置されるジブの姿勢をいう。また、横置き姿勢とは、ジブ両側の前記連結部が略水平面内に並んだ状態で、ブームに沿って配置されるジブの姿勢をいう。
【0011】
この構成によると、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材とが設けられていることで、一の油圧シリンダの作動により、ブームの側面に格納されたジブを、ブームの長手方向に延びる第1回動軸及びこれと非平行な第2回動軸まわりにも回動して下抱き位置まで移動させることができる。
これにより、一の回動軸まわりにのみにジブを回動させて格納位置から下抱き位置に移動させる構成に比べ、格納位置でのジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる。更に、このようにジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ、ブーム側ガイド部材、及びジブ側ガイド部材を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【0012】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第2の特徴は、前記ジブ側ガイド部材は、前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、を備えることである。
【0013】
この構成によると、ジブが格納位置にあるとき、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材の第1当接部とが当接しており、ジブを格納位置に確実に位置決めすることができる。
更に、ジブが下抱き位置にあるとき、ブーム側ガイド部材とジブ側ガイド部材の第2当接部とが当接しており、ジブを下抱き位置に確実に位置決めすることができる。
【0014】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第3の特徴は、前記ジブ側ガイド部材は、前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、前記第1当接部と前記第2当接部との間に設けられ、前記ジブが前記格納位置と前記下抱き位置との間を移動するときに前記ブーム側ガイド部材と当接する第3当接部と、を備えることである。
【0015】
この構成によると、第3当接部の形状に基づいて、格納位置と下抱き位置との間を移動するときのジブの軌道が定まる。従って、第3当接部の形状を調整することで、当該ジブの軌道が所望の軌道となるように調整することができる。
【0016】
また、本発明に係るジブ張出格納装置における第4の特徴は、前記ジブ中間支持機構は、前記ブームに固定されたブーム側ブラケットと、当該ブーム側ブラケットに対して前記第2回動軸のまわりに回動可能に連結された中間フレームと、当該中間フレームに対して前記第1回動軸のまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレームと、前記ジブに固定され、前記ジブ支持フレームに連結可能なジブ側ブラケットと、を有し、前記ジブ支持フレームが前記第1回動軸まわりに前記下抱き位置まで回動した状態で、当該ジブ支持フレームが前記中間フレームとともに前記第2回動軸まわりに回動することを規制する回動規制部を備えることである。
【0017】
この構成によると、ジブ格納工程において、ジブを下抱き位置に配置するため、ジブ側ブラケットとジブ支持フレームとを連結する際に、ジブ支持フレームの第2回動軸まわりの回動が回動規制部により規制される。これにより、当該連結時のジブ支持フレームの位置あわせが容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、格納位置でのジブのブーム側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ、ブーム側ガイド部材、及びジブ側ガイド部材を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るジブ張出格納装置を備えるホイール式クレーン100の側面模式図である。また、図2及び図3は、それぞれ、図1に示すホイール式クレーン100のブーム5近傍部の側面模式図及び平面模式図である。
図4、図7、及び図8は、それぞれ、図2におけるX1−X1、X2−X2、及びX3−X3断面矢視模式図である。また、図5は、図4におけるジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14との連結部のY1方向矢視模式図であり、図6は、図5におけるY2−Y2断面矢視模式図である。
尚、図1〜図8においては、ジブ8がブーム5の側面の格納位置にある状態を示す。また、図2〜図8においては、ブーム5の先端側が基端側よりも高い位置となるようにブーム5を起こした状態を示している。
【0021】
図1に示すように、ホイール式クレーン100(移動式クレーン)は、タイヤ走行式の下部走行体2を備えており、この下部走行体2の上に、旋回ベアリング3を介して旋回される上部旋回体が設けられている。この上部旋回体には、ブーム5を挟むように一対の板状フレーム4が立設されている。この板状フレーム4の後方上部には、ブーム5の起伏支点となるブームフットピン4aが貫通するブーム支持穴が形成され、ブームフットピン4aが当該ブーム支持穴とブーム5の基端部とに挿通されることにより、ブーム5が回動自在に支持される。ブーム5は、箱型の多段伸縮ブームとして構成され、下面側に設けられたブーム起伏シリンダ7により、前下がり状態から所定の起伏角度まで起伏できるように構成されている。また、上部旋回体におけるブーム5の右側に運転室6が設けられ、この運転室6の後方位置にはポンプ装置、エンジン等(図示せず)が設けられている。
