スイッチ装置
【課題】各方向への操作時に必要な力を均一にし、かつ構造を単純化したスイッチ装置を提供する。
【解決手段】常閉固定接点NCと常開固定接点NOを直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置し、原点上にも常閉固定接点NCを配置したものを1組として、基板に3組配列して固定接点81〜83とする。固定接点81〜83に対応するコモン接点84〜86を基板に配列する。1つの導体に設けた2つの可動接点を1組として、可動片に3組配列して可動接点群7a〜7fとする。導体71〜73の可動接点7a、7c、7eを各固定接点81〜83に接触するように設け、可動接点群7a〜7fの摺動に伴って常閉固定接点NCと常開固定接点NOとの接触が切り替わるようにし、可動接点7b、7d、7fを常にコモン接点84〜86に接触するように設ける。常閉固定接点NCと常開固定接点NOの配列は各固定接点81〜83で異ならせる。
【解決手段】常閉固定接点NCと常開固定接点NOを直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置し、原点上にも常閉固定接点NCを配置したものを1組として、基板に3組配列して固定接点81〜83とする。固定接点81〜83に対応するコモン接点84〜86を基板に配列する。1つの導体に設けた2つの可動接点を1組として、可動片に3組配列して可動接点群7a〜7fとする。導体71〜73の可動接点7a、7c、7eを各固定接点81〜83に接触するように設け、可動接点群7a〜7fの摺動に伴って常閉固定接点NCと常開固定接点NOとの接触が切り替わるようにし、可動接点7b、7d、7fを常にコモン接点84〜86に接触するように設ける。常閉固定接点NCと常開固定接点NOの配列は各固定接点81〜83で異ならせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交座標軸に沿って操作することによりON/OFFが切り替わるスイッチ装置の接点構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転席のアームレストや前面パネル等には、パワーミラー装置を操作するスイッチモジュールが配設されている。このスイッチモジュールには、左右のサイドミラーの視角を調節するスイッチ装置が設けられている。一般にこのスイッチ装置は、上、下、左、および右の4方向に対応するスイッチング(ONまたはOFFの状態の切り替え)が可能な4方向スイッチから成る(例えば、下記の特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1および2には、操作部材の4つ操作部とゴムバネの4つのバネ部とにより、3つのスイッチ素子を選択的に切り替えて駆動して、4方向のスイッチングを実現する構造が開示されている。スイッチ素子は、基板、基板に設けられた固定接点、基板上を摺動するスライダ、およびスライダに配設された可動接点から構成されている。このような構造では、操作部材を押す位置によって、固定接点上で摺動するスライダおよび可動接点が1つまたは2つになるので、クリック特性に差異が生じ、操作に違和感を覚える。そこで、クリック感を均一にするため、特許文献1では、スイッチ素子のないバネ部と対向する操作部の傾斜角度を、スイッチ素子のあるバネ部と対向する操作部の傾斜角度より大きくしている。特許文献2では、2つの可動接点を同時に可動させる2つのバネ部のうち、一方のクリック率を他方のクリック率より高くしている。しかしこのようにしても、各部の寸法や組み立ての誤差により、操作部材を押す位置によって、操作時に必要な力やクリック特性に差異が生じ、操作に違和感を覚えるおそれがある。また、特許文献1および2のスイッチ装置では、3つのスイッチ素子を選択的に切り替える必要があり、構造が複雑になる。
【0004】
特許文献3には、一対の可動接点を並び方向と45°傾いた直交座標に沿って操作するように構成し、一対の可動接点と6つの固定接点とにより4つの単極単投形スイッチと等価な開閉機能を発揮するスイッチの接点構造が開示されている。特許文献4には、一対の可動接点を2つ設け、直交座標軸上に原点を介して対向する4つの固定接点から成る固定接点パターンを4組設けて、4方向のスイッチングを実現する構造が開示されている。
【0005】
特許文献4の構造の場合、各可動接点を固定接点上で直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、4つの可動接点と4つの固定接点とが同時に接触する。また、電気回路上は、例えば図8に示すように8つのスイッチSa〜Shが設けられた構成となる。図8は、従来のパワーミラー装置の電気回路図である。図8において、一点鎖線で囲まれている部分は、パワーミラー装置用のスイッチモジュールである。二点鎖線で囲まれている4つの部分は、サイドミラーの視角調節用のスイッチ装置である。スイッチSa〜Shは、上述した特許文献3または特許文献4の可動接点と固定接点等から成る。スイッチSa、Sbはサイドミラーを上向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSc、Sdはサイドミラーを下向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSe、Sfはサイドミラーを左向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSg、Shはサイドミラーを右向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。Cはコネクタの端子である。Sx、Syは視角調節対象を左サイドミラーか右サイドミラーのいずれかに切り替えるスイッチである。スイッチSx、Syは同時に開閉する。M1は左サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M2は左サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。M3は右サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M4は右サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。スイッチSb、Sd、Sf、Shは、電源ACCからモータM1〜M4へと電流を流す回路を開閉する。スイッチSa、Sc、Se、Sgは、モータM1〜M4からグランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。スイッチSx、Syは、上記両回路を開閉する。
【0006】
例えば、スイッチSx、Syを破線で示すように左側の接点に接触させてONした状態で、各可動接点をサイドミラーの上方向に対応する直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、スイッチSa、Sbが破線で示すように接点に接触してON状態になり、電源ACCから左サイドミラー用の上下モータM1へと電流を流す回路と、該上下モータM1からグランドGNDへと電流を流す回路とが閉状態になる。これにより、上下モータM1に上から下へ電流が流れて、左サイドミラーが上向きに傾動する。また、スイッチSx、Syを破線で示すように右側の接点に接触させてONした状態で、各可動接点をサイドミラーの右方向に対応する直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、スイッチSg、Shが破線で示すように接点に接触してON状態になり、電源ACCから右サイドミラー用の左右モータM4へ電流を流す回路と、該左右モータM4からグランドGNDへと電流を流す回路とが閉状態になる。これにより、左右モータM4に下から上へ電流が流れて、右サイドミラーが右向きに傾動する。
