説明

スイッチ装置

【課題】 操作者の感覚如何に拘わらず、照明用光源を所定の発光色に調整でき、所定の発光色とは微妙に異なる発光色の再現も意識的に行えるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】 スイッチ装置本体1前面に照明用光源の色温度を変更する色温度変更用操作部6、7、色温度表示部3、光量変更用操作部8、9、光量表示部4及び電源オンオフ操作部5が設けられている。両表示部3、4は光源を有して発光する。スイッチ装置本体1前面は、全面的に不透過性のパネル31に覆われる一方、パネルの両表示部3、4に対応する領域は、光透過性を有している。パネル31に各操作部5〜9を操作する単一の操作スイッチ50が設けられている。操作スイッチ50は、姿勢を変えることにより、色温度変更用操作部6、7、光量変更用操作部8、9及び電源オンオフ操作部5を選択的に操作しうるものとなされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置に接続され照明用光源の発光状態の調節を行うスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近は、LEDを光源とする照明装置が多く用いられるようになってきており、例えば、赤、緑、青の三色の光源の発光強度バランスを変更することにより、様々な発光色を得ることのできる照明装置が種々提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
また、特許文献1には、発光強度バランスの変更に加えて光量を変更させることよりさらに異なる発光状態を得ることのできる照明装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−144510号公報
【特許文献2】再公表特許WO2003/019072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような照明装置において、各色光源の発光強度を任意に変更可能にすると、様々な発光色を得られる反面、色に対する操作時の感覚が異なることによって、同じ発光色を再現することが難しくなるという問題があった。
【0005】
また、光量においても同様であり、明るさに対する操作時の感覚が異なることによって、同じ光量の発光状態を再現することが難しかった。
【0006】
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、照明用光源を任意の発光状態に調整できると共に、操作時の感覚如何に拘わらず、同じ発光状態を容易に再現することができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而して、この発明のスイッチ装置は、下記[1]〜[12]の構成を有する。
【0008】
[1] 照明装置に接続され、照明用光源の発光状態を変更するスイッチ装置であって、照明用光源の発光状態を変更する発光状態変更用操作部と、該発光状態変更用操作部によって変更された発光状態を表示する発光状態表示部とを備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【0009】
[2] 前記発光状態変更用操作部は、照明用光源の発光色の色温度を変更する色温度変更用操作部であり、発光状態表示部が、前記色温度変更用操作部によって変更された色温度を表示する色温度表示部である請求項1に記載のスイッチ装置。
【0010】
[3] 前記発光状態変更用操作部は、照明用光源の光量を変更する光量変更用操作部であり、発光状態表示部が、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部である前項1に記載のスイッチ装置。
【0011】
[4] 前記発光状態変更用操作部は、色温度変更用操作部と光量変更用操作部の両方を備え、発光状態表示部が、前記色温度変更用操作部によって変更された色温度表示部と、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部の両方を備えている前項1に記載のスイッチ装置。
【0012】
[5] 前記発光状態変更用操作部は、光量操作部と照明用光源の発光パターンを変更する発光パターン変更用操作部の両方を備え、発光状態表示部が、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部と、前記発光パターン変更用操作部によって変更されて発光パターン表示部の両方を備えている前項3に記載のスイッチ装置。
【0013】
ここに言う発光パターンとは、複数の異なる発光色に変化するものとなされた発光状態のことである。特定の発光色から他の特定の発光色へ急激に変化するものと、特定の発光色から他の特定の発光色への変化が緩やかに行われるものとの両方を含む。
