説明

スイッチおよび照明ユニット

【課題】押圧操作部を透過する光の強さを安定させることができるスイッチおよびこのスイッチを備えた照明ユニットを提供すること。
【解決手段】頭部80dを押圧操作可能にするスイッチ操作部13を有するスイッチにおいて、フレキシブルプリント配線板70に載置され、かつスイッチ操作部13と頭部80dとに挟まれる照明LED80eを有し、スイッチ操作部13は、照明LED80eによって発せられた光をスイッチ操作部13の操作面S側に透過する表示部13aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチおよび照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチあるいはスイッチによって照明を点灯消灯させる照明ユニットには、そのスイッチの押圧操作部に高級感を出す場合がある。そこで、LED(Light Emitting Diode)等の発光部を設け、この発光部から発せられた光を押圧操作部に透過させるようにしたスイッチが提案されている(特許文献1参照)。このスイッチは、基板上に固定配置されたスイッチの本体部に対して押しボタンユニットを並べて配置するとともに、押しボタンの下方位置の前記基板上に、押しボタンを照明するためのLEDを固定配置させ、押圧による押しボタンユニットの移動の際に、スイッチの本体部をガイドとして利用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−165143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のスイッチによると、押しボタンの押圧操作によって押しボタンの位置が変化するため、基板上に固定配置されたLEDと押しボタンとの距離が変化してしまう。このため、押しボタンの押圧操作の前後で押しボタンを透過する光の強さが変化してしまうとう問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、押圧操作部を透過する光の強さを安定させることができるスイッチおよびこのスイッチを備えた照明ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるスイッチは、押圧部を押圧操作可能にする押圧操作部を有するスイッチにおいて、フレキシブルプリント配線板に載置され、かつ前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれるLEDを有し、前記押圧操作部は、前記LEDによって発せられた光を該押圧操作部の操作面側に透過する透過部を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2にかかるスイッチは、上記の発明において、前記押圧操作部あるいは前記押圧部は、前記LEDを前記押圧操作部と前記押圧部とで挟み込んで、前記押圧操作部と前記押圧部とを連結させる連結部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3にかかるスイッチは、上記の発明において、前記LEDは、前記押圧操作部の直下に設けられ、かつ押圧操作部に接するように前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4にかかる照明ユニットは、請求項1に記載のスイッチを備え、該スイッチの押圧操作によって照明部の点灯および消灯を切り替える照明ユニットであって、前記フレキシブル配線板は、前記スイッチと前記照明部とに接続する第1の接続部と、前記フレキシブル配線板に設けられたスリットによって前記第1の接続部と分岐された第2の接続部と、を有し、前記LEDは、前記第2の接続部に載置され、かつ前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1にかかるスイッチは、押圧操作部と押圧部とに挟まれたLEDによって発せられた光が、押圧操作部の操作面側に透過するので、押圧操作部が、押圧操作されたとしても、押圧操作の前後で押圧操作部とLEDとの距離が変わらない。従って、押圧操作部の押圧操作に関わらず、押圧操作部を透過する光の強さを安定させることができる。
【0011】
本発明の請求項2にかかるスイッチは、連結部が、LEDを押圧操作部と押圧部とで挟み込んで押圧操作部と押圧部とを連結しているので、LEDを押圧操作部と押圧部とで確実に挟むことができる。
【0012】
本発明の請求項3にかかるスイッチは、LEDが押圧操作部の直下に設けられ、かつ押圧操作部に接するように押圧操作部と押圧部とに挟まれているので、少ない光量で透過部を発光させることができる。しかも、光漏れを少なく抑えることもできる。
