説明

スクロール式流体機械、及びその弾性被膜形成方法及び装置

【課題】精密な膜厚コントロールを必要とせず、ラップ側面に密封性の良好な弾性被膜の形成を可能にすると共に、高精度な膜厚調整が可能な弾性被膜形成手段を実現する。
【解決手段】熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂10〜20重量%、MoS20〜30重量%、グラファイト5〜10重量%、及び残部が有機溶媒からなる塗装液を、吹付ノズル52から旋回スクロール体20のラップ側面24aに吹き付ける。吹付け時回転台32上の旋回スクロール体20を回転させると共に、吹付ノズル52を吹付け開始時の姿勢を保持したまま、直線状移動経路L上を旋回スクロール体20の径方向外側へ向けて移動させる。塗装後塗装液を焼付け乾燥させ、馴染み運転を経て弾性被膜をラップ側面間クリアランスに応じて弾性変形可能な膜厚に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール式流体機械を構成する渦巻き形状のラップの側面に弾性被膜を形成して、ラップ部側面の焼付き、カジリ摩耗、あるいは接触による破損を防止可能にしたスクロール式流体機械、及びその弾性被膜形成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクロール式流体機械は、スクロール式圧縮機、スクロール式真空ポンプ、スクロール式膨張機、スクロール式送風機等として用いられている。スクロール式流体機械は、端板に渦巻き形状のラップ部が立設された固定スクロール体及び旋回スクロール体と、該旋回スクロール体を自転させず公転のみさせる駆動機構とで構成されている。そして、固定スクロール体及び旋回スクロール体の端板及びラップ部で囲む複数の密閉空間を形成し、被処理気体を該密閉空間に導入して圧縮、膨張又は減圧等の処理を行なっている。
【0003】
スクロール式流体機械は、圧縮性能や膨張性能等を確保するため、固定スクロール体と旋回スクロール体とで形成される密閉空間では、吸入された気体の圧縮や減圧が行なわれるため、高い密封性が要求される。一方、固定スクロール体と旋回スクロール体のラップ部間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等を抑えるために、固定スクロール体及び旋回スクロール体のラップ部間にミクロン単位の微小隙間を形成する必要がある。これらの観点から、固定スクロール体及び旋回スクロール体の加工には、高精度な加工精度が要求される。
【0004】
しかし、固定スクロール体や旋回スクロール体では、密閉空間で圧縮又は減圧される気体によって絶えず加熱又は冷却されるため、常に熱変形が発生している。しかもスクロール体の中央領域と外側領域とで気体の圧力及び温度が異なるため、この温度差により熱歪が発生する。この熱歪を起したスクロール体が後述する特許文献2の図3に図示されている。
【0005】
特許文献2の図3を図7に示す。図7において、固定スクロール体100は、端板102とラップ部104とからなり、旋回スクロール体110は、端板112とラップ部114とからなる。スクロール式圧縮機では、外周部は温度、圧力が低く、中心部に向うほど温度、圧力が高くなる。そのため、旋回スクロール体110のラップ部114には、中心部から外周部に向かって応力が掛かり、花びらが開くように変形する。固定スクロール体100の場合も、程度は少ないがこの傾向が見られる。そのため、ラップ部104,114と端板102、104との隙間120a及び120bは、中心部から外周部に向かって大きくなる。
【0006】
しかし、密閉空間のシール性の保持と、ラップ部間の微小隙間の保持を両立させるように管理することは容易ではない。ラップ部間の微小隙間を保持するためのひとつの手段として、ラップの側面又は端面にコーティングを施す手段がある。ラップ部間に潤滑性や耐摩耗性を有するコーティング膜を介在させ、このコーティング膜に緩衝機能をもたせ、さらに、運転中に該コーティング膜を削り取ることによって、ラップ部間に最適な隙間を形成させるようにする。
【0007】
特許文献1には、スクロール体の少なくとも一方のラップ側面に、ゴム、合成樹脂材等の弾性材からなる弾性被覆層と、この弾性被覆層の上に二硫化モリブデン(MoS)を含む樹脂材料、フッ素系樹脂材料、カーボン系樹脂材料等、自己潤滑性材料からなる潤滑性被覆層を形成した構成が開示されている。
【0008】
特許文献2はスクロール型ポンプに関し、スクロール体のラップ部と端板に、MoS粒子を含む耐冷媒樹脂の表面被覆剤を塗布する構成と、該表面被覆剤を塗布する方法として、該表面被覆剤を塗布した後、該表面被覆剤が硬化する前に、スクロール型ポンプを組み立てかつ稼動させ、表面被覆剤の余剰分をスクロール体の外に排出して、表面被覆剤の膜厚を適正な膜厚とする被覆方法とが開示されている。
【0009】