【0022】
図2及び図3に示すように、ブーム5の先端部両側面にはジブ支持軸5a,5a(ジブ基端支持部)が突設されている。また、ブーム5の側面には、ジブ8の中間部におけるジブ8の重心よりも基端側の部分を支持するジブ中間支持機構10、及びジブ8の先端部を支持する先端側固定機構50が設けられている。
【0023】
図4(後述する図11、図14、図15参照)に示すように、ジブ中間支持機構10は、ブーム5に固定されたブーム側ブラケット11と、当該ブーム側ブラケット11に取り付けられた中間フレーム12と、当該中間フレーム12に取り付けられたジブ支持フレーム13と、ジブ8に固定されたジブ側ブラケット14とを備えている。
【0024】
ブーム側ブラケット11には、上下両側にブーム5の軸心に対してほぼ垂直となる支軸11a,11aが設けられている。尚、当該支軸11a,11aの中心軸A2(第2回動軸)は、ブーム5が水平状態のときに鉛直となる軸である。従って、図2に示すように、ブーム5が前上がりの状態で保持されている場合は、当該中心軸A2は、ブーム5の水平状態からの起伏角度に相当する角度θだけ鉛直方向Nに対して傾くことになる。尚、ジブ8を張り出す工程においては、当該角度θを、約1〜5°とすることが望ましい。
【0025】
中間フレーム12は、上下両側でこの支軸11a,11aまわりに回動可能に支持される。
また、ジブ支持フレーム13は、中間フレーム12に対して、支軸13aまわりに回動可能に取り付けられている。尚、この支軸13aは、中心軸A1(第1回動軸)が、側面視においてブーム5の軸心と平行になるように配置される(図2参照)。
中間フレーム12とジブ支持フレーム13との間には油圧シリンダ15が設けられている。この油圧シリンダ15の作動により、ジブ支持フレーム13は、中間フレーム12に対して支軸13aまわりに回動される。
【0026】
ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14との連結状態について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6に示すように、ジブ支持フレーム13(図5において斜線を施して示す部分)は、ジブ側ブラケット14に係合し、ジブ8側に設けられた自動連結ピン16と、手動で着脱される格納固定ピン17とによって、当該ジブ側ブラケット14に連結される。
【0027】
自動連結ピン16は、ジブ8側に固定されたピンガイドプレート18,19によってジブ8の長さ方向にスライド自在に支持され、バネ26の押圧力により、先端部16aがジブ8の基端側からジブ支持フレーム13のピン穴13bに嵌まり込んでジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とを連結する。尚、自動連結ピン16の先端部16aは、図6に示すように、ジブ8を張出し状態から格納する際、ピン穴13bに自動的に嵌まり込むように先尖りに形成されている。
【0028】
格納固定ピン17は、第1軸部17aと、これよりも長い第2軸部17bがプレート17c及び取っ手17dで一体に連結されたヘアピン状に形成されている。
この格納固定ピン17の第1軸部17aは、自動連結ピン16による連結点に対してジブ先端側にずれた位置でジブ支持フレーム13の突出端部13cとジブ側ブラケット14の突出端部14aとに跨って挿通される。これによりジブ8が、中間部における長さ方向の2点でジブ支持フレーム13に支持される。
【0029】
このように、ジブ8が自動連結ピン16と格納固定ピン17とによって長さ方向の2ヶ所で支持されるため、自動連結ピン16のみによって1点で支持する場合のように、ジブ8が中間支持点を中心として上下に揺れ動くおそれがなく、格納位置から下抱き位置への回動操作を容易に行うことができる。
【0030】
一方、第2軸部17bは、ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とに跨って挿入され、ジブ側ブラケット14を貫通した端部に抜け止めピン21が差し込まれている。
この抜け止めピン21により、格納固定ピン17が抜け止めされ、ひいては自動連結ピン16がジブ支持フレーム13から外れることが阻止される。逆にいうと、ジブ8(ジブ側ブラケット14)は、抜け止めピン21が取り外された状態でのみブーム5の先端側に移動可能となる。
尚、ブーム5の先端側へのジブ8の移動時に、ジブ側ブラケット14とジブ支持フレーム13とが干渉しないように、ジブ側ブラケット14はブーム5の基端側には開放した形状になっている。
【0031】
また、図4(後述する図11、図14、図15参照)に示すように、ジブ側ブラケット14及び中間フレーム12には、それぞれフランジ14b及びフランジ12aが設けられている。ジブ格納状態においては、このフランジ同士が格納ロックピン24によって連結される。
【0032】
また、図7に示すように、先端側固定機構50は、ブーム5の側面に突設された架台51と、この架台51の先端下面に取り付けられたブーム側支持ブラケット52と、ジブ8に突設されたジブ側支持ブラケット53と、この両ブラケット52,53同士を連結する先端固定ピン54と、この先端固定ピン54に差し込まれるジブ先端固定用抜け止めピン55とによって構成される。
【0033】
