説明

スイッチ装置及び着脱式歯ブラシ用振動装置

【課題】把持した手の親指操作でスイッチ操作が可能な機械的なスイッチ装置の提供。
【手段】スイッチ装置において、中継金具91のバネ接片91と電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aが向かい合っており、バネ接片91に対して直交する方向に変位可能でレバー部Lを持つスイッチ操作部80′と、この掛け止め部Aと係合する山形折り曲げ部mが端部側にあるバネ性の立ち下がり部47を有する電池プラス端子金具40′を備え、掛け止め部Aは、スイッチ操作部80′の右揺動位置で山形折り曲げ部mが掛り止まる第1凹部Aと、その左揺動位置で山形折り曲げ部mが掛り止まる第2凹部Aと、これらの中間にある湾曲凸部Zを有し、山形折り曲げ部mが第2凹部Aに嵌入する際にレバー部Lの先端部がバネ接片91を押圧してバネ接片30aに接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的なスイッチ装置に関し、特に、これを用いた着脱式歯ブラシ用振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−93415には偏心錘を持つ振動モータを用いた電動歯ブラシが開示されている。この電動歯ブラシは、内部に電池2本を直列に収納する把持本体と、この把持本体の一側部に取り付けた歯ブラシ体とから成り、把持本体の外端部にはスイッチを兼ねた蓋体をねじ等の止着部材により取り付けてあって、スイッチ操作を行なうことができると共に電池交換ができるようになっている。このスイッチは内蔵する振動モータと電池とに構成した回路途中に設けられ、止着部材における回転式や押しボタン式となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−93415(0011〜0013、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のスイッチは把持本体の歯ブラシ側ではなく外端部(反歯ブラシ側)に設けられているため、把持本体を片手で把持した際にはスイッチのオン/オフ操作は他方の手で行なわねばならず、把持した手の親指操作でスイッチ操作を行なうのは不可能で使い勝手の悪さがあった。また、歯ブラシ体は、ネック部近傍の空洞部に振動モータを内蔵し、把持本体の一側部に嵌合筒部を接合する特殊品であることから、ブラシ毛の摩滅劣化の際は歯ブラシ体全体の交換を余儀なくされるばかりか、内部部品である振動モータを露出させてからこれを新たな歯ブラシ体に組み込み直す手間を要する。
【0005】
そこで、本発明の第1の課題は、把持した手の親指操作でスイッチ操作が可能な機械的なスイッチ装置を提供することにある。
【0006】
本発明の第2の課題は、歯ブラシ交換の際にケース内の振動モータを取り外さずに済ませることができる電動歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電池及びその給電対象体のうちいずれか一方の電極と接続した第1金具と、前記電池及び前記給電対象体のうち他方の電極に接続した第2金具とを有するスイッチ装置において、第1金具の弾性接触部と第2金具の弾性接触部とが向かい合って位置決めされており、第1金具の弾性接触部に対して実質的に直交する方向に変位可能なレバー部を持つスイッチ操作部と、レバー部の掛け止め部と係合する山形折り曲げ部が端部側にある板バネ片を有する第3金具を備え、掛け止め部は、レバー部の先端側に設けられてスイッチ操作部の第1揺動位置で山形折り曲げ部が相対的に嵌入して当該掛け止め部を自己位置決めする第1凹部と、レバー部で第1凹部よりも反先端側に設けられてスイッチ操作部の第2揺動位置で山形折り曲げ部が相対的に嵌入して当該掛け止め部を自己位置決めする第2凹部と、スイッチ操作部の第1揺動位置と第2揺動位置との間で第1凹部と第2凹部とに対する山形折り曲げ部の嵌入を分かつ湾曲凸部とを有し、山形折り曲げ部が第2凹部に相対的に嵌入する際にレバー部の先端部が第1金具の弾性接触部を押圧して第2金具の弾性接触部に接触させることを特徴とする。
【0008】
把持した手の親指操作でスイッチ操作部を揺動するだけでオン/オフ切り替え可能となっているが、第1金具の弾性接触部が第2金具の弾性接触部から離れているオフ状態でも、第1金具の弾性接触部が第2金具の弾性接触部に接触するオン状態でも、第3金具の山形折り曲げ部はその板バネ片が自然状態において掛け止め部の第1凹部又は第2凹部に掛り止まった同等な係合関係であるため、第1金具の弾性接触部及び第2金具の弾性接触部のバネ性の減退を抑制できるばかりか、第3金具における板バネ片のバネ性の減退も抑制でき、機械的スイッチの耐久性を高めることができる。
【0009】
上記スイッチ装置においては、板バネ片のレバー部寄りへの撓みを抑制するバネ押えを備えて成ることが望ましい。オフ状態において掛け止め部の第1凹部が第3金具の山形折り曲げ部を過度に持ち上げても、バネ押えがる板バネ片を押えているため、る板バネ片の撓み量を抑えて塑性変形を防止できる。
【0010】
スイッチ操作部は、相対向した支軸を持つ一対の対向脚部と、これらに跨って支軸に対して直交方向の双方向へ延在する梃子部と、この梃子部の一端から湾曲したレバー部とを一体的に有することが望ましい。レバー部の変位を梃子部のシーソー操作で実現できるから、スイッチ操作面を電池や給電対象体の片面側に配することができる。
【0011】
