説明

ジメチルエーテル輸送用ホース

【課題】本発明は、DMEの透過漏洩を十分に抑えられ、DMEを長期的に輸送供給することができ、更に、柔軟性に優れるホースを提供する。
【解決手段】ブチル系ゴム組成物により構成される層を少なくとも1層有する内管を少なくとも備えるジメチルエーテル輸送用ホース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油、石炭、天然ガスに代表される化石燃料に替わる次期燃料の1つとして注目されているジメチルエーテル(以下、「DME」とも言う。)の輸送用ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車、電気製品等に種々のホースが用いられている。これらのホースに用いられる流体は、特に限定されないが、例えば、エアコンや冷蔵庫の冷媒、ガソリン等の燃料やオイル等が挙げられる。例えば、燃料(輸送)に用いられるホースの一例として、ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層を備える多層構造のホースが挙げられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
ところで、近年、化石燃料に代わる次期燃料として、硫黄酸化物やすすを全く発生せず、窒素酸化物の発生量も大幅に削減できる等環境負荷が小さく、ディーゼル自動車用燃料、発電用燃料、LPガス代替燃料等の幅広い用途に使用可能であるDMEが期待されている(非特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−154586号公報
【特許文献2】特開2003−21276号公報
【非特許文献1】「ジメチルエーテル戦略研究会報告書」、資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部石炭課、平成12年9月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のホースは流体(燃料)としてDMEを用いることを想定されていないため、DMEが透過し易く、DMEと接触したホースの部分に異常な膨潤が起こる等の問題がある。また、本発明者が鋭意検討した結果、ポリアミド系樹脂組成物はDMEに対する安定性、耐透過性に優れていることが分かったが、柔軟性に劣るため、ホースとしての柔軟性を損なうことなく、DMEに対する十分な耐透過性を有する厚さの層を形成できない。したがって、ポリアミド系樹脂組成物の層を有する多層構造のホースは、各層の構成によってはDMEが透過するおそれがあり、また、柔軟性に劣るため用途が限定されることがある。
そこで、次期燃料として期待されているDMEを用いても、ホースとしての性能を十分に発揮できるホースの提供が望まれる。
したがって、本発明は、DMEの透過漏洩を十分に抑えられ、DMEを長期的に輸送供給することができ、更に、柔軟性に優れるホースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ブチル系ゴム等がDMEに対する安定性および耐透過性に優れることを見出した。また、ブチル系ゴム組成物をホースの内管を形成する材料として用いることにより、DMEに対する安定性、耐透過性に更に優れ、ホースとしての性能も損なわないことを見出した。本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。ここで、DMEに対する安定性とは、DMEと接触しても膨潤や亀裂が生じないことを言う。また、以下、DMEに対する安定性と耐透過性を合わせて、耐DME性と言う。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明によって達成される。
【0007】
(1)ブチル系ゴム組成物により構成される層を少なくとも1層有する内管を少なくとも備えるジメチルエーテル輸送用ホース。
ここで、ブチル系ゴム組成物とは、ブチル系ゴムおよび必要がある場合には各種添加剤を含有する組成物である。
【0008】
(2)前記内管が、ブチル系ゴム組成物により構成される内層を有する内管である上記(1)に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【0009】
(3)前記内管が、前記内層の外側に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層を有する内管である上記(2)に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
なお、上記ブチル系ゴム組成物により構成される内層の外側に形成される、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層を、以下、便宜上「中間層」と言う。また、ポリアミド系樹脂組成物とは、ポリアミド系樹脂および必要がある場合には各種添加剤を含有する組成物である。
【0010】
(4)前記内管が、前記ポリアミド系樹脂組成物により構成される層の外側に、更に、ブチル系ゴム組成物により構成される層を有する内管である上記(3)に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
なお、上記ポリアミド系樹脂組成物により構成される層(中間層)の外側に形成されるブチル系ゴム組成物により構成される層を、以下、便宜上「外層」と言う。
