説明

ステータコア及びこれを備えるスピンドルモータ

【課題】本発明はステータコア及びこれを備えるスピンドルモータに関する。
【解決手段】本発明の一実施例によるステータコアは中央孔が形成されたコアバックと、上記コアバックから半径方向に延長形成される複数個のティースと、上記複数個のティースのそれぞれから円周方向に延長形成される延長部を備えるコアが複数個積層されて形成され、複数個の上記コアの少なくとも1つにはコギングトルクを低減させるために貫通孔が形成され、上記貫通孔は上記延長部に形成されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステータコア及びこれを備えるスピンドルモータに関し、より詳細にはコイルが巻線されるステータコア及びこれを備えるスピンドルモータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に記録ディスク駆動装置(Hard disk drive、HDD)に用いられる小型スピンドルモータはローターとステータで構成されることができる。
【0003】
ローターはステータに支持されて回転される回転部材を意味し、マグネットが設けられるローターハブを含んで構成されることができる。
【0004】
ステータはマグネットに対向配置されるステータコアを含んで構成されることができ、ローターを回転可能に支持する固定部材を意味する。
【0005】
また、ステータに含まれるステータコアには外部から電源が供給されるコイルが巻線される。
【0006】
そして、ローターハブは、マグネットとコイルが巻線されたステータコアの電磁気的相互作用により回転することができる。即ち、コイルに電源が供給されると、ステータコアとマグネットの電磁気的相互作用によりローターハブが回転する。
【0007】
また、図1に示されたようにステータコア10は環状のコアバック12と、コアバック12から延長形成されるティース14を備え、ティース14の端部にはマグネット20との対向面積を増加させるために、半径方向に延長形成される延長部16が形成されることができる。
【0008】
一方、ステータコア10の延長部16は所定間隔離隔されて配置され、これにより、延長部16の間には開放された領域aが形成される。
【0009】
しかし、ローターハブに設けられるマグネット20がローターハブとともに回転すると、延長部16と、延長部16の間に形成された開放された領域aにより磁束分布の大きさが変化し、磁束変化量によりコギングトルク(cogging torque)が発生する。
【0010】
これにより、ローターハブの回転時、振動と騒音が生じるという問題がある。
【0011】
一方、このような振動と騒音発生の原因となるコギングトルクを低減させるために、図2に示されたように延長部16の先端に溝16aを形成する技術が開発された。しかしながら、この場合、延長部16の先端とマグネット20の内部面間の間隔gが一定でないため、ローターハブの回転時、不規則な空気流動が発生する。
【0012】
これにより、風きり音などのような騒音がさらに発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、コギングトルクを低減させることができるステータコア及びこれを備えるスピンドルモータを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は騒音及び振動発生を低減させることができるステータコア及びこれを備えるスピンドルモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施例によるステータコアは中央孔が形成されたコアバックと、上記コアバックから半径方向に延長形成される複数個のティースと、上記複数個のティースのそれぞれから円周方向に延長形成される延長部を備えるコアが複数個積層されて形成され、複数個の上記コアの少なくとも1つにはコギングトルクを低減させるために貫通孔が形成され、上記貫通孔は上記延長部に形成されることができる。
【0016】
複数個の上記コアのうち最上部に積層されるコアは、下部に積層されるコアに備えられる上記貫通孔を閉鎖することができる。
【0017】
上記コアの全てに上記貫通孔が形成され、上記貫通孔は充填材により閉鎖されることができる。
【0018】
上記貫通孔はコギングトルクを低減させるために軸方向に向かって形成されることができる。
【0019】
上記貫通孔は円形で、上記貫通孔の直径と上記延長部間の間隔は0.5〜1:1の比を有することができる。
【0020】
本発明の一実施例によるスピンドルモータは、マグネットが内部面に装着されるローターハブを備える回転部と、上記回転部を回転可能に支持し、上記マグネットと対向配置されるステータコアを備える固定部とを含み、上記ステータコアは中央孔が形成されたコアバックと、上記コアバックから半径方向に延長形成される複数個のティースと、上記複数個のティースのそれぞれから円周方向に延長形成される延長部を備えるコアが複数個積層されて形成され、複数個の上記コアの少なくとも1つにはコギングトルクを低減させるために貫通孔が形成され、上記貫通孔は上記延長部に形成されることができる。
【0021】
