説明

ステータスモニタプログラム

【課題】プリンタに不測の症状が発生した場合、ユーザが、プリンタに発生した症状に対して適切な対応をとることができるステータスモニタプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】プリンタにおいて発生したエラー状態に関するメッセージを含むダイアログボックスの表示にあたり、エラーコードに対応して表示する複数の表示用データ及び表示用データ各々に対応する表示時間を含むエラー情報表示テーブルを作成・取得し、エラー情報表示テーブルに登録された表示データファイルを読み出し、読み出した表示データファイルに基づいたダイアログボックスを所定の表示時間間隔で、順次切り替えながら表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタのステータスに関連するデータを表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置を利用した印刷が広く行われているが、印刷中にエラーが発生することがある。例えば、画像形成装置の使用者の使用時間を保持する機能を有し、個人情報が識別されたとき、該個人情報の使用者の使用時間に応じて(すなわち、その使用者の装置に対する習熟度に応じて)、エラーメッセージやガイダンスの内容を更新する画像形成装置が提案されている。この画像形成装置によれば、例えば、その使用者の使用時間が短いときには、装置にまだ習熟していないと判断し、エラーメッセージやガイダンスの内容として初歩的なものを含める一方、その使用者の使用時間が長いときには、装置に習熟していると判断し、エラーメッセージやガイダンスの内容として初歩的なものを含めないようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−231309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プリンタの状態を監視し、プリンタに不測の症状が生じた場合、プリンタ又はパーソナルコンピュータに表示される、発生した症状の対応方法はいくつかの手順を経た後、問題が解決できる場合がある。例えば、プリンタのトナー(インク)がなくなった場合、トナー(インク)を交換するためには、概略、所定のカバーを開き、取り付けられたカートリッジを取り外し、新たなカートリッジを取り付け、カバーを閉じるといった手順を実行することにより、問題が解決される。
【0005】
本発明は、プリンタに不測の症状が発生した場合、ユーザが、プリンタに発生した症状に対して適切な対応をとることができるステータスモニタプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題に鑑みなされた本発明は、プリンタのステータスを取得し、時間経過にしたがって、プリンタのステータスに関連する表示用データを順次切り替えて表示することとしたものである。
【0007】
本発明を反映した第1の課題解決手段は、プリンタのステータスを表示装置に表示させるコンピュータが読み取り可能なステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを前記ステータスを取得するステータス取得手段と、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、コンピュータに、プリンタのステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、第2表示用データを第2表示時間、順次切り替えながら表示させることができる。
【0008】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第3表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第3表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第4表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、コンピュータが順次切り替えながら表示する表示用データを、ステータスを取得したインターフェース毎に異なるものとすることができる。
【0009】
第3の課題解決手段は、第1の課題解決手段のステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第3表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第3表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第4表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、コンピュータが順次切り替えながら表示する表示用データの切り替えタイミングを、ステータスを取得したインターフェース毎に異なるものとすることができる。
【0010】
第4の課題解決手段は、第1の課題解決手段のステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第3表示用データを第3表示時間、前記表示装置に表示し、前記第3表示用データを前記第3表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第4表示用データを第4表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、コンピュータが順次切り替えながら表示する表示用データ及びこれら表示用データの切り替えタイミングを、ステータスを取得したインターフェース毎に異なるものとすることができる。
【0011】