【0011】
(5)前記内管が、ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層と、該内層の外側にブチル系ゴム組成物により構成される層を有する内管である上記(1)に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
なお、上記ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層の外側に形成される、ブチル系ゴム組成物により構成される層を、以下、便宜上「中間層」と言う。
【0012】
(6)前記ポリアミド系樹脂組成物のジメチルエーテル透過係数が、0.017mg・mm/(hr・cm2)以下である上記(3)〜(5)のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【0013】
(7)前記ブチル系ゴム組成物のジメチルエーテル透過係数が、0.167mg・mm/(hr・cm2)以下である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【0014】
(8)前記内管の外側に、ゴム組成物により構成される外管を備える上記(1)〜(7)のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【0015】
(9)前記内管の外側に、補強層を備える上記(1)〜(7)のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【0016】
(10)前記補強層の外側に、更に、ゴム組成物により構成される外管を備える上記(9)に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【発明の効果】
【0017】
本発明のDME輸送用ホースは、DMEの透過漏洩を十分に抑えられ、DMEを長期的に輸送供給することを可能にする。更に、柔軟性に優れるので多様な用途に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のDME輸送用ホース(以下、「本発明のホース」と言う。)は、内管の少なくとも1層をブチル系ゴム組成物により構成される。
本発明のホースの第1の態様(以下、「第1のホース」と言う。)は、ブチル系ゴム組成物により構成される内層を有する内管を備えるDME輸送用ホースである。
第1のホースの内管は、ブチル系ゴム組成物により構成される内層を有すれば、1層の内層で形成されていても、複数層を積層した内層で形成されていてもよい。該内層が複数層を積層して構成される場合には、各層を構成するブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムは同種であっても異種であってもよい。
【0019】
上記ブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムとしては、本発明の目的を逸脱しないブチル系ゴムであれば、その分子量、置換基、およびその導入率等は特に限定されるものではなく、例えば、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体ゴム(BIMS)等が好適に例示される。
これらのブチル系ゴムは、単独で用いても、2種以上を併用してもよく、更に他のゴムや樹脂等と併用してもよい。
【0020】
上記ブチル系ゴム組成物は、後述する耐DME透過性試験の試験方法により求められるDME透過係数が、0.167mg・mm/(hr・cm2)以下であることが好ましい。DME透過係数が0.167mg・mm/(hr・cm2)以下であるとDMEに対する耐透過性に優れ、DMEに対する安定性も高くホースとして長期間使用できる。この効果により優れる点で、DME透過係数は、0.125mg・mm/(hr・cm2)以下であることがより好ましく、0.104mg・mm/(hr・cm2)以下であることが更に好ましい。
【0021】
以下、耐DME透過性試験の試験方法について説明する。
図4は、耐DME透過性を測定するために用いる実験用カップの断面図である。
図4に示されるようなステンレス製カップ10に、カップ容量の半分の量のDME12を入れる。次に、カップ10の上部開口を、ゴム組成物または樹脂からなるシート状の試験体14で覆い、試験体14の上に焼結金属板16を載せる。次に、焼結金属板16の上に固定部材18を配置し、ボルト20とナット22により、固定部材18を介して、試験体14と焼結金属板16をカップ10に密着させて固定する。その後、このカップの全体の質量(初期質量)を測定する。
次に、上記カップを40℃で14日間(336時間)放置した後、カップの全体の質量(放置後質量)を測定する。初期質量から放置後質量をひいて質量減少量を求め、下記式(I)に従ってDME透過係数を計算する。
【0022】
DME透過係数[mg・mm/(hr・cm2)]=M・t/(T・A) (I)
【0023】
式中、Mは質量減少量(mg)、tは試験体の厚さ(mm)、Tは試験時間(hr)、Aは透過面積(cm2)を表す。なお、Aの透過面積は上記カップの開口部の面積である。
【0024】
上述したように、上記ブチル系ゴム組成物、特に上記DME透過係数を満足するブチル系ゴム組成物は、耐DME性に優れており、また耐熱性および電気絶縁性も高いので、DMEと直接接触するDME輸送用ホースの内層の材料として好適である。