特許文献3には、スクロール体のラップ部の側面に、特許文献1と同様の自己潤滑性材料からなる潤滑性被覆層を形成する構成が開示されている。また、該潤滑性被覆層の膜厚を、固定スクロール体と旋回スクロール体との各ラップ部の側面間に形成されるラジアルギャップの測定値から決定する方法が開示されている。
特許文献4には、スクロール母材に引張強度が高い鋳鉄を用い、該スクロール母材の金属より弾性が大きい樹脂を被覆して、ラップ部間の接触による衝撃を緩和したスクロール圧縮機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−280669号公開公報
【特許文献2】特開2003−35284号公開公報
【特許文献3】特開2009−57897号公開公報
【特許文献4】特開2007−245234号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のように、固定スクロール体と旋回スクロール体との間に形成される密閉空間の密封性を保持すると共に、ラップ部間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等をなくすため、スクロール体のラップ部の側面に、弾性又は潤滑性をもつ被覆層を形成することは公知である。ラップ側面のクリアランスはミクロン単位の微小隙間であり、被覆層の膜厚もミクロン単位で精密にコントロールする必要がある。しかし、特許文献1〜4には、被覆層の膜厚を精密にコントロールする手段は開示されていない。
【0012】
特許文献2に開示された被覆方法は、硬化する前の被覆剤を取り扱うので、精度が良い膜厚を得るのは困難である。また、特許文献3では、ラップ側面間クリアランスの測定値に基づいて被覆層の膜厚を決定するものであるが、ラップ側面間クリアランスは、ラップ部の中央や外側で異なり、また、ラップ部の熱変形によって異なってくる。そのため、各領域毎にラップ側面間クリアランスを測定する必要があると共に、運転中常に最適な膜厚にはならない。
【0013】
また、ラップ側面の長手方向に均一な膜厚の被覆層を塗布するのは容易ではなく、特許文献1〜4にも、これを可能にする手段は開示されていない。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、精密な膜厚コントロールを必要とせず、固定スクロール体と旋回スクロール体間で密封性の良好な密閉空間の形成と、ラップ側面間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等とを生じない被覆層の形成を可能にすることを第1の目的とする。また、簡易な手段で、ラップ部の長手方向に亘り、全体として均一で高精度な膜厚を得ることができる塗膜形成手段を実現することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するため、本発明のスクロール式流体機械は、渦巻き形状のラップ部の側面に弾性被膜を形成してなるスクロール流体機械において、弾性被膜が、ラップ部を構成するスクロール母材より軟質でかつ弾性を有する合成樹脂に粉体状の固体潤滑剤が分散配置されていると共に、他のスクロール体の相接するラップ側面に対して、運転中にラップ側面との間でクリアランスを生ぜず、かつ弾性変形可能な膜厚を形成してなるものである。
【0016】
本明細書において、「弾性変形可能な膜厚」とは、スクロール式流体機械の運転中、塑性変形を生じることなく、かつ運転中にラップ側面との間でクリアランスを生ぜず、常に弾性変形状態でラップ側面に密着可能な膜厚を言う。弾性変形可能な膜厚を超えると、塑性変形を生じ、その結果、相接するラップの側面間にクリアランスが生じ、密閉空間を形成できない。あるいは弾性被膜が塑性変形して破損することにより、ラップ側面同士が直接接触し、ラップ部が損傷するおそれがある。
【0017】
本発明の弾性被膜は、ラップ部を構成するスクロール母材より軟質でかつ弾性を有する合成樹脂に粉体状の固体潤滑剤が分散配置されているので、固定スクロール体及び旋回スクロール体の相接するラップに対する潤滑性及び摺動性が良く、相接するラップ側面間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等を抑制できる。
【0018】
また、本発明の弾性被膜は、他のスクロール体の相接するラップ側面に対して、運転中にラップ側面との間でクリアランスを生ぜず、かつ弾性変形可能な膜厚を形成しているので、弾性被膜がラップ側面に常に密着しており、ラップ側面に対する密着性が良い。そのため、固定スクロール体と旋回スクロール体との間に形成される密閉空間の密封性を向上できる。
【0019】
