説明

スイッチ機構、電子機器およびプリンター

【課題】スイッチを操作する際の操作感を損なうことなく、耐水性を高めることが可能なスイッチ機構を提案する。
【解決手段】スイッチ機構27は、筺体2の内部に配置されるスイッチ21と、筺体2の上面にその上端側が露出するようにスイッチ21の上側に配置される操作ボタン20とを備えている。スイッチ21は、基板22に取り付けられるスイッチ本体部21aと、スイッチ本体部21aから上側へ突出するように形成され操作ボタン20に押圧される被押圧部21bとを備え、筺体2には、操作ボタン20が移動可能な状態で配置される配置孔15aと、スイッチ本体部21aの上面側を覆う覆部3cと、被押圧部21bの外周面を覆うように覆部3cから上側へ突出する筒状の凸部3dとが形成されている。上下方向から見たときに、凸部3dの少なくとも上端側の外周面が、操作ボタン20の下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ボタンを介して操作されるスイッチを有するスイッチ機構、このスイッチ機構を備える電子機器およびプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手に印刷されている磁気インク文字を読み取るとともに、小切手に対する印刷を行う複合処理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の複合処理装置には、所定の操作を行うためのオペレーションボタン(操作ボタン)が設けられている。この操作ボタンは、操作ボタンへのアクセス性を考慮して、複合処理装置の上面に設けられている。また、操作ボタンは、複合処理装置の筺体に上下動可能な状態で取り付けられている。操作ボタンの下方には、操作ボタンによって作動するスイッチが配置されており、スイッチは基板に実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−20809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の複合処理装置では、装置の上面に操作ボタンが設けられているため、耐水性が低下するおそれがある。すなわち、装置の上面に操作ボタンが設けられているため、水等の液体が操作ボタンと筺体との隙間から装置の内部に侵入して、基板等の電子部品を故障させるおそれがある。ここで、筺体と操作ボタンとの間にパッキンを配置すれば、耐水性を高めることが可能になる。しかしながら、筺体と操作ボタンとの間にパッキンが配置されると、パッキンの反力によって、オペレーターが押し下げる前の操作ボタンとスイッチとの間に隙間が形成されて、スイッチを操作する際のクリック感(操作感)が損なわれるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、スイッチを操作する際の操作感を損なうことなく、耐水性を高めることが可能なスイッチ機構を提案することにある。また、本発明の課題は、かかるスイッチ機構を備える電子機器およびプリンターを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のスイッチ機構は、筺体と、前記筺体の内部に配置されるスイッチと、前記筺体の上面にその上端側が露出するようにかつ前記スイッチの上側に配置され前記スイッチを作動させる操作ボタンとを備え、前記スイッチは、基板に取り付けられるスイッチ本体部と、前記スイッチ本体部から上側へ突出するように形成され前記操作ボタンに押圧される被押圧部とを備え、前記筺体には、前記操作ボタンが上下方向へ移動可能な状態で配置される配置孔と、前記スイッチ本体部の上面側を覆う覆部と、前記被押圧部の外周面を覆うように前記覆部から上側へ突出する筒状の凸部とが形成され、上下方向から見たときに、前記凸部の少なくとも上端側の外周面が、前記操作ボタンの下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明のスイッチ機構では、筺体に、スイッチ本体部の上面側を覆う覆部と、被押圧部の外周面を覆うように覆部から上側へ突出する筒状の凸部とが形成されており、上下方向から見たときに、凸部の少なくとも上端側の外周面が、操作ボタンの下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されている。そのため、筺体の配置孔と操作ボタンの外周面との隙間から筺体の内部へ入り込む水等の液体は覆部の上面に落ちる。すなわち、配置孔と操作ボタンとの隙間から筺体の内部へ入り込む水等の液体が凸部の内側を通過して、スイッチ本体部が取り付けられる基板やスイッチ本体部の配置された箇所へ侵入することがない。したがって、配置孔と操作ボタンの外周面との間にパッキンを配置しなくても、基板等が配置される箇所へ水等の液体が侵入していくのを防止することができる。その結果、押し下げられる前の操作ボタンとスイッチとを当接させておくことが可能になり、スイッチを操作する際のクリック感(操作感)を損なうことなく、耐水性を高めることが可能になる。