【0025】
本発明において、上記ブチル系ゴム組成物に含有される添加剤としては、具体的には、例えば、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、各種ホースに一般的に用いられるものを、ブチル系ゴムの種類、ホースの用途、製造条件等に応じて適宜選択することができる。また、添加剤の含量は、一般的に用いられる量でよい。
【0026】
ブチル系ゴム組成物により構成される内層を有する内管を備えるジメチルエーテル輸送用ホース(補強層と外管も備える)を図1に基づいて説明するが、本発明のホースはこれに限定されない。
図1は本発明のDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視概念図である。該DME輸送用ホース1は、内管2と補強層6と外管7とを備えるホースである。
【0027】
図1に示す、DME輸送用ホース1は、上記ブチル系ゴム組成物により構成される1層の内層3を有する内管2を備え、その外側に補強層6、更にその外側に外管7を備えている。内管2は、上記ブチル系ゴム組成物で構成される一層の内層3からなり、ホースの最内層をなすものである。該内層3(内管2)の厚さは、必要に応じて任意に設計すればよいが、DMEに対する耐透過性の向上と、製造上および取扱い上の問題から、例えば、0.5〜5.0mm程度が好ましく、0.8〜3.0mm程度がより好ましい。
本発明のホースは厚さが上記範囲であっても、内層が柔軟性を有するブチル系ゴム組成物により形成されているので柔軟性に優れる。また、本発明のホースは、添加剤の種類や量を適宜変更したり、後述する中間層等の各層または外管の厚さを適宜変更することにより、各用途に要求される柔軟性を満足することができる。
【0028】
また、本発明のDME輸送用ホース1は、補強層6を必ずしも備えている必要はないが、補強層6を備えていると、DME輸送用ホース1の破断強度、使用可能圧力範囲および金具装着性が向上するので好ましい。補強層6は後述する。
外管7はDME輸送用ホース1の最外層となるものであって、DME輸送用ホース1の耐候性、耐熱性、耐透水性等を保持する層である。本発明において、外管7は必ずしも備えている必要はない。外管7については後述する。
【0029】
第1のホースは、耐DME性に優れ、柔軟性を有するブチル系ゴム組成物により構成される内層を備えることにより、DMEの透過漏洩を抑え、DMEを長期的に輸送供給することができ、更に、柔軟性にも優れる。
【0030】
本発明のホースにおいては、内管を、ブチル系ゴム組成物により構成される内層の外周面を覆うように、その外側に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層(中間層)を有する2層構造の内管とすることが好ましい。
層の厚さを薄くすることが容易で、耐DME性に優れた材料であるポリアミド系樹脂を用いる上記した2層構造の内管を備えるDME輸送用ホース(以下、「第2のホース」と言う。)は、より優れた耐DME性を有する。
【0031】
中間層を構成するポリアミド系樹脂組成物に含有されるポリアミド系樹脂としては、本発明の目的を逸脱しないポリアミド系樹脂であれば特に限定されないが、破断強度、破断伸びに優れ、ホース製造時に他のゴム層や樹脂層と接合が可能で、耐透過性、耐熱性および柔軟性が特に優れるポリアミド系樹脂が好適に例示される。
【0032】
このような特性を有するポリアミド系樹脂としては、具体的には、例えば、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン666、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体、主鎖中にメタキシレンジアミン等の芳香族環を有するポリアミド樹脂、ポリアミド/変性ポリオレフィンブレンド樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、上記の特性により優れる点から、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナイロン12が好ましい。これらのポリアミド系樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよく、更に他の樹脂等と併用してもよい。
【0033】
上記ポリアミド系樹脂は、上記の試験方法により求めたDME透過係数が、0.017mg・mm/(hr・cm2)以下であることが好ましい。DME透過係数を0.017mg・mm/(hr・cm2)以下にするとDMEに対する耐透過性に優れ、DMEに対する安定性も高くホースとして長期間使用できる。この効果により優れる点で、DME透過係数は、0.015mg・mm/(hr・cm2)以下であることがより好ましく、0.014mg・mm/(hr・cm2)以下であることが更に好ましい。
【0034】
第2のホースは、ブチル系ゴム組成物の内層と、ポリアミド系樹脂組成物の中間層とを有する内管を備えるが、ブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムとポリアミド系樹脂組成物に含有されるポリアミド系樹脂の組み合わせとしては、特に限定されず、IIR、CIIR、BIIRおよびBIMSからなる群より選択されるブチル系ゴムと、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナイロン12からなる群より選択されるポリアミド系樹脂であるのが好ましい。