【0014】
[6] 前記色温度表示部は、発光性を有している前項2又は前項4に記載のスイッチ装置。
【0015】
[7] 前記光量表示部は、発光性を有している前項3ないし前項5のいずれかに記載のスイッチ装置。
【0016】
[8] 前記発光パターン表示部は、発光性を有している前項5に記載のスイッチ装置。
【0017】
[9] 前記発光状態変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられると共に、
該スイッチ装置本体前面は、全面的に光不透過性のパネルに覆われる一方、該パネルの発光状態表示部に対応する領域は、光透過性を有するものと構成されている前項6ないし前項8のいずれかに記載のスイッチ装置。
【0018】
[10] 前記色温度変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられ、色温度増加変更操作用ボタンと色温度減少変更操作用ボタンとを有する一方、
前記光量変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられ、光量増加変更操作用ボタンと光量減少変更操作用ボタンとを有し、
前記発光パターン変更用操作ボタンは、スイッチ装置本体前面に設けられ、発光パターン順序順送りボタンと順序逆送りボタンとを有し、
前記パネルに、前記色温度変更用操作部及び前記光量変更用操作部、又は発光パターン変更用操作部及び各ボタンを操作する単一の操作スイッチが設けられ、該操作スイッチの姿勢を異ならせることにより、前記各ボタンを選択的に操作しうるものとなされている前項9に記載のスイッチ装置。
【0019】
[11] 前記操作スイッチは、押圧操作により姿勢を異にする操作スイッチ本体と、該操作スイッチ本体を前記パネルに保持する操作スイッチ保持部材とを備え、
前記パネルは、前記操作スイッチ本体によって覆われる窓孔を有し、操作スイッチの操作が該窓孔を通して操作スイッチが操作されるものとなされており、
前記操作スイッチ保持部材は、一体成形されたばね片を有し、該ばね片が押圧操作により姿勢変更された操作スイッチ本体の姿勢を非押圧状態姿勢に復帰させるものとなされている前項10に記載のスイッチ装置。
【0020】
[12] 前記スイッチ装置本体に電源オンオフ操作用ボタンが設けられ、該電源オンオフ操作用ボタンが、前記単一の操作スイッチにより操作されるものとなされている前項6ないし前項11のいずれかに記載のスイッチ装置。
【発明の効果】
【0021】
[1]の発明にかかるスイッチ装置では、発光状態変更操作部を操作することにより、所望の発光状態を得ることができる。
【0022】
また、その発光状態が発光状態表示部に表示されるため、後に、発光状態表示部に表示された発光状態を確認しながら、発光状態の変更、調整を行うことで、操作時の感覚に右されることなく同じ発光状態を容易に再現することができる。
【0023】
[2]の発明にかかるスイッチ装置では、色温度変更用操作部を操作することにより、所望の色温度を得ることができる。
【0024】
また、その色温度が色温度表示部に表示されるため、後に、色温度表示部に表示された色温度を確認しながら、色温度の変更、調整を行うことで、操作時の感覚に右されることなく同じ発光色を容易に再現することができる。
【0025】
[3]の発明にかかるスイッチ装置では、光量変更用操作部を操作することにより、所望の光量を得ることができる。
【0026】
また、その光量が光量表示部に表示されるため、後に、光量表示部に表示された光量を確認しながら、光量の変更、調整を行うことで、操作時の感覚に右されることなく同じ光量の発光状態を容易に再現することができる。
【0027】
[4]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[1]に記載の効果に加えて、照明用光源の発光色及び光量の変更を一つのスイッチ装置で行えるので便利である。
【0028】
[5] 前記発光状態変更用操作部は、光量操作部と照明用光源の発光パターンを変更する発光パターン変更用操作部の両方を備え、発光状態表示部が、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部と、前記発光パターン変更用操作部によって変更された発光パターンを表示する発光パターン表示部の両方を備えている請求項1に記載のスイッチ装置。
【0029】
[6]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[2]に記載の効果に加えて、色温度表示部が発光性を有しているので、色温度を視認しやすいという効果を奏する。
【0030】
[7]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[3]に記載の効果に加えて、光量表示部が発光性を有しているので、光量を視認しやすいという効果を奏する。