上記固定部は上記ステータコアが設けられる設置部を有するベース部材と、上記設置部に固設されるスリーブをさらに備え、上記ステータコアは上記延長部の先端が上記マグネットに対向配置されるように上記設置部の外周面に固設されることができる。
【0022】
上記回転部は上記スリーブに回転可能に設けられ、上端部に上記ローターハブが装着されて上記ローターハブと連動して回転するシャフトをさらに備え、上記貫通孔は上記シャフトと平行に形成されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、延長部に形成される貫通孔によりコギングトルクを低減させることができる効果がある。
【0024】
また、貫通孔が延長部の内側に配置されるように形成されることで、マグネットの回転時に発生する不規則な空気流動による騒音を減少させることができる効果がある。
【0025】
また、マグネットの回転時、貫通孔を貫通して空気が流動することを防ぐことで、貫通孔を通過する空気による騒音及び振動発生を減少させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術によるステータコアを示す平面図である。
【図2】従来技術によるステータコアを示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図4】本発明の一実施例によるステータコアを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例によるステータコアとマグネットを示す平面図である。
【図6】本発明の一実施例によるステータコアと従来技術によるステータコアのコギングトルクを比較したグラフである。
【図7】本発明の一実施例によるステータコアと従来技術によるステータコアのトルク定数を比較したグラフである。
【図8】本発明の一実施例によるステータコアに備えられる貫通孔の直径とステータコアの延長部間の間隔の比によるコギングトルクの変化を説明するためのグラフである。
【図9】本発明の一実施例によるステータコアと貫通孔が閉鎖されないステータコアとにより発生する騒音を説明するためのグラフである。
【図10】本発明の他の実施例によるステータコアを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除などを通じて、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができ、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【0028】
また、本発明を説明するにおいて、係る公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断された場合は、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図3は本発明の一実施例によるスピンドルモータを示す概略断面図である。
【0030】
図3を参照すると、本発明の一実施例によるスピンドルモータ100は、一例に、固定部120と回転部160を含んで構成されることができる。
【0031】
固定部120は回転部160を回転可能に支持し、固定部120はベース部材130、スリーブ140及びステータコア200を含んで構成されることができる。
【0032】
先ず、ベース部材130はスリーブ140が挿設される設置部132を備えることができる。また、設置部132にはスリーブ140が挿設されるように設置孔132aが形成される。
【0033】
即ち、スリーブ140は設置孔132aに挿入されて固設されることができる。
【0034】
一方、設置部132の外周面にはステータコア200を設けるための段差部132bを備えることができる。即ち、ステータコア132は設置部132の外周面に形成される段差部132bに装着された状態で設置部132に固設されることができる。
【0035】
スリーブ140は設置部132に固設され、中央に挿入孔142が形成されるように中空の円筒状であることができる。
【0036】
また、スリーブ140の下端部には潤滑流体の漏れを防ぐためのカバー部材114を設けることができる。このためにスリーブ140の底面には湾入部144が形成されることができる。即ち、カバー部材114は湾入部144に固設されることができる。
【0037】
また、スリーブ140の上端部にはキャップ部材150を設けるための外壁部146を備えることができる。一方、キャップ部材150は回転部160とともに潤滑流体と空気との界面が形成されるようにする役割をする。これに対する詳しい説明は後述する。
【0038】
回転部160はマグネット116が内部面に装着されるローターハブ190を備えることができる。一方、回転部160はシャフト170、スラストプレート180及びローターハブ190を含んで構成されることができる。
【0039】
ここで、方向に対する用語を定義すると、軸方向は図1からみて、上下方向、即ち、シャフト170の下部側から上部側に向かう方向、又はシャフト170の上部側から下部側に向かう方向を意味する。また、半径方向は図1における左右方向、即ち、ローターハブ190の外周面からシャフト170に向かう方向、又はシャフト170からローターハブ190の外周面に向かう方向を意味し、円周方向はローターハブ190の外周面に沿って回転する方向を意味する。