【0035】
第2のホースにおいては、ポリアミド系樹脂単独で中間層を形成してもよいが、ホースとしての性能を確保できる点で、各種添加剤を含有させたポリアミド系樹脂組成物で中間層を構成するのが好ましい。
必要により、ポリアミド系樹脂組成物に含有される添加剤としては、具体的には、例えば、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、各種ホースに一般的に用いられるものを、ポリアミド系樹脂の種類、用途、製造条件等に応じて適宜選択することができる。また、添加剤の含量は、一般的に用いられる量でよい。
【0036】
ブチル系ゴム組成物により構成される内層の外周面を覆うように、その外側に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層(中間層)を有する2層構造の内管を備えるジメチルエーテル輸送用ホース(補強層と外管も備える)を図2に基づいて説明するが、本発明のホースはこれに限定されない。
図2は、本発明の2層構造の内管を備えるDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視概念図である。該DME輸送用ホース1は、内層3と中間層4を有する内管2と、補強層6と、外管7とを備えるホースである。
【0037】
図2に示す、DME輸送用ホース1は、上記ブチル系ゴム組成物により構成される内層3の外周面を覆うように、その外側に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層(中間層)4を有する2層構造の内管2を備え、その外側に補強層6、更にその外側に外管7を備えている。
上記内層3の外側に中間層4を有する2層構造の内管2とした以外は、上述した図1のDME輸送用ホースと同様である。
【0038】
ポリアミド系樹脂組成物により構成される層(中間層)4の厚さは必要に応じて任意に設計すればよいが、耐DME透過性とホースの柔軟性の点から0.05〜0.5mmとすることが好ましく、0.1〜0.3mmとすることがより好ましい。
【0039】
本発明のホースにおいては、内管を、中間層の外周面を覆うように、その外側に、更に、ブチル系ゴム組成物により構成される外層を有する3層構造の内管とすることが好ましい。
内層(最内層)と中間層は上記したものと同様であり、外層を構成するブチル系ゴム組成物は、上記内層を構成するブチル系ゴム組成物と基本的に同じである。内層と外層を構成するブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムは、同種であっても異種であってもよい。
このような構造を備えるDME輸送用ホース(以下、「第3のホース」と言う。)は、更に優れた耐DME性を有する。
【0040】
3層構造の内管を備える第3のホースは、内層と外層を構成するブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムが、IIR、CIIR、BIIRおよびBIMSからなる群より選択される少なくとも1種と、中間層を構成するポリアミド系樹脂組成物に含有されるポリアミド系樹脂がナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナイロン12からなる群より選択される少なくとも1種とを組み合わせることが好ましい。
【0041】
上記中間層の外周面を覆うように、その外側に、更に、ブチル系ゴム組成物により構成される外層を有する3層構造の内管を備えるジメチルエーテル輸送用ホース(補強層と外管も備える)を図3に基づいて説明するが、本発明のホースはこれに限定されない。
図3は、本発明の3層構造の内管を備えるDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視概念図である。該DME輸送用ホース1は、内層3と中間層4と外層5を有する内管2と、補強層6と、外管7とを備えるホースである。
【0042】
図3に示すDME輸送用ホース1は、上記ポリアミド系樹脂組成物により構成される中間層4の外周面を覆うように、その外側に、ブチル系ゴム組成物により構成される外層5を有する3層構造の内管2を備え、その外側に補強層6、更にその外側に外管7を備えている。
上記中間層4の外側に外層5を有する3層構造の内管2とした以外は、上記した図1および図2のDME輸送用ホースと同様である。
【0043】
ブチル系ゴム組成物により構成される外層5の厚さは、必要に応じて任意に設計すればよいが、0.5〜5.0mmとすることが好ましく、0.8〜3.0mmとすることがより好ましい。
【0044】
本発明のホースの別の態様は、ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層と、該内層の外側にブチル系ゴム組成物により構成される層(中間層)を有する内管を備えるDME輸送用ホース(以下、「第4のホース」と言う。)である。
第4のホースの内層を構成するポリアミド系樹脂組成物は、上記第2のホースで説明したポリアミド系樹脂組成物と基本的に同様である。また、第4のホースの中間層を構成するブチル系ゴム組成物は、上記第1のホースで説明したブチル系ゴム組成物と基本的に同様である。
