説明

スピネル型リチウムマンガン酸化物及びその製造方法

【課題】粒径が小さく、かつ、結晶構造に乱れが少なく、大電流放電を行っても充電された電気エネルギーを電池外に十分に取り出すことができる二次電池用正極活物質としてのスピネル型リチウムマンガン酸化物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】スピネル型リチウムマンガン酸化物を化学組成が一般式:Li1+xMn2−x−yで表され、最大粒子径D100が15μm以下、(400)面のX線回折による半価幅が0.30以下、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上とする。ここに、MはAl,Co,Ni,Mg,Zr及びTiから選ばれた1種又は2種以上の金属元素であり、xは0≦x≦0.33の範囲を、yは0≦y≦0.2の範囲をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピネル型リチウムマンガン酸化物及びその製造方法に係り、特に、結晶粒径が小さく、結晶構造に乱れが少なく、大電流条件でも大きな放電容量を与えることができる二次電池用の正極活物質であるリチウムマンガン酸化物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は起電力やエネルギー密度の点で優れており、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯電子・通信機器用の電池として広く使用されている。近年では携帯用の電子機器のみならず自転車や電動バイク、自動車用などの移動体向け電源としても注目されてきており、これら分野向けのリチウム二次電池の開発も活発に進められてきている。
【0003】
現在リチウム二次電池用の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)が広く利用されているが、主原料であるコバルトがレアメタルであり、高価である上に資源の枯渇化等による供給不安が指摘されている。これに対して、スピネル型リチウムマンガン酸化物(化学式:LiMn,マンガン酸リチウム、リチウムマンガンスピネルとも称される)はその主原料となるマンガンは資源が豊富である上に経済性の面からも有利であり、その将来性が期待されている。
【0004】
携帯用電子機器用などの電源では機器の電源を入れてから使用可能となるまでの時間の短縮が求められており、自動車用についても移動体の急激な加減速に対応するため瞬間的に大電流が通電できる電池が必要とされる状況にある。
【0005】
通常、リチウムと遷移金属の複合酸化物は、スピネル型リチウムマンガン酸化物も含め、一般に導電性が低く、二次電池用正極活物質として用いる場合には電極内の導電性を確保するために導電材の配合が必要であり、リチウム二次電池の正極は、スピネル型リチウムマンガン酸化物等の正極活物質とカーボンブラックや黒鉛等の導電材及び結着材を混合してスラリーを調製し、これをアルミニウム箔に塗工することによって作製されるのが一般的である。
【0006】
スピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いる二次電池においても、通常の電池と同様に、大電流放電に際しては、電池内部の抵抗によるオーム損や正負極間の分極等による影響のため、充電された電気エネルギーを電池外に完全に取り出すことができないという問題がある。その問題に対して電極の薄膜化やその他の手法で電池内部抵抗を低減させる試みがなされている。
【0007】
かかる電極の薄膜化を図るためには、正極活物質の粒径を可能な限り小さくすることが有利であることが知られている。粒径を小さくするためには、スピネル型リチウムマンガン酸化物を粉砕する方法が有効であると考えられおり、例えば、特許文献1には、正極活物質の比表面積が5.0m/g以上であり、X線回折分析による結晶子径が70nm以下であり、かつ、50%累積粒子径が1μm以下である正極活物質を非水電解質二次電池用電極として利用することが開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、電解析出した二酸化マンガンを粉砕し、得られた平均粒子径3〜20μmの電解二酸化マンガンを利用してリチウムマンガン酸化物を製造するという方法が開示されている。さらに、特許文献3には、二酸化マンガンを平均粒径0.5μmに粉砕し、これに水酸化リチウム水溶液を加えてスラリーとなし、乾燥後、650〜950℃で焼成することにより、真球に近い形状で平均粒径約10μmの幅の狭い分布を有するマンガン酸リチウムの製造方法が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2006−202724号公報
【特許文献2】特開2000−169151号公報
【特許文献3】特開10−172567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されたスピネル型リチウムマンガン酸化物を粉砕する手段では、粉砕工程においてリチウムマンガン酸化物の結晶構造が損傷するために粒径が小さくなるものの電池特性が損なわれるという問題があった。一方、特許文献2あるいは3に開示されるような、予め原料である二酸化マンガンを粉砕しておく方法では、焼成時に粒子の成長が避けられず、結局、優れた電池特性を与えることができる正極活物質を得ることができない。
【0011】