【0007】
【特許文献1】特許第3766251号公報
【特許文献2】特許第3766252号公報
【特許文献3】特許第2500445号公報
【特許文献4】特開2002−245901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題とするところは、各方向への操作時に必要な力を均一にし、かつ構造を単純化したスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、可動接点群が設けられた可動片と、複数組の固定接点とそれに対応する複数組のコモン接点が設けられた基板とを備え、固定接点は常閉固定接点と常開固定接点とから成り、可動片を操作して可動接点群を複数組の固定接点上で摺動させることにより、可動接点群と複数組の固定接点とを接触または非接触の状態にするとともに、可動接点群と複数組のコモン接点とを常に接触の状態にして、スイッチのONまたはOFFを実現するスイッチ装置において、固定接点は、常閉固定接点と常開固定接点とが直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点が設けられたものを1組として、3組配列されて成り、可動接点群は、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成り、各導体の2つの可動接点のうち、一方の可動接点は、各固定接点に接触するように設けられ、可動接点群の摺動に伴って常閉固定接点または常開固定接点との接触が切り替わり、他方の可動接点は、常にコモン接点に接触するように設けられ、常閉固定接点と常開固定接点の配列は、各固定接点で異なる。
【0010】
上記によると、可動片の操作により、可動接点群、即ち全ての可動接点を固定接点上とコモン接点上で摺動させて、該接点同士を接触または非接触の状態にし、スイッチをONまたはOFFに切り替えるので、構造が単純化されて各部の寸法や組み立ての誤差の影響を受けず、可動片の直交座標軸に沿った各4方向への操作時に必要な力を均一にすることができ、操作に違和感を覚えることはない。
【0011】
また、本発明の一実施形態では、上記スイッチ装置において、可動接点群を1つの可動片に設ける。これにより、可動接点群が1つの可動片に一体化されて、可動接点と可動片およびこれらと他の各部の組み立て精度が上がり、組み立て工数が減少し、組み立て性を良好にすることができる。
【0012】
さらに、本発明の一実施形態では、上記スイッチ装置において、可動片を直交座標の両軸に沿って移動させるガイドを設ける。これにより、可動片および可動接点群が直交座標軸上から逸れた方向へ移動するのを確実に防止することができ、スイッチのONまたはOFFの切り替えを確実にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可動片の操作により、全可動接点を固定接点上とコモン接点上で摺動させて、スイッチをONまたはOFFに切り替えるので、可動片の各方向への操作時に必要な力を均一にできるとともに、構造を単純化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2は、車載用のスイッチモジュール100の斜視図である。スイッチモジュール100は、パワーミラー装置を操作するものであって、自動車の運転席のアームレストに配設される。スイッチモジュール100の前部には、スイッチ装置10、20、30が設けられている。図3Aおよび図3Bは、スイッチモジュール100およびスイッチ装置10の断面図である。詳しくは、図3Aと図3Bでは、スイッチモジュール100およびスイッチ装置10の縦断面をスイッチ装置20、30側から見た状態を示している。スイッチ装置10は4方向スイッチから成り、自動車の左右のサイドミラーの視角を調節するものである。スイッチ装置10は、本発明におけるスイッチ装置の一実施形態を構成する。スイッチ装置20はスライドスイッチから成り、視角調節対象のサイドミラーを切り替えるものである。スイッチ装置30はプッシュスイッチから成り、左右のサイドミラーを起立または倒伏するものである。
【0015】
図3Aに示すように、スイッチモジュール100のケース41の下方は開口されていて、カバー42を嵌め込むことにより塞がれる。ケース41内には、基板8が設けられている。基板8は、ケース41とカバー42とで上下から支持されている。基板8上には、図2に示すようにスイッチ装置20のスライド式のスイッチ24、スイッチ装置30の押し込み式のスイッチ34、図示しないその他の電子部品と電気回路が実装されている。スイッチ24のアクチュエータ23には、操作軸22の下端が係合されている。操作軸22は、ケース41に設けられた筒44(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。操作軸22の上端には、操作ノブ21が筒44の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ21を左右L、R(スイッチ装置30に対して離れる方向Lと近づく方向R)に操作することで、アクチュエータ23が操作軸22に引っ張られて左右L、Rに移動し、スイッチ24のON/OFF状態が切り替わって、視角調節対象が左サイドミラーまたは右サイドミラーになる。スイッチ34のアクチュエータ33は、ケース41に設けられた筒45(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。アクチュエータ33の上端には、操作ノブ31が筒45の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ31を下方へ押し操作することで、アクチュエータ33がスイッチ34内に押し込まれ、スイッチ34のON/OFF状態が切り替わって、左右のサイドミラーが起立または倒伏する。
【0016】
図3Aに示すように、ケース41の上部と内部には、筒43、46が連通するように設けられている。筒43の内面には、ふし43aが設けられている。操作軸2は筒43、46を貫通して、ケース41の上部と内部に突出している。操作軸2の上端には、操作ノブ1が筒43の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ1の上面には、図1および図2に示すように4つの三角形のマーク1U、1D、1L、1Rが設けられている。前U側にあるマーク1Uは、各サイドミラーの上方向に対応する方向を指している。後D側にあるマーク1Dは、各サイドミラーの下方向に対応する方向を指している。左L側にあるマーク1Lは、各サイドミラーの左方向に対応する方向を指している。右R側にあるマーク1Rは、各サイドミラーの右方向に対応する方向を指している。
【0017】
操作軸2の中央には、鍔3が取り付けられている。図3Aに示すように鍔3とふし43aの間の操作軸2の周囲には、コイルばね4が設けられている。コイルばね4は、鍔3とふし43aを互いに離れる方向へ押している。コイルばね4が鍔3とふし43aを押すことにより、操作軸2に設けられた段差部2aがふし43aに係合し、操作軸2が基板8に対して垂直な姿勢で保持されている。操作軸2の下端部は、ガイド5に設けられた孔5aを貫通して、可動片6に設けられた孔6aに嵌め込まれている。ガイド5の孔5aは、図2に示すように前U、後D、左L、および右Rへと拡がる直交座標軸上に形成されている。ガイド5は、図3Aに示すように筒46に設けられた段差面46aと可動片6に設けられた突起6bによって上下から支持されている。また、ガイド5は、基板8と平行に移動できないように筒46の側壁によって動きが制限されている。
