説明

スイッチ装置

【課題】部品点数を低減し、かつ、消費電力の低減を図る。
【解決手段】複数の操作スイッチSW1〜SW4の各々に、電子ペーパーにより構成される表示部11、12、13、14が設けられている。表示制御回路20は、表示部に電力が供給されるようにして当該表示部の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部への電力の供給を停止させる処理(S102〜S106)を、表示画像を書き換える表示部毎に、順次切り替えて実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作スイッチを備えたスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、操作スイッチに表示機能を備えたスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2008/0259227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなスイッチ装置は、動作時に、表示画像を表示させるための電力を常時供給する必要があるので、消費電力が大きくなってしまうといった問題がある。また、複数の操作スイッチを並べて配置するような場合、表示画像を制御するための表示制御回路をスイッチ毎に設ける必要があるため、部品点数が多くなってしまうといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、部品点数を低減し、かつ、消費電力の低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)を備えたスイッチ装置であって、複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)の各々には、電力が供給された状態で表示画像が書き換えられた後、電力供給が停止されても表示画像が保持される電子ペーパーにより構成される表示部(11、12、13、14)が設けられており、表示部(11、12、13、14)に電力が供給されるようにして当該表示部(11、12、13、14)の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部(11、12、13、14)への電力の供給を停止させる処理を、表示画像を書き換える表示部(11、12、13、14)毎に、順次切り替えて実施する表示制御回路(20)を備えたことを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、1つの表示制御回路(20)により、表示部(11、12、13、14)に電力が供給されるようにして当該表示部(11、12、13、14)の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部(11、12、13、14)への電力の供給を停止させる処理が、表示画像を書き換える表示部(11、12、13、14)毎に、順次切り替えて実施されるので、部品点数を低減し、かつ、消費電力の低減を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、表示部(11、12、13、14)に電力が供給されるように切り替えるとともに、表示部(11、12、13、14)と表示制御回路(20)との間の接続を切り替える切替手段(10)を備え、表示制御回路(20)は、表示部(11、12、13、14)に電力が供給され、かつ、表示部(11、12、13、14)と表示制御回路(20)との間を接続するように切替手段(10)に指示して、表示画像の書き換え指示を行った後、表示部(11、12、13、14)に電力が供給されなくなるように切替手段(10)に指示することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明のように、複数の表示部(11、12、13、14)は、多段接続されており、表示制御回路(20)は、通信を介して、多段接続された表示部(11、12、13、14)の少なくとも1つの表示部(11、12、13、14)に対して表示画像の書き換え指示を行うこともできる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、表示部(11、12、13、14)は、複数の操作スイッチの前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより構成され、表示制御回路(20)は、複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)の配置に対応させて表示部(11、12、13、14)を複数の表示領域に分割して各表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行うことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、表示部(11、12、13、14)は、複数の操作スイッチの前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより構成されるので、部品点数を低減することができ、更に、組み立て時における作業性を向上することもできる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)は、分離して配置されており、表示部(11、12、13、14)における複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)間の隙間に対応する部位は非表示領域となっており、非表示領域には分離された複数の表示領域間を接続するための配線(16)が形成されていることを特徴としている。
【0013】
