説明

ステロイドキット及び起泡性組成物、並びにその使用

加圧生成物を収容する容器と、加圧生成物を泡として放出することができる出口とを含み、加圧生成物が、i.ステロイド;ii.約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの有機担体;iii.界面活性剤;iv.約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤からなる群より選択される少なくとも1つの高分子添加剤;v.水;及びvi.組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤を含む起泡性組成物を含むエアロゾルパッケージアセンブリーを含む組成物及び治療キット。組成物は、更に、脂肪アルコール、脂肪剤、ヒドロキシ脂肪酸及びこれらの混合物からなる群より選択される治療活性泡佐剤を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ステロイドは局所投与形態で入手可能である。皮膚障害の局所治療用のステロイドを含有する組成物は、主にクリーム、ローション、ゲル及び軟膏の剤形で入手可能である。クリーム、ローション、ゲル及び軟膏のような半固体組成物が消費者によって慣用的に使用されるが、適用のより良好な制御を達成し、同時にそのような生成物の皮膚利益特性を維持又は付与するために、新たな形態が望ましい。したがって、容器から放出されたときには脆い泡稠度を有し、皮膚に適用されたときには液体特性を有する新たな組成物の開発が有益である。
【0002】
泡、特に泡乳剤は複雑な系であり、全ての場合で形成するものではない。活性成分の添加のような泡乳剤組成の僅かなシフトが、保存の間に起泡性組成物を不安定にする場合がある、及び/又はエアロゾル容器から放出されたときに生じる泡の品質を損ねる場合がある。
【背景技術】
【0003】
米国特許第6,126,920号は、コルチコステロイド活性物質、脂肪族アルコール、水、脂肪アルコール、界面活性剤、噴射剤及び緩衝剤を含有する起泡性医薬組成物を使用する、多様な皮膚疾患、特に頭皮乾癬の治療を開示する。起泡性組成物は、脂肪族アルコールを組成物の40〜90%w/wで含有する。米国特許第6,126,920号は、泡組成物に脂肪族アルコールを使用する多くの組成物の典型である。アルコールは、素速い乾燥を促進し、それによって適用後に多くの局所製剤が残すべたべたする感触に対処しようと試みているが、′920号特許で好まれているアルコール、特にメチル、エチル及びイソプロピルアルコールは脱脂剤であり、皮膚を乾燥させ、ひび割れを起こす場合がある。米国特許第6,730,288号は、(a)活性成分;(b)閉鎖剤;(c)水性溶媒;及び(d)有機共溶媒を含み、活性成分が、水に不溶性であり、水と閉鎖剤の両方に不溶性であり、皮膚上に閉鎖層を形成するのに十分な閉鎖剤が存在する医薬泡組成物を教示する。
【0004】
少数の皮膚科泡製品しか市販されていない。
【0005】
Connetics, Inc.により製造されるOlux(商標)Foamは、プロピオン酸クロベタゾールを含有する。Olux(商標)Foamの1グラムは、0.5mgのプロピオン酸クロベタゾール、USP、を、エタノール(60%)、精製水、プロピレングリコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリソルベート60、クエン酸及びクエン酸ナトリウムからなる易熱性泡に含有する。炭化水素噴射剤(プロパン/ブタン)で加圧されたアルミニウム缶から分配される。Luxiq(商標)は、別のコルチコステロイド泡薬剤であり、1グラムあたり1.2mgの吉草酸ベタメタゾンを、エタノール(60.4%)、精製水、プロピレングリコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリソルベート60、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含むビヒクルに含有し、炭化水素噴射剤で加圧される。Cortifoam(商標)、酢酸ヒドロコルチゾン10重量%の直腸用泡は、Schwartz Pharma GmbHにより製造される。Cortifoam(商標)の非薬用成分には、セチルアルコール、エトキシル化ステアリルアルコール、メチルパラベン、ポリオキシエチレン−10ステアリルエーテル、プロピレングリコール、プロピルパラベン、トリエタノールアミン、水、並びに不活性噴射剤、イソブテン及びプロパンが挙げられる。
【0006】
したがって、高濃度の油を含有する局所治療用の低級アルコール含有泡組成物は、現在市販されていない。強力で広範囲の活性成分を含むことに適している泡組成物が望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、起泡性ステロイド組成物を含む治療キットを提供する。キットは、加圧生成物を収容する容器及び加圧生成物を泡として放出することができる出口を有する、エアロゾルパッケージアセンブリーを含む。
【0008】
治療キットは、(a)加圧生成物を収容する容器及び(b)加圧生成物を泡として放出することができる出口を含むエアロゾルパッケージアセンブリーを含み、加圧生成物は、(i)ステロイド;(ii)約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、有機極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの有機担体;(iii)界面活性剤;(iv)約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤からなる群より選択される少なくとも1つの高分子添加剤;(v)水;及び(vi)組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤を含む起泡性組成物を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つ以上の実施態様によると、起泡性組成物は、実質的にアルコール無含有、すなわち短鎖アルコール無含有である。炭素鎖骨格に5個までの炭素原子を有し、1つのヒドロキシル基を有する短鎖アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、t−ブタノール及びペンタノールは、その皮膚刺激作用のためにあまり望ましくない溶媒又は極性溶媒であると考えられる。したがって、組成物は、実質的にアルコール無含有であり、最終濃度が約5%未満、好ましくは約2%未満、より好ましくは約1%未満の低級アルコールを含む。
【0010】
好ましい実施態様において、組成物は、界面活性剤の起泡容量を増加する及び/又は泡を安定化するために、治療有効泡佐剤を更に含有する。本発明の1つ以上の実施態様において、泡佐剤は、炭素鎖に15個以上の炭素を有する脂肪アルコール、炭素鎖に16個以上の炭素を有する脂肪酸、及びこれらの組み合わせ又は混合物を含む。
【0011】
1つ以上の実施態様において、脂肪酸と脂肪酸エステルの組み合わせが用いられる。
【0012】
任意にて、脂肪アルコール又は脂肪酸の炭素原子鎖は、少なくとも1つの二重結合を有することができる。泡佐剤の更なる部類には、分岐鎖脂肪アルコール又は脂肪酸が挙げられる。脂肪酸又は脂肪アルコールの炭素鎖は、12−ヒドロキシステアリン酸のようなヒドロキシル基で置換されていることもできる。
【0013】
1つ以上の実施態様において、ステロイドの少なくともの一部は、組成物中に懸濁されており、なお別の実施態様において、ステロイドは組成物中に溶解している。
【0014】
1つ以上の実施態様において、泡組成物は水中油乳剤又は水中油マイクロエマルションとして配合される。
【0015】
本発明のステロイドは、
(i)シクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格を含むステロイド化合物;
(ii)ハロゲン、アルキル基、アリール基、ベンジル基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される1つ以上の官能基を担持するシクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格を含むステロイド化合物;
(iii)(a)カルダノリド、(b)ブファノリド、(c)スピロスタン、(d)フロスタン、(e)ステロイドアルカロイド、(f)ステロイドラクトン、(g)オキソ−ステロイド、(h)ステロイド−アルコール及び(i)ステロイド−アミンのファミリーから選択されるステロイド化合物;
(iv)1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環が非置換メチレン基の損失により収縮しているステロイド化合物;
(v)1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環がメチレン基の含有により拡大しているステロイド化合物;
(vi)シクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格及びそれに縮合している炭素環又は複素環構成成分を含むステロイド化合物;
(vii)2個以上のステロイド分子が共有的に一緒に結合している化合物;
(viii)5α−プレグナン、5β−プレグナン、5α−コラン(アロコラン)、5β−コラン、5α−コレスタン、5β−コレスタン、5α−エルゴスタン、5β−エルゴスタン、5α−カンペスタン、5β−カンペスタン、5α−ポリフェラスタン、5β−ポリフェラスタン、5α−スチグマスタン、5β−スチグマスタン、5α−ゴルゴスタンアクリヘリン、アクトジギン、アルファカルシドール、アルドステロン、アンドロステロン、ベタメタゾン、ブラシノライド、カルシジオール、カルシオール、カルシトリオール、カンレノン、クロメジェストン、コレステロール、コール酸、コルチコステロン、コルチゾール、酢酸コルチゾール、コルチゾン、酢酸コルチゾン、シプロテロン、デオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジソグルシド、エクジソン、エルカルシオール、エルゴステロール、エストラジオール、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、フルアザコート、 フルオコルチン、フシジン酸、ゲストリノン、ゴナン、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ラノステロール、リトコール酸、メボラジン、メドロキシプロゲステロン、メプロシラリン、メスピレノン、メストラノール、ナフロコート、ノレンチステロン、ノルゲステロン、ノルゲストレル、オキサンドロロン、オキシメトロン、臭化パンクロニウム、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロゲステロン、プロシラルジン、プソイドチゴゲニン、ロキシボロン、サルササポゲニン、スミラゲニン、スピロノラクトン、チモベソン、テストステロン、チゴゲニントリアムシノロン、ウルソデオキシコール酸からなる群より選択される化合物;
(ix)抗炎症性ステロイド;
(x)免疫調節性及び/又は抗炎症性を有するステロイド;
(xi)低い効力の抗炎症性ステロイド、中程度の効力の抗炎症性ステロイド及び高い効力の抗炎症性ステロイドから選択されるステロイド;
(xii)ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デソニド、吉草酸ベタメタゾン、17−酪酸クロベタゾン、フルシノニド、フルオシノロンアセトニド、ジプロピオン酸アルコメタゾン、フロン酸モメタゾン、プレドニカルベート、トリアムシノロンアセトニド、17−安息香酸ベタメタゾン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニド、ハロベタソール、17−プロピオン酸クロベタゾールからなる群より選択される抗炎症性ステロイド;
(xii)McKenzie血管収縮剤アッセイに肯定的な影響を与えるステロイド;
(xiv)ステロイドホルモン;
(xv)アンドロゲン、エストロゲン及びプロゲストゲンからなる群より選択されるステロイドホルモン;
(xvi)テストステロン、シピオン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、イソカプロン酸テストステロン、フェニルプロピオン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデシル酸テストステロン、5α−ジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(プラステロン及びDHEAとも呼ばれる)、アンドロステンジオン、アンドロスタンジオール、アンドロステロン、アンドロステノロン、エナント酸プラステロン、プラステロン硫酸ナトリウム、オルメロキシフェン、メステロロン、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、ゲストリノン、デルマジノン、酢酸デルマジノン、クロルマジノン、酢酸クロルマジノン、ダナゾール及びテストラクトンからなる群より選択されるアンドロゲン;
(xvii)エストラジオール、安息香酸エストラジオール、シピオン酸エストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール、エナント酸エストラジオール、ヘキサヒドロ安息香酸エストラジオール、フェニルプロピオン酸エストラジオール、吉草酸エストラジオール、リン酸ポリエストラジオール、エストリオール、エストリオールコハク酸ナトリウム、コハク酸エストリオール、リン酸ポリステロール、キネストラドール、エチニルエストラジオール、エストラプロニケート、メストラノール、エストラプロニケート及びエキリンからなる群より選択されるエストロゲン;
(xviii)プロゲステロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、エナンノ酸ノルエチステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸デルマジノン、酢酸フルゲストン、ジドロゲステロン、デソゲストレル、ノルゲストレル、レボノールジェストレル、ジドロゲステロン、ゲストデン、酢酸クロルマジノン、ジエノゲスト、ドロスピレノン、リネストレノール、チボロン、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸ノメゲストロールからなる群より選択されるプロゲストゲン;
(xix)ステロイドホルモンのインヒビター;
(xx)フィナステリド、デュタステリド及びスピロノラクトンからなる群より選択されるステロイドホルモンのインヒビター;
(xxi)ビタミンD
(xxii)カルシオールの生物学的活性を定性的に示すステロイド;
(xxiii)コレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、1α,25−ジヒドロキシエルゴカルシフェロール、22,23−ジヒドロエルゴカルシフェロール、1,24,25−トリヒドロキシコレカルシフェロール、プレビタミンD、タキステロール−3(タカルシオールとも呼ばれる)からなる群より選択されるビタミンD;
(xxiv)ビタミンD類似体;
(xxv)イソビタミンD、ジヒドロタキステロール−3、(1S)−ヒドロキシカルシオール、(24R)−ヒドロキシカルシジオール、25−フルオロカルシオール、エルカルシジオール、エルタカルシオール、(5E)−イソカルシオール、22,23−ジヒドロエルカルシオール、(24S)−メチルカルシオール、(5E)−(10S)−10,19−ジヒドロエルカルシオール、(24S)−エチルカルシオール及び(22E)−(24R)−エチル−22,23−ジデヒドロカルシオール;
(xxvi)カルシポトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール及びカルシトリオールから選択されるビタミンD類似体;
(xxvii)フィトステロイド又はフィトステロール;
(xxviii)フィトステロイド、フィトステロール、フィトスタノール、エクジソン、ウィタノリド、ステリン、ステロイドサポニン及びソフラボノイドのファミリーのうちの1つから誘導又は抽出されるステロイド;
(xxix)アルファ−シトステロール、ベータ−シトステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、アルファ−シトスタノール、ベータ−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、アベノステロール、ブラッシカステロール、デスモステロール、カリノステロール、ベータ−エクジソン、ウイタフェリンA、ベータ−シトステリン、スチグマステリン、カンペステリン、エルゴステリン、ジオスゲニン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ムリステロン、ポリフェラステロール、クリオナステロール、カンペスタノール及びシクロアルテノールからなる群より選択されるステロイド;
(xxx)ステロイドを含有する植物油又は植物抽出物;
(xxxi)堅果種子、芽出し種子及び子実(例えば、アルファルファ)、オオアザミ、イチョウ、ノコギリパルメット、ニンジン属、エゾウコギ、ウイキョウ、シミシフガラセモーサ、カンゾウ、ムラサキツメクサ、セージ、サルサパリラ、サッサフラス、トウヨウアンゼリカ、ノコギリソウ、イチサウ属、トウヨウアンゼリカ、ヨーロッパカンゾウ、セイヨウオトギリソウ、ラレア属、ニンジン属、ジャマイカドッグウッド、オオバコハーブ、ノコギリヤシ、ヒレハリソウ属、セイヨウタンポポ、アカツメクサ、ダミアナ、フキタンポポ、セイヨウカノコソウ、アメリカ産ガマズミ及びカレンデュラからなる群より選択される植物油又は植物抽出物
(xxxii)本明細書で例示される化合物いずれか一つ;並びに
それらの塩
からなる群より選択される。
【0016】
本発明の更なる実施態様によると、皮膚、体腔又は粘膜表面の障害を治療、緩和又は予防する方法であって、障害が、その病因の1つとして炎症を含む方法が提供される。この方法は、障害を有する被験者に起泡性組成物を局所投与することを含み、起泡性組成物は、ステロイドと、約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの有機担体と、約0.1重量%〜約5重量%の界面活性剤と、約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤から選択される高分子添加剤と、水とを含み、ステロイドは、治療有効量で投与される。
【0017】
治療に適する障害には、腟障害、外陰障害、肛門障害、体腔障害、耳の障害、鼻の障害、呼吸器系の障害、細菌感染、真菌感染、ウイルス感染、皮膚疾患、皮膚炎、寄生虫感染、毛嚢及び皮脂腺の障害、丘疹落屑疾患、良性腫瘍、悪性腫瘍、太陽光に対する反応、水疱性疾患、色素沈着障害、角化障害、圧迫性壊死、発汗障害、炎症性反応、乾皮症、魚鱗癬、アレルギー、熱傷、創傷、切り傷、クラミジア感染症、淋病感染、B型肝炎、ヘルペス、HIV/AIDS、ヒトパピローマウイルス(HPV)、生殖器疣、細菌性腟症、カンジダ症、軟性下疳、鼡径肉芽腫、性病性リンパ肉芽腫症、粘液膿性子宮頸管炎(MPC)、伝染性軟属腫、非淋菌性尿道炎(NGU)、トリコモナス症、外陰障害、外陰部痛(vulvodynia)、外陰疼痛(vulvar pain)、イースト菌感染症、外陰ジストロフィー、外陰上皮内新生腫瘍(VIN)、接触皮膚炎、骨関節症、関節痛、ホルモン障害、骨盤内炎症、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、生殖器癌、子宮頸癌、外陰部の癌、膣の癌、膣の乾燥、性交疼痛症、肛門及び直腸の疾患、肛門周囲膿瘍/肛門瘻、肛門癌、肛門裂傷、肛門疣、クローン病、痔核、肛門かゆみ、肛門そう痒症、大便失禁、便秘、結腸及び直腸のポリープ;男性及び女性における性機能障害、アンドロゲン欠乏症、エストロゲン欠乏症、成長障害、性機能低下症、癌、血管運動性の症状、閉経期の障害、外陰及び膣萎縮、尿道炎、エストロゲン低下、骨関節症、骨粗鬆症、子宮出血、男性型多毛症、男性化、卵巣腫瘍、視床下部下垂体系疾患、精巣腫瘍、前立腺癌、下垂体機能低下症、クラインフェルター症候群、精巣性女性化症、精巣切除、閉経に関連する血管運動性の症状(例えば、ほてり)、代謝異常及び感情障害が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は図を参照して記載され、これは例示の目的で提示され、本発明を制限することを意図しない。
【0019】
本発明は、起泡性ステロイド組成物を含む治療キットを提供する。キットは、加圧生成物を収容する容器及び加圧生成物を泡として放出することができる出口を有する、エアロゾルパッケージアセンブリーを含む。
エアロゾルパッケージアセンブリー
エアロゾルパッケージアセンブリーは、典型的には加圧生成物を収容するのに適した容器と、泡を放出することができる出口とを含む。出口は典型的にはバルブである。図1は、典型的なエアロゾルバルブ100を例示する。バルブは、典型的にはスズメッキスチール又はアルミニウムから構成されるバルブキャップ110、バブルキャップとエアロゾル缶(図示されず)との間のシールである外側ガスケット120、バルブ軸132、バネ134及び内側ガスケット136を含むバルブハウジング130、並びに液体をバルブに進入させる浸漬管140から構成される。バルブ軸は、生成物がその中を流れるタップである。内側ガスケット136は、バルブ軸中の開口部150(孔)を覆う。バルブバネ134は、通常ステンレススチールから構成される。
【0020】
バルブ軸には、小型開口部150(「オルフィス」及び「孔」とも呼ばれる)が備えられ、その中を通って生成物が流れる。バルブは、分配される生成物の性質に応じて、1、2、3、4個又はそれ以上の開口部を含むことができる。閉鎖位置では、開口部は内部ガスケットで覆われている。アクチュエーターが押し下げられると、バルブ軸を、内部ガスケットの中を通して押して、開口部の覆いが外れ、液体がバルブを通ってアクチュエーターへ通過することを可能にする。
【0021】
バルブは、軸に1〜4個の開口部又は1若しくは2個の開口部を有することができる。各開口部は、約0.2mm〜約1mmの直径、又は約0.3mm〜約0.8mmの直径を有することができる。開口部の総面積、すなわち所定の軸における全ての開口部の面積の合計は、約0.01mm2〜1mm2であるか、又は開口部の総面積は、0.04mm2〜0.5mm2である。
【0022】
正しい治療を提供するために、正確な用量が望ましい。1つ以上の実施態様において、バルブは、薬剤の正確な用量を泡の形態で分配する定量装置に、直接又は管を介して取り付けられる。定量バルブは、泡を、皮膚、体表、体腔又は粘膜表面、例えば鼻、口、目、耳、呼吸器系、膣若しくは直腸の粘膜の標的部位に適切な治療用量を提供する量で放出するように選択される。
【0023】
1つ以上の実施態様において、定量バルブは約10μL〜約100μLの液体の単位用量を提供する。代表的な泡密度(比重)を0.06g/mLと仮定すると、10μLのバルブは、起泡容量の約0.17mLを提供し、1000μLのバルブは、起泡容量の約17mLを提供する。したがって、特定の定量バルブを選択し、配合パラメーターを微調整することにより泡密度を調整し、組成物の液体成分と噴射剤の比率を調整することによって、特定の標的部位に適切な投与形態を設計することができる。
医薬組成物
全ての%値は、重量(w/w)に基づいて提供される。
【0024】
本発明の1つ以上の実施態様によると、皮膚、体表、体腔又は粘膜表面、例えば鼻、口、目、耳、呼吸器系、膣若しくは直腸の粘膜、例えば「標的部位」に投与される起泡性治療組成物は、下記:
(1)ステロイド(ステロイドの量は標的部位の疾患の治療に有効である);
(2)多様な濃度で、例えば、約2重量%〜約5重量%、又は約5重量%〜約10重量%、又は約10重量%〜約20重量%、又は約20重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの有機担体;
(3)約0.1重量%〜約5重量%の界面活性剤;
(4)約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤から選択される少なくとも1つの高分子添加剤;及び
(5)組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤
を含む。
【0025】
水及び任意成分は、全体の質量を100%にするのに添加される。エアロゾル容器から放出されると、起泡性組成物は、局所投与に適した膨張泡を形成する。
【0026】
1つ以上の実施態様によると、起泡性組成物は、実質的にアルコール無含有、すなわち短鎖アルコール無含有である。炭素鎖骨格に5個までの炭素原子を有し、1つのヒドロキシル基を有する短鎖アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、t−ブタノール及びペンタノールは、その皮膚刺激作用のためにあまり望ましくない溶媒又は極性溶媒であると考えられる。したがって、組成物は、実質的にアルコール無含有であり、最終濃度が約5%未満、好ましくは約2%未満、より好ましくは約1%未満の低級アルコールを含む。
【0027】
1つ以上の実施態様において、ステロイドの少なくともの一部は、組成物中に懸濁されており、なお別の実施態様において、ステロイドは組成物中で溶解している。
【0028】
1つ以上の実施態様において、泡組成物は水中油乳剤又は水中油マイクロエマルションとして配合される。
【0029】
1つ以上の実施態様において、界面活性剤の濃度は、約0.1%〜約5%又は約0.2%〜約2%である。
【0030】
本発明の文脈において、ステロイドは、シクロペンタ〔a〕フェナントレンの骨格を有するか、或いは1つ以上の結合切断又は環拡大若しくは収縮により誘導される骨格を有する化合物である。メチル基は、通常、C−10及びC−13に存在する。アルキル側鎖は、C−17に存在することもできる。ステロールは、C−3でヒドロキシル基を担持し、大部分のコレスタンの骨格を担持するステロイドである。更なる炭素原子が側鎖に存在してもよい。
【0031】
式1のように、ステロイドには番号が付けられ、環には文字が付けられている。C−25に結合している2つのメチル基のうちの1つが置換されている場合、より低い数字(26)が指定され、両方とも置換されている場合、アルファベット順で最初に引用されている置換基を担持するものに、より低い番号が指定される。
【0032】
【化1】