【0008】
本発明において、凸部の少なくとも上端側の外周面が、操作ボタンの下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されるように、たとえば、前記操作ボタンは、円柱状または円筒状に形成され、前記凸部は、円筒状に形成され、前記操作ボタンの外径は、前記凸部の外径よりも大きくなっている。
【0009】
本発明において、前記操作ボタンには、その下端面から上側に向かって窪む円環状の凹部が形成され、前記凹部の径方向内側部分は、前記被押圧部に当接して前記被押圧部を押圧する押圧部であり、前記凹部の内径は、前記凸部の内径よりも小さく、かつ、前記凹部の外径は、前記凸部の外径よりも大きいことが好ましい。このように構成すると、操作ボタンが押し下げられたときに、凸部の上端側を凹部の中に配置することが可能になる。したがって、操作ボタンの外周側の下端からの押圧部の突出量が小さくても、あるいは、操作ボタンの外周側の下端から押圧部が突出していなくても、操作ボタンを押したときの操作ボタンと凸部との干渉を防止することが可能になる。
【0010】
本発明において、前記筺体は、たとえば、前記配置孔が形成される外装カバーと、前記覆部および前記凸部が形成される本体ケースとを備えている。
【0011】
本発明のスイッチ機構は、電子機器に用いることができる。この電子機器では、スイッチを操作する際の操作感を損なうことなく、耐水性を高めることが可能になる。また、本発明のスイッチ機構は、印刷用紙に印刷を行う印刷機構を備えるプリンターに用いることができる。このプリンターでは、スイッチを操作する際の操作感を損なうことなく、耐水性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態にかかる小切手処理装置の外観斜視図。
【図2】小切手処理装置の平面図。
【図3】小切手処理装置の開閉カバーを開けた状態を左前側から示す斜視図。
【図4】小切手処理装置の外装カバーを開けた状態を右前側から示す斜視図。
【図5】図4のE部の拡大図。
【図6】操作ボタン、スイッチおよび動作状態表示ランプを取り出して示す斜視図。
【図7】図2のF−F断面の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明を適用したプリンターとして小切手処理装置を説明する。
【0014】
(小切手処理装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる小切手処理装置1の外観斜視図である。図2は、小切手処理装置1の平面図である。図3は、図1に示す小切手処理装置1の開閉カバー5を開けた状態を左前側から示す斜視図である。図4は、図1に示す小切手処理装置1の外装カバー15を開けた状態を右前側から示す斜視図である。図5は、図4のE部の拡大図である。図6は、操作ボタン20、スイッチ21および動作状態表示ランプ23を取り出して示す斜視図である。
【0015】
小切手処理装置(プリンター)1は、筺体2を備えている。筺体2は、本体ケース3と、装置の前面側に配置される前面カバー4と、装置の後面側に配置される開閉カバー5とを備えている。前面カバー4および開閉カバー5は、本体ケース3の上面側に配置されている。本体ケース3は、小切手処理装置1の右側面を構成する右側面部3aと、小切手処理装置1の左側面を構成する左側面部3bとを備えている(図2参照)。なお、図3では、左側面部3bの図示を省略している。
【0016】
筺体2の前面の左側寄りの部分には、小切手(図示省略)を挿入するための媒体挿入口6が装置幅方向に沿って所定幅で設けられている。筺体2の上面において、前面カバー4と開閉カバー5との境界部分には、処理された小切手が排出される媒体排出口7が装置幅方向に沿って所定幅で設けられている。媒体挿入口6と媒体排出口7との間には、小切手が搬送される媒体搬送路8が形成されている。媒体搬送路8は、媒体挿入口6から装置後方に延びた後に上方へ湾曲して延びるように形成されている。また、媒体搬送路8は、筺体2の左側面において開口している。
【0017】
図3に示すように、媒体搬送路8は、媒体挿入口6から装置後方に延びる第1搬送路部分8aと、第1搬送路部分8aの後端から上方に湾曲する湾曲搬送路部分8bと、湾曲搬送路部分8bの上端から上方へ延びる第2搬送路部分8cとを備えている。
【0018】
