説明

スタチンを含む植物抽出物ならびにその調製技術および使用

1つ以上のスタチンを含み、かつ、被験者における薬物の薬物動態に影響する極性化合物を実質的に含まない植物抽出物が提供される。被験者における薬物の薬物動態に影響する極性化合物を、1つ以上のスタチンを含む植物材料から除去する工程を含む抽出物の調製方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体としてスタチンを含む植物抽出物に関する。本発明はまた、このような抽出物を得る方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハーブサプリメントは周知であり、従来の食事療法および医療を補うために使用されてきた。典型的に、このようなサプリメントは、健康および医療上の利点(例えば、疾病の予防および治療)をもたらすと信じられている抽出物の形態である。
【0003】
抽出物の製造において使用される多くの植物は、ヒトの健康の維持において有用な化学物質を合成することが知られる。しかし、このような抽出物の使用の増加に関わらず、植物と薬物との相互作用についての理解は、未だ初期段階にある。このような作用についての理解が欠如していると、生命を脅かす、または、最悪の場合には死につながり得る有害反応をもたらす可能性がある。
【0004】
さらに、このような抽出物の正確な組成は十分に解明されておらず、そのため、多くの植物抽出物は、被験者における薬物動態に有害に影響し得る化合物を含む可能性がある。
【0005】
例えば、一般的な植物抽出物は紅麹米である。この抽出物は、食品の着色、日本酒中の成分等として多くの用途を有する。近年では、紅麹米抽出物が、脂質およびコレステロールのレベルを低下させるために使用されている。しかし、紅麹米の公知の抽出物は、顕著な量の夾雑物を含む。
【0006】
従って、これらの夾雑物のうちの1つ以上の除去は、抽出物の正確な量についての消費者からの信頼の増大、および監督機関への抽出物の組成に関する正確なデータの提供の両方において有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の欠点のうち1つ以上を克服または少なくとも改善する、減少した量の夾雑物を有する植物抽出物の提供に対するニーズがある。
【0008】
被験者における薬物の薬物動態に対する副作用を有する減少した量の夾雑物を含む植物抽出物を提供するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、1つ以上のスタチンを含み、かつ、極性化合物を実質的に含まない植物抽出物が提供される。
【0010】
第2の態様によれば、1つ以上のスタチンを含み、かつ、被験者における薬物の薬物動態に影響する極性化合物を実質的に含まない植物抽出物が提供される。
【0011】
第3の態様によれば、極性化合物を植物材料から除去する工程を含み、上記植物材料は、1つ以上のスタチンを含む抽出物の調製方法が提供される。
【0012】
第4の態様によれば、被験者における薬物の薬物動態に影響する1つ以上の極性化合物を、上記植物抽出物から除去する工程を含む植物抽出物の調製方法が提供される。
【0013】
有利には、植物抽出物からの1つ以上の極性化合物の除去は、有害な、または不必要な薬物と草本との相互作用を実質的に減少させる。
【0014】
本発明の方法のさらなる利点は、植物抽出物中の一貫した有効量の1つ以上のスタチンが提供されることである。
【0015】
第5の態様によれば、第1の態様または第2の態様の植物抽出物を薬理学的に許容できる担体とともに含む組成物が提供される。
【0016】
第6の態様によれば、第1の態様または第2の態様の植物抽出物を薬理学的に許容できる担体とともに含む投与形態が提供される。
【0017】
第7の態様によれば、高脂血症の治療または予防のための薬物の製造における、第1の態様または第2の態様の植物抽出物の使用が提供される。
【0018】
第8の態様によれば、被験者におけるコレステロールの減少のための薬物の製造における、第1の態様または第2の態様の植物抽出物の使用が提供される。
【0019】
第9の態様によれば、第1の態様または第2の態様の植物抽出物を使用説明書とともに含む包装された投与形態が提供される。
【0020】
第10の態様によれば、被験者における3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害のための薬物の製造における、第1の態様または第2の態様の植物抽出物の使用が提供される。
【0021】
第11の態様によれば、
1つ以上の毒素を植物材料から除去する工程と、
1つ以上の極性化合物を植物材料から除去する工程と、
植物材料から抽出物を形成する工程と、を上記の順序で、含む植物抽出物の調製方法が提供される。
【0022】
添付の図面は、開示された実施形態を示し、開示された実施形態の原理を説明する役割を果たす。しかし、図面は、説明の目的のみで示され、本発明を制限する規定として示されたものではないことが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1aは、極性化合物を除去する前の、紅麹米抽出物のHPLCプロファイルを示す。図1bは、本発明の方法に従って得た、極性化合物を除去した後の、乾燥した紅麹米抽出物のHPLCプロファイルを示す。
【図2】紅麹米抽出物を使用したチトクロムP450阻害試験の結果を示す。
【図3】陰性対照(NaVO)およびP−糖タンパク質に対する極性化合物の活性の結果を示す。
【図4】紅麹米抽出物を使用したP−gp活性アッセイの結果を示す。
【図5】ベラパミルによる、紅麹米抽出物を使用したCaCO−2吸収試験の結果を示す。
【図6】ベラパミルによる、紅麹米抽出物を使用した動物の吸収試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<定義>
下記は、本願明細書の理解において有用であり得るいくつかの定義である。これらは、一般的な定義として意図され、本発明の範囲がこれらの用語のみに制限されるべきでは全くないが、下記についてのよりよい理解のために提示される。
【0025】
別段の記載がない限り、または特にことわりのない限り、本発明の整数、工程、または要素について、単数形で本願明細書に記載される整数、工程または要素は、単数形および複数形の整数、工程または要素を明確に両方含む。
【0026】
本願明細書全体を通して、別段の記載がない限り、用語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」等の変化形は、記載された工程もしくは要素もしくは整数、または工程もしくは要素もしくは整数の群を含むことを意味するが、他の工程もしくは要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群を除外するものではないことが理解されるだろう。従って、本願明細書における用語「含んでいる」とは、「主に含んでいるが、必ずしも単独で含んでいるわけではない」ことを意味する。
【0027】
当業者は、本願明細書に記載された本発明が、特に記載されたもの以外の変形および改変を許容することを理解するだろう。本発明は、全てのこのような変形および改変を含むことが理解されるはずである。本発明はまた、個別にまたは包括的に本願明細書において参照され、もしくは記載された工程、特徴、組成物および化合物のうちの全て、上記工程もしくは特徴のいずれかおよび全ての組み合わせ、またはいずれか2つ以上を含む。
【0028】
用語「薬物動態」は、投与された薬剤のヒトまたは動物の身体内における作用を含むように広く解釈されるものとする。特に、この用語は、薬物の吸収、分布、代謝および排泄;作用の発生;効果の維持;生体内変換;薬物の代謝物の排泄の効果および経路を指す。