【0033】
ステロイドは、式4〜7で例示されているように、ステロイド側鎖に置換基を有することができる。
【0034】
【化2】

【0035】
ステロイドは、式9〜18で例示されている式を有することができる。1つ以上の実施態様において、ステロイド又はステロールは、例えば式9及び10のゴナン、例えば式11及び12のエストランジ(エストランとも呼ばれる)、並びに式13及び14のアンドロスタンで例示されているように、C−17で置換基を有さない。1つ以上の実施態様において、ステロイド又はステロールは、表1で例示されているように、C−10とC−13の両方でメチル基を有し、C−17で側鎖Rを有する(式15及び16)。
【0036】
【化3】


【0037】
【表1】

【0038】
不飽和ステロイド及びステロールの例は、式19〜22で提供される。
【0039】
【化4】

【0040】
側鎖の二重結合の立体化学は、E,Z表示法を使用して示される。同じことがビタミンDシリーズのセコ化合物(例えば、式23)にも適用される。特定の場合において、ステロイドは、位置17に結合している2個の炭素鎖を有し、例えば、17−メチル−5α−プレグナン 24、17−メチル−5α,17β−プレグナン 25、並びに17−エチル−5−コレスタン及び17−(2−ブロモエチル)−5α,17α−コレスタン 26である。位置17に結合している2個の炭素鎖を有するステロイドの他の例は、17,17−ジメチル−5α−アンドロスタン 27及び17β−メチル−17α−プロピル−5α−アンドロスタン 28である。特定の実施態様において、17β−ヒドロキシ−4−オキサアンドロスタ−5−エン−3−オン 29で例示されているように、ステロイドの炭素骨格の炭素原子はヘテロ原子により置換されている。なお追加的な実施態様において、式30、31及び32で例示されているように、更なる環が、ステロイド環系又は結合している側鎖の任意の2個の炭素原子の間の直接結合によって形成される。
【0041】
【化5】



【0042】
多くの重要な天然に生じるステロイドは、環Dに縮合又は結合し、側鎖の変更によって形成される1つ以上の更なる複素環を含む。これらのステロールを以下のファミリーに分類することができる:(a)カルダノリド、例えば5β−カルダノリド 33、3β,14−ジヒドロキシ−5β−カルダ−20(22)−エノリド(ジギトキシゲニン) 34及び3β,5,14−トリヒドロキシ−19−オキソ−5β−カルダ−20(22)−エノリド(ストロファンチジン) 35、また、36で示されている、14,21−又は16,21−酸素架橋を含有するエポキシカルダノリド、(b)ブファノリド、例えば構造37〜39、(c)スピロスタン、例えば構造40〜43、(d)フロスタン、例えば構造44〜45、並びに(e)ステロイドアルカロイド。
【0043】
【化6】


【0044】
幾つかの生物学的に重要なステロイドは、多様な官能基を担持する親炭化水素の誘導体である。幾つかの一般的な官能基には、ハロゲン、アルキル基、アリール基、ベンジル基、カルボキシ基及びアルコキシ基が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0045】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、式46〜49で例示されている、酸、酸の塩、並びに式50及び51で例示されているエステルからなる群より選択される。1つ以上の実施態様において、ステロイドは、式52〜54で例示されているラクトンである。
【0046】
【化7】



