説明

スピーカ装置

【課題】 2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合に、各スピーカ装置の入力チャンネルを有効に利用することができるスピーカ装置を提供すること。
【解決手段】 スピーカ装置1のステレオ拡張用L信号出力端子19aと、スピーカ装置1Aのステレオ拡張用入力端子18Aとがオーディオケーブル40を介して接続され、
スピーカ装置1Aのステレオ拡張用R信号出力端子19bAと、スピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18とがオーディオケーブル41を介して接続される。そして、各スピーカ装置1,1Aの入力チャンネルから入力される各ステレオ信号のうち、L信号はスピーカ装置1Aから放音され、R信号はスピーカ装置1から放音される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合に、各スピーカ装置の入力チャンネルを有効に利用することができるスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力されたステレオ信号を構成する左信号(以下「L信号」という)と右信号(以下「R信号」という)とをミキシングし、そのミキシングした信号を増幅して、モノラル音として放音するモノラル用のスピーカ装置が知られている。尚、次の特許文献1には、このモノラル用のスピーカ装置に搭載される音声出力回路に関する技術が開示されている。
【0003】
一方で、このモノラル用のスピーカ装置を利用して入力されたステレオ信号をステレオ音として放音させたい場合がある。そこで、本出願人は、次の非特許文献1において、このモノラル用のスピーカ装置にステレオ拡張機能を搭載したスピーカ装置を提案している。
【0004】
図8は、このステレオ拡張機能を搭載したスピーカ装置100の電気的構成を説明するための図である。尚、スピーカ装置100の各構成の具体的な説明については、後述するスピーカ装置1の説明を参照されたい。
【0005】
このスピーカ装置100によれば、第1入力チャンネル101にオーディオケーブル(図示せず)の一端を接続し、その他端を音源装置(図示せず)に接続すると、音源装置から出力されるステレオ信号はオーディオケーブルを介して第1入力チャンネル101から入力される。
【0006】
入力されたステレオ信号は、ステレオミキシングプリアンプ部102を介して、入力されたステレオ信号のL信号がL信号用経路103、R信号がR信号用経路104からステレオ拡張回路105に入力される。
【0007】
ステレオ拡張回路105は、入力されたステレオ信号をステレオ出力するためにL信号を別のスピーカ装置に出力するための回路であって、L信号用経路103とR信号用経路104との一端に接続された加算器107と、その加算器107に接続されたステレオ拡張用入力端子108と、L信号用経路103の途中に配置されたステレオ拡張用L信号出力端子109と、そのステレオ拡張用L信号出力端子109と加算器107との間に配置されたL信号用スイッチ110とによって構成されている。
【0008】
ここで、まず、1台のスピーカ装置100だけを利用して入力されたステレオ信号からモノラル信号を生成し、その生成したモノラル信号に基づいて放音する場合について説明する。この場合、L信号用スイッチ110はL信号用経路103を連結した状態にある。即ち、L信号用スイッチ110はステレオ拡張用L信号出力端子109にオーディオケーブル113(図9参照)が差し込まれるとL信号用経路103を遮断するように作動し、ステレオ拡張用L信号出力端子109にオーディオケーブル113(図9参照)が差し込まれていない状態(図8参照)では、L信号用経路103を連結した状態にある。
【0009】
この状態で、上述したように、L信号用経路103およびR信号用経路104の各々からL信号とR信号とがステレオ拡張回路105に入力されると、そのL信号とR信号とは、加算器107において混合され、モノラル信号として生成される。生成されたモノラル信号は、マスターVR111、AMP112、モノラル用スピーカ106を介して放音される。
【0010】
次に、図9を参照して、2台のスピーカ装置100を利用して、入力されたステレオ信号をステレオ出力する場合について説明する。図9は、スピーカ装置100とスピーカ装置100Aとを接続した状態を示す図である。
【0011】
尚、スピーカ装置100Aはスピーカ装置100と同じスピーカ装置であるため、スピーカ装置100Aの各構成の符号は、対応するスピーカ装置100の各構成の符号に「A」の文字を付したものとする。
【0012】
また、スピーカ装置100とスピーカ装置100Aとは、一端がスピーカ装置100のステレオ拡張用L信号出力端子109に、他端がスピーカ装置100Aのステレオ拡張用入力端子108Aに接続されたオーディオケーブル113を介して接続されており、この場合、スピーカ装置100のL信号用スイッチ110は、L信号用経路103を遮断する状態になる。
【0013】
よって、スピーカ装置100において、L信号用経路103およびR信号用経路104の各々からステレオ拡張回路105に入力されるL信号とR信号のうちL信号は、L信号用経路103がL信号用スイッチ110によって遮断されているため、ステレオ拡張用L信号出力端子109、オーディオケーブル113を介してスピーカ装置100Aのステレオ拡張用入力端子108Aに入力される。
【0014】
そして、そのステレオ拡張用入力端子108Aから、加算器107A、マスターVR111A、AMP112A、モノラル用スピーカ106Aを介して放音される。
【0015】
一方、R信号は、そのままスピーカ装置100のR信号用経路104から、加算器107、マスターVR111、AMP112、モノラル用スピーカ106を介して放音される。
