説明

スイッチング電源制御システムおよび携帯端末

【課題】入力電圧を昇圧および降圧可能な電源制御システムにおいて、不安定な出力を回避する手段を提供する。
【解決手段】誤差出力モニタ13において、コンパレータが誤差増幅器9の出力と昇圧動作時のDuty検出レベルとを比較する。コンパレータが、誤差増幅器9の出力と降圧動作時のDuty検出レベルとを比較する。それぞれのコンパレータの出力は、それぞれチャタリング除去回路を介して安定した状態になってから出力される。誤差増幅器9の出力が昇圧動作時のDuty検出レベルよりも高い場合、電源制御判定手段14は降圧DC−DCブロック5をオフにする。一方、誤差増幅器9の出力が降圧動作時のDuty検出レベルよりも低い場合、電源制御判定手段14は昇圧DC−DCブロック6をオフにする。電源制御判定手段14は、クランプ回路15に指令を与えて、降圧DC−DCブロック5および昇圧DC−DCブロック6への三角波の供給を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧動作および降圧動作を切り替えるスイッチング電源制御システムおよびスイッチング電源回路を備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を行う携帯電話機をはじめとする携帯機器において、高性能化及び多機能化が進んでいる。しかし、携帯機器に多くの機能を備えるためにはその分の機能デバイスが必要となり、それぞれの機能デバイスに対応した電源電圧も必要となる。特に、電力増幅器(以下、パワーアンプという。)の電源に関しては、その送信電力に対応した出力電圧および出力電流が必要とされている。
【0003】
近年、通信の高速化に対応して、携帯機器の最大送信電力は増加の傾向にある。また、電池等の電源電圧が低下することもあり、必要な電力を得るためには電池等の電圧には関係なく、送信電力に応じた電圧をダイナミックにかつ効率よくパワーアンプに提供しなければならない。
【0004】
また、電池電圧の長寿命化および高性能化も進んでいる。例えば、従来のリチウムイオン電池の電圧範囲は3.2〜4.2Vであったが、最近では2.7〜4.5Vの広範囲になってきている。3V系の機能デバイスを使用する際にも、電池電圧が高い場合は降圧し、電池電圧が低い場合は昇圧しなければならなくなってきている。そのような場合において、例えばスイッチング電源は、効率よく任意の電圧を生成するのに有用な電源である。
【0005】
使用する電源電圧がリチウムイオン電池等の電圧範囲よりも小さい場合、または大きい場合であれば、スイッチング電源は、例えばレギュレータや単機能の電源構成で実現することができる。しかし、使用される電源電圧が電池電源の範囲にある場合や、パワーアンプなどのように電池電圧範囲を含む電圧をダイナミックに変化させる必要がある場合には、複合的な電源が必要とされる。そのような場合、ひとつの手段として昇降圧DC−DCコンバータが用いられている(特許文献1参照)。
【0006】
例えば、特許文献1には、昇圧モードと降圧モードとが切り替わる際に、出力電圧変動による誤動作を発生しないように構成された昇降圧DC−DCコンバータが記載されている。昇降圧DC−DCコンバータは、動作モードの切り替わる入力電圧が入力電圧を低下させた場合と入力電圧を上昇させた場合とで異なるように構成されている。そのように構成することによって、昇降圧DC−DCコンバータは、動作モードの切り替わり時の出力電圧変動によって2つの動作モードを繰り返すといった誤動作を回避することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−045943号公報(段落0038、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、昇降圧DC−DCコンバータは、急峻な負荷変動などによって出力電圧が降圧動作領域と昇圧動作領域との間で急激に揺れてしまうと、昇降圧動作が同時に、または連続的に発生してしまう。そのような場合、例えば特許文献1に記載されている昇降圧DC−DCコンバータでは、一時的に昇圧コンバータまたは降圧コンバータが動作し、出力電圧にオーバーシュートまたはアンダーシュートが発生してしまう。その結果、出力電圧が不安定になってしまうことがある。
【0009】
一般的な同期整流型の昇降圧DC−DCコンバータの構成について説明する。図8は、従来の同期整流型の昇降圧DC−DCコンバータの構成を簡略化して示すシステム構成図である。図8に示されているように、昇降圧DC−DCコンバータは、降圧DC−DCブロック5と昇圧DC−DCブロック6とを備える。具体的には、昇降圧DC−DCコンバータは、昇降圧DC−DCコンバータの入力電源(例えばリチウムイオン電池)1と、入力の電位を安定させるための入力側のコンデンサ2と、エネルギーの蓄積および放出を実行するためのコイル3と、出力電圧を安定させるための出力側のコンデンサ4と、入力電圧を降圧する降圧DC−DCブロック5と、入力電圧を昇圧する昇圧DC−DCブロック6と、PWM制御を行うための発振回路(OSC)7と、OSC7の昇圧側専用のクロックに対してオフセットと位相制御を行う制御ブロック8と、出力電圧Voutから分圧した電圧と基準電圧源10の基準電圧との差を増幅させる誤差増幅器9と、出力電圧Voutを分圧するブリーダ抵抗11,12と、出力端子20とを含む。なお、以下、出力端子20における出力電圧Voutは入力電源1の電圧の範囲内にあり、一定の出力電圧を有するものとする。