【0029】
本願明細書における用語「極性化合物」およびその文法的変異は、全体としてゼロではない双極子モーメントを有する植物抽出物中の化合物(典型的には有機化合物)を指す。
【0030】
本願明細書における用語「自然に存在する」は、植物材料中に自然に存在する化合物(スタチン等)を指す。
【0031】
用語「植物材料」は、植物界、真菌界および藻類の全てのメンバーを含むように広く解釈されるものとする。植物材料は、植物材料の固形の塊または抽出溶液を含んでいてもよい。
【0032】
本願明細書における用語「投与する(administering)」および当該用語の変化形(「投与する(administer)」および「投与(administration)」等)は、適切な手段による、本発明の化合物または組成物の、生物もしくは表面への接触、適用、送達または提供を含む。
【0033】
本願明細書における用語「治療」は、どのような手段であれ、疾病状態もしくは症候を治癒し、疾病の確立を予防し、あるいは、疾病もしくは他の望ましくない症候の進行を予防し、妨げ、遅延させ、または逆転させるいずれかおよび全ての使用を指す。
【0034】
本願明細書における用語「治療有効量」は、所望の治療効果を与える、本願明細書に記載された化合物または組成物の十分であるが無毒性な量を含む。要求される正確な量は、治療される種、被験者の年齢および全体的な状態、治療される症状の重症度、投与される特定の薬剤、投与方法等の要因に応じて、被験者ごとに異なる。従って、正確な「有効量」を特定することはできない。しかし、所定の場合には、適切な「有効量」は、当業者によって、ルーチンの実験法のみを使用して決定され得る。
【0035】
本願明細書における用語「被験者」は、社会的、経済的にまたは研究上重要な全ての種のヒトおよび個体を含む(ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ネコ、イヌ、霊長類(ヒトおよび非ヒトの霊長類等)、げっ歯類、マウス、ヤギ、ウサギおよびトリのメンバーが挙げられるが、これらに限定されない)。
【0036】
本願明細書で使用される「投与形態」は、治療される個体のための単位投与量として適した物理的に別々な単位を指す。所定量の植物抽出物を含む各単位は、要求される医薬担体とともに所望の治療効果を生じるように算出される。植物抽出物は、有効量で、許容できる投与単位中で、適した薬理学的に許容できる担体とともに、簡便な、かつ効果的な投与のために製剤化されてもよい。組成物が補助的な有効成分を含む場合、投与量は、上記成分の通常の用量および投与方法を参照することによって決定される。
【0037】
用語「薬理学的に許容できる担体」としては、溶剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤等が含まれるように意図される。薬剤的に活性な物質のためのこのような媒体および剤の使用は、当該技術分野で周知である。いずれかの従来の媒体または薬剤が化合物と不適合である場合を除き、治療組成物中におけるその使用、ならびに治療および予防の方法が考慮される。
【0038】
用語「実質的に」は、「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、完全にYを含まないものであってもよい。あるいは、当該組成物は、1〜10%のYを依然として含んでいてもよい。必要に応じ、用語「実質的に」は、本発明の定義から除かれる可能性がある。
【0039】
本願明細書で使用される用語「約」は、製剤の構成成分の濃度について使用される場合、典型的に、記載された値の±5%、より典型的には記載された値の±4%、より典型的には記載された値の±3%、より典型的には記載された値の±2%、さらにより典型的には記載された値の±1%、さらにより典型的には記載された値の±0.5%を意味する。
【0040】
本願明細書全体にわたって、特定の実施形態は、範囲形式で開示され得る。範囲形式の記載は、単に便宜および簡潔さのためだけのものであり、開示された範囲についての不動の制限として解釈されてはならないことが理解されるはずである。従って、範囲の記載は、特に開示された全ての可能性のある部分範囲、およびその範囲内の個々の数値を含むように解釈されるものとする。例えば、1〜6等の範囲についての記載は、特に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等)、およびその範囲内の個々の数字(例えば、1、2、3、4、5および6)を含むように考慮されるものとする。これは、範囲の広さに関わらず適用される。
【0041】
特定の実施形態はまた、本願明細書において、広く、かつ総括的に記載され得る。一般的な記載の中に含まれる、より狭い種および下位の分類のそれぞれはまた、本記載の一部を形成する。これは、除かれたものが本願明細書に具体的に記載されているかどうかに関わらず、いずれかの対象物を属から除く、条件または否定的な限定を有する実施形態の一般的な記載を含む。
【0042】
<任意の実施形態の開示>
1つ以上のスタチンを含む植物抽出物の代表的、非限定的な実施形態が以下記載される。
【0043】
植物抽出物は、被験者における薬物の薬物動態に影響する極性化合物を実質的に含まない。
【0044】
1つの実施態様では、1つ以上のスタチンは、自然に存在するスタチンであり、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチンおよびメバスタチンからなる群から選択されてもよい。
【0045】
好ましくは、1つ以上のロバスタチンは、1つ以上のモナコリンから選択される。好ましい実施形態では、1つ以上のモナコリンは、モナコリンK、モナコリンJ、モナコリンLおよびモナコリンMからなる群から選択される。好ましくは、1つ以上のモナコリンは、モナコリンKおよびモナコリンJから選択される。最も好ましい実施形態では、モナコリンは、モナコリンKである。
【0046】
別の実施態様では、モナコリンKは、植物抽出物中に、植物抽出物(g)あたり約0.01〜500mg;約0.1〜400mg;約0.2〜300mg;約0.2〜200mg;約0.2〜100mg;約0.2〜50mg;約0.2〜25mg;約0.2〜10mg;約0.2〜5mgおよび約0.2〜2mgからなる群から選択される範囲の量で存在する。好ましくは、モナコリンKは、植物抽出物中に、抽出物(g)あたり0.2mg〜lmgの量で存在する。
【0047】
別の実施態様では、植物抽出物は微生物発酵の生成物である。好ましくは、微生物発酵において使用される微生物は、Monascus purpureusである。あるいは、微生物発酵において使用される微生物は、Monascus ruberおよびMonascus pilosusから選択される。
【0048】
1つの実施態様では、植物抽出物は、イネ科に属する植物から抽出される。
【0049】
好ましい実施形態では、植物は、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、ソルガム、アワ、カラスムギ、ライムギ、ライコムギおよびソバからなる群から選択される穀類である。
【0050】
あるいは、植物は、マメ科から選択される。好ましい実施形態では、植物は、インゲンマメ属から選択されるマメである。好ましくは、マメは、P.vulgaris、P.filiformis、P.coccineus、P.lunatus、P.maculatusおよびP.acutifoliusからなる群から選択されてもよい。
【0051】
さらに好ましい実施形態では、穀類はコメである。好ましくは、当該コメは紅麹米である。
【0052】
別の実施態様では、植物抽出物は、真菌から抽出される。好ましくは、当該真菌はヒラタケ菌である。好ましくは、当該ヒラタケ菌はPleurotus ostreatusである。