本発明のスクロール式流体機械において、弾性被膜が、弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を、運転中に弾性変形可能な膜厚を超える膜厚までラップ側面に塗装し、乾燥後馴染み運転を経て弾性変形可能な膜厚に仕上げられているとよい。これによって、塗装時に弾性変形可能な膜厚を超える膜厚に塗装し、その後、馴染み運転で余分な部分を削り取るか、あるいは摩耗させることで、弾性変形可能な膜厚に仕上げられる。そのため、塗装時において塗装液の精密な膜厚調整を必要とせず、塗装作業が容易になる。なお、塗装液の塗装方法は、スプレー塗装又は静電塗装等を用いることができる。
【0020】
本発明のスクロール式流体機械において、弾性被膜が、エポキシ樹脂を主成分とする合成樹脂10〜20重量%と、MoSを主成分とする粉体状固体潤滑剤25〜40重量%、及び残部が溶剤からなる塗装液をラップ側面に塗装し、その後焼付け硬化されて形成されているとよい。エポキシ樹脂は、スクロール体を構成する金属母材より格段に軟質であると共に、弾性を有する。また、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であるため、焼付け塗装されて硬化する。フッ素樹脂は、粘着力がなく、衝撃により剥離しやすい。フッ素樹脂と比べて、エポキシ樹脂はラップ側面に対する被着強度を増大できる。なお、エポキシ樹脂のほかに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を加えてもよい。
【0021】
また、MoSを主成分とする粉体状固体潤滑剤がエポキシ樹脂中に分散配置されているので、相接する他スクロール体のラップ側面に対する潤滑性及び摺動性を向上できる。特に、MoSは衝撃を受けると、被膜内でずれて衝撃を吸収し緩和する作用を有する。そのため、ラップ側面に焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等が生じるのを抑制できる。エポキシ樹脂は大きな弾性をもつため、固体潤滑剤の潤滑及び摺動効果を増大させる効果をもつ。なお、MoSのほかに、グラファイト等を加えてもよい。
【0022】
前記成分及び組成をもつ塗装液により形成された弾性被膜においては、弾性被膜の馴染み運転後の膜厚を30〜80μmとするとよい。弾性被膜の膜厚が30μm未満になると、ラップ側面同士の直接接触が起こるようになり、ラップ部の破損が生じるようになる。弾性被膜の膜厚を30μm以上とすることにより、ラップ側面同士の接触を確実に防止でき、ラップ部の破損を防止できる。
【0023】
また、前記成分及び組成をもつ塗装液により形成された弾性被膜においては、80μmの膜厚が1度塗りの限界であるため、膜厚が80μm以上となると、膜厚がばらつき始める。また、膜厚が90μm以上になると、剥離が発生し始める。そのため、弾性被膜の膜厚を80μm以下とすることにより、接着強度を高くして、剥離を防止できる。
【0024】
本発明のスクロール式流体機械は、被処理気体が空気であり、無潤滑油式であっても、有効に適用できる。本発明の弾性被膜は、自己潤滑性をもつMoSを主成分とするため、潤滑油を供給しないスクロール式流体機械でも、相接するラップ側面同士の潤滑性及び摺動性を十分確保できる。
【0025】
次に、本発明の前記弾性被膜の形成方法は、渦巻き形状のラップ部と端板とからなるスクロール体を回転台上に固定してラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる前工程と、
回転中のスクロール体に対し、前記弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を、吹付けノズルでラップ側面に向けて吹き付けながら、吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させる塗装液吹付工程と、吹付ノズルの径方向移動に対応させてスクロール体の回転速度を調節し、塗装液の膜厚を一定にする膜厚調整工程と、からなるものである。
【0026】
本発明方法では、スクロール体を回転台上で回転させながら、吹付ノズルからラップ部の側面に向けて塗装液を吹き付ける。この状態で、スクロール体の回転速度と吹付ノズルのスクロール体に対する径方向移動速度とを調整することにより、均一な膜厚で塗膜を形成できる。これによって、かかる簡易な手段で、ラップ側面への均一な塗膜形成が可能になる。
【0027】
本発明方法において、吹付ノズルの移動速度を一定とし、該移動速度に合わせてスクロール体の回転速度を調整するようにするとよい。この場合、吹付ノズルの移動速度を一定とすることができるので、吹付ノズルの移動速度を調整する必要がなくなる。そのため、運転中の制御対象がスクロール体の回転速度のみとなるので、制御が容易になると共に、制御装置を簡素化できる。
【0028】
なお、スクロール体の回転速度が一定であるとき、スクロール体の周速度は、中心領域より外側領域のほうが大きい。そのため、一定の回転速度のもとで吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させると、中心領域の側面の膜厚が外側領域の側面の膜厚より大きくなってしまう。従って、スクロール体の径方向の塗布領域に応じて、スクロール体の回転速度を変える必要がある。
