説明

スタビライザー連結装置

【課題】自動車のスタビライザー連結装置に関し、セミアクティブスタビライザーを提供すること。その際、このセミアクティブスタビライザーが、ダイナミックなローリング制御を実現し、同時に、従来技術から公知なスタビライザー装置に対してコストを安く製造可能であり、僅かの自重を有し、且つ特別に長寿命である。
【解決手段】スタビライザー連結装置1が、少なくとも1つのアクチュエータを有しており、このアクチュエータが、外側成形体部材3および内側成形体部材11によって形成されている。この外側成形体部材3と内側成形体部材11との間に、弾性的に変形可能な物体12が設けられている。外側成形体部材3は、中空成形体構造部材として形成されており、軽金属合金から成るこの外側成形体部材3及び、または内側成形体部材11が、押出し成形形材として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念内における特徴に従う、自動車のためのローリングスタビライザー(Wankstabilisator)内における使用のための、スタビライザー連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、自動車のローリングを安定させるために、スタビライザーが公知である。これらスタビライザーは、通常、ねじり構造部材として形成されている。
自動車車軸の、スタビライザーの一方の側で、自動車の左側の車輪との連結が、および、このスタビライザーの他方の側で、この自動車の右側の車輪との連結が実現されている。一方の車輪が弾性収縮(einfedert)または弾性伸長(ausfedert)する場合、このことは、このスタビライザーのねじれを引き起こす。
【0003】
このスタビライザーによって、自動車のローリング挙動(Wankverhalten)は、問題の無い範囲内で保持される。このようなスタビライザーの構成に応じて、異なる走行特性(Fahreigenschaften)が誘起され得、もしくは促進され得、または、しかしながら同様に抑制され得る。
例えば、特別に堅い調整は、スポーツ的な走行挙動(Fahrverhalten)のために有効である。何故ならば、このローリング挙動が、極めて十分に最低限に抑えられ、且つ、車輪負荷分布が、可能な限り最高に、高いグリップ良好性のために、全ての車輪に対して支持されるからである。オフロード用の車両のために、事情によっては、それどころかそれとは反対に、ときおり、全くスタビライザーを必要としないことが有効であり、従って、弾性収縮または弾性伸長する車輪が、平らでない路床に相応して適合され得る。
【0004】
異なるスタビライザー特性の調節特性(Einstellungsverhaltens)のこの相違を、1つのスタビライザー内において兼ね備えるために、従来技術から、アクティブスタビライザーが公知である。
このアクティブスタビライザーの場合、少なくとも1つの位置調節アクチュエータが、電気的及び/または液圧的に作動された状態で、このスタビライザーのねじれ挙動にアクティブに作用する。従って、例えば、スポーツ実用車の場合、柔軟なスタビライザー挙動が、基本調整内において得られ、従って同様に、平らでない道程も、全ての4つの車輪の高い地面との接触でもって走行され得る。よりスポーツ的な調整が選択された場合、アクティブな位置調節モータが、このスタビライザーの、その都度より強度なねじれを引き起こし、このことは、より高いねじれ剛性を誘起し、且つ、自動車の僅かのローリング挙動が、スポーツ的で動力学的に走行されるカーブにおいて誘起される。
【0005】
このアクティブスタビライザーシステムの場合、このアクティブスタビライザーシステムが、特別に手間暇がかかって製造されるべきであり、且つ、高い技術的な手間暇が作動のために必要であることは欠点である。更に、このようなシステムは、アクチュエータ並びに感知方法の、および同様に制御および調節技術の適当な構成によって、高い自重を有する。まさに長寿命性の観点のもとで、1つのシステムが事情によっては作動状態において故障することは、技術的に回避可能ではない。
【0006】
更に、この従来技術から、セミアクティブスタビライザーが公知であり、これらセミアクティブススタビライザーの場合、弾性的に連結されらスタビライザー半分体が、自動車の異なるローリング特性を、運転者の選択に応じて誘起する。大抵の場合は、ここで、エラストマー、またはしかしながら、液圧液体が弾性的な連結のために使用される。伝達されるべき高い回転トルクに基づいて、このようなスタビライザーによって、これら構造部材は、高い自重を有し、且つ、コストの高い状態で、フライス加工構造物として製造され得る。