【0053】
1つの実施態様では、極性化合物のうち少なくとも50%が上記抽出物から除去される。好ましくは少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%の極性化合物が、上記抽出物から除去される。最も好ましくは、少なくとも95%の極性化合物は、上記抽出物から除去される。あるいは、植物抽出物は、植物抽出物(g)あたり0.26gもの極性化合物が除去される可能性がある。
【0054】
1つの実施態様では、植物抽出物は、30重量%未満の極性化合物、好ましくは25重量%未満の極性化合物、好ましくは20重量%未満の極性化合物、好ましくは15重量%未満の極性化合物、好ましくは10重量%未満の極性化合物、好ましくは5重量%未満の極性化合物、好ましくは4重量%未満の極性化合物、好ましくは3重量%未満の極性化合物、好ましくは2重量%未満の極性化合物、好ましくは1重量%未満の極性化合物、好ましくは0.5重量%未満の極性化合物を含む。
【0055】
極性化合物を植物材料から除去する工程を含み、上記植物材料は1つ以上のスタチンを含む、抽出物の調製方法も提供される。
【0056】
被験者における薬物の薬物動態に影響する1つ以上の極性化合物を、1つ以上のスタチンを含む植物材料から除去する工程を含む抽出物の調製方法も提供される。
【0057】
1つの実施態様では、植物材料は、固形の植物材料である。
【0058】
別の実施態様では、植物材料のサイズは、約0.1cm〜1cm;約0.2〜0.9cmおよび0.3〜0.9cmからなる範囲から選択される。好ましくは、植物材料のサイズは0.3〜0.9cmである。
【0059】
1つの実施態様では、植物材料は、抽出物を調製する前に、粉末にしてもよい。
【0060】
好ましくは、粉末にした植物材料の粒径は、約0.1mm〜2mm;約0.2mm〜1mm;約0.3mm〜1mm;約0.4mm〜1mmおよび約0.5〜1mmからなる範囲から選択される。好ましくは、粉末にした植物材料の粒径は、0.5〜1mmである。
【0061】
任意の実施形態では、粉末にした植物材料を、抽出物の調製の前に超音波処理してもよい。
【0062】
1つの実施態様では、当該方法は、上記1つ以上の極性化合物を除去する工程の前に、1つ以上の毒素(シトリニンおよびタンニン等)を植物材料から除去する工程をさらに含む。
【0063】
1つの実施態様では、1つ以上の毒素は、上記植物材料を、上記1つ以上の毒素を溶解するために選択された溶剤にさらすことによって除去される。1つの実施態様では、上記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤は弱酸性であり、すなわち、上記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤のpHは、約5〜7未満、より好ましくは約6〜7未満、さらにより好ましくは約6.5〜7未満である。好ましくは、当該溶剤は、塩(アルカリ金属の有機塩等)を含む。代表的な塩は、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選択されてもよい。さらに、有機酸も、上記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤中に存在してもよい。
【0064】
有機酸は、好ましくはカルボン酸である。最も好ましくは、当該カルボン酸は酢酸である。
【0065】
塩類溶液の適した濃度は、0.05M、0.1M、0.15Mおよび0.2Mからなる群から選択される。好ましくは、塩類溶液は、0.1M 酢酸ナトリウムを含む。当該酢酸は、好ましくは0.5%の溶液である。
【0066】
好ましい実施形態では、使用される塩類溶液の量は、植物材料1gあたり、0.5ml/g;1ml/g;1.5ml/g;2ml/g;2.5ml/g;3ml/g;3.5ml/g;4ml/g;4.5ml/g;5ml/g;5.5ml/g;6ml/g;6.5ml/g;7ml/g;7.5ml/g;8ml/g;8.5ml/g;9ml/g;9.5ml/gおよび10ml/gからなる群から選択される範囲である。好ましくは使用される塩類溶液の量は、植物材料1gあたり、4ml/gである。
【0067】
1つの実施態様では、植物材料を、1つ以上の塩および有機酸を含む溶液にさらす工程は、約8〜36時間、20〜60℃の温度で行われる。最も好ましくは、当該植物材料は、約8〜34時間、約10〜32時間、約12〜30時間、約14〜28時間、約16〜26時間、約18〜26時間、約20〜26時間および約22〜26時間からなる群から選択される時間さらされる。最も好ましい実施形態では、当該植物材料は、1つ以上の塩および有機酸を含む溶液に、12時間さらされる。
【0068】
別の実施態様では、当該植物材料は、1つ以上の塩および有機酸を含む溶液に20〜60℃の温度でさらされる。好ましくは、植物材料は、21〜55℃、22〜50℃、23〜45℃、24〜40℃、25〜35℃、25〜30℃からなる群から選択される温度でさらされる。最も好ましい実施形態では、当該植物材料は、1つ以上の塩および有機酸を含む溶液に、23℃の温度で、12時間さらされる。
【0069】
好ましくは、抽出物は、紅麹米抽出物(g)あたり、500μg未満、より好ましくは450μg未満、より好ましくは400μg未満、より好ましくは350未満、より好ましくは300μg未満、より好ましくは250μg未満、より好ましくは200μg未満、より好ましくは150μg未満、より好ましくは100μg未満のシトリニンを含む。最も好ましい実施形態では、抽出物のシトリニンレベルは、紅麹米抽出物のグラムあたり332μg〜133μgのシトリニンである。
【0070】
1つの実施態様では、植物材料は、いったん1つ以上の毒素が除去されると、水溶液に約8〜36時間、20〜60℃の温度でさらされ、1つ以上の極性化合物が除去される。最も好ましくは、当該植物材料は、水溶液に、約8〜34時間、約10〜32時間、約12〜30時間、約14〜28時間、約16〜26時間、約18〜26時間、約20〜26時間および約22〜26時間からなる群から選択される時間さらされる。最も好ましい実施形態では、当該植物材料は、水溶液に12時間さらされる。
【0071】
別の実施態様では、植物材料は、水溶液に20〜60℃の温度でさらされる。好ましくは、植物材料は、水溶液に、21〜55℃、22〜50℃、23〜45℃、24〜40℃、25〜35℃、25〜30℃からなる群から選択される温度でさらされる。最も好ましい実施形態では、植物材料は、水溶液に、23℃の温度で12時間さらされる。
【0072】
好ましい実施形態では、使用される水溶液の量は、植物材料1gあたり、0.5ml/g;1ml/g;1.5ml/g;2ml/g;2.5ml/g;3ml/g;3.5ml/g;4ml/g;4.5ml/g;5ml/g;5.5ml/g;6ml/g;6.5ml/g;7ml/g;7.5ml/g;8ml/g;8.5ml/g;9ml/g;9.5ml/gおよび10ml/gからなる群から選択される範囲である。好ましくは使用される水溶液の量は、植物材料1gあたり、4ml/gである。
【0073】
最も好ましい実施形態では、当該水溶液は水である。
【0074】
有利には、この工程は、極性化合物を除去するだけではなく、植物材料中に存在する全ての残った塩類溶液も除去する。
【0075】