【0031】
[8]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[5]に記載の効果に加えて、発光パターン表示部が、発光性を有しているので、発光パターン表示部を視認しやすいという効果を奏する。
【0032】
[9]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[6]ないし前項[8]に記載の効果に加えて、不透過性パネルの色温度表示部及び光量表示部に対応する領域が光透過性を有するものと構成されているので、色温度表示及び光量表示がより一層明確に視認される。
【0033】
[10]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[9]に記載の効果に加えて、単一の操作スイッチの姿勢を変更させることにより、色温度、光量又は発光パターンの変更が行えるので、操作性に優れている。
【0034】
[11]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[10]の記載の効果に加えて、操作スイッチが、パネルの窓孔を覆うものとなされており、塵埃や異物がスイッチ装置本体へ侵入するおそれがないので、故障が生じ難く、耐用性にも優れている。
【0035】
また、押圧操作により姿勢変更された操作スイッチ本体が、操作スイッチ本体のばね片の付勢力によって非押圧状態姿勢にスムーズに復帰されるので、例えば色温度表示変更操作に引き続いて光量変更操作を行う場合にも何ら支障なく行え、便利である。
【0036】
また、ばね片が操作スイッチ保持部材に一体成形されているので、部材点数が徒に増加することなく、パネルへの取り付け操作も行いやすい。
【0037】
[12]の発明にかかるスイッチ装置では、前項[10]又は[11]の記載の効果に加えて、スイッチ装置本体に設けられた電源オンオフ操作用ボタンが、前記単一の操作スイッチにより操作されるものとなされているので、非常に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、この発明に係るスイッチ装置の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0039】
図1は、この実施形態のスイッチ装置(A)の分解状態を示すもので、スイッチ装置本体(1)の前方にパネル取り付け用金具(11)、該パネル取り付け用金具(11)の前方に操作スイッチ(50)を備えたパネル(31)が表わされている。
【0040】
この実施形態のスイッチ装置(A)では、照明用光源の発光状態が、色温度と光量とから調節されるもので、発光状態変更用操作部が、色温度変更用操作部としての色温度変更操作用ボタン(6)(7)と、光量変更用操作部としての光量変更操作用ボタン(8)(9)との両方を備えると共に、該発光状態変更用操作部によって変更された発光状態を表示する発光状態表示部としての色温度デジタル表示部(3)と光量デジタル表示部(4)とを備えている。
【0041】
スイッチ装置本体(1)は、その前面基板部(2)上部に色温度デジタル表示部(3)と光量デジタル表示部(4)が横並びに配置されている。各デジタル表示部(3)(4)は、それぞれ光源を有し(図示省略)、該光源は通電開始時の数秒間と、後述する色温度又は光量変更操作用ボタン(6)(7)(8)(9)の操作時とに発光し、操作完了後は発光が停止されるものと設定されている。
【0042】
デジタル表示部(3)(4)の下方には、電源オンオフ操作部である電源オンオフ操作用ボタン(5)を中央に置いて、その左方に色温度変更操作部である色温度減少変更操作用ボタン(6)、右方に色温度増加変更操作用ボタン(7)が配置される一方、電源オンオフ操作用ボタン(5)の上方に光量変更操作部である光量増大変更操作用ボタン(8)、下方に光量減少変更操作用ボタン(9)が配置されている。
【0043】
色温度表示部は、2700〜6500までが100ごとにデジタル表示されるものと設定されており、その数値は、2700〜6500ケルビンに相当し、黒体放射軌跡上にある色温度を示すものである。
【0044】
また、光量表示部は、0〜100までが、1ごとにデジタル表示されるものと設定されており、その数値は、0ルーメン〜1000ルーメンに相当する。
【0045】
電源オンオフ操作用ボタン(5)と各変更操作用ボタン(6)(7)(8)(9)との間には、極小のLED(10)(10)(10)(10)が配置されており、照明器具の通電時は常にこの通電状態表示用LED(10)が発光するものと設定されている。
【0046】