ここで、放射方向線を板バネ片の自由状態で山形折り曲げ部の頂点と支軸の回転中心を通る線と規定すると、山形折り曲げ部の下端側斜面の放射方向線に対する開き角は山形折り曲げ部の反下端側斜面の放射方向線に対する開き角に比し大きいことが望ましい。山形折り曲げ部と第1凹部又は第2凹部との掛り止めを確実にするには、山形折り曲げ部の開き角度を狭くして嵌め合い深さを深くすることが必要であるが、反下端側斜面の放射方向線からの開き角度が小さくとも、板バネ片を反掛け止め部側へ押し曲げることができるので、オフ状態からオン状態へと支障なく切換えることができる。一方、下端側斜面の放射方向線からの開き角度が大きいと、掛け止め部の上昇に伴う湾曲凸部の上湾曲面からの下端側斜面への抗力が板バネ片を反掛け止め部側へ押し曲げて、湾曲凸部の上湾曲面が下端側斜面上を滑り、山形折り曲げ部の頂点に達してすり抜けるため、山形折り曲げ部が第1凹部内に落ち込み易くなり、オン状態からオフ状態へ確実に切換えることができる。
【0012】
着脱式歯ブラシ用振動装置としては、上記スイッチ装置を用いて成り、給電対象体は偏心錘を持つ振動モータであって、この振動モータと電池との間に第1乃至第3金具を配置して内蔵したケース本体を備え、このケース本体は、歯ブラシのネック部を着脱自在に挟持する第1の二股爪部と、歯ブラシのハンドル部を着脱自在に挟持する第2の二股爪部とを一体的に備えている。
【0013】
振動モータからの振動はケース本体を介して第1の二股爪部から歯ブラシのネック部に良く伝わるため、市販品の歯ブラシでも電動歯ブラシとして使用可能となる。一台の着脱式歯ブラシ用振動装置を家族数人の使い回しで共用でき、従来の専用電動歯ブラシを各人が購入する場合に比し低価格化を実現できる。また、歯ブラシの交換においては、振動モータは露出せず、ケース本体に内蔵されたままであり、二股爪部による着脱操作だけで簡単に交換できる。
【0014】
ここで、ケース本体は第2の二股爪部から後方へ延在しハンドル部に跨る尾部を有する場合は、ハンドル部を把持した片手の指が第2の二股爪部に不如意に掛ったときでも、第2の二股爪部がハンドル部の端にないため、ハンドル部から外れ難い。
【0015】
また、ケース本体の振動モータ収容部を塞ぐモータカバーを有し、振動モータ収容部とモータカバーとで支軸を回動可能に支持し、操作板部がモータカバー上に被さっている場合、レバー部のスライドにおいてはその先端がケース本体に当接するときと、反対に、操作部の端がモータカバーに当接するときとがあり、レバー部のスライドストロークを限定できる。
【0016】
このモータカバーが板バネ片のレバー部寄りへの撓みを抑制するバネ押えを有する場合は、部品点数を削減できる。
【0017】
振動モータ収容部は、スイッチ操作部の支軸を中心とする回動角を限定する回り止め部を有することが望ましい。この回り止め部によってオン状態では掛け止め部の先端が第1金具の弾性接触部を過度に押圧してしまうことがなく、第1金具の弾性接触部及び第2金具の弾性接触の塑性変形を抑制できる。またオフ状態では掛け止め部の第1凹部が第3金具の山形折り曲げ部を過度に持ち上げずに済み、第3金具の塑性変形を抑制できる。
【0018】
ケース本体の電池収容部と振動モータ収容部とを一巡する開口縁にOリングを介在させて両収容部を塞ぐ外カバーを有することが望ましい。防水構造を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のスイッチ装置によれば、部品点数が少なくコンパクトな収納構造を実現できると共に、スイッチ操作が把持した手の親指操作で可能である。また本発明の着脱式歯ブラシ用振動装置によれば、市販品の歯ブラシを電動歯ブラシとして使用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)は本発明の実施例1に係る着脱式歯ブラシ用振動装置を用いた電動歯ブラシを示す正面図、(B)は同電動歯ブラシの右側面図、(C)は同電動歯ブラシの左側面図である。
【図2】(A)は同着脱式歯ブラシ用振動装置を示す正面図、(B)は同着脱式歯ブラシ用振動装置の右側面図、(C)は同着脱式歯ブラシ用振動動置の左側面図、(D)は同着脱式歯ブラシ用振動装置の平面図、(E)は同着脱式歯ブラシ用振動装置の底面面である。
【図3】(A)は同着脱式歯ブラシ用振動装置を上から見た斜視図、(B)は同着脱式歯ブラシ用振動装置を下から見た斜視図である。
【図4】同着脱式歯ブラシ振動装置の組立斜視図である。
【図5】(A)は同着脱式歯ブラシ振動装置のケース本体を上から見た斜視図、(B)は同ケース本体を下から見た斜視図である。
【図6】(A)は同ケース本体の正面図、(B)は同ケース本体の右側面図、(C)は同ケース本体の左側面図である。
【図7】(A)は同ケース本体の平面図、(B)は(A)中のb−b線で切断した状態を示す切断矢視図、(C)は(B)中のc−c線で切断した状態を示す切断矢視図、(D)は(B)中のd−d線で切断した状態を示す切断矢視である。
【図8】(A)は同ケース本体内に振動モータ,モータカバー,絶縁性スイッチ操作部及び端子金具を内蔵した状態を示す縦断面図、(B)は同ケース本体内に内蔵する振動モータ,絶縁性スイッチ操作部及び端子金具の関係を示す正面図である。
【図9】(A)は同ケース本体内に内蔵する電池マイナス端子金具を示す斜視図、(B)は同電池マイナス端子金具の正面図、(C)は同電池マイナス端子金具の左側面図である。
【図10】(A)は同ケース本体内に内蔵する電池プラス端子金具を示す斜視図、(B)は同電池プラス端子金具の正面図、(C)は同電池プラス端子金具を別の角度から見た斜視図である。