【0010】
降圧DC−DCブロック5は、スイッチング素子51,52と、それぞれのスイッチング素子を駆動させるための駆動回路53,54と、OSC7が発生した三角波と誤差増幅器9の出力とからPWM信号を生成する比較器(以下、コンパレータという。)55とを含む。降圧DC−DCブロック5は、入力電源1の電圧を降圧する機能を有する。
【0011】
スイッチング素子51として、例えばnpnトランジスタが用いられる。スイッチング素子51のエミッタは入力電源1に、コレクタはコイル3に、ベースは駆動回路53にそれぞれ接続されている。
【0012】
スイッチング素子52として、例えばpnpトランジスタが用いられる。スイッチング素子52のエミッタは接地され、コレクタはコイル3に、ベースは駆動回路54にそれぞれ接続されている。
【0013】
コンパレータ55は、パルス信号(PWM信号)を出力する。スイッチング素子51,52は、コンパレータ55の出力で制御される。コンパレータ55の非反転入力端子に誤差増幅器9からの信号が入力され、反転入力端子にOSC7からの三角波が入力される。
【0014】
昇圧DC−DCブロック6は、スイッチング素子61,62と、それぞれのスイッチング素子を駆動させるための駆動回路63,64と、OSC7が発生した三角波と誤差増幅器9の出力とからPWM信号を生成するコンパレータ65とを含む。昇圧DC−DCブロック6は、入力電源1の電圧を昇圧する機能を有する。
【0015】
スイッチング素子61として、例えばnpnトランジスタが用いられる。スイッチング素子61のエミッタは出力端子20に、コレクタはコイル3に、ベースは駆動回路63にそれぞれ接続されている。
【0016】
スイッチング素子62として、例えばpnpトランジスタが用いられる。スイッチング素子62のエミッタは接地され、コレクタはコイル3とスイッチング素子61のコレクタとの間に、ベースは駆動回路64にそれぞれ接続されている。
【0017】
コンパレータ65は、パルス信号(PWM信号)を出力する。スイッチング素子61,62は、コンパレータ65の出力で制御される。コンパレータ65は、具体的には、非反転入力端子に誤差増幅器9からの信号が入力され、反転入力端子にOSC7からのオフセットおよび位相制御された三角波が入力される。
【0018】
なお、図8に示す構成では昇圧DC−DCブロック6側で三角波のオフセットと位相制御を行っているが、三角波のオフセットと位相制御を、降圧DC−DCブロック5側で実行してもよい。また、入力側のコンデンサ2および出力側のコンデンサ3の種類は特に規定されない。昇降圧DC−DCコンバータが利用されるシステムに応じて適宜決定される。
【0019】
図9は、図8に示された昇降圧DC−DCコンバータの動作を示すチャートである。図9には、OSC7から出力された三角波と誤差増幅器9から出力された出力信号(以下、誤差増幅器出力21という。)との関係が示されている。図9に示されているように、昇圧動作(昇圧DC−DCブロック)における三角波の電位は、降圧動作(降圧DC−DCブロック)における三角波の電位に比べ高く設定されている。また、降圧動作の三角波(以下、降圧側三角波23という。)の上限電圧と昇圧動作の三角波(以下、昇圧側三角波22という。)の下限電圧とは、互いに重なり合わず、かつ、離れすぎていないことを前提とする。
【0020】
以下、誤差増幅器出力21が降圧側三角波23の範囲内に存在する領域を降圧動作領域という。また、誤差増幅器出力21が昇圧側三角波22の範囲内に存在する領域を昇圧動作領域という。そして、図9に示されているように降圧動作領域と昇圧動作領域とが重複している部分を昇降圧動作領域という。
【0021】
出力電圧Voutが入力電圧よりも低い場合、すなわち降圧動作領域の場合、誤差増幅器9の出力は、下側の三角波(降圧側三角波23)の範囲内にある。そのような場合、コンパレータ55による誤差増幅器出力21とOSC7から出力される三角波との比較結果が、降圧用のスイッチング信号としてスイッチング素子51,52へ供給される。すなわち、降圧DC−DCブロック5は、PWM制御を行っている。なお、降圧動作領域において誤差増幅器出力21が降圧側三角波23よりも小さい場合、降圧PWM出力24(すなわち、スイッチング素子51,52のゲート信号)は「H」になる。
【0022】
また、降圧動作領域では、昇圧側三角波22が誤差増幅器出力21に比べ常に高いレベルにある。そのような場合、昇圧PWM出力25(すなわち、スイッチング素子61,62のゲート信号)は、常に「L」になる。したがって、昇圧DC−DCブロック6では、スイッチング素子61が「オン」、スイッチング素子62が「オフ」の状態に固定され、降圧側の出力がそのままVoutとして出力される。