前面基板部(2)の四隅には、パネル取り付け用金具(21)をネジ止めするために雌ねじ部を有するねじ孔(12)が設けられている、また、前面基板部(2)の左右両側の枠部(13)(13)のそれぞれに、後述するパネル(31)の係止用突起(44)(44)(44)が嵌入係止される複数の係止用孔(15)(15)(15)が上下方向に所定間隔を置いて配置されている。
【0047】
さらに、前面基板部(2)の左右両側の枠部(13)(13)及び上下両側の枠部(14)(14)に、パネル取り付け用金具(21)の位置決め用突起(16)(16)が突設されている。
【0048】
パネル取り付け用金具(21)は、図1に示すように、窓枠状に形成されており左右枠部(22)(22)の各々に、スイッチ装置本体(A)の前記左枠部または右枠部(13)の係止用孔(15)に対応する係止用突起貫通孔(23)(23)(23)が上下方向に並んで配置される一方、上下枠部(24)(24)の各々に壁面取付ねじ用長孔(25)(25)(25)が、所定間隔を置いて横並びに配置されている。
【0049】
また、開口部の四隅にねじ挿通孔(26)(26)(26)(26)が設けられており、該ねじ挿通孔(26)に挿通された雄ねじ(29)(29)(29)(29)が前記基板部(2)のねじ孔(12)の雌ねじ部に螺合することによりパネル取り付け用金具(21)が、スイッチ装置本体(1)に取り付けられるものとなされている。
【0050】
開口の各内縁には、前記スイッチ装置本体(1)の位置決め用突起(16)に対応する複数個の位置決め用切欠(27)(27)(27)が設けられている。
【0051】
パネル(31)は、光透過性を有する外パネル(32)と、該外パネル(32)に嵌合された光不透過性の内パネル(33)とからなり、図3においては、操作スイッチ用真円形窓孔(35)をわかりやすくするために、外パネル(32)が一点鎖線で表されている。
【0052】
外パネル(32)は、図2に示すように、裏面周縁が低く立ち上げられた正方形のトレー状に形成されており、中央部よりやや下方に操作スイッチ用真円形窓孔(35)が設けられると共に、該操作スイッチ用真円形窓孔(35)の周縁に他の部位よりも肉厚の薄い段部(36)が操作スイッチ用真円形窓孔(35)と同心円状に設けられている。
【0053】
外パネル(32)は、アクリル樹脂から作製され、白色に塗装されているが、光透過性を有しており、後述の内パネル(33)のデジタル表示用窓孔(39)に対応する色温度表示部である色温度表示領域(30)から、色温度デジタル表示部(3)と光量表示部(4)の発光が視認できるものとなされている。
【0054】
内パネル(33)は、前記外パネル(32)との組合せ状態の下で、前記操作スイッチ用真円形窓孔(35)を囲み、操作スイッチ用真円形窓孔(35)より大なる操作スイッチ用方形窓孔(40)が設けられると共に、該操作スイッチ用方形窓孔(40)の上方にスイッチ装置本体(1)の色温度デジタル表示部(3)と光量デジタル表示部(4)とに対応する横長のデジタル表示用窓孔(39)が設けられている。
【0055】
前記操作スイッチ用方形窓孔(40)の内縁の各辺には、後述するスイッチベース(52)の位置決め用突起(41)(41)…が複数個突設されている。
【0056】
また、該操作スイッチ用方形窓孔(40)の左右両側の内パネル内面に、後述する操作スイッチ本体保持部材(55)を固定するための複数個の固定用突起(42)(42)が突設されている。該固定用突起(42)の先端は、段部を有し、該段部に後述する操作スイッチ本体保持部材(55)の係止用突条(62)が係止されるものとなされている。
【0057】
さらに、操作スイッチ用方形窓孔(40)の上下側の内パネル内面に、スイッチベース(52)の上下動を防止する上下動防止用突条(43)(43)が突設されている。
【0058】
また、内パネル内面の前記固定用突起(42)(42)の外側に、スイッチ装置本体基板部(2)の係止用孔(15)に嵌入係止される係止用突起(44)が複数個設けられている。該係止用突起(44)の先端は、図2に示すように、段部を有し、該段部が前記係止用孔(44)に係止されるものとなされている。
【0059】
操作スイッチ(50)は、図2に示すように、操作スイッチ本体(51)と、操作スイッチ本体(51)をパネル背面側から押さえこんで操作スイッチ用真円形窓孔(35)に保持する操作スイッチ本体保持部材(55)とを備えている。
【0060】
操作スイッチ本体(51)は、スイッチベース(52)と、該スイッチベース(52)に固定されたスイッチ枠(53)と、該スイッチ枠(53)に背面から嵌め込まれた中央円盤状体(54)と、中央円盤状体(54)に嵌め込まれたスイッチパッキン(57)とから構成されている。
【0061】
スイッチベース(52)は、透明の合成樹脂から作製されており、その中央に後述する中央円盤状体嵌め込み用孔(52a)が設けられる一方、周縁に、前記位置決め用突起(41)(41)間に嵌り込む4つの位置決め用突片(52b)(52b)(52b)(52b)が周方向に互いに等間隔をおいて延設されている。
【0062】
