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ステロイド性抗炎症薬含有外用剤
説明

ステロイド性抗炎症薬含有外用剤

【課題】
本発明は、アトピー性皮膚炎に用いるステロイド性抗炎症薬の安定性を向上させることを目的とするものである。
【解決手段】
ステロイド性抗炎症薬にパンテノールを併用することにより、経時的に含量が低下するステロイド性抗炎症薬の安定性を向上することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステロイド性抗炎症薬の安定性を向上した外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイド性抗炎症薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静しうる薬剤で、その有効性と安全性が科学的に立証され、広く用いられている(非特許文献1)。ステロイド性抗炎症薬の中で中程度の強さを持つクロベタゾンン酪酸エステルは、比較的軽い症状に用いる薬剤であり、長期的にも安定であるといわれている薬物である(非特許文献2)。
【0003】
ステロイド性抗炎症薬を配合した外用剤として、エステル系ステロイドと生理活性成分を含有する皮膚外用剤組成物(特許文献1)などが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本皮膚科学会編「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
【非特許文献2】キンダベートインタビューフォーム
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−184951
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ステロイド性抗炎症薬の安定性を向上させることを目的とするものである。本発明者らは、ステロイド性抗炎症薬は保存中に経時的に分解が進行することを見出した。特に、pH6以上の条件では分解が進行し、経時的に含有量が低下するという驚くべき知見を得た。本発明の目的は、ステロイド性抗炎症薬の経時的な分解を顕著に抑制し、製品価値の高いステロイド性抗炎症薬含有外用剤を提供することにある。
【0007】
今までにステロイド性抗炎症薬、特にクロベタゾン酪酸エステルを安定に含有させた外用剤において、特にpH6以上の条件においては十分実用性のある安定化された組成物について報告された例はない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ステロイド性抗炎症薬にパンテノールを併用することにより、経時的に含量が低下するステロイド性抗炎症薬の安定性を向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
(1)a)ステロイド性抗炎症薬、及びb)パンテノールを含有する外用組成物、
(2)pHが6以上である請求項1に記載の外用組成物、
(3)a)ステロイド性抗炎症薬がクロベタゾン酪酸エステルである請求項1又は2に記載の外用組成物、
(4)水性ローション剤である請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ステロイド性抗炎症薬とパンテノールを組み合わせることによって、pH6以上での経時的なステロイド性抗炎症薬の含量低下を抑制することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いるステロイド性抗炎症薬は、それぞれアトピー性皮膚炎に用いるもので、医薬品に用いられる品質のものを適宜使用することができる。ステロイド性抗炎症薬の例としては、例えば、ベタメタゾン、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ベクロメタゾン、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、モメタゾン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、クロベタゾール、クロベタゾールプロピオン酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン吉草酸エステル、ジフルコルトロン、クロベタゾン、クロベタゾン酪酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、プロピオン酸デプロドン等を挙げることができ、これらのステロイド性抗炎症薬を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。本発明のステロイド性抗炎症薬は、好ましくはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、クロベタゾン、クロベタゾン酪酸エステルであり、さらに好ましくはクロベタゾン酪酸エステルである。
【0012】
本発明で配合するステロイド性抗炎症薬は、外用組成物として配合される一般的な量を配合することができ、具体的には、製剤全体の0.01〜1.0重量%であり、好ましくは0.05重量%である。
【0013】
パンテノールは、皮膚組織修復作用や消炎作用と目的として、種々医薬品や化粧品に配合されている。
【0014】
本発明で配合するパンテノールは、外用組成物として配合される一般的な量を配合することができ、具体的には、製剤全体の0.1〜10重量%である。
【0015】
また、本発明の外用組成物におけるpHは、酸及び/又は塩基により調整し、ステロイド性抗炎症薬の安定性の面から、pH6以上であることが好ましい。
【0016】
本発明において、pH調節剤は、特に制限されないが、通常外用剤に配合される適当な酸及び/又は塩基を使用することができる。そのようなpH調節剤の例としては、例えば、クエン酸、塩酸、乳酸、リン酸、酒石酸、グルコン酸等の酸や、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム等の塩基を挙げることができる。pH調節の際には、これらのpH調節剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明の外用組成物の剤形は、特に限定されるものではないが、例えば、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤等が挙げられ、より具体的には皮膚適用製剤等として使用することができる。これらは公知の方法で製造することができる。製造に際しては、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有効成分及び医薬品に含有可能な種々の添加物を配合することができる。
【0018】
有効成分として例えば、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、消炎鎮痛剤、殺菌剤、保湿剤、局所麻酔剤、清涼化剤、血管収縮剤、ビタミン、アミノ酸などがあげられる。また基剤成分として、精製水やアルコールなどの溶剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、抗酸化剤、香料、色素等の添加物を適宜添加してもよい。
【0019】
以下に、実施例、比較例及び試験例を示し、本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
エタノール25gにクロベタゾン酪酸エステル0.025gを溶解後、パンテノールを0.5g添加して撹拌した。そこに0.2%クエン酸ナトリウム水溶液及び10%クエン酸水溶液を適量加えてpHを6に調整した。その後、精製水で全50gとした。
【0021】
(実施例2)
エタノール25gにクロベタゾン酪酸エステル0.025gを溶解後、パンテノールを0.5g添加して撹拌した。そこに0.2%クエン酸ナトリウム水溶液及び10%クエン酸水溶液を適量加えてpHを8に調整した。その後、精製水で全50gとした。
【0022】
(比較例1)
エタノール25gにクロベタゾン酪酸エステル0.025gを溶解させた。そこに0.2%クエン酸ナトリウム水溶液及び10%クエン酸水溶液を適量加えてpHを6に調整した。その後、精製水で全50gとした。
【0023】
(比較例2)
エタノール25gにクロベタゾン酪酸エステル0.025gを溶解させた。そこに0.2%クエン酸ナトリウム水溶液及び10%クエン酸水溶液を適量加えてpHを8に調整した。その後、精製水で全50gとした。
【0024】
(試験例)
実施例1〜2、比較例1〜2について、65℃1週間又は2週間保存した後にクロベタゾン酪酸エステルの含有量を測定した結果を表1、表2に示す。含有量の値は、5℃保存品の含量を100%として算出した。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
本発明にかかる実施例1、2の外用剤は、比較例の外用剤と比較してクロベタゾン酪酸エステルの安定性が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、ステロイド性抗炎症薬の安定性を向上することができたので、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤をはじめとする外用剤に使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ステロイド性抗炎症薬、及びb)パンテノールを含有する外用組成物。
【請求項2】
pHが6以上である請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
a)ステロイド性抗炎症薬がクロベタゾン酪酸エステルである請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
水性ローション剤である請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。

【公開番号】特開2013−56842(P2013−56842A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195693(P2011−195693)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】