説明

スチームクラッキング流出物からの炭化水素フラクションを脱硫する方法

【課題】スチームクラッキングプラントからの、低硫黄含有量を有するガソリンベースとして直接的に用いられ得るC7+またはC8+またはC9+フラクションを生じさせる。
【解決手段】a)仕込原料選択的水素化の段階と、b)段階a)からの流出物を精留して、軽質C5留分、中間のC6またはC6−C7またはC6−C8留分、および重質のC7+またはC8+またはC9+留分を生じさせる段階と、c)中間留分の水素化脱硫および深度水素化の段階と、d)硫黄化合物の増量化を可能にする酸触媒上での処理からなる、重質のC7+、C8+またはC9+留分のアルキル化の段階と、e)低硫黄ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクション、および硫黄化合物を豊富に含み、中間留分または燃料油として用いられる重質のC11+またはC12フラクションを生じさせることを目的とする、段階d)からの流出物の蒸留の段階とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームクラッキング流出物からの炭化水素を処理する方法に関する。スチームクラッキング法は、構成単位(building-block)の化学物質、特にエチレンおよびプロピレンの製造の根源にある既知の石油化学方法である。スチームクラッキングは、エチレンおよびプロピレンとは別に、大量のより付加価値性の乏しい副生物、特に、プロパンまたはブタンをクラッキングする場合、さらには、ナフサ、軽油または凝縮物(condensate)をクラッキングする場合に大きな比率で得られる芳香族性の熱分解ガソリンを生じさせる。
【背景技術】
【0002】
未加工の熱分解ガソリンは、しばしば、2段階で水素化され、典型的にはC5留分、芳香族ベースおよびガソリンベースまたは燃料油を生じさせることを目的とする種々の留分を生じさせるための中間的な精留(fractionation)が伴われる。既存方法の方式は、一般的に、ベンゼンを抽出するためのC6留分およびC7+留分またはベンゼン、トルエンおよびキシレン類を抽出するためのC6−C7−C8留分およびC9+留分を生じさせることを可能にする。
【0003】
定義によれば、Cn留分は、n個の炭素原子を有する炭化水素から本質的に構成される留分である。Cn+留分は、12個の炭素原子を有する炭化水素までの少なくともn個の炭素原子を有する炭化水素から本質的に構成される留分である。この留分は、一般的に、C13さらにはC14炭化水素を含み得る。例えば、C8+留分は、本質的に、C8、C9、C10、C11、C12炭化水素を含み、この留分は、一般的に、C13さらにはC14炭化水素を含み得る。
【0004】
C5留分は、一般的に、スチームクラッキング装置に再循環させられるか、または、ガソリンプールに送られる。C6−C7−C8留分(以降C6−C8と称する)は、6、7または8個の炭素原子を有する炭化水素から本質的に構成されるものであるが、これは、芳香族(ベンゼン、トルエンおよびキシレン類)の製造のためのベースとして用いられる。C9+留分は、一般的に、炉用燃料油または自動車ガソリンのベースのいずれかとして用いられる。後者の場合、一般的に、220℃超のASTM沸点温度に相当する重質フラクションを、ガソリン留分のカットポイントに適合するガソリンベースとして用いられるC9−220℃留分から分離することが必要である。
【0005】
その上、熱分解ガソリンは、高い硫黄含有量を有し、特に、C9+留分は、しばしば、現行の規格(50〜150重量ppm)または将来の規格より上である。事実、これらのガソリンは、約300重量ppmの硫黄、並びに、高反応性の不飽和化合物の含有量(これは、さらなる処理なしではそれらを不安定にする)を含有する。
【0006】
芳香族ベースの製造を目的とするC6またはC6−C7またはC6−C8フラクションは、ジオレフィン、アセチレン性化合物およびアルケニル芳香族化合物等の反応性の不飽和化合物を除去するために脱ジエン化段階(選択的水素化)、次いで、モノオレフィンおよび硫黄化合物を除去するが、芳香族化合物を水素化しない水素化脱硫段階で処理される。アルケニル芳香族化合物は、少なくとも1つのアルケニル基を含む少なくとも1つの芳香環からなる炭化水素含有化合物である。
【0007】
ガソリンの製造を対象とするC7+またはC8+またはC9+フラクションは、しばしば、脱ジエン化段階において処理され、次いで、場合によっては、C11+またはC12+化合物を除去し、かつ、ガソリンの終留点規格を得るための精留段階の後に、ガソリンベースとして直接的に用いられる。しかしながら、それらの硫黄含有量は、50重量ppmまたは30重量ppmさらには10重量ppmより下に落ちる傾向にあるガソリンの最大硫黄含有量に対する基準の漸進的変化に適合できなくなる。
【0008】
3つの選択肢が、現在、この状況、特に、既存のスチームクラッキング装置に応じるために用いられているかまたは考えられている。
【0009】