【0047】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、5−コレスタン−3−イル アセテート、5−コレスタン−3,12−ジイル ジアセテート、3−オキソアンドロスタ−4−エン−17−イル アセテート(慣用名:酢酸テストステロン)、17−ヒドロキシ−20−オキソプレグン−5−エン−3−イル サルフェート、3−アセトキシ−5−カルダノリド、3−ベンゾイルオキシ−11−ヒドロキシ−20−オキソ−5−プレグナン−21−オエート(47のモノベンゾエート)、3−アセトキシ−5−コラン−24,17−ラクトン(52のアセテート)、3−O−アセチルコール酸、17−O−ベンゾイルエストラジオール−17,3−O−リノレノイルコレステロール、並びに式55及び56で例示されているような、ステロイドアルコールのエステルである。
【0048】
1つ以上の実施態様において、ステロイドはオキソ化合物である。オキソ化合物は、5−アンドロスタン−19−アール、5−コラン−24−アール、3−ホルミル−5−コラン−24−オイック酸により、並びに式57及び58により例示されているアルデヒドであることができるか、又は5−アンドロスタン−3−オン、プレグン−5−エン−3,20−ジオン及び11−オキソ−5−コラン−24−オイック酸により例示されているケトンであることができる。
【0049】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、5−コレスタン−3,11−ジオール、3−ヒドロキシ−5−アンドロスタン−17−オン(慣用名:アンドロステロン)により、並びに式59により例示されているアルコールである。
【0050】
追加的な実施態様において、ステロイドは、アンドロスタ−5−エン−3−アミン及び式60により例示されているアミン、17−メトキシアンドロスタ−4−エン−3−オン、(20S)−3,17,20−トリメトキシ−5−プレグナン、(20S)−3,17−ジメトキシ−5−プレグナン−20−オール、21−O−メチルコルチゾール及び式61により例示されているエーテル、3,3−ジメトキシコレスタ−4−エン、2,3−(メチレンジオキシ)プレグン−5−エン及び式62により例示されているオキソステロイド(ジアルコキシステロイドとも呼ばれる)のアセタール又はケタールである。
【0051】
【化8】

【0052】
重要なステロイド誘導体が有する慣用名の例(これらは、大部分が顕著な生物学的活性を持つ天然の化合物である)を、表2に提示する。
【0053】
【表2】

【0054】
本発明に適用できるステロイドの更なる非限定例が、式63〜79により提供される。
【0055】
【化9】



【0056】
本発明の1つ以上の実施態様において、C−4を欠いている4−ノル−5−アンドロスタン(78)で例示されているように、ステロイドは、1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環が非置換メチレン基の損失により収縮している化合物である。別の実施態様において、式80〜86で例示されているように、1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環は、メチレン基の含有により拡大している。
【0057】
【化10】


【0058】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、ステロイド核内又は上に形成される追加の環を含む。追加的な実施態様において、式99〜102で例示されているように、ステロイドは、非隣接環位置で結合する−O−O−、−〔CH−のような二価架橋を含む。
【0059】
1つ以上の実施態様において、式103〜111で例示されているように、ステロイドは、シクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格及びそれに縮合している炭素環又は複素環構成成分を含み、別の実施態様では、式112で例示されているように、更なる環がシクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格にスピロ系を介して結合している。
【0060】
【化11】


【0061】
なお特定の実施態様において、式3a及び3bで例示されているように、2個以上のステロイド分子は共有的に一緒に結合している。
【0062】
【化12】

【0063】
表3は、本発明に有用であるステロイドの例を提供する。
【0064】
【表3】



【0065】
これらのステロイドの混合物を本発明に用いることもできる。
【0066】
ステロイドの溶解度は、本発明の安定した起泡性組成物の開発には重要な要素である。
【0067】
定義の目的のために、本発明の文脈において、米国薬局方(USP 23、1995年、10頁)、ヨーロッパ薬局方(EP、第5版(2004年)、7頁)及び薬学の分野で使用される幾つかの他の教本(例えば、Martindale, The Extra Pharmacopoeia, 30th Edition (1993), page xiv of the Preface;及びRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (1990), page 208を参照すること)による記述用語が適用される。

【0068】
したがって、1つ以上の実施態様において、ステロイドは、乳剤の水相において、(上記で定義されたように)「可溶性」であるか、「溶けやすい」か又は「極めて溶けやすい」。別の実施態様において、作用物質は疎水性の特性を有し、ステロイドは、乳剤の油相において、「可溶性」であるか、「溶けやすい」か又は「極めて溶けやすい」。なお特定の場合において、ステロイドは、乳剤の水相又は油相のいずれにおいても、「極めて溶けにくい」、「溶けにくい」か又は「やや溶けにくい」。
【0069】
なお1つ以上の実施態様において、ステロイドは、組成物の水相又は組成物の油相のいずれかにおいて不溶性である、すなわち、「溶解するのに10,000部以上の溶媒を必要とする」が、両方においてではない。
【0070】
驚くべきことに、水に不溶性であるが、界面活性剤及び任意にて高分子剤を「有機共溶媒」を必要とすることなく添加すると、ステロイドは、(油相と水相を組み合わせて乳剤を形成する前)乳剤の水相において可溶性になりうることが発見された。更に驚くべきことに、水と組成物の油相の両方に不溶性である起泡性乳剤にステロイドを含めると、「有機共溶媒」の添加と無関係にステロイドが溶解する組成物をもたらしうることが発見された。
【0071】
したがって、更なる実施態様において、ステロイドは、水と組成物の油相の両方に不溶性であるが、乳剤には可溶性である。更なる特定の実施態様において、本発明の組成物は、組成物が「有機共溶媒」を含有しないが、可溶性ステロイドを含有する。「有機共溶媒」は、脂肪性のエステル、例えばC12〜C15アルキルベンゾエート、中から長鎖アルコール、芳香族及び/若しくはアルキルピロリジノン、芳香族及び/若しくはアルキル及び/若しくは環状ケトン、芳香族及び/若しくはアルキル及び/若しくは環状エーテル、置換及び/若しくは非置換の単若しくは多環芳香族、直鎖及び/若しくは分岐鎖及び/若しくは環状アルカン、又はシリコーンからなる群のうちの1つである。
【0072】
なお追加的な実施態様において、ステロールは、乳剤の水相又は油相のいずれかに同時に完全に溶解することはなく、したがって、乳剤の中に懸濁されている、すなわちステロイド部分の少なくとも一部は、最終組成物において固体の状態である。そのような場合は、本明細書に提示されている高分子剤が、組成物を安定化させる懸濁安定剤として役立つ。
【0073】
本発明の特定の実施態様において、乳剤の水相の組成及び特性(例えば、pH、電解質濃度及びキレート剤)、並びに/又は乳剤の油相の組成は、活性剤の所望の溶解度プロフィールを付与するために調整される。
【0074】
ステロイドは、効力と安全性の間に望ましい比率を提供する濃度で、本発明の組成物に含まれる。典型的には、ステロイドは、約0.005%〜約12%の濃度で組成物に含まれる。しかし、幾つかの実施態様において、濃度は、0.005%〜約0.5%であり、別の実施態様では、約0.5%〜約2%であり、追加的な実施態様では、約2%〜約5%又は約5%〜約12%である。
【0075】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは免疫調節性及び/又は抗炎症性を有する。特定の理論に束縛されることなく、免疫調節性及び/又は抗炎症性ステロイドは、幾つかある機構のうち、ホスホリパーゼAの活性の阻害を介して作用する。また、角化細胞及び他の細胞型に対して抗増殖性効果を有することができる。線維芽細胞によるコラーゲン合成を抑制することができるが、これは副作用をもたらす場合がある。抗炎症性ステロイドは、相対的な抗炎症活性に従って大まかに分類されるが、活性は、表4で例示されているように、ビヒクル、適用部位、疾患、個別の患者及び閉鎖包帯が使用されているかに応じて著しく変わる場合がある。
【0076】
【表4】

【0077】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、低い効力の抗炎症性ステロイド、中程度の効力の抗炎症性ステロイド及び高い効力の抗炎症性ステロイドの群から選択される。
【0078】
1つ以上の実施態様において、抗炎症性ステロイドは、約0.005%〜約1%の濃度で組成物に含まれる。
【0079】
例えばBritish Journal of Dermatology 1975;93:563-71に記載されているMcKenzie血管収縮剤アッセイ及びその変形は、抗炎症性ステロイドを含有する生成物の効力を分類するために使用される主な方法である。したがって、1つ以上の実施態様において、抗炎症性ステロイドは、血管収縮剤アッセイに肯定的な影響を与えるステロイドである。
【0080】
1つ以上の実施態様において、ステロイドはホルモンである。ホルモンは、あらゆる生物体における多様な生物学的過程に影響を与えることが知られており、したがって、皮膚、膣、直腸、並びに他の体表及体腔の局所治療が意図される本発明の組成物にそれらを含めることは、有益な治療様式を提供する。ホルモンを含有するそのような組成物は、更に、特定のホルモンにより影響を受ける疾患を緩和するため、又は体のホルモンバランスを調整して避妊及び出産誘発のようなホルモンにより制御される特定の効果を得るために、経皮又は経粘膜経路を介して全身的に投与することができる。
【0081】
1つ以上の実施態様において、ステロイドホルモンは、男性ホルモン又はアンドロゲンである。男性ホルモン/アンドロゲンの非限定例には、テストステロン、シピオン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、イソカプロン酸テストステロン、フェニルプロピオン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデシル酸テストステロン、5α−ジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(プラステロン及びDHEAとも呼ばれる)、アンドロステンジオン、アンドロスタンジオール、アンドロステロン、アンドロステノロン、エナント酸プラステロン、プラステロン硫酸ナトリウム、オルメロキシフェン、メステロロン、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、ゲストリノン、デルマジノン、酢酸デルマジノン、クロルマジノン、酢酸クロルマジノン、ダナゾール及びテストラクトンか挙げられる。
【0082】
1つ以上の実施態様において、ステロイドホルモンは、女性ホルモン又はエストロゲンである。女性ホルモン/エストロゲンの非限定例には、エストラジオール、安息香酸エストラジオール、シピオン酸エストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール、エナント酸エストラジオール、ヘキサヒドロ安息香酸エストラジオール、フェニルプロピオン酸エストラジオール、吉草酸エストラジオール、リン酸ポリエストラジオール、エストリオール、エストリオールコハク酸ナトリウム、コハク酸エストリオール、リン酸ポリステロール、キネストラドール、エチニルエストラジオール、エストラプロニケート、メストラノール、エストラプロニケート及びエキリンが挙げられる。
【0083】
1つ以上の実施態様において、ステロイドホルモンはプロゲストゲンである。プロゲストゲンの非限定例には、プロゲステロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、エナンノ酸ノルエチステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸デルマジノン、酢酸フルゲストン、ジドロゲステロン、デソゲストレル、ノルゲストレル、レボノールジェストレル、ジドロゲステロン、ゲストデン、酢酸クロルマジノン、ジエノゲスト、ドロスピレノン、リネストレノール、チボロン、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸ノメゲストロールが挙げられる。
【0084】
なお追加的な実施態様において、ステロイドはステロイドホルモンのインヒビターである。そのようなインヒビターの非限定例は、フィナステリド、デュタステリド及びスピロノラクトンである。
【0085】
1つ以上の実施態様において、ステロイドはビタミンDである。ビタミンDという用語は、カルシオール(ビタミンD)の生物学的活性を定性的に示す全てのステロイドを記載するために使用される。ビタミンD化合物の非限定例は、表5に提供されている。
【0086】
なお追加的な実施態様において、ステロイドはビタミンD類似体である。例示的なビタミンD類似体には、カルシポトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール及びカルシトリオールが挙げられ、カルシポトリオールが特に好ましい。ビタミンD類似体及び誘導体は、低pHレベルで分解することが知られている。したがって、特定の実施態様において、ステロイドは、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、pHは、約7〜約10、又は約7.5〜約9の範囲で調整される。1つ以上の実施態様において、pHは、pHレベルを約7〜約10、又は約7.5〜約9に維持するのに適切な緩衝剤を使用して調整される。
【0087】
【表5】