いずれかの特定の理論によって拘束されることを望むことなく、植物抽出物中に存在する1つ以上の極性化合物は、被験者における特定の酵素を阻害することによって、投与された薬剤の薬物動態に干渉すると考えられる。これらの酵素としては、チトクロムP450(サブタイプ1A2、2C9および3A4等)およびp−糖タンパク質が挙げられると考えられるが、これらに限定されない。P−糖タンパク質は、広い基質特異性を有するATP依存性排出ポンプである。P−糖タンパク質は、細胞膜を通過して、下記のような様々な基質を輸送する;コルヒチン、タクロリムスおよびキニジン等の薬剤;エトポシド、ドキソルビシンおよびビンブラスチン等の化学治療薬;脂質、ステロイド、生体異物、ペプチド、ビリルビン、強心配糖体(ジゴキシン等)、免疫抑制薬、グルココルチコイド(デキサメタゾン等)ならびにHIV 1型 抗レトロウイルス治療剤(プロテアーゼ阻害剤等)、ならびに非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤。従って、極性化合物の除去は、有害な薬物−ハーブ間の相互作用の発生率を減少させる。
【0076】
従って、好ましい実施態様では、1つ以上の極性化合物は、チトクロムP450およびp−糖タンパク質と相互作用することによって、投与された薬物の薬物動態に影響する。
【0077】
いずれかの特定の理論によって拘束されることを望むことなく、極性化合物は、チトクロムP450および/またはp−糖タンパク質に結合することによって、投与された薬物の薬物動態に影響すると考えられる。
【0078】
別の実施態様では、当該方法は、上記固形の植物材料から液体の抽出物を形成する工程をさらに含む。
【0079】
好ましくは、植物材料は、いったん1つ以上の極性化合物が除去されると、有機溶液に約8〜36時間、20〜50℃の温度でさらされる。最も好ましくは、植物材料は、有機溶液に、約8〜34時間、約10〜32時間、約12〜30時間、約14〜28時間、約16〜26時間、約18〜26時間、約20〜26時間および約22〜26時間からなる群から選択される時間さらされる。最も好ましい実施形態では、植物材料は、有機溶液に12時間さらされる。
【0080】
別の実施態様では、植物材料は、有機溶液に、20〜50℃の温度でさらされる。好ましくは、植物材料は、有機溶液に、21〜50℃、22〜45℃、23〜40℃、24〜35℃、25〜30℃からなる群から選択される温度でさらされる。最も好ましい実施形態では、植物材料は、有機溶液に、25℃の温度で12時間さらされる。
【0081】
好ましい実施形態では、使用される有機溶液の量は、植物材料1gあたり、0.5ml/g;1ml/g;1.5ml/g;2ml/g;2.5ml/g;3ml/g;3.5ml/g;4ml/g;4.5ml/g;5ml/g;5.5ml/g;6ml/g;6.5ml/g;7ml/g;7.5ml/g;8ml/g;8.5ml/g;9ml/g;9.5ml/gおよび10ml/gからなる群から選択される範囲である。好ましくは使用される有機溶液の量は、植物材料1gあたり、4ml/gである。
【0082】
1つの実施態様では、有機溶液は、アルコール、エーテル、ハロホルム、ケトンおよびアルキレングリコールからなる群から選択される。好ましくは、当該有機溶液は、水と混和性である有機化合物を含む。当該有機溶液は、少なくとも水中の50%有機化合物を含んでいてもよい。好ましくは、当該有機溶液は、少なくとも水中の70%有機化合物を含む。好ましい実施形態では、当該有機溶液はアルコールである。最も好ましくは、アルコールは70%エタノールである。
【0083】
さらに好ましい実施形態では、当該方法は、液体の抽出物から植物材料を分離する工程、および液体の抽出物の溶剤を蒸発させて、乾燥した植物抽出物を形成する工程を含む。
【0084】
好ましくは、当該抽出液は、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発される。
【0085】
撹拌は、好ましくは、抽出方法の効率を高めるために使用してもよい。撹拌は、抽出方法の工程の1つ以上において行ってもよい。好ましくは、撹拌は、超音波処理によって与えられる。
【0086】
別の実施態様では、本発明の植物抽出物を、薬理学的に許容できる担体とともに含む組成物が提供される。
【0087】
さらに別の実施形態では、本発明の植物抽出物を、薬理学的に許容できる担体とともに含む投与形態が提供される。
【0088】
本発明によれば、植物抽出物は単独で投与してもよい。あるいは、当該抽出物は、少なくとも1つの本発明の植物抽出物を含む医薬品、栄養補助食品、動物用製剤、農業製剤、または産業製剤として投与されてもよい。
【0089】
植物抽出物は、他の公知の治療薬(例えば、抗真菌薬、抗生物質、化学治療薬等)と組み合わせて使用してもよい。適した薬剤は、例えば、Merck Index、An Encyclopaedia of Chemicals,Drugs and Biologicals(第12版、1996年)に記載されており、これらの全内容は参照により本願明細書に組み入れられる。
【0090】
活性剤(本発明の植物抽出物等)の組み合わせは、相乗的である可能性がある。
【0091】
簡便な投与方法としては、経口投与、吸入、経皮投与、局所クリームもしくはゲルもしくは粉末、または直腸投与が挙げられる。好ましくは、当該抽出物は経口投与される。
【0092】
投与経路に応じて、製剤および/または抽出物は、酵素、酸、および化合物の治療活性を不活性化させる可能性がある他の自然状態の作用から、化合物を守るための物質でコーティングされてもよい。このようなコーティング(例えば、腸溶性のコーティング)は、当業者に周知である。
【0093】
植物抽出物の懸濁液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物中や、油中で調製してもよい。通常の保存条件および使用の下では、医薬品調製物は、微生物の生育を阻害するための保存剤を含んでいてもよい。
【0094】
1つの実施態様では、植物抽出物を、例えば、不活性希釈剤または吸収可能な食用の担体とともに経口投与してもよい。植物抽出物および他の成分はまた、ハードシェルまたはソフトシェルのゼラチンカプセル剤中に封入されていてもよく、タブレット中へ圧縮してもよく、または個体の食事中に直接組み入れられてもよい。経口での治療的投与のために、植物抽出物は、賦形剤とともに組み入れられてもよく、摂取可能なタブレット、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、オブラート等の形態で使用されてもよい。適切には、このような組成物および調製物は、少なくとも1重量%の植物抽出物を含んでもよい。あるいは、植物抽出物の組成物および調製物は、もちろん改変してもよく、例えば、便宜には、投与単位の質量あたり約2%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約75%、約15%〜約65%;約20%〜約60%、約25%〜約50%、約30%〜約45%、または約35%〜約45%の範囲でもよい。治療上有用な組成物中の植物抽出物の量は、適した投与量が得られるものである。
【0095】
補助的な活性化合物もまた、本発明の組成物中へ組み入れられてもよい。
【0096】
1つの実施態様では、担体は経口投与できる担体であってもよい。
【0097】
医薬組成物の別の形態は、経口投与に適した、腸溶性となるようにコーティングされた顆粒剤、タブレットまたはカプセル剤として製剤化された投与形態である。
【0098】
本発明の範囲には徐放製剤も含まれる。
【0099】