【0018】
操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が該マーク1U、1D、1L、1Rのある前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ基板8と平行に移動する。つまり、可動片6が直交座標軸に沿った4方向U、D、L、Rのいずれかへ操作される。図3Bは、操作ノブ1のマーク1Rの位置が押されて、操作ノブ1と操作軸2がR方向へ傾き、可動片6がL方向へ移動操作された状態を示している。上記操作時にガイド5は、前、後、左、または右のいずれかの方向へ操作ノブ1と操作軸2を傾けて、可動片6を移動させるように案内する。操作ノブ1と操作軸2の傾き量および可動片6の移動量は、操作ノブ1の下端面1aがケース41の筒43の段差面43bに接触することで制限される。操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰する。
【0019】
図4は、中立状態(図3Aの状態)にある可動片6の近傍を上方(操作ノブ1側)から見た図である。図5A〜図5Eは、可動片6と基板8に設けられた接点の接触状態を示す図である。可動片6は合成樹脂で形成されている。可動片6には、図4に示すようにばね性を有する3つの導体71〜73が設けられている。基板8はガラスエポキシ樹脂等で形成されている。基板8上には、複数組の固定接点81〜83とそれに対応する複数組のコモン接点84〜86が設けられている。可動接点81〜83とコモン接点84〜86は導体で形成されている。固定接点81〜83は、図5Aに示すように常閉固定接点NCと常開固定接点NOから成る。具体的には、固定接点81〜83は、常閉固定接点NCと常開固定接点NOとが直交座標の両軸(図5Aの固定接点81の位置にのみ一点鎖線で図示)上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点NCが設けられたものを1組として、左右方向L、Rに3組配列されて成る。つまり、各固定接点81〜83には、常閉固定接点NCが3つ有り、常開固定接点NOが2つ有る。各固定接点81〜83において、3つの常閉固定接点NCは連続し、2つの常開固定接点NOは連続している。また、常閉固定接点NCと常開固定接点NOの配列は、各固定接点81〜83で異なる。各コモン接点84〜86は、直交座標の両軸に沿って拡がるように設けられている。また、各コモン接点84〜86は、各固定接点81〜83の後D側で左右方向L、Rに配列されている。
【0020】
可動片6の各導体71〜73は、図6に示すような形状に形成されている。図6は、各導体71〜73のU、D方向の断面図である。各導体71〜73には、2つずつ可動接点7a〜7fが下方へ突出するように設けられている。つまり、可動接点群7a〜7fは、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成る。可動接点群7a〜7fは、可動片6から下方へ突出して、基板8上に所定の圧力で接触している。可動片6が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ操作されることで、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上をそれと同じ方向へ摺動する。各導体71〜73の2つの可動接点7a〜7fのうち、前U側の可動接点7a、7c、7eは、各固定接点81〜83に接触するように設けられていて、可動接点群7a〜7fの摺動に伴って常閉固定接点NCまたは常開固定接点NOとの接触状態が切り替わる。後D側の可動接点7b、7d、7fは、常に各コモン接点84〜86に接触するように設けられている。このような構造により電気回路上は、導体71、可動接点7a、7b、固定接点81、およびコモン接点84によりスイッチS1が構成される。また、導体72、可動接点7c、7d、固定接点82、およびコモン接点85によりスイッチS2が構成される。さらに、導体73、可動接点7e、7f、固定接点83、およびコモン接点86によりスイッチS3が構成される。
【0021】
図7は、スイッチモジュール100で操作するパワーミラー装置の電気回路図である。図において、サイドミラーを起立または倒伏するスイッチ装置やモータ等の構成については図示を省略している。一点鎖線で囲まれている部分がスイッチモジュール100である。二点鎖線で囲まれている3つの部分がスイッチ装置10に設けられた上述の3つのスイッチS1〜S3である。Cはコネクタの端子である。Sx、Syは視角調節対象を左サイドミラーか右サイドミラーのいずれかに切り替えるスイッチである。スイッチSx、Syはスイッチ装置20に設けられ、同時に開閉する。M1は左サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M2は左サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。M3は右サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M4は右サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。
【0022】
図1、図2、図3A、および図5Aに示すようにスイッチ装置10、20が中立状態にある場合は、スイッチモジュール100の各スイッチS1〜S3、Sx、Syは図7に実線で示すようなOFF状態にある。左右のサイドミラーはスイッチ装置30の操作により起立している。この状態から、スイッチ装置20の操作ノブ21を左Lまたは右Rのいずれかの方向へスライド操作すると、スイッチSx、Syが破線で示すように左右のいずれかの接点に接触してON状態になる。さらに、スイッチ装置10の操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、可動接点群7a〜7fと固定接点81〜83の接触状態が変化して、スイッチS1〜S3のON/OFF状態が切り替わる。
【0023】
具体的には、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が前U側へ傾き、可動片6が後D側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Bに示すように可動接点7aが固定接点81の常開固定接点NOに接触し、可動接点7c、7eが固定接点82、83の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS2、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS1の常開固定接点NOとコモン接点84とを通って、上下モータM1、M3のいずれかに上から下へ流れ、スイッチSxの左右の接点のいずれかとスイッチS3のコモン接点86と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が上向きに傾動する。
【0024】
