説明

スパッタ堆積システム及び使用方法

本発明は、惑星スパッタ堆積法を用いた基板12の処理のためのスパッタ堆積システム10及びその使用方法に関する。スパッタ堆積システム10は、方位角軸16を有する堆積チャンバ14を有する。回転部材30及び32は、チャンバ14内に位置しており、そこに設けられた複数のマグネトロン34を有する。マグネトロン34それぞれは、複数のスパッタターゲット36の対応する1つを有する。回転部材30、32は、マグネトロン34それぞれを位置合わせするように構成されており、スパッタターゲット36の対応する1つからのスパッタ材料は、堆積チャンバ14に規定された堆積領域50に向けられる。移送機構66は、堆積チャンバ14に位置しており、方位角軸16回りで回転可能な腕部68を有する。基板ホルダ72は、移送機構66の腕部68に取り付けられ、かつ基板12を支持し、腕部68が基板ホルダ72を回転して基板12上にスパッタ材料を堆積するために堆積領域50を横断させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの回転部材であって当該回転部材に複数のマグネトロンが取り付けられた回転部材を有し、マグネトロンそれぞれが対応するスパッタターゲットを有するスパッタ堆積システムと、このような基板にスパッタ材料を堆積するための惑星スパッタ堆積(planetary sputter deposition)法を用いて半導体装置及びデータ保存素子のためのウエハのような基板を処理するためのその使用方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
物理的気相成長(PVD)のモジュールまたはシステムは、例えばデータ保存産業用のスピンバルブ巨大磁気抵抗(GMR)及びトンネル磁気抵抗のための読み書き(read/write)ヘッドなどのセンサ素子及び同様の装置に使用される。PVDを用いて、主として磁性及び非磁性材料からなる薄い層またはフィルムは、1以上のカソードであってそれぞれのカソードに取り付けられた1つのソースターゲットを有するカソードを有する真空チャンバを有するスパッタシステムを用いて基板上に堆積される。スパッタ処理の間、材料は、ソースターゲットから取り去られ、その後に基板上に堆積されて所望の厚さからなる1以上の層を形成する。また、基板上に形成された層は、非常に均一な厚さを有していることが望ましい。一例として、1%3σを越えないまたはよりも高い、高いレベルの厚さの均一性は、例えば磁気的データ保存及び検索のためのヘッドなどについて望ましい。
【0003】
従来のPVDモジュールまたはシステムの1つの種類は、円弧状の運動、すなわち太陽の自転と共に同時に起こる回転、すなわち惑星の自転の両者をもたらす基板の運動に依存する惑星スパッタ堆積を利用する。この合成パターンの運動または惑星運動は、一般に均一な所望の厚さをもたらす。一例として、惑星スパッタ堆積を用いて基板上に合金を堆積するため、所望の組成からなる単一の合金スパッタ源は、シリンダ状の真空チャンバの頂部または底部の周囲に位置してもよい。基板は、回転アームを有する組立体の一部を構成する基板ホルダに配置される。基板ホルダは、回転アームの端部にあり、一般に設備を組み込んで堆積サイクル中に比較的高速で基板を連続回転する。回転半径は、基板の中心がスパッタ源の中心とほぼ整列されて特定のフィルムパラメータを達成するようになっている。基板が合金スパッタ源のそばを通過または弧を描いて動くにつれて、合金を形成する金属の層は、基板上にスパッタ堆積される。複数の経路は、所望厚さの堆積層を得るために機能されうる。さまざまな材料を有する構成層からなる多層は、真空チャンバの周囲に間隔があけられた多数のスパッタ源によって堆積されることができる。
【0004】
惑星スパッタ堆積を用いたスパッタ源の長さは、基板上に堆積するフィルムについての良好な固有の厚さの均一性を確保するため、通常基板の直径の1.5から2.0倍である。堆積されたフィルムの必要な特性(例えば均一性及び厚さ制御)は、スパッタ源の下で回転する基板の走査運動の制御によって達成される。
【0005】
データ保存及び半導体産業における全体の生産コストを低減したいという要望と同調する形状縮小は、スパッタ堆積システム及び方法を改良し、基板表面上のスパッタ材料の厚さ及び/または均一性の維持しまたは制御の改良をする傾向を作り出している。
【0006】
したがって、処理の処理能力を増大してこれにより例えばマイクロ電子デバイスの製造コストを削減するため、処理チャンバから基板を取り外すことなく基板上に磁性及び非磁性材料からなる多層を堆積することができることは、望ましい。しかしながら、特定のスパッタシステムは、基板上に1つの材料のみを堆積するように設計されているが、材料は、単一金属もしくはその合金、誘電体または複数の金属もしくは誘電体の組み合わせとなりうる。したがって、基板上にさまざまな材料からなる多層を堆積する場合、これらスパッタシステムは、再構成される必要があり、基板は、結果的に好ましくない界面層の形成をもたらしうる大気から真空まで循環されなければならない。他のスパッタシステムにおいて、金属または誘電体のフィルムからなる多層は、異なる処理チャンバで順に堆積される。基板を1つの処理チャンバから他の処理チャンバに移動することは、真空基準圧力及び基板の温度の変化を引き起こす。また、これら圧力及び温度の変化は、多層における好ましくない界面層の形成をもたらす。
【0007】
他のスパッタシステムにおいて、多数のスパッタ源は、1つの処理チャンバ内にまとめられている。しかしながら、多数のターゲット材料は、基板上の所望の多層積層体を完成させるに十分でなく、したがってより多くのチャンバは、まだ必要とされる。他の場合において、多数のターゲット材料は、十分であるが、処理チャンバ内に複数のスパッタ源を配置することは、非常に大きなチャンバサイズを必要とする。これらの場合の双方において、スパッタシステムの設置面積は、大量生産に受け入れられない。
【0008】