タブレット、トローチ剤、丸剤、カプセル剤等はまた、下記を含んでいてもよい;トラガカントゴム(gum gragacanth)、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤;リン酸水素カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;ショ糖、ラクトースもしくはサッカリン等の甘味剤、またはペパーミント、ウィンターグリーン油、もしくはチェリー調味料等の矯味矯臭剤。投与形態がカプセル剤である場合、上記の種類の物質に加えて液体担体を含んでいてもよい。様々な他の物質は、コーティングとして存在していてもよく、あるいは、投与単位の物理的な形態を修飾してもよい。例えば、タブレット、丸剤、またはカプセル剤は、シェラック、糖または両方でコーティングされてもよい。シロップまたはエリキシル剤は、甘味剤として類似物、ショ糖、保存剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素および調味料(チェリーまたはオレンジのフレーバー等)を含んでいてもよい。もちろん、いずれかの投与形態の調製において使用される全ての物質は、薬剤的に純粋、かつ、使用量において実質的に無毒性でなければならない。また、類似物は、徐放調製物および徐放製剤中へ組み入れられてもよい。
【0100】
好ましくは、医薬組成物は、酸加水分解を最小限にするための適したバッファーをさらに含んでいてもよい。適したバッファー剤は当業者に周知であり、リン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩およびその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
本発明の医薬組成物の単回または複数回の投与を行ってもよい。当業者であれば、ルーチンの実験法によって、植物抽出物および/または組成物の効果的な無毒性の投与量レベルならびに投与方法を決定できるだろう。
【0102】
さらに、最適な治療工程(所定の日数にわたる、1日あたりに投与される植物抽出物または組成物の投与回数等)は、従来の治療決定試験の工程を使用して確認できることが当業者に明らかであろう。
【0103】
一般的に、24時間あたりの植物抽出物の効果的な投与量は、体重(kg)あたり約0.0001mg〜約1000mg;適切には、体重(kg)あたり約0.001mg〜約750mg;体重(kg)あたり約0.01mg〜約500mg;体重(kg)あたり約0.1mg〜約500mg;体重(kg)あたり約0.1mg〜約250mg;または体重(kg)あたり約1.0mg〜約250mgの範囲であってもよい。さらに適切には、24時間あたりの効果的な投与量は、体重(kg)あたり約1.0mg〜約200mg;体重(kg)あたり約1.0mg〜約100mg;体重(kg)あたり約1.0mg〜約50mg;体重(kg)あたり約1.0mg〜約25mg;体重(kg)あたり約5.0mg〜約50mg;体重(kg)あたり約5.0mg〜約20mg;または体重(kg)あたり約5.0mg〜約15mgの範囲であってもよい。
【0104】
高脂血症の治療または予防のための薬物の製造における本発明の植物抽出物の使用が提供される。
【0105】
被験者におけるコレステロールの減少のための薬物の製造における本発明の植物抽出物の使用が提供される。
【0106】
被験者におけるコレステロールの減少のための薬物の製造における本発明の植物抽出物の使用が提供される。
【0107】
被験者における3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害のための薬物の製造における本発明の植物抽出物の使用が提供される。
【0108】
本発明の植物抽出物を使用説明書とともに含む包装された投与形態もまた提供される。
【実施例】
【0109】
最良の形態等の本発明の非限定的な例および比較例については、本発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない特定の実施例への参照により、より詳細にさらに記載される。
【0110】
<実施例1>
[紅麹米(RYR)の発酵]
調製方法:
1.コメ(Oryza sativa var.Japonica)を、水(4ml/g)に、1時間、23℃で浸した。
2.次いで、コメをオーブン中に、100℃で2時間維持した。
3.次いで、5%(w/w)のM.purpureusを加えた。
4.次いで、コメを24〜30℃で、7〜14日間、2日ごとに物理的に撹拌してインキュベーションした。
【0111】
<実施例2>
抽出方法
1.全紅麹米(RYR)を、23℃で、0.1M 酢酸ナトリウム(4ml/1gの紅麹米)に、12時間さらした。この工程は、RYRからシトリニンおよび他の毒素を除去するために使用した。次いで、塩類溶液を、濾紙またはチーズクロス上の濾過によって除去した。
2.次いで、RYR抽出物を、水(4ml/1gの紅麹米)に、23℃で12時間さらした。この工程は、上記工程1で得られたRYR調製物中の極性化合物および全ての残った塩類溶液を除去する。次いで、塩類溶液を濾紙またはチーズクロス上の濾過によって除去した。
3.最後に、最後の抽出工程では、70% エタノール(4ml/1gの紅麹米)を、23℃で12時間使用し、濃縮されたモナコリンK RYR抽出物を作製した。
【0112】
最後の抽出についての詳細
シトリニンレベルは、紅麹米抽出物あたり0.3〜0.7μg/gだった。
当該抽出方法によって除去された極性化合物の割合は約94.5%である。乾燥した抽出物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のクロマトグラフは、図1に示される。HPLCの条件は下記の通りである;孔径3μmのカラム、2つの溶剤(溶剤A 0.01% ギ酸、および溶剤B 100% アセトニトリル);流量0.7ml/分;0分での溶剤Aが97%、かつ50分での溶剤Bが100%である勾配流。0分〜10分の領域内のピークは、乾燥した抽出物中の極性化合物の存在を示す。
【0113】
図1a中のHPLCクロマトグラフから理解できる通り、水で処理される前のRYR物質は、165896201によって表された面積中に示された極性画分を含む。
【0114】
図1bは、水で処理された後のRYRが、9534468によって表された面積(図1bにおいて赤線で示される)中に示された、実質的に減少した極性画分を有することを示す。この領域におけるピークの不存在は、R物質からの極性化合物の除去を示す。これは、極性化合物のうち約95%が、水による処理後にRYR物質から除去されたことを示す。
【0115】
モナコリンK(ロバスタチン)レベルは、紅麹米抽出物あたり0.5〜2mg/gだった。
【0116】
<実施例3>
[RYR抽出物についての薬物動態の検証]
[チトクロム(CYP)P−450阻害試験]
カブトムシのルシフェリン(ルシフェラーゼ酵素の基質)の誘導体である発光P450プローブ基質を利用した、CYP1A2A、CYP2C9およびCYP3A4の活性アッセイ(CYP1A2、CYP2C9およびCYP3A4 P450−Glo(商標)、プロメガ)を使用した。当該誘導体はルシフェラーゼに対応する基質ではないが、CYPによってルシフェリンに変換され、次いでこれがルシフェラーゼと反応してP450活性と正比例する測定可能な量の光を生じる。
【0117】
CYP膜を、20μlのルシフェリンを含まない水(未処理の対照)、ナリンゲニン(CYP阻害剤、陰性対照)または異なる濃度(1.25mg/ml、2.5mg/mlおよび5mg/mlでの薬物処理)のRYR水抽出物で、乳白色の96ウェルプレート(Costar)中で処理した。プレートを37℃で10分プレインキュベーションし、次いで、NADPH再生溶液を加えることによって反応を開始し、37℃で20分インキュベーションした。次いで、反応を停止し、発光の検出を全てのウェルにATP検出薬を加えることによって開始し、全ての試料の発光をInfinite F200 プレートリーダー(Tecan)によって測定した。
【0118】