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が後D側へ傾き、可動片6が前U側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Cに示すように可動接点7aが固定接点81の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7c、7eが固定接点82、83の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になり、スイッチS2、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点86とスイッチSxの左右の接点のいずれかを通って、上下モータM1、M3のいずれかに下から上へ流れ、スイッチS1のコモン接点84と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が下向きに傾動する。
【0025】
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が左L側へ傾き、可動片6が右R側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Dに示すように可動接点7a、7eが固定接点81、83の常開固定接点NOに接触し、可動接点7cが固定接点82の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS2が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点86とスイッチSxの左右の接点のいずれかを通って、左右モータM2、M4のいずれかに下から上へと流れ、スイッチSyの左右の接点のいずれかとスイッチS2のコモン接点85と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が左向きに傾動する。
【0026】
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が右R側へ傾き、可動片6が左L側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Eに示すように可動接点7a、7eが固定接点81、83の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7cが固定接点82の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS2が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS1、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS2の常開固定接点NOとコモン接点85とスイッチSyの左右の接点のいずれかを通って、左右モータM2、M4のいずれかに上から下へ流れ、スイッチSxの左右の接点のいずれかとスイッチS3のコモン接点86と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が右向きに傾動する。
【0027】
操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰し、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動して、図4および図5Aに示すように元の接触状態に復帰する。
【0028】
上記によると、操作ノブ1と操作軸2により可動片6を直交座標軸に沿った前U、後D、左L、または右Rの各4方向へ移動操作することで、全ての可動接点7a〜7fを固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上で摺動させて、該接点同士を接触または非接触の状態にし、スイッチS1〜S3をONまたはOFFに切り替えることができる。つまり、可動片6の各4方向U、D、L、Rへの移動操作時に、固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上で摺動する可動接点7a〜7fの数が常に6つであって、従来の特許文献1、2の構造のように変わることがない。このため、構造が単純化されて各部の寸法や組み立ての誤差の影響を受けず、可動片6の各4方向U、D、L、Rへの操作時に必要な力とクリック感を均一にすることが可能となり、操作に違和感を覚えることはない。
【0029】
また、可動接点群7a〜7fを1つの可動片6に設けて一体化しているので、可動接点7a〜7fを設けた導体71〜73と可動片6およびこれらと他の各部の組み立て精度が上がり、組み立て工数が減少し、組み立て性を良好にすることができる。
【0030】
さらに、可動片6を直交座標の両軸に沿って移動させるガイド5を設けているので、可動片6および可動接点群7a〜7fが直交座標軸上から逸れた方向へ移動するのを確実に防止することができ、スイッチS1〜S3のON/OFFの切り替えを確実にすることが可能となる。
【0031】
以上述べた実施形態では、本発明を、自動車のパワーミラー装置に組み合わされるサイドミラーの視角調節用のスイッチ装置10に適用した例を挙げたが、本発明は、これ以外の用途に用いられるスイッチ装置にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態に係るスイッチモジュールの斜視図である。
【図2】実施形態に係るスイッチモジュールの斜視図である。
【図3A】実施形態に係るスイッチ装置の断面図である。
【図3B】実施形態に係るスイッチ装置の断面図である。
【図4】実施形態に係るスイッチ装置の可動片の近傍図である。
【図5A】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5B】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5C】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5D】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5E】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図6】実施形態に係るスイッチ装置の導体の断面図である。
【図7】実施形態に係るパワーミラー装置の電気回路図である。
【図8】従来のパワーミラー装置の電気回路図である。
【符号の説明】
【0033】
1 操作ノブ
2 操作軸
5 ガイド
6 可動片
7a〜7f 可動接点
8 基板
10 スイッチ装置
71〜73 導体
81〜83 固定接点
84〜86 コモン接点
NC 常閉固定接点
NO 常開固定接点
S1〜S3 スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交座標軸に沿って操作することによりON/OFFが切り替わるスイッチ装置の接点構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転席のアームレストや前面パネル等には、パワーミラー装置を操作するスイッチモジュールが配設されている。このスイッチモジュールには、左右のサイドミラーの視角を調節するスイッチ装置が設けられている。一般にこのスイッチ装置は、上、下、左、および右の4方向に対応するスイッチング(ONまたはOFFの状態の切り替え)が可能な4方向スイッチから成る(例えば、下記の特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1および2には、操作部材の4つ操作部とゴムバネの4つのバネ部とにより、3つのスイッチ素子を選択的に切り替えて駆動して、4方向のスイッチングを実現する構造が開示されている。スイッチ素子は、基板、基板に設けられた固定接点、基板上を摺動するスライダ、およびスライダに配設された可動接点から構成されている。このような構造では、操作部材を押す位置によって、固定接点上で摺動するスライダおよび可動接点が1つまたは2つになるので、クリック特性に差異が生じ、操作に違和感を覚える。そこで、クリック感を均一にするため、特許文献1では、スイッチ素子のないバネ部と対向する操作部の傾斜角度を、スイッチ素子のあるバネ部と対向する操作部の傾斜角度より大きくしている。特許文献2では、2つの可動接点を同時に可動させる2つのバネ部のうち、一方のクリック率を他方のクリック率より高くしている。しかしこのようにしても、各部の寸法や組み立ての誤差により、操作部材を押す位置によって、操作時に必要な力やクリック特性に差異が生じ、操作に違和感を覚えるおそれがある。また、特許文献1および2のスイッチ装置では、3つのスイッチ素子を選択的に切り替える必要があり、構造が複雑になる。