さらに、破損したスパッタターゲットを堆積システム内で交換する頻度を低減することは、望ましい。特定の堆積システムのために、所望材料からなる単一のターゲットのみは、処理チャンバ内でスパッタされるために設けられている。このように、ターゲットが破損した後、生産は、処理チャンバ内に同一材料からなる予備のターゲットが収容されていないため、停止されなければならず、破損したターゲットは、取り外され新しいターゲットに交換される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、必要とされるのは、磁性及び非磁性材料からなる層をスパッタ堆積するための改良したスパッタ堆積システム及び方法であってスパッタ堆積システムの上記欠点に対処して処理の処理能力が増大されこれにより製造コストが低減されるスパッタ堆積システム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の形態において、少なくとも1つの層を基板上に堆積するためのスパッタ堆積システムは、堆積チャンバであって方位角軸(azimuthal axis)と当該堆積チャンバと連絡する少なくとも1つの回転部材とを有する堆積チャンバを有する。回転部材は、当該回転部材に設けられた複数のマグネトロンであって複数のマグネトロンそれぞれが複数のスパッタターゲットのうちの対応する1つを有する複数のマグネトロンを有する。回転部材は、マグネトロンそれぞれに位置付けられてマグネトロンが対応する1つのスパッタターゲットからのスパッタ材料を堆積チャンバに形成された堆積領域に向けるように構成されている。
【0011】
移送機構は、堆積チャンバ内に位置し、方位角軸回りで回転可能な腕部をさらに有する。基板ホルダは、方位角軸から第1半径のところで移送機構の腕部に取り付けられている。基板ホルダは、腕部が基板ホルダを方位角軸回りで回転させてスパッタ材料を基板上に堆積するために基板ホルダが堆積領域を横断するように基板を支持する。基板ホルダは、腕部が堆積領域を通って基板を運ぶように基板を回転させるために中心回転軸回りで回転するように構成されてもよい。さらに、処理装置は、移送機構と連絡して設けられており、処理装置は、移送機構に指示し、移送機構は、第1及び第2角速度で堆積領域を通って方位角軸回りで腕部を回転させる。異なる速度は、基板上のスパッタ材料の実質的に均一な厚さのために与えられる。
【0012】
本発明の複数のターゲットそれぞれは、金属または半導体特性からなる1以上の磁性及び非磁性材料を含んでもよい。これら材料は、周期表の1〜15族の元素から選択されうる。ターゲットは、基板上に堆積される材料に基づいて選択される。1以上のターゲットは、1を越える磁性及び非磁性材料から構成されてもよい。
【0013】
本発明の方法において、堆積システムの少なくとも1つの回転部材は、ターゲットから堆積領域にスパッタされたターゲットを向けるために、回転部材によって支持された第1マグネトロンのスパッタターゲットを堆積領域に形成された堆積領域に向けて回転させる。基板は、基板ホルダに設けられ、スパッタ材料を基板上に堆積するためにスパッタ堆積の間において方位角軸回りの腕部の回転によって堆積領域を通って回転される。回転中において、基板の中心の軌跡は、ターゲットの中心のそばを通る。
【0014】
基板がいったんチャンバの周囲を移動、例えばターゲットのそばの1つの経路またはループを実行するように、ターゲットは、基板上にスパッタしてスパッタ材料層を堆積する。この処理は、所望数の層または所望厚さが得られるまで繰り返されてもよい。さらに、単一の経路の後、回転部材は、回転され、1以上の異なるスパッタ材料を基板上に形成するためのように、第2マグネトロンと関連する他のスパッタターゲットを選択する。また、1を越える回転部材は、単一の経路の間においてスパッタ材料の多層を基板上に形成するためのように、堆積チャンバに設けられてもよい。
【0015】
基板上のスパッタ層それぞれの堆積厚さは、一定のターゲット出力において基板スウィープ(sweeping)速度を調節することまたはその逆、例えば一定の基板スウィープ速度においてターゲット出力を調節することによって惑星スパッタ堆積技術を用いて制御されうる。層厚の均一性は、速度プロファイリング及び基板の回転によって維持される。このように、基板は、方位角軸回りの回転腕部によって堆積領域を通って第1及び第2角速度で運ばれ、実質的に均一な厚さの材料を基板上に形成する。
【0016】
したがって、本発明のスパッタ堆積システムは、例えば小さな設置面積をもたらすなどコンパクトであり、堆積チャンバから基板を取り外すことなく基板上に異なる磁性及び非磁性材料からなる多層を堆積することができ、破損したスパッタターゲットを交換する頻度を低減してこの結果処理の処理能力を増大させこれにより製造コストを削減することができる。このように、スパッタ堆積システム及びその使用方法は、他のスパッタ堆積システムにおける能力制限及び関連するコストの欠点を克服する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
これら並びに本発明の他の目的及び有利点は、添付の図面及びその説明からより明らかになるだろう。
【0018】
この明細書の一部に組み込まれかつこの明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上述した発明の概要及び後述する実施形態の詳細な説明と共に本発明の理念を説明する役割を果たす。
【0019】
図1〜図5は、惑星スパッタ堆積技術を用いて基板12上に磁性または非磁性材料からなる少なくとも1つの層を堆積するための本発明におけるスパッタ堆積システム10を示す。以下でより詳細に説明するが、米国特許第5795448号明細書は、惑星処理モジュールまたは装置の一般的な操作を開示しており、この結果その全体は、ここで参照として組み込まれる。
【0020】