【0040】
シャフト170はスリーブ140に回転可能に設けることができる。即ち、シャフト170はスリーブ140の挿入孔142に挿設され、このとき、シャフト170の外周面とスリーブ140の内周面は所定間隔離隔されて配置されてベアリング隙間を形成する。
【0041】
そして、該ベアリング隙間にはシャフト170の回転時に流体動圧を発生させるように潤滑流体が充填されることができる。
【0042】
一方、シャフト170の外周面とスリーブ140の内周面の少なくとも1つにはシャフト170の回転時に潤滑流体をポンピングして流体動圧を発生させる動圧グルーブ(不図示)が形成されることができる。
【0043】
即ち、シャフト170の回転時、動圧グルーブによりシャフト170を支持する流体動圧が発生し、結局、シャフト170がより安定的に回転することができる。
【0044】
スラストプレート180はシャフト170に固設され、シャフト170の回転時にシャフト170とともに回転する。また、スラストプレート180はスリーブ140の上面に対向するように設けることができる。
【0045】
一方、キャップ部材150の底面とスラストプレート180の上面により潤滑流体と空気との界面が形成されることができる。このために、キャップ部材150の底面の端部には傾斜面が形成されることができる。
【0046】
ローターハブ190はシャフト170の上端部に固定結合され、シャフト170とともに回転する。
【0047】
一方、ローターハブ190はシャフト170が貫通する装着孔192aが形成された円盤状のローターハブボディー192と、ボディー192の端部から軸方向の下部側に延長形成されるマグネット設置部194を備えることができる。
【0048】
また、マグネット設置部194の内周面にはマグネット116が設けられる。即ち、マグネット116はステータコア200の先端に対向配置されるようにマグネット設置部194の内周面に固設される。
【0049】
また、マグネット116は環状であることができ、円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁されて一定強さの磁気力を発生させる永久磁石であることができる。即ち、マグネット116はローターハブ190を回転駆動させるための駆動力を発生させる役割をする。
【0050】
即ち、ステータコア200に巻線されたコイル110に電源が供給されると、コイル110が巻線されたステータコア200とマグネット116の電磁気的相互作用によりローターハブ190を回転駆動させることができる力が発生する。これにより、ローターハブ190が回転駆動される。
【0051】
結局、ローターハブ190の回転によりシャフト170、シャフト170に設けられるスラストプレート180もローターハブ190とともに回転する。
【0052】
ステータコア200は設置部132の外周面に固設される。また、上記のようにステータコア200はマグネット116に対向配置され、マグネット116との電磁気的相互作用によりローターハブ190が回転する駆動力を発生させる役割を行う。
【0053】
ステータコア200に対する詳しい事項は以下の図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0054】
図4は本発明の一実施例によるステータコアを示す斜視図であり、図5は本発明の一実施例によるステータコアとマグネットを示す平面図である。
【0055】
図3から図5を参照すると、本発明の一実施例によるステータコア200はコア210が複数個積層されて形成され、複数個のコア210の少なくとも1つにはコギングトルク(cogging torque)を低減させるために貫通孔250が形成されることができる。
【0056】
一方、コア210はコアバック220、ティース230、延長部240で構成されることができる。
【0057】
コアバック220は設置部132が貫通するための中央孔222を形成する環状であることができる。即ち、コアバック220は円形の環状で、設置部132の外周面に固設されることができる。
【0058】
ティース230はコアバック220から半径方向に延長形成され、複数個を備えることができる。即ち、ティース230は円周方向に沿って複数個が相互離隔されるように半径方向に延長形成されることができる。
【0059】
また、延長部240は複数個のティース230のそれぞれから円周方向に延長形成されることができる。
【0060】
また、コア210の最上部に積層されるコア210を除くコア210の延長部240には、コギングトルクを低減させるための貫通孔250が形成されることができる。
【0061】
そして、延長部240は隣接して配置される他の延長部240と所定間隔離隔されて配置される。即ち、延長部240も所定間隔離隔されて複数個のティース230のそれぞれから延長形成されることができる。
【0062】
即ち、複数個のティース230のそれぞれから延長形成される延長部240のそれぞれも円周方向に所定間隔a離隔されて配置される。
【0063】
一方、延長部240の先端に対向配置されるマグネット116は、ローターハブ190の回転時、ローターハブ190とともに回転する。このようにローターハブ190が回転すると、延長部240に対するマグネット116の磁束分布の大きさと方向が変化し、これにより、延長部240の先端と複数個の延長部240間の空間での磁束変化量によってコギングトルクが発生する。