【0004】
特許文献3には、一対の可動接点を並び方向と45°傾いた直交座標に沿って操作するように構成し、一対の可動接点と6つの固定接点とにより4つの単極単投形スイッチと等価な開閉機能を発揮するスイッチの接点構造が開示されている。特許文献4には、一対の可動接点を2つ設け、直交座標軸上に原点を介して対向する4つの固定接点から成る固定接点パターンを4組設けて、4方向のスイッチングを実現する構造が開示されている。
【0005】
特許文献4の構造の場合、各可動接点を固定接点上で直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、4つの可動接点と4つの固定接点とが同時に接触する。また、電気回路上は、例えば図8に示すように8つのスイッチSa〜Shが設けられた構成となる。図8は、従来のパワーミラー装置の電気回路図である。図8において、一点鎖線で囲まれている部分は、パワーミラー装置用のスイッチモジュールである。二点鎖線で囲まれている4つの部分は、サイドミラーの視角調節用のスイッチ装置である。スイッチSa〜Shは、上述した特許文献3または特許文献4の可動接点と固定接点等から成る。スイッチSa、Sbはサイドミラーを上向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSc、Sdはサイドミラーを下向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSe、Sfはサイドミラーを左向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。スイッチSg、Shはサイドミラーを右向きに傾動操作するものであり、同時に開閉する。Cはコネクタの端子である。Sx、Syは視角調節対象を左サイドミラーか右サイドミラーのいずれかに切り替えるスイッチである。スイッチSx、Syは同時に開閉する。M1は左サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M2は左サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。M3は右サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M4は右サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。スイッチSb、Sd、Sf、Shは、電源ACCからモータM1〜M4へと電流を流す回路を開閉する。スイッチSa、Sc、Se、Sgは、モータM1〜M4からグランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。スイッチSx、Syは、上記両回路を開閉する。
【0006】
例えば、スイッチSx、Syを破線で示すように左側の接点に接触させてONした状態で、各可動接点をサイドミラーの上方向に対応する直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、スイッチSa、Sbが破線で示すように接点に接触してON状態になり、電源ACCから左サイドミラー用の上下モータM1へと電流を流す回路と、該上下モータM1からグランドGNDへと電流を流す回路とが閉状態になる。これにより、上下モータM1に上から下へ電流が流れて、左サイドミラーが上向きに傾動する。また、スイッチSx、Syを破線で示すように右側の接点に接触させてONした状態で、各可動接点をサイドミラーの右方向に対応する直交座標軸に沿った一方向へ摺動させると、スイッチSg、Shが破線で示すように接点に接触してON状態になり、電源ACCから右サイドミラー用の左右モータM4へ電流を流す回路と、該左右モータM4からグランドGNDへと電流を流す回路とが閉状態になる。これにより、左右モータM4に下から上へ電流が流れて、右サイドミラーが右向きに傾動する。
【0007】
【特許文献1】特許第3766251号公報
【特許文献2】特許第3766252号公報
【特許文献3】特許第2500445号公報
【特許文献4】特開2002−245901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題とするところは、各方向への操作時に必要な力を均一にし、かつ構造を単純化したスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、可動接点群が設けられた可動片と、複数組の固定接点とそれに対応する複数組のコモン接点が設けられた基板とを備え、固定接点は常閉固定接点と常開固定接点とから成り、可動片を操作して可動接点群を複数組の固定接点上で摺動させることにより、可動接点群と複数組の固定接点とを接触または非接触の状態にするとともに、可動接点群と複数組のコモン接点とを常に接触の状態にして、スイッチのONまたはOFFを実現するスイッチ装置において、固定接点は、常閉固定接点と常開固定接点とが直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点が設けられたものを1組として、3組配列されて成り、可動接点群は、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成り、各導体の2つの可動接点のうち、一方の可動接点は、各固定接点に接触するように設けられ、可動接点群の摺動に伴って常閉固定接点または常開固定接点との接触が切り替わり、他方の可動接点は、常にコモン接点に接触するように設けられ、常閉固定接点と常開固定接点の配列は、各固定接点で異なる。
【0010】
上記によると、可動片の操作により、可動接点群、即ち全ての可動接点を固定接点上とコモン接点上で摺動させて、該接点同士を接触または非接触の状態にし、スイッチをONまたはOFFに切り替えるので、構造が単純化されて各部の寸法や組み立ての誤差の影響を受けず、可動片の直交座標軸に沿った各4方向への操作時に必要な力を均一にすることができ、操作に違和感を覚えることはない。
【0011】
また、本発明の一実施形態では、上記スイッチ装置において、可動接点群を1つの可動片に設ける。これにより、可動接点群が1つの可動片に一体化されて、可動接点と可動片およびこれらと他の各部の組み立て精度が上がり、組み立て工数が減少し、組み立て性を良好にすることができる。
【0012】