このように、複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)を分離して配置し、表示部(11、12、13、14)における複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)間の隙間に対応する部位は非表示領域となっており、非表示領域には分離された複数の表示領域間を接続するための配線(16)を形成することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、非表示領域には分割された表示領域の変形を容易にするための切り込み(18)が形成されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、切り込み(18)により表示領域の変形が容易となるため、例えば、操作スイッチSW1〜SW4が可動式の押ボタンスイッチとして構成され、操作時に操作スイッチSW1〜SW4が変位して表示領域に応力が加えられても、切り込み18により表示領域への応力が緩和されるので、液晶表示部14の信頼性を向上することができる。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、非表示領域に形成された分割された複数の表示領域間を接続するための配線(16)は、切り込み(18)を避けるように設けられていることを特徴としている。
【0017】
このように、分割された複数の表示領域間を接続するための配線(16)を、切り込み(18)を避けるように設けることができる。
【0018】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスイッチ装置のブロック構成を示す図である。
【図3】データフレームの構成について説明するための図である。
【図4】共通コントローラの処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係るスイッチ装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るスイッチ装置の構成を図1に示す。本スイッチ装置1は、表示装置におけるメイン画面の下方に設けられた操作スイッチSW1〜SW4を備えた構成となっている。なお、操作スイッチSW1〜SW4は、それぞれユーザ操作に応じた信号を出力するスイッチとして構成されている。
【0021】
また、操作スイッチSW1〜SW4の各々には、電力が供給された状態で表示画像が書き換えられた後、電力供給が停止されても表示画像が保持される電子ペーパーにより構成される表示部(詳細については、後述する)が設けられている。
【0022】
図2に、本スイッチ装置1のブロック構成を示す。本スイッチ装置1は、操作スイッチSW1〜SW4と、共通コントローラ20により構成されている。
【0023】
操作スイッチSW1〜SW4は、それぞれスイッチ回路10、コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14を備えている。ここで、コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14が上記電子ペーパーにより構成される表示部に相当する。
【0024】
スイッチ回路10は、共通コントローラ20より入力される選択信号に応じて各操作スイッチSW1〜SW4と共通コントローラ20との接続の切替を行う。なお、スイッチ回路10は、スイッチングトランジスタ等の半導体スイッチ、リレー等を用いて構成することができる。また、図2には示されてないが、スイッチ回路10により、各コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13への電力供給の開始および終了も行われる。
【0025】
コントローラ11は、表示画像データを液晶表示部14の各画素に配分するためのクロック信号などを生成し、XドライバとYドライバに供給する。
【0026】
Xドライバ12およびYドライバ13は、コントローラ11より入力される信号に応じて液晶表示部14の画素毎に印加電圧を加えて表示画像の書き換えを行う。
【0027】
液晶表示部14は、コレステリック液晶と呼ばれる液晶材料を用いたシート状の電子ペーパーにより構成されている。コレステリック液晶は、特定の波長の光のみを反射する性質を有しており、太陽光や蛍光灯の光が液晶に入ってくると、赤色、緑色、青色の決められた波長を反射し、フルカラー表示することが可能となっている。
【0028】
このような液晶材料を用いた電子ペーパーの主な特徴は、電力供給を停止しても表示画像の継続表示が可能である点、表示画像の書き換え時に必要な電力が微量である点、薄くて軽く、曲げることも可能である点等があげられる。
【0029】
液晶表示部14は、各操作スイッチSW1〜SW4の操作面に表示部が固着されている。
【0030】
共通コントローラ20は、CPU、メモリ等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはメモリに記憶されたプログラムにしたがって各種処理を実施する。
【0031】
また、共通コントローラ20は、各操作スイッチ1〜4に対し、表示画像の書き換え指示を行うための各種データを送出する。表示画像の書き換え指示を行うための各種データとしては、クロック信号(CLK)、同期信号(SYN)、データ(DATA)および選択信号(SEL1〜4)がある。
【0032】
本実施形態における共通コントローラ20は、操作スイッチ1〜4に対し、面全体を書き換える面全体書き換えモードと、1画素のみを書き換える1画素書き換えモードと、複数の画素を書き換える複数画素書き換えモードと、1ラインのみを書き換える1ライン書き換えモードのいずれかを選択して、表示画像の書き換え指示を行うことが可能となっている。
【0033】
図3に、各モードのデータフレーム構成を示す。データフレーム中のCMDはコマンド、CAはカラムアドレス、RAはローアドレス、DAは色データを表す。
