説明

スティッキーな割り当て(stickyassignment)の間にギャップ表示を与える方法

【課題】アクセスポイント及びアクセス端末が、送信における中断(ギャップ)を、割り当てられたリソースを必要としない印として、あるいは割り当てられたリソースがもはや利用可能ではない印として解釈しないようなシステム及び方法を提供する。
【解決手段】一定期間の間、送信エンティティに割り当てられる順方向リンク及び逆方向リンクの割当送信リソースを管理するための方法及び装置が提供される。送信エンティティが実際のデータパケット(例えば、意図するデータ又はコンテンツの全体又は一部)を送信していないときにはいつでもギャップ表示が与えられる。しかし、送信エンティティは、割り当てられたリソースの割当を維持することになっている。例えば、割り当てられたリソースで送信する実際のデータがない場合、第1のデータパターンを備える消去記号パケットが、割り当てられたリソースで送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信システムに関し、特に、スティッキーな割り当て(sticky assignment)の間のギャップ表示のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、音声、データ等のような様々なタイプの通信を提供するために広く展開されている。これらシステムは、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅および送信電力)を共有することにより、多数のユーザとの通信をサポートできる多元接続システムでありうる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。一般に、無線通信システムは、いくつかの基地局を含む。そこでは、各基地局は順方向リンクを用いて移動局と通信する。また、各移動局(又はアクセス端末)は、逆方向リンクを用いて基地局と通信する。
【0003】
基地局と端末との間の通信をより効率的にするために、スティッキーな割り当ての概念が使用される。スティッキーな割り当ては、多くのユーザが、制限された割当メッセージリソースを求めて競合している場合において、スケジュールされたデータ送信システムにおいて役立つ。スティッキーな割り当ては、特定のユーザに割り当てられたリソース(例えば、チャネル)が、標準単位の送信(例えば、「パケット」)が完了した後、そのユーザに対して利用可能であり続ける場合である。したがって、ユーザが送信を継続することを可能にするために、必ずしも新たな割り当てメッセージは必要ではない。
【0004】
一般に、アクセスポイント又はアクセス端末の送信機が、1セットの実際のデータの送信を完了し、別のセットの実際のデータパケットを送信する前に、送信における中断(「ギャップ」とも称される)が生じる。このデータ送信におけるギャップは、割り当てられたリソースで実際のデータが送信されない持続時間を称する(図2で更に説明する)。一般的な通信システムでは、アクセスポイント送信機の場合には、送信におけるギャップは、割り当てられたリソースの喪失として解釈される可能性がある。この場合、たとえアクセス端末が割り当てを要求しても、送信リソースが未だにアクセス端末に割り当てられる。アクセスポイントの場合、このギャップは、割り当てられたリソースをもはやアクセス端末が必要としないという印として解釈されるかもしれない。この場合、アクセスポイントは、システム内の別のアクセス端末へリソースを割り当てるかもしれない。何れの場合でも、それは非効率的であり、通信システムの品質及び信頼性を低下させうる。
【0005】
したがって、アクセスポイント及びアクセス端末が、送信におけるギャップを、割り当てられたリソースを必要としない印として、あるいは割り当てられたリソースがもはや利用可能ではない印として解釈しないように、送信におけるギャップの表示を与えるシステム及び方法のニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
本特許出願は、本明細書の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により明確に組み込まれる2004年7月21日出願の仮出願番号60/590,112号の優先権を主張する。本願は、以下の同時係属米国特許出願と関連する。2003年1月10日に出願された米国特許出願番号10/340,507、2003年12月3日に出願された米国特許出願番号10/726,944、2003年4月29日に出願された米国特許出願番号10/426,546、2004年6月1日に出願された米国特許出願番号10/858,870、及び2004年7月13日に出願された米国特許出願番号10/890,717。これらは全て本明細書の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0007】
従って、通信システムにおいてデータを送信するために割り当てられたリソースの割り当てを管理する方法であり、前記方法は、割り当てられたリソースで送信するデータが無い場合、割り当てられたリソースで第1のデータパターンを送信する。
【0008】