第5の課題解決手段は、第1乃至第4の課題解決手段のいずれか1つのステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスが、エラー状態を示すステータスであるかを判断するエラー状態判断手段と、前記エラー状態判断手段がエラー状態を示すステータスであると判断した場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、プリンタに対して何らかの対応をとる必要があるエラー状態である場合において、コンピュータに、エラー状態を示すステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、第2表示用データを第2表示時間、順次切り替えながら表示させることができる。
【0012】
第6の課題解決手段は、第5の課題解決手段のステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスが、エラー状態を示すステータスであるか否かを判断する、前記エラー状態判断手段と、前記エラー状態判断手段がエラー状態を示すステータスでないと判断した場合、取得されたステータスに関連する所定のデータを、前記表示装置に表示しない、前記表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。これによれば、プリンタに対して何らかの対応をとる必要があるエラー状態である場合において、特に、コンピュータに、エラー状態を示すステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、第2表示用データを第2表示時間、順次切り替えながら表示させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プリンタに不測の症状が発生した場合、ユーザが、プリンタに発生した症状に対して適切な対応をとることができるステータスモニタプログラムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。
【0015】
(システムの構成)
図1は、印刷システムを示す図である。図1には2つの印刷システムが構築されている。すなわち、プリンタ100とパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)200により構成された印刷システムが、その1つであり、両者はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル500によりデータ送受信可能に接続(以下、この接続形態を「USB接続」ともいう。)されている。なお、USB接続の他、例えば、赤外線通信、又はワイヤレスUSB(Wireless USB)とすることもできる。他の1つは、プリンタ100、パソコン300及び400により構成された印刷システムであり、これら装置は有線LAN(Local Area Network)ケーブル600でデータ送受信可能に接続されている。なお、有線LANの他、例えば、インフラストラクチャーモードによる無線LANとすることもできる。
【0016】
図2は、図1に示す各装置の機能ブロックを示す図である。以下、各装置についてその構成を説明する。先ず、プリンタ100について説明する。プリンタ100は、自装置の制御を司り、演算処理を実行するCPU、各種プログラムを記憶するROM及び作業領域としてのRAMにより構成される制御部110と、各種処理を実行するための各種プログラム及び各種データを記憶可能な記憶部120と、を備える。記憶部120は、例えば、ハードディスク又は不揮発性のメモリ(EEPROM)で構成されている。ここで、制御部110を構成するCPUがROM又は記憶部120に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理が実行される。その際、RAMには、各種データ、例えば、記憶部120に記憶されたデータが入力され、保持される。CPUは、これらデータを用いた処理を実行するためRAMにアクセスする。したがって、CPUがROM等に記憶されている各種プログラムをRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種機能手段が構成される。
【0017】
また、プリンタ100は、印刷データの印刷を実行する印刷部130と、計時手段としてのタイマ140と、各種情報を表示する表示部150と、データの入力インターフェースとしての機能を実現する操作部160と、を備える。なお、操作部160は、例えば、方向キー、文字入力が可能なテンキーボード及び確定ボタン等により構成される。さらに、プリンタ100は、USB接続のためのインターフェースであるUSBインターフェース(以下、「USBI/F」という。)170、LAN600への接続のためのインターフェースであるネットワークインターフェース(以下、「ネットワークI/F」という。)180を備える。なお、これらインターフェースを介して印刷データを受信し、また各種データが送受信される。
【0018】
次に、パソコン200について説明する。パソコン200は、自装置の制御を司り、CPU、ROM及びRAMにより構成される制御部210と、後述する処理を実行するためのステータスモニタプログラム2202、エラー情報構築プログラム2204、エラー情報表示プログラム2206、エラー情報テーブル2208、エラー情報表示テーブル2210及び表示データファイル2212等を記憶する記憶部220を備える。記憶部220は、例えば、ハードディスクで構成されている。制御部210を構成するCPUが、例えば、操作部230を介して入力されたデータ、記憶部220に記憶されているエラー情報テーブル2208、エラー情報表示テーブル2210及び表示データファイル2212等を用いて、ROM及び記憶部220に記憶されているステータスモニタプログラム2202、エラー情報構築プログラム2204、エラー情報表示プログラム2206をRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種機能手段が構成される。なお、詳細については後述する。