【0029】
本発明方法の一具体例として、吹付ノズルをラップの渦巻き中心から外側方向に移動させ、吹付ノズルの移動速度に対応させてスクロール体の回転速度を漸減させるようにするとよい。これによって、スクロール体の中心領域と外側領域とで塗膜の膜厚を均一にできる。
【0030】
本発明方法の別な具体例として、吹付ノズルをスクロール体の外径側から中心に向かって移動させ、吹付ノズルの移動速度に対応させてスクロール体の回転速度を漸増させるようにしてもよい。これによっても、スクロール体の中心領域と外側領域とで塗装液の膜厚を均一にできる。
【0031】
また、本発明方法において、前記各操作に加えて、吹付ノズルの姿勢を変えず直線状に移動させるようにすることも可能である。これによって、吹付ノズルの動作制御が容易になり、吹付ノズルの駆動系が所謂一軸系となるので、吹付ノズルの駆動装置及び制御装置を簡素化できる。
【0032】
また、前記本発明方法の実施に直接使用可能な本発明のスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置は、ラップ部と端板とからなるスクロール体を載置固定する回転台及び該回転台の駆動装置を備え、該回転台に載置固定されたスクロール体をラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる回転装置と、回転中のスクロール体に対しラップ部の側面に向けて、弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を吹き付ける吹付けノズル、及び該吹付けノズルをスクロール体の径方向に移動させる駆動装置を備えた塗装液吹付装置と、回転台の回転速度及び吹付ノズルの移動速度を制御して、塗装液の膜厚を一定にするコントローラと、を備えたものである。
【0033】
本発明の弾性被膜形成装置では、スクロール体を回転台上で回転させながら、吹付ノズルからラップ側面に向けて塗装液を吹き付ける。この状態で、コントローラによって、スクロール体の回転速度と吹付ノズルのスクロール体に対する径方向移動速度とを調整することにより、均一な膜厚で弾性被膜を形成できる。これによって、簡易な構成で、ラップ側面への均一な被膜形成が可能になる。
【0034】
本発明の弾性被膜形成装置において、塗料吹付装置が、吹付ノズルの姿勢を変えずに吹付ノズルを直線経路を辿って移動させる一軸系の駆動装置を備えているとよい。これによって、吹付ノズルの動作制御が容易になり、吹付ノズルの駆動系が所謂一軸系となるので、吹付ノズルの駆動装置及び制御装置を簡素化できる。
【0035】
本発明の弾性被膜形成装置において、吹付ノズルがスリット形状の吹出口を有し、該吹出口の長辺がラップ部の側面の高さに相当する寸法を有しているとよい。これによって、吹付けノズルの長辺方向をラップ側面の高さ方向に合わせることにより、ラップ側面の端板との連結部位から先端部位までのラップ幅方向全域に対し、一度で塗装液を塗布できる。そのため、塗装液吹付工程に要する時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明のスクロール式流体機械によれば、渦巻き形状のラップ部の側面に弾性被膜を形成してなるスクロール流体機械において、弾性被膜が、ラップ部を構成するスクロール母材より軟質でかつ弾性を有する合成樹脂に粉体状の固体潤滑剤が分散配置されていると共に、他のスクロール体の相接するラップ側面に対して、運転中にラップ側面との間でクリアランスを生ぜず、かつ弾性変形状態を保持可能な膜厚を形成してなるので、固定スクロール体及び旋回スクロール体の相接するラップに対する潤滑性及び摺動性が良く、相接するラップ側面間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等を抑制できる。また、相接するラップ側面に対する密着性が良いので、固定スクロール体と旋回スクロール体との間に形成される密閉空間の密封性を向上できる。
【0037】
本発明方法によれば、弾性被膜を渦巻き形状のラップ部の側面に形成するスクロール流体機械の弾性被膜形成方法において、ラップ部と端板とからなるスクロール体を回転台上に固定してラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる前工程と、回転中のスクロール体に対し、弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を、吹付ノズルでラップ部の側面に向けて吹き付けながら、吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させる塗装液吹付け工程と、吹付ノズルの径方向移動に対応させてスクロール体の回転速度を調節し、塗装液の膜厚を一定にする膜厚調整工程と、からなり、塗装液吹付け中、スクロール体の回転速度と吹付ノズルのスクロール体に対する径方向移動速度とを調整することにより、均一な膜厚で塗膜を形成できる。これによって、簡易な手段で、スクロール体のラップ側面へ均一な膜厚を有する弾性被膜を形成できる。