別の局面では、通信システムにおいてデータ通信のために割り当てられた1つ又は複数のリソースの割り当てを管理する方法が提供される。この方法は、割り当てられたリソースで1つ又は複数の情報を受信し、前記1つ又は複数の情報ビットが消去記号パケットを表すのであれば、前記割り当てられたリソースの割り当てを維持する。
【0009】
本発明の全ての長所及び範囲のより完全な理解は、添付図面、説明、及び添付の特許請求の範囲から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、無線多元接続通信システムのブロック図を示す。
【図2】図2は、スティッキーな割り当て概念の使用中おける割当チャネルのデータトラフィックの実例を示す。
【図3】図3は、順方向リンクのリソースのスティッキーな割り当て中のアクセスポイントによるデータ送信プロセスを示す。
【図4】図4は、逆方向リンクのリソースのスティッキーな割り当て中のアクセスポイントによるデータ受信プロセスを示す。
【図5】図5は、アクセスポイントと2つの端末との実施形態のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の機能、特性、および長所は、同一参照符号が全体を通じて同一部分を特定する図面とともに用いられた場合に、以下に述べる詳細説明からより明らかになるであろう。
【0012】
用語「典型的」(exemplary)は、本明細書では、例、インスタンス、又は例示として役立つことを意味するために使用される。本明細書で「典型的」(exemplary)と記載される何れの実施形態又は設計も、他の実施形態又は設計に対して好適であるとか、有利であると必ずしも解釈される必要は無い。用語「リスニング」(listening)は、本明細書では、受信者デバイス(アクセスポイント又はアクセス端末)がデータを所定のチャネルで受信し、受信したデータを処理することを意味するために使用される。
【0013】
図1は、マルチキャリア変調を使用する無線多元接続通信システム100のブロック図を示す。システム100は、1つ又は複数のアクセス端末(AT)120(図1では簡略のために2つのアクセスポイント110a,110bのみを示している)と通信する多くのアクセスポイント(AP)110を含む。AP11Ox(AP11Oxは、図5で更に説明する)は、アクセス端末と通信するために使用される固定局である。AP110xは、基地局あるいは他の用語で称されうる。
【0014】
アクセスポイント、例えばAP110xは、1つ又は複数のアクセス端末、例えばAT120x(AT120xは、図5で更に説明する)と通信するように構成された電子デバイスである。アクセスポイント110xはまた、アクセスノード、アクセスネットワーク、基地局、基地端末、固定端末、固定局、基地局コントローラ、コントローラ、送信機、あるいは他の用語で称されうる。アクセスポイント、基地端末、および基地局は、以下の説明では置換可能に使用される。アクセスポイントは、OFDMA、CDMA、GSM(登録商標)、WCDMA等のシステムによって定義されるエアインタフェース方法に従ってデータを送信、受信、及び処理するように構成された電子デバイス、固定端末、標準的なラップトップ、汎用コンピュータでありうる。アクセスポイントは、OFDMA、CDMA、GSM、WCDMA等によって定義されるエアインタフェース方法に従ってデータを送信、受信、及び処理するプロセッサ又はコントローラによって制御される1つ又は複数のコンピュータチップを備える電子モジュールでありうる。
【0015】
アクセス端末、例えばAT12Oxは、通信リンクを経由してAP110xと通信するように構成された電子デバイスである。AT12Oxはまた、端末、ユーザ端末、遠隔局、移動局、無線通信デバイス、受信者端末、あるいはその他の用語で称されうる。アクセス端末、モバイル端末、ユーザ端末、端末は、以下の説明では置換可能に使用される。各AT12Oxは、所定の瞬間において、ダウンリンク及び/又はアップリンクで1つ又は複数のアクセスポイントと通信する。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、AP11OxからAT12Oxへの送信を称し、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、AT12Oxからアクセスポイントへ送信を称する。AT12Oxは、OFDMA、CDMA、GSM、WCDMA等のシステムによって定義されるエアインタフェース方法に従ってデータを送信、受信、及び処理するように構成された電子デバイス、セルラ電話、モバイル電話、パーソナル電子オーガナイザ又はアシスタント、標準的なラップトップでありうる。AT12Oxは、OFDMA、CDMA、GSM、WCDMA等のシステムによって定義されるエアインタフェース方法に従ってデータを送信、受信、及び処理するプロセッサ又はコントローラによって制御される1つ又は複数のコンピュータチップを備える電子モジュールでありうる。
【0016】
システムコントローラ130は、アクセスポイントへ接続され、更に他のシステム/ネットワーク(例えば、パケットデータネットワーク)へ接続することもできる。システムコントローラ130は、それに接続されたアクセスポイントの調整及び制御を行う。アクセスポイント経由で、システムコントローラ130は更に、複数の端末間、及び他のシステム/ネットワークに接続された他ユーザと端末との間でのデータのルーティングを制御する。
【0017】