【0007】
このような様式の装置は、特許文献1、2および3から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2006 051 682号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第40 21 165号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2009 020 249号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、従って、セミアクティブスタビライザーを提供することであり、その際、このセミアクティブスタビライザーが、
ダイナミックなローリング制御を実現し、且つ、同時に、従来技術から公知なスタビライザー装置に対してコストを安く製造可能であり、僅かの自重を有し、且つ特別に長寿命である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この上記の課題は、請求項1の特徴に従う、自動車のための、ローリングスタビライザー内における使用のための、スタビライザー連結装置よって解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の有利が実施形態の変形は、従属請求項の構成要素である。
【0012】
自動車のためのローリングスタビライザー内における使用のための、スタビライザー連結装置であって、
その際、このスタビライザー連結装置が、少なくとも1つのアクチュエータを有しており、且つ、このアクチュエータが、外側成形体部材および内側成形体部材によって形成されており、
その際、この外側成形体部材と内側成形体部材との間に、弾性的に変形可能な物体が設けられている様式の上記、本発明に従うスタビライザー連結装置は、本発明に従い、
外側成形体部材が、中空成形体構造部材として形成されていること、および、
軽金属合金から成るこの外側成形体部材及び/または内側成形体部材が、押出し成形形材として形成されていることによって特徴付けられている。
【0013】
外側成形体部材のもとで、1つの成形体部材が理解されるべきであり、この成形体部材は、スタビライザー連結装置において更に外側に、またはそれどころか、このスタビライザー連結装置の外側面に設けられており、
他方、内側成形体部材が、内側面に、もしくはこのスタビライザー連結装置の内側に設けられている。
中空成形体構造部材のもとで、本発明の領域内において、1つの中空の成形体構造部材が理解されるべきであり、この中空の成形体構造部材は、有利には、成形体ロッドから長さを詰められて(abgelaengt)形成されている。
この中空成形体構造部材は、即ち、内側において中空であり、且つ、断面において成形プロフィルを有している。
特に、この成形プロフィルは、極めて有利には、弾性的な中間物体(Zwischenkoerpers)及び/または液体の組込みのもとで、他方の成形プロフィルとの形状的な係合(Formschlusses)の形成に適している。
【0014】
この場合、上記成形体構造部材は、本発明の領域内において、例えばアルミニウムのような、例えば軽金属、またはしかしながら同様に鋼材または繊維複合材料から成っている。この成形体構造部材は、自身、例えば押出し成形され、フライス加工され、またはしかしながら、ダイカスト鋳造方法によって製造され得る。このことによって、特にコストの安いスタビライザー連結装置が提供され、このスタビライザー連結装置が、切り売りする商品(Meterware)としての成形体構造部材の使用に基づいて、モジュール的な構造様式を有している。同じく、上記のことによって、積み木原理(Baukastenprinzip)が実現可能であり、従って、例えば、異なる内側成形体部材および外側成形体部材の長さ詰めによって、並びに、これらの間に設けられた弾性的に変形可能な物体によって、異なるねじり率(Torsionsrate)が選択され得る。
【0015】
