説明

スピンドルモータ

【課題】本発明は、スピンドルモータに関する。
【解決手段】本発明によるスピンドルモータは、回転軸と、前記回転軸を収容して回転可能に支持する軸受と、軸受が内部に取付けられる軸受ホルダと、前記軸受ホルダの外径に積層されて取付けられたコア及び前記コアに巻線されたコイルからなる電機子と、前記電機子との電磁気力により回転するように、内部に磁石が取付けられ、前記回転軸の外径に取付けられるロータケースと、前記ロータケースに対向するように前記電機子または前記軸受ホルダに選択的に取付けられ、吸引力により前記ロータケースの浮上及び離脱を防止する電磁石と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンドルモータに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子機器はそのサイズが小型化するとともに、格納メモリの大容量化の傾向が加速している。これにより、光ディスク(Optical disk)、ODD slimまたはハーフハイトドライブセット(Half height driving set)のような大容量メモリ格納装置の駆動装置に用いられるスピンドルモータは、そのサイズの小型化及び高速回転の要求に直面している状況である。
【0003】
スピンドルモータが高速回転する場合、それによって駆動されるディスクの安定した回転が求められ、そのためには、まずロータの安定した回転がなされなければならない。このような技術的問題を解決するために、多様な方法が試されている。
【0004】
一方、最近は、スピンドルモータの希土類磁石の急激な価格上昇により、モータの原価が急激に上昇している。スピンドルモータの駆動のためにはボンド(Bonded)永久磁石)が必要であり、ロータを保持するためには焼結(Sintered)永久磁石が必要である。特に焼結磁石の価格が急激に上昇しているため、焼結磁石を代替設計して、より価格競争力を有するモータが必要な状況である。
【0005】
従来技術によるスピンドルモータは、モータが回転する際にロータが分離されることを防止するために、または記録装置での安定した回転のために、吸引磁石が取付けられている。しかし、このような従来技術によるスピンドルモータは、希土類磁石を使用するため原価が急激に上昇するという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は価格競争力の高いスピンドルモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい一実施例によるスピンドルモータは、回転軸と、前記回転軸を収容して回転可能に支持する軸受と、軸受が内部に取付けられる軸受ホルダと、前記軸受ホルダの外径に積層されて取付けられたコア及び前記コアに巻線されたコイルからなる電機子と、前記電機子との電磁気力により回転するように、内部に磁石が取付けられ、前記回転軸の外径に取付けられるロータケースと、前記ロータケースに対向するように前記電機子または前記軸受ホルダに選択的に取付けられ、吸引力により前記ロータケースの浮上及び離脱を防止する電磁石と、を含むことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記電磁石は、コアにコイルが巻線された形状であることを特徴とする。
また、前記電磁石の前記コアは、リング型または直線型であることを特徴とする。
また、前記電磁石は、前記磁石に対向するように取付けられた前記コアの一面に取付けられることを特徴とする。
また、前記電磁石に印加される電流または電圧を制御する制御部をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0010】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に従って本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスピンドルモータは、モータが回転する際にロータケースの離脱を防止するために、または記録装置での安定した回転のために、ロータケースの下部と対面するようにコアの上部に電磁石を取付ける。
【0012】
電磁石は、軸受ホルダの外周面とコアの上部に取付けられ、電流を流すことができる(+)極と(−)極を有して回路基板と連結されるようにする。この際、電流の強さを調節することができるため、所望の吸引力に制御することができ、機械的仕様は固定して電気的仕様を指定することにより、今後共通仕様になることができる。
【0013】
従って、電磁石が取付けられたスピンドルモータを提供することにより、従来に用いていた高価の永久磁石に代えて、コアにコイルを密に巻線した電磁石を備えることにより、モータの価格単価を大きく低めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0015】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の一部断面図であり、図2は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の一部分解図であり、図3は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の一部拡大図である。また、図4は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の電磁石の動作順序を示すフローチャートである。
【0016】
図1に図示されたように、本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100は、プレート110と、軸受ホルダ120と、軸受130と、電機子140と、回転軸150と、スラスト板160と、ロータケース170と、電磁石180と、を含む。
プレート110は、スピンドルモータ100を全体的に固定支持するためのものであり、スピンドルモータ100が設けられる光ディスクドライブなどの装置に固設される。ここで、プレート110はアルミニウム板またはアルミニウム合金板などの軽量材質で製作されることができるが、これと異なって、鋼鉄板で製作されることもできる。
【0017】
また、プレート110には軸受ホルダ120が結合される結合部(不図示)が突出形成されており、結合部(不図示)に軸受ホルダ120が結合される。
結合部(不図示)は、プレート110の上面に軸受ホルダ120が結合固定されるように、締結部と固定部とからなる。
軸受ホルダ120は、その内部に軸受130を収容するためのものであり、プレート110の結合部(不図示)に固定結合される。
【0018】
軸受ホルダ120は、軸受130の外周面に密着して軸受130を支持する円筒状の本体部(不図示)と、本体部(不図示)に対して段差状に形成され、プレート110の上部を支持する板支持部(不図示)と、からなる。
軸受130は、回転軸150を回転可能に支持するためのものであり、全体的に中空の円筒状を有しており、回転軸150と対向する内径部(不図示)及びスラスト板160と対向する下部面(不図示)が形成される。
【0019】
電機子140は、光ディスクまたは磁気ディスクが搭載されるロータケース170を回転させるために、外部電源の印加を受けて電場を形成するためのものであり、多数枚の薄型金属板を積層させたコア141と、前記コア141に多数回巻線されるコイル142と、からなる。