本発明は、粒径が小さく、かつ、結晶構造に乱れが少なく、大電流放電を行っても充電された電気エネルギーを電池外に十分に取り出すことができる二次電池用正極活物質としてのスピネル型リチウムマンガン酸化物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、化学的に合成されたスピネル型リチウムマンガン酸化物を十分微細に粉砕した後に特定の温度条件で熱処理を行えば、微細でかつ結晶構造に乱れがないスピネル型リチウムマンガン酸化物が得られることを知見し、かつそれにより得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物の特性を確認して本発明を完成した。
【0013】
本発明に係るスピネル型リチウムマンガン酸化物は、化学組成が一般式:Li1+xMn2−x−yで表され、最大粒子径D100が15μm以下、(400)面のX線回折による半価幅が0.30以下、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上である。ここに、MはAl,Co,Ni,Mg,Zr及びTiから選ばれた1種又は2種以上の金属元素であり、xは0≦x≦0.33の範囲を、yは0≦y≦0.2の範囲をとる。
【0014】
上記本発明に係るスピネル型リチウムマンガン酸化物は、化学組成が一般式Li1+xMn2−x−yで表されるスピネル型リチウムマンガン酸化物を化学的に合成する段階と、前記段階で合成されたスピネル型リチウムマンガン酸化物を最大粒子径D100が15μm以下に粉砕する段階と、前記粉砕によって得られた粉砕物を500〜750℃以下で熱処理する段階とを順次行うことによって製造できる。
【0015】
前記スピネル型リチウムマンガン酸化物の合成段階において、マンガン原料を電解二酸化マンガンとすることが好適である。
【0016】
前記本発明のスピネル型リチウムマンガン酸化物の製造工程における粉砕段階をジェットミルにより行うものとすることができる。
【0017】
本発明に係るスピネル型リチウムマンガン酸化物は、二次電池の正極活物質として好適に利用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、粒径が小さく、かつ、結晶構造に乱れが少ないスピネル型リチウムマンガン酸化物を提供することができ、それを正極活物質として利用することにより、短時間で大電流放電を可能にできる二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るスピネル型リチウムマンガン酸化物は、化学組成が一般式:Li1+xMn2−x−yで表され、最大粒子径D100が15μm以下、(400)面のX線回折による半価幅が0.30以下、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上である。ここに、MはAl,Co,Ni,Mg,Zr及びTiから選ばれた1種又は2種以上の金属元素であり、xは0≦x≦0.33の範囲を、yは0≦y≦0.2の範囲をとる。
【0020】
本発明に係るスピネル型リチウムマンガン酸化物は、化学組成が一般式:Li1+xMn2−x−yで表される。すなわち、基本物質であるスピネル型リチウムマンガン酸化物(化学式:LiMn)のMnの一部を第三の金属元素Mに置換したもののも含まれ、また、Mnに対してLiをやや過剰に含むものも含まれる。この金属元素Mは、電池内部へのマンガン成分の溶出抑制や高温特性の改善に効果があるものとして選択され、Al,Co,Ni,Mg,Zr及びTiから選ばれた元素の1種又は2種以上を充当することができる。金属元素Mの置換量は、化学式:Li1+xMn2−x−yにおいて、yが0≦y≦0.2の範囲とする。置換量が多すぎると、これらを正極活物質として利用した二次電池の放電容量が低下する傾向があるためであり、放電容量の極端な低下は好ましくないため、y≦0.2に制限する。また、本発明のスピネル型リチウムマンガン酸化物においては、Mn(置換された金属元素Mを含む)に対するLiの原子比の範囲は、1〜1.33とする。Mnに対するLiの比が大きくなるにしたがい、リチウムマンガン二次電池の放電容量が低下し、例えばx:1.33では、Mn価数がほぼ4となって理論上4V領域では充放電しなくなるためである。
【0021】
本発明においては、リチウムマンガン酸化物の最大粒子径D100が15μm以下である。ここで最大粒子径とは、レーザー回折・散乱法の粒度分布測定装置により、計測された粒度分布において、累積値が100%を示す粒子径をいい、日機装(株)のマイクロトラック粒度分布測定装置(型式HRA9320−X100)を用いて測定することができる。この最大粒子径D100は、電極の薄膜化を考慮すると極力小さくすることが望ましいが、現実の塗工厚さを考慮すると最大粒子径D100が15μm以下で十分である。このような超微粉への粉砕は、例えば、ジェットミルを用いて粉砕することによって達成することができる。
【0022】
また、本発明では、結晶の(400)面のX線回折による半価幅が0.30以下、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上であり、結晶構造の乱れが極めて小さくなっている。これにより正極材料として相対的に結晶性が高く、電池特性に優れるという利点がある。なお、半価幅とは、回折ピークの1/2の高さにおけるピーク幅をいい、ピーク強度比I400/I111は、44°付近のピーク高さと18°付近のピーク高さの比である。