【0034】
なお、面全体書き換えモードはCMD=0h(hは16進数であることを表す)、1画素書き換えモードはCMD=1hは、複数画素書き換えモードはCMD=2h、1ライン書き換えモードはCMD=Fhとなっている。
【0035】
例えば、面全体書き換えモードとして面全体の表示画像の書き換えを実施する場合には、CMD=0h、CA=RA=0、DAに色データを特定するためのデータを指定したデータ書き換えコマンドを発行する。
【0036】
また、1画素書き換えモードとして1画素分の表示画像の書き換えを実施する場合には、CMD=1hとして、CA、RAにより変更する画素の位置を指定し、DAに色データを特定するためのデータを指定したデータ書き換えコマンドを発行する。
【0037】
また、複数画素書き換えモードとして複数画素の表示画像の書き換えを実施する場合には、CMD=2hとした後、変更する画素の位置と色データを特定するためのデータを交互に指定したデータ書き換えコマンドを発行する。
【0038】
また、1ライン書き換えモードとして1ラインの表示画像の書き換えを実施する場合には、CMD=Fhとした後、変更するラインの位置と色データを特定するためのデータを指定したデータ書き換えコマンドを発行する。
【0039】
上記したように、共通コントローラ20は、操作スイッチ1〜4に対し、各モードを選択して表示画像の書き換え指示を行うことが可能となっている。
【0040】
次に、共通コントローラ20による表示画像の書き換え処理について説明する。図4に、共通コントローラ20のフローチャートを示す。外部より表示画像の書き換え要求が入力されると、共通コントローラ20は、図4に示す処理を実施する。
【0041】
まず、各操作スイッチSW1〜SW4に設けられた液晶表示部14の初期化を行う(S100)。具体的には、全ての操作スイッチSW1〜SW4に設けられた液晶表示部14と共通コントローラ20との間を接続するようにスイッチ回路10に指示するとともに、予め用意された初期化データをメモリから読み出して各操作スイッチSW1〜SW4に設けられた液晶表示部14に対して初期データを表示させる。本実施形態では、液晶表示部14の全てが特定の色(例えば、黒)となるような初期データを表示させる。
【0042】
次に、書き換え対象の操作スイッチを特定し、書き換え対象の操作スイッチと共通コントローラ20との間が接続され、書き換え対象となっていない操作スイッチと共通コントローラ20との間が未接続となるように各スイッチ回路10に指示する(S102)。ここで、例えば、操作スイッチSW1に設けられた液晶表示部14が書き換え対象として特定された場合、操作スイッチSW1のスイッチ回路10がオン状態となるように指示するとともに、操作スイッチSW2〜SW4のスイッチ回路10がオフ状態となるように指示する。なお、操作スイッチSW1のスイッチ回路10がオン状態になると、操作スイッチSW1におけるコントローラ11、Xドライバ12およびYドライバ1に電力が供給されるようになる。また、操作スイッチSW2〜SW4のスイッチ回路10はオフ状態のままとなり、操作スイッチSW2〜SW4におけるコントローラ11、Xドライバ12およびYドライバ1には電力が供給されない。
【0043】
次に、データ書き換えコマンドを発行する(S104)。例えば、操作スイッチSW1の液晶表示部14の面全体を書き換える場合には、CMD=0h、CA=RA=0、DAに色データを特定するためのデータを指定したデータ書き換えコマンドを発行する。これにより、操作スイッチSW1の液晶表示部14の面全体が書き換えられる。
【0044】
次に、書き換え対象の操作スイッチと共通コントローラ20との間の接続を終了するように書き換え対象の操作スイッチのスイッチ回路10に指示する(S106)。例えば、操作スイッチSW1のスイッチ回路10がオフ状態となるように指示する。
【0045】
なお、操作スイッチSW1のスイッチ回路10がオフ状態になると、操作スイッチSW1におけるコントローラ11、Xドライバ12およびYドライバ1には電力が供給されなくなる。しかし、液晶表示部14は、電力供給が停止されても表示画像を保持する性質を有しているので、表示画像は保持される。
【0046】
次に、他の液晶表示部14に対する表示画像の書き換え要求があるか否かを判定する(S108)。ここで、例えば、書き換え対象を操作スイッチSW2に設けられた液晶表示部14に対する表示画像の書き換え要求がある場合、以下、操作スイッチSW2に設けられた液晶表示部14に対してS102〜S106の処理を実施する。
【0047】
このように、他の液晶表示部14に対する表示画像の書き換え要求がないと判定されるまで、順次、S102〜S106の処理を実施する。
【0048】
そして、他の液晶表示部14に対する表示画像の書き換え要求がないと判定されると、S108の判定はYESとなり、本処理を終了する。
【0049】
上記したように、表示画像の書き換えを行う表示部(コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14)に電力が供給されるようにして当該表示部の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部への電力の供給を停止させる処理を、表示画像の書き換えを行う表示部毎に、順次切り替えて実施する。
【0050】
上記した構成によれば、1つの共通コントローラ20により、コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14から成る表示部に電力が供給されるようにして当該表示部の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部への電力の供給を停止させる処理が、表示画像を書き換える表示部毎に、順次切り替えて実施されるので、部品点数を低減し、かつ、消費電力の低減を図ることができる。
【0051】