【0016】
このように、ステレオ拡張機能を搭載した2台のスピーカ装置101,100Aを利用することで、一方のスピーカ装置100に入力されたステレオ信号のうちL信号は他方のスピーカ装置100Aから放音され、R信号は一方のスピーカ装置100から放音されるので、入力されたステレオ信号をステレオ音として放音することができる。
【特許文献1】特開2003−179992号公報
【非特許文献1】ローランド株式会社発行「KC−550/KC−350に関する取扱説明書」12頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述したステレオ拡張機能を搭載したスピーカ装置100では、他方のスピーカ装置100Aに出力することができる信号は、入力したステレオ信号のL信号とR信号とのうちいずれか一方の信号(上述した場合はL信号)に限られていた。
【0018】
そのため、上述した例で言えば、たとえ他方のスピーカ装置100Aに音源装置を接続したとしても、その音源装置から入力されるステレオ信号のR信号をスピーカ装置100に出力することはできないという問題点があった。
【0019】
換言すれば、音源装置に接続できる入力チャンネル数は、スピーカ装置100の入力チャンネル数に限定され、他方のスピーカ装置100Aの入力チャンネルを有効に利用することができないという問題点があった。
【0020】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合に、各スピーカ装置の入力チャンネルを有効に利用することができるスピーカ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的を達成するために請求項1記載のスピーカ装置は、音源装置から出力される右信号と左信号とにより構成されるステレオ信号を入力する第1の入力手段と、その第1の入力手段から入力された右信号と左信号とを別々の経路で送信する送信手段と、その送信手段から入力される信号を混合する混合手段と、その混合手段で混合された信号を増幅する増幅手段とを備え、その増幅手段で増幅された信号をモノラル音として放音するものであって、別のスピーカ装置に入力された信号を前記混合手段に入力する第2の入力手段と、前記左信号と右信号とをそれぞれ独立して前記送信手段から出力する第1の出力手段と、その第1の出力手段から前記左信号と右信号とが出力されない場合には、前記左信号と右信号とが前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを許容し、その第1の出力手段から前記左信号または右信号の一方の信号が出力される場合には、その一方の信号が前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを遮断し、他方の信号が前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを許容するように前記送信手段の経路を切替える切替手段とを備えている。
【0022】
請求項2記載のスピーカ装置は、音源装置から出力される右信号と左信号とにより構成されるステレオ信号を入力する第1の入力手段と、その第1の入力手段から入力された右信号と左信号とを別々の経路で送信する送信手段と、その送信手段を介して送信される左信号を増幅する左信号増幅手段と、前記送信手段を介して送信される右信号を増幅する右信号増幅手段とを備え、前記左信号増幅手段と右信号増幅手段とによって増幅された信号をステレオ音として放音するものであって、前記送信手段の一部であって前記左信号を2つの経路に分岐して送信する左信号送信手段と、前記送信手段の一部であって前記右信号を2つの経路に分岐して送信する右信号送信手段と、前記左信号送信手段の一方の経路と前記右信号送信手段の一方の経路とから入力される信号を混合し、その混合した信号を前記左信号増幅手段に向けて出力する第1の混合手段と、前記左信号送信手段の他方の経路と前記右信号送信手段の他方の経路とから入力される信号を混合し、その混合した信号を前記右信号増幅手段に向けて出力する第2の混合手段と、別のスピーカ装置に入力された信号を前記第1の混合手段と第2の混合手段とに入力する第2の入力手段と、前記左信号を前記左信号送信手段から、前記右信号を前記右信号送信手段からそれぞれ独立して出力する第1の出力手段と、その第1の出力手段から前記左信号と右信号とが出力されない場合には、前記左信号が左信号送信手段の一方の経路を介して前記第1の混合手段へ入力されるのを許容し、前記左信号が左信号送信手段の他方の経路を介して前記第2の混合手段へ入力されるのを遮断し、且つ、前記右信号が右信号送信手段の一方の経路を介して前記第1の混合手段に入力されるのを遮断し、前記右信号が右信号送信手段の他方の経路を介して前記第2の混合手段に入力されるのを許容し、その第1の出力手段から前記左信号または右信号の一方の信号が出力される場合には、その一方の信号が前記左信号送信手段または右信号送信手段を介して前記第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのを遮断し、他方の信号が前記左信号送信手段または右信号送信手段を介して前記第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのを許容するように前記左信号送信手段と右信号送信手段との経路を切替える切替手段とを備えている。
【0023】
請求項3記載のスピーカ装置は、請求項1又は2に記載の記載のスピーカ装置において、前記混合手段または前記第1、第2の混合手段よりも上流側において前記第1の入力手段から入力されるステレオ信号の音量を調節する音量調節手段を備えている。
【0024】