【0013】
本発明の請求項4にかかる照明ユニットは、第2の接続部がスリットを設けることによって第1の接続部と分岐されているので、第1の接続部と同一のフレキシブル配線板上にLEDを配置することができる。このため、部品点数を少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるスイッチおよび照明ユニットを適用した照明装置を示したものである。
【図2】図2は、照明装置の分解斜視図である。
【図3】図3は、スイッチ操作部の拡大斜視図である。
【図4】図4は、照明ユニットを示す斜視図である。
【図5】図5は、照明ユニットの分解斜視図である。
【図6】図6は、照明ユニットの照明LED配置前の状態を説明するための図である。
【図7】図7は、照明装置の上面図である。
【図8】図8は、図7に示した照明装置のA−A断面図の一部を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明にかかるスイッチおよび照明ユニットの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態であるスイッチおよび照明ユニットを適用した照明装置を示したものである。図2は、図1に示した照明装置の分解斜視図である。照明装置1は、例えば、車内の天井に配置され、車内を照明するものである。照明装置1は、図2に示すように意匠部10と、ハウジング20と、照明機能部30とを有する。照明装置1は、押圧操作部としてのスイッチ操作部13を押圧操作することによって、照明の点灯あるいは消灯を行うものである。
【0017】
意匠部10は、ベゼル11と、レンズ体12と、スイッチ操作部13とを有する。ベゼル11は、外形が長方形状をなし、中央にはレンズ用凹部11aが形成され、左右外側位置には操作収容孔11bがそれぞれ形成されている。レンズ用凹部11aには、3つの照明用孔11cが開口されている。レンズ体12は、レンズ用凹部11aの室内側に取り付けられる。
【0018】
スイッチ操作部13は、後述するスイッチ機構80と連結され、スイッチ機構80の押圧部を押圧操作するための操作部である。スイッチ操作部13は、押圧操作可能に操作収容孔11bに収容されている。スイッチ操作部13は、例えば、光を透過可能な光拡散材からなり、図3に示すように、光を透過する透過部としての表示部13aと、光を透過しない塗装部13bとを有する。スイッチ操作部13は、光を透過しない塗料を表面に施してある。表示部13aは、後述する照明LED80eによって発せられた光をスイッチ操作部13の操作面S側に透過する透過部である。表示部13aは、操作面Sの中央位置に配置されている。表示部13aは、例えばレーザ照射によって表面の塗料をはがすことによって形成される。
【0019】
ハウジング20は、ベゼル11の左右外側の操作収容孔11bに対応する位置に方形状のスイッチ突出孔20aが開口されている。ハウジング20は、ベゼル11の3つの照明用孔11cに対応する位置に照明用開口部20bを有する。ハウジング20は、図示しない係止部によってベゼル11に取り付けられる。
【0020】
照明機能部30は、図2に示すように、電球等により実現される第1照明部40と、2つの第2照明部50と、2つのスイッチ機能部60とを有する。第1照明部40および第2照明部50は、スイッチ機能部60に電気的に接続している。第2照明部50とスイッチ機能部60とは、フレキシブルプリント配線板70(以下、FPCという。)を介して電気的に接続されている。第1照明部40、第2照明部50のそれぞれは、照明用孔11cに対応する位置に配置され、各照明部からの照明光はレンズ体12を通って室内に照射される。
【0021】
ここで、図4〜図6を用いて照明ユニット100について説明する。図4は、照明ユニットを示す斜視図である。図5は、照明ユニットの分解斜視図である。図6は、照明ユニットの照明LED配置前の状態を説明するための図である。
【0022】
照明ユニット100は、図4に示すように、FPC70と、第2の照明部50と、スイッチ機能部60とを有する。
【0023】
FPC70は、図6に示すように、スイッチ実装部70aと、照明実装部70bと、第1の接続部としての第1帯状部70cと、第2の接続部としての第2帯状部70dと、LED実装部70fとを有する。FPC70は、第1帯状部70cの一端にスイッチ実装部70aが連成され、他端に照明実装部70bが連成されている。第2帯状部70dは、FPC70に設けられたスリット70eによって第1帯状部70cと分岐されている。第2帯状部70dは、スイッチ実装部70aの近傍から延在した帯状部分の万端にLED実装部70fが連成されている。