【0088】
ビタミンD化合物の更なる例には、(1S)−ヒドロキシカルシオール(1α−ヒドロキシコレカルシフェロール及びアルファカレイドールとも呼ばれる)、(24R)−ヒドロキシカルシジオール(24(R),25−ジヒドロキシコレカルシフェロールとも呼ばれる)、25−フルオロカルシオール(25−フルオロコレカルシフェロールとも呼ばれる)、エルカルシジオール(25−ヒドロキシエルゴカルシフェロールとも呼ばれる)、エルタカルシオール(タキステロール−2とも呼ばれる)、(5E)−イソカルシオール(イソビタミンD、22,23−ジヒドロエルカルシオールとも呼ばれる)、(24S)−メチルカルシオール(ビタミンDとも呼ばれる)、(5E)−(10S)−10,19−ジヒドロエルカルシオール(ジヒドロタキステロール−2、ヒタケロール及びジヒドロタキステロールとも呼ばれる)、(24S)−エチルカルシオール(ビタミンDとも呼ばれる)、並びに(22E)−(24R)−エチル−22,23−ジデヒドロカルシオール(ビタミンDとも呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0089】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、フィトステロイド又はフィトステロールである。本明細書で使用されるとき、用語「フィトステロイド」又は「フィトステロール」には、植物供給源から得られる、誘導される、又は抽出される全てのステロイドが含まれる。フィトステロイド及びフィトステロールのファミリーの非限定例には、エクジソン、ウィタノリド、ステリン、ステロイドサポニン及びソフラボノイドが挙げられる。フィトステロイド及びフィトステロール化合物の非限定例には、アルファ−シトステロール、ベータ−シトステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、アルファ−シトスタノール、ベータ−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、アベノステロール、ブラッシカステロール、デスモステロール、カリノステロール、ベータ−エクジソン、ウイタフェリンA、ベータ−シトステリン、スチグマステリン、カンペステリン、エルゴステリン、ジオスゲニン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ムリステロン、ポリフェラステロール、クリオナステロール、カンペスタノール及びシクロアルテノール、並びにその全ての天然又は合成形態及び誘導体、例えば、脂肪酸エステル、例えばフェルラ酸エステル、オレオイルエステル及びケイ皮酸エステルが挙げられ、異性体が含まれる。
【0090】
ステロイドを含有する植物油及び抽出物も有用である。ステロイドを含有する植物の非限定例には、堅果種子、芽出し種子及び子実(例えば、アルファルファ)、オオアザミ、イチョウ、ノコギリパルメット、ニンジン属、エゾウコギ、ウイキョウ、シミシフガラセモーサ、カンゾウ、ムラサキツメクサ、セージ、サルサパリラ、サッサフラス、トウヨウアンゼリカ、ノコギリソウ、イチサウ属、トウヨウアンゼリカ、ヨーロッパカンゾウ、セイヨウオトギリソウ、ラレア属、ニンジン属、ジャマイカドッグウッド、オオバコハーブ、ノコギリヤシ、ヒレハリソウ属、セイヨウタンポポ、アカツメクサ、ダミアナ、フキタンポポ、セイヨウカノコソウ、アメリカ産ガマズミ、カレンデュラが挙げられる。
【0091】
1つ以上の実施態様において、ステロイドは、ステロイドを検出するのに適している実験室の方法を使用して明白に識別された化合物である。
【0092】
皮膚、体腔又は粘膜表面(例えば、鼻、口、目、耳、膣又は直腸の粘膜)の幾つかの疾患には、炎症、細胞増殖及び分化異常と、ステロイドにより影響を受けうる他の生物学的異常と、追加的な治療様式の必要な他の病因との組み合わせが関わる。例えば、乾癬には、炎症、並びに過剰な細胞増殖及び不適切な細胞分化が関わる。アトピー性皮膚炎には、炎症、皮膚乾燥及び角化細胞増殖異常が関わる。細菌、真菌及びウイルス感染には、感染部位での病原体のコロニー形成及び炎症が関わる。同様に、育毛障害及び他の毛包脂腺障害には、非ステロイド性活性剤により影響を受けうる他の病因と一緒に、ホルモンバランスの障害(ステロイドホルモン又はステロイドホルモンアンタゴニストにより影響を受けうる)が関わる。したがって、多くの場合において、本発明の起泡性医薬組成物に追加的な治療剤を含めることは、ステロイドの臨床活性に寄与する。したがって、1つ以上の実施態様において、起泡性組成物は、更に、少なくとも1つの追加的な治療剤を治療上有効な濃度で含む。
【0093】
1つ以上の実施態様において、少なくとも1つの追加の非ステロイド性治療剤は、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、非ステロイド性抗炎症性薬、免疫抑制剤、免疫調節剤、免疫調整剤、ホルモン剤、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンB、ビタミンB誘導体、ビタミンC、ビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミンF、ビタミンF誘導体、ビタミンK、ビタミンK誘導体、創傷治癒剤、殺菌剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、アルファヒドロキシル酸、乳酸、グリコール酸、ベータ−ヒドロキシ酸、タンパク質、ペプチド、ニューロペプチド、アレルゲン、免疫原性物質、ハプテン、酸化剤、酸化防止剤、ジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、フマル酸、レチノイド、抗増殖剤、抗癌剤、光力学療法剤、しわ防止剤、ラジカルスカベンジャー、金属酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄)、シリコーンオキシド、しわ防止剤、皮膚保護剤、マスキング剤、いぼ取り剤、リファッティング剤、湿潤剤、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0094】
特定の場合において、治療される疾患には、覆い隠す必要がある美観を損なう外傷が関わる。例えば、しゅさには、ステロイドで治療することができる丘疹及び膿疱、並びにステロイドによる治療に反応しない紅斑、末梢血管拡張及び発赤が関わる。したがって、1つ以上の実施態様において、追加的な活性剤は、マスキング剤、すなわち顔料である。適切な顔料の非限定例には、酸化鉄粉、鉄黄若しくは赤色酸化鉄、又はそれらの水酸化物、酸化又は水酸化クロム、酸化又は水酸化チタン、酸化亜鉛、FD&C Blue No.1アルミニウムレーキ、FD&C Blue No.2アルミニウムレーキ、及びFD&C Yellow No. 6アルミニウムレーキが挙げられる。
【0095】
本発明の起泡性組成物は、水相及び有機担体相を含む乳剤又はマイクロエマルションであることができる。有機担体は、疎水性有機担体(本明細書では「疎水性溶媒」とも呼ばれる)、皮膚軟化剤、極性溶媒及びこれらの混合物から選択される。
【0096】
本明細書で使用されるとき、「疎水性有機担体」は、蒸留水に周囲温度で100mLあたり約1g未満、より好ましくは100mLあたり約0.5g未満、最も好ましくは100mLあたり0.1gの溶解度を有する物質を意味する。これは周囲温度で液体である。本明細書で使用されるとき、疎水性有機担体又は「疎水性溶媒」の確認は、任意の特定の活性剤のため又は起泡性組成物の任意の他の構成成分のための溶媒の可溶化の能力を特徴決定することを意図しない。そうではなく、そのような情報は、本明細書に記載されている起泡性組成物に疎水性担体として使用するのに適切な物質の確認の助けになるように提供されている。
【0097】
1つ以上の実施態様において、疎水性有機担体は、鉱油のような油である。鉱油(ケミカルアブストラクトサービス登録番号8021−95−1)は、石油から誘導される脂肪族、ナフタレン及び芳香族液体炭化水素の混合物である。これは典型的には液体であり、その粘度は、約35CST〜約100CST(40℃)の範囲であり、その流動点(流動を妨げる過剰量のロウ結晶なしに油を扱うことができる最低温度)は、0℃未満である。疎水性有機担体という用語は、特定の組成物ではそのロウ状の質性及び半固体の質感により不利である、「ワセリン」とも呼ばれる白色ワセリンのような濃厚又は半固体物質を含まない。
【0098】
1つ以上の実施態様によると、疎水性溶媒は、植物、海洋又は動物供給源由来の液体油である。適切な液体油には、飽和、不飽和、又は多不飽和油が挙げられる。例としては、不飽和油は、オリーブ油、トウモロコシ油、ダイズ油、カノーラ油、綿実油、ココナッツ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ルリジサ種油、チョウジ油、マジツ油、ニシン油、タラ肝油、サケ油、アマニ油、コムギの胚種油、ツヨイグサ油又はこれらの任意の割合の混合物であることができる。
【0099】
また適切な疎水性溶媒には、多不飽和脂肪酸を含有する多不飽和油が挙げられる。1つ以上の実施態様において、不飽和脂肪酸は、オメガ−3及びオメガ−6脂肪酸の群から選択される。そのような多不飽和脂肪酸の例は、リノール酸及びリノレイン酸、ガンマ−リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)並びにドコサヘキサエン酸(DHA)である。そのような不飽和脂肪酸は、そのスキンコンディショニング効果が知られており、本発明の起泡性組成物の治療利益に寄与する。したがって、疎水性溶媒は、オメガ−3油、オメガ−6油及びこれらの混合物から選択される少なくとも6%の油を含むことができる。本発明の文脈において、治療利益特性を有する油は、「治療活性油」と呼ばれる。
【0100】
疎水性溶媒の別の部類は、精油であり、これも治療活性油と考えられ、生物学的に生じる活性分子を含有し、局所適用されると、治療効果を生じ、組成部中のステロイドの利益効果と相乗的であると想像される。
【0101】
治療活性油の別の部類には、液体疎水性植物由来油が挙げられ、これらは局所適用されたときに治療利益を有することが知られている。
【0102】
シリコーン油も使用することができ、その知られている皮膚保護及び閉鎖特性によって望ましい。適切なシリコーン油には、非揮発性シリコーンが挙げられ、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン(ジメチコーン)、並びにポリ(ジメチルシロキサン)−(ジフェニル−シロキサン)コポリマーである。これらは、約3〜約9個、好ましくは約4〜約5個のケイ素原子を含む環状又は線状ポリジメチルシロキサンから選択される。シクロメチコーンのような揮発性シリコーンを使用することもできる。シリコーン油も、そのバリア保持及び保護特性にために、治療活性油であると考えられる。
【0103】
1つ以上の実施態様において、疎水性担体は、少なくとも2重量%又は少なくとも5重量%のシリコーン油を含む。
【0104】
溶媒は、2つ以上の上記の疎水性溶媒の任意の割合の混合物であることができる。
【0105】
溶媒の更なる部類には、特に皮膚及び粘膜表面のような体の領域に適用されたときに軟化又は鎮静化効果を有する、「皮膚軟化剤」が挙げられる。皮膚軟化剤は疎水性である必要はない。適切な皮膚軟化剤の例には、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、イソステアリン酸誘導体、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ジイソプロピルジマレート、マレイン化ダイズ油、パルミチン酸オクチル、乳酸セチル、リシノール酸セチル、酢酸トコフェリル、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、フェニルトリメチコン、オレイン酸グリセリル、リノール酸トコフェリル、コムギ麦芽グリセリド、プロピオン酸アラキジル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、プロピレングリコールリシノレート、イソプロピルラノレート、テトラステアリン酸ペンタエリトリチル、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、クエン酸トリイソセチル、オクチルドデカノール、脂肪酸のスクロースエステル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
本発明の1つ以上の実施態様によると、疎水性有機担体は、疎水性溶媒と皮膚軟化剤の混合物を含む。1つ以上の実施態様によると、起泡性組成物は、鉱油と皮膚軟化剤の、重量に基づいて2:8〜8:2の比率の混合物である。
【0107】
「極性溶媒」は、典型的には水と油の両方に可溶性の有機溶媒である。極性溶媒の例には、ポリオール類、例えばグリセロール(グリセリン)、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールn−アルカノール、テルペン、ジ−テルペン、トリ−テルペン、テルペン−オール、リモネン、テルペン−オール、1−メントール、ジオキソラン、エチレングリコール、他のグリコール、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、メチルドデシルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、エトキシル化グリセリドのモノオレエート(8〜10個のエチレンオキシド単位を有する)、アゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)、2−(n−ノニル)−1,3−ジオキソラン、エステル類、例えばミリスチン酸/パルミチン酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロプリオン酸メチル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、オクチルミリステート、ドデシル−ミリステート;ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、ラウリン酸、ラウリルラクテートケトン;アミド類、例えばアセトアミド;オレエート類、例えばトリオレイン;多様なアルカン酸、例えばカプリル酸;ラクタム化合物、例えばアゾン;アルカノール類、例えばジアルキルアミノアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0108】
1つ以上の実施態様において、極性溶媒は、周囲温度で液体であるポリエチレングリコール(PEG)又はPEG誘導体であり、PEG200(MW(分子量)約190〜210kD)、PEG300(MW約285〜315kD)、PEG400(MW約380〜420kD)、PEG600(MW約570〜630kD)、並びに高MWのPEG、例えばPEG4000、PEG6000及びPEG10000、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
高分子剤は、泡組成物を安定化するため、及び標的器官での薬剤滞留を制御するために役立つ。例示的な高分子剤が下記で非限定的に分類されている。特定の場合において、所定のポリマーは、下記に提供されている分類の1つ以上に属することができる。
【0110】
1つ以上の実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも1つのゲル化剤を含む。ゲル化剤は、組成物の粘度を増加することによって、治療の標的部位で治療組成物の滞留を制御し、それによって部位からのクリアランスの率を制限する。多くのゲル化剤は粘膜付着性を有することが、当該技術において知られている。
【0111】
ゲル化剤は、天然ゲル化剤、合成ゲル化剤及び無機ゲル化剤であることができる。本発明の1つ以上の実施態様において使用できる例示的なゲル化剤には、例えば、イナゴマメガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチンアガー、カラギーナンガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントガム、グアーガム、デンプン、化学的に改質したデンプンなどのような天然に生じる高分子物質、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、グアーガム、ヒドロキシプロプルグアーガム、可溶性デンプン、カチオン性セルロース、カチオン性グアーなどのような半合成高分子物質、及びカルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーなどのような合成高分子物質が挙げられる。上記の化合物の混合物が考慮される。
【0112】
更なる例示的なゲル化剤には、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、及び例えばCarbopol(登録商標)樹脂の商標でB.F. Goodrich Companyから販売されているカルボビニルポリマーが挙げられる。これらの樹脂は、ポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリトリトールのような、0.75%〜2%の架橋剤で架橋されているアクリル酸のコロイド水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから実質的に構成される。例には、Carbopol(登録商標)934、Carbopol(登録商標)940、Carbopol(登録商標)950、Carbopol(登録商標)980、Carbopol(登録商標)951及びCarbopol(登録商標)981が挙げられる。Carbopol(登録商標)934は、各スクロース分子に平均約5.8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテルの約1%で架橋されているアクリル酸の水溶性ポリマーである。
【0113】
1つ以上の実施態様において、本発明の組成物は少なくとも1つの高分子剤を含み、それは水溶性セルロースエーテルである。好ましくは、水溶性セルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースからなる群より選択される。より好ましくは、水溶性セルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル)からなる群より選択される。1つ以上の実施態様において、組成物は、水溶性セルロースエーテルと、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンガム、イナゴマメガム及びトラガカントガムからなる群より選択される天然に生じる高分子物資との組み合わせを含む。
【0114】
なお、他の実施態様において、ゲル化剤には、シリコーンジオキシド(ヒュームドシリカ)のような無機ゲル化剤が挙げられる。
【0115】
粘膜付着性/生体付着性は、合成又は生物巨大分子の生物組織への付着として定義されてきた。粘膜付着剤は、ヒドロゲルの基本的な特徴を示す、すなわち水を吸収して膨張し、上皮を覆う粘液との付着によって相互作用することを示す高分子生体材料の部類である。本発明の組成物は、粘膜付着性巨大分子又はポリマーを、生体付着性を付与するのに十分な量で含有することができる。生体付着性巨大分子は、生物学的に活性な作用物質を標的表面の上又はそれを通して送達することを向上させる。粘膜付着性巨大分子は、好ましくは4つの反復又はモノマーサブユニット部分4つあたり少なくとも1つの酸性基を有する酸性の合成ポリマー、例えばポリ(アクリル)−及び/又はポリ(メタクリル)酸(例えば、Carbopol(登録商標)、Carbomer(登録商標))、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)コポリマー、並びにこれらの混合物及びコポリマー;酸性の合成的に改質した天然ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC);中性の合成的に改質した天然ポリマー、例えば(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース;塩基性のアミン担持ポリマー、例えばキトサン;天然の供給源から得られる酸性のポリマー、例えばアルギニン酸、ヒアルロン酸、ペクチン、トラガカントガム及びカラヤゴム;並びに中性の合成ポリマー、例えばポリビニルアルコール又はこれらの混合物から選択することができる。粘膜付着性ポリマーの追加的な群には、天然及び化学的に改質したシクロデキストリン、特にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられる。そのようなポリマーは、遊離酸、塩基又は塩として、通常、約0.01重量%〜約0.5重量%の最終濃度で存在することができる。
【0116】
適切な生体付着性巨大分子は、アクリル酸ポリマー及びコポリマーのファミリー(例えば、Carbopol(登録商標))である。これらのポリマーは、一般構造:−〔CH−CH(COOH)−〕を含む。ヒアルロン酸及び他の生物学的に誘導されたポリマーを使用することができる。
【0117】
例示的な生体付着又は粘膜付着性巨大分子は、少なくとも50kDa又は少なくとも300kDa又は少なくとも1,000kDaの分子量を有する。好ましい高分子イオン化可能巨大分子は、モノマー単位の数に対して、2モル%未満の酸性基(例えばCOOH、SOH)又は塩基性基(NH、NRH、NR)を有する。酸性又は塩基性基は、巨大分子のモノマー単位の数に対して、少なくとも5モル%、又は少なくとも10モル%、又は少なくとも25,少なくとも50モル%、又はさらには100モル%までを構成することができる。