図1及び図2で最もよく示されるように、本発明のスパッタ堆積システム10は、方位角軸16及びチャンバ蓋体18を有する堆積チャンバ14を有する。2つの容器22及び24は、容器22、24それぞれの内部20を有してチャンバ蓋体18に位置しており、容器22、24それぞれの内部20は、チャンバ蓋体18の対応する開口部26(図3において1つのみ示されている)を介して堆積チャンバ14と連絡または関連している。堆積チャンバ14は、容器22、24の内部20を有しており、排気可能または制御された環境空間(atmosphere volume)を形成する。容器22、24それぞれは、回転部材30及び32であって回転部材30、32それぞれが適宜開口部26を介して堆積チャンバ14と連絡または関連するようにそこに取り付けられた回転部材30及び32それぞれをさらに有する。この結果ここでそのすべてが参照として組み込まれる米国特許第6328858号明細書は、本発明と共に使用するための回転部材の適切なタイプを開示している。
【0021】
図2及び図4で最もよく示されるように、回転部材30、32は、例えば線形マグネトロンなどの複数のマグネトロン34であってそこに取り外し可能に支持されている複数のマグネトロン34をさらに備えている。複数のマグネトロン34それぞれは、同様にそこに取り外し可能に支持される複数のスパッタターゲット36のうちの対応する1つを有する。また、容器22、24は、回転部材30、32にアクセスを提供するために開及び閉位置の間で移動されうる蓋体40を有し、例えばマグネトロン34及びターゲット36は、磨耗または修理の必要があるときなど移動され取り外されうる。回転部材30、32は、中心軸42回りで回転するように構成されており、より具体的には、回転部材30、32それぞれは、直接またはベルト駆動モータのようなモータ48によってそれらの中心軸42回りで回転されうる。
【0022】
回転部材30、32は、回転部材30、32それぞれが6つのマグネトロン34及び6つの対応するターゲット36を有するような六角形状をなしている。しかしながら、回転部材30、32が6つを越えるまたは6つ未満のマグネトロン34であってそれらと関連するスパッタターゲット36を有するマグネトロン34に適合するように設計されてもよいことは、理解すべきである。1つのみまたは2を越える回転部材がシステム10に設けられてもよいことは、さらに理解すべきである。以下でさらに説明されるように、回転部材30、32は、所望のマグネトロン34が開口部26を介したスパッタターゲット36の対応する1つからのスパッタ材料を堆積チャンバ14で形成された堆積領域50(図3)に向けるように回転される。一例において、回転部材30、32と例えば電気通信で連絡する処理装置(図示略)は、基板12上にスパッタ材料を堆積するためにスパッタターゲット36の1つを位置付けるように回転部材30、32を指示できる。
【0023】
図3をさらに参照すると、(1つのみ、すなわち符号30が示される)回転部材30、32それぞれは、矢印56で表されるようにスパッタ材料を閉じ込めるための煙突部54と関連する。より具体的には、煙突部54は、開口部26の周囲に位置する基端部60を有し、堆積領域50の1つを形成する先端部62をさらに有する。基板12は、堆積領域50の近傍を通り過ぎるように構成され、基板12の対向面64は、層またはフィルムとして堆積する堆積流束56にさらされる。
【0024】
図2及び図3に示されるように、移送機構66は、堆積チャンバ14内に位置しており、方位角軸16回りで回転可能な腕部68をさらに有する。基板ホルダ72は、移送機構66の腕部68に方位角軸16から第1半径のところで取り付けられている。基板ホルダ72は、半導体産業におい普通に使用されている静電チャックであってもよい。基板ホルダ72は、方向バラツキが1.5°未満である十分な磁場を有する整列された磁場をもたらして堆積された磁気フィルムの面内磁化を向ける永久磁石または電磁石でありうる磁石(図示略)を有してもよい。また、基板ホルダ72は、冷却流体を搬送するための冷却チャネル(図示略)を有する。水のような冷却流体は、冷却チャネルを通過して処理されている基板12から熱を取り除く。
【0025】
基板ホルダ72は、基板12を支持し、腕部68は、基板ホルダ72を方位角軸16回りで回転して基板12がスパッタ材料を堆積するための堆積領域50を横断する。また、基板ホルダ72は、基板12を回転するために中心回転軸74回りで回転するように構成され、腕部68は、堆積領域50を通って基板12を搬送してもよい。1つの腕部68のみが示されているが、当業者は、腕部68と同様の複数の腕部が堆積領域50を通って複数の基板12を移動することに使用するためのハブ及びスポークの配置で配置されてもよいことを十分に理解する。さらに、移送機構66と例えば電気通信で連絡する処理装置76は、第1及び第2角速度で堆積領域50を通るように移送機構66が腕部68を方位角軸16回りで回転するように指示することができかつ/または所望速度で基板ホルダ72が中心回転軸74回りで回転するように指示することができる。以下でさらに説明されるように、さまざまな角速度は、基板12上のスパッタ材料の実質的に均一な厚さをもたらす。
【0026】
堆積チャンバ14は、通常それから分離されている基板搭載/取外ポート88(図2)を介してアクセスされることができる。搭載/取外ポート88は、移送ロボット(図示略)または当該技術において既知の他の手段などを経由してチャンバ14内で基板ホルダ72に基板12を導入し、基板ホルダ72から処理された基板を取り外すために構成されている。
【0027】
図1及び図2をさらに参照すると、スパッタ堆積システム10は、一様に符号78で示されるイオン源(例えばイオン銃)であって堆積チャンバ14と関連してスパッタ材料56を基板表面64に堆積すること、フィルムの緻密化、表面を平滑にすること及び酸化の前に基板12を洗浄することを含むイオンまたはイオンビームの補助(assistance)に使用されるイオン源を有する。同様に符号78で示される中和部(neutralizer)は、イオン源78と共に設けられており、同様に堆積チャンバと関連し、イオン源78の使用中などにおいてそこの中性な環境電荷(neutral atmospheric charge)を維持する。特に、イオン源及び中和部78は、それぞれ78が蓋体18の開口部(図示略)を介して堆積チャンバ14と連絡するようにチャンバ蓋体18に位置している。さらに、符号84で一様に示されるような1以上のRFまたはDCマグネトロンであってもよい加熱ランプまたは追加のスパッタ源は、チャンバ蓋体18に設けられてもよく、このようなランプまたはスパッタ源84は、同様に蓋体18の開口部(図示略)を介して堆積チャンバ14と連絡する。加熱ランプ及びスパッタ源84それぞれは、チャンバ14内の温度を制御するために使用され、かつ非金属または誘電体ターゲット並びに金属元素または合金ターゲットをスパッタするために設けられている。