送信におけるギャップ表示を与える本明細書に記載の技術は、様々な無線多元接続マルチチャリア通信システムで実現されうる。例えば、システム100は、データ送信を利用するOFDMA、CDMA、GSM、WCDMA等でありうる。
【0018】
実施形態では、「スティッキー」な割り当てが使用される。スティッキーな割り当てによって、システムコントローラ130は、割当要求を減少することが可能になる。スティッキーな割り当てによって、所定のリソースの受信者は、割り当てられたリソースを用いて、各通信に対して新たな割り当てを要求することなく複数の通信(送信又は受信)を実行できるようになる。説明目的のために、AT12Oxは、AT120xをサービスしているAP110にデータ(実際のデータ、コンテンツ等)を送信するために逆方向リンク送信リソースを要求する。割当メッセージを使用して、AP11Oxは、割り当てを要求したAT120xへ、逆方向リンク送信リソース割当情報、例えばチャネル識別表示を提供する。この割当情報が一旦受信されると、AT12Oxは、割り当てられた逆方向リンクチャネル(リソース)で実際のデータを送信する。スティッキーな割り当てでは、この割り当てられたチャネルは、AT12Oxに割り当てられ続ける。したがって、チャネルが割り当てられる期間中の様々な時間において、AT120x又はAP110xによる実際のデータの送信も受信もない。したがって、消去記号パケットと称される第1のデータパターンが、送信におけるギャップを埋めるために使用される。消去記号パケットの長さ、構成、及びデータレートは、利用可能なリソースに基づいて変わりうる。利用可能なリソースは、システムコントローラ130、あるいは要求元ATと通信しているAPによって決定されうる。例えば、より多くの情報ビット(例えば3ビット)を有する消去記号パケットを処理するリソースを受信エンティティが有するのであれば、消去記号パケットの長さは、より多くの情報ビットを与えるように調節される。これによって、受信エンティティは、受信したパケットが消去記号パケットであったことを簡単に判定できるようになるかもしれない。また、消去シーケンスの送信が有意な干渉を引き起こさないように十分低い電力レベルで消去シーケンスを送信するために、消去記号パケットが送信される電力レベルも変わりうる。
【0019】
図2は、スティッキーな割り当て概念の使用中おける割当チャネルのデータトラフィックの実例200を示す。スティッキーな割り当て期間208は、一般に、割当と割当解除との間にある。スティッキーな割り当て期間208の間、例えば202a〜202dのように、送信データパケットが送信される幾つかのデータ送信がある。一般に、データは、スティッキーな割り当て期間208の間、必ずしも連続的に送信される訳ではない。従って、例えば204a〜204dのようなギャップ部を残す。説明目的のために、後述するAT120xのTXデータプロセッサ574がデータを送信しない場合はいつでも、TXデータプロセッサ574は、例えば206a〜206dのような消去記号パケットを送信するように構成される。消去記号パケットはユニークなデータパターンを示す1又は複数のビットでありうる。言いかえれば、消去記号パケットは、ユニークなパターンでギャップ部204a〜dを埋め、リソースが終了しないように保つ。消去記号パケットは、消去記号パケットを使用する前に送信機と受信機との両方に知られているユニークな識別子でありうる。また、消去記号パケットは、干渉を低減するために、低電力及び/又は低データレートで送信されうる。
【0020】
図3は、送信リソースのスティッキーな割り当ての間にデータを送信するように構成されたプロセッサ(ATのTXデータプロセッサ574又はAPのTXデータプロセッサ514)によるデータ送信のプロセス300を示す。簡潔のために、TXデータプロセッサ514は、順方向リンクでのデータ送信のためのプロセス300の各ステップの実行を説明するために使用される。このプロセス300はまた、逆方向リンクでのデータ送信(例えば、APへのデータ送信)のためにTXプロセッサ574によっても実施される。ステップ302では、順方向リンクデータチャネル割当が完了し、TXデータプロセッサ514が、例えばデータパケットを送信するように、データを送る準備ができている。ステップ304では、TXデータプロセッサ514は、何れかの送信データパケット(例えば、データパケットに変換された符号化データ)がキューされ、送信される準備ができているかを判定する。1つ又は複数のデータパケットの送信準備ができていると判定されると、ステップ306では、割り当てられたリソース(すなわち、AP110xの場合、順方向リンクデータチャネル、端末の場合、逆方向リンクチャネル)を用いてTXデータプロセッサ514がデータパケットを送信する。そうでない場合、ステップ308において、割り当てられたチャネルを用いてTXデータプロセッサ514が、予め定めた消去記号パケットを送信する。
【0021】
この消去記号パケットは、予め定めたしきい値よりも低い送信電力レベルで送信されうる。このしきい値は、予め定められているかもしれず、この値を超える送信が干渉をもたらしうる送信電力レベルを示す。消去記号パケットはまた、低データレートにおいて送信されうる。消去パケット又は送信データパケットを送信すると、TXデータプロセッサ514はこの処理を繰り返し、リソースが割当解除又は終了するまでステップ304を実行する。
【0022】