1)選択肢1は、既存の水素化処理プラントを改変して、それらの容量および脱硫を大きく増加させることからなる。適切な脱硫触媒があり、最も一般的に用いられているものは、主として、ニッケルおよびモリブデン、またはニッケルおよびタングステンまたはコバルトおよびモリブデンをベースとするアルミナ担体担持触媒である。
【0010】
2)選択肢2は、有効性の高い(valorezable)フラクションのガソリン留分への水素処理のために新しい最終脱硫プラントを加えることからなる。
【0011】
これら最初の2つの選択肢は、顕著な追加的投資および水素消費量(精製および石油化学の現場においてますます希少になっているガス)につながり、かなり乏しい品質のガソリンベースのままである生成物の有効化に関して何らの利得もない。さらに、深度脱硫(deep desulfurization)が、最小にされるべき芳香族含有量の制限された低減に伴って生じ、これは、依然として、オクタン価、したがって、その有効化に不都合である。
【0012】
3)選択肢3は、最終の脱硫を成し遂げることになる石油精製業者に生成した際のままのガソリンフラクションを販売することからなる。この選択肢は、こうして販売されたガソリンの価格の大下落につながる。
【0013】
本発明の目的は、石油化学の現場において、スチームクラッキングプラントからの、低硫黄含有量を有するガソリンベースとして直接的に用いられ得るC7+またはC8+またはC9+フラクションを生じさせるために、前述の問題に対する技術的に簡単でかつ安価な解決方法を見出すことである。
【0014】
スチームクラッキングプラントからの液体の炭化水素フラクションを水素化処理する種々の方法が文献に記載されている。その例は、特許文献1であり、該文献には、3つの相異なる水素化処理段階を用いる、スチームクラッキングプラントからの種々の留分の製造方式が記載されている。
【0015】
しかしながら、既存の解決方法または限定的に考えられるものは、高価な方法において水素の存在を必要とする水素化脱硫段階を行うことからなり、酸触媒上で硫黄化合物を増量化(weighting)することに基づく方法によってスチームクラッキングプラントからのフラクションの一つを処理する可能性は記載されていない。
【0016】
さらに、酸触媒上の処理による炭化水素フラクションの脱硫も、文献に広く記載されている。例えば、特許文献2には、酸触媒の存在下にアルキル化剤を用いて硫黄化合物をより重質の硫黄化合物に転化することからなる方法によって、接触分解プラントからのガソリンを脱硫する方法が記載されている。アルキル化剤は、オレフィンまたはアルコールを含む。しかしながら、この発明は、接触分解ガソリンへの適用のために記載され、それは、チオフェンおよびメチルチオフェンタイプの硫黄化合物を増量化することを目的としている。
【特許文献1】仏国特許発明第2858981号明細書
【特許文献2】米国特許第6048451号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、石油化学の現場において、スチームクラッキングプラントからの、低硫黄含有量を有するガソリンベースとして直接的に用いられ得るC7+またはC8+またはC9+フラクションを生じさせるために、前述の問題に対する技術的に簡単でかつ安価な解決方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明は、0〜250℃の沸点温度を有する留分に対応する炭化水素スチームクラッキング流出物を処理する方法であって、
a)仕込原料の選択的水素化の少なくとも1回の段階(HD1と称する)と、
b)1つ以上の蒸留塔において、段階a)からの流出物を精留して、少なくとも1つの軽質C5留分、芳香族化合物の製造を対象とする中間のC6またはC6−C7またはC6−C8留分、および、ガソリンの製造を対象とする重質のC7+またはC8+またはC9+留分を生じさせる段階と、
c)中間留分の水素化脱硫および深度水素化の少なくとも1回の段階(HD2と称する)と、
d)重質のC7+、C8+またはC9+留分のアルキル化の少なくとも1回の段階であって、ここで、該アルキル化段階の前に軽質C5留分の一部が重質のC7+、C8+またはC9+留分に注入され、該段階は、30〜300℃の範囲の温度、0.05〜5h−1の範囲の毎時空間速度および1.0〜4.0MPaの範囲の圧力で操作され、アルキル化の段階は、酸のイオン交換樹脂、ゼオライト、粘土、官能化シリカ、酸性度を有するシリコ−アルミン酸塩および酸官能基のグラフト化担体からなる群から選択される固体酸触媒上での処理からなる、段階と、
e)低硫黄ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクションと、硫黄化合物を豊富に含有し、中間留分または燃料として用いられる重質のC11+またはC12+フラクションとを生じさせることを目的とする、段階d)からの流出物の少なくとも1回の蒸留段階と、
を包含するものである。
【0019】