【0038】
従って、低コストな手段で、スクロール式流体機械の密閉空間の気密性能を高め、かつラップ部間のかじり、摩耗、損傷等を抑えで、スクロール式流体機械の運転効率を向上できる。
【0039】
また、本発明の弾性被膜形成装置によれば、弾性被膜を渦巻き形状のラップ部の側面に形成するスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置において、ラップ部と端板とからなるスクロール体を載置固定する回転台及び該回転台の駆動装置を備え、該回転台に載置固定されたスクロール体をラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる回転装置と、回転中のスクロール体に対しラップ部の側面に向けて、弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を吹き付ける吹付ノズル、及び該吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させる駆動装置を備えた塗装液吹付装置と、回転台の回転速度及び吹付ノズルの移動速度を制御して、塗装液の膜厚を一定にするコントローラと、を備えているので、前記本発明方法と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のスクロール式流体機械の第1実施形態に係る一部拡大断面図である。
【図2】本発明の弾性被膜形成方法及び装置の第1実施形態に係る斜視図である。
【図3】前記第1実施形態に係る弾性被膜形成装置の一部正面図である。
【図4】前記第1実施形態に係る弾性被膜の実験結果を示す図表である。
【図5】本発明の弾性被膜形成方法及び装置の第2実施形態に係る一部正面図である。
【図6】前記第2実施形態に係る吹付ノズルの斜視図である。
【図7】スクロール式圧縮機の熱変形を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0042】
(実施形態1)
本発明のスクロール式流体機械及び弾性被膜形成方法及び装置の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、無潤滑油式のスクロール式空気圧縮機の固定スクロール体10と旋回スクロール体20との噛合い部を示す。図1において、アルミ製の固定スクロール体10は、円板形状の端板12と、渦巻き形状を有し、端板12から直角方向に立設されたラップ部14とからなる。アルミ製の旋回スクロール体20も同様に、円板形状の端板22と、渦巻き形状を有し、端板22から直角方向に立設されたラップ部24とからなる。
【0043】
ラップ部14及び24の端面に渦巻き形状の凹溝16が刻設され、凹溝16に渦巻き形状のチップシール18が密嵌されている。各端板12、22とラップ部14、24間のクリアランスACは、チップシール18で密封される。また、ラップ部14、24間のクリアランスRCを密閉して、固定スクロール体10と旋回スクロール体20間で密閉空間sを形成するため、ラップ部24の側面に弾性被膜28が形成されている。
【0044】
弾性被膜28は、次の成分及び組成を有する塗装液を、図2及び図3に示す塗装装置を用いて、ラップ部24の側面24aに塗装し、この塗膜を焼付け乾燥して硬化させた後、スクロール式圧縮機を馴染み運転させて、ラップ側面24aに弾性変形可能な膜厚に形成したものである。
この塗装液は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂10〜20重量%、MoS20〜30重量%、グラファイト5〜10重量%、及び残部が有機溶媒からなる。次に、図2及び図3に示す塗装装置を用いた塗装方法を説明する。
【0045】
図2及び図3において、旋回スクロール体20の端板12の背面には多数の放熱フィン26が一体に形成されている。そして、旋回スクロール体20を回転させる回転装置30が床面F上に載置されている。回転装置30は、端板22より大径を有する円板状の回転台32と、回転台32の下部に取り付けられたケーシング34と、該ケーシング34の内部に収容され、回転台32を回転させる駆動装置36とを備えている。
【0046】
回転装置30の近傍に塗装液吹付装置40が床面F上に固定されている。塗装液吹付装置40は、図示省略の塗装液貯蔵タンク及び後述するアーム48を矢印方向に往復動させる駆動装置42等を内蔵した本体部41と、アーム48が矢印方向に摺動する凹溝46を有する案内フレーム44とを備えている。凹溝46は水平方向に向けて配置され、直線状の溝形を有している。
【0047】