請求項4記載のスピーカ装置は、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ装置において、前記第1の入力手段は少なくとも2以上備えられており、その第1の入力手段の各々から入力される左信号の各々を混合する左信号混合手段と、その第1の入力手段の各々から入力される右信号の各々を混合する右信号混合手段とを備え、前記送信手段は、その左信号混合手段によって混合された左信号と右信号混合手段によって混合された右信号とを別々の経路で送信する。
【0025】
請求項5記載のスピーカ装置は、請求項4に記載のスピーカ装置において、前記音量調節手段は、前記左信号混合手段および右信号混合手段よりも上流側において前記第1の入力手段からから入力されるステレオ信号の音量を調節する。
【0026】
請求項6記載のスピーカ装置は、請求項4又は5に記載のスピーカ装置において、前記混合手段または前記第1、第2の混合手段よりも上流側であって前記左信号混合手段および右信号混合手段よりも下流側において前記送信手段により送信される右信号と左信号とを外部に出力する第2の出力手段を備えている。
【0027】
請求項7記載のスピーカ装置は、請求項1から6のいずれかに記載のスピーカ装置において、前記第1の出力手段は、前記左信号を前記送信手段から出力するステレオ拡張用左信号出力端子と、前記右信号を前記送信手段から出力するステレオ拡張用右信号出力端子とを備え、前記切替手段は、前記ステレオ拡張用左信号出力端子またはステレオ拡張用右信号出力端子に送信ケーブルの一端が差し込まれた場合に、前記送信手段の経路を切替える。
【0028】
請求項8記載のスピーカ装置は、請求項1から7のいずれかに記載のスピーカ装置において、音源装置から出力されるモノラル信号を入力する第3の入力手段と、その第3の入力手段から入力されるモノラル信号を互いに異なる特性を有する左信号と右信号とに変更する変更手段とに変更する変更手段とを備え、前記送信手段は、その変更手段で変更された右信号と左信号とを別々の経路で送信する。
【発明の効果】
【0029】
請求項1記載のスピーカ装置によれば、音源装置から第1の入力手段を介して入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とが第1の出力手段から出力されない場合には、切替手段によりその左信号と右信号とが送信手段を介して混合手段へ入力されるのが許容される状態にあるので、その左信号と右信号とは混合手段で混合され、混合された信号は増幅手段によって増幅され、モノラル音として放音される。よって、本装置を単独で使用する場合には、入力されたステレオ信号をモノラル音として放音することができる。
【0030】
一方、請求項1記載のスピーカ装置と同じスピーカ装置をもう1台用意し、各スピーカ装置の第1の入力手段からそれぞれステレオ信号を入力し、例えば、一方のスピーカ装置の第1の出力手段から左信号を他方のスピーカ装置の第2の入力手段に出力し、他方のスピーカ装置の第1の出力手段から右信号を一方のスピーカ装置の第2の入力手段に出力したとする。
【0031】
この場合、一方のスピーカ装置の第1の入力手段から入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とは、切替手段により左信号が送信手段を介して混合手段へ入力されるのが遮断され、右信号が送信手段を介して混合手段へ入力されるのが許容される。また、他方のスピーカ装置の第1の出力手段から出力された右信号は第2の入力手段を介して混合手段へ入力される。よって、一方のスピーカ装置では、第1の入力手段を介して入力されたステレオ信号の右信号と、第2の入力手段を介して入力される右信号とが混合手段で混合され、混合された信号は増幅手段によって増幅され放音される。
【0032】
また、他方のスピーカ装置の第1の入力手段から入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とは、切替手段により右信号が送信手段を介して混合手段へ入力されるのが遮断され、左信号が送信手段を介して混合手段へ入力されるのが許容される。また、一方のスピーカ装置の第1の出力手段から出力された左信号は第2の入力手段を介して混合手段へ入力される。よって、他方のスピーカ装置では、第1の入力手段を介して入力されたステレオ信号の左信号と、第2の入力手段を介して入力される左信号とが混合手段で混合され、混合された信号は増幅手段によって増幅され放音される。
【0033】
従って、本装置を2台利用して、各スピーカ装置の第1の入力手段からそれぞれステレオ信号を入力した場合、そのステレオ信号をステレオ音として放音することができ、各スピーカ装置の第1の入力手段を有効に利用することができるという効果がある。
【0034】
また、各スピーカ装置の第1の入力手段からステレオ信号を入力することができるので、例えば、2台のスピーカ装置を引き離して使用する場合に、近い方のスピーカ装置に音源装置を接続することができる。よって、スピーカ装置と音源装置とをオーディオケーブルを介して接続する接続作業の負担を軽減することができるという効果がある。
【0035】
請求項2記載のスピーカ装置によれば、音源装置から第1の入力手段を介して入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とが第1の出力手段から出力されない場合、その左信号は左信号送信手段の一方の経路を介して第1の混合手段へ入力されるのが許容され、左信号送信手段の他方の経路を介して第2の混合手段へ入力されるのが遮断される。また、右信号は右信号送信手段の一方の経路を介して第1の混合手段に入力されるのが遮断され、右信号送信手段の他方の経路を介して第2の混合手段に入力されるのを許容される。よって、第1の混合手段には左信号だけが入力され、その左信号は左信号増幅手段で増幅され放音される。また、第2の混合手段には右信号だけが入力され、その右信号は右信号増幅手段で増幅され放音される。従って、本装置を単独で使用する場合には、入力されたステレオ信号をステレオ音として放音することができる。