触媒は、酸のイオン交換樹脂からなる群から選択されることが好ましい。
【0020】
アルキル化段階d)は、直列または並列で操作される複数の反応器において行われることが好ましい。
【0021】
アルキル化段階d)は、2つの同一種の反応器であって、互いに連結され、一方が操作される間他方は停止しており、使える状態にある新鮮な触媒が装填される、反応器において行われることが好ましい。
【0022】
アルキル化段階d)の流出物の一部は、アルキル化の反応器の入口に再循環させられることが好ましい。
【0023】
発泡床において触媒が用いられることが好ましい。
【0024】
消耗触媒を連続的に抜き出し、新鮮な触媒を補給させるために段階d)の反応器に触媒の添加/抜出システムが加えられることが好ましい。
【0025】
段階d)に用いられる触媒(単数種または複数種)は、回路から切り離された時には反応器内で、または、添加/抜出システムが提供された時には反応器の外側において、回復処理に付されることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、熱分解ガソリンに対応する仕込原料を処理する方法であって、a)仕込原料選択的水素化の少なくとも1回の段階(HD1と称する)と、b)1以上の蒸留塔において、段階a)からの流出物を精留して、少なくとも1つの軽質C5留分、芳香族化合物の製造を対象とする中間のC6またはC6−C7またはC6−C8留分、およびガソリンの製造を対象とする重質のC7+またはC8+またはC9+留分を生じさせる段階と、c)中間留分の水素化脱硫および深度水素化の少なくとも1回の段階(HD2と称する)と、d)硫黄化合物の増量化を可能にする酸触媒上での処理からなる、重質のC7+、C8+またはC9+留分のアルキル化の少なくとも1回の段階と、e)低硫黄ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクション、および硫黄化合物を豊富に含み、中間留分または燃料油として用いられる重質のC11+またはC12フラクションを生じさせることを目的とする、段階d)からの流出物の蒸留の少なくとも1回の段階を包含する方法に関し、水素化処理により熱分解ガソリンの硫黄含有量を低減させることからなる従来の技術的な理念を逸脱しながら、ガソリンベースとして直接的に用いられ得、かつ、高オクタン価を有する低硫黄熱分解ガソリンを生じさせることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明の要約)
本発明は、熱分解ガソリンに対応する仕込原料を処理する方法であって、
a)仕込原料の選択的水素化の少なくとも1回の段階(HD1と称する)と、
b)1以上の蒸留塔において、段階a)からの流出物を精留し、少なくとも1つの軽質C5留分、芳香族化合物製造を対象とする中間のC6またはC6−C7またはC6−C8留分、ガソリンの製造を対象とする重質のC7+またはC8+またはC9+留分を生じさせる段階と、
c)中間留分の水素化脱硫および深度水素化(deep hydrogenation)の少なくとも1回の段階(HD2と称する)と、
d)硫黄化合物の増量化を可能にする酸触媒上での処理からなる、重質のC7+、C8+またはC9+留分のアルキル化の少なくとも1回の段階と、
e)低硫黄ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクション、および、硫黄化合物を豊富に含み、中間留分または燃料油として用いられる重質のC11+またはC12+フラクションを生じさせることを目的とする、段階d)からの流出物の蒸留の少なくとも1回の段階と
を包含する方法に関する。
【0028】
本発明は、それ故に、水素化処理により熱分解ガソリンの硫黄含有量を低減させることからなる従来の技術的な理念を逸脱しながら、ガソリンベースとして直接的に用いられ得、かつ、高オクタン価を有する低硫黄熱分解ガソリンを生じさせることを可能にする。さらに、本出願において記載されたような段階a)、b)、c)およびe)は、しばしば、スチームクラッキングプラントを備える石油化学コンビナートにおいて存在する。硫黄減損熱分解ガソリンを生じさせるために必要とされる出資はそこでは低い。それは、硫黄化合物増量化段階d)を行うことのみからなるからである。
【0029】
(詳細な説明)
(段階a))
熱分解ガソリンと称される仕込原料は、1以上のスチームクラッキングガソリン精留物から得られ、それは、沸点が一般的に0〜250℃、好ましくは10〜220℃である留分に対応する。典型的には、この仕込原料は、本質的に、C3、C4、C12、C13、C14の痕跡量(数重量%)を有するC5−C11からなる。
【0030】
この仕込原料は、一般的に、選択的水素化段階a)に付され、段階a)からの流出物は、段階b)に送られる。
【0031】