【0118】
粘膜付着剤のなお別の群には、シリコーンジオキシド(ヒュームドシリカ)のような無機ゲル化剤が挙げられ、AEROSIL 200(DEGUSSA)が挙げられるが、これに限定はされない。
【0119】
多くの粘膜付着剤はゲル化特性も有することが、当該技術において知られている。
【0120】
泡組成物は、被膜形成成分を含有することができる。被膜形成成分は、少なくとも1つの水不溶性アルキルセルロース又はヒドロキシアルキルセルロースを含むことができる。例示的なアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルセルロースポリマーには、単独又は組み合わせた、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロプルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース及びエチルヒドロキシエチルセルロールが挙げられる。加えて、可塑剤又は架橋剤を使用して、ポリマーの性質を変えることができる。例えば、フタル酸ジブチル又はジエチルのようなエステル、ジエチルジフェニル尿素のようなアミド、植物油、脂肪酸、並びにオレイン酸及びミリスチル酸のようなアルコールを、セルロース誘導体と組み合わせて使用することができる。
【0121】
1つ以上の実施態様において、本発明の組成物は、組成物の動作を投与前の流体様から標的粘膜表面に接触したときの固体様に変える、相変化ポリマーを含む。そのような相変化は、温度又はpHの変化及び特定のイオン(例えば、Ca2+)への暴露のような外部刺激によってもたらされる。
【0122】
相変化ポリマーの非限定例には、ポリ(N−イソプロピルアミド)及びPoloxamer 407(登録商標)が挙げられる。
【0123】
高分子剤は、泡組成物の約0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で存在する。1つ以上の実施態様において、典型的には起泡性組成物の約1重量%未満である。
【0124】
界面活性剤(surface-active agent)(「界面活性剤(surfactant)」とも呼ばれる)には、乳剤の形態の組成物中の油及び水と結合する任意の作用物質が挙げられる。界面活性剤の親水性/親油性のバランス(HLB)は、乳化剤の、水又は油への親和性を説明する。HLBスケールは、1(完全に親油性)から20(完全に親水性)の範囲であり、10は、両方の性質の等しいバランスを表す。親油性乳化剤は油中水(w/o)乳剤を形成し、親水性乳化剤は水中油(o/w)乳剤を形成する。2つの乳剤のブレンドのHLBは、乳化剤Aの重量分率×そのHLB値+乳化剤Bの重量分率×そのHLB値と等しい(重量平均)。
【0125】
本発明の1つ以上の実施態様によると、界面活性剤は、約9〜約14の親水性親油性バランス(HLB)を有し、これは、大部分の油及び疎水性溶媒に必要とされるHLB(所定の油のO/W乳剤を安定化するのに必要なHLB)である。したがって、1つ以上の実施態様において、組成物は、約9〜14のHLB値を有する単一の界面活性剤を含有し、1つ以上の実施態様において、組成物は、2つ以上の界面活性剤を含有し、そのHLB値の重量平均は、約9〜約14である。なお別の実施態様において、油中水乳剤が望ましい場合、組成物は、約2〜約9のHLB値を有する1つ以上の界面活性剤を含有する。
【0126】
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、両性(amphoteric)及び両性(ampholytic)界面活性剤、並びにこれらの界面活性剤の混合物から選択される。そのような界面活性剤は、治療及び美容用配合技術において当業者にはよく知られている。可能性のある界面活性剤の非限定例には、ポリソルベート、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60)及びポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80)の;ポリ(オキシエチレン)(POE)脂肪酸エステル、例えばMyrj 45、Myrj 49、Myrj 52及びMyrj 59;ポリ(オキシエチレン)アルキリルエーテル、例えばポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)パルミチルエーテル、ポリエチレンオキシドヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、brij 38、brij 52、brij 56及びbrij W1;スクロースエステル、ソルビトール及びその無水物の部分エステル、例えばソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノラウレート;モノ又はジグルセリド、イソセテト−20、ナトリウムメチルココイルタウレート、ナトリウムメチルオレオイルタウレート、ナトリウムラウイルサルフェート、トリエタノールアミンラウリスサルフェート、並びにベタインが挙げられる。
【0127】
本発明の1つ以上の実施態様において、界面活性剤には、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤は、刺激剤であることが知られている。したがって、非イオン性界面活性剤が、特に感染している又は炎症を起こしているときに、大部分の粘膜組織で見出されるような敏感な組織を含む適用において好ましい。研究者たちは、驚くべきことに、単独の非イオン性界面活性剤が優れた品質の泡、すなわち本明細書下記で考察される等級スケールのスコア「E]の泡を形成することを見出した。
【0128】
1つ以上の実施態様において、界面活性剤は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と少なくとも1つのイオン性界面活性剤との約100:1〜6:1の範囲の比率での混合物を含む。1つ以上の実施態様において、非イオン性とイオン性の界面活性剤の比率は、約6:1超、又は約8:1超、又は約14:1超、又は約16:1超、又は約20:1超である。
【0129】
本発明の1つ以上の実施態様において、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤(例えば、ナトリウムラウリルサルフェート及びコカミドプロピルベタイン)の組み合わせが、1:1〜20:1の比率、又は4:1〜10:1の比率で用いられる。得られた泡は、低い比重、例えば0.1g/ml未満を有する。
【0130】
驚くべきことに、組成物の安定性は、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との組み合わせを用いる場合に、特に顕著であることが発見された。9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との比率は、1:8〜8:1であるか、又は比率は4:1〜1:4である。少なくとも2つの乳化剤のそのようなブレンドで得られたHLBは、約9〜約14である。
【0131】
したがって、例示的な実施態様において、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との組み合わせが、1:8〜8:1の比率、又は4:1〜1:4の比率で用いられ、乳化剤の組み合わせのHLBは、約9〜約14である。
【0132】
本発明の1つ以上の実施態様において、界面活性剤には、スクロース及び脂肪酸のエステルから調製されるか又はスクロ−グリセリドからの抽出により調製される、スクロースと脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリ−エステル(スクロースエステル)が挙げられる。適切なスクロースエステルには、モノエステルの高い含有量を有するものが挙げられ、高いHLV値を有する。
【0133】
総界面活性剤は、起泡性組成物の約0.1〜約5%の範囲であり、典型的には約2%未満又は約1%未満である。
【0134】
好ましくは、治療有効泡佐剤が、界面活性剤の起泡容量を増加する及び/又は泡を安定化するために本発明の起泡性組成物に含まれる。本発明の1つ以上の実施態様において、泡佐剤には、炭素鎖に15個以上の炭素を有する脂肪アルコールが挙げられ、例えば、セチルアルコール及びステアリルアルコール(又はこれらの混合物)である。脂肪アルコールの他の例は、アラキジルアルコール(C20)、ベヘニルアルコール(C22)、1−トリアコンタノール(C30)並びにより長い炭素鎖(C50まで)のアルコールである。蜜ロウに由来し、その大部分が炭素鎖に少なくとも20個の炭素原子を有するアルコール類の混合物を含む脂肪アルコールは、泡佐剤として特に好適である。泡系を支持するのに必要な脂肪アルコールの量は、その炭素鎖の長さと相反関係にある。本明細書で定義されている泡佐剤は、組成物の改善された展開性及び吸収性を促進するためにも有用である。
【0135】
本発明の1つ以上の実施態様において、泡佐剤には、炭素鎖に16個以上の炭素を有する脂肪酸が挙げられ、例えば、ヘキサデカン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、オクタコサン酸(C28)、並びにより長い炭素鎖(C50まで)を有する脂肪酸である。脂肪アルコールのように、泡系を支持するのに必要な脂肪酸の量は、その炭素鎖の長さと相反関係にある。
【0136】
1つ以上の実施態様において、脂肪酸と脂肪酸エステルの組み合わせが用いられる。
【0137】
任意にて、脂肪アルコール又は脂肪酸の炭素原子鎖は、少なくとも1つの二重結合を有することができる。泡佐剤の更なる部類には、分岐鎖脂肪アルコール又は脂肪酸が挙げられる。脂肪酸又は脂肪アルコールの炭素鎖は、12−ヒドロキシステアリン酸のようなヒドロキシル基で置換されていることもできる。
【0138】
本発明の組成物の文脈において使用される脂肪アルコール及び脂肪酸の重要な特性は、それ自体の治療特性に関連する。長鎖飽和及び単不飽和脂肪アルコール、例えば、ステアリルアルコール、エルシルアルコール、アラキジルアルコール及びベヘニルアルコール(ドコサノール)は、抗ウイルス性、抗伝染性、抗増殖性及び抗炎症性の特性を有することが報告されている(米国特許第4,874,794号を参照すること)。より長い鎖の脂肪アルコール、例えば、テトラコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなども、それらの代謝改質特性及び組織活性化特性が知られている。長鎖脂肪酸も抗伝染性の特性を有することが報告されている。
【0139】
したがって、本発明の好ましい実施態様において、組み合わされ、増強された治療効果が、ステロイドと治療有効泡佐剤の両方を同じ組成物に含めることにより得られ、それによって両方の化合物から抗炎症性効果と抗伝染性効果が同時にもたらされる。更に、更に好ましい実施態様において、組成物は、上記で定義された、ステロイド、治療有効泡佐剤及び治療活性油を同時に含む。そのような組み合わせは、なおさらに増強された治療利益をもたらす。したがって、泡佐剤を含有する起泡性担体は、不活性であり非活性の現在使用されているビヒクルと比較して、追加的な治療利益を提供する。
【0140】
本発明の1つ以上の好ましい実施態様の泡佐剤には、脂肪アルコール、脂肪酸及びヒドロキシ脂肪酸、並びにこれらの誘導体の、総量が担体質量の0.1%〜5%(w/w)となることを提供する任意の割合での混合物が挙げられる。より好ましくは、総量は、担体質量の0.4%〜2.5%(w/w)である。
【0141】
本発明の治療泡は、任意にて、多様な配合賦形剤を更に含むことができ、これらは配合の稠度を微調整し、配合成分を分解及び酸化から保護し、稠度を変えるために添加される。そのような賦形剤は、例えば、安定剤、酸化防止剤、保湿剤、防腐剤、着色剤及び臭気剤、並びに配合の技術で使用される他の配合成分から選択することができる。
【0142】
任意にて、組成物は、浸透向上剤を更に含有する。これは、ステロイドが標的組織のより深い層に到達しなければならないとき、又は活性剤の経皮又は経粘膜経路での全身投与が意図されるときに特に重要である。浸透向上剤の非限定例には、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、オリゴ糖、ジメチルイソソルビド、約8〜10個のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化グリセリドのモノオレエート、ポリエチレングリコール200〜600、トランスクトール、グリコフロール及びシクロデキストリンが挙げられる。
【0143】
エアロゾル噴射剤は、起泡性組成物を泡として発生及び投与するために使用される。噴射剤、起泡性組成物及び任意成分を含む組成物全体は、起泡性担体と呼ばれる。噴射剤は起泡性担体の約3重量%〜約25重量%を構成する。適切な噴射剤には、揮発性炭化水素が挙げられ、例えば、ブタン、プロパン、イソブタン又はこれらの混合物、並びにフルオロカーボンガスである。
組成物及び泡の物理的特性
本発明の1つ以上の実施態様の泡担体を使用して製造された医薬又は美容組成物は、使用が非常に容易である。哺乳動物、すなわちヒト又は動物の罹患した体の表面に適用されたとき、泡の状態になり、こぼすことなく自由に適用することが可能である。例えば組成物を体の表面に擦りつける機械的な力を適用すると、表面に自由に広がり、急速に吸収される。
【0144】
本発明の泡組成物は、周囲温度で、少なくとも1年間又は少なくとも2年間の許容される保存寿命を有する、安定した乳剤を作り出す。美容又は医療用途の製品の特徴は、長期安定性である。低分子量炭化水素の混合物である噴射剤は、乳剤の安定性を損なう傾向がある。しかし、本発明の乳剤泡組成物は驚くほど安定していることが観察された。促進安定性研究の後、これらは望ましい質感を示し、表面に接触した直後に壊れない微細気泡構造を形成し、治療領域に容易に広がり、素速く吸収される。
【0145】
組成物は、また、容器及び例えばエアロゾル容器の開口部を通って流れ、許容される泡を作り出すことを可能にするように、易流動であるべきである。半固体炭化水素溶媒、例えば乳剤の油相の主成分として白色ワセリンを含有する組成物は、高い粘度及び乏しい流動性を示し、起泡性組成物の不適切な候補である。
【0146】
泡品質は以下のように等級付けすることができる:
等級E(優秀):外観が非常に濃厚でクリーム状であり、気泡構造を何も示さないか又は非常に微細な(小さい)気泡構造を示し、直ぐにはりがなくなることはなく、皮膚上に広げると泡はクリーム状の特性を保ち、水っぽくならない。
【0147】
等級G(良好):外観が濃厚でクリーム状であり、気泡のサイズが非常に小さく、優秀の泡よりも素速く「はりがなくなり」、皮膚上に広げるとクリーム状態を保ち、水っぽくならない。
【0148】
等級FG(まずまず良好):中程度の量のクリーム状態が見られ、気泡構造が見られ、皮膚上に広げると製品は急速にはりがなくなり、見掛け粘度がいくらか下がる。
【0149】
等級F(並):クリーム状態がほとんどなく、「まずまず良好」の泡よりも大きな気泡構造であり、皮膚上に広げると外観が薄くなり、水っぽくなる。
【0150】
等級P(不良):クリーム状態が見られず、大きな気泡構造であり、皮膚上に広げると外観が非常に薄くなり、水っぽくなる。
【0151】
等級VP(極めて不良):乾燥泡であり、大きくてはりのない気泡で、皮膚の上に広げることが難しい。
【0152】
局所投与用の泡は、エアロゾル容器から放出されたときには、典型的には品質等級のE又はGである。より小さい気泡はより安定した泡を示しており、容器から放出された直後に自発的に崩壊しない。より微細な泡構造は、平滑に見え、滑らかな感触があり、したがって、その有用性及び魅力を増す。
【0153】
泡の更なる態様は、脆さである。脆い泡は、熱安定性であるが、剪断力で壊れる。泡の剪断力破壊は、熱誘導性破壊よりも明らかに有利である。熱的に敏感な泡は、皮膚温に暴露されると直ぐに崩壊し、したがって、手に適用してその後で罹患領域に送達することができない。
【0154】
泡の別の特性は比重であり、エアロゾル缶から放出されたときに測定される。典型的には、泡は、0.1g/L未満又は0.05g/L未満の比重を有する。
医薬適用の分野
適切なステロイド及び任意の活性剤を本発明の組成物に含めることによって、組成物は、炎症を1つの又はそれらの病因として含む、例えば以下の群に従って非限定的な例示方法により分類されている多様な皮膚障害(「皮膚疾患」とも呼ばれる)のいずれか1つを有する患者の治療に有用である:
接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、手及び足の慢性皮膚炎、全身性剥離性皮膚炎、うっ血性皮膚炎を含む皮膚炎;慢性単純性苔癬;おむつかぶれ;
小胞炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、皮下感染の壊死、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、毛包炎、せつ、化膿性汗腺炎、よう、爪周囲炎感染、紅色陰癬を含む細菌感染;
皮膚糸状菌感染、イースト菌感染を含む真菌感染;疥癬、シラミ、皮膚ふく行疹を含む寄生虫感染;
ウイルス感染;
ざ瘡、しゅさ、口囲皮膚炎、多毛症(男性型多毛症)、男性型脱毛症を含む脱毛症、円形脱毛症、汎発性脱毛症及び全部脱毛症を含む毛嚢及び皮脂腺の障害;偽白癬性毛瘡、角質性嚢胞;
乾癬、ジベルばら色粃糠疹、扁平苔癬、毛孔性紅色粃糠疹を含む丘疹落屑疾患;
黒痣、異形成母斑、皮膚小突起、脂肪腫、血管腫、化膿性肉芽腫、脂漏性角化症、皮膚線維腫、ケラトアカントーマ、ケロイドを含む良性腫瘍;
基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、乳頭のパジェット病、カポジ肉腫を含む悪性腫瘍;
日焼け、太陽光の慢性的効果、光線過敏を含む太陽光に対する反応;
天疱瘡、水疱性類天疱瘡、疱疹性皮膚炎、線状免疫グロブリンA疾患を含む水疱性疾患;
白斑、白色症及び炎症後色素減少のような色素減少、並びに肝斑(しみ)、薬物誘発色素沈着過剰、炎症後色素沈着過剰のような色素沈着過剰を含む色素沈着障害;
魚鱗癬、毛孔角化症、仮骨及びうおのめ、光線性角化症を含む角化障害;
圧迫性壊死;
発汗障害;並びに
薬疹、中毒性表皮壊死融解を含む炎症性反応;多形性紅疹、結節性紅斑、環状肉芽腫。
【0155】
ステロイドを含む組成物が、頭蓋腔、胸腔、腹腔、筋腹腔、膣、直腸及び陰茎の腔、尿路、鼻腔、口腔、眼球、耳腔、腹膜、大及び小腸、盲腸、膀胱及び胃、子宮と卵管との間の腔、卵巣、並びに局所適用生成物が許容されうる体の他の領域が挙げられるが、これに限定はされない、体腔又は粘膜表面に局所適用されたときに同じ利点が予測される。本発明の組成物は、手術後癒着、クラミジア感染症、淋病感染、B型肝炎、ヘルペス、HIV/AIDS、ヒトパピローマウイルス(HPV)、生殖器疣、細菌性腟症、カンジダ症、軟性下疳、鼡径肉芽腫、性病性リンパ肉芽腫症、粘液膿性子宮頸管炎(MPC)、伝染性軟属腫、非淋菌性尿道炎(NGU)、トリコモナス症、外陰障害、外陰部痛(vulvodynia)、外陰疼痛(vulvar pain)、イースト菌感染症、外陰ジストロフィー、外陰上皮内新生腫瘍(VIN)、接触皮膚炎、骨盤内炎症、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、生殖器癌、子宮頸癌、外陰部の癌、膣の癌、膣の乾燥、性交疼痛症、肛門及び直腸の疾患、肛門周囲膿瘍/肛門瘻、肛門癌、肛門裂傷、肛門疣、クローン病、痔核、肛門かゆみ、肛門そう痒症、大便失禁、便秘、結腸及び直腸のポリープのような、体腔又は粘膜表面の状態を治療するのに適している。
【0156】
本発明の1つ以上の実施態様によると、組成物は、非皮膚障害に対して有効なステロイドの経皮送達を提供することによって、非皮膚障害の治療にも有用である。本発明の組成物は、更に、外耳炎及び中耳炎のような耳の炎症及び/又は感染の治療に有用である。耳炎は、一般的に、抗菌剤とステロイド(例えば、ネオマイシン、ポリミキシンB及びヒドロコルチゾン)との組み合わせにより治療される。組成物は、鼻炎及び静脈洞炎のような鼻腔の障害の治療にも追加的に有用である。ビタミンA及び/又はビタミンDと組み合わせた、コルチコステロイド及びエストロゲンを、鼻腔障害において、時々、鼻の中に噴霧して、炎症を治療するか又は粘液分泌を促進して痂皮の形成を低減する。
【0157】
1つ以上の実施態様において、障害はステロイドホルモンによる治療に反応する健康異常である。そのような異常の典型的な例は、男性及び女性における性機能障害であり、アンドロゲン療法が、性機能を回復するために成功裏に使用されている。本発明のステロイドホルモンによる治療の範囲内である障害/医学的徴候の他の非限定例は、アンドロゲン欠乏症、エストロゲン欠乏症、成長障害、性機能低下症、癌、血管運動性の症状、閉経期の障害、外陰及び膣萎縮、尿道炎、エストロゲン低下、骨関節症、骨粗鬆症、子宮出血、男性型多毛症、男性化、卵巣腫瘍、視床下部下垂体系疾患、精巣腫瘍、前立腺癌、下垂体機能低下症、クラインフェルター症候群、精巣性女性化症、精巣切除、閉経に関連する血管運動性の症状(例えば、ほてり)、代謝異常及び感情障害である。
【0158】
以下の実施例は、本明細書に記載されている、治療キット、並びに薬理学的組成物及び方法を例示する。実施例は、例示目的のみであり、本発明を制限することは意図しない。
【実施例】
【0159】
実施例1−追加の活性剤を有する及び有さないでステロイドを含む水中油起泡性乳剤組成物(油約12%及び約30%)
【0160】
【表7】