【0045】
ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層の外周面を覆うように、その外側に、ブチル系ゴム組成物により構成される層(中間層)を有する2層構造の内管を備える第4のホースの構造は、2層構造の内管を備える上記第2のホースと基本的に同様である。更に、該中間層の外側に、補強層と外管を備えてもよい。
【0046】
第4のホースの内層の厚さは、上記第2のホースで説明したポリアミド系樹脂組成物により構成される中間層の厚さと同様である。また、第4のホースの中間層の厚さは上記第1のホースで説明したブチル系ゴム組成物により構成される内層の厚さと同様である。
【0047】
第4のホースは、ポリアミド系樹脂組成物の内層と、ブチル系ゴム組成物の中間層とを有する内管を備えるが、ポリアミド系樹脂組成物に含有されるポリアミド系樹脂とブチル系ゴム組成物に含有されるブチル系ゴムの組み合わせとしては、特に限定されず、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナイロン12からなる群より選択されるポリアミド系樹脂と、IIR、CIIR、BIIRおよびBIMSからなる群より選択されるブチル系ゴムであるのが好ましい。
【0048】
本発明者が鋭意検討した結果、ポリアミド系樹脂組成物は耐DME性に優れていることを見出した。しかし、ポリアミド系樹脂組成物は柔軟性に劣るため、従来のポリアミド系樹脂組成物の内層を有するホースの構成では、ホースとしての柔軟性を損なうことなく、十分な耐DME透過性を有するものはなかった。一方、本発明の第4のホースは、ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層をホースとしての柔軟性を損なわない程度の厚さとし、該内層の外側に、更に、耐DME性および柔軟性に優れるブチル系ゴム組成物により構成される層を有する内管を備えるので、耐DME性と柔軟性を両立することが可能である。
【0049】
本発明のホースにおいては、内管を、上記第4のホースの中間層の外周面を覆うように、その外側に、更に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される外層を設ける3層構造の内管とすることもできる。
内層と中間層は上記した第4のホースと同様であり、外層を構成するポリアミド系樹脂組成物は、上記内層を構成するポリアミド系樹脂組成物と基本的に同じである。内層と外層を構成するポリアミド系樹脂組成物に含有されるポリアミド系樹脂は、同種であっても異種であってもよい。
このような構造を備えるDME輸送用ホースは、更に優れた耐DME性を有する。
【0050】
本発明のホースは、上記したように内管に特徴を有するが、該内管の外周面を覆うように、その外側に更に、外管を備えるのが、ホースの耐候性、耐熱性、耐透水性、ホースの保護等の理由から好ましい。
外管を構成する材料としては、特に限定されないが、耐候性が良好な、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)およびIIR、BIIR、CIIR、BIMS等のブチル系ゴム等のゴムを含有するゴム組成物;ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、EPDM/PP系熱可塑性エラストマー組成物等の熱可塑性エラストマーを含有する熱可塑性エラストマー組成物等を挙げることができる。
また、上記外管は1層で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
外管の厚さは、必要に応じて任意に設計すればよいが、0.5〜3.0mm程度が好ましく、0.8〜2.0mm程度がより好ましい。
【0051】
本発明のホースは上記したように内管に特徴を有するが、ホースの破壊強度、耐久性に優れる点で、該内管の外周面を覆うようにその外側に補強層を備えるのが好ましい。
補強層としては、一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、その構成がブレード状で形成されたものでもスパイラル状で形成されたものでもよく、具体的には、例えば、ワイヤまたはアラミド繊維やポリエステル繊維等の補強糸をブレード巻きあるいは逆方向に2層スパイラル巻きしたもの、更には逆方向の2層のスパイラル巻きの間に中間ゴム層を介在させたもの等が挙げられる。この中でも、アラミド繊維やポリエステル繊維等の補強糸を編組した補強層であることが、得られるDME輸送用ホースの柔軟性に優れる理由から好ましい。
【0052】
また、本発明のホースは、上記補強層の外周面を覆うように、その外側に、更に、外管を備えるのが、ホースの耐候性、耐熱性、および耐透水性に優れる点で好ましい。該外管を構成する材料は、内管の外周面を覆うように備えられた外管を構成する材料と同様である。
また、上記外管は1層で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
【0053】
本発明においては、上記した内管(内層、中間層、外層)、補強層および外管の各層を接着させる接着層を設けてもよい。接着層に用いられる接着剤組成物としては、両被着体同士を接着できるものであれば特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系およびウレタン系の接着剤組成物が使用可能である。また、接着層を用いる代わりに、加熱による溶融接着や架橋による接着を行ってもよい。