HD1と称されるこの選択的水素化段階のために、貴金属触媒(特にはパラジウムタイプのもの、例えば、Axens社によって販売されるLD265/LD465触媒)または非貴金属触媒(例えばニッケルタイプのもの、例えば、Axens社によって販売されるLD341/LD441触媒)を用いることが可能である。段階a)は、水素化触媒を含む1以上の反応器において、処理されるべき仕込原料を過剰に導入された水素と接触させることからなる。水素の流量は、ジオレフィン類、アセチレン化合物およびアルケニル芳香族化合物の全部を理論的に水素化するために十分な量を有し、かつ、反応器出口において過剰量の水素を維持するように調節される。反応器内の温度勾配を制限するために、流出物の一部を反応器の入口に再循環させることが有利であり得る。選択的水素化段階HD1(水素化脱ジエン化工程とも称される)は当業者に知られており、特に、Petrochemical Processes,Volume 1,Technip Ed.,A.Chauvel and G.Lefebvre,pp.155-160に記載されている。
【0032】
段階a)中の操作温度は一般的に50〜200℃であり、毎時空間速度は1〜6h−1であり、圧力は1.0〜4.0MPaである。
【0033】
(段階b))
1以上の蒸留塔における、仕込原料または段階a)の流出物の精留の段階であり、本質的にC5からなる少なくとも1つの軽質留分、本質的にC6またはC6−C7またはC6−C8からなる中間留分であって、典型的には芳香族化合物の製造を対象とするものおよび本質的にC7+またはC8+またはC9+からなる重質留分であって、典型的にはガソリンの製造を対象とするものを生じさせることを目的とする。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によると、仕込原料は、3種の留分を生じさせる
ように2回の連続する蒸留に付される。第1の蒸留により、本質的にC5からなる軽質留分とC6+留分が得られる。C6+留分は、第2の蒸留塔に送られ、これにより、本質的にC6またはC6−C7またはC6−C8からなる中間留分であって、芳香族化合物の製造を対象とするものと、本質的にC7+またはC8+またはC9+からなる重質留分であって、ガソリンの製造を対象とするものとが得られる。
【0035】
他の実施形態によると、仕込原料は、最初に、本質的にC5からなる軽質留分とC6+留分を得るために第1の蒸留に付される。C6+留分は、段階a)に送られる。段階a)からの流出物は、次いで、本質的にC6またはC6−C7またはC6−C8からなり、芳香族化合物の製造を対象とする中間留分と、本質的にC7+またはC8+またはC9+からなり、ガソリンの製造を対象とする重質留分とを得るために蒸留に付される。中間留分は、次いで、水素化脱硫および深度水素化の段階c)に送られ、その一方で、重質留分は、アルキル化段階d)に送られる。アルキル化段階d)からの流出物は、次いで、蒸留段階e)に送られる。
【0036】
(段階c))
中間留分の水素化脱硫および深度水素化の段階(HD2と称される)である。段階c)は、水素化および水素化脱硫触媒を含む1以上の反応器において、処理されるべき中間留分を水素と接触させることからなる。この段階も当業者に知られており、特に、Petrochemical Processes,Volume 1,Technip Ed.,A.Chauvel and G.Lefebvre,p.160に記載されている。
【0037】
段階c)の操作温度は、一般的に、220〜380℃であり、毎時空間速度は1〜6h−1であり、圧力は1.0〜4.0MPaである。
【0038】
例えばAxens社によって販売される一連のLD145およびHR406触媒が、この段階c)を行うために用いられ得る。
【0039】
(段階d))
アルキル化段階d)は、重質のC7+、C8+またはC9+留分を処理するための段階であり、水素供給なしで、ガソリン中で沸騰する前記留分の部分を脱硫することを可能にする酸触媒上で、硫黄化合物を増量化することによって処理することからなる。
【0040】
好ましい実施形態によると、アルキル化段階d)において処理される仕込原料は、スチームクラッキングプラントからの炭化水素フラクションである。
【0041】
他の好ましい態様によると、仕込原料は、HD1の水素化プラントにおいて予備処理されたC7+、C8+またはC9+留分に対応する。段階a)において用いられたHD1のプラントは、ジオレフィン類、アセチレン化合物および一部のアルケニル芳香族化合物の選択的水素化を対象とする。仕込原料は、一般的に、オレフィン系、芳香族系、パラフィン系およびナフテン系の化合物並びに20〜1000重量ppmの比率の硫黄の混合物である。
【0042】
アルキル化段階d)は、1以上の反応器を含み得るアルキル化セクションにおいて行われる。
【0043】
段階d)の主要な目的は、仕込原料中に存在するモノオレフィンを付加することによって硫黄化合物を増量化することである。反応する可能性のある硫黄化合物は、アルキルチオフェンタイプのチオフェン系化合物、および、より少ない程度ではあるが、チオールタイプの化合物である。これらの反応は、芳香族系化合物の転化を伴わない。これらの化合物は、オレフィン系および硫黄系の化合物よりもはるかに低い反応性を有し、したがって、それらは、転化されないからであり、このことは、オクタン価の保全に好都合である。