【0019】
また、パソコン200は、各種情報を表示する表示部230と、キーボード及びマウスから構成され、プログラムの実行に用いられる各種データの入力インターフェースとしての機能を実現する操作部240と、USBI/F250と、ネットワークI/F260と、を備える。なお、パソコン200は、ネットワークI/F260を備えるが、図1及び図2の構成においてはLAN600へは接続されていない。
【0020】
パソコン300は、パソコン200と同一の構成を備えている。なお、パソコン300は、ネットワークI/F360を介してLAN600に接続されている一方、USBI/F350を介したUSB接続はなされていない。
【0021】
図3は、パソコン200の記憶部220に記憶されているステータスモニタプログラム2202、エラー情報構築プログラム2204、エラー情報表示プログラム2206、エラー情報テーブル2208、エラー情報表示テーブル2210及び表示データファイル2212の関係を示す図である。主たる処理を実行するためのプログラムであるステータスモニタプログラム2202は、その処理の中でエラー情報構築プログラム2204及びエラー情報表示プログラム2206を起動する。エラー情報構築プログラム2204は、エラー情報テーブル2208を読み込み、これに基づきエラー情報表示テーブル2210を作成する(図6参照)。また、ステータスモニタプログラム2202は、その処理の中でエラー情報表示プログラム2206を起動する。エラー情報表示プログラム2206は、エラー情報構築プログラム2204の実行により作成されたラー情報表示テーブル2210に基づき、このテーブル2210に含まれる表示データファイル2212を所定の順序で順次読み込み、所定時間表示する(図8参照)。
【0022】
図4は、エラー情報テーブル2208を示す図である。エラー情報テーブル2208はプリンタ100との接続形態毎に記憶部120に記憶されている。図4(a)は、USB接続用のエラー情報テーブル2208である。プリンタ100とUSB接続されている場合(パソコン200参照)に、制御部210によって参照される。図4(b)は、ネットワーク接続用のエラー情報テーブル2208である。プリンタ100とLAN600を介して接続されている場合(パソコン300参照)に、制御部210によって参照される。
【0023】
エラー情報テーブル2208は、エラーコード毎に、順次表示される情報を内容とする表示データファイル2212(図4において「表示データ1」等と記載。ここで、例えば、「1」は1番目に表示されるデータであることを示す数字である。以下、表示データ1〜5を識別して説明する場合、例えば、図4の表示データ1を「表示データファイル2212−1」と記載する。)、詳細には、表示データファイル2212が保存されているパスと、各表示データファイル2212が表示される時間を示す表示時間と、が登録されている。例えば、USB接続用のエラー情報テーブル2208のエラーコード「60001」であれば、「E60001_1」が15秒表示され、以下順に、「E60001_2」が15秒、「E60001_3」が15秒、E60001_4」が15秒、「E60001_5」が15秒表示される。また、表示される表示データファイル2212の総数(図4において「ファイル数」と記載)が登録されている。
【0024】
ここで、USB接続用のエラー情報テーブル2208(図4(a))と、ネットワーク接続用のエラー情報テーブル2208(図4(b))と、を比較する。エラーコード「60001」の場合、両テーブルに記載の表示データファイル2212−1〜2212−5は、同一である一方、各データの表示時間は、USB接続用のエラー情報テーブル2208では、全て15秒であるのに対し、ネットワーク接続用のエラー情報テーブル2208では、全て20秒である。したがって、プリンタ100に、USB接続されたパソコン200と、LAN600を介して接続されたパソコン300と、においてエラーコード「60001」が受信された場合、同一のダイアログボックス(表示データファイル2212が両テーブルにおいて同一)が表示されるものの、パソコン200の表示部230では、各ダイアログボックスが15秒毎で順次切り替わり、パソコン300の表示部230では、各ダイアログボックスが20秒毎で順次切り替わる。
【0025】
エラーコード「60002」が受信された場合、パソコン200及び300の各表示部230では、異なるダイアログボックス(表示されるデータ及びデータ数が相違)が、異なるタイミングで順次切り替わりながら表示される。エラーコード「60003」が受信された場合、パソコン200及び300の各表示部230では、異なるダイアログボックス(表示されるデータが相違)が、同一のタイミングで順次切り替わりながら表示される。
【0026】
図5は、パソコン200及び300において実行されるメイン処理のフローを示すものである。制御部210がステータスモニタプログラム2202を起動し、実行することで行われる。なお、パソコン200等の起動にあわせ、制御部210はステータスモニタプログラム2202を自動的に起動する。先ず、制御部210は、接続されたプリンタ100と通信可能であるか否かを、USB接続の場合、USBI/F250を介して、また、LAN600を介した接続の場合、ネットワークI/F260(以下、USBI/F250及びネットワークI/F260を総称して「接続I/F」という。)を介して判断する(S100)。判断の結果、通信できない場合(S100:NO)、制御部210はこの処理を終了(ステータスモニタプログラム2202を終了)する。例えば、プリンタ100の電源がOFFの場合、通信できない。
【0027】