また、後面の内縁には後述する中央円盤状体(54)の突部(54a)(54a)が係止される凹部(52c)(52c)が設けられると共に、内縁近傍に、後述するスイッチ枠(53)の係止用突起(53b)(53b)が嵌入する一対の係止用孔(52d)(52d)が、中央円盤状体嵌め込み用孔(52a)の直径方向に対称的に設けられている。
【0063】
このスイッチベース(52)の前面は、図5に示すようにスイッチ枠(53)が嵌り込む円環状立壁(52e)が突設されており、、該円環状立壁(52e)は、パネル(31)への取付状態において、パネル(31)の操作スイッチ用真円形窓孔(35)から僅かに突出する高さを有している。
【0064】
スイッチ枠(53)は、パネルの操作スイッチ用真円形窓孔(35)より僅かに径小のリング状に形成されており、前記係止用孔(52d)に嵌入する一対の係止用突起(53b)(53b)が直径方向の対称位置に突設されている。
【0065】
中央の円形の窓孔(53a)は、スイッチベース(52)の中央円盤状体嵌め込み用孔(52a)よりも径大に形成されており、図5に示すように、スイッチ枠(53)がスイッチベース(52)に固定された状態の下で、円形の窓孔(53a)の内縁が、スイッチベース(52)の中央円盤状体嵌め込み用孔(52a)よりも僅かに内方に突出している。
【0066】
この僅かに突出した部分(53c)に、後述する中央円盤状体(54)の段部が当接し、中央円盤状体(54)のパネル前方への抜脱が防止されている。
【0067】
中央円盤状体(54)は、スイッチベース(52)の中央円盤状体嵌め込み用孔(52a)を塞ぐと共に、スイッチ枠(53)の窓孔(53a)を塞ぐ大きさの円形に形成されているが、電源オンオフ操作時には、スイッチ枠(53)から離れて単独で押し込まれるものと構成されている。
【0068】
また、図2に示すように、周縁に前記スイッチベース(52)の凹部(52c)(52c)に係止される一対の係止用突部(54a)(54a)が前記凹部(52c)(52c)との対応位置に突設される一方、後述するスイッチパッキン(57)が嵌め込まれる円形凹部を有し、該円形凹部の底面には、縦一文字状透孔と欠円形透孔と、スイッチパッキン固定用突起(54b)(54b)が設けられている。
【0069】
また、中央円盤状体(54)の表面側の周縁には、段部が形成されており、該段部がスイッチ枠(53)の突出部(53c)に当接することにより、中央円盤状体(54)のパネル前方への抜脱が防止されている。
【0070】
スイッチパッキン(57)は、透明の合成樹脂から作製され、前記中央円盤状体(54)の円形凹部(54c)の内径より僅かに小なる外径を有する円板状に形成されており、図4及び図5に示すように、前記縦一文字状透孔に嵌入する突条(57d)と、前記欠円形透孔に嵌入する欠円形突条(57e)とが設けられている。
【0071】
操作スイッチ本体保持部材(55)は、図2に示すように、略々正方形の輪郭形状を有する板状ベース部(60)の中央に内パネル(33)の操作スイッチ用方形窓孔(40)と同大の窓孔(66)が設けられている。
【0072】
前記板状ベース部(60)の一対の対向縁に沿って内パネル(33)の操作スイッチ本体保持部材固定用突起(42)に対応する係止用突条(62)(62)が立設されると共に、中央の窓孔(66)の内縁に沿って窓孔(66)を囲むように立壁(63)が突設されている。
【0073】
該立壁(63)の内側には、組立時に前記位置決め用突起(41)に重なる同様の位置決め用突起(61)が複数個設けられると共に、対向位置にある一対の上縁隅部から中央に向かって傾斜する第1ばね片(64)(64)が設けられると共に、他の一対の上縁隅部から中央に向かって傾斜する第2ばね片(65)(65)が設けられている。該第2ばね片(65)は、第1ばね片(64)の長さよりも短く形成されている。
【0074】
而して、操作スイッチ(50)は、次のようにしてパネル(31)に組み付けられている。
【0075】
先ず、スイッチ枠(53)が固定されたスイッチベース(52)を、内パネル(33)の背面から所定位置に嵌め込む。
すなわち、スイッチベース(52)の4つの位置決め用突片(52b)の各々を内パネル
次に、予めスイッチパッキン(57)が固定された中央円盤状体(54)の一対の係止用突部(54a)(54a)をスイッチベース(52)の係止用凹部(52c)(52c)に嵌め込む。
【0076】
この嵌め込み状態において、中央円盤状体(54)の周縁段部(54f)が、スイッチ枠(53)の突出部(53c)に当接することにより、中央円盤状体(54)のパネル前方への抜脱が防止される。
【0077】
最後に、操作スイッチ本体保持部材(55)を、その立壁(63)が内側に突出する方向に向け、内パネル(33)の操作スイッチ本体保持部材固定用突起(42)(42)と上下動防止用突条(43)(43)とに囲まれた領域に嵌め込むのである。