第1搬送路部分8aには、小切手に印刷された磁気インク文字を読み取るための磁気ヘッド(図示省略)が設置されている。第2搬送路部分8cの上端部分には、小切手の表面に印刷を行う印刷ヘッド(図示省略)が設置されている。この印刷ヘッドは、インクリボンに記録ワイヤーを打ち当ててインクリボンのインクを小切手に付着させて印刷を行うシリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)印刷ヘッドであり、第2搬送路部分8cよりも装置前方に配置されている。
【0019】
第2搬送路部分8cの下側部分には、小切手の裏面に印刷を行う印刷ヘッド12が設置されている。印刷ヘッド12は、小切手の表面に印刷を行う印刷ヘッドと同様にSIDM印刷ヘッドであり、第2搬送路部分8cよりも装置後方に配置されている。小切手処理装置1には、印刷ヘッド12の設置位置に対応するように、インクリボンカートリッジ13が装着されている。
【0020】
開閉カバー5は、後端部分を中心として上方向へ回動可能な状態で本体ケース3に取り付けられている。開閉カバー5の下側には、図3に示すように、ロール紙に印字を行う印字機構14が取り付けられており、この印字機構14は、開閉カバー5とともに本体ケース3に対して上方向へ回動可能となっている。開閉カバー5とともに印字機構14を上方へ起こすと、インクリボンカートリッジ13の着脱が可能になる。
【0021】
開閉カバー5の上面の一部は、後端部分を中心として上方向へ回動可能な外装カバー15となっている。開閉カバー5の前端側の上面部分と、外装カバー15との境界部分には、印字されたロール紙が排出されるロール紙排出口16が装置幅方向に沿って所定幅で設けられている。図4に示すように、外装カバー15を開くと、ロール紙の収納空間17が露出し、ロール紙の着脱が可能になる。
【0022】
外装カバー15の上面の右端側には、小切手処理装置1の各種の操作を行うための複数個の操作ボタン20が設けられている。操作ボタン20は、外装カバー15に移動可能な状態で取り付けられている。操作ボタン20の下側には、操作ボタン20を押し下げることで作動するスイッチ21が配置されている。図6に示すように、スイッチ21は、基板22に実装されている。基板22は、本体ケース3の右側面部3aの上端側部分に取り付けられている。
【0023】
また、外装カバー15の上面の右端側には、小切手処理装置1の動作状態を表示するための複数個の動作状態表示ランプ23が設けられている。動作状態表示ランプ23は、外装カバー15に取り付けられる導光部材24を備えている。図6に示すように、導光部材24には、各光源25に対応するように、複数の導光部24aが上側に突出するように形成されており、導光部24aは、上下方向に貫通するように外装カバー15に形成された貫通孔の中に配置されている。導光部材24の下側には、基板22に実装されたLED等の光源25が配置されている。光源25は、発光面が上側を向くように右側面部3aの上端側部分に配置されており、導光部材24に向かって発光する。
【0024】
開閉カバー5および外装カバー15が閉じているときには、本体ケース3の右側面部3aの上面は、開閉カバー5および外装カバー15によって上側から覆われており、開閉カバー5を開くと、図3に示すように、右側面部3aの上面が露出する。また、開閉カバー5を閉じた状態で、外装カバー15を開くと、図5に示すように、右側面部3aの上面の、スイッチ21が配置された部分および光源25が配置された部分が露出する。
【0025】
(スイッチ機構の構成)
図7は、図2のF−F断面の断面図である。本形態では、外装カバー15の操作ボタン20の配置部分と、本体ケース3の右側面部3aのスイッチ21の配置部分と、操作ボタン20と、スイッチ21とによって、スイッチ機構27が構成されている。以下、スイッチ機構27の詳細を説明する。
【0026】
図7に示すように、外装カバー15には、操作ボタン20が配置される配置孔15aが上下方向に貫通するように形成されている。外装カバー15には、図5に示すように、下側へ突出する略円筒状の筒部15bが形成されており、筒部15bの内周側が配置孔15aとなっている。
【0027】
操作ボタン20は、略円筒状に形成されている。操作ボタン20には、その下端面から上側に向かって窪む円環状の凹部20aが形成されている。凹部20aの径方向内側部分は、スイッチ21を構成する後述の被押圧部21bに上側から当接して被押圧部21bを押圧する円柱状の押圧部20bとなっている。
【0028】
操作ボタン20の外周面の下端側には、径方向外側に向かって突出する突起20cが形成されている。突起20cは、外装カバー15の筒部15bの下端側に形成される係合溝15cに係合しており、突起20cおよび係合溝15cは、配置孔15aに配置される操作ボタン20の上方向への抜止めと回転止めの機能を果たしている。また、操作ボタン20の外周面の下端側には、径方向内側に窪む窪み部20dが形成されている。窪み部20dには、外装カバー15の筒部15bに形成される係合爪15dが係合しており、窪み部20dおよび係合爪15dは、配置孔15aに配置される操作ボタン20の下方向への抜止めの機能を果たしている。