凹溝46にはアーム48が矢印方向に摺動自在に嵌合され、アーム48は、駆動装置42によって旋回スクロール体20側に向けて姿勢を保持したまま矢印方向に移動される。アーム48の先端には、下方に向けてノズル管50が取り付けられている。ノズル管50には本体部41側から前記塗装液が供給される。ノズル管50の下端に塗装液が噴射する吹付ノズル52が装着されている。吹付ノズル52は、ノズル管50から斜め下方に曲折され、円形の塗装液噴射口が旋回スクロール体20のラップ側面24aに向けられている。
【0048】
吹付ノズル52は、同一姿勢を保持したまま移動する。言い換えれば、吹付ノズル52の姿勢変更機構を具備する必要がない。アーム48が凹溝46に沿って移動することで、アーム48は水平方向に直線状移動経路L上を移動する。コントローラ54は、駆動装置34を制御して、回転台32の回転角速度を制御すると共に、駆動装置34を制御して、直線状移動経路Lに沿う方向の吹付ノズル52の移動速度を制御する。
【0049】
かかる構成において、旋回スクロール体20のラップ側面24aに塗装液を塗布するとき、旋回スクロール体20は、回転台32上に載置され、ラップ部24の渦巻き中心Cが回転台32の回転中心に位置するように位置決めされる。次に、ノズル52を渦巻き中心Cに配置し、該渦巻き中心位置で、塗装液吹出口がラップ側面24aに向くように、吹付ノズル52の姿勢を調整する。
【0050】
この状態で回転台32を矢印方向に回転すると共に、吹付ノズル52から塗装液を噴射して、ラップ側面24aに塗装液を吹き付ける。そして、ノズル52を吹付け開始時の姿勢を保持したまま、直線状移動経路L上を旋回スクロール体20の径方向外側へ向けて移動させる。
【0051】
このとき、コントローラ54によって、吹付ノズル52の移動速度を一定に制御すると共に、吹付ノズル52が渦巻き中心Cから旋回スクロール体20の外周方向に移動するのに応じて、ノズル先端とラップ側面14aとの距離を一定に保ちながら、回転台32の回転角速度を漸減する。塗装液の塗布工程中、旋回スクロール体20が同一回転角速度で回転すれば、渦巻き中心Cより外周方向へ行くほど、旋回スクロール体20の周速度は大きくなる。そのため、中心領域より外側領域ほどラップ側面14aに塗布される塗装液の膜厚は薄くなる。
【0052】
コントローラ54によって、吹付ノズル52の径方向移動に合わせて回転台32の回転角速度を漸減させることで、ラップ側面14aの中心領域から外側領域まで均一の膜厚となるように制御している。1回の塗装でラップ側面24aの全面に塗装液を塗布できないときは、もう1度同じ操作を行なってラップ側面全面を塗装する。
塗装液の塗装は、固定スクロール体10のラップ部14と接触する一方のラップ側面のみに行なえばよい。
【0053】
塗装工程後、塗膜の焼付け乾燥を行ない、有機溶剤を蒸発させると共に、エポキシ樹脂を硬化させる。こうして旋回スクロール体20のラップ側面24aに形成した弾性被膜28は、スクロール式圧縮機の運転中、弾性変形可能な膜厚を越える膜厚となるように設定されている。そして、焼付け乾燥後、スクロール式圧縮機の馴染み運転を経て、ラップ側面間クリアランスRCに対して、塑性変形を伴う膜厚から弾性変形可能な膜厚に仕上げられる。そのため、塗装工程で、塗装液の膜厚を精密にコントロールする必要はない。
【0054】
馴染み運転では、塑性変形を伴う膜厚をラップ側面24aで塑性変形させるか、あるいは相接するラップ側面で、弾性被膜28の表面を削り取るか、摩耗させることで、弾性変形可能な膜厚に仕上げられる。
【実施例】
【0055】
こうしてラップ部24の片側側面に前記成分及び組成をもつ弾性被膜28を形成したスクロール式空気圧縮機を運転し、ラップ部24の破損状態、及びラップ側面間のシール状況を検査した。その結果を図4に示す。この検査では、固定スクロール体10及び旋回スクロール体20のラップ側面間クリアランスRCを種々に変化させ、このクリアランスRCに応じて、前記被膜形成工程を行ない、膜厚の異なる弾性被膜28を形成し、これらの弾性被膜28を用いて検査したものである。
【0056】
図4から、弾性被膜28が30〜80μmのとき、相接するラップ部24間の接触を和らげ、ラップ部の破損を防止でき、かつ両ラップ部のラップ側面間のシール状態を良好に保持できることがわかった。膜厚が30μm未満であると、ラップ部同士の衝突時の衝撃が大きくなり、ラップ部が破損する場合があることがわかった。また、膜厚が90μm以上となると、弾性被膜28の剥離が発生しやすいことがわかった。
【0057】
また、エポキシ樹脂の組成範囲が前記組成範囲より下回ると、ラップ側面に対する弾性被膜28の接着力が低下し、前記組成範囲を上回ると、弾性被膜28の弾性が低下することがわかった。そのため、エポキシ樹脂の前記組成範囲で、弾性被膜の接着力及び弾性を最良にできることがわかった。また、固体潤滑剤の組成範囲が前記組成範囲を下回ると、ラップ側面に対する潤滑性及び摺動性が低下し、前記組成範囲を上回ると、弾性被膜の強度及びラップ側面に対する接着力が低下することがわかった。固体潤滑剤の前記組成範囲で、弾性被膜の強度、潤滑性、摺動性及びラップ側面に対する接着強度を最良にできることがわかった。