【図11】(A)は同ケース本体内に内蔵するモータプラス端子金具を示す斜視図、(B)は同モータプラス端子金具の正面図、(C)は同モータプラス端子金具を別の角度から見た斜視図である。
【図12】(A)は同振動モータ,同電池マイナス端子金具の一部,同モータプラス端子金具及び同電池プラス端子金具の配置関係を示す斜視図、(B)は同配置関係を示す正面図である。
【図13】(A)は同モータカバーを上から見た斜視図、(B)は同モータカバーを下から見た斜視図である。
【図14】(A)は同モータカバーの平面図、(B)は同モータカバーの正面図、(C)は同モータカバーの右側面図、(D)は同モータカバーの底面図、(E)は(D)中のe−e線で切断した状態を示す切断矢視図、(F)は(D)中のf−f線で切断した状態を示す切断矢視図、(G)は(D)中のg−g線で切断した状態を示す切断矢視図である。
【図15】(A)は同絶縁性スイッチ操作部を上から見た斜視図、(B)は同絶縁性スイッチ操作部を下から見た斜視図である。
【図16】(A)は同絶縁性スイッチ操作部の平面図、(B)は同絶縁性スイッチ操作部の正面図、(C)は同絶縁性スイッチ操作部の右側面図、(D)は同絶縁性スイッチ操作部の左側面図、(E)は(A)中のe−e線に沿って切断した状態を示す切断矢視図である。
【図17】(A)〜(D)は同モータカバーと同是絶縁性スイッチ操作部とを組み合わせて同ケース本体に組み込む手順を示す断面図である。
【図18】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置の外カバーを示す平面図、(B)は同外カバーの右側面図、(C)は同外カバーの左側面図、(D)は同外カバーの正面図、(E)は同外カバーの底面図、(F)は(D)中のf−f線に沿って切断した状態を示す切断矢視図、(G)は(D)中のg−g線に沿って切断した状態を示す切断矢視図、(H)は(D)中のh−h線に沿って切断した状態を示す切断矢視である。
【図19】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置の振動モータのオフ状態を示す断面図、(B)は振動モータをオン状態からオフ状態へ移行させる中途状態を示す断面図、(C)は振動モータのオン状態を示す断面図である。
【図20】本発明の実施例2に係る着脱式歯ブラシ用振動装置を示す分解正面図である。
【図21】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置の振動モータのオフ状態を示す断面図、(B)は振動モータをオン状態からオフ状態へ移行させる中途状態を示す断面図、(C)は振動モータのオン状態を示す断面図である。
【図22】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置における振動モータ収容部の軸受部に支軸を落とし込む状態を示す部分斜視図、(B)はその落し込み完了状態を示す部分斜視図である。
【図23】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置におけるドーム状モータカバーを示す部分斜視図、(b)は同ドーム状モータカバーを振動モータ収容部に被せた状態を示す部分斜視図である。
【図24】(A)乃至(C)は同電動歯ブラシ用振動装置におけるオン操作に伴うスイッチ操作部の係合部分と第1端子金具の山形折り曲げ部との関係を順次示す部分拡大図で、(D)乃至(F)は同電動歯ブラシ用振動装置におけるオフ操作に伴うスイッチ操作部の係合部分と第1端子金具の山形折り曲げ部との関係を順次示す部分拡大図である。
【図25】(A)は同電動歯ブラシ用振動装置のおける第1端子金具を示す正面図、(B)は別の第1端子金具を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る着脱式歯ブラシ振動装置の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
本例の着脱式歯ブラシ振動装置1を用いた電動歯ブラシ2は、図1に示す如く、歯ブラシ3に着脱式歯ブラシ振動装置1を装着したものである。まず歯ブラシ3としては、通常市販品でも構わないが、特に本例では特許第4146729号に開示のカートリッジ式ブラシ毛を適宜取り替え可能な歯ブラシであって、片手で把持するハンドル部3aと、このハンドル部3aからこれより縮径の柄部3bを介して延在するヘッド部3cに対して着脱交換可能な替えブラシユニット3dとを有する。着脱式歯ブラシ振動装置1の筐体は樹脂製のケース本体10と外カバー20とから成り、このケース本体10は、歯ブラシ3の柄部3bが貫通可能に抱持する空洞部Sを有し、その先端において歯ブラシ3の柄部3bのハンドル部3a側であるネック部3eを着脱自在に弾力的に挟持する第1の二股爪部11と、その腹部において歯ブラシ3のハンドル部3aの中途部3fを着脱自在に弾力的に挟持する第2の二股爪部12とが側面10a,10bから底面側へ張り出ており、それ以外の側面10a,10bの端はハンドル部3aを把持できるようハンドル部3aの輪郭形状に合わせて内側で終端している。また、ケース本体10は全体的にハンドル部3aに跨って装着されるが、第2の二股爪部12から後方へ延在しハンドル部3aに跨る尾部Tも有する。ハンドル部3aを把持した片手の指が第2の二股爪部12に不如意に掛ったときでも、第2の二股爪部12がハンドル部3aの端にないため、ハンドル部3aから外れ難い。
【0023】