【0023】
一方、出力電圧Voutが入力電圧よりも高い場合、すなわち昇圧動作領域の場合、誤差増幅器9の出力は、上側の三角波(昇圧側三角波22)の範囲内にある。そのような場合、コンパレータ65による誤差増幅器出力21とOSC7から出力される三角波との比較結果が、昇圧用のスイッチング信号としてスイッチング素子61,62へ供給される。すなわち、昇圧DC−DCブロック6は、PWM制御を行っている。なお、昇圧動作領域において誤差増幅器出力21が昇圧側三角波22よりも小さい場合、昇圧PWM出力25(すなわち、スイッチング素子61,62のゲート信号)は「L」になる。
【0024】
また、昇圧動作領域では、降圧側三角波23が誤差増幅器出力21に比べ常に低いレベルにある。そのような場合、降圧PWM出力24は、常に「L」になる。したがって、降圧DC−DCブロック5では、スイッチング素子51が「オン」,スイッチング素子52が「オフ」の状態に固定される。昇降圧DC−DCコンバータは、入力側の電圧をそのままコイル3に入力し、昇圧DC−DCブロック6によって電圧を昇圧する。
【0025】
以上のように、昇降圧DC−DCコンバータは、理想の状態では図9に示されているような動作を実行する。
【0026】
次に、出力電圧Voutが負荷変動などによって一時的に変動する場合について説明する。図10は、降圧動作時に負荷の変動などによって出力電圧Voutが降下した場合に発生する不安定な動作の一例を示す説明図である。
【0027】
出力電圧Voutが降下したとき、まず出力電圧Voutはブリーダ抵抗を介して誤差増幅器9に入力される。一定の基準に対して出力電圧30は下側(低電圧側)にずれるため、出力電圧を上げようとして誤差増幅器出力21の出力レベルは高くなる。その場合、この時のレベル(誤差増幅器出力21)が昇圧側三角波にかかってしまい、図10におけるBに示すように、一時的に昇圧動作が起こってしまう。それによって、一時的に降下した出力電圧30は、昇圧動作によって規定の電圧を超え、オーバーシュートしてしまう。
【0028】
降圧動作時に一時的な昇圧動作が動作することは、出力電圧が不安定になってしまうとともに、昇圧するために電荷を一時的にGND(接地)レベルに捨てることになるため、消費電力的にも不利である。
【0029】
そこで、本発明は、急峻な負荷変動などによって出力電圧が降圧動作領域と昇圧動作領域との間で急激に揺れてしまう場合であっても出力電圧を安定させることができ、消費電力を節減できるスイッチング電源制御システムおよび携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明によるスイッチング電源制御システムは、出力電圧値と基準電圧値とを比較して誤差電圧値を出力する誤差電圧値出力手段を備えたスイッチング電源制御システムであって、入力電圧を降圧する降圧手段と、入力電圧を昇圧する昇圧手段と、誤差電圧値を昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値(例えば、図4における降圧動作時Duty検出レベル19に相当する)および降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値(例えば、図4における昇圧動作時Duty検出レベル18に相当する)とそれぞれ比較し、比較結果を示す信号を出力する誤差電圧値比較手段と、誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、信号に含まれる振動成分を除去した補正信号を出力する信号安定化手段と、信号安定化手段が出力した補正信号に基づいて、昇圧手段および降圧手段のそれぞれの動作を制御する動作制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】
信号安定化手段は、誤差電圧値比較手段が出力した信号のレベルが所定の時間にわたって同じ出力レベルである場合に、そのレベルの補正信号を出力することが好ましい。その場合、信号安定化手段は、複数段のフリップフロップを含み、初段のフリップフロップは、誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、初段より後段のフリップフロップは、前段のフリップフロップの出力を入力するように構成してもよい。
【0032】
誤差電圧値比較手段は、昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値を生成する昇圧動作基準値生成手段(例えば、図2の降圧動作時Duty検出レベル生成部138)と、降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値を生成する降圧動作基準値生成手段(例えば、図2の昇圧動作時Duty検出レベル生成部137)とを備え、昇圧動作基準値生成手段は、降圧動作基準値生成手段が生成した降圧動作基準値よりも、昇圧動作基準値が小さくなるように生成することが好ましい。