【0036】
一方、請求項2記載のスピーカ装置と同じスピーカ装置をもう1台用意し、各スピーカ装置の第1の入力手段からそれぞれステレオ信号を入力し、例えば、一方のスピーカ装置の第1の出力手段から左信号を他方のスピーカ装置の第2の入力手段に出力し、他方のスピーカ装置の第1の出力手段から右信号を一方のスピーカ装置の第2の入力手段に出力したとする。
【0037】
この場合、一方のスピーカ装置の第1の入力手段から入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とは、切替手段により左信号が左信号送信手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのが遮断され、右信号が右信号送信手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのが許容される。また、他方のスピーカ装置の第1の出力手段から出力された右信号は第2の入力手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力される。
【0038】
よって、一方のスピーカ装置では、第1の入力手段を介して入力されたステレオ信号の右信号と、第2の入力手段を介して入力される右信号とが第1の混合手段と第2の混合手段との各々で混合され、第1の混合手段で混合された右信号は左信号増幅手段によって増幅され、第2の混合手段で混合された右信号は右信号増幅手段によって増幅され放音される。
【0039】
また、他方のスピーカ装置の第1の入力手段から入力されるステレオ信号を構成する左信号と右信号とは、切替手段により左信号が左信号送信手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのが許容され、右信号が右信号送信手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのが遮断される。また、一方のスピーカ装置の第1の出力手段から出力された左信号は第2の入力手段を介して第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力される。
【0040】
よって、他方のスピーカ装置では、第1の入力手段を介して入力されたステレオ信号の左信号と、第2の入力手段を介して入力される左信号とが第1の混合手段と第2の混合手段との各々で混合され、第1の混合手段で混合された左信号は左信号増幅手段によって増幅され、第2の混合手段で混合された左信号は右信号増幅手段によって増幅され放音される。
【0041】
従って、本装置を2台利用して、各スピーカ装置の第1の入力手段からそれぞれステレオ信号を入力すれば、そのステレオ信号をステレオ音として放音することができ、各スピーカ装置の第1の入力手段を有効に利用することができるという効果がある。
【0042】
また、各スピーカ装置の第1の入力手段からステレオ信号を入力することができるので、例えば、2台のスピーカ装置を引き離して使用する場合に、近い方のスピーカ装置に音源装置を接続することができる。よって、スピーカ装置と音源装置とをオーディオケーブルを介して接続する接続作業の負担を軽減することができるという効果がある。
【0043】
請求項3記載のスピーカ装置によれば、請求項1又は2に記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、第1の入力手段から入力されるステレオ信号の音量は、混合手段または第1、第2の混合手段よりも上流側において調節されるので、混合手段または第1、第2の混合手段において別のスピーカ装置から入力される信号と混合される前に、そのステレオ信号の音量を音量調節をすることができる。従って、最終的に放音される音において、第1の入力手段から入力されるステレオ信号の音量の占める割合を使用者の所望する程度に調節することができるという効果がある。
【0044】
請求項4記載のスピーカ装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、少なくとも2以上の第1の入力手段の各々から入力される各ステレオ信号は、左信号が左信号混合手段によって混合され、右信号が右信号混合手段によって混合され、送信手段は、その左信号混合手段によって混合された左信号と、右信号混合手段によって混合された右信号とを別々の経路で送信するので、複数台の音源装置から出力されるステレオ信号を1台のスピーカ装置から放音することができるという効果がある。
【0045】
請求項5記載のスピーカ装置は、請求項4に記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、第1の入力手段の各々から入力される各ステレオ信号は、左信号混合手段および右信号混合手段よりも上流側において音量調節手段により音量が調節されるので、第1の入力手段の各々から入力される各ステレオ信号の音量を個別に調節することができるという効果がある。
【0046】
請求項6記載のスピーカ装置は、請求項4又は5に記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、混合手段または第1、第2の混合手段よりも上流側であって左信号混合手段および右信号混合手段よりも下流側において送信手段により送信される左信号と右信号とを外部に出力する第2の出力手段を備えているので、この第2の出力手段を例えばヘッドホンに接続することで、ヘッドホンを介して使用者にステレオ出力することができるという効果がある。