ケース本体10の細長矩形状の収納凹所は、振動モータ収容部13と電池収容部14とに分けられており、振動モータ収容部13と電池収容部14との中間は端子金具装填部15となっている。電池収容部14内には、図4及び図8に示す如く、電池マイナス端子金具30及び電池プラス端子金具40が組み込まれている。
【0024】
電池マイナス端子金具30は、図9に示す如く、乾電池Bのマイナス電極に押圧接触する折り返し弾性片31a及び電池収容部14の壁14aに当って抜け止め機能を果たす返し片31bを持つ端板部31と、この端板部31から折曲して長手方向に延び電池収容部14の底面に嵌る底板部32と、この底板部32の他方端で折曲して偏心錘Wを持つ振動モータ60のマイナス端子61と半田付けされる半田盛り片33a及び振動モータ収容部13の壁に当って抜け止め機能を果たす返し片33bを持つ端板部33とを一体的に有する。端板部31は図7に示す第1の案内溝Gに沿って差し込まれている。
【0025】
電池プラス端子金具40は、図10に示す如く、電池収容部14を区画する第1の中抜き仕切り壁14bに当って抜け止め機能を果たす一対の返し片41aと電池マイナス端子金具30の底板部32に接触しない広さに開けた切欠き部41bを持つ脚片部41と、この脚片部41の上部にプレス成形して乾電池Bのプラス電極に押圧接触する凸部42と、この凸部42の上部から折曲形成した折り返し弾性片43とを有する。脚片部41は図7に示す第2の案内溝Gに沿って差し込まれている。
【0026】
第1の中抜き仕切り壁14bと振動モータ収容部13の壁との間には第2の中抜き仕切り壁14cが形成されており、この第2の中抜き仕切り壁14cは中継端子金具としてのモータプラス端子金具50が取り付けられている。このモータプラス端子金具50は、第2の中抜き仕切り壁14cに当って抜け止め機能を果たす一対の返し片51aと電池マイナス端子金具30の底板部32に接触しない広さに開けた切欠き部51bを持つ脚片部51と、この脚片部51の上部にプレス成形して後述する絶縁性スイッチ操作部80の隔壁部84に圧接する凸部52と、この凸部52の上部から折曲形成されて振動モータ60のプラス端子62と半田付けされる半田盛り片53を有する。脚片部51は図7に示す第3の案内溝Gに沿って差し込まれている。この凸部52と折り返し弾性片43とは、図12に示す如く、第1の中抜き仕切り壁14bと第2の中抜き仕切り壁14cとの間で向き合って弾力的に接触している。
【0027】
振動モータ60はその下半分に象られた振動モータ収容部13内に嵌め込み設置されており、モータケースの反偏心錘端から突出したマイナス端子61及びプラス端子62は電池B側へ向いている。この振動モータ60は図13及び図14に示す樹脂製のドーム状モータカバー70で覆われて密閉されている。ここで、ドーム状モータカバー70は振動モータ60を覆う天井部71の外、端子61,62及び半田盛り片33a,53の半田接続箇所を密封する継ぎ足し天井部72を一体的に有する。そして、ドーム状モータカバー70の上には、図15及び図16に示す絶縁性スイッチ操作部80が被さっている。
【0028】
この絶縁性スイッチ操作部80は絶縁性樹脂の成形品であって、相対向した支軸81a,82aを持つ一対の対向脚部81,82と、これらに跨って支軸81a,82aに対して直交方向の双方向へ延在する梃子部83と、この梃子部83の一端からL形状に湾曲した隔壁部84とを一体的に有する。梃子部83上の隔壁部84側にはオン釦部83aが膨出形成されていると共に、その反対側にはオフ釦部83bが膨出形成されている。支軸81a,82aはドーム状モータカバー70の下端に形成された軸受孔71a,71bと振動モータ収容部13の上端縁13aとの間に回転可能に嵌っている。
【0029】
このドーム状モータカバー70及び絶縁性スイッチ操作部80をケース本体10に組み付ける場合は、図17(A)に示す如く、絶縁性スイッチ操作部80の梃子部83がドーム状モータカバー70上になるよう、絶縁性スイッチ操作部80の対向脚部81,82間を天井部71よりも幅狭の継ぎ足し天井部72に跨らせてその長手方向(母線方向)へ差し入れることにより、図17(B)に示す如く、支軸81a,82aが軸受孔71a,71bの孔壁に当接して嵌めることができる。その後、図17(C)に示す如く、オフ釦部83bを押して隔壁部84が跳ね上がる姿勢を保持したまま、隔壁部84を端子金具装填部15における凸部52と折り返し弾性片43との間に差し込むと共に、ドーム状モータカバー70を図17(D)に示す如く振動モータ収容部13の接着剤塗布済みの上端縁13aに合わせて固定する。切り欠き状の軸受孔71a,71bはその上端縁13aで囲まれるため、支軸81a,82aが軸受孔71a,71bから外れることがない。
【0030】
ここで、隔壁部84は絶縁性スイッチ操作部80のシーソー運動に伴い折り返し弾性片43の先端側を相対的に嵌め込み案内するガイド溝84aを有する。また隔壁部84は、その基部側に凸部42が嵌入する貫通孔Hと先端側に凸部42が嵌入する盲穴hとを備えている。
【0031】
ケース本体10の振動モータ収容部13,電池収容部14及び端子金具装填部15を巡る壁の上端縁には、図4及び図5に示す如く、Oリング17が沿って嵌め込まれている。また、図8(A)に示す如く、ケース本体10の長手方向の両側には外カバー掛止爪部K,Kが一体的に形成されている。また、ケース本体10を覆う外カバー20は、図18に示す如く、半円筒状であって、その両端に外カバー掛止爪部K,Kに係合する掛止突起P,Pと操作板部83のオン釦部83a及びオフ釦部83bを臨んで対応する位置に矩形窓21を有している。そして、この矩形窓21はその周辺に貼着されたスイッチ操作マーク付きの防水シール22で塞がれている。