【0033】
動作制御手段は、誤差電圧値が昇圧動作基準値以下の場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、昇圧手段をオフにし、誤差電圧値が昇圧動作基準値を超えた場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、昇圧手段をオンにすることが好ましい。
【0034】
また、動作制御手段は、誤差電圧値が降圧動作基準値以下の場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、降圧手段をオンにし、誤差電圧値が降圧動作基準値を超えた場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、降圧手段をオフにすることが好ましい。
【0035】
また、本発明によるスイッチング電源制御システムは、昇圧手段および降圧手段に供給する三角波を生成する三角波生成手段を備えたスイッチング電源制御システムであって、動作制御手段が、三角波生成手段が出力した三角波の供給を制御する三角波供給制御手段を備え、三角波供給制御手段は、昇圧手段がオフの場合には昇圧手段への三角波の供給を停止し、降圧手段がオフの場合には降圧手段への三角波の供給を停止することが好ましい。
【0036】
本発明による好ましい態様のスイッチング電源制御システムは、降圧および昇圧それぞれのDC−DCコンバータのスイッチングのある一定のDutyのレベルをある一定の時間で検出することによって、降圧DC−DC動作、昇圧DC−DC動作および昇降圧DC−DC動作を切り替える。降圧DC−DC動作時にある一定のオンDutyレベル(例えば、図4における降圧動作時Duty検出レベル19)を超えると、昇圧DC−DCのブロックの電源を入れるとともにオシレータ(例えば、図1のOSC7)から三角波を供給する。さらに昇圧DC−DC動作で、ある一定のDutyレベル(例えば、図4における昇圧動作時Duty検出レベル18)が確保されると降圧DC−DC動作ブロックの電源をオフにして、オシレータからの三角波の供給を止める。
【0037】
このことによって、常に昇圧DC−DCコンバータブロックおよび、降圧DC−DCコンバータブロックの両方を動作させておく必要がなくなる。その結果、入力電圧と出力電圧が近い場合や、このDC−DCコンバータの消費電流に比べはるかに大きい場合以外は、降圧および昇圧、すなわち昇降圧DC−DCコンバータは動作しない。そのため、このコンバータとしては、効率の良い電圧を提供することができるとともに、負荷の変化によって発生する出力電圧の変動をできる限り抑えることができる。
【0038】
本発明による携帯端末は、出力電圧値と基準電圧値とを比較して誤差電圧値を出力する誤差電圧値出力手段を備えた携帯端末であって、入力電圧を降圧する降圧手段と、入力電圧を昇圧する昇圧手段と、誤差電圧値を昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値および降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値とそれぞれ比較し、比較結果を示す信号を出力する誤差電圧値比較手段と、誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、信号に含まれる振動成分を除去した補正信号を出力する信号安定化手段と、信号安定化手段が出力した補正信号に基づいて、昇圧手段および降圧手段のそれぞれの動作を制御する動作制御手段とを含むスイッチング電源回路を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、降圧および昇圧を往来するような出力電圧の変動を抑制することができ、出力電圧を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるスイッチング電源制御システムの一例を示すシステム構成図である。図1に示されているように、本発明による昇降圧DC−DCコンバータ(スイッチング電源回路)は、上述した一般的な昇降圧DC−DCコンバータの構成要素を備え、さらに、誤差増幅器9の出力を受けて規定のDutyのレベル(以下、Duty検出レベルという。)を比較する誤差増幅器出力モニタ13と、誤差増幅器出力モニタ13による判定結果を示した出力信号を受けてそれぞれのDC−DCコンバータブロックの電源制御と三角波の制御を行う電源制御判定手段14と、電源制御判定手段14から信号を受けて回路の切り替えを行うスイッチ16,17と、OSC7からの三角波が入力されていないときの各DC−DCブロックの電位を保つためのクランプ回路15とを備えている。
【0041】
なお、Duty検出レベルとは、各DC−DCブロックを動作させるか否かを判定するためのそれぞれの基準電圧値をいう。例えば誤差増幅器9の出力信号が後述する昇圧動作時のDuty検出レベルを超えた場合、電源制御判定手段は、降圧DC−DCブロック5の動作をオフにする。