【0047】
請求項7記載のスピーカ装置は、請求項1から6のいずれかに記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、切替手段は、前記ステレオ拡張用左信号出力端子またはステレオ拡張用右信号出力端子に送信ケーブルの一端が差し込まれた場合に、送信手段の経路を切替えるので、別のスピーカ装置に信号を出力する場合には、必ず必要な操作である送信ケーブルの一端をステレオ拡張用左信号出力端子またはステレオ拡張用右信号出力端子に差し込むという1つの操作だけで、他の操作をすることなく切替手段を作動させることができる。従って操作性を向上させることができるという効果がある。
【0048】
請求項8記載のスピーカ装置は、請求項1から7のいずれかに記載のスピーカ装置の奏する効果に加え、第3の入力手段から入力されるモノラル信号は、変更手段によって、互いに異なる特性を有する右用信号と左用信号とに変更され、その右用信号と左用信号との各々が別々の経路で送信される。よって、この変更手段を搭載した2台のスピーカ装置を利用することで、各スピーカ装置の第3の入力手段から入力されるモノラル信号に関し、互いに異なる特性を有する左信号と右信号との一方の信号を一方のスピーカ装置から、他方の信号を他方のスピーカ装置から各々放音することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)はスピーカ装置1の正面図であり(b)はスピーカ装置1の背面図である。スピーカ装置1は、2台のスピーカ装置1を利用してステレオ出力する場合に、各スピーカ装置1の入力チャンネルを有効に利用することができる装置である。
【0050】
スピーカ装置1は、図1(a)に示すように、その正面側の中央部分にメッシュプレート2の背後に単一のスピーカ3が配置され、下方部分に1列に並んだ各種操作子群4が配置されている。
【0051】
単一のスピーカ3は、生成されたモノラル信号を外部に放音するためのものである。スピーカ装置1では、ステレオ信号が入力されたとしても、そのステレオ信号からモノラル信号が生成される。よって、単一のスピーカ3を搭載すれば足りるので、スピーカ装置1を小型にすることができる。
【0052】
各操作子群4は、左から順番に第1入力チャンネル用音量調節操作子5と、第2入力チャンネル用音量調節操作子6と、第3入力チャンネル用音量調節操作子7と、ヘッドホン用音量調節操作子8と、ヘッドホン用出力端子9と、イコライザ用操作子群10と、マスター用音量調節操作子11と、電源スイッチ12とを備えている。
【0053】
第1、第2、第3入力チャンネル用音量調節操作子5,6,7の各々は、後述する第1、第2、第3入力チャンネル14,15,16の各々に対応して設けられており、第1、第2、第3入力チャンネル14,15,16の各々を介して入力される各信号の音量を調節する操作子である。
【0054】
これらの音量調節操作子5,6,7は、回転可能に構成されており、これらの音量調節操作子5,6,7を右回転させると入力された信号の音量をアップさせ、左回転させるとダウンさせることができる。
【0055】
ヘッドホン用音量調節操作子8は、ヘッドホン用出力端子9に接続されたヘッドホンに出力する音の音量を調節する操作子であり、第1入力チャンネル用音量調節操作子5等と同様に構成され、同様に作用する。
【0056】
ヘッドホン用出力端子9は、後述する第1、第2、第3入力チャンネル14,15,16から入力される信号をヘッドホンにステレオ出力する端子である。ヘッドホン用出力端子9にヘッドホンに装備されている入力端子を差込むことで、入力された信号がヘッドホンにステレオ出力される。
【0057】
イコライザ用操作子群10は、モノラル用スピーカ3から放音する音の音質を調節する操作子であって、低周波数帯の音を調節する低周波数帯用操作子10aと高周波数帯の音を調節する高周波数帯用操作子10bとを備えている。
【0058】
低周波数帯用操作子10aと高周波数帯用操作子10bとは、共に回転可能に構成されており、各操作子10a,10bを右回転させると各周波数帯の音をブーストでき、左回転させると各周波数帯の音をカットすることができる。
【0059】
マスター用音量調節操作子11は、モノラル用スピーカ3から放音する音の音量を調節する操作子であって、第1入力チャンネル用音量調節操作子5等と同様に構成され、同様に作用する。
【0060】
電源スイッチ12は、スピーカ装置1への電源の供給と遮断とを切り替える押しボタン式のスイッチである。この電源スイッチ12が押し込まれると、その押し込まれた状態を維持してスピーカ装置1に電源が供給され続け、押し込まれた状態の電源スイッチ12を再度、押し込むことで電源供給が遮断される。
【0061】
また、スピーカ装置1には、図1(b)に示すように、その背面側の中央部分に上下2段からなる各種チャンネル群13が配置されている。各種チャンネル群13は、上段の右から順に第1入力チャンネル14と、第2入力チャンネル15と、第3入力チャンネル16と、下段にステレオ拡張用チャンネル17とを備えている。
【0062】
第1入力チャンネル14は、マイク装置や音源装置から出力されるモノラル信号を入力するチャンネルであって、第1モノラル用入力端子14aと、第2モノラル用入力端子14bとを備えている。第1モノラル用入力端子14aと、第2モノラル用入力端子14bとは、その形状を異にし、この第1,第2モノラル用入力端子14a,14bに差込むプラグの形状に応じて使い分けられる。
【0063】
例えば、第2モノラル用入力端子14bに差込み可能なプラグを有するオーディオケーブルを利用する場合には、その一端のプラグをモノラル信号用入力端子14bに差込み、他端を音源装置に差し込むことで、音源装置から出力されるモノラル信号がオーディオケーブルを介してモノラル信号用入力端子14bに入力される。