【0078】
この固定状態においては、図5に示すように、第1ばね片(64)の先端部が中央円盤状体(54)の背面に当接し、第2ばね片(65)の先端部がスイッチベース(52)の背面に当接して、操作スイッチ本体(51)をパネル前方に向けて付勢している。
【0079】
このようにして操作スイッチ(50)が固定されたパネル(31)は、スイッチ装置本体(1)に対して、次のようにして取り付けられる。
【0080】
まず、スイッチ装置本体(1)を予め室内の壁に設けられた凹部に埋め込み、取り付け金具(21)を凹部周縁にねじ止めすることにより、スイッチ装置本体(1)が壁に取り付けられる。
【0081】
次に、パネルの裏側すなわち内パネル(33)に設けられた複数個の係止用突起(44)を対応する取り付け金具(21)の係止用突起貫通孔(23)及びスイッチ装置本体(1)の係止用孔(15)に挿通させると、係止用突起(44)は、弾性変形しながら係止用孔(15)の内縁を乗り越え、段部(44b)が係止用孔(44)の内縁に係止されることにより、パネル(31)がスイッチ装置本体(1)に固定される。
【0082】
而して、パネル(31)が固定されたスイッチ装置(A)が、照明制御システムのマイコンに接続され、電源コード(図示省略)を介して給電されているものとして、このスイッチ装置(A)の動作について説明する。
【0083】
図5(イ)に示すように、操作スイッチ(50)の非押圧状態において、操作スイッチ(50)は、電源オンオフ操作用ボタン(5)、色温度減少変更用ボタン(6)及び色温度増加変更用ボタン(7)のいずれにも接触していない。また、図示省略したが、操作用スイッチ(50)は、光量増大変更用ボタン(8)及び光量減少変更用ボタン(9)のいずれにも接触していない。
【0084】
この状態から、5(ロ)に示すように、中央円盤状体(54)の中央を押圧すると、中央円盤状体(54)が、スイッチ枠(53)内の範囲でスイッチ装置本体(1)側に少し移動し、第1ばね片(64)を僅かにスイッチ装置本体(1)側に押し下げ、スイッチパッキン(57)が電源オンオフ操作用ボタン(5)に接触してこれを押圧する。
【0085】
この電源オンオフ操作用ボタン(5)はいわゆる長押しにより、電源のオンオフ操作がなされるものと設定されているが、中央円盤状体(54)の押圧を緩めると、中央円盤状体(54)が、第1ばね片(64)の弾性復元力によりパネル前方に押し返されるので、オンオフ操作は、その弾性復元力に抗して中央円盤状体(54)をしばらく押し続けなければならない。
【0086】
この長押しにより照明装置への通電が開始され、照明器具が点灯されると共に、パネルのデジタル表示領域(30)に色温度デジタル表示及び光量デジタル表示がなされる。
【0087】
白色に塗装された外パネル(32)の色温度表示領域(30)から視認できる色温度デジタル表示部(3)及び光量表示部(4)の発光は、独特の興趣性を醸しだしている。
【0088】
また、同時にスイッチ装置本体(1)の通電状態表示用LED(10)(10)(10)(10)が点灯する。この通電の数秒経過後、スイッチ装置本体(1)の色温度デジタル表示部(3)及び光量デジタル表示部(4)の発光は停止されるものと設定されており、デジタル表示領域(30)における色温度デジタル表示及び光量デジタル表示が消滅する。
【0089】
しかし、複数個の通電状態表示用LED(10)は発光を続け、中央円盤状体(54)の縦一文字状透孔(54d)及び欠円形透孔(54e)に嵌りこんだ透明のスイッチパッキン(57)及び透明のスイッチベース(52)の周縁部を通して通電状態表示用LED(10)の発光がパネル(31)前方から視認されることになる。
【0090】
そして、例えば、色温度を減少方向に調整するには、図5(ハ)に示すように、パネル(31)から突出しているスイッチ枠(53)の左側を強く押すと、スイッチ枠(53)が僅かに左に傾き、スイッチベース(52b)がスイッチ装置本体(1)の色温度減少変更用ボタン(6)を押圧する。この押圧一回により色温度を100度減少させることができる。
【0091】
同様にして、スイッチ枠(53)の右側を強く押すと、スイッチ枠(53)が僅かに右に傾き、スイッチベース(52b)がスイッチ装置本体(1)の色温度増加変更用ボタン(7)を押圧する。この押圧一回により色温度を100度増加させることができる。
【0092】
色温度がデジタル表示により視認されるので、操作者の感覚に頼ることなく、所望の色温度の色を発光させることが可能となる。
【0093】
光量の増加変更操作は、スイッチ枠(53)の上部を押圧し、光量の減少変更操作は、スイッチ枠(53)の下部を押圧することにより行われる。スイッチ枠(53)の上下部の押圧による操作スイッチ(50)の動作は、実質的に色温度の変更操作と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0094】