【0028】
本発明の複数のターゲット36それぞれは、金属または半導体性の1以上の磁性材料または非磁性材料を含んでもよい。これら材料は、遷移金属、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素及び/またはビスマスのような周期表の1〜15族の元素から選択されることができる。一例において、ターゲット36は、遷移金属、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素及び/またはビスマスのような周期表の1〜15族の元素から選択された磁性または非磁性材料を約99%以上含む。他の例において、複数のターゲット36それぞれは、遷移金属、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素及び/またはビスマスのような周期表の1〜15族の元素から選択された磁性または非磁性材料を約99.9%以上含み、さらに他の例において約99.99%含む。
【0029】
さらに、材料のスパッタ堆積中の環境は、滑らかな表面及び/または界面についての層間フィルム成長を補助する手段を提供するなどのため、例えば酸素、窒素などを含む。パルスDC電力供給を非対称な正及び負の出力電位と組み込むことは、酸素及び窒素を含む薄い誘電体フィルムのスパッタ形成を可能にすることができる。
【0030】
回転部材30、32の全12のターゲット36それぞれは、図2〜図4に示されるように、さまざまな材料または材料あるいは合金の組み合わせを含んでもよく、12までの異なるスパッタ可能な材料を可能にする。別の方法において、2以上のターゲット36は、1つのターゲットが磨耗した後のバックアップターゲットを提供してこれにより生産性の中断を低減するなどのために、同一材料で設けられてもよい。
【0031】
図2及び図3においてさらに示されかつ本発明の方法において、堆積システム10の回転部材30、32それぞれは、スパッタ材料56(図3)を堆積領域50(図3)に向けるために、複数のスパッタターゲット36a(図3において1つのみ示されている)の1つを対応する開口部26(図3)に一列に並ぶように回転する。したがって、基板12は、基板ホルダ72上に設けられ、基板12上にスパッタ材料56を堆積するためのスパッタ堆積中において堆積領域50を通って方位角軸16回りで腕部68により回転される。基板12の中心は、基板12がターゲット36aのそばを通るときに選択されたターゲット36aの中心とほぼ一列に並べられる。
【0032】
基板12は、一度チャンバ14の周囲を移動し、すなわち回転部材30、32それぞれによって1つの経路またはループをとり、選択されたターゲット36aそれぞれ(1つのみ示される)は、基板12をスパッタして磁性または非磁性材料の層を堆積する。この処理は、所望数の層及び材料が得られるまで繰り返されてもよい。例示の実施形態において、腕部68は、それぞれの経路のための回転部材30、32それぞれによって基板12を方位角軸16回りで360°回転する。しかしながら、必要に応じて腕部68が回転中にチャンバ14内で停止して反転する場合、回転部材30、32による複数の経路が方位角軸16回りの360°の回転なく行われてもよいことは、当業者により理解されるだろう。積層をもたらすため、各層は、一様に約6Åを越える厚さを有する。さらに、基板12は、基板12上に実質的に均一な厚さの材料を形成するために、腕部68によって方位角軸16回りで堆積領域50を通って第1及び第2角速度で運ばれる。単一経路の後、回転部材30、32の一方または双方は、1以上の異なるスパッタ材料を基板12上に形成するなどのために、それらの軸42回りで回転されて他のマグネトロン34に関連する他のスパッタターゲット36を選択する。また、合金または2以上の異なる材料の組み合わせは、各経路により層がほぼ原子層の厚さを有して堆積されることを可能とし、さまざまな材料は、原子レベルで混合されることができ、これにより所望組成の均質な合金を形成する。
【0033】
回転部材30、32の数並びにターゲット36及びスパッタ可能な材料の選択の数は、基板12上に堆積される材料に基づいて選択される。例えば、コバルト鉄(CoFe)合金及び銅(Cu)からなる多層を基板12上に堆積するため、2つの回転部材30、32であって一方の回転部材30上のCoFe合金を含む少なくとも1つのスパッタターゲット36及び他方の回転部材32上の銅を含む少なくとも1つのスパッタターゲット36を有する回転部材30、32を設けてもよい。この例において、基板12は、基板12上にコバルト鉄その上に銅からなる多層を形成するため回転部材30、32それぞれによって1つの経路を形成する必要だけがある。他の例において、1つのみの回転部材30は、設けられてもよく、少なくとも2つの分離したターゲット36であって1つがCoFe合金を含み他のターゲットが銅を含む分離したターゲット36を有する。この例において、基板12は、回転部材30によって2つの経路を形成しなければならず、回転部材20は、第1経路の後にCoFeターゲットからCuターゲットまで回転される回転部材30を用いて、CoFe合金その上にCuの多層を付け、第2経路の間でCoFe層上に銅材料をスパッタする。
【0034】