【0032】
このような構成の着脱式歯ブラシ振動装置1においては、振動モータ60からの振動はケース本体10を介して第1の二股爪部11から歯ブラシ2のネック部3eに良く伝わるため、市販品の歯ブラシでも電動歯ブラシとして使用できる。また、歯ブラシ2の交換においては、振動モータ60は露出せず、ケース本体10に内蔵されたままであり、二股フック部11,12による着脱操作で簡単に交換できる。一台の着脱式歯ブラシ用振動装置1を家族数人の使い回しで共用でき、従来の専用電動歯ブラシを各人が購入する場合に比し低価格化を実現できる。
【0033】
また、本例における機械的スイッチ装置においては、図19(A)に示す如く、隔壁部84の盲穴hに凸部52が嵌った状態では、凸部52が折り返し弾性片43と非接触であるため、スイッチ・オフ状態を持続でき、斯かる状態からケース本体10を把持する手の親指でオン釦部83aを防水シール22を介して押し込むと、スイッチ操作部80が矢印X方向に揺動し、図19(B)に示す如く、盲穴hが凸部52から相対的に抜け出し、今度は図19(C)に示す如く、凸部52が貫通孔Hに嵌入すると同時に折り返し弾性片43の先端側も貫通孔Hの反対側から進入するため、凸部52と折り返し弾性片43とが貫通孔H内で弾性的に圧接し、スイッチ・オン状態を持続できる。逆に、図19(C)のスイッチ・オン状態において、指頭でオフ釦部83bを押し込むことにより、スイッチ操作部80が矢印Y方向に揺動し、図19(B)に示す如く、凸部52及び折り返し弾性片43が貫通孔Hから相対的に抜け出し、今度は図19(A)に示す如く、凸部52が盲穴hに嵌って返し弾性片43とは非接触状態となり、スイッチ・オフ状態を持続できる。
【0034】
このように、凸部52の貫通孔H又は盲穴hに対して選択的に嵌ることによりスイッチのオン状態又はオフ状態が持続でき、しかも片手でケース本体10を把持したまま、その親指でスイッチ操作でき、使い勝手の向上に資する。また、2つの端子金具40,50とこの間に隔壁部84が介在するスイッチ操作部80とで構成できるため、実質的にコンパクトな収納構造として端子金具装填部15で済む。
【0035】
本例では、隔壁部84にガイド溝84aが形成されているため、折り返し弾性片43の逃げをガイド溝で規制でき、永年使用による折り返し弾性片43の変形が抑制でき、結果として隔壁部84のスライド方向に対するブレの抑制で、凸部42と盲穴hや貫通孔Hとの嵌め合わせの精度を持続できる。
【0036】
絶縁性スイッチ操作部80は梃子部83とこれからL形状に湾曲した隔壁部84とを一体的に有し、梃子部81のシーソー操作で隔壁部84をスライドできるので、スイッチ操作面をケース本体の片面側に配することができ、親指操作に適している。
【0037】
凸部52は盲穴hと浅く嵌合し、凸部52は貫通孔Hと深く嵌合するが、貫通孔Hは隔壁部84の基部側に形成されているので、隔壁部84には嵌合時に過大なストレスが生じ難く、スイッチ操作に伴う耐久性を向上できる。
【0038】
本例では、ケース本体10の振動モータ収容部13を塞ぐドーム状モータカバー70を有し、振動モータ収容部13とドーム状モータカバー70とで支軸81a,82aを回動可能に支持し、梃子部81がドーム状モータカバー70上に被さっているので、隔壁部84のスライドにおいてはその先端がケース本体10に当接するときと、反対に、梃子部81の端がドーム状モータカバー70に当接するときとがあり、隔壁部84のスライドストロークを限定できる。
【0039】
そして、ケース本体10の電池収容部14と振動モータ収容部13とを一巡する開口縁にOリング17を介在させて両収容部を塞ぐ外カバー20を有し、この外カバー20は操作板部81のオン釦部83a及びオフ釦部83bに臨むシート付きの矩形窓21を有しているため、操作板部81はドーム状モータカバー70と外カバー20との間に挟まっており、矩形窓21の防水シール22を介してシーソー操作可能であって、Oリング17や防水シール22で2重防水構造となっている。
【0040】
なお、着脱式歯ブラシ振動装置1においては振動モータ60を内蔵してあるが、それに代えてギアドモータとすることにより、各種の着脱式原動装置を実現することができる。
【実施例2】
【0041】
この種の機械的スイッチ装置のオフ状態はオン状態に比べて恒常的なものとなるが、実施例1の着脱式歯ブラシ振動装置1においては、図19(A)に示す如く、電池プラス端子金具40の折り返し弾性片43とモータプラス端子金具50の凸部52とでスイッチ操作部80の先端側の隔壁部84が弾力的に挟み込まれており、折り返し弾性片43及びモータプラス端子金具50の双方は隔壁部84からの抗力を受けて弾性変形が常態となっているため、バネ性が減退し易く、図19(C)に示すオン状態では、折り返し弾性片43と凸部52とが自由状態に復帰し難く、貫通孔H内で互いに圧接し難くなるおそれがある。
【0042】
そこで実施例2に係る着脱式歯ブラシ振動装置においては、以下に示す如く、オフ状態でフリー状態を維持できる接点バネを備えていることを特徴とする。
【0043】
即ち、本例の着脱式歯ブラシ振動装置1′は、図20に示す如く、ケース本体10′と、ケース本体10′の振動モータ収容部13内に配置する振動モータ60と、ケース本体10′の電池収容部14内の長手方向に配置する電池マイナス端子金具30′と、電池収容部14に収める乾電池Bと、ケース本体10′の第1の中抜き仕切り壁14bに差し込んで振動モータ60のプラス端子62に接続する電池プラス端子金具40′と、振動モータ60のマイナス端子61に接続してスイッチ操作部80′の押し引きで電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aに接離する中継金具91と、振動モータ60を覆うドーム状モータカバー70′と、スイッチ操作部80′と、振動モータ収容部13及び電池収容部14の開口縁に合わせるOリング17と、このOリング17を挟み込む外カバー20′と、この外カバー20′の押し釦部23を密閉する防水シール90とから成る。