【0029】
操作ボタン20は、外装カバー15の上面にその上端面が露出するように、配置孔15aの中に配置されている。操作ボタン20の外周面と配置孔15aの内周面との間には隙間が形成されており、配置孔15aに配置された操作ボタン20は、上下方向に移動可能となっている。
【0030】
スイッチ21は、タクトスイッチであり、基板22に取り付けられるスイッチ本体部21aと、操作ボタン20の押圧部20bに押圧される被押圧部21bとを備えている。スイッチ本体部21aは、基板22の上面に固定されている。被押圧部21bは、円柱状に形成されおり、スイッチ本体部21aから上側へ突出している。上述のように、操作ボタン20は、上下方向に移動可能な状態で配置孔15aに配置されており、オペレーターによって操作ボタン20が押し下げられていない状況であっても、操作ボタン20の自重によって、被押圧部21bの上面に押圧部20bの底面が当接している。
【0031】
本体ケース3の右側面部3aは、中空状に形成されており、その内部に基板22およびスイッチ本体部21aが配置されている。右側面部3aの上端面部は、基板22およびスイッチ本体部21aの上面側を覆う覆部3cとなっている。基板22は、ネジ29によって、覆部3cの裏面側に固定されている。被押圧部21bは、覆部3cの上面よりも上側に突出しており、覆部3cには、被押圧部21bの外周面を覆うように上側へ突出する円筒状の凸部3dが形成されている。
【0032】
図7に示すように、操作ボタン20の外径D1は、凸部3dの外径D2よりも大きくなっている。また、操作ボタン20の軸中心と凸部3dの軸中心とはほぼ一致している。そのため、上下方向から見たときに、凸部3dの外周面は、操作ボタン20の外周面よりも径方向の内側に配置されている。また、本形態では、上下方向から見たときに、凸部3dの外周面は、操作ボタン20の、窪み部20dが形成された部分の外周面よりも径方向の内側に配置されている(図7参照)。したがって、操作ボタン20の外周面と配置孔15aとの隙間から水等の液体が筺体2の内部に入り込んだとしても、液体は、操作ボタン20の外周面の下端側から図7の矢印のように、凸部3dが形成されていない覆部3cの上面に落ちる。なお、覆部3cの上面には、排水用の溝が形成されており、覆部3cの上面に落ちた液体は、排水用の溝によって、筺体2の外部に排出される。
【0033】
操作ボタン20の凹部20aの内径(すなわち、押圧部20bの外径)D3は、凸部3dの内径D4よりも小さくなっている。また、凹部20aの外径D5は、凸部3dの外径D2よりも大きくなっている。そのため、操作ボタン20の押し下げ量によっては、凸部3dの上端側が凹部20aの中に入り込む。
【0034】
(本実施形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、上下方向から見たときに、凸部3dの外周面は、操作ボタン20の外周面よりも径方向の内側に配置されており、操作ボタン20の外周面と配置孔15aとの隙間から水等の液体が筺体2の内部に入り込んだとしても、液体は、凸部3dが形成されていない覆部3cの上面に落ちる。そのため、操作ボタン20の外周面と配置孔15aとの隙間から筺体2の内部へ入り込む水等の液体が凸部3dの内側を通過して、スイッチ本体部21aや基板22が配置される右側面部3aの内部へ侵入することがない。したがって、操作ボタン20の外周面と配置孔15aとの間にパッキンを配置しなくても、基板22等が配置される右側面部3aの内部へ水等の液体が侵入していくのを防止することができる。その結果、操作ボタン20が押し下げられる前であっても、操作ボタン20の自重で、被押圧部21bに押圧部20bを当接させておくことができ、スイッチ21を操作する際のクリック感(操作感)を損なうことなく、耐水性を高めることができる。
【0035】
本形態では、凹部20aの内径D3は、凸部3dの内径D4よりも小さく、かつ、凹部20aの外径D5は、凸部3dの外径D2よりも大きくなっており、操作ボタン20の押し下げ量によっては、凸部3dの上端側が凹部20aの中に入り込む。そのため、操作ボタン20の外周側の下端からの押圧部20bの突出量が小さくても、あるいは、操作ボタン20の外周側の下端から押圧部20bが突出していなくても、操作ボタン20を押したときの凸部3dと操作ボタン20との干渉を防止することができる。
【0036】
(他の実施の形態)