この方法において、基板12には、この技術で知られているように、シード層が設けられており、シード層は、追加の層を基板12に堅固に固着する基礎を形成しかつ微細構造の構成を強化する材料の微細構造をもたらす。このシード層は、第1ターゲット源のスパッタより前にチャンバ14内で基板12上にスパッタされてもよく、堆積チャンバ14に入れる前に基板12上にすでに形成されていてもよい。また、キャップ層は、この技術で知られているように、主としてシード層にすべての所望のターゲットをスパッタした後に基板12上にスパッタされる。この技術で理解されているように、キャップ層は、例えば大気への露出が長期化することに起因する腐食などからのスパッタ層についての保護被覆を形成する。また、シード及びキャップ層を形成するために使用されたターゲットそれぞれは、1以上の磁性及び非磁性材料から構成されてもよい。多数のターゲット及び材料の選択は、同様に、シード及びキャップ層についての所望の材料に基づいて選択されうる。
【0035】
上述のように、制御システム(図示略)は、堆積システム10の操作を組織化する。より詳細には、基板ホルダ72の回転(すなわち惑星運動)速度及び角速度とソースターゲット36からの堆積とは、制御システムで制御され、制御システムは、この技術の当業者により理解される構成を有する。
【0036】
惑星スパッタ堆積を用いて、基板12は、主として約30から約1200rpmで中心回転軸74回りで回転する一方、基板12がここのターゲット36のそばを通るように約0.1から約30rpmで方位角軸16回りで回転する。しかしながら、惑星及び太陽の回転速度それぞれは、約30rpm未満または約1200rpmよりも大きく、約0.1rpm未満または約30rpmより大きい。基板12の点における堆積厚さは、ソースターゲット36下及びそれによるその軌道におけるそのドゥエルタイム(dwell time)に起因する。ほぼガウシアン形態であるスパッタされた種の空間分布の不均一な性質に起因して、一定速度での中心回転軸74回りの基板の回転は、均一な堆積に十分でない。そのため、方位角軸16回りの基板の回転についての変調が必要となり、より詳細には、回転速度は、基板12の軌跡の各点にわたるスパッタ束56の積分がほとんど同一であり基板12にわたって均一なフィルム厚さ分布が確保されるように描かれる必要がある。
【0037】
一定速度を用いたスパッタ堆積システムにおける堆積のための任意のサイズの基板についての規格化したフィルムまたは層厚の等高線図について、フィルムは、一般的に基板の中心でより厚く、径方向の距離の増大と共に薄くなっている。これは、スパッタ束が比較的弱いターゲットの外側部分において基板の縁部がより長い時間掛けられていることと一致する。したがって、2ステップの対称的なプロファイルのような速度プロファイルは、利用されてもよく、基板12は、基板12がまず堆積領域50に入るとゆっくり移動してより堆積するために長いドゥエルタイムを可能にし、そして堆積された材料の所望厚さを規定する所望または標準速度まで速度を速めるように構成されている。2ステップの対称的なプロファイルを用いて、所望または最大速度と初期またはより遅い速度との間の典型的な速度比は、2倍以内である。例えば、初期速度が5rpmである場合、最大速度は、10rpmである。2つの速度間の移送は、段階的または漸次的のいずれとしてもよい。
【0038】
図5を参照すると、速度プロファイルを最適化するため、堆積チャンバ14の特定特性寸法は、チャンバ14の内径(ID)とチャンバ中心(CC)からターゲット中心(TC)までの距離とを含んで既知である必要がある。例として、堆積チャンバ14のIDとCCからTCまでの距離とは、それぞれ50インチ及び15.5インチと表されている。また、ターゲットの煙突部長さ(l)及び幅(w)は、それぞれ、既知であり、15インチ及び5.5インチである。これら寸法から、チャンバ中心まで延在する煙突部の半角(half angle)(α)は、決定され、半角αは、この場合約9°と表されている。この半角の決定は、堆積領域50の角度限界を設定する(図3)。主として、2ステップの速度プロファイルについて、堆積前にスパッタ束56(図3)への露出を避けるため、基板12は、ターゲット中心線を基準として一般的に約10°よりも大きいまたは約−10°未満で堆積領域50の外側に位置付けられまたはオフセットされる必要がある。これにより、フィルム厚さの均一性の最適化は、速度比を調節して基板12の半径に沿う異なる位置の露出またはドゥエルタイムのバランスをとる処理である。必要に応じて、5ステップまでの速度プロファイルは、採用されてもよい。
【0039】
そして、厚さ均一性は、例えばX線反射もしくは蛍光発光、偏光解析法または基板表面にわたる一般的に49から81点からなるシート抵抗マップにより評価される。留意する必要のある1つの追加の特徴は、中心においてより厚いフィルムを有する凸形状からより薄いフィルムを有する凹面形状に変化する厚さプロファイルの発展である。
【0040】
堆積均一性の最適化の後、堆積速度は、調整される。典型的には、2から3つのオフセットされた回転速度値は、回転速度値の一定の変化で例えば0.5、1及び2rpmのように選択される。十分なレベルの厚さ判定を達成するために速度調整堆積について使用される主として10〜20回のスウィープであるÅ/スウィープ(sweep)における測定された厚さの線形回帰(linear regression)であって「1/オフセットされた回転速度」に対する線形回帰は、特定の層厚についての必要なオフセット値が決定される堆積比を決定するために使用される。ターゲットの侵食が増大するにつれて、最適化及び速度修正は、最良な性能を確保するために必要とされうる。
【0041】
したがって、この方法において、磁性または非磁性材料の各層の堆積厚さは、一定のターゲット出力における基板のスウィープ速度を調節してこれにより層が均一になることを可能とすることによって制御されうる。また、厚さ均一性が一定の基板スウィープ速度を調節することにより制御されうることは、理解すべきである。各層厚は、必要に応じてわずかな原子層に至るまで制御され、従来の層の積み重ねは、回避される。層厚の均一性は、上述したように、速度のプロファイリングにより及び基板12の回転により維持される。一例において、スパッタ堆積された材料の一定の厚さ偏差は、138mmの測定直径にわたって約0.6%3σ以下である。