図4は、リソースのスティッキーな割り当ての間にデータを受信するように構成されたプロセッサ(ATのRXデータプロセッサ556又はAPのRXデータプロセッサ534)によるデータ受信の処理のためのプロセス400を示す。簡潔のために、RXデータプロセッサ534は、逆方向リンクでのデータ受信のためのプロセス400の各ステップの実行を説明するために使用される。このプロセス400はまた、順方向リンクでのデータ受信(例えば、APからのデータ受信)のためにRXプロセッサ556によっても実施される。ステップ402では、割り当てられたチャネルを介して受信された1つ又は複数の情報ビットが、データパケットとして評価される。ステップ404では、データパケットが実際のデータパケット(送信エンティティによって送信された符号化データ)を示すかをRXデータプロセッサ534が判定する。実際のデータパケットを示すのであれば、ステップ406において、RXデータプロセッサ534は、このデータパケットを正常なものとして処理する。実際のデータパケットを示さないのであれば、ステップ408において、RXデータプロセッサ534は、このデータパケットが、消去記号パケットを表しているのかを判定する。このデータパケットが消去記号パケットである場合、このパケットは破棄され、ステップ402において、追加情報ビットがサンプルされる。消去記号パケットではない場合、ステップ410において、RXデータプロセッサ534が、このデータパケットを雑音データとしてフラグし、ステップ402において、追加情報ビットがサンプルされる。AP11Oxの実施形態では、RXデータプロセッサ534は、この雑音データをモニタし続けるかもしれないし、リソースが失われたと判定するかもしれない。あるいは、雑音データを予め定めた時間受信した後に、割り当てられたリソースを送信エンティティが必要としていないと判定するかもしれない。
【0023】
図5は、多元接続マルチキャリア通信システム100におけるAP110xと2つのAT120x,120yとの実施形態のブロック図を示す。AP11Oxでは、送信(TX)データプロセッサ514がデータソース512からのトラフィックデータ(すなわち、情報ビット)と、コントローラ520及びスケジューラ530からのシグナリング及びその他の情報を受信する。例えば、コントローラ520は、アクティブなATの送信電力を調節するために使用される電力制御(PC)コマンドを供給し、スケジューラ530は、ATのためのキャリア割当を提供しうる。これらの様々なタイプのデータは、異なる輸送チャネルで送信されうる。TXデータプロセッサ514は、受信したデータを、マルチキャリア変調(例えば、OFDM)を用いて符号化及び変調し、変調データ(例えば、OFDMシンボル)を提供する。そして、送信機ユニット(TMTR)516が、この変調データを処理し、ダウンリンク変調信号を生成する。この変調信号は、その後、アンテナ518から送信される。
【0024】
AT12Ox及び12Oyの各々では、送信され変調された信号が、アンテナ552によって受信され、受信機ユニット(RCVR)554に供給される。受信機ユニット554は、この受信信号を処理してデジタル化し、サンプルを提供する。その後、受信(RX)データプロセッサ556は、このサンプルを復調及び復号して、復号データを提供する。これは、復元されたトラフィックデータ、メッセージ、シグナリング等を含む。このトラフィックデータは、データシンク558に供給され、この端末へ送られたキャリア割当及びPCコマンドがコントローラ560へ提供される。
【0025】
コントローラ560は、この端末に割り当てられ、受信キャリア割当で示された具体的なキャリアを用いて、アップリンクのデータ送信を指示する。コントローラ560は更に、送信する実際のデータが存在しないが、割り当てられたリソースの維持を望む場合、消去記号パケットを挿入する。
【0026】
各アクティブな端末120では、TXデータプロセッサ574がデータソース572からのトラフィックデータと、コントローラ560からのシグナリング及び他の情報とを受信する。例えば、コントローラ560は、必要な送信電力、最大送信電力、又はこの端末の最大送信電力と必要な送信電力との差を示す情報を提供する。様々なタイプのデータが、割り当てられたキャリアを用いて、TXデータプロセッサ574によって符号化及び変調され、更に送信機ユニット576によって処理され、アップリンク変調信号が生成される。この変調信号は、その後、アンテナ552から送信される。
【0027】
AP110xでは、ATからの送信され変調された信号がアンテナ518によって受信され、受信機ユニット532によって処理され、RXデータプロセッサ534によって復調及び復号される。受信機ユニット532は、各端末の受信信号品質(例えば、受信SN比(SNR))を推定し、コントローラ520にこの情報を提供しうる。そして、コントローラ520は、端末の受信信号品質が、許容範囲内に維持されるように各端末のPCコマンドを導出する。RXデータプロセッサ534は、各端末の復元されたフィードバック情報(例えば、必要な送信電力)を、コントローラ520及びスケジューラ530へ提供する。
【0028】
スケジューラ530は、リソースを維持するようにコントローラ520へ指示するかもしれない。より多くのデータが送信される予定である場合、この指示が与えられる。AT12Oxの場合、コントローラ560は、必要なリソースが維持されるべきかを判定する。