図2及び図3に示すように、ジブ8は、ジブ支持軸5a,5aに対してそれぞれ着脱可能に連結される連結部8a,8aが基端部両側に設けられており、上述したジブ中間支持機構10及び先端側固定機構50により、基端部がブーム5の先端側を向くとともに両側の連結部8a,8aが略鉛直上下に位置する竪置き姿勢でブーム5の側面に格納される。
【0034】
また、図2、図3、及び図8に示すように、ブーム5には、ブーム側ガイド部材30が設けられている。
図8に示すように、ブーム側ガイド部材30は、内部中空の棒状部材(パイプ状部材)により構成され、ブーム5が水平状態にある場合において、ブーム5の側面から略水平に延びる第1棒状部31と、当該第1棒状部31から屈曲して略鉛直下方に延びる第2棒状部32と、当該第2棒状部32からブーム5に近づくように屈曲して斜め下方に延びる第3棒状部33と、ブーム5の下部から略水平に延びて前記第2棒状部32の長手方向における略中央部を支持する第4棒状部34と、を有している。
【0035】
第1棒状部31は、ブーム5の側面における上下方向略中央部から当該ブーム5の側面に対して略垂直に延びている。また、第2棒状部32は、当該第1棒状部31の高さからブーム5の下端よりも低い位置(図2におけるブーム起伏シリンダ7の上端部の高さ)まで延びている。また、第3棒状部33は、図2に示すように、ブーム起伏シリンダ7の側方を覆うように第2棒状部32から屈曲して延びている。
【0036】
また、図2、図3、及び図8に示すように、ジブ8には、ジブ側ガイド部材40が設けられている。
図8に示すように、ジブ側ガイド部材40は、箱型に形成されたジブ8本体の長手方向垂直断面における角部近傍に設けられている。当該角部は、格納位置から下抱き位置への移動時に前記ブーム側ガイド部材30に臨む角部である。そして、ジブ側ガイド部材40は、ジブ8の下面81(格納された状態でブーム5の側面に対向する面)に設けられた第1ガイド部41と、ジブ8の側面82(格納された状態で下方を向く面)に設けられた第2ガイド部42と、を備えている。
【0037】
第1ガイド部41は、略コの字状に屈曲するパイプ状部材であり、ジブ8の下面に対して垂直に延びる一対の垂直軸部41a,41aと、当該垂直軸部41a,41aの端部を連結してジブ8の軸心と略平行に延びる平行軸部41b(第1当接部)とを有する(図14、図15参照)。当該一対の垂直軸部41a,41aと平行軸部41bとはジブ8の側面82と略平行な面内に配置される。
【0038】
そして、平行軸部41bが、ブーム側ガイド部材30における第2棒状部32に当接した状態において、ジブ8が竪置き姿勢となるように、平行軸部41bの形状及び位置が調整されている。尚、本実施形態においては、連結部8a,8aが略鉛直上下に位置し、側面視においてジブ8の軸心とブーム5の軸心とが略平行になる竪置き姿勢でジブ8がブーム5の側面に格納されている。
【0039】
また、第2ガイド部42は、略コの字状に屈曲するパイプ状部材であり、ジブ8の側面に対して垂直に延びる一対の垂直軸部42a,42bと、ジブ8の軸心に対して傾いて延び当該垂直軸部42a,42bの端部を連結する傾斜軸部42c(第2当接部)とを有する(図15参照)。当該傾斜軸部42cは、ジブ8の先端側に向かうほど、ジブ8の側面から離れるように傾斜している。即ち、一対の垂直軸部42a,42bのうち、ジブ8の先端側に位置する垂直軸部42aは、ジブ8の基端側に位置する垂直軸部42bよりも長くなるように形成される。当該一対の垂直軸部42a,42bと傾斜軸部42cとはジブ8の下面81と略平行な面内に配置される。
【0040】
ジブ8は、図1〜図8に示す格納位置から、次の手順によって、図9〜図11に示す下抱き位置を経て、ブーム5の前方に張り出される。尚、図9〜図11は、それぞれ、図2〜図4に対応する図である。
【0041】
(1)ホイール式クレーン100は、走行時には、図1に示すように、ブーム5の先端を斜め下方に下げた走行姿勢とされている。ジブ8を張り出す際は、まず、アウトリガを最大に張り出し、車体を水平にし、その後、図2に示すように、ブーム5の先端側が基端側よりも上がった状態になるように、ブーム起伏シリンダ7を伸長して所定の起伏角度までブーム5を起こす。
【0042】
(2)先端側固定機構50の先端固定ピン54を外しジブ8の先端側の固定を解き(図7参照)、ジブ中間支持機構10の格納ロックピン24を外す(図4参照)。
この状態では、ジブ8は自動連結ピン16と格納固定ピン17とによってブーム5に支持される(図5参照)。
【0043】
(3)図2において二点鎖線で示すように、ブーム5を少し(1m程度)伸長させてジブ支持軸5aを連結部8aよりも前方に移動させる。その後、ジブ中間支持機構10の油圧シリンダ15を伸長させることにより、ジブ支持フレーム13及びこれに連結したジブ8が支軸13aまわりに回動する(図4における矢印R1方向に回動する)。
【0044】
このジブ8の回動動作について図12及び図13に基づいて説明する。
図12及び図13は、それぞれ、格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す斜視模式図、及び図8に対応する断面模式図である。尚、図12(a)〜(d)は、図13(a)〜(d)にそれぞれ対応する図である。また、図12及び図13において(a)はジブ8が格納位置にある状態を示し、(b)及び(c)は、下抱き位置への移行途中の状態を示し、(d)はジブ8が下抱き位置にある状態を示す。
また、図14及び図15は、それぞれ、図12(a)及び図12(d)における、ジブ中間支持機構10及びガイド部材30,40近傍部(図中、二点鎖線で囲む部分)の拡大模式図である。
【0045】