【0058】
なお、前記組成範囲の範囲内で、エポキシ樹脂にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を加えるようにしてもよい。また、前記組成範囲の範囲内で、固体潤滑剤として、MoSのみからなる固体潤滑剤を用いてもよい。
なお、MoS及びグラファイトは、自己潤滑性があるので、本実施形態のように、無潤滑油式のスクロール式空気圧縮機に適用したとき、潤滑油なしでもラップ部間の潤滑性を保持できる利点がある。
【0059】
また、図2及び図3に示す塗装装置及び塗装方法を用いれば、旋回スクロール体20のラップ側面24aに渦巻き中心Cから外側端まで均一な膜厚の弾性被膜28を形成できる。しかも、吹付けノズル52の移動速度を一定としているので、回転台32の回転角速度を制御するだけの簡単な制御でこれを実現できる。このように、複雑な制御を必要としないので、制御装置も簡素かつ低コストな制御装置で済む。
【0060】
また、塗装工程中、吹付ノズル52の姿勢を塗装開始時の姿勢を維持させたままで、直線状移動経路Lに沿って直線移動させるだけでよいので、吹付ノズル52の駆動機構は、一軸系の駆動機構で済む。そのため、塗装液吹付装置40の駆動装置42の構成を簡素化でき、低コストとすることができる。
【0061】
なお、前記第1実施形態では、吹付ノズル52の運転開始位置をラップ部24の渦巻き中心Cとし、塗装液吹付け開始後、旋回スクロール体20の外周方向へ移動させるようにしたが、代わりに、吹付ノズル52の開始位置をラップ部24の外側端とし、塗装液吹付け開始後、旋回スクロール体20の渦巻き中心C側へ向かって移動させるやり方としてもよい。この場合には、吹付ノズル52の移動速度に合わせて、回転台32の回転角速度を漸増させるようにする。
【0062】
前記第1実施形態では、アーム48を一軸系の駆動機構で移動させる塗装液吹付装置40を用いたが、代わりに、アーム48を多軸系の駆動機構を用いて3次元移動させるようにしてもよい。
【0063】
(実施形態2)
次に、本発明の塗装装置の第2実施形態を図5及び図6により説明する。吹付ノズル56の噴射口58は、上下方向に長く延びたスリット形状を有する。吹付口58の長辺の寸法hは、ラップ部24の側面24aの高さ寸法hと略同一の寸法となるように構成されている。これによって、吹付口58から塗装液が吹き出されたとき、ラップ側面24aの端板22との接続部から先端部まで、高さ方向の全領域に対して、1度の塗装工程で塗装液を塗布できる。塗装装置のその他の構成は、前記第1実施形態と同一である。
【0064】
前記第1実施形態及び第2実施形態は、旋回スクロール体のラップ部に弾性被膜を形成した例であるが、代わりに固定スクロール体のラップ部に弾性被膜を形成するようにしてもよい。また、本発明を他のスクロール式流体機械にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、スクロール式流体機械のラップ側面の簡易な手段で弾性被膜を形成でき、ラップ側面間の密封性を保持し、かつラップ部間の焼付き、カジリ摩耗、又は接触による損傷等を防止できる。
【符号の説明】
【0066】
10,100 固定スクロール体
12,22,102,112 端板
14,24、104,114 ラップ部
14a、24a ラップ側面
16,46 凹溝
18 チップシール
20,110 旋回スクロール体
26 放熱フィン
28 弾性被膜
30 回転装置
32 回転台
34 ケーシング
36,42 駆動装置
40 塗装液吹付装置
41 本体部
44 案内フレーム
48 アーム
50 ノズル管
52,56 吹付ノズル
54 コントローラ
58 吹出口
120a、120b 隙間
AC,RC クリアランス
C 渦巻き中心
F 床面
L 直線状移動経路
ラップ部側面高さ寸法
吹出口長辺寸法
s 密閉空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦巻き形状のラップ部の側面に弾性被膜を形成してなるスクロール流体機械において、
前記弾性被膜が、前記ラップ部を構成するスクロール母材より軟質でかつ弾性を有する合成樹脂に粉体状の固体潤滑剤が分散配置されていると共に、他のスクロール体の相接するラップ側面に対して、運転中にラップ側面との間でクリアランスを生ぜず、かつ弾性変形可能な膜厚を形成してなることを特徴とするスクロール式流体機械。
【請求項2】
前記弾性被膜が、弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を、ラップ部側面へ運転中に弾性変形可能な膜厚を超える膜厚まで塗装し、乾燥後馴染み運転を経て弾性変形可能な膜厚に仕上げられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項3】