【0044】
図21においてはスイッチ操作部80′の回転中心はOで表してある。電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aと中継金具91のバネ接片91aとは向かい合って位置決めされている。スイッチ操作部80′は、梃子部83′の一方からL字状に湾曲し、バネ接片30aに対して実質的に直交する方向に変位可能なレバー部Lを持っている。レバー部Lは電池プラス端子金具40′の山形折り曲げ部mと係合する掛け止め部Aを有する。この掛け止め部Aは、先側に設けられてスイッチ操作部80′のオフ回動位置(図21(A))でV字状の山形折り曲げ部mが相対的に嵌入して当該掛け止め部Aを自己位置決めする第1凹部Aと、この第1凹部Aよりも反先端側に設けられてスイッチ操作部80′のオン回動位置(図21(C))で山形折り曲げ部mが相対的に嵌入して当該掛け止め部Aを自己位置決めする第2凹部Aと、スイッチ操作部80′の第1回動位置と第2回動位置との間で第1凹部Aと第2凹部Aとに対する山形折り曲げ部mの嵌入を分かつ湾曲凸部Zとを有する。山形折り曲げ部mが第2凹部Aに相対的に嵌入する際に掛け止め部Aの先端部が中継金具91のバネ接片91aが押圧されて電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aに接触するようになっている。
【0045】
図21(A)に示す状態がオフ状態であって、スイッチ操作部80′は後述するように図示左揺動限界位置で度当たりしており、第1凹部Aと山形折り曲げ部mとが嵌合状態で、電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aと中継金具91のバネ接片91aとが自然状態で離反しており、振動モータ60へは給電されないオフ状態である。
【0046】
ここで、電池プラス端子金具40′は、図25に示す如く、電池収容部14の底面に設置する折曲部44を持つ立ち上がり部45と、その上部の逆U字状部46を介して形成された立ち下り部47と、この立ち下り部47の下端側に形成された山形折り曲げ部mと、立ち上がり部45の下部端側から延在して振動モータ60のプラス端子62に半田付けされる端子接続片48を一体的に有し、立ち上がり部45と立ち下り部47とで第1の中抜き仕切り壁14bを挟持しており、図25(A)に示す如く、立ち下り部47は逆U字状部46との境界点Pを中心にして立ち上がり部側と反立ち上がり部に折り曲げ可能で、オフ状態の場合は立ち下がり部45が実質的に自由状態で第1凹部Aに嵌ってスイッチ操作部80′を位置決めしている。
【0047】
このオフ状態において、図21(B)に示す如く、押し釦部23のオン釦部23aが矢印1のように指頭で押圧されると、スイッチ操作部80′が矢印2のように回転中心O周りに右に揺動するため、掛け止め部Aの第1凹部Aの上斜面が山形折り曲げ部mの上斜面を押し退けて立ち上がり部45が押し曲げられ、矢印3のように山形折り曲げ部mが湾曲凸部Zまで押し上げられ、更に、オン釦部23aが指頭で押圧されると、図21(C)に示す如く、掛け止め部Aの先端が中継金具91のバネ接片91aを矢印4のように押圧してこれを電池マイナス端子金具30′のバネ接片30aに接触させるオン状態となり、山形折り曲げ部mが湾曲凸部Zから第2凹部Aに落ち込みながら、矢印5のように立ち下がり部47の押し曲げが自然状態へ復帰するので、山形折り曲げ部mがスイッチ操作部80′を掛け止める。
【0048】
このように、恒常的なオフ状態においては、電池マイナス端子金具30′のバネ接片30a、中継金具91のバネ接片91a及び電池プラス端子金具40′の立ち下り部47はそれぞれ自然状態となっているため、バネ性の減退を防止でき、機械的スイッチの信頼性を高めることができる。
【0049】
図15及び図16におけるスイッチ操作部80は対向脚部81,82の内側に支軸81a,82aを有しているが、本例のスイッチ操作部80′は図22に示す如く先狭状の対向脚部81,82の外側に支軸81b,82bを有し、振動モータ収容部13の上端縁(開口縁)13a側内壁に軸受凹所13b,13cが位置している。この軸受凹所13b,13cは、先狭状の対向脚部81,82が収まる脚部受け入れ凹所13d,13eに奥まって形成されている。そして、ドーム状モータカバー70′にも図23(A)に示す如く脚部受け入れ凹所13d,13e及び軸受凹所13b,13cに対応した切り欠きKが形成されている。スイッチ操作部80′の支軸81b,82bは切り欠きKを介して図22に示す如く軸受凹所13b,13cに上から落とし込まれるが、これと同時に先狭状の対向脚部81,82も脚部受け入れ凹所13d,13eに上から落とし込まれる。スイッチ操作部80′の支軸81b,82b周りの回動に対して、脚部受け入れ凹所13d,13e又は切り欠きK内での先狭状の対向脚部81,82が度当たりするため、スイッチ操作部80′の揺動範囲は左右限界位置を持っている。
【0050】