ここで、上述したように、ジブ8の重心は、ジブ中間支持機構10よりもジブ8の先端側に位置している。
また、図2に示すように、支軸11a,11aの中心軸A2は鉛直軸に対して、格納された状態のジブ8の軸心先端側が軸心基端側よりも低い位置となるように傾いている。
更に、図3に示すように、平面視において、支軸13aの中心軸A1は、ブーム5の先端側に向かうほどブーム5の側面に近づくように、ブーム5の軸心に対して傾いている。
したがって、ジブ8には、自重により、重心の位置を鉛直方向において最も低い位置に移動させる方向への回動力が作用する結果、平面視において、支軸13aの中心軸A1が、ブーム5の軸心と平行になるように(即ち、ジブ8の軸心がブーム5の軸心と平行になるように)、中心軸A2まわりの回動力(図3、図12における矢印S1方向への回動力)が作用する。つまり、ジブ8には、自重により、当該ジブ8の先端がブーム5の側面に近づくように、中心軸A2まわりの回動力が作用することになる。
そして、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接することで、当該回動力によるジブ8の中心軸A2まわりの回動が規制されている。
【0046】
油圧シリンダ15が伸長されることにより、ジブ8が中心軸A1まわり(図4、図13における矢印R1方向)に回動すると、ジブ8はブーム側ガイド部材30から付勢されて、前記自重による回動力に抗して中心軸A2まわりに回動する力(図3、図12における矢印S2方向に回動する力)を受ける。即ち、ジブ8は、中心軸A1まわりに回動するとともに、連結部8aがブーム5の下側に回りこむように中心軸A2まわりに回動する。
【0047】
ジブ8の回動時における、ブーム側ガイド部材30とジブ側ガイド部材40との当接状態を更に詳しく説明する。
図12(a)及び図13(a)、に示すように、格納状態においては、ジブ側ガイド部材40の第1ガイド部41の平行軸部41bがブーム側ガイド部材30の第2棒状部32に当接している。尚、この状態においては、ジブ側ガイド部材40の第1ガイド部41の垂直軸部41a,41aは、第2棒状部32と略垂直に配置され、平行軸部41bは、ブーム5の軸心と略平行に配置される。
【0048】
油圧シリンダ15が伸長するにつれ、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並ぶようにジブ8が回動していく。このとき、図12(b)及び図13(b)に示すように、ジブ側の第1ガイド部41とブーム側の第2棒状部32との当接点は徐々に下方にずれていくとともに、垂直軸部41a,41aは、第2棒状部32に対して平行な状態に近づくように徐々に傾斜していく。
【0049】
続いて、第1ガイド部41の平行軸部41bと第2ガイド部42の傾斜軸部42cとの双方が当該ブーム側ガイド部材30に対して当接する状態(図示せず)を経て、図12(c)及び図13(c)に示すように、第2ガイド部42の傾斜軸部42cのみが第2棒状部32に当接する状態に移行する。
【0050】
その後、図12(d)及び図13(d)に示すように、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並ぶまでジブ8が回動する。尚、ジブ8両側の連結部8a,8aが水平方向に並んだ状態において、第2ガイド部42の垂直軸部42a,42bは、第2棒状部32と略垂直に配置され、傾斜軸部42cは、ブーム5の軸心と略平行に配置される。
【0051】
尚、本実施形態においては、上述のように、ジブ8が油圧シリンダ15により格納位置から下抱き位置に移動される間、ジブ側ガイド部材40における第1ガイド部41及び第2ガイド部42の少なくともいずれか一方がブーム側ガイド部材30に当接しているので、回動時におけるジブ8の動作を安定させることが可能である。
【0052】
また、当該ジブ8の先端部が板状フレーム4やブーム起伏シリンダ7等のクレーン構成部材に干渉せず、かつ、当該クレーン構成部材に近接する位置を通過するように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。本実施形態においては、平面視において、ジブ8の先端部が、ホイール式クレーン100の上部旋回体の幅(図12においてWで示す幅)を超えて移動しないように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。
【0053】
(4)ジブ8を下抱き位置(図12(d)の状態)に移動させた後、図9及び図10に示すように、ブーム5を全縮させて、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aを、ジブ8基端の連結部8a,8aにそれぞれ係合させる。そして、ジブ保持ピン25によってこれらを分離不能に連結する。
【0054】
尚、本実施形態においては、油圧シリンダ15を全伸長させると、ジブ8基端の連結部8a,8aが、それぞれ、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aに臨む位置に配置されるように、ジブ側ガイド部材40及びブーム側ガイド部材30が設計されている。そのため、図12(d)に示す状態で、ブーム5を収縮させることで、別途位置あわせを行うことなく、ブーム5先端のジブ支持軸5a,5aを、ジブ8基端の連結部8a,8aにそれぞれ係合させることができる。
【0055】
(5)ジブ8の基端部をブーム5の先端部に連結した後、ジブ中間支持機構10において、抜け止めピン21を外して格納固定ピン17を抜き取り(図5参照)、共用の抜け止めピン21を左側ジブ保持ピン25に差し込んで、当該左側ジブ保持ピン25の抜け止めをする。この状態では、ジブ8は、自動連結ピン16のみによってジブ支持フレーム13に連結されている。