【0161】
上記で示されているように、組成物HP2、HP3及びHB1を、乳剤均一性、乳剤安定性、泡品質及び密度について更に調べ、安定していること、及び0.01〜0.1g/mLの密度の要件を満たしていること、優れた品質(E)であることが見出された。
実施例2−追加の活性剤を有する及び有さないでステロイドを含む水中油起泡性乳剤組成物(油約12%及び30%)
【0162】
【表8】

【0163】
上記で示されているように、組成物TS3を、乳剤均一性、乳剤安定性、泡品質及び密度について更に調べ、安定していること、及び0.1〜1g/mLの密度の要件を満たしていること、優れた品質(E)であることが見出された。
【0164】
1つ以上の実施態様において、ホルモン組成物でテストステロンの経皮又は経粘膜投与が意図される場合、組成物を、活性薬剤の正確な投与のために定量装置を含むエアロゾルキットに含めることができる。
実施例3−追加の活性剤を有する/有さない水中油抗炎症性ステロイド起泡性乳剤組成物
【0165】
【表9】

【0166】
実施例4−水中油ステロイドホルモン起泡性乳剤組成物
【0167】
【表10】

【0168】
実施例5−天然供給源からのステロイドを含む水中油起泡性乳剤組成物
アボカド(Persea gratissima)油及び抽出物を、フィトステロイドを含有する植物の抽出物の例として使用する。油及び抽出物は、2つの重要なフィトステロイド−スチグマステロール及びベータ−シトステロールを含有し、これらは、多様な利益効果を提供することが知られており、例えば、組織再生、皮膚の弾力性の改善、保湿、コラーゲン合成の刺激、ロイコトリエン及びプロスタグランジン形成の阻害(抗炎症性効果)、抗菌性効果、皮膚バリア修復、皮膜形成特性、経皮水分損失の改善である。ラノリン油は、高レベルのコレステロール、イソ−コレステロール及びその誘導体を含有する。以下の組成物は、組成物の油相の一部としてアボカド油及びラノリン油を含む。
【0169】
【表11】

【0170】
実施例6−組成物に可溶性であるが、水及び組成物の油相の両方に不溶性であるステロイドを含有する乳剤組成物
【0171】
【表12】

【0172】
実施例6の乳剤組成物を、偏光を用いて×400倍で顕微鏡的に観察した。図2A(プレート1)で示されているように、乳剤組成物に結晶は観察されなかった。
【0173】
可溶化に寄与する成分を確認することを目指して、乳剤の水相を、界面活性剤と共に、又はなしで調製した。図2B及び2Cを参照すること。この特定の場合において、以下の組成物で示されているように、界面活性剤系は、1つの非イオン性界面活性剤PEG−40ステアレートとポリソルベート60の組み合わせから構成された。
【0174】
【表13】

【0175】
図2B〜2Dで示されているように、組成物BV4及びBV5は、界面活性剤を加える前は、結晶の高い含有を示し(プレート3及び4)、一方、界面活性剤系を含む組成物BV6では、結晶は観察されなかった(プレート2)。参照の目的の図2E及び2Fでは、プレート5及び6は、吉草酸ベタメタゾン粉末及び市販の吉草酸ベタメタゾン0.12%クリーム(Betnovate, GlaxoSmithkline)の顕微鏡写真を示す。
実施例7−ワセリンを含有し泡佐剤と高分子剤がない泡に対する本発明の起泡性組成物の官能特性を評価する比較研究
医薬組成物の有用性及びその使用の容易さは、高い治療コンプライアンス、その後の治療結果の主な決定要素である。
【0176】
本明細書上記の実施例1の組成物HP2のビヒクル(水中油乳剤;油約12%)を、10%ワセリン、10%安息香酸アルキル、2.5%セテアリールグルコシド、72.25%水、0.2%防腐剤及び5%噴射剤を含有する参照組成物(Ref. Comp.)と、6人の被験者団で消費者試験により比較した。参加者は、以下のパラメーターを評価するように依頼された:外観、物理的崩壊、流動性、広がりやすさ(展開性)、吸収性、残留感及び油っぽい感触。以下の表に表されているように、参加者の大部分はHP2泡がRef. Comp.よりも良好であると決定した。
【0177】
【表14】