上述した形態では、操作ボタン20は、略円筒状に形成されているが、上下方向から見たときに、操作ボタン20の下端側の外周面が凸部3dの上端側の外周面よりも径方向の外側に配置されるのであれば、操作ボタン20の外周面は、下側に向かうにしたがって、径方向外側に広がるように傾斜するテーパー状に形成されても良い。また、上下方向から見たときに、操作ボタン20の下端側の外周面が凸部3dの上端側の外周面よりも径方向の外側に配置されるのであれば、操作ボタン20は段付きの円筒状に形成されても良い。
【0037】
上述した形態では、凸部3dは、円筒状に形成されているが、上下方向から見たときに、凸部3dの上端側の外周面が操作ボタン20の下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されるのであれば、凸部3dの外周面は、上側または下側に向かうにしたがって、径方向外側に広がるように傾斜するテーパー状に形成されても良い。また、上下方向から見たときに、凸部3dの上端側の外周面が操作ボタン20の下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されるのであれば、凸部3dは段付きの円筒状に形成されても良い。
【0038】
上述した形態では、本発明を適用したプリンターとして、小切手に印刷された磁気インク文字を読み取るための磁気ヘッドを有する小切手処理装置1を説明したが、本発明が適用されるプリンターは、磁気ヘッドを備えていなくても良い。また、上述した形態では、本発明のスイッチ機構は、プリンターに適用されているが、本発明のスイッチ機構は、プリンター以外の各種の電子機器に適用されても良い。
【符号の説明】
【0039】
1 小切手処理装置(プリンター、電子機器)、2 筺体、3 本体ケース、3c 覆部、3d 凸部、12 印刷ヘッド(印刷機構)、14 印字機構(印刷機構)、15 外装カバー、15a 配置孔、20 操作ボタン、20a 凹部、20b 押圧部、21 スイッチ、21a スイッチ本体部、21b 被押圧部、22 基板、27 スイッチ機構、D1 操作ボタンの外径、D2 凸部の外径、D3 凹部の内径、D4 凸部の内径、D5 凹部の外径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体と、
前記筺体の内部に配置されるスイッチと、
前記筺体の上面にその上端側が露出するようにかつ前記スイッチの上側に配置され前記スイッチを作動させる操作ボタンとを備え、
前記スイッチは、基板に取り付けられるスイッチ本体部と、前記スイッチ本体部から上側へ突出するように形成され前記操作ボタンに押圧される被押圧部とを備え、
前記筺体には、前記操作ボタンが上下方向へ移動可能な状態で配置される配置孔と、前記スイッチ本体部の上面側を覆う覆部と、前記被押圧部の外周面を覆うように前記覆部から上側へ突出する筒状の凸部とが形成され、
上下方向から見たときに、前記凸部の少なくとも上端側の外周面が、前記操作ボタンの下端側の外周面よりも径方向の内側に配置されていることを特徴とするスイッチ機構。
【請求項2】
前記操作ボタンは、円柱状または円筒状に形成され、
前記凸部は、円筒状に形成され、
前記操作ボタンの外径は、前記凸部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ機構。
【請求項3】
前記操作ボタンには、その下端面から上側に向かって窪む円環状の凹部が形成され、
前記凹部の径方向内側部分は、前記被押圧部に当接して前記被押圧部を押圧する押圧部であり、
前記凹部の内径は、前記凸部の内径よりも小さく、かつ、前記凹部の外径は、前記凸部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ機構。
【請求項4】
前記筺体は、前記配置孔が形成される外装カバーと、前記覆部および前記凸部が形成される本体ケースとを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスイッチ機構。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のスイッチ機構を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載のスイッチ機構と、印刷用紙に印刷を行う印刷機構とを備えることを特徴とするプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−204486(P2011−204486A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71019(P2010−71019)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】