【0042】
図2は、誤差増幅器出力モニタ13および電源制御判定手段14の一構成例を示すブロック図である。図2に示されているように、誤差増幅器出力モニタ13は、誤差増幅器9の出力と降圧動作時Duty検出レベル生成部138の出力との出力レベルを比較するコンパレータ131と、コンパレータ131の出力が安定した状態になってから出力するためのチャタリング除去回路132と、チャタリング除去回路132のバッファ出力部133と、誤差増幅器9の出力と昇圧動作時Duty検出レベル生成部137の出力との出力レベルを比較するコンパレータ134と、コンパレータ134の出力が安定した状態になってから出力するためのチャタリング除去回路135と、チャタリング除去回路135のバッファ出力部136とを備える。
【0043】
なお、昇圧動作時Duty検出レベル生成部137の出力は、コンパレータ134の非反転入力端子に入力され、降圧動作時Duty検出レベル生成部138の出力は、コンパレータ131の非反転入力端子に入力される。また、誤差増幅器9の出力は、コンパレータ131,134のそれぞれの反転入力端子に入力される。
【0044】
チャタリング除去回路132,135は、コンパレータの出力信号を安定した状態になってから出力する機能を備える。チャタリング除去回路132,135は、出力電圧Voutが負荷変動などで瞬時的な動作(例えば、コンパレータ131,134の出力が短周期で「H」と「L」を繰り返す振動動作)になったときの誤動作を防止する。すなわち、コンパレータ131,134の出力信号を補正して、補正信号を出力する。なお、チャタリング除去回路132,135として、コンデンサなどの容量を用いたアナログ的な遅延回路を用いてもよいし、フリップフロップなどを用いたデジタル的な回路を用いてもよい。
【0045】
昇圧動作時Duty検出レベル生成部137および降圧動作時Duty検出レベル生成部138は、降圧および昇圧のある一定のDutyの時のレベル(Duty検出レベル)を生成している。各コンパレータは、誤差増幅器9からの出力とそれぞれのDuty検出レベルとを比較する。そして、その比較結果に基づいて、電源制御判定手段14はそれぞれのDC−DCブロックを動作させるか否かを判定する。なお、昇圧動作時のDuty検出レベルは、常に降圧動作のDuty検出レベルよりも高いレベルで設定される。
【0046】
電源制御判定手段14は、誤差増幅器出力モニタ13からの出力を受けてデコードするデコーダ141と、デコード結果に基づいて各DC−DCブロックおよび三角波を制御する電源制御回路142とを備えている。
【0047】
図3は、チャタリング除去回路132またはチャタリング除去回路135の一構成例を示すブロック図である。チャタリング除去回路は、コンパレータの信号変化をフリップフロップ1321〜1323によってモニタする。具体的には、チャタリング除去回路は、それぞれのフリップフロップ1321〜1323の出力を論理回路1325で受け、クロックの区間がすべて同じ論理であれば、フリップフロップ1325のクロックラインに立ち上がり信号を送る。すなわち、チャタリング除去回路は、出力をラッチする回路構成となっている。
【0048】
なお、各フリップフロップ1321〜1323に入力されるクロックに関しては、タイミングを取るために外部から取り込んでもよいし、OSC7からの三角波を利用してもよい。また、図3では3段のフリップフロップが示されているが、チャタリング除去回路は、さらに複数のフリップフロップを含んでいてもよい。チャタリングの除去時間(後述する一定の安定時間。例えば図4参照。)を、フリップフロップの段数で制御してもよい。
【0049】
次に、本発明による昇降圧DC−DCコンバータの動作を説明する。図4は、昇降圧DC−DCコンバータの動作の一例を示す説明図である。図4には、昇圧動作時Duty検出レベル生成部137が生成した昇圧動作時Duty検出レベル18と、降圧動作時Duty検出レベル生成部138が生成した降圧動作時Duty検出レベル19とが示されている。なお、昇圧動作時Duty検出レベル18は、降圧動作を実行するかどうかを判定するための基準レベルである。また、降圧動作時Duty検出レベル19は、昇圧動作を実行するか否かを判定するための基準レベルである。
【0050】
図4に示されているように、降圧動作がある一定のDuty以下(つまり、誤差増幅器出力21のレベルが降圧動作時Duty検出レベル19以下)の場合、昇降圧DC−DCコンバータは昇圧DC−DCブロック6を停止させる。具体的には、昇降圧DC−DCコンバータは、クランプ回路15によって昇圧側への三角波の提供を停止するとともに、スイッチング素子61,62のゲートの信号を「L」にして導通状態にする。そうすることにより、誤差増幅器出力21が降圧動作時Duty検出レベル19以下の場合には、昇圧DC−DCブロック6をオフにすることができる。その結果、三角波の生成回路および昇圧DC−DCブロック6の消費電流を抑制することができる。
【0051】