【0029】
本明細書に記載の技術は、様々な手段によって実現されうる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合せで実現されうる。ハードウェアで実現する場合、これら技術のための処理ユニット(例えば、コントローラ520、コントローラ570、TXプロセッサ514、及びRXプロセッサ534等)は、1つ又は複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するように設計されたその他の電子部品、又はこれらの組み合わせ内で実現される。
【0030】
ソフトウェアで実現する場合、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば手順、機能等)を用いて実現されうる。ソフトウェアコードは、メモリユニット(例えば、図5におけるメモリ522)に格納され、プロセッサ(例えば、コントローラ520)によって実行される。このメモリユニットは、プロセッサの内部、又はプロセッサの外部に実装される。この場合、当該技術で知られた様々な手段によってプロセッサに通信可能に接続することができる。
【0031】
本明細書では、参考のために、およびあるセクションを見つけることを助けるために見出しが含まれている。これらの見出しは、その中で述べる概念の範囲を限定するように意図されておらず、これら概念は、明細書全体を通じた他のセクションにおける適用性を有しうる。
【0032】
開示した実施形態の前述した記載は、当業者をして、本発明の活用又は利用を可能にするように提供される。これら実施形態への様々な変形は、当業者に対して容易に明らかになるであろう。そして、本明細書で定義した一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態へ適用されうる。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されることを意図しておらず、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に一致する最も広い範囲が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおいてデータを送信するために割り当てられたリソースの割当を管理する方法であって、
前記割り当てられたリソースで送信するデータが存在しない場合、前記割り当てられたリソースで第1のデータパターンを送信することを備える方法。
【請求項2】
前記第1のデータパターンを選択する行為を更に備え、前記選択する行為は、1つ又は複数の消去記号パケットを選択することを備える請求項1の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信する行為は、前記各消去記号パケットをしきい値より低い電力レベルで送信する行為を備える請求項2の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信する行為は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記各消去記号パケットを送信する行為を備える請求項2の方法。
【請求項5】
前記第1のデータパターンを送信する行為は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記データパターンを送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1のデータパターンを選択する行為を更に備え、前記選択する行為は、利用可能なリソースに基づいて変化する長さを有する前記データパターンを選択する行為を備える請求項1の方法。
【請求項7】
前記第1のデータパターンを送信する行為は、低データレートで前記データパターンを送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項8】
前記割り当てられたリソースで前記第1のデータパターンを送信する行為は、前記通信システムの順方向リンクを使用して前記データパターンを送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項9】
前記割り当てられたリソースで前記第1のデータパターンを送信する行為は、前記通信システムの逆方向リンクを使用して前記データパターンを送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項10】
前記送信する行為は更に、符号分割多元接続(CDMA)スキームに従って送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項11】
前記送信する行為は更に、直交周波数分割多重(OFDM)スキームに従って送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項12】
前記送信する行為は更に、直交周波数分割多元接続(OFDMA)スキームに従って送信する行為を備える請求項1の方法。
【請求項13】
通信システムにおいてデータ送信のために割り当てられた1つ又は複数のリソースの割当を管理する方法であって、
前記割り当てられたリソースで1つ又は複数の情報ビットを受信することと、