【0178】
組成物H2の複数の有利な特徴は、おそらく以下の理由で得られる:(1)HP2における泡佐剤及び高分子剤の存在が、容易な広がり及び吸収性に寄与している;及び(2)HP2にワセリンが不在であることが、ワセリン含有製品に典型的な残留感及び油っぽい感触を避けている。この違いは、有用性、コンプライアンス、その結果としての治療の成功という点において意味がある。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の1つ以上の実施態様のエアロゾルパッケージアセンブリーでの使用に適切なエアロゾルバルブの概略図である。
【図2】図2A〜2Fは、(A)結晶が観察されないことを示す実施例7の乳剤組成物;(B)結晶が観察されないことを示す、界面活性剤の添加後の実施例7の組成物の水相;(C及びD)結晶が明らかに目に見える、界面活性剤の添加前の実施例7の組成物の水相;(E)実施例7の組成物の調製に使用された吉草酸ベタメタゾン粉末、並びに(F)市販の吉草酸ベタメタゾン0.12%クリームの顕微鏡写真(×400、偏光)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)加圧生成物を収容する容器と、
b)加圧生成物を泡として放出することができる出口とを含み、加圧生成物が、下記:
i.ステロイド;
ii.約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、有機極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの有機担体;
iii.界面活性剤;
iv.約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤からなる群より選択される少なくとも1つの高分子添加剤;
v.水;及び
vi.組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤を含む起泡性組成物を含む
エアロゾルパッケージアセンブリーを含む、ステロイドの安全で有効な投与量を提供する治療キット。
【請求項2】
起泡性組成物が、
i.水中油乳剤;及び
ii.油中水乳剤
からなる群より選択される、請求項1記載のキット。
【請求項3】
出口が、軸に1〜4個の開口部が形成されている軸を含むバルブを含む、請求項1記載のキット。
【請求項4】
軸に形成された各開口部が、(i)約0.2mm〜約1mm;(ii)約0.3mm〜約0.8mm;及び(iii)約0.01mm〜1mmからなる群より選択される直径を有する、請求項3記載のキット。
【請求項5】
軸の全ての開口部の横断面積が、約0.04mm2〜0.5mm2である、請求項3記載のキット。
【請求項6】
バルブが定量装置に取り付けられる、請求項3記載のキット。
【請求項7】
少なくとも1つの有機担体が、(i)約2%〜約5%;(ii)約5%〜約10%;(iii)約10%〜約20%;及び(iv)約20%〜約50%からなる群より選択される量で存在する、請求項1記載のキット。
【請求項8】
起泡性組成物が実質的にアルコール無含有である、請求項1記載のキット。
【請求項9】
炭素鎖に15個以上の炭素を有する脂肪アルコール;炭素鎖に16個以上の炭素を有する脂肪酸;蜜ロウに由来し、その大部分が炭素鎖に少なくとも20個の炭素原子を有するアルコール類の混合物を含む脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪酸;分岐鎖脂肪アルコール;分岐鎖脂肪酸;ヒドロキシル基で置換されている脂肪酸;セチルアルコール;ステアリルアルコール;アラキジルアルコール;ベヘニルアルコール;1−トリアコンタノール;ヘキサデカン酸;ステアリン酸;アラキジン酸;ベヘン酸;オクタコサン酸;12−ヒドロキシステアリン酸及びこれらの混合物からなる群より選択される治療活性泡佐剤を、約0.1重量%〜約5重量%で更に含む、請求項1記載のキット。
【請求項10】
ステロイドが、
i シクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格を含むステロイド化合物;
ii ハロゲン、アルキル基、アリール基、ベンジル基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される1つ以上の官能基を担持するシクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格を含むステロイド化合物;
iii (a)カルダノリド、(b)ブファノリド、(c)スピロスタン、(d)フロスタン、(e)ステロイドアルカロイド、(f)ステロイドラクトン、(g)オキソ−ステロイド、(h)ステロイド−アルコール及び(i)ステロイド−アミンのファミリーから選択されるステロイド化合物;
iv 1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環が非置換メチレン基の損失により収縮しているステロイド化合物;
v 1つ以上のシクロペンタ〔a〕フェナントレン環がメチレン基の含有により拡大しているステロイド化合物;
vi シクロペンタ〔a〕フェナントレン骨格及びそれに縮合している炭素環又は複素環構成成分を含むステロイド化合物;
vii 2個以上のステロイド分子が共有的に一緒に結合している化合物;
viii 5α−プレグナン、5β−プレグナン、5α−コラン(アロコラン)、5β−コラン、5α−コレスタン、5β−コレスタン、5α−エルゴスタン、5β−エルゴスタン、5α−カンペスタン、5β−カンペスタン、5α−ポリフェラスタン、5β−ポリフェラスタン、5α−スチグマスタン、5β−スチグマスタン、5α−ゴルゴスタンアクリヘリン、アクトジギン、アルファカルシドール、アルドステロン、アンドロステロン、ベタメタゾン、ブラシノライド、カルシジオール、カルシオール、カルシトリオール、カンレノン、クロメジェストン、コレステロール、コール酸、コルチコステロン、コルチゾール、酢酸コルチゾール、コルチゾン、酢酸コルチゾン、シプロテロン、デオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジソグルシド、エクジソン、エルカルシオール、エルゴステロール、エストラジオール、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、フルアザコート、 フルオコルチン、フシジン酸、ゲストリノン、ゴナン、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ラノステロール、リトコール酸、メボラジン、メドロキシプロゲステロン、メプロシラリン、メスピレノン、メストラノール、ナフロコート、ノレンチステロン、ノルゲステロン、ノルゲストレル、オキサンドロロン、オキシメトロン、臭化パンクロニウム、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロゲステロン、プロシラルジン、プソイドチゴゲニン、ロキシボロン、サルササポゲニン、スミラゲニン、スピロノラクトン、チモベソン、テストステロン、チゴゲニントリアムシノロン、ウルソデオキシコール酸からなる群より選択される化合物;
ix 抗炎症性ステロイド;
x 免疫調節性及び/又は抗炎症性を有するステロイド;
xi 低い効力の抗炎症性ステロイド、中程度の効力の抗炎症性ステロイド及び高い効力の抗炎症性ステロイドから選択されるステロイド;
xii ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デソニド、吉草酸ベタメタゾン、17−酪酸クロベタゾン、フルシノニド、フルオシノロンアセトニド、ジプロピオン酸アルコメタゾン、フロン酸モメタゾン、プレドニカルベート、トリアムシノロンアセトニド、17−安息香酸ベタメタゾン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニド、ハロベタソール、17−プロピオン酸クロベタゾールからなる群より選択される抗炎症性ステロイド;
xii McKenzie血管収縮剤アッセイに肯定的な影響を与えるステロイド;
xiv ステロイドホルモン;
xv アンドロゲン、エストロゲン及びプロゲストゲンからなる群より選択されるステロイドホルモン;
xvi テストステロン、シピオン酸テストステロン、デカン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、イソカプロン酸テストステロン、フェニルプロピオン酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデシル酸テストステロン、5α−ジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(プラステロン及びDHEAとも呼ばれる)、アンドロステンジオン、アンドロスタンジオール、アンドロステロン、アンドロステノロン、エナント酸プラステロン、プラステロン硫酸ナトリウム、オルメロキシフェン、メステロロン、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、ゲストリノン、デルマジノン、酢酸デルマジノン、クロルマジノン、酢酸クロルマジノン、ダナゾール及びテストラクトンからなる群より選択されるアンドロゲン;
xvii エストラジオール、安息香酸エストラジオール、シピオン酸エストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール、エナント酸エストラジオール、ヘキサヒドロ安息香酸エストラジオール、フェニルプロピオン酸エストラジオール、吉草酸エストラジオール、リン酸ポリエストラジオール、エストリオール、エストリオールコハク酸ナトリウム、コハク酸エストリオール、リン酸ポリステロール、キネストラドール、エチニルエストラジオール、エストラプロニケート、メストラノール、エストラプロニケート及びエキリンからなる群より選択されるエストロゲン;
xviii プロゲステロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、エナンノ酸ノルエチステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸デルマジノン、酢酸フルゲストン、ジドロゲステロン、デソゲストレル、ノルゲストレル、レボノールジェストレル、ジドロゲステロン、ゲストデン、酢酸クロルマジノン、ジエノゲスト、ドロスピレノン、リネストレノール、チボロン、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸ノメゲストロールからなる群より選択されるプロゲストゲン;
xix ステロイドホルモンのインヒビター;
xx フィナステリド、デュタステリド及びスピロノラクトンからなる群より選択されるステロイドホルモンのインヒビター;
xxi ビタミンD
xxii カルシオールの生物学的活性を定性的に示すステロイド;
xxiii コレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、1α,25−ジヒドロキシエルゴカルシフェロール、22,23−ジヒドロエルゴカルシフェロール、1,24,25−トリヒドロキシコレカルシフェロール、プレビタミンD、タキステロール−3(タカルシオールとも呼ばれる)からなる群より選択されるビタミンD;
xxiv ビタミンD類似体;
xxv イソビタミンD、ジヒドロタキステロール−3、(1S)−ヒドロキシカルシオール、(24R)−ヒドロキシカルシジオール、25−フルオロカルシオール、エルカルシジオール、エルタカルシオール、(5E)−イソカルシオール、22,23−ジヒドロエルカルシオール、(24S)−メチルカルシオール、(5E)−(10S)−10,19−ジヒドロエルカルシオール、(24S)−エチルカルシオール及び(22E)−(24R)−エチル−22,23−ジデヒドロカルシオール;
xxvi カルシポトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール及びカルシトリオールからなる群より選択されるビタミンD類似体;
xxvii フィトステロイド又はフィトステロール;
xxviii フィトステロイド、フィトステロール、フィトスタノール、エクジソン、ウィタノリド、ステリン、ステロイドサポニン及びソフラボノイドのファミリーのうちの1つから誘導又は抽出されるステロイド;
xxix アルファ−シトステロール、ベータ−シトステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、アルファ−シトスタノール、ベータ−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、アベノステロール、ブラッシカステロール、デスモステロール、カリノステロール、ベータ−エクジソン、ウイタフェリンA、ベータ−シトステリン、スチグマステリン、カンペステリン、エルゴステリン、ジオスゲニン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ムリステロン、ポリフェラステロール、クリオナステロール、カンペスタノール及びシクロアルテノールからなる群より選択されるステロイド;
xxx ステロイドを含有する植物油又は植物抽出物;並びに
xxxi 堅果種子、芽出し種子及び子実(例えば、アルファルファ)、オオアザミ、イチョウ、ノコギリパルメット、ニンジン属、エゾウコギ、ウイキョウ、シミシフガラセモーサ、カンゾウ、ムラサキツメクサ、セージ、サルサパリラ、サッサフラス、トウヨウアンゼリカ、ノコギリソウ、イチサウ属、トウヨウアンゼリカ、ヨーロッパカンゾウ、セイヨウオトギリソウ、ラレア属、ニンジン属、ジャマイカドッグウッド、オオバコハーブ、ノコギリヤシ、ヒレハリソウ属、セイヨウタンポポ、アカツメクサ、ダミアナ、フキタンポポ、セイヨウカノコソウ、アメリカ産ガマズミ及びカレンデュラからなる群より選択される植物油又は植物抽出物
からなる群より選択される、請求項1記載のキット。
【請求項11】
ステロイドの濃度範囲が、(i)約0.005%〜約0.5%;(ii)約0.5%〜約2%;(iii)約2%〜約5%;及び(iv)約5%〜約12%の群から選択される、請求項1記載のキット。
【請求項12】
乳剤の水相中のステロイドの溶解度が、以下:
(i)溶質1部に1部未満の溶媒を必要とする;
(ii)溶質1部に1〜10部の溶媒を必要とする;
(iii)溶質1部に10〜30部の溶媒を必要とする;
(iv)溶質1部に30〜100部の溶媒を必要とする;
(v)溶質1部に100〜1000部の溶媒を必要とする;及び
(vi)溶質1部に10,000部以上の溶媒を必要とする
からなる群より選択される、請求項2記載のキット。
【請求項13】
乳剤の油相中のステロイドの溶解度が、以下:
(i)溶質1部に1部未満の溶媒を必要とする;
(ii)溶質1部に1〜10部の溶媒を必要とする;
(iii)溶質1部に10〜30部の溶媒を必要とする;
(iv)溶質1部に30〜100部の溶媒を必要とする;
(v)溶質1部に100〜1000部の溶媒を必要とする;及び
(vi)溶質1部に10,000部以上の溶媒を必要とする
からなる群より選択される、請求項2記載のキット。
【請求項14】
ステロイドが乳剤の少なくとも1つの相に溶解する、請求項2記載のキット。
【請求項15】
ステロイドが組成物中に懸濁している、請求項1又は2記載のキット。
【請求項16】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そして起泡性組成物のpHが、約7〜約10である、請求項1記載のキット。
【請求項17】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そして起泡性組成物のpHが、約7.5〜約9である、請求項16記載のキット。
【請求項18】
起泡性組成物が、pHレベルを約7〜約10に維持するのに適切な緩衝剤を含有する、請求項16記載のキット。
【請求項19】
起泡性組成物が、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、免疫調整剤、ホルモン剤、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンB、ビタミンB誘導体、ビタミンC、ビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミンF、ビタミンF誘導体、ビタミンK、ビタミンK誘導体、創傷治癒剤、殺菌剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、アルファヒドロキシル酸、乳酸、グリコール酸、ベータ−ヒドロキシ酸、タンパク質、ペプチド、ニューロペプチド、アレルゲン、免疫原性物質、ハプテン、酸化剤、酸化防止剤、ジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、 アジピン酸、フマル酸、レチノイド、抗増殖剤、抗癌剤、光力学療法剤、塩化ベンゾイル、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、しわ防止剤、ラジカルスカベンジャー、金属、銀、金属酸化物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、シリコーンオキシド、タルク、炭素、しわ防止剤、美白剤、皮膚保護剤、マスキング剤、いぼ取り剤、リファッティング剤、湿潤剤、及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの追加の非ステロイド性治療剤を更に含む、請求項1記載のキット。