なお、本実施形態のように、表示部に電力が供給されるように切り替えるとともに、表示部と共通コントローラ20との間の接続を切り替えるスイッチ回路10を備え、共通コントローラ20は、表示部に電力が供給され、かつ、表示部と共通コントローラ20との間を接続するようにスイッチ回路10に指示して、表示画像の書き換え指示を行った後、表示部に電力が供給されなくなるようにスイッチ回路10に指示することができる。
【0052】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るスイッチ装置の構成を図5に示す。本実施形態に係るスイッチ装置は、共通コントローラ20に対して複数の操作スイッチSW1〜SW4に設けられた液晶表示部14が多段接続されている。なお、上記第1実施形態と異なる部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
【0053】
各操作スイッチSW1〜SW4は、それぞれバッファ17、コントローラ11および液晶表示部14を備えている。なお、この図では、図2に示したXドライバ12およびYドライバ13が省略されているが、実際にはXドライバ12およびYドライバ13を備えている。また、バッファ17の信号入力部には、パケットの受信を感知するレシーバ回路(図示せず)が設けられている。
【0054】
共通コントローラ20は、パケットを生成するパケット生成機能を有しており、パケットを送信することにより液晶表示部14の表示画像の書き換えを行う。
【0055】
各操作スイッチSW1〜SW4のレシーバ回路(図示せず)は、共通コントローラ20より自己宛のパケットを受信すると、自己の操作スイッチに設けられたスイッチ回路(図示せず)がオンするようになっており、このスイッチ回路を介してバッファ17、コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14にそれぞれ電力が供給される。
【0056】
そして、コントローラ11により、バッファ17が受信した自己宛のパケットに含まれる表示画像の書き換え指示に応じた液晶表示部14の表示領域に表示させる表示画像の書き換えが終了すると、上記スイッチ回路(図示せず)がオフするようになっており、コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14への電力供給が終了する。
【0057】
このように、共通コントローラ20は、表示画像の書き換えを行う表示部(コントローラ11、Xドライバ12、Yドライバ13および液晶表示部14)に電力が供給されるようにして、パケット通信を介して、多段接続された表示部の表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、表示画像の書き換えを行う表示部への電力の供給を停止させる処理を、表示画像の書き換えを行う表示部毎に、順次切り替えて実施する。
【0058】
上記したように、複数の表示部は、多段接続されており、共通コントローラ20は、通信を介して、多段接続された表示部の少なくとも1つの表示部に対して表示画像の書き換え指示を行うこともできる。
【0059】
(第3実施形態)
上記第1実施形態に係るスイッチ装置は、各操作スイッチSW1〜SW4の各々対してそれぞれ液晶表示部14が設けられていたが、本実施形態に係るスイッチ装置では、図6に示すように、メイン画面および各操作スイッチSW1〜SW4の前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより液晶表示部14が構成されている。本実施形態では、操作スイッチSW1〜SW4だけでなく、メイン画面の前面にも表示画像を表示することが可能となっている。
【0060】
共通コントローラ20は、メイン画面および各操作スイッチSW1〜SW4の配置に対応させるように、液晶表示部14を複数の表示領域に分割し、当該表示領域毎に表示画像の書き換えを行う。
【0061】
このように、1つの電子ペーパーにより表示部を構成することで、部品点数を低減することができ、更に、組み立て時における作業性を向上することもできる。
【0062】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係るスイッチ装置の構成を図7に示す。本スイッチ装置1は、第3実施形態に示したものと同様に、メイン画面および各操作スイッチSW1〜SW2の前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより液晶表示部14が構成されている。
【0063】
本スイッチ装置1は、メイン画面と、操作スイッチSW1と、SW2とが、分離して設けられている。すなわち、液晶表示部14における操作スイッチSW1〜SW4間の隙間に対応する部位(図中、点ハッチングで示す)は非表示領域となっており、この非表示領域には液晶部材は配置されておらず、分離された複数の表示領域間を接続するための配線16が形成されている。
【0064】
このように、メイン画面と、複数の操作スイッチSW1、SW2とを分離して設け、分離された複数の領域間に、分離された複数の領域間を接続する配線16を形成することもできる。
【0065】
(第5実施形態)
本実施形態に係るスイッチ装置の構成を図8に示す。本スイッチ装置1は、第3実施形態に示したものと同様に、メイン画面および各操作スイッチSW1〜SW4の前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより液晶表示部14が構成されている。
【0066】
また、メイン画面と操作スイッチSW1〜SW4は、それぞれ分離して設けられている。
【0067】
また、非表示領域には分割された表示領域の変形を容易にするための切り込み18が形成されている。例えば、操作スイッチSW1〜SW4が可動式の押ボタンスイッチとして構成され、操作時に操作スイッチSW1〜SW4が変位して表示領域に応力が加えられても、切り込み18により表示領域への応力が緩和されるので、液晶表示部14の信頼性を向上することができる。