CYP活性アッセイにおいて認められた発光シグナルは、酵素活性に正比例した。未処理のCYP反応からの正味のシグナルは、全CYP活性を示す。100μg/mlのナリンゲニン(CYP阻害剤)を実験の陰性対照として加えた。試験化合物(RYR水抽出物)との反応について、未処理のCYP反応の平均的な正味のシグナルからの変化は、この化合物によるCYP活性の調節を示す。試験化合物についての発光シグナルは未処理の試料よりも高く、このことはこの化合物がCYP活性を促進できることを示す。未処理の試料よりも低い発光シグナルは、この化合物がCYPの活性を阻害できることを意味する。結果(図2)は、RYR水抽出物がCYP1A2、CYP2C9およびCYP3A4の阻害を引き起こすことを示す。極性化合物の除去後に得られたRYR抽出物であるEYS−NYP生成物は、CYP活性に対する非常に低い阻害を示す。
【0119】
<P−糖タンパク質(P−gp)活性試験>
酵素キット(Pgp−Glo(商標)アッセイシステム(プロメガ、米国))を、P−gp活性に対するRYR水抽出物の影響を分析するために使用した。このアッセイは、細胞膜の画分中の組み換えヒト P−gpに対する化合物の効果を検出し、ホタルルシフェラーゼの光生成反応のATP依存性に依存する。最初に、ATPをP−gpとともにインキュベーションした。次いで、P−gp ATPase反応を停止し、残りの未代謝のATPを、ルシフェラーゼによって生成された発光シグナルとして検出する。発光についてのP−gp依存性の減少は、P−gpによるATP消費を示す。従って、シグナルの減少が大きいほど、P−gp活性は高い。従って、P−gp ATPaseを刺激する化合物を含む試料は、未処理の試料と比較して、顕著に低いシグナルを有する。P−gpの調製、反応混合物およびATP検出薬については、製造業者の指示に従った。20μlのRYR水抽出物を、異なる濃度(1.25、2.5および5mg/ml)で調製し、ベラパミル(陽性対照、0.5mM)およびNaVO(P−gp阻害剤、0.25mM)を、乳白色の96ウェルプレート(透明な平底を有するもの、Costar社(ニューヨーク))へそれぞれ加えた。次いで、P−gpを、試験化合物を含むウェルに添加し、37℃で5分間インキュベーションした。反応をMg−ATP溶液を添加することによって開始し、96ウェルプレートを37℃で40分間インキュベーションした。次いで、反応を停止し、発光の検出を全てのウェルにATP検出薬を加えることによって開始し、得られた発光をInfinite F200 プレートリーダー(Tecan、オーストリア)上で測定した。
【0120】
P−gp活性アッセイにおいて、Pgp ATPase活性に対するRYR水抽出物の効果は、未処理の試料(ベース)およびRYR水抽出物で処理された試料を、NaVO(オルトバナジン酸ナトリウム)で処理された対照と比較することによって検討した(図3を参照)。NaVOはP−gpの選択的阻害剤であり、NaVOで処理された試料は、P−gp ATPase活性を有さない。NaVOの非存在下で、ベースの、および薬剤で刺激されたP−gp ATPase活性を検出できる。NaVOの存在下で、ATP消費は、膜調製物中に存在するわずかな非P−gp ATPase活性に起因する。NaVOで処理された試料と未処理の試料との間の発光シグナルの相違は、ベースのP−gp ATPase活性を示す。一方、NaVOで処理された試料と試験化合物(RYR水抽出物)で処理された試料との間の発光シグナルの相違は、試験化合物の存在下でのP−gp ATPase活性を示す。
【0121】
図4に示される通り、RYR水抽出物の添加は、P−gp活性を顕著に促進させ、活性化は用量依存性だった。これらの結果は、RYR水抽出物がP−gp基質を含んでおり、P−gp膜とともにインキュベーションした場合、ATPはP−gpによって消費され、NaVOで処理された試料と比較して発光の強い変化が認められたことを示した。EYS−NYP生成物は、P−gp活性の相対的に低い活性化を示し、これは、P−gp活性に影響し得るRYR中の化合物が本発明の方法によって効果的に除去されたことを意味する。
【0122】
<CaCo−2吸収アッセイ>
90〜100%コンフルエントのフラスコを、トリプシン/EDTAで回収し、血清含有培地で中和し、遠心分離した。細胞のペレットをBasal Seeding medium(BDバイオサイエンス)およびMito Serum Extender(BDバイオサイエンス)からなる無血清培地中に再懸濁し、6ウェルのCell Culture Inserts(コーニング、ニューヨーク州)上に、6×10細胞/cm2で播種した。このinsertsは、ポリエステルの0.4μm微孔性膜をI型コラーゲンとともに含む。播種培地を、分化培地の使用が要求される実験中に、細胞の播種から24時間後に、Enterocytes Differentiation medium(BDバイオサイエンス)で置換した。この培地を、その後48時間ごとに置換し、細胞を37℃、95%の相対湿度、5% COで維持した。Enterocytes Differentiation medium中での3日間のインキュベーション後、CaCo−2の単層の準備が透過性試験に対してできた。
【0123】
生理学的に、かつ形態学的に十分に生育したCaCo−2細胞単層であって、経上皮電気抵抗性(TEER)値が300Ωcm超であるものを試験に使用した。
【0124】
これらの試験に使用される輸送培地は、10mM HEPESを含む改変Han’sバッファーであった。頂端および側底の区画のpHはともに7.5だった。全ての実験の前に、各単層をバッファーで2度洗浄し、単層の完全性を確認するためにTEERを測定した。ベラパミルの頂端から側底(AからB)への輸送を、試験化合物の不存在下および存在下で測定した。使用されるベラパミルの濃度は100μMだった。これはそのK値(約60μm)よりもずっと低い。試験化合物の濃度は、このアッセイにおいて、10μmを選択した。試験は、ジゴキシンを含む適切な量のバッファーを、単層の頂端(AからBへの輸送)または側底(BからAへの輸送)の側のいずれかに加えることによって開始した。頂端および側底の区画の量は、それぞれ1.6および2.8mlであり、試験化合物を(阻害剤として)単層の両側に、10μMの濃度で加えた。次いで、単層を3時間、37℃でインキュベーションした。試料を、側底区画から、0分、10分、30分、60分、90分、120分および180分の時点で、頂端区画から0分の時点で、それぞれインキュベーション時間中に回収し、HPLCによってベラパミルの濃度を分析した。ベラパミルのAからBへの透過係数(Peff)を、試験化合物の存在下および不存在下で算出した。
【0125】
酵素レベルに対するRYR水抽出物の効果についての調査(P−gpおよびCYPアッセイ)の後に、CaCo−2吸収アッセイを、細胞レベルでのRYR水抽出物の効果を分析するために行った。CaCo−2細胞単層を使用したin vitro試験は、ヒトのin vivoでの腸内透過性を予測するための有用なツールである。実験において、50μlの1×PBS(対照)または様々な濃度(20mg/mlおよび50mg/mlでの薬物処理)のRYR水抽出物を、組織培養用プレートの頂端の区画へ、100μg/mlのベラパミルとともに加えた。側底および頂端の区画から採取した試料の濃度は、ベラパミル標準物質(259μg/ml、125μg/ml、30μg/ml、15μg/ml、7.5μg/mlおよび3μg/ml)の注入から得られたピーク面積の測定によって作成された較正曲線(データは示していない)から算出した。回帰分析の直線式は、y=27043x−11153(r=0.098)だった。RYR水抽出物は、CaCo−2試験におけるベラパミルの正味の吸収を促進した(2倍)。しかし、EYS−NYP生成物(本発明の方法に従って作製した)は、対照と似た結果を示す。これは、当該方法が、被験者における薬物の薬物動態に影響する、RYR中の極性化合物を効果的に除去できることを示す(図5)。
【0126】