さらに、本発明の一実施形態では、上記スイッチ装置において、可動片を直交座標の両軸に沿って移動させるガイドを設ける。これにより、可動片および可動接点群が直交座標軸上から逸れた方向へ移動するのを確実に防止することができ、スイッチのONまたはOFFの切り替えを確実にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可動片の操作により、全可動接点を固定接点上とコモン接点上で摺動させて、スイッチをONまたはOFFに切り替えるので、可動片の各方向への操作時に必要な力を均一にできるとともに、構造を単純化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2は、車載用のスイッチモジュール100の斜視図である。スイッチモジュール100は、パワーミラー装置を操作するものであって、自動車の運転席のアームレストに配設される。スイッチモジュール100の前部には、スイッチ装置10、20、30が設けられている。図3Aおよび図3Bは、スイッチモジュール100およびスイッチ装置10の断面図である。詳しくは、図3Aと図3Bでは、スイッチモジュール100およびスイッチ装置10の縦断面をスイッチ装置20、30側から見た状態を示している。スイッチ装置10は4方向スイッチから成り、自動車の左右のサイドミラーの視角を調節するものである。スイッチ装置10は、本発明におけるスイッチ装置の一実施形態を構成する。スイッチ装置20はスライドスイッチから成り、視角調節対象のサイドミラーを切り替えるものである。スイッチ装置30はプッシュスイッチから成り、左右のサイドミラーを起立または倒伏するものである。
【0015】
図3Aに示すように、スイッチモジュール100のケース41の下方は開口されていて、カバー42を嵌め込むことにより塞がれる。ケース41内には、基板8が設けられている。基板8は、ケース41とカバー42とで上下から支持されている。基板8上には、図2に示すようにスイッチ装置20のスライド式のスイッチ24、スイッチ装置30の押し込み式のスイッチ34、図示しないその他の電子部品と電気回路が実装されている。スイッチ24のアクチュエータ23には、操作軸22の下端が係合されている。操作軸22は、ケース41に設けられた筒44(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。操作軸22の上端には、操作ノブ21が筒44の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ21を左右L、R(スイッチ装置30に対して離れる方向Lと近づく方向R)に操作することで、アクチュエータ23が操作軸22に引っ張られて左右L、Rに移動し、スイッチ24のON/OFF状態が切り替わって、視角調節対象が左サイドミラーまたは右サイドミラーになる。スイッチ34のアクチュエータ33は、ケース41に設けられた筒45(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。アクチュエータ33の上端には、操作ノブ31が筒45の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ31を下方へ押し操作することで、アクチュエータ33がスイッチ34内に押し込まれ、スイッチ34のON/OFF状態が切り替わって、左右のサイドミラーが起立または倒伏する。
【0016】
図3Aに示すように、ケース41の上部と内部には、筒43、46が連通するように設けられている。筒43の内面には、ふし43aが設けられている。操作軸2は筒43、46を貫通して、ケース41の上部と内部に突出している。操作軸2の上端には、操作ノブ1が筒43の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ1の上面には、図1および図2に示すように4つの三角形のマーク1U、1D、1L、1Rが設けられている。前U側にあるマーク1Uは、各サイドミラーの上方向に対応する方向を指している。後D側にあるマーク1Dは、各サイドミラーの下方向に対応する方向を指している。左L側にあるマーク1Lは、各サイドミラーの左方向に対応する方向を指している。右R側にあるマーク1Rは、各サイドミラーの右方向に対応する方向を指している。
【0017】
操作軸2の中央には、鍔3が取り付けられている。図3Aに示すように鍔3とふし43aの間の操作軸2の周囲には、コイルばね4が設けられている。コイルばね4は、鍔3とふし43aを互いに離れる方向へ押している。コイルばね4が鍔3とふし43aを押すことにより、操作軸2に設けられた段差部2aがふし43aに係合し、操作軸2が基板8に対して垂直な姿勢で保持されている。操作軸2の下端部は、ガイド5に設けられた孔5aを貫通して、可動片6に設けられた孔6aに嵌め込まれている。ガイド5の孔5aは、図2に示すように前U、後D、左L、および右Rへと拡がる直交座標軸上に形成されている。ガイド5は、図3Aに示すように筒46に設けられた段差面46aと可動片6に設けられた突起6bによって上下から支持されている。また、ガイド5は、基板8と平行に移動できないように筒46の側壁によって動きが制限されている。
【0018】
操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が該マーク1U、1D、1L、1Rのある前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ基板8と平行に移動する。つまり、可動片6が直交座標軸に沿った4方向U、D、L、Rのいずれかへ操作される。図3Bは、操作ノブ1のマーク1Rの位置が押されて、操作ノブ1と操作軸2がR方向へ傾き、可動片6がL方向へ移動操作された状態を示している。上記操作時にガイド5は、前、後、左、または右のいずれかの方向へ操作ノブ1と操作軸2を傾けて、可動片6を移動させるように案内する。操作ノブ1と操作軸2の傾き量および可動片6の移動量は、操作ノブ1の下端面1aがケース41の筒43の段差面43bに接触することで制限される。操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰する。
【0019】
図4は、中立状態(図3Aの状態)にある可動片6の近傍を上方(操作ノブ1側)から見た図である。図5A〜図5Eは、可動片6と基板8に設けられた接点の接触状態を示す図である。可動片6は合成樹脂で形成されている。可動片6には、図4に示すようにばね性を有する3つの導体71〜73が設けられている。基板8はガラスエポキシ樹脂等で形成されている。基板8上には、複数組の固定接点81〜83とそれに対応する複数組のコモン接点84〜86が設けられている。可動接点81〜83とコモン接点84〜86は導体で形成されている。固定接点81〜83は、図5Aに示すように常閉固定接点NCと常開固定接点NOから成る。具体的には、固定接点81〜83は、常閉固定接点NCと常開固定接点NOとが直交座標の両軸(図5Aの固定接点81の位置にのみ一点鎖線で図示)上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点NCが設けられたものを1組として、左右方向L、Rに3組配列されて成る。つまり、各固定接点81〜83には、常閉固定接点NCが3つ有り、常開固定接点NOが2つ有る。各固定接点81〜83において、3つの常閉固定接点NCは連続し、2つの常開固定接点NOは連続している。また、常閉固定接点NCと常開固定接点NOの配列は、各固定接点81〜83で異なる。各コモン接点84〜86は、直交座標の両軸に沿って拡がるように設けられている。また、各コモン接点84〜86は、各固定接点81〜83の後D側で左右方向L、Rに配列されている。
【0020】