【0064】
第2入力チャンネル15は、音源装置から出力されるステレオ信号を構成するL信号とR信号とを入力するチャンネルであって、そのL信号を入力するL信号用入力端子15aと、R信号を入力するR信号用入力端子15bとを備えている。
【0065】
第3入力チャンネル16は、第2入力チャンネル15に接続される音源装置とは別の音源装置から出力されるステレオ信号を構成するL信号とR信号とを入力するチャンネルであって、L信号を入力するL信号用入力端子16aと、R信号を入力するR信号用入力端子16bとを備えている。
【0066】
このように複数の第1、第2,第3入力チャンネル14,15,16を設けることで、複数の音源装置から出力される信号を1つのスピーカ装置1に入力することができる。
【0067】
ステレオ拡張用チャンネル17は、2台のスピーカ装置1を利用して、ステレオ出力する場合に使用するためのものであり、右から順番にステレオ拡張用入力端子18と、ステレオ拡張用L信号出力端子19aと、ステレオ拡張用R信号出力端子19bとを備えている。
【0068】
ステレオ拡張用入力端子18は、スピーカ装置1とは別のスピーカ装置において入力されたステレオ信号のL信号やR信号を入力する端子である。ステレオ拡張用L信号出力端子19aは、スピーカ装置1に入力されたステレオ信号のL信号とR信号のうちL信号を、ステレオ拡張用R信号出力端子19bはR信号を別のスピーカ装置に出力する端子である。
【0069】
具体的には、2台のスピーカ装置1を用意し、例えば、オーディオケーブルの一端を一方のスピーカ装置1のステレオ拡張用L信号出力端子19aに差込み、他端を他方のスピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18に差し込む。また、別のオーディオケーブルの一端を他方のスピーカ装置1のステレオ拡張用R信号出力端子19bに差込み、他端を一方のスピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18に差し込む。
【0070】
この状態で各スピーカ装置1にL信号とR信号とからなるステレオ信号を入力すると、一方のスピーカ装置1に入力したステレオ信号のうちL信号は、ステレオ拡張用L信号出力端子19a、オーディオケーブル、他方のスピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18を介して他方のスピーカ装置1に入力される。そして、他方のスピーカ装置1から入力されたステレオ信号のL信号と混合され、他方のスピーカ装置1から放音される。
【0071】
一方、他方のスピーカ装置1に入力したステレオ信号のうちR信号は、ステレオ拡張用R信号出力端子19b、オーディオケーブル、一方のスピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18を介して一方のスピーカ装置1に入力される。そして、一方のスピーカ装置1に入力されたステレオ信号のR信号と混合され、一方のスピーカ装置1から放音される。
【0072】
このように、2台のスピーカ装置1を利用することで、各スピーカ装置1に入力されたステレオ信号をステレオ出力することができる。
【0073】
図2は、スピーカ装置1の電気的な構成を説明するための図である。スピーカ装置1は、第1、第2、第3入力チャンネル14、15、16と接続されているステレオミキシングプリアンプ部20と、そのステレオミキシングプリアンプ部20とL信号用経路21およびR信号用経路22を介して接続されているステレオ拡張回路23と、そのステレオ拡張回路23とモノラル用信号経路24を介して接続されているマスターボリューム25(以下、「マスターVR25」という)と、そのマスターVR25とモノラル用信号経路26を介して接続されているアンプ27(以下、「AMP27」という)とを備えている。尚、図1で説明したモノラル用スピーカ3は、モノラル用信号経路28を介してAMP27と接続されている。
【0074】
ステレオミキシングプリアンプ部20は、第1、第2、第3入力チャンネル用音量調節操作子5、6、7を含み、その各音量調節操作子5等の操作状況を検出し、その操作状況に応じて第1、第2、第3入力チャンネル14、15、16の各々から入力される各信号の音量を調節する。
【0075】
また、ステレオミキシングプリアンプ部20は、その音量が調節された各信号を混合し、1つのステレオ信号を生成し、その生成した1つのステレオ信号を構成するL信号をL信号用経路21に出力し、R信号をR信号用経路22に出力する。
【0076】
ここで、図3を参照してステレオミキシングプリアンプ部20の電気的構成について説明する。図3は、ステレオミキシングプリアンプ部20の電気的構成を説明するための図である。ステレオミキシングプリアンプ部20は、第1加算器33と、第1入力チャンネル用可変抵抗器34と、第2入力チャンネル用可変抵抗器35と、第3入力チャンネル用可変抵抗器36と、第2加算器37と、第3加算器38とを備えている。
【0077】
第1加算器33は、第1モノラル用入力端子14aと、第2モノラル用入力端子14bとの各々と接続され、その第1モノラル用入力端子14aと、第2モノラル用入力端子14bとの各々から入力されるモノラル信号を加算する。
【0078】
第1入力チャンネル用可変抵抗器34は、第1加算器33と、図示しない第1入力チャンネル用音量調節操作子5と接続されている。よって、この第1入力チャンネル用音量調節操作子5の操作状況に応じて第1入力チャンネル用可変抵抗器34の抵抗が変更され、第1加算器33から入力されるモノラル信号の音量が調節される。
【0079】