上述した状態において、入力電源電圧(例えば電池電圧)が低下した場合、または出力電圧Voutを上げる場合、誤差増幅器出力21のレベルが上昇し降圧のPWM動作のDutyが減少していく。そして、誤差増幅器出力21が降圧動作時Duty検出レベル19をこえるとコンパレータ131が反応するが(図4における4a地点)、チャタリング除去回路132によってある一定時間経過するまで信号は出力されない。つまり、コンパレータ131の出力は、ある一定時間安定した状態となった場合に出力される(図4における4b地点)。なお、チャタリング除去回路132における「一定時間」は、具体的にはフリップフロップの段数によって決定される。
【0052】
電源制御判定手段14は、チャタリング除去回路132が出力した信号に基づいて昇圧DC−DCブロック6をオンにするとともに、昇圧側の三角波を昇圧DC−DCブロック6のコンパレータ65に入力し、昇圧動作に移行できるように設定する。
【0053】
さらに入力電源電圧が低下した場合、または、出力電圧Voutを上げるような場合、誤差増幅器出力21のレベルは高くなり、昇圧動作時Duty検出レベル18を超えるとコンパレータ134が反応する(図4における4c地点)。しかし、チャタリング除去回路136によってある一定時間経過するまで信号は出力されない。つまり、コンパレータ134の出力は、ある一定時間安定した状態となった場合に出力される(図4における4d地点)。電源制御判定手段14は、チャタリング除去回路132が出力した信号に基づいて降圧DC−DCブロック5をオフにするとともに、降圧側の三角波をクランプ回路15によって停止する。
【0054】
図5は昇降圧DC−DCコンバータによる他の動作の一例を示す説明図である。図5には、図4の場合とは逆に、出力電圧Voutを下げる場合が示されている。図5に示されているように、昇圧動作においてある一定のDuty以上(つまり、誤差増幅器出力21のレベルが昇圧動作時Duty検出レベル18以上)の場合、昇降圧DC−DCコンバータは降圧DC−DCブロック6を停止させている。具体的には、昇降圧DC−DCコンバータは、クランプ回路15によって降圧側への三角波の提供を停止するとともに、スイッチング素子51のゲートの信号を「L」にして導通状態にしている。そうすることにより、誤差増幅器出力21のレベルが昇圧動作時Duty検出レベル18以上の場合には、降圧DC−DCブロック5をオフにすることができる。また、降圧DC−DCブロック5への三角波の供給を停止して省電力化を図っている。
【0055】
上述した状態から入力電源電圧(例えば電池電圧)が上昇した場合、あるいは出力電圧Voutを下げる場合、誤差増幅器出力のレベルが下がるため、昇圧のPWMのDutyは下がっていく。そして、誤差増幅器出力21のレベルが、昇圧動作時Duty検出レベル18を下回ると、コンパレータ134が反応する(図5における5a地点)。その場合、コンパレータ134の出力は「H」から「L」へと変化する。
【0056】
昇降圧DC−DCコンバータは、チャタリング除去回路135で、ある安定時間で一定になると降圧DC−DCブロック5をオンにするとともに(図5における5b地点)、降圧側の三角波を降圧DC−DCブロック5に供給する。具体的には、昇降圧DC−DCコンバータは、クランプ回路15によって降圧DC−DCブロック5に三角波を供給する。そうすることよって、昇降圧DC−DCコンバータは、降圧動作に移行できるように設定される。
【0057】
さらに入力電源電圧が上昇した場合、もしくは出力電圧を下げるような場合、誤差増幅器出力21のレベルは低くなり、降圧動作時Duty検出レベル19を超える(下回る)とコンパレータ131が反応する(図5における5c地点)。具体的には、図5における5c地点でコンパレータ131の出力は「H」から「L」へと変化する。昇降圧DC−DCコンバータは、チャタリング除去回路132で、ある安定時間で一定になると昇圧DC−DCブロック6をオフにするとともに(図5における5d地点)、昇圧側への三角波の供給をクランプ回路15によって停止し、スイッチング素子61を導通状態にする。
【0058】
以上のように、昇降圧DC−DCコンバータは、チャタリング除去回路132の出力27に基づいて昇圧DC−DCブロック6の動作を制御する。また、昇降圧DC−DCコンバータは、チャタリング除去回路135の出力29に基づいて降圧DC−DCブロック5の動作を制御する。
【0059】
次に、不安定動作時における昇降圧DC−DCコンバータの動作を説明する。図6は、降圧動作時に負荷変動により出力電圧Voutが一時的に降下した場合の昇降圧DC−DCコンバータの動作を示す説明図である。上述したように、負荷変動などによって出力電圧30が一時的に低下した場合には(図6におけるA参照)、一般的な昇降圧DCDCコンバータでは、一時的に昇圧コンバータ(昇圧DC−DCブロック)が動作して出力電圧Voutにオーバーシュートが発生する(図10におけるB参照)。しかし、本発明による昇降圧DC−DCコンバータは、降圧動作時に昇圧DC−DCブロックをオフにしているため、昇圧動作を実行することがない。このため、出力電圧Voutのオーバーシュートは軽減される。