これに対し、通信できる場合(S100:YES)、接続I/Fを介してプリンタ100からプリンタ情報を取得する(S102)。プリンタ情報の取得は、接続I/Fを介して、プリンタ情報の送信をプリンタ100に要求することで、プリンタ100からプリンタ情報が送信され、制御部210は、接続I/Fを制御し、これを受信し、行われる。
【0028】
S104で制御部210は、取得したプリンタ情報により示されるステータスが、エラー状態であるか否かを判断する(S104)。S104の判断は、プリンタ情報にエラーコード(例えば、図4参照)が含まれているか否かで判断する。判断の結果、ステータスがエラー状態でない場合(S104:NO)、制御部210は、処理をS102に移行する。これに対し、エラー状態である場合(S104:YES)、制御部210は、処理をS106に移行し、S102で取得したプリンタ情報を、例えば、記憶部220の所定領域に保存する。そして、制御部210は、エラー情報構築プログラム2204を起動する(S108)。
【0029】
図6は、S108で起動されるエラー情報構築プログラム2204に基づく処理のフローを示す図である。先ず、制御部210は、プリンタ100との接続に使用している使用I/Fの情報を取得し(S200)、取得した使用I/Fに対応したエラー情報テーブル2208(図4参照)から表示データファイル2212のパス及び表示時間を取得する(202)。なお、図5のS106で保存したプリンタ情報に含まれるエラーコードに対応するファイルのパス及び表示時間が取得される。例えば、使用I/FがUSB接続で、図5のS106で保存したエラーコードが「60002」である場合、「E60002_1_USB」及び「30sec」と、「E60002_2_USB」及び「30sec」が取得される(図4参照)。
【0030】
S204で制御部210は、S206で取得したパス及び表示時間をエラー情報表示テーブル2210に登録し(S204)、続けて、登録した表示データファイル2212の数をエラー情報表示テーブル2210に登録し(S206)、この処理を終了する。
【0031】
説明を図5のメイン処理に戻し、S110で制御部210は、エラー情報構築プログラム2204の実行に基づき作成されたエラー情報表示テーブル2210を記憶部220から自身を構成するRAM上に読み出し、処理をS112に移行する。ここで、2パターンのエラー情報表示テーブル2210を図7に例示する。図7(a)は、接続I/FがUSB接続で、図5のS106で保存したエラーコードが「60002」である場合において、作成されるエラー情報表示テーブル2210である。図7(b)は、S200で取得した接続I/FがネットワークI/F260で、S106で保存したエラーコードが「60002」である場合において、作成されるエラー情報表示テーブル2210である。
【0032】
S112で制御部210は、エラー情報表示プログラム2206を起動する。図8は、S112で起動されるエラー情報表示プログラム2206に基づく処理のフローを示す図である。先ず、制御部210は、図5のS110で取得したエラー情報表示テーブル2210から表示データファイル2212の数(N)を取得し(S300)、取得した表示データファイル数(N)が「N>0」の条件を満足するか否かを判断する(S302)。なお、正常な処理が実行されている場合、S302の判断が否定(S302:NO)されることはない。S302の判断が否定された場合(S302:NO)、制御部210は、この処理を終了する。
【0033】
S302の判断が肯定された場合(S302:YES)、制御部210は、ステータスモニタプログラム2202が、引き続き起動(実行)されているか否かを判断する(S304)。判断の結果、終了している場合(S304:NO)、制御部210はこの処理を終了する一方、引き続き起動されている場合(S304:YES)、表示データファイル2212のカウンタ(n)を「1」とし(S306)、エラー情報表示テーブル2210より、n番目(カウンタ(n)=1である場合、1番目)に表示される表示データファイル2212−nの表示時間(T(n))を取得する。図7(a)のエラー情報表示テーブル2210を例に具体的に説明すると、S306で「n=1」にセットされている段階であれば、制御部210は、エラー情報表示テーブル2210から「E60002_1_USB」の表示時間である「30sec」(図7(a)のエラー情報表示テーブル2210において、「E60002_1_USB」が記述された欄の次の欄に記載の表示時間「30sec」)を取得する(S308)。後述するS318を実行後、処理がS308に移行した段階であれば、S318において「n=2」にセットされているため、エラー情報表示テーブル2210から「E60002_2_USB」の表示時間である「30sec」(図7(a)のエラー情報表示テーブル2210において、「E60002_2_USB」が記述された欄の次の欄に記載の表示時間「30sec」)を取得する。
【0034】
S310で制御部210は、表示部230に表示中の表示データファイル2212の表示経過時間(t(n))を取得する。なお、次に説明するS312において、所定の表示データファイル2212の表示が開始された場合、制御部210は、図2において図示していないタイマで表示の経過時間のカウントを開始するため、S310で制御部210は、この経過時間を取得する。なお、S308からS310に移行した場合、取得される経過時間は0秒である。
【0035】
S312で制御部210は、「n」番目の表示データファイル2212、具体的には「n=1」である場合、表示データファイル2212−1を記憶部220から読み出し、このファイル2212−1に基づきダイアログボックスを表示部230に表示する。
【0036】