可動片6の各導体71〜73は、図6に示すような形状に形成されている。図6は、各導体71〜73のU、D方向の断面図である。各導体71〜73には、2つずつ可動接点7a〜7fが下方へ突出するように設けられている。つまり、可動接点群7a〜7fは、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成る。可動接点群7a〜7fは、可動片6から下方へ突出して、基板8上に所定の圧力で接触している。可動片6が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ操作されることで、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上をそれと同じ方向へ摺動する。各導体71〜73の2つの可動接点7a〜7fのうち、前U側の可動接点7a、7c、7eは、各固定接点81〜83に接触するように設けられていて、可動接点群7a〜7fの摺動に伴って常閉固定接点NCまたは常開固定接点NOとの接触状態が切り替わる。後D側の可動接点7b、7d、7fは、常に各コモン接点84〜86に接触するように設けられている。このような構造により電気回路上は、導体71、可動接点7a、7b、固定接点81、およびコモン接点84によりスイッチS1が構成される。また、導体72、可動接点7c、7d、固定接点82、およびコモン接点85によりスイッチS2が構成される。さらに、導体73、可動接点7e、7f、固定接点83、およびコモン接点86によりスイッチS3が構成される。
【0021】
図7は、スイッチモジュール100で操作するパワーミラー装置の電気回路図である。図において、サイドミラーを起立または倒伏するスイッチ装置やモータ等の構成については図示を省略している。一点鎖線で囲まれている部分がスイッチモジュール100である。二点鎖線で囲まれている3つの部分がスイッチ装置10に設けられた上述の3つのスイッチS1〜S3である。Cはコネクタの端子である。Sx、Syは視角調節対象を左サイドミラーか右サイドミラーのいずれかに切り替えるスイッチである。スイッチSx、Syはスイッチ装置20に設けられ、同時に開閉する。M1は左サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M2は左サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。M3は右サイドミラーを上下へ傾動させるモータである。M4は右サイドミラーを左右へ傾動させるモータである。
【0022】
図1、図2、図3A、および図5Aに示すようにスイッチ装置10、20が中立状態にある場合は、スイッチモジュール100の各スイッチS1〜S3、Sx、Syは図7に実線で示すようなOFF状態にある。左右のサイドミラーはスイッチ装置30の操作により起立している。この状態から、スイッチ装置20の操作ノブ21を左Lまたは右Rのいずれかの方向へスライド操作すると、スイッチSx、Syが破線で示すように左右のいずれかの接点に接触してON状態になる。さらに、スイッチ装置10の操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、可動接点群7a〜7fと固定接点81〜83の接触状態が変化して、スイッチS1〜S3のON/OFF状態が切り替わる。
【0023】
具体的には、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が前U側へ傾き、可動片6が後D側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Bに示すように可動接点7aが固定接点81の常開固定接点NOに接触し、可動接点7c、7eが固定接点82、83の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS2、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS1の常開固定接点NOとコモン接点84とを通って、上下モータM1、M3のいずれかに上から下へ流れ、スイッチSxの左右の接点のいずれかとスイッチS3のコモン接点86と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が上向きに傾動する。
【0024】
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が後D側へ傾き、可動片6が前U側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Cに示すように可動接点7aが固定接点81の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7c、7eが固定接点82、83の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になり、スイッチS2、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点86とスイッチSxの左右の接点のいずれかを通って、上下モータM1、M3のいずれかに下から上へ流れ、スイッチS1のコモン接点84と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が下向きに傾動する。
【0025】
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が左L側へ傾き、可動片6が右R側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Dに示すように可動接点7a、7eが固定接点81、83の常開固定接点NOに接触し、可動接点7cが固定接点82の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS1、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS2が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点86とスイッチSxの左右の接点のいずれかを通って、左右モータM2、M4のいずれかに下から上へと流れ、スイッチSyの左右の接点のいずれかとスイッチS2のコモン接点85と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が左向きに傾動する。
【0026】
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が右R側へ傾き、可動片6が左L側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動する。そして、図5Eに示すように可動接点7a、7eが固定接点81、83の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7cが固定接点82の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点84〜86に接触する。すると、図7でスイッチS2が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、スイッチS1、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源ACCからスイッチS2の常開固定接点NOとコモン接点85とスイッチSyの左右の接点のいずれかを通って、左右モータM2、M4のいずれかに上から下へ流れ、スイッチSxの左右の接点のいずれかとスイッチS3のコモン接点86と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、左右のサイドミラーのいずれか一方が右向きに傾動する。