【0023】
上記の特性を有するリチウムマンガン酸化物は、下記の方法によって製造することができる。
【0024】
まず、化学組成が一般式Li1+xMn2−x−yで表されるスピネル型リチウムマンガン酸化物を化学的に合成する。この工程は、既存のスピネル型リチウムマンガン酸化物を製造する工程によればよく、特に制限されない。例えば、特開平10−255798号公報に記載されているような、水溶性リチウム塩と硝酸マンガンを、カチオン担持体として非イオン水溶性高分子物質の存在下に反応せしめてリチウムマンガン酸化物を得、これを乾燥・焼成するという方法をとってもよい。しかしながら、粉砕された電解二酸化マンガンと水酸化リチウム等のリチウム原料を混合後、焼成する方法をとるときは、内部空隙の少ないスピネル型リチウムマンガン酸化物を経済的に合成することができ有利である。
【0025】
ついで、前記段階で得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物を最大粒子径D100が15μm以下になるように粉砕する。粉砕する手段は、特に制限する必要はないが、超微粉砕機として知られるジェットミルを用いると最大粒子径D100が15μm以下への粉砕を容易に行うことができる。
【0026】
上記のようにして得られた粉砕されたスピネル型リチウムマンガン酸化物は、ついで粉砕過程で生じた結晶構造の乱れを回復するために行うもので、その温度範囲は下記実験等に基づいて決定する。
【0027】
原子比でLi:Mn:Al:Co=1.1:1.82:0.04:0.04の比となるように、炭酸リチウム、電解二酸化マンガン、四酸化三コバルト及び水酸化アルミニウムを、精密混合機を用いて乾式混合し、800℃で20時間大気中において焼成して組成式がLi1.1Mn1.82Al0.04Co0.04となるスピネル型リチウムマンガン酸化物を合成した。得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物を、ジェットミルを用いて、最大粒子径D100が11μmになるように粉砕した。この粉砕物からサンプルを切り出し、それぞれ350〜800℃の温度で大気雰囲気下において20時間熱処理し、得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物の最大粒子径D100、(400)面のX線回折による半価幅及び(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111を測定する実験を行った。図1は、上記実験の結果を熱処理温度と特性値との関係図として整理した結果である。
【0028】
図1から明らかなように、熱処理温度が500℃未満では、(400)面のX線回折による半価幅の低下が認められず、また、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111の上昇も認められない。一方、熱処理温度が750℃を超えると、半価幅の低下及び比I400/I111の上昇は十分大きいが、最大結晶粒径が15μmを超えるようになり、本願発明の目的である粒径が小さく塗工厚さを薄くすることができるスピネル型リチウムマンガン酸化物を提供することができなくなる。
【0029】
このような結果を生ずる原因は、熱処理温度が500℃未満では、粉砕によって受けた結晶構造の乱れの回復が不十分であり、一方、750℃を超えると、リチウムマンガン酸化物からの酸素の脱離反応が起きるためであると推測される。したがって、熱処理温度は500〜750℃の範囲に限定される。なお、熱処理時間は、上記結晶構造の乱れの回復を達成できればよく、また熱処理雰囲気は大気雰囲気でよい。なお、好ましくは、上記熱処理温度は600〜700℃とするのが好適である。
【0030】
上記のようにして熱処理されたリチウムマンガン酸化物は、篩い分けされて製品とされ、二次電池の正極材料として提供される。この篩い分けは上記粒径が得られるように行えばよく、その手段に特に制限はない。
【0031】
本発明に係る上記リチウムマンガン系複合酸化物を正極活物質として使用する場合にも、通常のリチウムマンガン酸化物と同様、負極活物質には炭素材料、リチウム吸蔵合金等のリチウム吸蔵放出可能な物質を用い、電解液としてはリチウム塩を非水系電解液または樹脂に溶解した非水系電解液を用いる。すなわち、リチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LIPF6)を用い、非水系電解液としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶液を用いた。このほかにもリチウム塩としてLiClO、LiAsF、LiBF、LiSOCF、LiN(SOCF)になどやそれらの混合物が用いられる。また、非水電解液としてはジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等やその混合物、及びエチレンオキシド、エチレンスルフイド、エチレンイミン等を主鎖とした高いイオン伝導性を有する高分子固体電解質(樹脂)等を用いることが可能である。
【実施例】
【0032】
炭酸リチウム、電解二酸化マンガン及び必要に応じて第三金属元素を含有する物質を所定の比率になるように精密混合機で乾式混合し、大気中で800℃20時間焼成してスピネル型リチウムマンガン酸化物を合成した。得られたスピネル型リチウムマンガン酸化物を、ジェットミルを用いて、最大粒子径が15μm以下になるように粉砕し、表1に示す条件で熱処理を行って製品とした。