【0056】
(6)次に、図16に示すようにブーム5を起こし、ブーム5を少し伸長させる。尚、ブーム5を伸長する際、ジブ8は、補巻ロープ61、補フック62、補助ロープ63(図17参照)で支持されている。これにより、ジブ8をブーム先端方向に移動させ、自動連結ピン16をジブ支持フレーム13から離脱させる。
【0057】
(7)そして、図17に示すように、補巻ロープ61を徐々に巻下げてジブ8を垂下させ、補助ロープ63を取り外す。
【0058】
(8)その後、図18に示すように、補フック62をジブ先端に係止させた状態で、ブーム5を水平に向けて倒しながら、ジブ8の先端が略水平に移動するように補巻ロープ61を巻き上げて、当該ジブ8をジブ支持軸5a,5aまわりに回動させる。このようにして、ジブ8をブーム5の前方に張り出した後、ブームヘッド5bとジブ8との間にサスペンションロッド64を掛け渡してジブ8の張り出しが完了する。
【0059】
次に、ジブ8の格納手順について説明する。
ジブ8の格納は、基本的に上記ジブ8の張り出し手順と逆の手順で行うことができる。
要点のみを説明すると、以下の通りである。
【0060】
(1)ジブ8を、図17に示すように垂下させ、補巻ロープ61、補フック62、補助ロープ63で支持した後、図16に示すようにブーム5の下面側に引き寄せ、ジブ支持フレーム13をジブ側ブラケット14に係合させると同時に自動連結ピン16をピン穴13bに自動的に挿入させる(図5、図6参照)。
【0061】
図19は、図11におけるZ1−Z1断面矢視模式図である。尚、図19においては、ブーム5の断面は省略し、ブーム5の側面の位置を二点鎖線で示している。
図19および図15に示すように、ブーム側ブラケット11には、中間フレーム12及びジブ支持フレーム13がブーム側ブラケット11に対して支軸11aまわりに回動することを規制する回動規制部70が設けられている。
当該回動規制部70は、ブーム側ブラケット11の側面に一端側を固定され他端側をブーム側ブラケット11よりもブーム5の側方に延出させた梁部材71と、当該梁部材71の先端部に設けられジブ支持フレーム13に対向する側に突出するように固定された軸部72と、当該軸部72の先端に螺合されたナット73とを有する。ジブ支持フレーム13の側面には、ナット73と対向する位置に、突起13dが設けられている。
【0062】
中間フレーム12及びジブ支持フレーム13は、油圧シリンダ15が全伸長した状態において、ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73の端面に当接する位置で、支軸11aまわり(図19における矢印S1方向)の回動を規制される。
そして、ジブ支持フレーム13の突起13dが当該ナット73の端面に当接しているときの当該ジブ支持フレーム13の位置が、ジブ8が下抱き位置にあるときのジブ支持フレーム13の位置(図9、図10参照)と同じ位置になるように、ナット73のねじ込み量が調整されている。
【0063】
図17に示すように、ジブ側ブラケット14がジブ支持フレーム13に連結される前の状態であって、ブーム5が前上がりに傾斜している場合は、自重により中間フレーム12及びジブ支持フレーム13が中心軸A2まわり(図19において矢印S1方向)に回動力を受け、ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73に当接する。これにより、当該ジブ支持フレーム13の位置を、ジブ側ブラケット14と連結可能な所定の位置に配置することができる。
結果として、ジブ8を格納する工程においてジブ8をブーム5の下面に引き寄せる際に、ジブ側ブラケット14がジブ支持フレーム13の係合位置に確実に案内される。これにより、ジブ8を下抱き位置で仮固定(自動連結ピン16により固定)することが容易になる。
【0064】
(2)ジブ8を下抱き位置で仮固定した後、図9に示す状態(水平面に対してブーム5の先端を約1〜5°上げた状態)までブーム5を倒し、両側のジブ保持ピン25を抜き、ジブ8の連結部8a,8aとブーム5のジブ支持軸5a,5aとの固定を解く。また、格納固定ピン17をセットし、一方のジブ保持ピン25から取り外した共用の抜け止めピン21を格納固定ピン17に移し変える。
【0065】
(3)この状態でブーム5を伸長させて連結部8a,8aとジブ支持軸5a,5aとを分離する。
【0066】
(4)油圧シリンダ15を収縮させてジブ8を下抱き位置から格納位置まで移動させる。
この場合においても、ジブ8を張り出すときと同じように、ジブ8には、自重により当該ジブ8の先端がブーム5の側面に近づくように、中心軸A2まわりの回動力(図10、図12における矢印S1方向の回動力)が作用しているので、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接した状態が維持される。即ち、油圧シリンダ15を収縮させることにより、ジブ8は、図12及び図13における(d),(c),(b),(a)の順序で下抱き位置から格納位置まで移動する。
【0067】
(5)ジブ8を格納位置まで移動させた後、ジブ中間支持機構10に格納ロックピン24を挿入した後、先端側固定機構50に先端固定ピン54を挿入する。これにより、ジブ8を当該格納位置に固定することができる。
【0068】