【0044】
驚くべきことに、アルキル基が1〜4個の炭素原子を含むアルキルチオフェン、特にはエチルチオフェン、ジメチルチオフェン、プロピルチオフェンおよびブチルチオフェンタイプのアルキルチオフェン類を、7個以上の炭素原子を含むモノオレフィンおよびアルケニル芳香族化合物によってアルキル化することが可能であることが発見された。しかしながら、長鎖オレフィンの反応性は短鎖オレフィンの反応性より低いため、仕込原料をブテンまたはペンテンを含有する流れと混合することが有利であり得る。
【0045】
アルキル化段階d)は、一般的に、処理されるべきフラクションを、固体酸触媒と、モノオレフィンおよびアルケニル芳香族化合物の硫黄化合物への付加を促進するように選択される流量、温度および圧力の条件下に、接触させることからなる。こうして形成された重質硫黄化合物は、一般的に、ガソリンの典型的な終留点、すなわち、220℃超より高い沸点を有する。したがって、典型的には、それらは、簡単な蒸留によってガソリンから分離され得る。
【0046】
アルキル化段階d)において用いられる触媒は、好ましくは、固体酸触媒である。不飽和炭化水素化合物の硫黄化合物への付加を促進する可能性があるあらゆる触媒が、本発明において用いられ得る。ゼオライト、粘土、官能化シリカ(functionalized silicas)、酸性度を有するシリコ−アルミン酸塩または酸官能基のグラフト化担体、または、酸のイオン交換樹脂が一般的に用いられる。
【0047】
好ましくは酸のイオン交換樹脂が用いられ、より好ましくは、ポリマー酸のイオン交換樹脂、例えば、スルホン酸樹脂である。この適用のために、Rhom & Haas社によってAmberlyst(登録商標)15、Amberlyst(登録商標)35またはAmberlyst(登録商標)36の名称の下で販売される樹脂が用いられ得る。Axens社によって販売されるTA801樹脂を用いることも可能である。
【0048】
特許US−6,736,963に記載されるような、リン酸と珪藻土(kieselguhr)タイプの無定形シリカとを共混合することによって得られるリン酸をベースとする触媒を用いることも可能である。
【0049】
担持される酸に加えて、本発明の範囲を維持しながら、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナを含む無機酸化物、より特定的には、以下のゼオライト等のゼオライトをベースとする酸を用いることも可能である:フォージャサイト、モルデナイト、L、オメガ、X、Y、ベータ、ZSM−3、ZSM−4、ZSM−5、ZSM−18およびZSM−20。触媒はまた、種々のルイス酸(例えば、BF、BCl、SbFおよびAlCl)と、シリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナ等の非ゼオライト性の金属酸化物との混合物からなり得る。
【0050】
操作温度は、一般的に、選択された触媒に従い、所望の硫黄化合物転化率に達するように調節される。温度は、一般的に30〜300℃、好ましくは40〜250℃である。
【0051】
用いられる触媒が酸のイオン交換樹脂である場合、触媒の品位を保つために、温度は、200℃、好ましくは150℃を超えない。
【0052】
用いられる触媒がシリカ上のリン酸であるならば、温度は、100℃超かつ250℃未満、好ましくは140℃超かつ220℃未満である。
【0053】
用いられる触媒の容積は、触媒容積に対する処理されるべき仕込原料の容積流量の比(毎時空間速度とも称される)が、典型的には0.05〜5h−1、好ましくは0.07〜3h−1、より好ましくは0.1〜2h−1であるようにされる。
【0054】
圧力は、一般的には、反応混合物を液相で維持するように調節される。圧力は、典型的には1.0〜4.0MPa、好ましくは1.5〜4.0Mpaである。
【0055】
アルキル化段階d)は、典型的には、少なくとも1つの固定床式円筒型反応器において行われる。しかしながら、直列または並列で操作される複数の反応器が、好ましくは、触媒の不活性化に拘わらず連続的な操作を保証するために用いられる。本発明の好ましい実施形態によると、アルキル化段階は、2つの同一種の反応器であって、互いに連結され、一方が操作される間他方は停止しており、使える状態にある新鮮な触媒が装填される、ものにおいて行われる。この装置は、特に、置換期の間または消耗触媒の現場(in-situ)再生の期間の間に連続的にプラントを操作することを可能にする。
【0056】