【0054】
本発明のホースの製造方法として、従来公知のホースの製造方法を使用できる。例えば、マンドレル等の外周に円筒状に形成された未加硫状態の上記ブチル系ゴム組成物の外周に、補強糸または補強ワイヤ等を複数本ひきそろえてスパイラル状あるいはブレード状に編み組みして補強層を形成し、更にその外周に外管を押出し成形により形成する。続いて、ホース全体を加熱する。加熱温度は、ゴムが加硫する温度であればよく、好ましくは、120℃以上、より好ましくは140〜170℃である。十分冷却した後は、マンドレルを抜き取ることにより、本発明のホースが得られる。
【0055】
また、3層構造の内管を備えるホースの製造方法を、図3を用いて具体的に説明する。
まず、押出機を使用し、あらかじめ離型剤を付与したマンドレル上に、ブチル系ゴム組成物を押出し、内層3を形成する。次に、この内層3が形成されたマンドレルを適当な押出機に通し、内層3上に、ポリアミド系樹脂組成物を押出し、中間層4を形成する。
なお、必要に応じ、内層3表面に、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン系等の接着剤を塗布、スプレー等により付与した後、中間層4を形成することもできる。
【0056】
形成された中間層4上に、必要に応じ、接着剤を塗布し、上記と同様の方法で中間層4上に、ブチル系ゴム組成物を押し出し、外層5を形成し、3層構造の内管2とする。
形成された外層5上に、必要に応じ、補強糸との接着のために接着剤を塗布し、次いで、編組機を使用して補強糸を編組し、補強層6を形成する。必要に応じ、編組後、外管7との接着のために接着剤を塗布し、その上に、押出機を用いて、ゴム組成物を押出し、外管7を形成する。
このようにして、内層3、中間層4、外層5、補強層6および外管7が形成されたら、加硫を行い、最後にマンドレルを引き抜いて、本発明の3層構造の内管2を備えるDME輸送用ホース1が得られる。
【0057】
上述したように、本発明のホースは、DMEに対する安定性、耐透過性および柔軟性に優れるブチル系ゴム組成物により構成される層を有することにより、DMEの透過漏洩を抑え、DMEを安全に長期的に輸送供給することを可能にし、更に柔軟性に優れる。
【0058】
本発明のホースは、DMEを安全に長期的に輸送供給することが可能であり、柔軟性にも優れ、更に耐熱性、耐候性、電気絶縁性等の特性を有することから、DMEを輸送する種々の用途に用いることができるが、特に、給油用ホース、自動車用内部管等に好適に用いることができる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明のDME輸送用ホースを、実施例に従って具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
(参考例)
<耐DME性試験>
DME輸送用ホースの最内層を構成する材料としては、DMEに対する高い安定性および耐透過性が要求される。そのため、まず、下記第1表に示す各成分を第1表に示す組成(質量部)で混合したゴム組成物を、160℃で45分間加硫してシート状の試験体(厚さ0.5mm)を作製した。得られた各試験体について、下記の方法により耐DME透過性およびDMEに対する安定性を評価した。
結果を第1表に示す。
【0061】
(耐DME透過性試験)
図4に示されるようなステンレス製カップ10(開口部の面積5.72cm2)に、カップ容量の半分の量のDME12を入れた。次に、カップ10の上部開口を、上記シート状の各試験体14で覆い、試験体14の上に焼結金属板16を載せた。次に、焼結金属板16の上に固定部材18を配置し、固定部材18を介して、ボルト20とナット22で締めて、試験体14と焼結金属板16をカップに密着させて固定した。その後、このカップの全体の質量(初期質量)を測定した。
次に、40℃で14日間(336時間)放置した後、カップ全体の質量(放置後質量)を測定した。初期質量から放置後質量をひいて質量減少量を求め、上記式(I)に従ってDME透過係数を計算した。
【0062】
(DMEに対する安定性試験)
安定性は、DME透過係数の測定後のゴムまたは樹脂を目視で、膨潤度、表面の亀裂の発生の有無もしくは変形(以下、「外観異常」ともいう。)を確認した。第1表中、ほとんど膨潤が認められず、かつ、ゴムまたは樹脂表面の亀裂、変形等も認められなかったものを「○」で、膨潤または亀裂等が認められたものを「×」で示した。
【0063】
【表1】

【0064】
第1表中の各成分は、以下のとおりである。
・IIR:EXXON BUTYL 268、エクソンモービル社製
・CIIR:EXXON CHLOROBUTYL 1066、エクソンモービル社製
・BIIR:EXXON BROMOBUTYL 2255、エクソンモービル社製
・NR:RSS#1
・SBR:Nipol 1502、日本ゼオン社製
・CR:電化クロロプレン、電気化学工業社製
・NBR(AN=18%):Nipol DN401(アクリロニトリル含有量18%)、日本ゼオン社製
・NBR(AN=29%):Nipol 1043(アクリロニトリル含有量29%)、日本ゼオン社製
・NBR(AN=33%):Nipol 1042(アクリロニトリル含有量33%)、日本ゼオン社製
・NBR(AN=41%):Nipol 1041(アクリロニトリル含有量41%)、日本ゼオン社製