以上説明したように、ホイール式クレーン100は、先端部両側面にジブ支持軸5a,5aが突設されたブーム5と、ジブ支持軸5a,5aに対して着脱可能に連結される連結部8a,8aが基端部両側に設けられたジブ8と、ブーム5の下面側に設けられたブーム起伏シリンダ7とを備えている。当該ホイール式クレーン100は、ジブ8の基端部がブーム5の先端側を向くとともに両側の連結部8a,8aが上下に位置する竪置き姿勢でジブ8をブーム5の側面の格納位置に保持可能である。そして、当該格納位置から、ブーム5の下面側においてジブ8の両側の連結部8a,8aがブーム5の両側のジブ支持軸5a,5aにそれぞれ臨む横置き姿勢で、ジブ8の先端側がブーム起伏シリンダ7を避けるように平面視でブーム5の軸心に対してジブ8の軸心が傾斜する下抱き位置にジブ8を移動させる工程を経て連結部8a,8aをジブ支持軸5a,5aに連結し、この連結点を支点としてジブ8をブーム5の先端部前方に張り出すことが可能である。また、これと逆の手順によってジブ8を格納可能である。
【0069】
第1実施形態に係るジブ張出格納装置は、ブーム5に設けられ、ジブ8の中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、側面視においてブーム5の軸心と略平行に延びる支軸13aの中心軸A1、及びブーム5が水平状態のときに略鉛直に延びる支軸11aの中心軸A2のまわりにそれぞれ回動可能となるように、連結されたジブ8を支持するジブ中間支持機構10を備えている。尚、本実施形態においては、側面視において中心軸A2は、中心軸A1と直交する。
また、ブーム5に設けられたブーム側ガイド部材30と、ジブ8に設けられたジブ側ガイド部材40と、ジブ中間支持機構10に設けられた油圧シリンダ15と、を更に備えている。
そして、格納位置にあるジブ8が、油圧シリンダ15からの付勢力により、中心軸A1まわりに回動しているときに、ジブ側ガイド部材40がブーム側ガイド部材30に当接してブーム側ガイド部材30からの付勢力によりジブ8が中心軸A2まわりに回動し、下抱き位置まで移動する。
【0070】
この構成によると、ブーム側ガイド部材30とジブ側ガイド部材40とが設けられていることで、一の油圧シリンダ15の作動により、ブーム5の側面に格納されたジブ8を、中心軸A1まわりに回動するとともに、中心軸A2まわりにも回動して下抱き位置まで移動させることができる。
これにより、一の回動軸まわりにのみにジブ8を回動させて格納位置から下抱き位置に移動させる構成に比べ、格納位置でのジブ8のブーム5側方への突出量を小さくすることができる。更に、このようにジブ8のブーム5側方への突出量を小さくすることができる構成を、一の油圧シリンダ15、ブーム側ガイド部材30、及びジブ側ガイド部材40を用いた簡易な構成により、実現することができる。
【0071】
また、第1実施形態に係るジブ張出格納装置において、第1ガイド部41の平行軸部41bは、ジブ8が格納位置にあるときに、ブーム側ガイド部材30に当接するとともにブーム5の軸心と平行に配置される。また、第2ガイド部42の傾斜軸部42cは、ジブ8が下抱き位置にあるときに、ブーム側ガイド部材30に当接するとともにブーム5の軸心と平行に配置される。
【0072】
この構成によると、ジブ8が格納位置にあるとき、ブーム側ガイド部材30と第1ガイド部41の平行軸部41bとが当接しており、ジブ8を格納位置に確実に位置決めすることができる。
【0073】
更に、ジブ8が下抱き位置にあるとき、ブーム側ガイド部材30と第2ガイド部42の傾斜軸部42cとが当接しており、ジブ8を下抱き位置に確実に位置決めすることができる。
【0074】
また、第1実施形態に係るジブ張出格納装置において、ジブ中間支持機構10は、ブーム5に固定されたブーム側ブラケット11と、ブーム側ブラケット11に対して支軸11aのまわりに回動可能に連結された中間フレーム12と、中間フレーム12に対して支軸13aのまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレーム13と、ジブ8に固定され、ジブ支持フレーム13に連結可能なジブ側ブラケット14と、を有している。そして、当該ジブ張出格納装置は、ジブ8を格納する工程において、ジブ側ブラケット14をジブ支持フレーム13に連結させる際に、ジブ支持フレーム13に当接することで中間フレーム12の支軸11aまわりの回動を規制する回動規制部70を備える。
【0075】
この構成によると、中間フレーム12及びジブ支持フレーム13の支軸11aまわりの回動が、当該ジブ支持フレーム13の突起13dがナット73の端面に当接する位置で規制される。そのため、ジブ支持フレーム13とジブ側ブラケット14とを連結する際の当該ジブ支持フレーム13の位置決めが容易になる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るジブ張出格納装置について説明する。
図20は、第2実施形態に係るジブ張出格納装置のジブ中間支持機構10及びガイド部材30,40’近傍部の拡大斜視模式図である。また、図21は、格納位置から下抱き位置までに移行するときのジブ8の動きを示す断面模式図である。
第2実施形態に係るジブ張出格納装置は、第1ガイド部41の平行軸部41bと第2ガイド部42の傾斜軸部42cとの間にガイドプレート43(第3当接部)を備える点で、第1実施形態と異なる。その他の部分は同様であるため、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0077】
図20に示すように、ガイドプレート43は、平行軸部41bと傾斜軸部42cとの間に配置され、ジブ8から離れる方向(ブーム5に向かう方向)に凸となるように湾曲する金属プレートである。
【0078】