【0024】
第2の照明部50は、図5に示すように、照明実装部70bに実装されるLED50aと、LED50aを覆う外形半球状のレンズ50bと、アルミプレート等により実現され、照明実装部70bが載置される放熱板50cと、レンズ50bを突出させるように放熱板50cに嵌合するレンズホルダ50dとを有する。
【0025】
スイッチ機能部60は、スイッチ実装部70aに実装されるスイッチ機構80と、スイッチ実装部70aを収容するスイッチハウジング60aと、スイッチカバー60bとを有する。
【0026】
スイッチ機構80は、スイッチ本体部80aと、案内部80bと、胴部80cと、頭部80dとを有する。スイッチ本体部80aは、内部に端子等を有している。スイッチ本体部80aは、電源との接続機能をなしている。案内部80bは、スイッチ本体部80aの上部に突出し、胴部80cを上下移動可能に案内する。頭部80dは、断面方形状をなし、胴部80cの上部に設けられる。頭部80dは、押圧部として、スイッチ操作部13による押圧操作によって押圧される部分である。
【0027】
また、スイッチ機構80は、LEDによって実現される照明LED80eを有する。照明LED80eは、断面方形状をなし、LED実装部70fに実装された状態で、頭部80dの上面に設けられる。ここで、第2帯状部70dは、図5に示すように、上方へ折り曲げられて頭部80dの上面まで延びた状態となる。なお、第2帯状部70dは、頭部80dの上下移動に対応できるようにゆとりをもたせた長さに設定される。スイッチ機構80は、スイッチハウジング60a底面に設けられたバスバー60cを介して車体側の電源に接続される。照明LED80eは、第2帯状部70dを介して電気的に接続されている。
【0028】
スイッチカバー60bは、スイッチ機構80を突出させるようにスイッチハウジング60aに嵌合するものである。スイッチカバー60bは、スイッチ機構80を突出させるためのスイッチ用開口部60dが形成されている。スイッチ用開口部60dは、FPC用開口部60eを有する。FPC用開口部60eは、第2帯状部70dを頭部80dに延在させるためにスイッチ用開口部60dの開口を広げた部分である。
【0029】
次に、意匠部10と、ハウジング20と、照明機能部30とが取り付けられた状態について図7および図8を用いて説明する。図7は、照明装置1の上面図である。また、図8は、図7に示した照明装置1のA−A断面図の一部を示した図である。
【0030】
スイッチ操作部13は、図8に示すように、連結部13eを有する。連結部13eは、照明LED80eの上面と接する平らな面を形成された当接部13c、および断面鉤状をなして頭部80dの下部に掛かる鉤部13dを有する。連結部13eは、スイッチ操作部13の当接部13cと頭部80dの上面とで照明LED80eを挟み込んで、スイッチ操作部13と頭部80dとを連結させるものである。照明LED80eは、スイッチ操作部13の直下に設けられ、かつスイッチ操作部13の当接部13cに接するようにスイッチ操作部13と頭部80dとに挟まれている。
【0031】
ここで、スイッチ操作部13と、スイッチ機構80の取り付けの際、例えば、両面テープを用いて頭部80dの上面に照明LED80eを仮固定しておくとよい。この場合、照明LED80eが、スイッチ操作部13と頭部80dとに挟みこまれるように組みつけられることによって本固定される。
【0032】
図8に示すように意匠部10と、ハウジング20と、照明機能部30とが取り付けられると、スイッチ操作部13を押圧した際、照明LED80eはスイッチ操作部13の直下、且つスイッチ操作部13に接した状態を維持したまま移動する。すなわち、押圧操作されても、表示部13aと照明LED80eとの距離が一定に維持されることになる。このため、スイッチ機構80とスイッチ操作部13とが連結したスイッチ90は、スイッチとして機能している。
【0033】
この実施の形態では、スイッチ操作部13と頭部80dとに挟まれ、スイッチ操作部13に接した状態の照明LED80eによって発せられた光が、スイッチ操作部13の操作面S側に透過するので、スイッチ操作部13が押圧操作されたとしても、押圧操作の前後でスイッチ操作部13と照明LED80eとの距離が変わらない。従って、スイッチ操作部13を透過する光の強さを安定させることができる。
【0034】
また、この実施の形態では、連結部13eが、照明LED80eをスイッチ操作部13と頭部80dとで挟み込んでスイッチ操作部13と頭部80dとを連結しているので、照明LED80eをスイッチ操作部13と頭部80dとで確実に挟むことができる。
【0035】
