説明

スイッチモジュール

【課題】プリント回路板が、その厚さが許容公差を受けるにも拘らず、遊び無しにて保持される。
【解決手段】スイッチモジュールは、その上を少なくとも1つの操作ボタン又は操作ロッカーが可動に案内されるスイッチハウジング10を有する。スイッチモジュールは、スイッチハウジング10内に配置され、その上にスイッチング接点を有する導体路が形成されたプリント回路板12と、導体路の上に休止するスイッチングマット14と、操作ボタン又は操作ロッカーのストロークをスイッチングマット14に伝達する作動要素とを更に備えている。スイッチングマット14はプリント回路板12の外端縁の回りに形態嵌めにて係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その上を少なくとも1つの操作ボタン又は操作ロッカーが可動に案内されるスイッチハウジングと、該スイッチハウジング内に配置されて、スイッチング接点を有する導体路を備えるプリント回路板と、導体路上に休止するスイッチングマットと、ボタン又はロッカーのストロークをスイッチングマットに伝達する作動要素とを備えるスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板は、その長さ及び幅の点にて極めて高精度に製造することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、その厚さは、+/−0.1mm以上の顕著な許容公差を受ける。他方、プリント回路板は、スイッチングマットに面するその側部にてスイッチハウジングに画成された支持体を有し、一定の作動ストロークを保証する必要がある。プリント回路板は、スイッチングマットに対向する位置にあるその面にて保持フレーム又は同様のものによって支持されている。保持フレームがねじ締結によってスイッチハウジングと接続され、プリント回路板がその厚さが許容公差を受けるにも拘らず、遊び無しにて保持される。スイッチモジュールのこの従来の構造において、簡単な戻り止め接続部を使用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に従い、当初に記載した型式のスイッチモジュールにおいて、スイッチングマットはプリント回路板の外端縁を形態嵌め(form fit)にて抱持する。このため、スイッチングマットは、2つの補助的な機能を有する。一方にて、その弾性的性質を通じて、該スイッチングマットは許容公差の補償を可能にする。他方、スイッチングマットの外周はシールとして作用する。このとき、プリント回路板は、スイッチハウジングにおける支持体と、保持フレームとの間に締め止めすることができ、保持フレームは、単純な戻り止め接続部によってスイッチハウジングと接続することができる。スイッチングマットは、スイッチハウジングの支持体とプリント回路板との間のその領域内に僅か10分の数mmの極めて減少した厚さを有し、このためプリント回路板はスイッチハウジングに対して画成された位置に位置する。
【0005】
本発明の更なる特徴及び有利な効果は、添付図面に関する好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面に示したスイッチモジュールは、車のシールド内に取り付けられる多重スイッチである。スイッチモジュールは、プラスチックで出来たほぼ平行6面体の形状のスイッチハウジング10を有する。ボタンの案内部(図示せず)は、スイッチハウジング10に形成されている。ボタンに面するその面に導体路及びスイッチング接点が設けられたプリント回路板12は、スイッチハウジング10に挿入される。スイッチングマット14は、導体路及びスイッチング接点上に休止する。スイッチングマット14はエラストマー材料で出来ている。スイッチングマットには、関係した接点対の上に位置するその表面に接点ピルを有する形成されたスッチングドーム16が設けられている。スイッチングドーム16は、プランジャ又は同様のもののような操作要素(図示せず)により関係したボタン又は操作ロッカーと接続されている。プリント回路板12は、スイッチハウジング10における支持体と、ディテント接続部(戻り止め接続部)によってスイッチハウジング10と接続された保持フレーム18との間にてスイッチングマット14により締め止めされている。
【0007】
図1aからより明確に理解し得るように、スイッチングマット14は、プリント回路板12の外端縁を形態嵌め(form fit)によってその外周に抱持する。スイッチングマット14の外周は、スイッチハウジング10の内面に対して面一に位置している。保持フレーム18は、スイッチハウジング10の壁のディテント窓部(戻り止め窓部)10a内に係合するディテント先端部(戻り止め先端部)18aを有している。更に、支持リブ18bがディテント先端部(戻り止め先端部)18aに形成され、該支持リブ18bにてスイッチングマット14の端縁14aが休止し、該スイッチングマットは、プリント回路板12を抱持する。図2aから、スイッチハウジング10におけるスイッチングマット及びプリント回路板の支持体は、スイッチハウジング10に形成された支持リブ10bによって形成されることが理解できる。スイッチングマット14の厚さは、プリント回路板12と支持リブ10bとの間のその領域内にて著しく減少する。この厚さは、10分の数mmにしか過ぎない。これにより、スイッチハウジング10に対してプリント回路板12の良好に画成された支持位置は保証される。
【0008】
保持フレーム18は、ディテント接続部(戻り止め接続部)によって保持フレーム18と接続された一体化したプラグ室により基部分20を取り囲む。更なるプリント回路板22が保持フレーム18と基部分20との間に締め止めされている。プリント回路板22には、接続プラグ(図示せず)に対する接点要素が設けられている。
【0009】