<動物試験>
オスのスプラーグドーリーラット(体重200〜270g)を、シンガポール国立大学(NUS、シンガポール)の動物部門から購入した。ラットの飼育は、機関のガイドラインに従った。動物を、暗/明の制御されたサイクル(12時間/12時間)下で、調節された温度(25℃)で、従来の条件で飼育した。8匹のラットを2群(2×4匹の動物)に割り当て、各群について4回の試行をした。
【0127】
ラットは、1mlの100mg/mlのRYR極性抽出物(前処理群)または1mlの生理食塩水(対照群)のいずれかで30分間、前処理し、次いで、動物に10mg/kgのベラパミルを経口投与した。ラットを、ケタミンおよびキシラジン(両方とも100mg/ml)で麻酔した。血液試料を、頸静脈から、薬物投与後0、30、60、120、240、360および480分間の時点で、1.5mlエッペンドルフチューブ中へ回収し、直後に遠心分離(13,000rpm、2分間)にさらした。透明な血漿の層を、未使用のチューブに移し、次いで、等量のアセトニトリルを加え、試料からタンパク質を除去した。ボルテックスで短時間混合した後、試料を13,000rpmで2分間遠心分離した。上清をHPLCバイアルへ移し、次いで、HPLCによってそのベラパミル量を分析した。未知の試料についてのピーク面積の割合を、薬物を含まない保存されたラット血漿試料で調製したベラパミルの較正曲線を参照することによって、濃度に変換した。
【0128】
RYR水抽出物の添加は、動物モデルにおけるベラパミルの吸収を顕著に促進した。30分の時点で、薬物処理された動物におけるベラパミルのレベルは、対照群および極性化合物が除去されたRYR抽出物(EYS−NYP試料)よりも約1.6倍高い吸収を示した(図6)。
【0129】
<要約>
本発明の方法は、被験者における薬物の薬物動態に影響する1つ以上の極性化合物の効果的な除去を示す。上記の例において、1つ以上の極性化合物が、ベラパミルの取り込みを顕著に増加させたことが示された。ベラパミルは、フェニルアルキルアミン類のL型カルシウムチャネルの遮断薬である。これは高血圧、狭心症、不整脈の治療に使用される。ベラパミル過量投与による症候としては下記が挙げられる;低い血圧(低血圧症);遅い心拍数(徐脈);不規則な心臓のリズム(不整脈)および肺内の液体貯留。
【0130】
従って、この予期しない薬物−ハーブ間の相互作用は、脂質およびコレステロールを低下させることによって心血管の健康を改善するためにRYR抽出物を摂取する対象の生命を潜在的に脅かす。
【0131】
<応用>
本発明の様々な他の改変および用途は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、上述の記載を読んだ後の当業者には明らかであり、全てのこのような改変および用途は添付の請求項の範囲内であることが意図されることが明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のスタチンを含み、かつ、極性化合物を実質的に含まない植物抽出物。
【請求項2】
1つ以上のスタチンを含み、かつ、被験者における薬物の薬物動態に影響する極性化合物を実質的に含まない植物抽出物。
【請求項3】
前記1つ以上のスタチンは、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、メバスタチンからなる群から選択される自然に存在するスタチンである請求項1または請求項2に記載の植物抽出物。
【請求項4】
前記植物抽出物は、微生物発酵の生成物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項5】
前記植物抽出物は、イネ科に属する植物から抽出される請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項6】
前記植物は、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、ソルガム、アワ、カラスムギ、ライムギ、ライコムギおよびソバからなる群から選択される穀類である請求項5記載の植物抽出物。
【請求項7】
前記穀類はコメである請求項6記載の植物抽出物。
【請求項8】
前記コメは紅麹米である請求項7記載の植物抽出物。
【請求項9】
前記植物は、マメ科から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項10】
前記植物は、P.vulgaris、P.filiformis、P.coccineus、P.lunatus、P.maculatusおよびP.acutifoliusからなる群から選択されるインゲンマメ属由来のマメである請求項9記載の植物抽出物。
【請求項11】
前記植物抽出物は、ヒラタケ菌から抽出される請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項12】
前記ヒラタケ菌は、pleurotus ostreatusである請求項11記載の植物抽出物。
【請求項13】
1つ以上のロバスタチンは、1つ以上のモナコリンから選択される請求項1〜12のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項14】
前記1つ以上のモナコリンは、モナコリンK、モナコリンJ、モナコリンLおよびモナコリンMからなる群から選択される請求項13記載の植物抽出物。
【請求項15】
前記モナコリンは、モナコリンKである請求項14記載の植物抽出物。
【請求項16】
前記モナコリンKは、前記植物抽出物中に、抽出物(g)あたり約0.2mg〜1mgの量で存在する請求項15記載の植物抽出物。
【請求項17】
少なくとも80%の極性化合物が前記抽出物から除去されている請求項1〜16のいずれか1項に記載の植物抽出物。
【請求項18】
少なくとも95%の極性化合物が前記抽出物から除去されている請求項17記載の植物抽出物。
【請求項19】
植物材料から極性化合物を除去する工程を含み、前記植物材料は、1つ以上のスタチンを含む抽出物の調製方法。
【請求項20】
被験者における薬物の薬物動態に影響する1つ以上の極性化合物を、1つ以上のスタチンを含む植物材料から除去する工程を含む抽出物の調製方法。
【請求項21】
前記植物材料は、固形の植物材料である請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の極性化合物を除去する工程の前に、前記植物材料から、1つ以上の毒素を除去する工程をさらに含む請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ以上の毒素は、前記植物材料を、前記1つ以上の毒素を溶解するために選択された溶剤にさらすことによって除去される請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤は、弱酸性である請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤のpHは、約5〜7未満である請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記溶剤は、アルカリ金属の塩を含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記塩は、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される請求項26記載の方法。
【請求項28】