ここで、S312におけるダイアログボックスの表示を図7と、図9及び図10に基づき、具体的に説明する。先ず、図7(a)のエラー情報表示テーブル2210の場合について説明する。制御部210は、S306で「n=1」がセットされている段階であれば、「E60002_1_USB」と示されるパスに基づき記憶部220から表示データファイル2212−1を読み出し、これに基づき図9(a)のダイアログボックス1を表示する(S312)。後述するS318を実行し、処理がS308に移行された段階であれば、S318で「n=2」がセットされるため、制御部210は、「E60002_2_USB」と示されるパスに基づき記憶部220から表示データファイル2212−2を読み出し、これに基づき図9(b)のダイアログボックス2を表示する(S312)。
【0037】
次に、図7(b)のエラー情報表示テーブル2210の場合について説明する。制御部210は、S306で「n=1」がセットされている段階であれば、「E60002_1_Net」と示されるパスに基づき記憶部220から表示データファイル2212−1を読み出し、図10(a)のダイアログボックス1を表示する(S312)。後述するS318を実行し、処理がS308に移行された段階であれば、S318で「n=2」がセットされるため、制御部210は、「E60002_2_Net」と示されるパスに基づき記憶部220から表示データファイル2212−2を読み出し、図10(b)のダイアログボックス2を表示する(S312)。さらに、再度、後述するS318を実行し、処理がS308に移行された段階であれば、S318で「n=3」がセットされるため、制御部210は、「E60002_3_Net」と示されるパスに基づき記憶部220から表示データファイル2212−3を読み出し、図10(c)のダイアログボックス3を表示する(S312)。
【0038】
S314で制御部210は、表示データファイル2212の表示時間(T(n))と、S310で取得した「t(n)」と、の関係が、「T(n)>t(n)」の条件を満足したか否かを判断する(S314)。判断の結果、「T(n)>t(n)」の条件を満足していない場合、換言すれば、表示中の表示データファイル2212が、対応する表示時間(図7参照)、表示されていない場合(S314:NO)、制御部210は、処理をS310に移行する。これに対し、「T(n)>t(n)」の条件が満足した場合、換言すれば、表示中の表示データファイル2212が、対応する表示時間(図7参照)、表示された場合(S314:YES)、制御部210は、表示データファイル2212の数(N)と、その時点でセットされているカウンタ(n)の値と、の関係が、「N>n」の条件を満足するか否か、換言すれば、エラー情報表示テーブル2210に含まれる全ての表示データファイル2212の表示が実行されたか否かを判断する(S316)。判断の結果、全ての表示データファイル2212の表示がなされた場合(N=n/S316:NO)、制御部210は、この処理を終了する。これに対し、未表示の表示データファイル2212が存在している場合(S316:YES)、制御部210は、カウンタ(n)の値を1カウントアップさせ(S318)、処理をS308に移行する。
【0039】
説明を図5のメイン処理に戻し、S114で制御部210は、操作部240を介してステータスモニタプログラム2202の終了指示が入力されたか否かを判断する。そして、終了指示が入力された場合(S114:YES)、制御部210は処理を終了する一方、終了指示が入力されていない場合(S114:NO)、処理をS100に移行し、上記各処理を継続する。
【0040】
なお、上記実施形態では、パソコン200及び300を例に説明した。しかし、同様の処理をプリンタ100の制御部110が実行する構成とすることもできる。この場合、プリンタ100の記憶部120に、パソコン200の記憶部220が記憶するステータスモニタプログラム2202等、記憶部220に記憶される各種プログラム、テーブル及びデータを記憶しておく構成を採用する。ここで、プリンタ100には、接続I/F毎にエラー情報テーブルを記憶させておく必要はなく、独自のエラー情報テーブルが記憶された構成とすればよい。
【0041】
また、プリンタ100の制御部110が、プリンタ100の電源ONを条件として、このステータスモニタプログラムを実行する構成を採用する。制御部110は、プリンタ100が備える各センサが、所定のエラー状態を検出した場合、検出したエラー状態に関するプリンタ情報を記憶部120に記憶し(図5のS106に相当する処理)、以降、図5のS108〜S114の処理を実行する。なお、図6に示すエラー情報構築プログラムの実行において制御部110は、S200を実行せず、また、S202では、S106に相当する処理で記憶部120に保存したプリンタ情報に含まれるエラーコードに対応するファイルのパス及び表示時間を、図6のエラー情報構築プログラムに基づく処理を実行し作成し、図5のS110に相当する処理で取得したエラー情報表示テーブルから取得する。プリンタ100の制御部110が、図5、図6及び図8に示す各処理を実行することで、プリンタ100の表示部150には、例えば、図9のような態様で、メッセージが順次切り替わりながら表示される。
【0042】
(上記実施形態の構成に基づく有利な効果)
上記実施形態の構成によれば、プリンタ100において発生したエラー状態に関するメッセージを含むダイアログボックスの表示にあたり、プリンタ100との接続に使用している使用I/Fを特定し(図6のS200)、特定された使用I/Fに応じたエラー情報表示テーブル2210を作成・取得し(図6及び図5のS110)、エラー情報表示テーブル2210に登録された表示データファイル2212を所定の表示時間間隔で、順次切り替えながら表示部230に表示する(図8のS308〜S314:NO)構成を採用した。これによれば、プリンタ100との接続に使用する使用I/F毎の留意点を表示部230に表示されるダイアログボックスで確認しつつ(例えば、図10(a)参照)、エラーへの対応方法を、順次自動で切り替わるダイアログボックスで確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態における印刷システムを示す図