第2入力チャンネル用可変抵抗器35は、L信号用可変抵抗器35aとR信号用可変抵抗器35bとを備え、第2入力チャンネル15から入力されるステレオ信号の音量を調節する。
【0080】
具体的には、L信号用可変抵抗器35aはL信号用入力端子15aと、R信号用可変抵抗器35bはR信号用入力端子15bと接続され、また、L信号用可変抵抗器35aとR信号用可変抵抗器35bとには、共通する図示しない第2入力チャンネル用音量調節操作子6が接続されている。
【0081】
よって、この第2入力チャンネル用音量調節操作子6の操作状況に応じてL信号用可変抵抗器35aとR信号用可変抵抗器35bとの抵抗が共通して変更され、L信号用入力端子15aから入力されるL信号はL信号用可変抵抗器35aにおいて、R信号用入力端子15bから入力されるR信号はR信号用可変抵抗器35bにおいて共通した音量に調節される。
【0082】
第3入力チャンネル用可変抵抗器36は、L信号用可変抵抗器36aとR信号用可変抵抗器36bとを備え、第3入力チャンネル16から入力されるステレオ信号の音量を調節する。この第3入力チャンネル用可変抵抗器36は、第2入力チャンネル用可変抵抗器35と同様に作用するので、その説明は省略する。
【0083】
第2加算器37は、第1入力チャンネル用可変抵抗器34と、第2入力チャンネル用可変抵抗器35のL信号用可変抵抗器35aと、第3入力チャンネル用可変抵抗器36のL信号用可変抵抗器36aと接続され、第1入力チャンネル用可変抵抗器34から入力されるモノラル信号と、各L信号用可変抵抗器35a,36aから入力される各L信号とを加算する。また、この第2加算器37はL信号用経路21と接続されており、第2加算機37で加算された信号は、L信号としてL信号用経路21に出力される。
【0084】
第3加算器38は、第1入力チャンネル用可変抵抗器34と、第2入力チャンネル用可変抵抗器35のR信号用可変抵抗器35bと、第3入力チャンネル用可変抵抗器36のR信号用可変抵抗器36bと接続され、第1入力チャンネル用可変抵抗器34から入力されるモノラル信号と、各R信号用可変抵抗器35b,36bから入力される各R信号とを加算する。また、この第3加算器38はR信号用経路22と接続されており、第3加算機38で加算された信号は、R信号としてR信号用経路22に出力される。
【0085】
このように構成されたステレオミキシングプリアンプ部20によれば、第1、第2、第3入力チャンネル用可変抵抗器34,35,36を介して第1、第2、第3入力チャンネル14,15,16の各々から入力される各信号の音量を調節することができる。また、第2加算器37、第3加算器38を介して音量が調節された各信号を混合し、1つのステレオ信号を生成し、その生成された1つのステレオ信号を構成するL信号をL信号用経路21に、R信号をR信号用経路22に出力することができる。
【0086】
再び、図2に戻り説明を続ける。ステレオ拡張回路23は、2台のスピーカ装置1を利用してステレオ出力するための回路であって、L信号用経路21とR信号用経路22との一端に接続された加算器30と、L信号用経路21の途中に配置されたL信号用スイッチ31と、R信号用経路22の途中に配置されたR信号用スイッチ32とを備えている。
【0087】
また、ステレオ拡張回路23は、上述したステレオ拡張用入力端子18と、ステレオ拡張用L信号出力端子19aと、ステレオ拡張用R信号出力端子19bとを含み、ステレオ拡張用入力端子18は加算器30と接続され、ステレオ拡張用L信号出力端子19aはL信号用スイッチ31よりもステレオミキシングアンプ部20側のL信号用経路21の途中に接続され、ステレオ拡張用R信号出力端子19bは、R信号用スイッチ32よりもステレオミキシングアンプ部20側のR信号用経路22の途中に接続されている。
【0088】
加算器30は、入力された信号を混合し、モノラル信号を生成するためのものであって、生成されたモノラル信号をモノラル用信号経路24を介してしマスターVR25に出力する。
【0089】
L信号用スイッチ31は、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルの一端が差込まれた場合に、加算器30に通じるL信号用経路21を遮断するためのスイッチである。
【0090】
通常、L信号用スイッチ31は、ステレオミキシングプリアンプ部20と加算器30とを結ぶL信号用経路21を連結する状態にあり、この場合には、L信号用経路21から送信されるL信号は、加算器30に入力される。
【0091】
一方、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルの一端が差込まれると、その圧力により機械的にL信号用スイッチ31が作動してL信号用経路21を遮断する。
【0092】
よって、この場合には、L信号用経路21を通るL信号は、加算器30には入力されず、ステレオ拡張用L信号出力端子19aに入力される。尚、ステレオ拡張用L信号出力端子19aからオーディオケーブルの一端が引き抜かれると、L信号用スイッチ31は通常の状態に復帰する。
【0093】
R信号用スイッチ32は、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルの一端が差込まれた場合に、加算器30に通じるR信号用経路22を遮断するためのスイッチである。
【0094】
通常、R信号用スイッチ32は、ステレオミキシングプリアンプ部20と加算器30とを結ぶR信号用経路22を連結する状態にあり、この場合には、R信号用経路22から送信されるR信号は、加算器30に入力される。
【0095】
一方、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルの一端が差込まれると、その圧力により機械的にR信号用スイッチ32が作動してR信号用経路22を遮断する。