本発明の別の実施形態によると、アルキル化段階は、3つの反応器であって、並列または直列で操作され得るものにおいて行われる、ものにおいて行われる。この場合、仕込原料は、2つの反応器(第1のものは、部分的に消耗した触媒を含み、第2のものは、新鮮な触媒を含む)に連続的に供給する。第3の反応器は静置され、新鮮な触媒が装填され、使用される用意がなされている。第1の反応器の触媒が不活性化された場合、その反応器は停止させられ、第2の反応器が、次いで、第1位置において操作され、最初は静置されていた第3の反応器が、第2の位置で操作される。停止させられた第1の反応器は、取り外されて、その触媒が新鮮な触媒バッチによって置き換えられ得る。
【0057】
硫黄化合物のアルキル化反応と並行して、オレフィンの二量化反応が反応器において起こり得、これは、処理される炭化水素フラクションの増量化に必要とされる。しかしながら、芳香族タイプの化合物は、反応器においてほとんどまたは全く転化されない。芳香族化合物の転化は、一般的に10%未満、好ましくは5%未満であり、これは、留分のオクタン価を保つことを可能にする。硫黄化合物のアルキル化およびオレフィンの二量化反応は、発熱性を有し、すなわち、それらは低温で有利とされ、それらは熱を放出する。熱放出を制限し、反応器内が過剰な温度に達しないために、反応器(単数または複数)の流出物(単数または複数)の一部を、反応器(単数または複数)の入口に再循環させることが有利であり得る。新鮮な仕込原料の流量により除算される再循環させられる流出物の流量として規定される再循環比は、典型的には0.2〜4、好ましくは0.5〜2である。
【0058】
用いられる触媒がイオン交換樹脂である特定の場合、いわゆる発泡床(expanded bed)において触媒を用いることが有利であり得る。したがって、仕込原料は、一般に、反応器底部に、触媒ボールの懸濁を引き起こすのに十分な直線速度で注入される。このタイプの実施は、反応器内の温度勾配、すなわち、反応器の出口と入口との間の温度差を制限するという利点および反応器内の液体炭化水素仕込原料の良好な分布および良好な熱均一性を提供するという利点を提供する。
【0059】
好ましい実施形態によると、消耗触媒の連続的な抜き出しを達成し、かつ、新鮮な触媒を補給させるために、触媒の添加/抜出システムが反応器に加えられ得る。
【0060】
本発明の好ましい実施形態によると、酸のイオン交換樹脂タイプの触媒が用いられる。それは、非常に活性な触媒であり、低温、一般的には、200℃未満で反応器が操作されることを可能にし、このことは、ガム状物およびポリマー(これらの生成物は、中間のスチームクラッキングフラクション中のポリオレフィンまたはアルケニル芳香族化合物タイプの不飽和化合物の縮合反応によってすぐに形成する)の形成を制限することを可能にするからである。それ故に、所望の性能に適合する最も低い可能性のある温度での操作を可能にするために、毎時空間速度(hourly space velocity:HSV)が調節される。典型的には、反応器は、0.1〜2h−1の毎時空間速度および80℃未満の温度で操作され得る。触媒が不活性化した時に、性能を維持するように徐々に昇温させることが必要である。その時、温度は、一般的に最大150℃または200℃に達するまで徐々に挙げられ得る。
【0061】
消耗触媒は、回路から切り離された時には反応器において、または、添加/抜出システムが提供された時には反応器の外側において、回復処理に付され得る。用いられる触媒のタイプによって、以下の処理の少なくとも1つが行われ得る:
− 含酸素化合物による洗浄、
− 芳香族化合物による洗浄、
− ガスストリッピング(窒素、水素、水蒸気)、
− 希釈空気燃焼。
【0062】
好ましい実施形態によると、軽質C5留分の一部は、重質のC7+、C8+またはC9+留分に注入され、次いで、アルキル化段階に送られる。この混合物は、反応性のモノオレフィンの量を増加させ、それ故に、硫黄化合物の転化に有利になることを可能にする。
【0063】
(段階e))
段階d)からの流出物の蒸留の段階であり、ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクション、および重質のC11+またはC12+フラクションであって、硫黄化合物を豊富に含み、中間留分または燃料油として用いられるものを生じさせることを目的とする。軽質フラクションは、一般的には230℃未満、好ましくは220℃未満の終留点を有する。
【0064】
(図面の説明)
(図1)
図1は、本発明の好ましい実施形態を示す。仕込原料は、ライン(1)を通じて供給され、選択的水素化プラントHD1において、特には脱ジエン化およびアルケニル芳香族化合物の従前の還元を達成するように処理される。脱ジエン化仕込原料は、ライン(2)を通じて流通し、それは、蒸留塔(3)においてC5フラクションおよびC6+フラクションに精留される。C5フラクションは、ライン(4)を流通し、典型的には、スチームクラッキングに再循環させられるか、または、ガソリンベースとして用いられる。C6+フラクションは、ライン(5)中を流通する。C6+留分は、蒸留塔(7)において、C6−Cフラクション(ここでn=7または8)およびCn+1+フラクションに精留される。C6−Cフラクションは、ライン(8)中を流通する。Cn+1+フラクションは、ライン(9)中を流通する。