図21(a)に示すように、格納位置においては、第1実施形態と同様に第1ガイド部41がブーム側ガイド部材30に当接している。この状態から油圧シリンダ15が伸長すると、図21(b),(c)に示すように、ガイドプレート43をブーム側ガイド部材30に当接させながら、ジブ8が中心軸A1まわり(図21(a)における矢印R1方向)に回動する。そして、図21(d)に示すように、ジブ8は、下抱き位置まで回動し、第2ガイド部42がブーム側ガイド部材30に当接する。このように、ジブ8が格納位置と下抱き位置との間を移動する間、ガイドプレート43が、ブーム側ガイド部材30と連続的に当接している。
【0079】
従って、ガイドプレート43の形状を調整することで、ジブ8を格納位置から下抱き位置に移動させる途中の当該ジブとブームとの離間距離を連続的に調整できる。即ち、格納位置におけるジブ8とブーム5との離間距離は、第1ガイド部41の形状により決定され、下抱き位置における当該離間距離は、第2ガイド部42の形状により決定されるところ、第2実施形態に係るジブ張出格納装置においては、ガイドプレート43の形状を適宜調整することで、格納位置から下抱き位置に移行する途中の当該離間距離を所望の離間距離とすることができる。これにより、上部旋回体に搭載される部材やフレームの形状等に合わせてガイドプレート43の形状を調整することで、ジブ8を格納位置から下抱き位置に移動させる際に、ジブ8の先端がクレーンを構成する部材に干渉せず、且つ、当該先端の軌跡が、よりブーム5側面に近づくような構成とすることが容易になる。
【0080】
尚、第1ガイド部41と第2ガイド部42との間にガイドプレート43が設けられているので、第1ガイド部41と第2ガイド部42とガイドプレート43とを有して構成されるジブ側ガイド部材40’の強度増加を図ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態に係るジブ張出格納装置を備えるホイール式クレーンの側面模式図。
【図2】図1に示すホイール式クレーンのブーム近傍部の側面模式図。
【図3】図2に示すブーム近傍部の平面模式図。
【図4】図2におけるX1−X1断面矢視模式図。
【図5】図4における連結部のY1方向矢視模式図。
【図6】図5におけるY2−Y2断面矢視模式図。
【図7】図2におけるX2−X2断面矢視模式図。
【図8】図2におけるX3−X3断面矢視模式図。
【図9】ジブが下抱き位置にあるときのブーム近傍部の側面模式図。
【図10】図9に示すブーム近傍部の平面模式図。
【図11】図9におけるX1’−X1’断面矢視模式図。
【図12】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す斜視模式図。
【図13】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す断面模式図。
【図14】図12(a)におけるジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図15】図12(d)におけるジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図16】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図17】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図18】下抱き位置からのジブの張出を説明するための模式図。
【図19】図11におけるZ1−Z1断面矢視模式図。
【図20】第2実施形態に係るジブ張出格納装置のジブ中間支持部及びガイド部近傍部の拡大模式図。
【図21】格納位置から下抱き位置へのジブの動きを示す断面模式図。
【符号の説明】
【0083】
5 ブーム
5a ジブ支持軸(ジブ基端支持部)
8 ジブ
8a 連結部
10 ジブ中間支持機構
A1 中心軸(第1回動軸)
A2 中心軸(第2回動軸)
15 油圧シリンダ
30 ブーム側ガイド部材
40、40’ ジブ側ガイド部材
41b 平行軸部(第1当接部)
42c 傾斜軸部(第2当接部)
43 ガイドプレート(第3当接部)
70 回動規制部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部両側面にジブ基端支持部が設けられたブームと、前記ジブ基端支持部に対して着脱可能に連結される連結部が基端部両側に設けられたジブと、を備え、前記ジブの基端部を前記ブームの先端側に向けた竪置き姿勢で前記ジブを前記ブームの側方の格納位置に保持可能であり、当該格納位置から、前記ブームの下方において、前記連結部が前記ジブ基端支持部に臨む横置き姿勢となる下抱き位置に前記ジブを移動させる工程を経て前記連結部を前記ジブ基端支持部に連結し、この連結点を支点として前記ジブを前記ブームの先端部前方に張り出すことが可能であり、これと逆の手順によって前記ジブを前記格納位置に移動可能な移動式クレーンに設けられるジブ張出格納装置であって、
前記ブームに設けられ、前記ジブの中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、連結された前記ジブを、側面視において前記ブームの長手方向に延びる第1回動軸、及び側面視において前記第1回動軸に対して傾いた第2回動軸のまわりに回動できるように支持するジブ中間支持機構と、
前記ブームに設けられたブーム側ガイド部材と、
前記ジブに設けられたジブ側ガイド部材と、
前記ジブ中間支持機構に設けられた油圧シリンダと、
を備え、