押出し成形形材としての、外側成形体部材及び/または内側成形体部材の構成によって、これら個別の構成要素は、類似の構造原理の従来技術に比して、特に僅かの自重を有する。更に、これら個別の構成要素は、フライス加工に比して、特に安いコストで生産され得る。この場合、エンドレスの方法で製造可能な押出し成形形材が顧慮され得、これら押出し成形形材が、他方また、生産コストを著しく低下し、従って、本発明に従うスタビライザー連結装置によって、セミアクティブなローリングスタビライザーが、同様に、小型車両および超小型車両の車両クラス内においても使用され得る。同様に、合成物質押出し成形形材としての個別の成形体部材の構成は、本発明の領域内において可能である。
【0016】
特に、本発明に従うスタビライザー連結装置は、解離可能なねじ結合部材でもって連結されている。このことによって、製造の手間暇、および最初の組み付けの手間暇(Erstmontageaufwand)が低下する。このシステムは、更に、容易にメンテナンス可能であり、且つ、破損の場合に同様に容易に修理され得る。更に、このねじ結合部材によって、および、積み木原理としてのモジュール構造様式によって、異なる車両タイプに対する高い適応可能性が与えられる。
【0017】
本発明の領域内において、スタビライザー連結装置は、二重スタビライザー連結装置として形成されており、その際、2つのスタビライザー連結装置(スタビライザー半分体)が、スリーブ構造部材を介して互いに連結されており、その際、このスリーブ構造部材が、有利には、軽金属から形成されている。このスリーブ構造部材は、同様に、合成物質から、及び/または繊維複合材料から成っていることは可能である。
本発明の領域内において、このスリーブ構造部材は、他方また、同様に、押出し成形形材として、またはしかしながら、その他の方法で製造された成形体構造部材として形成されていることは可能である。ここで、類似した利点は、既に外側成形体部材および内側成形体部材の場合において説明したように、良好な生産可能性並びに重量最適化された構成に関連して与えられる。
本発明の領域内において、このスリーブ構造部材を形成するために、同様に合成物質、またはしかしながら繊維複合材料も使用され得る。
【0018】
スタビライザー連結装置内において設けられた弾性的な物体は、有利には、圧力でもって、特に液体を介して負荷可能である。
この場合、本発明の領域内において、特に有利には、内側圧力でもって負荷可能な弾性的に変形可能な中空物体が重要な要素であり、この弾性的に変形可能な中空物体が、間接的にまたは直接的に回転トルクを伝達する状態で、外側成形体部材と内側成形体部材との間の連結を形成する。
異なる弾性的な物体によって、特に二重スタビライザー連結装置内における使用の際に、この構造は、1つのスタビライザーもしくは1つの自動車車軸の中央におけるこのスタビライザー連結装置の配設だけでなく、非対称の配設も、および従って異なる強度の車輪往復運動力(Radhubkraeften)の均衡(Ausgleich)も可能である。
【0019】
特に、このスタビライザーの二重連結(Stabilisatordoppelkupplung)の場合、この機能態様は、一方のスタビライザー半分体の回転を介して行われ、その際、回転力が、変形可能な物体を介してスリーブ構造部材に対して伝達され、且つ、他方また、第2の変形可能な物体を介して、他方のスタビライザー半分体へと伝達される。この場合、どのような程度において回転トルクが伝達され、緩衝され、または干渉(beeinflusst)されるべきかは、両方のアクチュエータの連結によって調節及び/または制御され得る。
【0020】
特に有利には、更に、スリーブ構造部材内において、中間部材が設けられている。この中間部材は、特に、2つのスタビライザー連結装置を、場所的に及び/または液密状態で互いに分離する目的で構成されている。この中間部材は、従って、同様に結合ブロックとして構成可能である。特に有利には、この中間部材は、スリーブ構造部材内に挿入され、且つ従って、場所的に、2つのアクチュエータを互いに分離する。有利には、これらアクチュエータは、付加的に液密状態で互いに分離される。
【0021】
アクティブな制御及び/または調節のために、二重スタビライザー連結装置の2つのスタビライザー連結装置は、押圧管路を介して互いに連結されている。特に、この場合、弾性的な物体内に存在する液体は、この押圧管路を介して、互いに連係状態にある。この押圧管路の構成に応じて、従って、2つの互いに分離されて隣接する弾性的な物体の圧力の均衡は行われる。