さらに、この実施の形態では、照明LED80eがスイッチ操作部13の直下、且つスイッチ操作部13に接した位置に配置されているので、少ない光量で表示部13aを発光させることができる。しかも、光漏れを少なく抑えることもできる。
【0036】
また、この実施の形態では、第2帯状部70dは、スリット70eを設けることによって第1帯状部70cと分岐されているので、第1の帯上部70cと同一のFPC70上に照明LED80eを配置することができる。このため、部品点数を少なく抑えることができる。
【0037】
なお、この実施の形態では、表示部13aが操作面Sの中央位置に配置されているものを例示したが、これに限らず、照明LED80eによって発せられた光をスイッチ操作部13の操作面S側に透過することができればよい。例えば、表示部13aが、操作面Sの中央位置よりも上側よりに配置されてもかまわない。
【0038】
また、この実施の形態では、スイッチ操作部13は、光を透過可能な光拡散材を用いるものを例示したが、これに限らず、照明LED80eによって発せられた光をスイッチ操作部13の操作面S側に透過する透過部を有していればよい。
【0039】
さらに、この実施の形態では、スイッチ操作部13が有する連結部13eによって、照明LED80eをスイッチ操作部13と頭部80dとで挟み込んで、スイッチ操作部13と頭部80dとを連結させるものを例示したが、これに限らず、照明LED80eがスイッチ操作部13と頭部80dとに挟まれていればよい。例えば、頭部80d側に鉤部等を設けるようにして、スイッチ操作部13と頭部80dとで照明LED80eを挟み込んで、スイッチ操作部13と頭部80dとを連結させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 照明装置
10 意匠部
11 ベゼル
11a レンズ用凹部
11b 操作収容孔
11c 照明用孔
12 レンズ体
13 スイッチ操作部
13a 表示部
13b 塗装部
13c 当接部
13d 鉤部
13e 連結部
20 ハウジング
20a スイッチ突出孔
20b 照明用開口部
30 照明機能部
40 第1照明部
50 第2照明部
50a LED
50b レンズ
50c 放熱板
60 スイッチ機能部
60a スイッチハウジング
60b スイッチカバー
60c バスバー
60d スイッチ用開口部
60e FPC用開口部
70 FPC
70a スイッチ実装部
70b 照明実装部
70c 第1帯状部
70d 第2帯状部
70e スリット
70f LED実装部
80 スイッチ機構
80a スイッチ本体部
80b 案内部
80c 胴部
80d 頭部
80e 照明LED
90 スイッチ
100 照明ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧部を押圧操作可能にする押圧操作部を有するスイッチにおいて、
フレキシブルプリント配線板に載置され、かつ前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれるLEDを有し、
前記押圧操作部は、前記LEDによって発せられた光を該押圧操作部の操作面側に透過する透過部を有することを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記押圧操作部あるいは前記押圧部は、前記LEDを前記押圧操作部と前記押圧部とで挟み込んで、前記押圧操作部と前記押圧部とを連結させる連結部を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記LEDは、前記押圧操作部の直下に設けられ、かつ押圧操作部に接するように前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチを備え、該スイッチの押圧操作によって照明部の点灯および消灯を切り替える照明ユニットであって、
前記フレキシブル配線板は、前記スイッチと前記照明部とに接続する第1の接続部と、
前記フレキシブル配線板に設けられたスリットによって前記第1の接続部と分岐された第2の接続部と、
を有し、
前記LEDは、前記第2の接続部に載置され、かつ前記押圧操作部と前記押圧部とに挟まれることを特徴とする照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−15014(P2012−15014A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151929(P2010−151929)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】