【0042】
本発明の方法における非限定的な例は、ここではスピンバルブとして使用されるような基板12上の磁性及び非磁性材料から構成される多層をスパッタ堆積することについて提示されている。図2及び図3を一様に参照すると、基板12は、搭載/取外ポート88において基板ホルダ72上に搭載される。基板12は、被覆した基板のために適した任意の材料から構成されうる。この例において、基板12は、シリコンウエハであり、直径が6インチである。基板がより小さいまたはより大きくてもよくかつ/または異なる形状からなってもよいことは、理解すべきである。
【0043】
チャンバ14内において、基板12は、腕部68が方位角軸16回りで特定のまたは最適化された角速度回転されながら中心回転軸74回りで約1200rpmのような所望速度で回転され、上述したように、基板12は、堆積チャンバ14内でその回りで回転される。例として第1角速度、すなわち初期速度は、基板がターゲット中心線(x)を基準として約10°のオフセットに達するまで、約10rpmであってもよい(図5)。その点の後、腕部68は、その第2角速度、すなわち約20rpmである最大速度まで加速し、腕部68は、堆積領域50の残りを進む。そして、基板12がターゲット中心線(x)を基準として約−30°のオフセットに達すると、腕部68は、約10rpmまで減速する。このシナリオは、堆積領域50それぞれで繰り返されてもよい。
【0044】
所望ターゲット36によって基板12の複数の経路を用いて多層またはスピンバルブを基板12上に形成するため、回転部材30は、コバルト鉄(CoFe)またはニッケル鉄クロム(NiFeCr)からなるソースターゲット36を有し、第2回転部材32は、白金マンガン(PtMn)またはイリジウムマンガン(IrMn)のいずれかからなりかつルテニウム(Ru)、銅(Cu)及びニッケル鉄(NiFe)からなる。全12のターゲット36からなる追加の残りのターゲット36は、1以上の異なる磁性及び非磁性材料、例えば積重ね性能を増大するために異なるCoFeまたはコバルト鉄ホウ素(CoFeB)合金、及び/またはトンネル磁気抵抗ヘッドを使用した駆動装置のためのトンネルバリア層のようにアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)及びハフニウム(Hf)のように、を含んでもよい。回転部材30、32は、方位角軸16の周りに配置されており、基板12の中心は、基板12が堆積領域50のそばを通るときに各ターゲット36の中心とほぼ一列となる。
【0045】
この技術で一般に理解されているように、ソースターゲット36それぞれの後方に位置付けられているマグネトロン34(図4)それぞれは、スパッタターゲット36の前方ターゲット面90(図4)に磁界を形成する。図3において最もよく示されているように、スパッタターゲット36aは、活性化されると電界を発生させる電力供給部(図示略)に接続されている。堆積チャンバ14は、排気されて次に主として0.1から10mTorrの低圧においてアルゴン、クリプトンまたはキセノンのような適切な不活性ガスで満たされる。電界は、スパッタターゲット36aに隣接する不活性ガス内でプラズマ放電を発生させる。マグネトロン34は、前方ターゲット面90に近接して生じたプラズマを閉じ込めて成形する磁界を供給する。プラズマからの正に帯電したイオンは、負にバイアスされたスパッタターゲットであってイオンがターゲット材料の原子をスパッタするのに十分なエネルギーを有して前方ターゲット面90に衝突するスパッタターゲットに向けて加速される。スパッタされたターゲット材料の束56は、堆積チャンバ14の内側でスパッタターゲット36aと反対側に位置合わせされた基板12に向けて弾道的に移動する。
【0046】
したがって、基板12がいったんチャンバ14の周りを移動する、すなわちスパッタするために位置合わせされたソースターゲット36それぞれのそばの1つの経路またはループを行うにつれて、ターゲット36は、順に所望のターゲット電圧(一般に約50〜2000ワットからの一定のターゲット出力)においてスパッタされ、材料それぞれの所望厚さの層を基板12上に堆積する。シード層は、まず基板12上にスパッタ堆積され、TaもしくはNiFeCrまたは異なる材料の組み合わせのいずれからなるスパッタ堆積層を含む。次に、CoFe、IrMn、Ru、Cu及びNiFcターゲットを有する回転部材30、32は、必要に応じてそれらそれぞれの開口部26と整列するように回転され、基板12が基板12上にスピンバルブの積層体を形成するために複数の経路を形成するにつれて、規定の順序で基板12上、すなわちシード層上にスパッタされる。複数の層及び多層の厚さは、一般にコーティングされた基板の使用によって決まる。
【0047】
所望厚さを有する所望数の層が堆積された後、キャップ層は、基板12上、すなわち最後の層上に上述した処理にしたがってスパッタ堆積される。そして、コーティングされた基板は、搭載/取外ポート88において堆積チャンバ14から取り外される。
【0048】
基板12上のスパッタ層それぞれの堆積厚さは、一定のターゲット出力において基板のスウィープ速度を調節することによって惑星スパッタ堆積技術を用いて制御されうる。層厚の均一性は、速度プロファイリングと方位角軸16回りの基板12の回転とにより維持される。磁性または非磁性材料それぞれの成分パーセントを有する材料の厚さは、一般にコーティングされた基板の使用によって決まる。
【0049】
本発明のスパッタ堆積システム10は、堆積チャンバ14から基板12を取り外すことなく基板12上に磁性及び非磁性材料からなる多層を堆積でき、さらに磨耗したスパッタターゲットが交換されて処理の処理能力を増大させることにより製造コストを低減できる。したがって、スパッタ堆積システム10及びその使用方法は、性能限界及び他の既知のスパッタ堆積システムのコストの欠点を克服する。
【0050】