【0022】
この機能態様は、その際、外側成形体部材もしくはスリーブ構造部材に対する、内側成形体部材の回転方向に依存する回転を介して、内側容積を変化させる、中空物体の変形を介して行われる。このスリーブ構造部材に対する内側成形体部材の回転の際に、異なる圧力が、互いに噛み合わされた外側成形体部材と内側成形体部材との間のそれぞれの側面に対して与えられる。弾性的に変形可能な物体内において存在する液体は、従って、場所的に位置移動され、且つ、流動もしくは圧力均衡を強制する。この流動挙動は、例えば、同様にアクティブに、位置調節弁を介して、制御され得る。この流動流(Stroemungsfluss)は、従って、回転トルク伝達の緩衝率及び/または強度を制御可能である。
【0023】
位置調節弁は、自身、有利には、押圧管路(Druckkanal)と結合状態にあり、または、しかしながら、特に有利には、中間部材内において設けられている。この位置調節弁を介して、自動車のローリング挙動は、本発明に従うスタビライザー連結装置を介して、アクティブに制御可能及び/または調節可能である。
【0024】
本発明の、更に有利な実施形態の変形において、
外側成形体部材および内側成形体部材は、中間部材及び/またはスリーブ構造部材と、
形状的に係合して(formschluessig)、及び/または材料構造一体的に(stoffschluessig)連結されている。このことによって、高い製造技術的な利点が達成される。何故ならば、これら個別の構造部材が、特に容易に生産可能であり、且つ、最初の組み付け(Erstmontage)の際、または修理作業およびメンテナンス作業の際に、特に容易に互いに組み立て可能であるからである。
【0025】
本発明の領域内において、上記の目的で、ねじ結合部材、またはしかしながら同様に、接着結合も使用され得る。更に、個別の構成要素の間のリベット結合が考えられる。更に、同様に圧力ばめ結合、またはしかしながら、縁曲げ結合(Boerdelverbindungen)も、個別の中空成形体構造部材において使用され得る。
【0026】
同様に、特に有利には、外側成形体部材は、中間部材と、ねじ結合部材を介して連結されている。この場合、この中間部材に相対して位置している、前記外側成形体部材の側面上に、封隙蓋が設けられている。
本発明の領域内において、従って、特に安いコストの且つ容易な最初の組み付けが、同時にこのシステムの高い圧力封隙性および従って長寿命性において実現可能である。
【0027】
更に、特に有利には、封隙蓋は、内側成形体部材によって、少なくとも部分的に貫通差込み(durchgriffen)されており、その際、スタビライザー部分との連結のためのフランジが、内側成形体部材と連結可能である。このことによって、後のメンテナンス作業または修理作業において、このスタビライザー連結装置を、特に容易に、自動車内において組み込まれたスタビライザーから取り外すことは可能である。
更に、このことによって、同時にこのシステム全体の高い圧力封隙性および長年の回転トルク伝達おいて、特に容易な最初の組み付け、および特に構造技術的に簡単な構造が達成される。
【0028】
上記の説明および以下の説明から成る、個別の与えられた有利な実施形態の変形は、本発明の領域を離れることなく、適宜に互いに組み合わせ可能である。
【0029】
本発明の更なる利点、特徴、観点および特性は、以下の説明の構成要素である。有利な実施形態の変形は、概略的な図内において図示されており、これら図が、本発明の容易な理解に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従うスタビライザー連結装置の透視図である。
【図2】スタビライザー連結装置の端面図である。
【図3】図2内におけるA−A線に沿っての、スタビライザー連結装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
繰り返しの説明が簡略化の理由から行われない場合であっても、図内において、同じまたは類似構造部材のために、同じ参照符号が使用されている。
【0032】
図1は、スタビライザー連結装置1の透視図を示している。このスタビライザー連結装置1は、スリーブ構造部材2を有しており、このスリーブ構造部材から、2つの外側成形体部材3が延在している。これら外側成形体部材3は、それぞれに、端面側4において、封隙蓋5を介して、スリーブ構造部材2とねじ止めされている。更に、それぞれの端部側において、フランジ7が設けられている。更に、位置調節弁8が、スリーブ構造部材2内における中央において設けられていることが認められる。