C6−C留分は、水素化処理プラントHD2に供給する。水素化処理プラントHD2は、C6−C留分の深度脱硫およびモノオレフィンの深度水素化を達成する。例えば、Axens社によって販売されるLD145/HR406触媒が、この段階を行うために用いられ得る。ライン(10)を通じて排出された処理済みのC6−C留分は、例えば、1重量ppm未満の硫黄および50重量ppm未満のモノオレフィンを有し得る。一般的には、この留分中の芳香族化合物の水素化を維持して、石油化学の適用のためにそれらのさらなる回収を最大にするように試行される。ライン(9)を通じて塔(7)の底部を離れるCn+1+留分はアルキル化セクションALKに供給し、アルキル化留分が生じさせられ、これは、ライン(11)を通じて回収される。反応性オレフィンの数を増加させ、それ故に、硫黄化合物の転化が有利になるように、ライン(6)によって塔(3)からのC5留分の一部を、アルキル化セクションの仕込原料に注入することが可能である。アルキル化セクションALKにおいて生じた留分は、ライン(11)を通じて蒸留塔(12)に送られて、頂部において硫黄減損Cn+1−C12留分が、底部においてC12+留分が生じさせられる。硫黄減損Cn+1−C12留分は、ライン(13)を通じて回収され、ガソリンベースとして用いられることを目的とされる。C12+留分は、ライン(14)を通じて回収され、これは、炉用燃料油として用いられ得、ここに、アルキル化セクションにおいてアルキル化された硫黄化合物は濃縮される。ライン(13)を通じて回収されたCn+1−C12留分は、一般的に、100ppm未満、さらには50ppm未満、あるいは、極低硫黄ガソリンの製造を視野に入れて10ppm未満の硫黄を含有する。
【0065】
(図2)
図2は、アルキル化段階d)の好ましい実施形態を示す。アルキル化セクションは、並行して操作され得る2つの反応器R1およびR2からなる。ライン(9)を通じて蒸留塔(7)から回収されたCn+1フラクション(ここで、n=7または8)は、場合によっては、ライン(6)を通ったC5留分の一部と混合される。こうして得られた混合物(ライン9a)は、ライン(9b)を通じて反応器R1に送られ、アルキル化生成物は、ライン(9d)を通じて回収される。この段階の間に、反応器R2には、新鮮で活性な触媒が装填され、静置される。反応器R1に含まれる触媒が不活性化した場合、反応器R1は停止させられ、処理されるべき仕込原料は、ライン(9c)を通じて反応器R2に送られる。アルキル化生成物は、ライン(9e)を通じて回収される。その間、反応器R1に含まれる触媒は抜き取られ、新鮮な触媒によって置き換えられる。この特定の装置は、触媒が不活性化した場合であっても連続的な操作を維持することを可能にする。
【0066】
(実施例)
以下の実施例には、制限的でない方法で、本発明による方法において用いられ得る触媒および操作条件が記載される。
【0067】
ナフサのスチームクラッキング流出物は、流出物処理プラントにおいて精留される。当該流出物処理プラントは、特には熱分解ガソリン留分αを生じさせる第1の蒸留を含む。当該熱分解ガソリン留分αは、本質的にC5および210℃のASTM終留点までのより重質の炭化水素を含む。
【0068】
この熱分解ガソリン留分αは、以下の特徴を有する:
− 硫黄含有量:200重量ppm
− 熱分解ガソリン留分αの以下の組成(重量%)
【0069】
【表1】

【0070】
この熱分解ガソリン留分は、図1に記載される方法の方式に従って処理される。
【0071】
(第1の水素化処理段階HD1の触媒および操作条件)
段階HD1に用いられる触媒は、多孔質アルミナ担体上に担持される0.3重量%のパラジウムからなる。触媒は、1つの反応器の2つの床に配置される。当該反応器は、特に2つの床の間で反応混合物を冷却することを目的とする流体を注入することを可能にする装置を有する。
【0072】
操作条件は、以下の通りである:
反応器の出口温度:110℃
反応器の出口圧力:3.0MPa
毎時空間速度:2.4h−1
水素比(反応器入口における総ガス):仕込原料の体積(m)当たり水素90Nm
【0073】
こうして水素化処理された生成物は、C5、C6−C8およびC9+フラクションを分離するために蒸留される。
【0074】
フラクションβと称されるC9+フラクションは、以下の特徴を有する。
【0075】
ASTM蒸留範囲:145〜218℃
密度:0.9
硫黄含有量:300重量ppm
芳香族化合物含有量:58重量%(1.0重量%の二芳香族化合物を含む)
モノオレフィン+パラフィン+ナフタレンの含有量:37重量%
ジオレフィン+アルケニル芳香族化合物の含有量:5重量%
(アルキル化段階の触媒および操作条件)
アルキル化段階に用いられる触媒は、Axens社によって販売されるTA801酸触媒である。触媒は、単一の床に配置される。
【0076】
操作条件は、次の通りである:
反応器入口の温度:80℃
反応器の出口圧力:3.0MPa
毎時空間速度:0.25h−1
【0077】