本発明がさまざまな実施形態の記載により示されており、これら実施形態がかなり詳細に記載されている一方、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限しまたは多少なりとも限定することは、出願人の意図ではない。追加の有利点及び改良は、当業者にすでに現れているだろう。このため、本発明は、そのより広い態様において特定の詳細と装置及び方法それぞれと示され説明された説明に役立つ実例とに限定されていない。したがって、発展は、出願人の全体的な発明概念の精神及び範囲から逸脱することなくこのような詳細からなされる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明におけるスパッタ堆積システムの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるその使用方法を示す図1のスパッタ堆積システムの内部を示す概略平面図である。
【図3】ソース源を有する回転部材と図2の基板を有する移送機構とを示すを示す概略正面図であって本発明における使用の方法をさらに示す図である。
【図4】図1のスパッタ堆積システムの回転部材を示す分解斜視図である。
【図5】図2のスパッタ堆積システムを示す概略平面図であって本発明における速度プロファイルによってフィルム厚の均一性を最適化するために効果のあるシステムの特定パラメータを示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 スパッタ堆積システム,堆積システム,システム、12 基板、14 堆積チャンバ,チャンバ、16 方位角軸、20 回転部材、30,32 回転部材、34 マグネトロン、36,36a スパッタターゲット,ソースターゲット,ターゲット、42 中心軸,軸、50 堆積領域、54 煙突部、56 スパッタ材料,スパッタ束,堆積流束,束、66 移送機構、68 腕部、72 基板ホルダ、74 中心回転軸、76 処理装置、84 スパッタ源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの層を基板上に堆積するためのスパッタ堆積システムであって、
a) 方位角軸を有する堆積チャンバと、
b) 前記堆積チャンバと関連する回転部材であって、当該回転部材に設けられた複数のマグネトロンを有し、複数の前記マグネトロンそれぞれが複数のスパッタターゲットの対応する1つを有し、当該回転部材が前記マグネトロンそれぞれを位置合わせするように構成され、前記スパッタターゲットの対応する1つからのスパッタ材料を前記堆積チャンバに形成された堆積領域に向ける、回転部材と、
c) 前記堆積チャンバ内にある移送機構であって、当該移送機構が前記方位角軸回りで回転可能な腕部を有する、移送機構と、
d) 前記移送機構の前記腕部に前記方位角軸から第1半径のところで取り付けられた基板ホルダであって、当該基板ホルダが前記基板を支持し、前記基板上にスパッタ材料を堆積するために前記堆積領域を横断するように当該基板ホルダを回転する、基板ホルダと、
を備えることを特徴とするスパッタ堆積システム。
【請求項2】
前記基板ホルダが、前記基板を回転するために中心回転軸回りで回転するように構成され、
前記腕部が、前記堆積領域を通って前記基板を移動させるように前記基板を回転させることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項3】
前記移送機構と連絡する処理装置を備え、
前記処理装置が、前記移送機構を指示し、前記堆積領域を通して第1及び第2角速度で前記方位角軸回りで前記腕部を回転させ、実質的に均一な厚さの前記スパッタ材料を前記基板上に形成することを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項4】
前記方位角軸回りで回転して第2基板を前記堆積領域を通って運ぶ腕部を有する第2移送機構と、
前記第2基板のために、前記第2移送機構の前記腕部に前記方位角軸から第2半径のところで取り付けられた第2基板ホルダと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記スパッタターゲットが、少なくとも2つの材料よりなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項6】
前記回転部材が、第2回転部材を有し、
前記第2回転部材それぞれが、当該第2回転部材に設けられた複数のマグネトロンを有し、
前記第2回転部材の複数の前記マグネトロンそれぞれが、複数のスパッタターゲットの対応する1つを有し、
前記第2回転部材が、前記マグネトロンそれぞれを位置合わせするように構成され、前記スパッタターゲットの対応する1つからのスパッタ材料を前記堆積チャンバに形成された第2堆積領域に向けることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項7】
複数の前記マグネトロンが、6つのマグネトロンを有することを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項8】
前記回転部材と連絡する処理装置をさらに備え、
前記処理装置が、前記回転部材を指示し、前記回転部材が、複数の前記マグネトロンそれぞれの前記スパッタターゲットを回転させてスパッタ材料を前記基板上に堆積するために前記堆積領域と一列に並べることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項9】
前記移送機構と連絡する処理装置をさらに備え、
前記処理装置が、前記移送機構を指示し、前記移送機構が、前記堆積領域を通って前記基板を運ぶことを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項10】
前記堆積チャンバ内に位置する煙突部であって、前記スパッタターゲットの前記対応する1つからのスパッタ材料を閉じ込めかつ前記堆積チャンバに形成された堆積領域に向ける、煙突部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項11】
少なくとも1つの層を基板上に堆積するためのスパッタ堆積システムであって、