前記弾性被膜が、エポキシ樹脂を主成分とする合成樹脂10〜20重量%と、MoSを主成分とする粉体状固体潤滑剤25〜40重量%、及び残部が溶剤からなる塗装液をラップ側面に塗装し、その後焼付け硬化されて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクロール式流体機械。
【請求項4】
前記弾性被膜の馴染み運転後の膜厚が30〜80μmであることを特徴とする請求項3に記載のスクロール式流体機械。
【請求項5】
被処理気体が空気であり、無潤滑油式であることを特徴とする請求項3又は4のいずれかの項に記載のスクロール式流体機械。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの項に記載の弾性被膜を渦巻き形状のラップ部の側面に形成するスクロール流体機械の弾性被膜形成方法において、
前記ラップ部と端板とからなるスクロール体を回転台上に固定してラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる前工程と、
回転中のスクロール体に対し、前記弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を、吹付ノズルでラップ部の側面に向けて吹き付けながら、吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させる塗装液吹付工程と、
吹付ノズルの径方向移動に対応させてスクロール体の回転速度を調節し、塗装液の膜厚を一定にする膜厚調整工程と、からなることを特徴とするスクロール式流体機械の弾性被膜形成方法。
【請求項7】
前記吹付ノズルの移動速度を一定とし、該移動速度に合わせてスクロール体の回転速度を調整するようにしたことを特徴とする請求項6に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成方法。
【請求項8】
前記吹付ノズルをラップの渦巻き中心から外側方向に移動させ、吹付ノズルの移動速度に対応させてスクロール体の回転速度を漸減させることを特徴とする請求項6又は7に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成方法。
【請求項9】
前記吹付ノズルをスクロール体の外径側から中心に向かって移動させ、吹付ノズルの移動速度に対応させてスクロール体の回転速度を漸増させることを特徴とする請求項6又は7に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成方法。
【請求項10】
前記吹付ノズルの姿勢を変えず直線状に移動させることを特徴とする請求項6〜9のいずれかの項に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかの項に記載の弾性被膜を渦巻き形状のラップ部の側面に形成するスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置において、
ラップ部と端板とからなるスクロール体を載置固定する回転台及び該回転台の駆動装置を備え、該回転台に載置固定されたスクロール体をラップ部の渦巻き中心を中心として回転させる回転装置と、
回転中のスクロール体に対しラップ部の側面に向けて、前記弾性被膜を構成する組成物を溶剤に溶かした塗装液を吹き付ける吹付ノズル、及び該吹付ノズルをスクロール体の径方向に移動させる駆動装置を備えた塗装液吹付装置と、
前記回転台の回転速度及び吹付ノズルの移動速度を制御して、塗装液の膜厚を一定にするコントローラと、を備えていることを特徴とするスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置。
【請求項12】
前記塗装液吹付装置が、吹付ノズルの姿勢を変えずに吹付ノズルを直線経路を辿って移動させる一軸系の駆動装置を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置。
【請求項13】
前記吹付ノズルがスリット形状の吹出口を有し、該吹出口の長辺がラップ部の側面の高さに相当する寸法を有していることを特徴とする請求項11又は12に記載のスクロール式流体機械の弾性被膜形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−149519(P2012−149519A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6386(P2011−6386)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【特許番号】特許第4824833号(P4824833)
【特許公報発行日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(390028495)アネスト岩田株式会社 (224)
【Fターム(参考)】