【請求項20】
界面活性剤の濃度が約0.1%〜約5%である、請求項1記載のキット。
【請求項21】
界面活性剤が、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と少なくとも1つのイオン性界面活性剤との約100:1〜6:1の範囲の比率の混合物を含む、請求項1記載のキット。
【請求項22】
界面活性剤が、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤の1:1〜20:1の比率の組み合わせを含む、請求項1記載のキット。
【請求項23】
乳剤が油中水乳剤であり、界面活性剤のHLBが、約9〜約14である、請求項2記載のキット。
【請求項24】
乳剤が水中油乳剤であり、界面活性剤のHLBが、約2〜約9である、請求項2記載のキット。
【請求項25】
界面活性剤が、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤及び9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含み、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の比が、1:8〜8:1である、請求項1記載のキット。
【請求項26】
高分子剤が、水溶性セルロースエーテル及び天然に生じるポリマー物質からなる群より選択される、請求項1記載のキット。
【請求項27】
水溶性セルロースエーテルが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンガム、イナゴマメガム及びトラガカントガムからなる群より選択される、請求項26記載のキット。
【請求項28】
i.ステロイド;
ii.治療活性油;
iii.界面活性剤;
iv.約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤からなる群より選択される少なくとも1つの高分子添加剤;
v.水;及び
vi.組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤
を含み、
ここで組成物が乳剤である、
治療起泡性組成物。
【請求項29】
炭素鎖に15個以上の炭素を有する脂肪アルコール;炭素鎖に16個以上の炭素を有する脂肪酸;蜜ロウに由来し、その大部分が炭素鎖に少なくとも20個の炭素原子を有するアルコール類の混合物を含む脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪酸;分岐鎖脂肪アルコール;分岐鎖脂肪酸;ヒドロキシル基で置換されている脂肪酸;セチルアルコール;ステアリルアルコール;アラキジルアルコール;ベヘニルアルコール;1−トリアコンタノール;ヘキサデカン酸;ステアリン酸;アラキジン酸;ベヘン酸;オクタコサン酸;12−ヒドロキシステアリン酸及びこれらの混合物からなる群より選択される治療活性泡佐剤を、約0.1重量%〜約5重量%で更に含む、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
乳剤の水相中のステロイドの溶解度が、以下:
(i)溶質1部に1部未満の溶媒を必要とする;
(ii)溶質1部に1〜10部の溶媒を必要とする;
(iii)溶質1部に10〜30部の溶媒を必要とする;
(iv)溶質1部に30〜100部の溶媒を必要とする;
(v)溶質1部に100〜1000部の溶媒を必要とする;及び
(vi)溶質1部に10,000部以上の溶媒を必要とする
からなる群より選択される、請求項28又は29記載の組成物。
【請求項31】
乳剤の油相中のステロイドの溶解度が、以下:
(i)溶質1部に1部未満の溶媒を必要とする;
(ii)溶質1部に1〜10部の溶媒を必要とする;
(iii)溶質1部に10〜30部の溶媒を必要とする;
(iv)溶質1部に30〜100部の溶媒を必要とする;
(v)溶質1部に100〜1000部の溶媒を必要とする;及び
(vi)溶質1部に10,000部以上の溶媒を必要とする
からなる群より選択される、請求項28又は29記載の組成物。
【請求項32】
ステロイドが乳剤の少なくとも1つの相に溶解する、請求項28又は29記載の組成物。
【請求項33】
ステロイドが組成物中に懸濁している、請求項28又は29記載の組成物。
【請求項34】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そしてpHが、約7〜約10である、請求項28記載の組成物。
【請求項35】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そしてpHが、約7.5〜約9である、請求項34記載の組成物。
【請求項36】
組成物が、pHレベルを約7〜約10に維持するのに適切な緩衝剤を含有する、請求項34記載の組成物。
【請求項37】
起泡性組成物が、少なくとも1つの追加的な非ステロイド性治療剤を更に含む、請求項28又は29記載の組成物。
【請求項38】
追加的な非ステロイド性治療剤が、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、ステロイド性抗炎症剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、免疫調整剤、ホルモン剤、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンB、ビタミンB誘導体、ビタミンC、ビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミンF、ビタミンF誘導体、ビタミンK、ビタミンK誘導体、創傷治癒剤、殺菌剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、アルファヒドロキシル酸、乳酸、グリコール酸、ベータ−ヒドロキシ酸、タンパク質、ペプチド、ニューロペプチド、アレルゲン、免疫原性物質、ハプテン、酸化剤、酸化防止剤、ジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、 アジピン酸、フマル酸、ステロイド、抗増殖剤、抗癌剤、光力学療法剤、塩化ベンゾイル、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、しわ防止剤、ラジカルスカベンジャー、金属、銀、金属酸化物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、タルク、炭素、しわ防止剤、美白剤、皮膚保護剤、マスキング剤、いぼ取り剤、リファッティング剤、湿潤剤、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項37記載の組成物。
【請求項39】
組成物がワセリンを含有しない、請求項28記載の組成物。
【請求項40】
皮膚、体腔又は粘膜表面の障害を治療、緩和又は予防する方法であり、障害が、その病因の1つとして炎症を含む方法であって、
障害を有する被験者に、下記:
a)ステロイド;
b)約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、極性溶媒、皮膚軟化剤及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの有機担体;
c)約0.1重量%〜約5重量%の界面活性剤;
d)約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤から選択される高分子添加剤;及び
e)水
を含む起泡性組成物を局所適用することを含み、
ステロイドが治療有効量で投与される方法。
【請求項41】
組成物が、炭素鎖に15個以上の炭素を有する脂肪アルコール;炭素鎖に16個以上の炭素を有する脂肪酸;蜜ロウに由来し、その大部分が炭素鎖に少なくとも20個の炭素原子を有するアルコール類の混合物を含む脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪アルコール;少なくとも1つの二重結合を有する脂肪酸;分岐鎖脂肪アルコール;分岐鎖脂肪酸;ヒドロキシル基で置換されている脂肪酸;セチルアルコール;ステアリルアルコール;アラキジルアルコール;ベヘニルアルコール;1−トリアコンタノール;ヘキサデカン酸;ステアリン酸;アラキジン酸;ベヘン酸;オクタコサン酸;12−ヒドロキシステアリン酸及びこれらの混合物からなる群より選択される治療活性泡佐剤を、約0.1重量%〜約5重量%で更に含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
起泡性組成物が、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、ステロイド性抗炎症剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、免疫調整剤、ホルモン剤、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンB、ビタミンB誘導体、ビタミンC、ビタミンC誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体、ビタミンF、ビタミンF誘導体、ビタミンK、ビタミンK誘導体、創傷治癒剤、殺菌剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、アルファヒドロキシル酸、乳酸、グリコール酸、ベータ−ヒドロキシ酸、タンパク質、ペプチド、ニューロペプチド、アレルゲン、免疫原性物質、ハプテン、酸化剤、酸化防止剤、ジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、 アジピン酸、フマル酸、ステロイド、抗増殖剤、抗癌剤、光力学療法剤、塩化ベンゾイル、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、しわ防止剤、ラジカルスカベンジャー、金属、銀、金属酸化物、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、タルク、炭素、しわ防止剤、美白剤、皮膚保護剤、マスキング剤、いぼ取り剤、リファッティング剤、湿潤剤、及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの追加的な非ステロイド性治療剤を更に含む、請求項40記載の方法。
【請求項43】
障害が、皮膚疾患、皮膚炎、腟障害、外陰障害、肛門障害、体腔障害、頭蓋腔、胸腔、腹腔、筋腹腔、膣、直腸及び陰茎の腔、尿路、鼻腔、口腔、眼球、耳腔、腹膜、大及び小腸、盲腸、膀胱及び胃、子宮と卵管との間の腔、卵巣の障害、呼吸器系の障害、手術後癒着、細菌感染、真菌感染、ウイルス感染、皮膚疾患、皮膚炎、寄生虫感染、毛嚢及び皮脂腺の障害、丘疹落屑疾患、良性腫瘍、悪性腫瘍、太陽光に対する反応、水疱性疾患、色素沈着障害、角化障害、圧迫性壊死、発汗障害、炎症性反応、乾皮症、魚鱗癬、アレルギー、熱傷、創傷、切り傷、クラミジア感染症、淋病感染、B型肝炎、ヘルペス、HIV/AIDS、 ヒトパピローマウイルス(HPV)、生殖器疣、細菌性腟症、カンジダ症、軟性下疳、鼡径肉芽腫、性病性リンパ肉芽腫症、粘液膿性子宮頸管炎(MPC)、伝染性軟属腫、非淋菌性尿道炎(NGU)、トリコモナス症、外陰障害、外陰部痛(vulvodynia)、外陰疼痛(vulvar pain)、イースト菌感染症、外陰ジストロフィー、外陰上皮内新生腫瘍(VIN)、接触皮膚炎、骨関節症、関節痛、ホルモン障害、骨盤内炎症、子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎、生殖器癌、子宮頸癌、外陰部の癌、膣の癌、膣の乾燥、性交疼痛症、肛門及び直腸の疾患、肛門周囲膿瘍/肛門瘻、肛門癌、肛門裂傷、肛門疣、クローン病、痔核、肛門かゆみ、肛門そう痒症、大便失禁、便秘、結腸及び直腸のポリープ、外耳炎、中耳炎、鼻炎及び静脈洞炎からなる群より選択される、請求項40又は42記載の方法。
【請求項44】
組成物が、異常に対して有効であるステロイドの経皮又は経粘膜送達を提供することによって非表在性異常の治療に有用である、請求項40記載の方法。
【請求項45】
異常がステロイドホルモンの治療に反応する障害である、請求項40記載の方法。
【請求項46】
異常が、男性及び女性における性機能障害、アンドロゲン欠乏症、エストロゲン欠乏症、成長障害、性機能低下症、癌、血管運動性の症状、閉経期の障害、外陰及び膣萎縮、尿道炎、エストロゲン低下、骨関節症、骨粗鬆症、子宮出血、男性型多毛症、男性化、卵巣腫瘍、視床下部下垂体系疾患、精巣腫瘍、前立腺癌、下垂体機能低下症、クラインフェルター症候群、精巣性女性化症、精巣切除、閉経に関連する血管運動性の症状、代謝異常及び感情障害からなる群より選択される、請求項45記載の方法。
【請求項47】
組成物が浸透向上剤を更に含有する、請求項28記載の起泡性組成物。
【請求項48】
界面活性剤が、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との組み合わせを含み、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の比が、1:8〜8:1である、請求項40記載の皮膚、体腔又は粘膜表面の障害を治療、緩和又は予防する方法。
【請求項49】
i.ステロイド;
ii.約2重量%〜約50重量%の濃度で、疎水性有機担体、皮膚軟化剤及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの有機担体;
iii.界面活性剤;
iv.約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤からなる群より選択される少なくとも1つの高分子添加剤;
v.水;及び
vi.組成物全体の約3重量%〜約25重量%の濃度で、液化又は圧縮ガス噴射剤を含み、ここで組成物が乳剤である、
治療起泡性組成物。
【請求項50】
界面活性剤が、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との組み合わせを含み、9未満のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と9以上のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の比が、1:8〜8:1である、請求項49記載の治療起泡性組成物。
【請求項51】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そしてpHが、約7〜約10である、請求項49記載の組成物。
【請求項52】
ステロイドが、ビタミンD又はその類似体若しくは誘導体であり、そして組成物のpHが、約7.5〜約9である、請求項51記載の組成物。
【請求項53】
組成物が、pHレベルを約7〜約10に維持するのに適切な緩衝剤を含有する、請求項51記載の組成物。
【請求項54】
(i)油相、及び水を含有する水相、及び約9〜約16のHLB値を有する界面活性剤、(ii)ステロイド(ステロイドは組成物に可溶性であるが、水と組成物の油相の両方には不溶性である)、(iii)極性有機溶媒と、約2重量%〜約50重量%の濃度の、疎水性有機担体、皮膚軟化剤及びこれらの混合物からなる群より選択されると少なくとも1つの有機担体とを含む有機担体、並びに任意にて(iv)約0.01重量%〜約5重量%の、生体付着剤、ゲル化剤、被膜形成剤及び相変化剤から選択される高分子添加剤、を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−539222(P2008−539222A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508350(P2008−508350)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002832
【国際公開番号】WO2007/012977
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(506038039)フォーミックス エルティーディー. (7)
【Fターム(参考)】