【0027】
操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰し、可動接点群7a〜7fが固定接点81〜83上およびコモン接点84〜86上で摺動して、図4および図5Aに示すように元の接触状態に復帰する。
【0028】
上記によると、操作ノブ1と操作軸2により可動片6を直交座標軸に沿った前U、後D、左L、または右Rの各4方向へ移動操作することで、全ての可動接点7a〜7fを固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上で摺動させて、該接点同士を接触または非接触の状態にし、スイッチS1〜S3をONまたはOFFに切り替えることができる。つまり、可動片6の各4方向U、D、L、Rへの移動操作時に、固定接点81〜83上とコモン接点84〜86上で摺動する可動接点7a〜7fの数が常に6つであって、従来の特許文献1、2の構造のように変わることがない。このため、構造が単純化されて各部の寸法や組み立ての誤差の影響を受けず、可動片6の各4方向U、D、L、Rへの操作時に必要な力とクリック感を均一にすることが可能となり、操作に違和感を覚えることはない。
【0029】
また、可動接点群7a〜7fを1つの可動片6に設けて一体化しているので、可動接点7a〜7fを設けた導体71〜73と可動片6およびこれらと他の各部の組み立て精度が上がり、組み立て工数が減少し、組み立て性を良好にすることができる。
【0030】
さらに、可動片6を直交座標の両軸に沿って移動させるガイド5を設けているので、可動片6および可動接点群7a〜7fが直交座標軸上から逸れた方向へ移動するのを確実に防止することができ、スイッチS1〜S3のON/OFFの切り替えを確実にすることが可能となる。
【0031】
以上述べた実施形態では、本発明を、自動車のパワーミラー装置に組み合わされるサイドミラーの視角調節用のスイッチ装置10に適用した例を挙げたが、本発明は、これ以外の用途に用いられるスイッチ装置にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態に係るスイッチモジュールの斜視図である。
【図2】実施形態に係るスイッチモジュールの斜視図である。
【図3A】実施形態に係るスイッチ装置の断面図である。
【図3B】実施形態に係るスイッチ装置の断面図である。
【図4】実施形態に係るスイッチ装置の可動片の近傍図である。
【図5A】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5B】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5C】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5D】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図5E】実施形態に係るスイッチ装置の接点の接触状態図である。
【図6】実施形態に係るスイッチ装置の導体の断面図である。
【図7】実施形態に係るパワーミラー装置の電気回路図である。
【図8】従来のパワーミラー装置の電気回路図である。
【符号の説明】
【0033】
1 操作ノブ
2 操作軸
5 ガイド
6 可動片
7a〜7f 可動接点
8 基板
10 スイッチ装置
71〜73 導体
81〜83 固定接点
84〜86 コモン接点
NC 常閉固定接点
NO 常開固定接点
S1〜S3 スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接点群が設けられた可動片と、複数組の固定接点とそれに対応する複数組のコモン接点が設けられた基板とを備え、前記固定接点は常閉固定接点と常開固定接点とから成り、前記可動片を操作して前記可動接点群を前記複数組の固定接点上で摺動させることにより、前記可動接点群と前記複数組の固定接点とを接触または非接触の状態にするとともに、前記可動接点群と前記複数組のコモン接点とを常に接触の状態にして、スイッチのONまたはOFFを実現するスイッチ装置において、
前記固定接点は、常閉固定接点と常開固定接点とが直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点が設けられたものを1組として、3組配列されて成り、
前記可動接点群は、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成り、
前記各導体の2つの可動接点のうち、一方の可動接点は、前記各固定接点に接触するように設けられ、前記可動接点群の摺動に伴って前記常閉固定接点または前記常開固定接点との接触が切り替わり、他方の可動接点は、常に前記コモン接点に接触するように設けられ、
前記常閉固定接点と前記常開固定接点の配列は、前記各固定接点で異なることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置おいて、
前記可動接点群は、1つの可動片に設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置おいて、
前記可動片を前記直交座標の両軸に沿って移動させるガイドを設けたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項1】
可動接点群が設けられた可動片と、複数組の固定接点とそれに対応する複数組のコモン接点が設けられた基板とを備え、前記固定接点は常閉固定接点と常開固定接点とから成り、前記可動片を操作して前記可動接点群を前記複数組の固定接点上で摺動させることにより、前記可動接点群と前記複数組の固定接点とを接触または非接触の状態にするとともに、前記可動接点群と前記複数組のコモン接点とを常に接触の状態にして、スイッチのONまたはOFFを実現するスイッチ装置において、
前記固定接点は、常閉固定接点と常開固定接点とが直交座標の両軸上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点が設けられたものを1組として、3組配列されて成り、
前記可動接点群は、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成り、
前記各導体の2つの可動接点のうち、一方の可動接点は、前記各固定接点に接触するように設けられ、前記可動接点群の摺動に伴って前記常閉固定接点または前記常開固定接点との接触が切り替わり、他方の可動接点は、常に前記コモン接点に接触するように設けられ、
前記常閉固定接点と前記常開固定接点の配列は、前記各固定接点で異なることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置おいて、
前記可動接点群は、1つの可動片に設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置おいて、
前記可動片を前記直交座標の両軸に沿って移動させるガイドを設けたことを特徴とするスイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−166103(P2008−166103A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354150(P2006−354150)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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