【0068】
また、液晶表示部14におけるメイン画面と操作スイッチSW1〜SW4間の隙間に対応する部位は非表示領域(図中、点ハッチングで示す)となっており、この非表示領域には液晶部材は配置されていない。また、分離された複数の表示領域間には、切り込み18を避けるように、図7に示した配線16と同様の配線が形成されている。
【0069】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態に係るスイッチ装置の構成を図9に示す。本スイッチ装置1は、10個の操作スイッチSWを備えている。各操作スイッチSWには、それぞれ供給コントローラ20が接続されている。また、供給コントローラ20は、リモートセンタと通信接続される構成となっている。
【0070】
例えば、ナビゲーション装置等の機器の操作が分からない場合に、ユーザが携帯電話を介してリモートセンタのオペレータに問い合わせをすると、リモートセンタと供給コントローラ20との間で通信接続され、リモートセンタのオペレータの遠隔指示により共通コントローラ20を介して操作すべき操作スイッチSWに対応する液晶表示部14に文字やアイコンが表示される。このようにして、操作性を向上することもできる。
【0071】
(その他の実施形態)
上記第1〜第6実施形態では、コレステリック液晶と呼ばれる液晶材料を用いた電子ペーパーにより液晶表示部14を構成したが、このような材料以外のものを用いて構成された電子ペーパーにより液晶表示部14を構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 スイッチ装置
10 スイッチ回路
11 コントローラ
12 Xドライバ
13 Yドライバ
14 液晶表示部
16 配線
17 バッファ
18 切り込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)を備えたスイッチ装置であって、
前記複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)の各々には、電力が供給された状態で表示画像が書き換えられた後、前記電力供給が停止されても前記表示画像が保持される電子ペーパーにより構成される表示部(11、12、13、14)が設けられており、
前記表示部(11、12、13、14)に電力が供給されるようにして当該表示部(11、12、13、14)の前記表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行った後、前記表示画像の書き換えを行う前記表示部(11、12、13、14)への電力の供給を停止させる処理を、表示画像を書き換える表示部(11、12、13、14)毎に、順次切り替えて実施する表示制御回路(20)を備えたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記表示部(11、12、13、14)に電力が供給されるように切り替えるとともに、前記表示部(11、12、13、14)と前記表示制御回路(20)との間の接続を切り替える切替手段(10)を備え、
前記表示制御回路(20)は、前記表示部(11、12、13、14)に電力が供給され、かつ、前記表示部(11、12、13、14)と前記表示制御回路(20)との間を接続するように前記切替手段(10)に指示して、前記表示画像の書き換え指示を行った後、前記表示部(11、12、13、14)に電力が供給されなくなるように前記切替手段(10)に指示することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記複数の表示部(11、12、13、14)は、多段接続されており、
前記表示制御回路(20)は、通信を介して、前記多段接続された前記表示部(11、12、13、14)の少なくとも1つの前記表示部(11、12、13、14)に対して前記表示画像の書き換え指示を行うことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記表示部(11、12、13、14)は、前記複数の操作スイッチの前面を覆うように設けられた1つの電子ペーパーにより構成され、
前記表示制御回路(20)は、前記複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)の配置に対応させて前記表示部(11、12、13、14)を複数の表示領域に分割して各表示領域に表示される表示画像の書き換え指示を行うことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)は、分離して配置されており、
前記表示部(11、12、13、14)における前記複数の操作スイッチ(SW1〜SW4)間の隙間に対応する部位は非表示領域となっており、
前記非表示領域には前記分離された複数の表示領域間を接続するための配線(16)が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記非表示領域には前記分割された前記表示領域の変形を容易にするための切り込み(18)が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記非表示領域に形成された前記分割された複数の表示領域間を接続するための配線(16)は、前記切り込み(18)を避けるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−84237(P2012−84237A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226879(P2010−226879)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】