図6は、この発明にかかる他の実施形態のスイッチ装置(B)を示すもので、この実施形態のスイッチ装置(B)では、照明用光源の発光状態が、発光パターンと光量との両方から調節されるものとなされており、発光状態変更用操作部が、光量変更用操作部と発光パターン変更用操作部との両方を備えると共に、該発光状態変更用操作部によって変更された発光状態を表示する発光状態表示部としての光量デジタル表示部と発光パターン表示部とを備えている。
【0095】
発光パターンとは、複数の異なる発光色に変化するものとなされた発光状態のことである。特定の発光色から他の特定の発光色へ急激に変化するものと、特定の発光色から他の特定の発光色への変化が緩やかに行われるものとの両方を含む。
【0096】
照明装置又はこのスイッチ装置の記憶部に複数の発光パターンを実現するプログラムが記憶されており、各発光パターンは発光パターン表示部に数字で表示されるものとなさている。例えば、1〜40の数字が表示され、数字を選択することにより、40種類の発光パターンの中から一つの発光パターンが特定されるのである。
【0097】
この実施形態のスイッチ装置(B)と先の実施形態のスイッチ装置(A)との構造上の相違は、色温度変更用操作部(6)(7)と色温度表示部(3)とが、発光パターン変更用操作部と発光パターン表示部とに置き換えられたところにある。
【0098】
従って、先の実施形態のスイッチ装置(A)におけるスイッチ装置本体(1)上の、色温度変更用操作部としての色温度減少変更用ボタン(6)、色温度増加変更用ボタン(7)をそれぞれ、発光パターン順序番逆送りボタン、発光パターン順序順送りボタンと置き換えることによりこのスイッチ装置(B)の構造が理解される。
【0099】
而して、パネル(132)中央に設けられた操作スイッチ(150)の中央部を長押しすることにより、電源のオンオフ操作がなされる。操作スイッチ(150)の上部を強く押圧すると、先の実施形態のスイッチ装置(A)と同様に、光量増加変更用ボタンが押圧され、光量が増大し、操作スイッチ(150)の下部を強く押圧すると、光量減少変更用ボタンが押圧され、光量が減少する。
【0100】
操作スイッチ(150)の右側を強く押圧すると、発光パターン順序順送りボタンが押圧され、表示される数字が順次大きくなって発光パターンの変更が行われ、操作スイッチ(150)の左側を強く押圧すると、発光パターン順序逆送りボタンが押圧され、表示される数字が順次小さくなって発光パターンの変更が行われる。
【0101】
なお、上記いずれの実施形態においても、操作スイッチ本体(51)が円盤状に形成されているが、パネルの窓孔を矩形とし、操作スイッチ本体がこの矩形の窓孔を覆うものとしても良い。
【0102】
また、ばね片(64)(65)が操作スイッチ本体保持部材(55)と一体成形されているが、操作スイッチ本体保持部材(55)とは別体であっても構わない。また、操作スイッチ(50)をパネル前方に付勢する部材は、実施形態のようなばね片(64)(65)に限定されることなく、例えば、コイルスプリングが用いられることもある。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】この発明に係るスイッチ装置の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】同パネル及び操作スイッチの分解状態の斜視図である。
【図3】同パネルに操作スイッチを取り付けた状態の背面図である。
【図4】同パネルに操作スイッチを取り付けた状態の正面図である。
【図5】(イ)は、図4X−X線断面図、(ロ)は、操作スイッチを押圧して電源オンオフ操作用ボタンを操作している状態の同断面図、(ハ)は、操作スイッチを押圧して色温度減少変更操作用ボタンを操作している状態の同断面図である。
【図6】この発明に係るスイッチ装置の他の実施形態の正面図である。
【符号の説明】
【0104】
A・・・・・・・スイッチ装置
1・・・・・・・スイッチ装置本体
3・・・・・・・色温度デジタル表示部
4・・・・・・・光量表示部
5・・・・・・・電源オンオフ操作用ボタン
6・・・・・・・色温度減少変更操作用ボタン
7・・・・・・・色温度増加変更操作用ボタン
8・・・・・・・光量増加変更操作用ボタン
9・・・・・・・光量減少変更操作用ボタン
30・・・・・・デジタル表示領域
31・・・・・・パネル
32・・・・・・外パネル
33・・・・・・内パネル
39・・・・・・デジタル表示用窓孔
50・・・・・・操作スイッチ
51・・・・・・操作スイッチ本体
55・・・・・・操作スイッチ本体保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置に接続され、照明用光源の発光状態を変更するスイッチ装置であって、