【0033】
図2は、本発明に従うスタビライザー連結装置1の端面図を示している。ここで、封隙蓋5が、4つのねじ結合部材6を用いて、スリーブ構造部材2に連結されていることが認められる。この位置調節弁8は、ソケット9を有している。更に、封隙蓋5の手前に、フランジ7が設けられている。
【0034】
図3は、図2内に従うA−A線に沿っての、スタビライザー連結装置の断面図を示している。この場合、図面の平面に関して、左側から右側に向かって中央に至るまで、以下の構造、即ち、ここで詳細に図示されていないスタビライザーの結合のためのフランジ7が認められ、このフランジが、内側成形体部材11と連結されている。この内側成形体部材11は、他方また、弾性的に変形可能な物体12を介して、外側成形体部材3と連結されている。
この内側成形体部材11は、その際、封隙蓋5を貫通差込みしており(durchgreift)、この封隙蓋5が、更に上方で、ねじ結合部材6を通って、スリーブ構造部材2との連結のために貫通差込み(durchgriffen)されている。
このねじ結合部材6の領域内において、切欠き部13が外側成形体部材3に設けられており、この切欠き部が、図2内において図示された噛み合い成形部(Verzahnungsprofil)を形成している。
【0035】
スリーブ構造部材2は、自身で、ねじ結合部材6の領域内において、肉厚部14を有しており、この肉厚部が、外側成形体部材3の切欠き部13との協働作用状態において、外側成形体部材3とスリーブ構造部材2との、形状的に係合する噛み合い係合部を可能にする。中央で、それぞれの外側成形体部材3内において、管路接続開口部15が設けられている。弾性的に変形可能な物体12内において存在し、ここで詳細に図示されていない液体は、この管路接続開口部15および押圧管路17を介して、第2のスタビライザー連結装置と、右側で結合されている。この連結は、ここで示された実施例において、図面の平面に対して直交して指向しており、その理由で、直接的な結合は図示されていない。
【0036】
更に、中間部材16が組み込まれており、この中間部材が、スリーブ構造部材2内において、2つのスタビライザー連結装置を場所的に分離している。この中間部材16自体内において、押圧管路17が設けられており、この押圧管路が、2つの弾性的に変形可能な物体12を互いに結合している。同様に、この中間部材16内において、位置調節弁8が設けられており、この位置調節弁が、同時に、押圧管路17内へと係合している。このことによって、圧力の平衡のための制御および調節可能性が与えられる。この位置調節弁8は、穿孔19内において設けられており、この穿孔が、中間部材16および同様にスリーブ構造部材2内において形成されている。この位置調節弁8は、その際、この穿孔19内においてねじ込みされ得、または、しかしながら同様に、押し嵌めまたは挿入接着され得る。
【0037】
外側成形体部材3の外側の端部において、更に、封隙材18が設けられており、この封隙材が、弾性的に変形可能な物体12を、外側に向かって封隙し、且つ、汚染物の侵入を防止する。
【0038】
フランジ7が回転トルクでもって負荷された場合、内側成形体部材11は、外側成形体部材3に対して相対的に回転される。相対的な運動のための均衡(Ausgleich)は、半径方向において噛み合わされた外側成形体部材3と内側成形体部材11との間に設けられた弾性的に変形可能な物体12を介して行われる。この弾性的に変形可能な物体内において存在し、詳細には図示されていない液体は、従って、噛み合い部を介して圧力でもって負荷され、この圧力が、管路接続開口部15および押圧管路17を通って、第2の弾性的に変形可能な物体12でもって均衡される。この押圧管路17またはしかも位置調節弁8の幾何学的な構成によって、ねじれ剛性またはしかもねじり緩衝の制御及び/または調節は実現可能である。
【0039】
有利には、更に、異なる、ここで詳細に図示されていない封隙要素、オイルシール、および封隙ワッシャが、中間部材16内において、及び/または、中間部材16と弾性的に変形可能な物体12との間に設けられている。これらは、その場合に、左側のおよび右側の弾性的に変形可能な物体12の間の流動的な結合を形成する。