【0064】
しかし、本発明の一実施例によるステータコア200の延長部240には貫通孔250が形成されるため、コギングトルクを低減させることができる。
【0065】
また、コア210の最上部に積層されるコア210には貫通孔250が形成されないため、ステータコア200に形成される貫通孔250の一側を閉鎖することができる。これにより、ローターハブ190の回転時に貫通孔250を通過する空気の流動を防ぐことができ、貫通孔250を通過して流動する空気によって発生する騒音及び振動を低減させることができる。
【0066】
一方、貫通孔250はコギングトルクを低減させるためにシャフト170と平行に、軸方向に形成されることができる。
【0067】
一例に、貫通孔250は横断面が円形で、貫通孔250の直径dと延長部240間の間隔aは0.5〜1:1の比を有することができる。
【0068】
これに対する詳しい内容は後述する。
【0069】
また、貫通孔250はティース230から延長される延長線上に配置され、延長部240の内部に形成されることができる。即ち、貫通孔250は延長部240の内部に配置されるように形成され、マグネット116の内周面と延長部240の先端により形成されるギャップの変化を減少させることができる。
【0070】
これにより、ローターハブ190の回転時に発生する不規則な空気流動から起こる騒音を低減させることができる。即ち、ローターハブ190の回転時に発生する不規則な空気流動から起こる風きり音を低減させることができる。
【0071】
上記のように、一側が閉鎖される貫通孔250が形成されたステータコア200によりコギングトルクを低減させながら、貫通孔250を通過して流動する空気により発生する騒音及び振動を低減させることができる。
【0072】
以下では図面を参照して本発明の一実施例によるステータコアの効果について説明する。
【0073】
図6は本発明の一実施例によるステータコアと従来技術によるステータコアのコギングトルクとを比較したグラフであり、図7は本発明の一実施例によるステータコアと従来技術によるステータコアのトーク定数とを比較したグラフであり、図8はステータコアに備えられる貫通孔の直径とステータコアの延長部間の間隔の比によるコギングトルクを説明するためのグラフであり、図9は本発明の一実施例によるステータコアと貫通孔が閉鎖されないステータコアにより発生する騒音を示すグラフである。
【0074】
先ず、図6を参照して本発明の一実施例によるステータコアの効果について説明する。
【0075】
一方、図6の縦軸はコギングトルクの大きさを示し、横軸のXは従来のステータコア、即ち、コギングトルクを低減させるための構成を持たないステータコア(図1参照)を示す。そして、横軸のYは従来のステータコア、即ち、コギングトルクを低減させるためにステータコアの先端部に溝が形成されたステータコア(図2参照)を示し、横軸のZは本発明の一実施例によるステータコアを示す。
【0076】
図6に示されたように、従来のステータコアであるX、Yと比べて本発明の一実施例によるステータコアであるZのコギングトルクが低減されることが分かる。
【0077】
一方、図7の縦軸はトーク定数、即ち、回転駆動力の大きさを示すトーク定数を示す。
【0078】
また、図7の横軸は上記図6の横軸と同一のX、Y、Zを示す。
【0079】
図7に示されたように、本発明の一実施例によるステータコアであるZは従来のステータコアであるYと比べてトーク定数が大きいことが分かる。即ち、より大きい回転駆動力を発生させることができる。
【0080】
また、本発明の一実施例によるステータコアであるZは従来のステータコアであるXと比較すると、トーク定数が低いが、Yと比較すると、Xと類似するトーク定数を有することが分かる。
【0081】
図6と図7を参照すると、本発明の一実施例によるステータコアであるZはコギングトルクは低減させながら回転駆動力の大きさの低減を減少させることができることが分かる。
【0082】
また、図8を参照すると、縦軸はコギングトルクを示し、横軸は貫通孔の直径dとステータコアの延長部間の間隔aの比を示す。
【0083】
図8に示されたように、貫通孔の直径とステータコアの延長部間の間隔の比(d/a)が0.5から1の間でコギングトルクが急激に減少することが分かる。
【0084】
また、貫通孔の直径とステータコアの延長部間の間隔の比(d/a)が0.7の部分でコギングトルクが著しく減少することが分かる。
【0085】
従って、貫通孔の直径とステータコアの延長部間の間隔の比(d/a)が0.75の場合、トーク定数(即ち、回転駆動力)の減少が少ないながらもコギングトルクの減少率が最大となるようにすることができる。
【0086】
また、図9を参照すると、図9のSは延長部に両側が開口された貫通孔が形成されたステータコアを示し、Pは延長部に一側が閉鎖された貫通孔が形成されたステータコア、即ち、本発明の一実施例によるステータコアを示す。
【0087】
図9に示されたように、本発明の一実施例によるステータコアは貫通孔の一側が閉鎖され、空気が貫通孔を通過して流動することができないため、騒音発生が減少することが分かる。