有機酸も、前記1つ以上の毒素を溶解するための溶剤中に存在する請求項23〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記有機酸は、カルボン酸である請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記毒素を除去する工程は、シトリニンを除去する工程を含む請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、前記極性化合物を除去するために、前記固形の植物材料を水溶液にさらす工程を含む請求項21〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記固形の植物材料を水溶液にさらす工程は、8〜36時間、20〜60℃の温度で行われる請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記固形の植物材料から液体の抽出物を形成する工程を含む請求項21〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
液体の抽出物を形成する工程は、前記固形の植物材料を有機溶液にさらす工程を含む請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記有機溶液は、アルコール、エーテル、ハロホルム、ケトンおよびアルキレングリコールからなる群から選択される請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記有機溶液は、水と混和性である有機化合物を含む請求項34または請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記有機溶液は、水溶剤中に少なくとも50%の有機化合物を含む請求項34〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記有機溶液は、水溶剤中に少なくとも70%の有機化合物を含む請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記植物材料を前記液体の抽出物から分離する工程と、
前記液体の抽出物の溶剤を蒸発させ、乾燥した植物抽出物を形成する工程と、を含む請求項33〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上のスタチンは、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、メバスタチンからなる群から選択される自然に存在するスタチンである請求項19〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記抽出物は、微生物発酵の生成物である請求項19〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記抽出物は、イネ科に属する植物から抽出される請求項19〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記植物は、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、ソルガム、アワ、カラスムギ、ライムギ、ライコムギおよびソバからなる群から選択される穀類である請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記穀類は、コメである請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記コメは、紅麹米である請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記植物は、マメ科から選択される請求項19〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記植物は、P.vulgaris、P.filiformis、P.coccineus、P.lunatus、P.maculatusおよびP.acutifoliusからなる群から選択されるインゲンマメ属由来のマメである請求項46記載の植物抽出物。
【請求項48】
前記抽出物は、ヒラタケ菌から抽出される請求項19〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記ヒラタケ菌は、pleurotus ostreatusである請求項48記載の方法。
【請求項50】
1つ以上のロバスタチンは、1つ以上のモナコリンから選択される請求項40〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記1つ以上のモナコリンは、モナコリンK、モナコリンJ、モナコリンLおよびモナコリンMからなる群から選択される請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記モナコリンは、モナコリンKである請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記モナコリンKは、前記抽出物中に抽出物(g)あたり約0.2mg〜1mgの量で存在する請求項51または請求項52に記載の方法。
【請求項54】
少なくとも80%の極性化合物が前記抽出物から除外される請求項19〜53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
少なくとも95%の極性化合物が前記抽出物から除外される請求項54記載の方法。
【請求項56】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物を、薬理学的に許容できる担体とともに含む組成物。
【請求項57】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物を、薬理学的に許容できる担体とともに含む投与形態。
【請求項58】
高脂血症の治療または予防のための薬物の製造における、請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物の使用。
【請求項59】
被験者におけるコレステロールの減少のための薬物の製造における、請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物の使用。
【請求項60】
被験者における3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害のための薬物の製造における、請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物の使用。
【請求項61】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の植物抽出物を使用説明書とともに含む包装された投与形態。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−523412(P2012−523412A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504659(P2012−504659)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/SG2010/000142
【国際公開番号】WO2010/117342
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(509110585)ナンヤン ポリテクニック (2)
【氏名又は名称原語表記】NANYANG POLYTECHNIC
【出願人】(502184127)エウ、ヤン、サン、インターナショナル、リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】EU YAN SANG INTERNATIONAL LTD.
【Fターム(参考)】