プリント回路板12は、スイッチハウジング10に対して良好に画成された軸受位置を有するが、その厚さは許容公差を受け、それは、プリント回路板はスイッチングマット14と保持フレーム18の支持リブ18bとの間にて弾性的に締め止めされ、プリント回路板12と支持リブ18bとの間のスイッチングマット14の周縁領域14aは弾性的に圧縮されるからである。このようにして、プリント回路板12の厚さに対して許容公差の補償が為されるのみならず、プリント回路板12はスイッチハウジング10に対して密封される。許容公差の補償のため、保持フレーム18とスイッチハウジング10との戻り止め接続は容易に可能である。
【0010】
スイッチモジュールの簡略化した実施の形態において、第二のプリント回路板22は廃止され、保持フレーム18に代えて、基部分20はスイッチハウジング10と直接接続されている。基部分20における戻り止め先端部は、スイッチハウジング10の戻り止め窓部及び保持フレーム18の戻り止め窓部と合わさるように形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】スイッチモジュールの軸方向断面図である。
【図1a】図1の拡大部分「A」の図である。
【図2】図1に対して90°回転させた平面におけるスイッチモジュールの軸方向断面図である。
【図2a】図2の部分「A」の拡大図である。
【符号の説明】
【0012】
10 スイッチハウジング
10a ディテント(戻り止め)窓部
10b 支持リブ
12 プリント回路板
14 スイッチングマット
14a スイッチングマットの端縁、周縁領域
18 保持フレーム
18a ディテント(戻り止め)先端部
18b 支持リブ
20 基部分
22 第二のプリント回路板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上を少なくとも1つの操作ボタン又は操作ロッカーが可動に案内されるスイッチハウジング(10)と、
スイッチハウジング(10)内に配置され、スイッチング接点を有する導体路を備えるプリント回路板(12)と、
導体路上に休止するスイッチングマット(14)と、
操作ボタン又は操作ロッカーのストロークをスイッチングマット(14)に伝達する作動要素とを備える、スイッチモジュールにおいて、
スイッチングマット(14)は、プリント回路板(12)の外端縁の回りに形態嵌めにて係合することを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチモジュールにおいて、プリント回路板(12)を有するスイッチングマット(14)は、スイッチハウジング(10)における支持体と、スイッチハウジング(10)と接続された保持フレーム(18)又は基部分(20)との間にて締め止めされることを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチモジュールにおいて、スイッチハウジング(10)における支持体は、成形した支持リブ(10b)と、支持リブ(10b)とプリント回路板(12)との間にて減少した厚さを有するスイッチングマット(14)とにより形成されることを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のスイッチモジュールにおいて、保持フレーム(18)又は基部分(20)は、戻り止め接続部によってスイッチハウジング(10)に締結されることを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つの項に記載のスイッチモジュールにおいて、スイッチングマット(14)の外周は、スイッチハウジング(10)の内面に対して面一に位置することを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項6】
請求項2ないし5の何れか1つの項に記載のスイッチモジュールにおいて、保持フレーム(18)又は基部分(20)は、スイッチングマット(14)の外端縁に対向する位置に支持リブ(18b)を有することを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項7】
請求項2ないし6の何れか1つの項に記載のスイッチモジュールにおいて、保持フレーム(18)は、一体化したプラグ室を有する基部分(20)を取り囲み、基部分(20)は、戻り止め接続部によって保持フレーム(18)と接続され、接点要素を有する更なるプリント回路板(22)が保持フレーム(18)と基部分(20)との間にて締め止めされることを特徴とする、スイッチモジュール。
【請求項8】
請求項2ないし6の何れか1つの項に記載のスイッチモジュールにおいて、基部分(20)は、スイッチハウジング(10)の相応する戻り止め要素(10a)及び保持フレーム(18)の相応する戻り止め要素の双方と適合する構造とされることを特徴とする、スイッチモジュール。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図2a】
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【公開番号】特開2007−258173(P2007−258173A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−70044(P2007−70044)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(597013146)ティーアールダブリュー・オートモーティブ・エレクトロニクス・アンド・コンポーネンツ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (51)
【住所又は居所原語表記】Industriestr.2−8,78315 Radolfzell,Germany
【Fターム(参考)】