【0060】
また、昇圧DC−DCブロック6をオンにした状態で出力電圧Voutが一時的に降下した場合であっても、昇降圧DC−DCコンバータは、チャタリング除去回路によって昇圧動作へのスイッチングを回避することができる。すなわち、チャタリング除去回路を設けたことによって、昇降圧DC−DCコンバータは、瞬時に降圧動作および昇圧動作を往来するような不安定な動作を回避することができる。
【0061】
図7は、上述した一連の動作をまとめて示す説明図である。なお、降圧レベル検出はチャタリング除去回路132の出力を、昇圧レベル検出はチャタリング除去回路135の出力をそれぞれ表している。降圧動作、昇圧動作および昇圧動作+降圧動作の状態変化は、昇圧動作時Duty検出レベル18と降圧動作時Duty検出レベル19とによって切り替えられる。
【0062】
例えば降圧検出レベル(チャタリング除去回路132の出力27)がL→Hの場合、昇降圧DC−DCコンバータは、昇圧DC−DCブロック6をオンにする。具体的には、図4における4b地点において、昇降圧DC−DCコンバータが昇圧DC−DCブロック6をオンにすることに相当する。
【0063】
以上のように、昇降圧DC−DCコンバータは、完全に降圧動作、もしくは昇圧動作になっているときは他方をオフにして省電力にするとともに、出力電圧Voutの変動による不安定動作を避けることができる。そうすることによって、昇降圧DC−DCコンバータは、入力側の電圧と出力側の電圧に差がありどちらか一方のDC−DCコンバータしか使用しない場合には、他方をオフにするように制御して省電力化回路を実現する。
【0064】
また、従来の昇降圧DC−DCコンバータは常時、降圧および昇圧回路に三角波を入力して回路を動作させていたのに対して、本実施の形態の昇降圧DC−DCコンバータは、明らかに一方のコンバータしか動作しない場合には他方の回路のクロック供給を止める。そうすることで、昇降圧DC−DCコンバータを誤作動しないようにすることができる。また、本実施の形態では、明らかに一方のコンバータしか動作しない場合は他方のコンバータをオフにすることで、余分な消費電流を流さないような省電力化回路を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
入力電圧を昇圧および降圧できる電源制御システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】スイッチング電源制御システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】誤差増幅器出力モニタ13および電源制御判定手段14の一構成例を示すブロック図である。
【図3】チャタリング除去回路の一構成例を示すブロック図である。
【図4】昇降圧DC−DCコンバータの動作の一例を示す説明図である。
【図5】昇降圧DC−DCコンバータの動作の一例を示す説明図である。
【図6】降圧動作時に負荷変動により出力電圧Voutが一時的に降下した場合の昇降圧DC−DCコンバータの動作を示す説明図である。
【図7】一連の動作をまとめて示す説明図である。
【図8】一般的な昇降圧DC−DCコンバータの構成を示すシステム構成図である。
【図9】昇降圧DC−DCコンバータの動作を示すチャートである。
【図10】出力電圧Voutが降下した場合に発生する不安定な動作の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 入力電源
2、4 コンデンサ
3 コイル
5 降圧DC−DCブロック
6 昇圧DC−DCブロック
7 発振回路OSC
8 制御ブロック
9 誤差増幅器
10 基準電圧源
11、12 ブリーダ抵抗
13 誤差増幅器出力モニタ
131、134、55、65 コンパレータ
132、135 チャタリング除去回路
133、136 バッファ出力部
137 昇圧動作時Duty検出レベル生成部
138 降圧動作時Duty検出レベル生成部
1321、1322、1323 フリップフロップ
1325 論理回路
14 電源制御判定手段
141 デコーダ
142 電源制御回路
15 クランプ回路
16、17 スイッチ
18 昇圧動作時Duty検出レベル
19 降圧動作時Duty検出レベル
20 出力端子
21 誤差増幅器出力
22 昇圧側三角波
23 降圧側三角波
24 降圧PWM出力
25 昇圧PWM出力
26 コンパレータ131の出力
27 チャタリング除去回路132の出力
28 コンパレータ134の出力
29 チャタリング除去回路135の出力
30 出力電圧Vout
51、52、61、62 スイッチング素子
53、54、63、64 駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧値と基準電圧値とを比較して誤差電圧値を出力する誤差電圧値出力手段を備えたスイッチング電源制御システムにおいて、