前記格納位置にある前記ジブが、前記油圧シリンダからの付勢力により、前記第1回動軸まわりに回動しているときに、前記ジブ側ガイド部材が前記ブーム側ガイド部材に当接して当該ブーム側ガイド部材からの付勢力により前記ジブが前記第2回動軸まわりに回動し、前記下抱き位置まで移動するジブ張出格納装置。
【請求項2】
前記ジブ側ガイド部材は、
前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、
前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、
を備える請求項1に記載のジブ張出格納装置。
【請求項3】
前記ジブ側ガイド部材は、
前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、
前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部と前記第2当接部との間に設けられ、前記ジブが前記格納位置と前記下抱き位置との間を移動するときに前記ブーム側ガイド部材と当接する第3当接部と、
を備える請求項1又は請求項2に記載のジブ張出格納装置。
【請求項4】
前記ジブ中間支持機構は、
前記ブームに固定されたブーム側ブラケットと、
当該ブーム側ブラケットに対して前記第2回動軸のまわりに回動可能に連結された中間フレームと、
当該中間フレームに対して前記第1回動軸のまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレームと、
前記ジブに固定され、前記ジブ支持フレームに連結可能なジブ側ブラケットと、
を有し、
前記ジブ支持フレームが前記第1回動軸まわりに前記下抱き位置まで回動した状態で、当該ジブ支持フレームが前記中間フレームとともに前記第2回動軸まわりに回動することを規制する回動規制部を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のジブ張出格納装置。
【請求項1】
先端部両側面にジブ基端支持部が設けられたブームと、前記ジブ基端支持部に対して着脱可能に連結される連結部が基端部両側に設けられたジブと、を備え、前記ジブの基端部を前記ブームの先端側に向けた竪置き姿勢で前記ジブを前記ブームの側方の格納位置に保持可能であり、当該格納位置から、前記ブームの下方において、前記連結部が前記ジブ基端支持部に臨む横置き姿勢となる下抱き位置に前記ジブを移動させる工程を経て前記連結部を前記ジブ基端支持部に連結し、この連結点を支点として前記ジブを前記ブームの先端部前方に張り出すことが可能であり、これと逆の手順によって前記ジブを前記格納位置に移動可能な移動式クレーンに設けられるジブ張出格納装置であって、
前記ブームに設けられ、前記ジブの中間部を着脱自在に連結可能であるとともに、連結された前記ジブを、側面視において前記ブームの長手方向に延びる第1回動軸、及び側面視において前記第1回動軸に対して傾いた第2回動軸のまわりに回動できるように支持するジブ中間支持機構と、
前記ブームに設けられたブーム側ガイド部材と、
前記ジブに設けられたジブ側ガイド部材と、
前記ジブ中間支持機構に設けられた油圧シリンダと、
を備え、
前記格納位置にある前記ジブが、前記油圧シリンダからの付勢力により、前記第1回動軸まわりに回動しているときに、前記ジブ側ガイド部材が前記ブーム側ガイド部材に当接して当該ブーム側ガイド部材からの付勢力により前記ジブが前記第2回動軸まわりに回動し、前記下抱き位置まで移動するジブ張出格納装置。
【請求項2】
前記ジブ側ガイド部材は、
前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、
前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、
を備える請求項1に記載のジブ張出格納装置。
【請求項3】
前記ジブ側ガイド部材は、
前記ジブが前記格納位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第1当接部と、
前記ジブが前記下抱き位置にあるときに、前記ブーム側ガイド部材に当接する第2当接部と、
前記第1当接部と前記第2当接部との間に設けられ、前記ジブが前記格納位置と前記下抱き位置との間を移動するときに前記ブーム側ガイド部材と当接する第3当接部と、
を備える請求項1又は請求項2に記載のジブ張出格納装置。
【請求項4】
前記ジブ中間支持機構は、
前記ブームに固定されたブーム側ブラケットと、
当該ブーム側ブラケットに対して前記第2回動軸のまわりに回動可能に連結された中間フレームと、
当該中間フレームに対して前記第1回動軸のまわりに回動可能に連結されたジブ支持フレームと、
前記ジブに固定され、前記ジブ支持フレームに連結可能なジブ側ブラケットと、
を有し、
前記ジブ支持フレームが前記第1回動軸まわりに前記下抱き位置まで回動した状態で、当該ジブ支持フレームが前記中間フレームとともに前記第2回動軸まわりに回動することを規制する回動規制部を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のジブ張出格納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−42879(P2010−42879A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206579(P2008−206579)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
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