【0020】
コア141は軸受ホルダ120の外周面に固設され、コイル142はコア141に巻線される。ここで、コイル142は、外部から印加される電流で電場を形成することにより、ロータケース170の磁石171との間に形成される電磁気力でロータケース170を回転させる。
【0021】
回転軸150は、ロータケース170を軸支持するためのものであり、軸受130に挿入され、軸受130によって回転可能に支持される。
一方、回転軸150の下部にはスラスト板160が配置され、この際、スラスト板160は軸受130の下部位置のプレート110に固定される。スラスト板160をプレート110に固定するためには、別のレーザー熔接などが行われることができるが、これと異なって、スラスト板160に所定の圧力を印加し、スラスト板160とプレート110とを圧入結合することもできる。
【0022】
ロータケース170は不図示の光ディスクまたは磁気ディスクを搭載して回転させるためのものであり、回転軸150が固設される円板部(不図示)と、円板部の末端から延長される環状の縁部(不図示)とを有する。
【0023】
円板部(不図示)の中央部には回転軸150が固定されるように挿入結合され、縁部(不図示)はその内周面が電機子140と対向するように回転軸150の軸方向に延長されており、コイル142で形成される電場との間に電磁気力を発生させるために磁場を形成する磁石171が、縁部(不図示)の内周面に固設される。
【0024】
電磁石180は、ロータケース170の下部と対向するようにコア141の上部に取付けられるものであり、モータが回転する際にロータケース170の離脱を防止するために、または記録装置での安定した回転のために取付けられる。
【0025】
図2は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の一部分解図を示したものであり、電機子140の上部位置であるP空間に電磁石180が取付けられる。
電磁石180は、高価の焼結磁石(永久磁石)に代替するためのものであり、リング型または直線型のコアにコイルが密に巻線されて形成される。
【0026】
電磁石180は、軸受ホルダ120の外周面及びコア141の上部に取付けられ、電流を流すことができる(+)極と(−)極を有して回路基板と連結されるようにする。この際、電流の強さを調節することができるため、所望の吸引力に制御することができ、機械的仕様は固定して電気的仕様を指定することにより、今後共通仕様になることができる。
【0027】
これにより、モータが回転する際の吸引力を維持するための高価の永久磁石に代えて、コアにコイルを密に巻線した電磁石180を備えることにより、モータの価格単価を大きく低めることができる。
【0028】
図3は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100に電磁石180が取付けられたことを示す。
電磁石180を取付ける位置は限定されず、モータが回転する際にロータケース170の離脱を防止するために、ロータケース170の下部と対面する全ての位置が可能である。
【0029】
図4は本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100の制御部のフローチャートである。
図4に図示されたように、本発明によるスピンドルモータは、前記電磁石に印加される電流または電圧を制御する制御部をさらに含む。制御部は、電流または電圧が印加され(S110)、コイルを介して電流または電圧が電磁石に印加されると電磁石が動作し(S120)、電磁石が動作すると、前記電磁石はロータケースを吸引して(S130)、ロータケースを吸引する力が所望のスラスト力であるかをチェックして(S140)、ロータケースを吸引する力が所望のスラスト力である場合はロータケースを吸引する力を維持し(S150)、電流供給が遮断される(S160)。一方、ロータケースを吸引する力が所望のスラスト力でない場合は、追加の電流が電磁石に印加される(S170)。
【0030】
上記のように本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータ100は、モータが回転する際にロータケース170の離脱を防止するために、または記録装置での安定した回転のために、ロータケース170の下部と対面するようにコア141の上部に電磁石180を取付ける。
【0031】
従って、従来に用いていた高価の永久磁石に代えて、コアにコイルを密に巻線した電磁石180を備えることにより、モータのコストを大きく低めることができる。
【0032】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるスピンドルモータはこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータの一部断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータの一部分解図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータの一部拡大図である。
【図4】本発明の好ましい実施例によるスピンドルモータの電磁石の動作順序を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
100 スピンドルモータ
110 プレート
120 軸受ホルダ
130 軸受
140 電機子
150 回転軸
160 スラスト板
170 ロータケース
180 電磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を収容して回転可能に支持する軸受と、
軸受が内部に取付けられる軸受ホルダと、
前記軸受ホルダの外径に積層されて取付けられたコア及び前記コアに巻線されたコイルからなる電機子と、
前記電機子との電磁気力により回転するように、内部に磁石が取付けられ、前記回転軸の外径に取付けられるロータケースと、
前記ロータケースに対向するように前記電機子または前記軸受ホルダに選択的に取付けられ、吸引力により前記ロータケースの浮上及び離脱を防止する電磁石と、を含むことを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項2】
前記電磁石は、コアにコイルが巻線された形状であることを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。
【請求項3】
前記電磁石の前記コアは、リング型または直線型であることを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。
【請求項4】
前記電磁石は、前記磁石に対向するように取付けられた前記コアの一面に取付けられることを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。
【請求項5】
前記電磁石に印加される電流または電圧を制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−64489(P2013−64489A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264470(P2011−264470)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】