【0033】
得られた製品の特性値として最大粒子径D100、(400)面のX線回折による半価幅、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111を測定するとともに、これらを正極活物質として用い、3極式の開放型試験セルを組み立てて電池特性の測定を行った。測定は、対極及び参照極として金属Liを用い3.0V−4.3Vの電位範囲で充放電させ、1時間でセル全体が放電し切る電流密度を1Cとして、0.2Cおよび3.0Cの条件で放電容量を測定した。また、0.2Cの条件で測定した放電容量に対する3.0Cの条件での放電容量をレート特性として算出した。
【0034】
【表1】

【0035】
表1から明らかなように、ジェットミルによる粉砕後、600℃、650℃あるいは700℃で20時間の熱処理を行ったものでは、熱処理を行わなかったもの、あるいは本発明の範囲より低温側の450℃で熱処理を行ったものに比べて(400)面のピーク幅が狭く、また(400)面のピーク強度は、(111)面に対する相対強度で比べると強くなっており、結晶性が高いことが確認された。このことから、粉砕後の熱処理によりスピネル型リチウムマンガン酸化物の結晶性が改善されていることが確認された。
【0036】
また、電池特性から分かるように本発明によって製造されたものは、同一の成分組成において、いずれも0.2C放電容量、3C放電容量が比較例に対して優れており、また、レート特性、すなわち、0.2C放電容量に対する3C放電容量の比も大きく、過酷な条件下でも短時間で大電流での放電が可能であることが確認された。
【0037】
図2は、上記実施例を含めて、スピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いたときの0.2Cでの放電容量、3Cでの放電容量及びレート特性を測定した結果を表2に示す条件で層別して示したグラフである。
【0038】
【表2】

【0039】
図2から、(400)面のX線回折による半価幅が0.25以下と極めて狭く、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上のもの(A)は、0.2C放電容量、3.0C放電容量がともに優れ、かつレート特性も90%を超え、短時間で大電流での放電が可能である。これに対して半価幅が本発明の範囲内にあるが、強度比が小さいもの(B)及び半価幅、強度比とも本発明の範囲外のもの(C)は、3.0C放電容量の低下、ひいてはレート特性において劣り短時間で大電流での放電には適さない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】合成されたスピネル型リチウムマンガン酸化物の粉砕後の熱処理温度と特性値との関係を示すグラフである。
【図2】スピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いたときの放電容量及びレート特性を測定した結果を(400)面のX線回折による半価幅及び(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111の値によって層別して示したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学組成が一般式Li1+xMn2−x−yで表され、最大粒子径D100が15μm以下であり、(400)面のX線回折による半価幅が0.30以下、かつ、(400)面のピーク強度I400の(111)面のピーク強度I111に対する比I400/I111が0.33以上であることを特徴とするスピネル型リチウムマンガン酸化物。
ここに、MはAl,Co,Ni,Mg,Zr及びTiから選ばれた1種又は2種以上の金属元素であり、xは0≦x≦0.33の範囲を、yは0≦y≦0.2の範囲をとる。
【請求項2】
化学組成が一般式Li1+xMn2−x−yで表されるスピネル型リチウムマンガン酸化物を合成する段階と、前記段階で合成されたスピネル型リチウムマンガン酸化物を最大粒子径D100が15μm以下に粉砕する段階と、前記粉砕段階によって得られた粉砕物を500〜750℃で熱処理する段階と、からなることを特徴とする請求項1記載のスピネル型リチウムマンガン酸化物の製造方法。
【請求項3】
スピネル型リチウムマンガン酸化物の合成段階におけるマンガン原料が電解二酸化マンガンであることを特徴とする請求項2記載のスピネル型リチウムマンガン酸化物の製造方法。
【請求項4】
粉砕がジェットミルにより行われることを特徴とする請求項2又は3記載のスピネル型リチウムマンガン酸化物の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載のスピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いた二次電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−156163(P2008−156163A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347083(P2006−347083)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(391021765)日本電工株式会社 (21)
【Fターム(参考)】