前記1つ又は複数の情報ビットが消去記号パケットを表すと判定された場合には、前記割り当てられたリソースの割当を維持することとからなる各行為を備える方法。
【請求項14】
予め定めた長さを有するデータパケットへ、前記1つ又は複数の情報ビットを変換する行為を備える請求項13の方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信する行為は、前記通信システムの順方向リンクで前記情報ビットを受信する行為を備える請求項13の方法。
【請求項16】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信する行為は、前記通信システムの逆方向リンクで前記情報ビットを受信する行為を備える請求項13の方法。
【請求項17】
前記受信する行為は更に、符号分割多重アクセス(CDMA)スキームに従って送信する行為を備える請求項13の方法。
【請求項18】
前記受信する行為は更に、直交周波数分割多重(OFDM)スキームに従って送信する行為を備える請求項13の方法。
【請求項19】
前記受信する行為は更に、直交周波数分割多元接続(OFDMA)スキームに従って送信する行為を備える請求項13の方法。
【請求項20】
通信システムにおいてデータを送信するために割り当てられた1つ又は複数のリソースの割当を管理する装置であって、
割り当てられたリソースで送信するデータが存在しない場合、前記割り当てられたリソースで第1のデータパターンを送信する手段を備える装置。
【請求項21】
送信前に前記第1のデータパターンを選択する手段を更に備え、前記第1のデータパターンは、1つ又は複数の消去記号パケットを備える請求項20の装置。
【請求項22】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信する手段は、前記各消去記号パケットをしきい値より低い電力レベルで送信する手段を備える請求項21の装置。
【請求項23】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信する手段は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記各消去記号パケットを送信する手段を備える請求項21の装置。
【請求項24】
前記第1のデータパターンを送信する手段は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記データパターンを送信する手段を備える請求項20の装置。
【請求項25】
送信前に前記第1のデータパターンを選択する手段を更に備え、前記第1のデータパターンは、利用可能なリソースに基づく長さを有する前記データパターンを選択する手段を備える請求項20の装置。
【請求項26】
前記第1のデータパターンを送信する手段は、低データレートで前記データパターンを送信する手段を備える請求項20の装置。
【請求項27】
通信システムにおいてデータ送信のために割り当てられた1つ又は複数のリソースの割当を管理する装置であって、
割り当てられたリソースで1つ又は複数の情報ビットを受信する手段と、
前記1つ又は複数の情報ビットが消去記号パケットを表すと判定された場合には、前記割り当てられたリソースの割当を維持する手段とを備える装置。
【請求項28】
前記1つ又は複数の情報ビットを変換する手段は、予め定めた長さを有する前記データパケットへ、前記情報ビットを変換する手段を備える請求項27の装置。
【請求項29】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信する手段は、前記通信システムの順方向リンクで前記情報ビットを受信する手段を備える請求項27の装置。
【請求項30】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信する手段は、前記通信システムの逆方向リンクで前記情報ビットを受信する手段を備える請求項29の装置。
【請求項31】
無線通信における装置であって、割り当てられたリソースで送信するデータが存在しない場合、前記割り当てられたリソースで第1のデータパターンを送信するように構成された第1の電子デバイスを備える装置。
【請求項32】
前記第1のデータパターンは、1つ又は複数の消去記号パケットを備える請求項31の装置。
【請求項33】
前記第1の電子デバイスは、送信機を備え、前記送信機は、前記1つ又は複数の消去記号パケットをしきい値より低い電力レベルで送信するように構成された請求項32の装置。
【請求項34】
前記第1の電子デバイスは送信機を備え、前記送信機は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記各消去記号パケットを送信するように構成された請求項32の装置。
【請求項35】
前記第1の電子デバイスは受信機を備え、前記受信機は、干渉を引き起こさない電力レベルで前記データパターンを送信するように構成された請求項31の装置。
【請求項36】
利用可能なリソースに基づいた長さを有する前記第1のデータパターンを選択するように構成されたプロセッサを更に備える請求項31の装置。
【請求項37】
前記第1の電子デバイスは、低データレートで前記データパターンを送信するように構成された送信機を備える請求項31の装置。
【請求項38】