このように、スイッチ操作部80′が右揺動限界位置を持つことから、図21(C)に示すオン状態では掛け止め部Aの先端が中継金具91のバネ接片91aを過度に押圧してしまうことがなく、バネ接片91a,30aの塑性変形を防止できる。また、スイッチ操作部80′が左揺動限界位置を持つことから、図21(A)に示すオフ状態では掛け止め部Aの第1凹部Aが電池プラス端子金具40′の山形折り曲げ部mを過度に持ち上げずに済み、立ち下がり部47の塑性変形を抑制できる。
【0051】
ドーム状モータカバー70′は第1の中抜き仕切り壁14bと第2の中抜き仕切り壁14cとの範囲内にレバー貫通孔Hを有し、この開口縁の先端側は図23(B)に示す如く肉厚となって電池プラス端子金具40′の立ち下がり部47の撓み量を抑制するバネ押え73となっている。図21(A)に示すオフ状態において掛け止め部Aの第1凹部Aが電池プラス端子金具40′の山形折り曲げ部mを過度に持ち上げても、バネ押え73が立ち下がり部47を押えているため、立ち下がり部47の撓み量を抑えて塑性変形を防止できる。
【0052】
図24(A)に示す如く、自由状態における立ち下がり部47の山形折り曲げ部mの頂点は回転中心Oからの放射方向線R上に位置しているが、ここで掛け止め部Aと山形折り曲げ部mとの係合離脱動作を検証すると、掛け止め部Aが矢印方向に降下するオン動作では、図24(A)に示す如く、湾曲凸部Zの下湾曲面が山形折り曲げ部mの反下端側斜面mを押圧して立ち下がり部47を右へ押し曲げるため、図24(B)に示す如く、湾曲凸部Zが山形折り曲げ部mの頂点を乗り上げ、図24(C)に示す如く、立ち下がり部47の曲がりが真直に復帰し、湾曲凸部Zの上湾曲面に山形折り曲げ部mの下端側斜面mが滑り込んで山形折り曲げ部mが第2凹部Aに落ち込み掛り止まり、バネ接片91a,30aが相接触してオン状態となる。
【0053】
他方、図24(D)のオン状態で掛け止め部Aが矢印方向に上昇するオン動作では、湾曲凸部Zの上湾曲面が山形折り曲げ部mの下端側斜面m上で滑らず下端側斜面mを押し上げてしまうことが起るため、掛け止め部Aの更なる上昇では図24(E)及び(F)に示す如く、山形折り曲げ部mが第2凹部Aの内に留まり、立ち下がり部47が過度に左に曲がり、掛け止め部Aが最上限界位置に至っても山形折り曲げ部mが第1凹部Aへ移れず、オフ釦部23bから指頭を離すと、押し曲がった立ち下がり部47の復元力により掛け止め部Aが降下し、図24(D)の状態に戻るので、オン状態が解除できない不具合が起り得る。
【0054】
山形折り曲げ部mと第1凹部A又は第2凹部Aとの掛り止めを確実にするには、山形折り曲げ部mの開き角度(=α+β)を狭くして嵌め合い深さを深くすることが必要であるが、下端側斜面mの放射方向線Rからの開き角度βが小さすぎると、図24(D)に示す如く、掛け止め部Aの上昇に伴う湾曲凸部Zの上湾曲面からの下端側斜面mへの抗力方向が立ち下がり部47の境界点Pの左側を通るので、図24(E)及び(F)の不具合が起る。従って、その抗力方向が曲げ境界点Pの右側を通るように、開き角度βを大きくするのが望ましい。大きな開き角度βでは掛け止め部Aの上昇に伴い、湾曲凸部Zの上湾曲面が下端側斜面m上を滑り、山形折り曲げ部mの頂点に達してすり抜けるため、山形折り曲げ部mが第1凹部A内に落ち込むので、オン状態からオフ状態へ確実に切換えることができる。
【0055】
他方、反下端側斜面mの放射方向線Rからの開き角度αが小さくとも、立ち下がり部47を右に押し曲げることができるので、オフ状態からオン状態へと支障なく切換えることができる。従って、開き角度αと開き角度βとが等しい場合よりも、開き角度βが開き角度αよりも大きい方が望ましい。本例においては開き角度αは25°で、開き角度βは35°としてある。
【符号の説明】
【0056】
1,1′…着脱式歯ブラシ振動装置
2…電動歯ブラシ
3…歯ブラシ
3a…ハンドル部
3b…柄部
3c…ヘッド部
3d…替えブラシユニット
3e…ネック部
3f…中途部
10,10′…ケース本体
10a,10b…側面
11…第1の二股爪部
12…第2の二股爪部
13…振動モータ収容部
13a…上端縁
13b,13c…軸受凹所
13d,13e…脚部受け入れ凹所
14…電池収容部
14a…壁
14b…第1の中抜き仕切り壁
14c…第2の中抜き仕切り壁
15…端子金具装填部
17…Oリング
20,20′…外カバー
21…矩形窓
22…防水シール
23…押し釦部
23a…オン釦部
23b…オフ釦部
30,30′…電池マイナス端子金具
30a,91a…バネ接片
31,33…端板部
31a…折り返し弾性片
31b,33b,41a,51a…返し片
32…底板部
33a,53…半田盛り片
40,40′…電池プラス端子金具
41,51…脚片部
41b,51b…切欠き部
42,52…凸部
43…折り返し弾性片
44…折曲部
45…立ち上がり部
46…逆U字状部
47…立ち下り部
48…端子接続片
50…モータプラス端子金具
60…振動モータ
61…マイナス端子
62…プラス端子
70,70′…ドーム状モータカバー
71…天井部
71a,71b…軸受孔
72…継ぎ足し天井部
73…バネ押え
80,80′…スイッチ操作部
81a,81b,82a,82b…支軸
81,82…対向脚部
83,83′…梃子部
83a…オン釦部
83b…オフ釦部
84…隔壁部
84a…ガイド溝
90…防水シール
91…中継金具
A…掛け止め部
…第1凹部
…第2凹部
B…乾電池
…第1の案内溝
…第2の案内溝
…第3の案内溝
H…貫通孔
h…盲穴
K…切り欠き
,K…外カバー掛止爪部
L…レバー部
m…山形折り曲げ部
…反下端側斜面
…下端側斜面
O…回転中心
P…境界点
,P…掛止突起
R…放射方向線
S…空洞部
T…尾部