【符号の説明】
【0040】
1 スタビライザー連結装置
2 スリーブ構造部材
3 外側成形体部材
4 外側成形体部材の端面側
5 封隙蓋
6 ねじ結合部材
7 フランジ
8 位置調節弁
9 ソケット
10 フランジねじ
11 内側成形体部材
12 弾性的に変形可能な物体
13 切欠き部
14 肉厚部
15 管路接続開口部
16 中間部材
17 押圧管路
18 封隙材
19 穿孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のためのローリングスタビライザー内における使用のための、スタビライザー連結装置(1)であって、
その際、このスタビライザー連結装置が、少なくとも1つのアクチュエータを有しており、且つ、このアクチュエータが、外側成形体部材(3)および内側成形体部材(11)によって形成されており、
その際、この外側成形体部材(3)と内側成形体部材(11)との間に、弾性的に変形可能な物体(12)が設けられている様式の上記スタビライザー連結装置において、
外側成形体部材(3)が、中空成形体構造部材として形成されていること、および、
軽金属合金から成るこの外側成形体部材(3)及び/または内側成形体部材(11)が、押出し成形形材として形成されていることを特徴とするスタビライザー連結装置。
【請求項2】
スタビライザー連結装置(1)が、二重スタビライザー連結装置として形成されており、
その際、2つのスタビライザー連結装置(1)が、スリーブ構造部材(2)を介して互いに連結されており、
その際、このスリーブ構造部材(2)が、有利には、軽金属から、特に同様に合成物質から、及び/または繊維複合材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載スタビライザー連結装置。
【請求項3】
弾性的に変形可能な物体(12)は、圧力でもって、有利には液体を介して負荷可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のスタビライザー連結装置。
【請求項4】
スリーブ構造部材(2)内において、中間部材(16)が設けられており、その際、
この中間部材(16)が、特に、2つのスタビライザー連結装置(1)を、液密状態で互いに分離していることを特徴とする請求項2または3に記載のスタビライザー連結装置。
【請求項5】
2つのスタビライザー連結装置(1)は、押圧管路(17)を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載のスタビライザー連結装置。
【請求項6】
押圧管路(17)と、位置調節弁(8)が結合状態にあり、
有利には、この位置調節弁(8)が中間部材(16)内において設けられており、特に有利には、この位置調節弁(8)が、アクティブに制御可能及び/または調節可能であることを特徴とする請求項5に記載のスタビライザー連結装置。
【請求項7】
外側成形体部材(3)または内側成形体部材(11)は、中間部材(16)及び/またはスリーブ構造部材(2)と、
形状的に係合して、及び/または材料構造一体的に連結されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載のスタビライザー連結装置。
【請求項8】
外側成形体部材(3)は、中間部材(16)と、ねじ結合部材(6)を介して連結されており、その際、
この中間部材(16)に相対して位置している、前記外側成形体部材(3)の側面上に、封隙蓋(5)が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のスタビライザー連結装置。
【請求項9】
封隙蓋(5)は、内側成形体部材(11)によって、少なくとも部分的に貫通差込みされており、その際、
スタビライザー部分との連結のためのフランジ(7)が、内側成形体部材(11)と連結可能であることを特徴とする請求項8に記載のスタビライザー連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−158323(P2012−158323A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15244(P2012−15244)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】