【図2】本発明の実施形態における印刷システムを構成する各装置の機能ブロックを示す図
【図3】本発明の実施形態における各種プログラム、テーブル及びデータの関係を示す図
【図4】(a)及び(b)は、本発明の実施形態におけるエラー情報テーブルを示す図
【図5】本発明の実施形態におけるステータスモニタプログラムに基づく処理フロー(メイン処理フロー)を示す図
【図6】本発明の実施形態におけるエラー情報構築プログラムに基づく処理フロー示す図
【図7】(a)及び(b)は、本発明の実施形態におけるエラー情報表示テーブルを示す図
【図8】本発明の実施形態におけるエラー情報表示プログラムに基づく処理フローを示す図
【図9】(a)及び(b)は、本発明の実施形態におけるダイアログボックスを示す図
【図10】(a)〜(c)は、本発明の実施形態における他のダイアログボックスを示す図
【符号の説明】
【0044】
100 プリンタ
200,300 パソコン
110,210 制御部
120,220 記憶部
1202 プログラム
2202 ステータスモニタプログラム
2204 エラー情報構築プログラム
2206 エラー情報表示プログラム
2208 エラー情報テーブル
2210 エラー情報表示テーブル
2212 表示データファイル
150,230 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタのステータスを表示装置に表示させるコンピュータが読み取り可能なステータスモニタプログラムであって、
前記コンピュータを
前記ステータスを取得するステータス取得手段と、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する表示制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、
前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第3表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第3表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第4表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるための請求項1に記載のステータスモニタプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、
前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第3表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第3表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第4表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるための請求項1に記載のステータスモニタプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、前記ステータス取得手段がステータスを取得したインターフェースの種別を取得するインターフェース種別判断手段と、
前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第1種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する一方、前記インターフェース種別判断手段が取得したインターフェースの種別が第2種インターフェースである場合、取得されたステータスに関連する第3表示用データを第3表示時間、前記表示装置に表示し、前記第3表示用データを前記第3表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第4表示用データを第4表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるための請求項1に記載のステータスモニタプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスが、エラー状態を示すステータスであるかを判断するエラー状態判断手段と、
前記エラー状態判断手段がエラー状態を示すステータスであると判断した場合、取得されたステータスに関連する第1表示用データを第1表示時間、前記表示装置に表示し、前記第1表示用データを前記第1表示時間、表示したことを条件として、取得されたステータスに関連する第2表示用データを第2表示時間、前記表示装置に表示する、前記表示制御手段として機能させるための請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステータスモニタプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記ステータス取得手段によるステータスの取得を条件として、取得されたステータスが、エラー状態を示すステータスであるか否かを判断する、前記エラー状態判断手段と、
前記エラー状態判断手段がエラー状態を示すステータスでないと判断した場合、取得されたステータスに関連する所定のデータを、前記表示装置に表示しない、前記表示制御手段として機能させるための請求項5に記載のステータスモニタプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−79757(P2010−79757A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249359(P2008−249359)
【出願日】平成20年9月27日(2008.9.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】