・HNBR(AN=36%):Zetpol 2000L(アクリロニトリル含有量36%)、日本ゼオン社製
・EPDM:MITSUI EPT4070、三井化学社製
【0065】
・カーボンブラック(HAF):ショウブラック N330T、昭和キャボット社製
・カーボンブラック(FEF):ショウブラック N550、昭和キャボット社製
・MgO:キョウワマグ150、協和化学工業社製
・ZnO:酸化亜鉛3種、正同化学工業社製
・ステアリン酸:ルナック YA、花王社製
・アロマオイル:デソレックス 3号、昭和シェル石油社製
・パラフィンオイル:マシン油 22、昭和シェル石油社製
・ナフテンオイル:フッコール 1150N、富士興産社製
・ジオクチルフタレート:サンソサイザーDOP、新日本理化社製
・トリアリルイソシアネート:タイク、日本化成社製
・樹脂:臭素化アルキルフェノール樹脂、タッキロール250−I、田岡化学工業社製
・硫黄:粉末硫黄、軽井沢精錬所社製
・加硫促進剤NS:ノクセラー NS−F、大内新興化学工業社製
・加硫促進剤TT:ノクセラー TT、大内新興化学工業社製
・過酸化物:パーカドックス 14/40、化薬アクゾ社製
【0066】
下記第2表に示す種々の樹脂からなる試験体(厚さ0.5mm)について、上述の方法と同様に耐DME透過性およびDMEに対する安定性を評価した。
結果を第2表に示す。
【0067】
【表2】

【0068】
第2表中の各成分は、以下のとおりである。
・ナイロン6:CM1017、東レ社製
・ナイロン11:BESN O TL、アトフィナ社製
・PE(HD):ハイゼックス、三井化学社製
・PET:東洋紡エステル E5100、東洋紡社製
・PTFE:Fluon(登録商標) PTFE、旭硝子社製
・PVC:カネビニール、鐘淵化学工業社製
【0069】
第1表に示すゴム組成物の硬化物および第2表に示す樹脂に、透過または劣化させ易いDMEを用いた場合、IIR、CIIRおよびBIIRのブチル系ゴム、またはナイロン6およびナイロン11のポリアミド系樹脂は、DME透過係数が小さく、DMEに対する安定性も良好であった。
【0070】
そこで、これらのゴムまたは樹脂を用いて、DME輸送用ホースを作製し、ホースとしての耐DME性等を評価した。
(実施例1)
予め離型剤を塗布したマンドレルに、ゴム押出機から上記で得られた参考例1のIIRを含有するゴム組成物を押し出し、160℃で60分間加硫した。その後、マンドレルを引き抜き、内層の厚さ1.6mm、長さ500mmの実施例1のホースを得た。
【0071】
実施例1のホースの一端を密栓し、該ホースの開口部からホース内部に、DMEを満杯になるまで注いだ後、ホースの開口部を同様に密栓する。その後、該ホースを40℃のオーブンに14日間(336時間)放置し、質量減少量を測定した。
実施例1のホースは、後述する比較例1〜9のホースに比べるとDMEの透過漏洩は小さく、外観異常もなく、DME輸送に適したホースであった。
【0072】
(実施例2)
参考例2のCIIRを含有するゴム組成物を用いて実施例1と同様にして、内層の厚さ1.6mm、長さ500mmの実施例2のホースを製造した。
このホースについて、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、後述する比較例1〜9のホースに比べるとDMEの透過漏洩は小さく、外観異常もなく、実施例2のDME輸送用ホースは、DME輸送に適したホースであった。
【0073】
(実施例3)
参考例3のBIIRを含有するゴム組成物を用いて実施例1と同様にして、内層の厚さ1.6mm、長さ500mmのDME輸送用ホースを製造した。
このホースについて、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、後述する比較例1〜9のホースに比べるとDMEの透過漏洩は小さく、外観異常もなく、実施例3のDME輸送用ホースは、DME輸送に適したホースであった。
【0074】
(比較例1〜9)
参考例4〜12の各ゴム組成物について、それぞれ実施例1と同様にして、内層の厚さ1.6mm、長さ500mmのホースを製造した。
これらのホースについて、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、いずれのホースもDMEの透過漏洩があり、または外観異常が認められ、DME輸送用ホースには適さないことが分かった。
【0075】
(実施例4)
実施例3で得られたDME輸送用ホース(内管)の外周面を覆うように、ナイロン6(CM1021FS、東レ社製)を含有する樹脂組成物を厚さ0.2mmになるように押し出し成形して中間層を形成させ、160℃で60分間加硫して、内管が2層構造のホースを作製した。このとき、各層の界面はフェノール系接着剤により接着させた。
このホースについて、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、実施例3のホースよりもDMEの透過漏洩は少なく、外観異常もなく、実施例4のDME輸送用ホースは、DME輸送に適したホースであった。
【0076】
(実施例5)
実施例4で得られたホース(中間層)の外周面を覆うように、BIIRを含有するゴム組成物を、更に、厚さ1.5mm、長さ500mmになるように押し出し成形して外層を形成させ、160℃で60分間加硫して、内管が3層構造のホースを作製した。このとき、実施例4のホースの外周面と、それを覆うように設けられたBIIRより構成される層の内面はフェノール系接着剤により接着させた。