こうして回収され、ガソリンγと称される生成物は、以下の特徴を有する:
ASTM蒸留範囲:145〜285℃
密度:0.92
硫黄含有量:300重量ppm
芳香族化合物含有量:57重量%(1%の二芳香族化合物を含む)
オレフィン含有量:33重量%
ガソリンγは、次いで、沸点範囲がガソリン留分に対応する第1の軽質フラクションγ1、および重質フラクションγ2を回収するために蒸留される。
【0078】
ガソリンγ1の特徴は、以下の通りである:
ASTM蒸留範囲:145〜220℃
密度:0.9
硫黄含有量:46重量ppm
芳香族化合物含有量:58重量%(1%の二芳香族化合物を含む)
オレフィン含有量:27重量%。
【0079】
ガソリンγ1の終留点は、各国のガソリンの規格に従って調節され得る。
【0080】
ガソリンγ2の特徴は、次の通りである:
ASTM蒸留範囲:220〜285℃
硫黄含有量:1300重量ppm
ガソリンγ1は、直接的に低硫黄ガソリンプールに混合され得る。
【0081】
ガソリンγ2は、炉用燃料油として用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施形態を説明する図である。
【図2】図2は、アルキル化段階d)の好ましい実施形態を示す。
【符号の説明】
【0083】
1 ライン
2 ライン
3 蒸留塔
4 ライン
5 ライン
6 ライン
7 蒸留塔
8 ライン
9 ライン
10 ライン
11 ライン
12 蒸留塔
13 ライン
14 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0〜250℃の沸点温度を有する留分に対応する炭化水素スチームクラッキング流出物を処理する方法であって、
a)仕込原料の選択的水素化の少なくとも1回の段階(HD1と称する)と、
b)1つ以上の蒸留塔において、段階a)からの流出物を精留して、少なくとも1つの軽質C5留分、芳香族化合物の製造を対象とする中間のC6またはC6−C7またはC6−C8留分、および、ガソリンの製造を対象とする重質のC7+またはC8+またはC9+留分を生じさせる段階と、
c)中間留分の水素化脱硫および深度水素化の少なくとも1回の段階(HD2と称する)と、
d)重質のC7+、C8+またはC9+留分のアルキル化の少なくとも1回の段階であって、ここで、該アルキル化段階の前に軽質C5留分の一部が重質のC7+、C8+またはC9+留分に注入され、該段階は、30〜300℃の範囲の温度、0.05〜5h−1の範囲の毎時空間速度および1.0〜4.0MPaの範囲の圧力で操作され、アルキル化の段階は、酸のイオン交換樹脂、ゼオライト、粘土、官能化シリカ、酸性度を有するシリコ−アルミン酸塩および酸官能基のグラフト化担体からなる群から選択される固体酸触媒上での処理からなる、段階と、
e)低硫黄ガソリンベースとして直接的に用いられ得る軽質フラクションと、硫黄化合物を豊富に含有し、中間留分または燃料として用いられる重質のC11+またはC12+フラクションとを生じさせることを目的とする、段階d)からの流出物の少なくとも1回の蒸留段階と、
を包含する、方法。
【請求項2】
触媒は、酸のイオン交換樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルキル化段階d)は、直列または並列で操作される複数の反応器において行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
アルキル化段階d)は、2つの同一種の反応器であって、互いに連結され、一方が操作される間他方は停止しており、使える状態にある新鮮な触媒が装填される、反応器において行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アルキル化段階d)の流出物の一部は、アルキル化の反応器の入口に再循環させられる、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
発泡床において触媒が用いられる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
消耗触媒を連続的に抜き出し、新鮮な触媒を補給させるために段階d)の反応器に触媒の添加/抜出システムが加えられる、請求項3〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
段階d)に用いられる触媒(単数種または複数種)は、回路から切り離された時には反応器内で、または、添加/抜出システムが提供された時には反応器の外側において、回復処理に付される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−223027(P2008−223027A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65006(P2008−65006)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】