照明用光源の発光状態を変更する発光状態変更用操作部と、該発光状態変更用操作部によって変更された発光状態を表示する発光状態表示部とを備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記発光状態変更用操作部は、照明用光源の発光色の色温度を変更する色温度変更用操作部であり、発光状態表示部が、前記色温度変更用操作部によって変更された色温度を表示する色温度表示部である請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記発光状態変更用操作部は、照明用光源の光量を変更する光量変更用操作部であり、発光状態表示部が、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部である請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記発光状態変更用操作部は、色温度変更用操作部と光量変更用操作部の両方を備え、発光状態表示部が、前記色温度変更用操作部によって変更された色温度表示部と、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部の両方を備えている請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記発光状態変更用操作部は、光量操作部と照明用光源の発光パターンを変更する発光パターン変更用操作部の両方を備え、発光状態表示部が、前記光量変更用操作部によって変更された光量を表示する光量表示部と、前記発光パターン変更用操作部によって変更されて発光パターン表示部の両方を備えている請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記色温度表示部は、発光性を有している請求項2又は請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記光量表示部は、発光性を有している請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記発光パターン表示部は、発光性を有している請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記発光状態変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられると共に、
該スイッチ装置本体前面は、全面的に光不透過性のパネルに覆われる一方、該パネルの発光状態表示部に対応する領域は、光透過性を有するものと構成されている請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記色温度変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられ、色温度増加変更操作用ボタンと色温度減少変更操作用ボタンとを有する一方、
前記光量変更用操作部は、スイッチ装置本体前面に設けられ、光量増加変更操作用ボタンと光量減少変更操作用ボタンとを有し、
前記発光パターン変更用操作ボタンは、スイッチ装置本体前面に設けられ、発光パターン順番順送りボタンと順番逆送りボタンとを有し、
前記パネルに、前記色温度変更用操作部及び前記光量変更用操作部、又は発光パターン変更用操作部及び各ボタンを操作する単一の操作スイッチが設けられ、該操作スイッチの姿勢を異ならせることにより、前記各ボタンを選択的に操作しうるものとなされている請求項9に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記操作スイッチは、押圧操作により姿勢を異にする操作スイッチ本体と、該操作スイッチ本体を前記パネルに保持する操作スイッチ保持部材とを備え、
前記パネルは、前記操作スイッチ本体によって覆われる窓孔を有し、操作スイッチの操作が該窓孔を通して操作スイッチが操作されるものとなされており、
前記操作スイッチ保持部材は、一体成形されたばね片を有し、該ばね片が押圧操作により姿勢変更された操作スイッチ本体の姿勢を非押圧状態姿勢に復帰させるものとなされている請求項10に記載のスイッチ装置。
【請求項12】
前記スイッチ装置本体に電源オンオフ操作用ボタンが設けられ、該電源オンオフ操作用ボタンが、前記単一の操作スイッチにより操作されるものとなされている請求項6ないし請求項11のいずれかに記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−259497(P2009−259497A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105013(P2008−105013)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(591112027)大光電機株式会社 (25)
【Fターム(参考)】