W…偏心錘
Z…湾曲凸部
α,β…開き角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池及びその給電対象体のうちいずれか一方の電極と接続した第1金具と、前記電池及び前記給電対象体のうち他方の電極に接続した第2金具とを有するスイッチ装置において、第1金具の弾性接触部と第2金具の弾性接触部とが向かい合って位置決めされており、第1金具の弾性接触部に対して実質的に直交する方向に変位可能なレバー部を持つスイッチ操作部と、前記レバー部の掛け止め部と係合する山形折り曲げ部が端部側にある板バネ片を有する第3金具を備え、前記掛け止め部は、前記レバー部の先端側に設けられて前記スイッチ操作部の第1回動位置で前記山形折り曲げ部が相対的に嵌入して当該掛け止め部を自己位置決めする第1凹部と、前記レバー部で前記第1凹部よりも反先端側に設けられて前記スイッチ操作部の第2回動位置で前記山形折り曲げ部が相対的に嵌入して当該掛け止め部を自己位置決めする第2凹部と、前記スイッチ操作部の第1回動位置と第2回動位置との間で第1凹部と第2凹部とに対する前記山形折り曲げ部の嵌入を分かつ湾曲凸部とを有し、前記山形折り曲げ部が第2凹部に相対的に嵌入する際に前記レバー部の先端部が第1金具の弾性接触部を押圧して前記第2金具の弾性接触部に接触させることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、前記板バネ片の前記レバー部寄りへの撓みを抑制するバネ押えを備えて成ることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスイッチ装置において、前記スイッチ操作部は、相対向した支軸を持つ一対の対向脚部と、これらに跨って前記支軸に対して直交方向の双方向へ延在する梃子部と、この操作部の一端から湾曲した前記レバー部とを一体的に有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置において、放射方向線を前記板バネ片の自由状態で前記山形折り曲げ部の頂点と前記支軸の回転中心を通る線と規定すると、前記山形折り曲げ部の下端側斜面の前記放射方向線に対する開き角は前記山形折り曲げ部の反下端側斜面の前記放射方向線に対する開き角に比し大きいことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスイッチ装置を用いて成り、前記給電対象体は偏心錘を持つ振動モータであって、この振動モータと前記電池との間に前記第1乃至第3金具を配置して内蔵したケース本体を備え、このケース本体は、歯ブラシのネック部を着脱自在に挟持する第1の二股爪部と、前記歯ブラシのハンドル部を着脱自在に挟持する第2の二股爪部とを一体的に備えて成ることを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記ケース本体は前記第2の二股爪部から後方へ延在し前記ハンドル部に跨る尾部を有することを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記ケース本体の振動モータ収容部を塞ぐモータカバーを有し、前記振動モータ収容部と前記モータカバーとで前記支軸を揺動可能に支持し、前記操作部が前記モータカバー上に被さっていることを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記モータカバーは前記板バネ片の前記レバー部寄りへの撓みを抑制するバネ押えを有することを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記振動モータ収容部は、前記スイッチ操作部の前記支軸を中心とする回動角を限定する回り止め部を有することを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記ケース本体の電池収容部と前記振動モータ収容部とを一巡する開口縁にOリングを介在させて前記両収容部を塞ぐ外カバーを有することを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項11】
ケース本体とカバーとから成り、前記ケース本体は歯ブラシの柄部が貫通可能に抱持する空洞部を有し、前記ケース本体の先端において前記歯ブラシの柄部のハンドル部側であるネック部を着脱自在に弾力的に挟持する第1の二股爪部と、前記ケース本体の腹部において前記ハンドル部の中途部を着脱自在に弾力的に挟持する第2の二股爪部12とが設けられており、前記ケース本体は前記第1の二股爪部寄りに振動モータを内蔵して成ることを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。
【請求項12】
請求項11に記載の着脱式歯ブラシ用振動装置において、前記ケース本体は前記第2の二股爪部から後方へ延在し前記ハンドル部に跨る尾部を有することを特徴とする着脱式歯ブラシ用振動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−150963(P2012−150963A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8229(P2011−8229)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(392013361)テムコ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】