【0088】
上記のように、延長部240に貫通孔250が形成されるため、マグネット116の回転時に発生するコギングトルクを低減させることができる。
【0089】
また、延長部240の内部に貫通孔250が形成されるため、マグネット116の内周面と延長部240の先端により形成されるギャップ(gap)が一定であることができ、不規則な空気流動により発生する騒音を減少させることができる。
【0090】
さらに、貫通孔250の直径と延長部240間の間隔の比(d/a)が0.5〜1の比を有するため、コギングトルクをより低減させることができる。
【0091】
また、貫通孔250の一側が閉鎖されるため、マグネット116の回転時に発生する空気流動による騒音発生をより減少させることができる。
【0092】
以下では図面を参照して本発明の他の実施例によるステータコアについて説明する。但し、上記で説明した構成要素と同じ構成要素に対しては詳しい説明を省略し上記説明に代える。
【0093】
図10は本発明の他の実施例によるステータコアを示す斜視図である。
【0094】
図10を参照すると、本発明の他の実施例によるステータコア400はコア410が複数個積層されて形成され、複数個のコア410の少なくとも1つにはコギングトルク(cogging torque)を低減させるために貫通孔450を形成することができる。
【0095】
一方、コア410はコアバック420、ティース430、延長部440で構成されることができる。
【0096】
貫通孔450が形成されている箇所は、コア410を構成する材質の比重よりも比重が軽く構成されるとよい。本実施例においては、コア410の全てに貫通孔450が形成され、貫通孔450は充填材Gにより閉鎖されることができる。充填材Gはアクリル系ボンドまたはエトキシ系ボンドからなることができる。
【0097】
残りの構成は上記本発明の一実施例によるステータコア200に備えられる構成と同一であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0098】
上記のように、充填材Gを貫通孔450に充填して貫通孔450を閉鎖することができるため、マグネット116(図1参照)の回転時に流動する空気が貫通孔450を貫通することができず、流動する空気が貫通孔450を貫通しながら発生される騒音及び振動を低減させることができる。
【符号の説明】
【0099】
100 スピンドルモータ
120 固定部
130 ベース部材
140 スリーブ
150 キャップ部材
160 回転部
170 シャフト
180 スラストプレート
190 ローターハブ
200、400 ステータコア
210、410 コア
220、420 コアバック
230、430 ティース
240、440 延長部
250、450 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央孔が形成されたコアバックと、前記コアバックから半径方向に延長形成される複数個のティースと、前記複数個のティースのそれぞれから円周方向に延長形成される延長部とを備えるコアが複数個積層されて形成され、
複数個の前記コアの少なくとも1つは、前記延長部に貫通孔が形成されるステータコア。
【請求項2】
複数個の前記コアのうち最上部に積層されるコアは、下部に積層されるコアに備えられる前記貫通孔を閉鎖する請求項1に記載のステータコア。
【請求項3】
前記コアの全てに前記貫通孔が形成され、前記貫通孔は充填材により閉鎖される請求項1に記載のステータコア。
【請求項4】
前記貫通孔は回転軸方向に向かって形成される請求項1から3の何れか1項に記載のステータコア。
【請求項5】
前記貫通孔は円形で、前記貫通孔の直径と前記延長部間の間隔は0.5〜1:1の比を有する請求項1から4の何れか1項に記載のステータコア。
【請求項6】
マグネットが内部面に装着されるローターハブを備える回転部と、
前記回転部を回転可能に支持し、前記マグネットと対向配置される請求項1から5の何れか1項に記載のステータコアを備える固定部と
を含むスピンドルモータ。
【請求項7】
前記固定部は、
前記ステータコアが設けられる設置部を有するベース部材と、
前記設置部に固設されるスリーブと
をさらに備え、
前記ステータコアは前記延長部の先端が前記マグネットに対向配置されるように前記設置部の外周面に固設される請求項6に記載のスピンドルモータ。
【請求項8】
前記回転部は前記スリーブに回転可能に設けられ、一方の端部に前記ローターハブが装着されて前記ローターハブと連動して回転するシャフトをさらに備え、
前記貫通孔は前記シャフトと平行に形成される請求項7に記載のスピンドルモータ。
【請求項9】
前記貫通孔は前記ティースから延長される延長線上の前記延長部内部に形成される請求項6から8の何れか1項に記載のスピンドルモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−70592(P2013−70592A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89915(P2012−89915)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】