前記第1の電子デバイスは、前記通信システムの順方向リンクを使用して前記データパターンを送信するように構成された送信機を備える請求項31の装置。
【請求項39】
前記第1の電子デバイスは、前記通信システムの逆方向リンクを使用して前記データパターンを送信するように構成された送信機を備える請求項31の装置。
【請求項40】
無線通信における装置であって、
割り当てられたリソースで1つ又は複数の情報ビットを受信し、前記1つ又は複数の情報ビットが第1のデータパターンと一致すると判定された場合には、前記1つ又は複数の情報ビットを破棄し、前記割り当てられたリソースの割当を維持するように構成された第1の電子デバイスを備える装置。
【請求項41】
前記第1の電子デバイスは、予め定めた長さを有する前記データパケットへ、前記情報ビットを変換するように構成されたプロセッサを備える請求項40の装置。
【請求項42】
前記第1の電子デバイスは、前記通信システムの順方向リンクで前記情報ビットを受信するように構成されたプロセッサを備える請求項40の装置。
【請求項43】
前記第1の電子デバイスは、前記通信システムの逆方向リンクで前記情報ビットを受信するように構成されたプロセッサを備える請求項40の装置。
【請求項44】
計算機によって実行された場合、前記計算機に、割り当てられたリソースで送信するデータが存在しない場合、前記割り当てられたリソースで第1のデータパターンを送信することを含む動作を実行させる命令を備える計算機読取可能媒体。
【請求項45】
前記第1のデータパターンを選択させる計算機読取可能命令を更に備え、前記第1のデータパターンは、1つ又は複数の消去記号パケットを備える請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項46】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信させる前記計算機読取可能命令は、前記各消去記号パケットをしきい値より低い電力レベルで送信することからなる請求項45の計算機読取可能媒体。
【請求項47】
前記1つ又は複数の消去記号パケットを送信させる前記計算機読取可能命令は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記各消去記号パケットを送信することからなる請求項45の計算機読取可能媒体。
【請求項48】
前記第1のデータパターンを送信させる前記計算機読取可能命令は、有意な干渉を引き起こさない電力レベルで前記データパターンを送信することからなる請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項49】
利用可能なリソースに基づいた長さを有する前記第1のデータパターンを選択させる計算機読取可能命令を更に備える請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項50】
前記第1のデータパターンを送信させる前記計算機読取可能命令は、低データレートで前記データパターンを送信することからなる請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項51】
前記割り当てられたリソースで前記第1のデータパターンを送信させる前記計算機読取可能命令は、前記通信システムの順方向リンクを使用して前記データパターンを送信することからなる請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項52】
前記割り当てられたリソースで前記第1のデータパターンを送信させる前記計算機読取可能命令は、前記通信システムの逆方向リンクを使用して前記データパターンを送信することからなる請求項44の計算機読取可能媒体。
【請求項53】
計算機によって実行された場合、前記計算機に、
割り当てられたリソースで1つ又は複数の情報ビットを受信することと、
前記1つ又は複数の情報ビットが消去記号パケットを表すと判定された場合には、前記割り当てられたリソースの割当を維持することと
を含む動作を実行させる命令を備える計算機読取可能媒体。
【請求項54】
予め定めた長さを有する前記データパケットへ、前記1つ又は複数の情報ビットを変換させる計算機読取可能命令を更に備える請求項53の計算機読取可能媒体。
【請求項55】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信させる計算機読取可能命令は、前記通信システムの順方向リンクで前記情報ビットを受信することからなる請求項53の計算機読取可能媒体。
【請求項56】
前記1つ又は複数の情報ビットを受信させる計算機読取可能命令は、前記通信システムの逆方向リンクで前記情報ビットを受信することからなる請求項53の計算機読取可能媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−142970(P2012−142970A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−33931(P2012−33931)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2010−248685(P2010−248685)の分割
【原出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】