入力電圧を降圧する降圧手段と、
入力電圧を昇圧する昇圧手段と、
前記誤差電圧値を前記昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値および前記降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値とそれぞれ比較し、比較結果を示す信号を出力する誤差電圧値比較手段と、
前記誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、信号に含まれる振動成分を除去した補正信号を出力する信号安定化手段と、
前記信号安定化手段が出力した補正信号に基づいて、前記昇圧手段および前記降圧手段のそれぞれの動作を制御する動作制御手段とを備えた
ことを特徴とするスイッチング電源制御システム。
【請求項2】
信号安定化手段は、誤差電圧値比較手段が出力した信号のレベルが所定の時間にわたって同じ出力レベルである場合に、そのレベルの補正信号を出力する
請求項1記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項3】
信号安定化手段は、複数段のフリップフロップを含み、
初段のフリップフロップは、誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、
初段より後段のフリップフロップは、前段のフリップフロップの出力を入力する
請求項2記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項4】
誤差電圧値比較手段は、
昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値を生成する昇圧動作基準値生成手段と、
降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値を生成する降圧動作基準値生成手段とを備え、
前記昇圧動作基準値生成手段は、前記降圧動作基準値生成手段が生成した降圧動作基準値よりも、前記昇圧動作基準値が小さくなるように生成する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項5】
動作制御手段は、
誤差電圧値が昇圧動作基準値以下の場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、昇圧手段をオフにし、
前記誤差電圧値が前記昇圧動作基準値を超えた場合に前記信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、昇圧手段をオンにする
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項6】
動作制御手段は、
誤差電圧値が降圧動作基準値以下の場合に信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、降圧手段をオンにし、
前記誤差電圧値が前記降圧動作基準値を超えた場合に前記信号安定化手段が出力した信号が変化したときには、降圧手段をオフにする
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項7】
昇圧手段および降圧手段に供給する三角波を生成する三角波生成手段を備えたスイッチング電源制御システムであって、
動作制御手段は、前記三角波生成手段が出力した三角波の供給を制御する三角波供給制御手段を備え、
前記三角波供給制御手段は、
前記昇圧手段がオフの場合には、前記昇圧手段への三角波の供給を停止し、
前記降圧手段がオフの場合には、前記降圧手段への三角波の供給を停止する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載のスイッチング電源制御システム。
【請求項8】
出力電圧値と基準電圧値とを比較して誤差電圧値を出力する誤差電圧値出力手段を備えた携帯端末において、
入力電圧を降圧する降圧手段と、
入力電圧を昇圧する昇圧手段と、
前記誤差電圧値を前記昇圧手段を動作させるか否かの基準となる昇圧動作基準値および前記降圧手段を動作させるか否かの基準となる降圧動作基準値とそれぞれ比較し、比較結果を示す信号を出力する誤差電圧値比較手段と、
前記誤差電圧値比較手段が出力した信号を入力し、信号に含まれる振動成分を除去した補正信号を出力する信号安定化手段と、
前記信号安定化手段が出力した補正信号に基づいて、前記昇圧手段および前記降圧手段のそれぞれの動作を制御する動作制御手段とを含むスイッチング電源回路を備えた
ことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−92779(P2008−92779A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274191(P2006−274191)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】