次に、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、実施例4のホースよりもDMEの透過漏洩は少なく、外観異常もなく、実施例5のホースは、DME輸送に適したホースであった。
【0077】
(実施例6)
ナイロン6(CM1021FS、東レ社製)を含有する樹脂組成物を厚さ0.2mmになるように押し出し成形して内層を形成させ、該内層の外周面を覆うように、BIIRを含有するゴム組成物を、更に、厚さ1.5mm、長さ500mmになるように押し出し成形して、中間層を形成させ、160℃で60分間加硫して、内管が2層構造のホースを作製した。
次に、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、後述する比較例1〜9のホースに比べるとDMEの透過漏洩は小さく、外観異常もなく、実施例6のホースは、DME輸送に適したホースであった。
【0078】
なお、実施例1〜6のホースの内管の外周面を覆うように、適宜な種類の補強糸をブレード巻きした補強層と、更にその外側に参考例12のEPDMを含有するゴム組成物を厚さ2mm、長さ500mmになるように押し出し成形して、外管を形成し、160℃で60分間加硫して、ホース(例えば、図1で示される構造を持つホース)を作製し、実施例1と同様の方法で、DMEの透過による質量減少量を測定したところ、いずれも、DME輸送に適したホースであった。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、本発明のDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各内管)を切り欠いて示す斜視概念図である。
【図2】図2は、本発明の2層構造の内管を備えるDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視概念図である。
【図3】図3は、本発明の3層構造の内管を備えるDME輸送用ホースの一実施形態例であるホースの各層(各管)を切り欠いて示す斜視概念図である。
【図4】図4は、耐DME透過性を測定するために用いる実験用カップの断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 DME輸送用ホース
2 内管
3 内層
4 中間層
5 外層
6 補強層
7 外管
10 カップ
12 DME
14 試験体
16 焼結金属板
18 固定部材
20 ボルト
22 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブチル系ゴム組成物により構成される層を少なくとも1層有する内管を少なくとも備えるジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項2】
前記内管が、ブチル系ゴム組成物により構成される内層を有する内管である請求項1に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項3】
前記内管が、前記内層の外側に、ポリアミド系樹脂組成物により構成される層を有する内管である請求項2に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項4】
前記内管が、前記ポリアミド系樹脂組成物により構成される層の外側に、更に、ブチル系ゴム組成物により構成される層を有する内管である請求項3に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項5】
前記内管が、ポリアミド系樹脂組成物により構成される内層と、該内層の外側にブチル系ゴム組成物により構成される層を有する内管である請求項1に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項6】
前記ポリアミド系樹脂組成物のジメチルエーテル透過係数が、0.017mg・mm/(hr・cm2)以下である請求項3〜5のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項7】
前記ブチル系ゴム組成物のジメチルエーテル透過係数が、0.167mg・mm/(hr・cm2)以下である請求項1〜6のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項8】
前記内管の外側に、ゴム組成物により構成される外管を備える請求項1〜7のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項9】
前記内管の外側に、補強層を備える請求項1〜7のいずれかに記載のジメチルエーテル輸送用ホース。
【請求項10】
前記補強層の外側に、更に、ゴム組成物により構成される外管を備える請求項9に記載のジメチルエーテル輸送用ホース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−2877(P2006−2877A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180721(P2004−180721)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】