a) 方位角軸を有する堆積チャンバと、
b) 前記堆積チャンバと関連する回転部材であって、当該回転部材に設けられた複数のマグネトロンを有し、複数の前記マグネトロンそれぞれが複数のスパッタターゲットの対応する1つを有し、当該回転部材が前記マグネトロンそれぞれを位置合わせするように構成され、前記スパッタターゲットの前記対応する1つからのスパッタ材料を前記堆積チャンバに形成された堆積領域に向ける、回転部材と、
c) 前記堆積チャンバにある移送機構であって、当該移送機構が前記方位角軸回りで回転可能な腕部を有する、移送機構と、
d) 前記移送機構の前記腕部に前記方位角軸から第1半径のところで取り付けられた基板ホルダであって、当該基板ホルダが前記基板を支持し、前記腕部が当該基板ホルダを回転して当該基板ホルダがスパッタ材料を前記基板上に堆積するために前記堆積領域を横断し、当該基板ホルダが前記基板を回転するために中心軸回りで回転するようにさらに構成され、前記腕部が前記堆積領域を通って前記基板を移動する、基板ホルダと、
e) 前記移送機構と連絡する処理装置であって、当該処理装置が前記移送機構を指示し、前記移送機構が前記腕部を前記方位角軸回りで前記堆積領域を通って第1及び第2角速度で回転させて実質的に均一な厚さのスパッタ材料を前記基板上に形成する、処理装置と、
を備えることを特徴とするスパッタ堆積システム。
【請求項12】
前記方位角軸回りで回転して前記堆積領域を通って前記第2基板を運ぶ腕部を有する第2移送機構と、
前記第2基板を支持するために前記第2移送機構の前記腕部に前記方位角軸から第2半径のところで取り付けられた第2基板ホルダと、
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項13】
前記スパッタターゲットの少なくとも1つが、少なくとも2つの材料からなることを特徴とする請求項11に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項14】
前記回転部材が、第2回転部材を有し、
前記第2回転部材それぞれが、当該第2回転部材に設けられた複数のマグネトロンを有し、
前記第2回転部材の複数の前記マグネトロンそれぞれが、複数のスパッタターゲットの対応する1つを有し、
前記第2回転部材が、前記マグネトロンそれぞれを位置合わせするように構成され、前記マグネトロンが、前記スパッタターゲットの前記対応する1つからのスパッタ材料を前記堆積領域に形成された第2堆積領域に向けることを特徴とする請求項11に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項15】
複数の前記マグネトロンが、6つのマグネトロンを有することを特徴とする請求項11に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項16】
前記堆積チャンバ内に位置する煙突部であって、前記スパッタターゲットの前記対応する1つからのスパッタ材料を閉じ込めかつ前記堆積チャンバに形成された前記堆積領域に向けるために関連する、煙突部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のスパッタ堆積システム。
【請求項17】
少なくとも1つの層を基板上にスパッタ堆積する方法であって、
当該方法が、
a) 複数のマグネトロンを支持する回転部材を回転し、第1マグネトロンのスパッタターゲットを選択する工程と、
b) 前記第1マグネトロンの前記スパッタターゲットからの材料を堆積チャンバに形成された堆積領域に向ける工程と、
c) 基板を方位角軸回りで前記堆積領域を通って回転させる工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
前記基板を前記基板面と垂直な中心回転軸回りで回転し、前記基板が前記堆積領域を通って運ばれる工程をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基板を前記方位角軸回りで前記堆積領域を通って第1及び第2角速度で回転させ、実質的に均一な厚さの材料を前記基板上に形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
第2基板を前記方位角軸回りで前記堆積領域を通って回転させる工程をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のマグネトロンを支持する前記回転部材を回転し、第2マグネトロンのスパッタターゲットを選択する工程と、
前記第2マグネトロンの前記スパッタターゲットからの材料を前記堆積チャンバに形成された堆積領域に向ける工程と、
前記基板を前記方位角軸回りで前記堆積領域を通って回転させる工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のマグネトロンを支持する前記第2回転部材を回転し、第1マグネトロンのスパッタターゲットを選択する工程と、
前記第2回転部材の前記第1マグネトロンの前記スパッタターゲットからの第1材料を前記堆積チャンバに形成された第2堆積領域に向ける工程と、
前記基板を前記方位角軸回りで前記第2堆積領域を通って回転させる工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−529608(P2009−529608A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558546(P2008−558546)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/063655
【国際公開番号】WO2007/106732
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507414535)ビーコ・インスツルメンツ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】