【0096】
よって、この場合には、R信号用経路22を通るR信号は、加算器30には入力されず、ステレオ拡張用R信号出力端子19bに入力される。尚、ステレオ拡張用R信号出力端子19bからオーディオケーブルの一端が引き抜かれると、R信号用スイッチ32は通常の状態に復帰する。
【0097】
マスターVR25は、上述したマスター用音量調節操作子11を含み、そのマスター音量調節操作子11の操作状況を検出し、その操作状況に応じてステレオ拡張回路23の加算器30から出力されるモノラル信号の音量を調節する。また音量を調節したモノラル信号をモノラル信号用経路26を介してアンプ27に出力する。
【0098】
AMP27は、上述した低周波数帯用操作子10aと高周波数帯用操作子10bとを含み、その低周波数帯用操作子10aと高周波数帯用操作子10bの操作状況を検出し、その操作状況に応じてマスターVR25から出力されるモノラル信号の音質を調節する。また、入力された信号を増幅して、その信号をモノラル信号用経路28を介してモノラル用スピーカ3に出力する。
【0099】
また、図1において説明したヘッドホン用出力端子9が、ステレオミキシングプリアンプ部20とステレオ拡張回路23との間のL信号用経路21およびR信号用経路22の途中に接続されている。
【0100】
よって、このヘッドホン用出力端子9にヘッドホンが接続された場合には、ステレオミキシングプリアンプ部20からL信号用経路21およびR信号用経路22の各々を通るL信号とR信号とは、ステレオ拡張回路に出力される他、ヘッドホン用出力端子9を介してヘッドホンにステレオ出力される。尚、ヘッドホンだけから放音する場合には、マスター用音量調節操作子11を操作してモノラル用スピーカ3から放音される音量が「0」になるように調節する。
【0101】
次に、上述したように構成されたスピーカ装置1において、例えば、第2、第3入力チャンネル15,16の各々に図示しないオーディオケーブルを介して音源装置が接続され、その各音源装置から出力される各ステレオ信号が、第2、第3入力チャンネル15,16から入力された場合について説明する。
【0102】
尚、ステレオ拡張用入力端子18、ステレオ拡張用L信号出力端子19a、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにはオーディオケーブルが接続されておらず、ステレオミキシングプリアンプ部20と加算器30とは、L信号用経路21およびR信号用経路22を介して連結された状態にあるものとする。
【0103】
この状態において、第2、第3入力チャンネル15,16から入力された各ステレオ信号は、ステレオミキシングプリアンプ部20において各ステレオ信号の音量が調節された後に混合され、1つのステレオ信号として生成され、その1つのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21、R信号はR信号用経路22を通ってステレオ拡張回路23に出力される。
【0104】
ステレオ拡張回路23に出力されたL信号とR信号とは、加算器30において混合され、モノラル信号としてモノラル信号用経路24を介してマスターVR25に出力される。マスターVR25に出力されたモノラル信号は、マスターVR25において音量が調節された後、モノラル用信号経路26を介してAMP27に出力される。AMP27に出力されたモノラル信号は、AMP27において音質が調節された後、モノラル用信号経路28、モノラル用スピーカ3を介して外部に放音される。
【0105】
このように、このスピーカ装置1は、複数のステレオ信号が入力されたとしても、その入力されたステレオ信号からモノラル信号を生成することで、単一のモノラル用スピーカ3から放音することができる。
【0106】
次に、図4を参照して、2台のスピーカ装置1(一方をスピーカ装置1、他方をスピーカ装置1Aとする)を利用して、各スピーカ装置1、1Aに入力された信号をステレオ出力する場合について説明する。
【0107】
図4は、2台のスピーカ装置1,1Aを接続した状態を示す図である。尚、スピーカ装置1とスピーカ装置1Aとは同じであるため、スピーカ装置1Aの各構成の符号は、対応するスピーカ装置1の各構成の符号に「A」の文字を付し、その説明を省略する。
【0108】
また、本実施例では、スピーカ装置1のステレオ拡張用L信号出力端子19aとスピーカ装置1Aのステレオ拡張入力端子18Aとをオーディオケーブル40で接続し、スピーカ装置1のステレオ拡張入力端子18とスピーカ装置1Aのステレオ拡張用R信号出力端子19bAとをオーディオケーブル41で接続することで、スピーカ装置1とスピーカ装置1Aとを接続する。
【0109】
よって、スピーカ装置1のL信号用スイッチ31は作動してL信号用経路31を遮断し、R信号用スイッチ32は作動せずR信号用経路22を連結する。また、スピーカ装置1AにおけるL信号用スイッチ31Aは作動せずL信号用経路21Aを連結し、R信号用スイッチ32Aは作動してR信号用経路22Aを遮断する。
【0110】
この状態で、例えば、スピーカ装置1の第2、第3入力チャンネル15,16からステレオ信号を入力すると、その入力された各ステレオ信号は、上述したのと同様に、ステレオミキシングプリアンプ部20において1つのステレオ信号として生成され、そのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21、R信号はR信号用経路22を通ってステレオ拡張回路23に出力される。
【0111】
ステレオ拡張回路23に出力されたL信号とR信号のうち、L信号はL信号用スイッチ31によってL信号用経路21が遮断されているため、ステレオ拡張用L信号出力端子19a、オーディオケーブル40、スピーカ装置1Aのステレオ拡張用入力端子18Aを介してスピーカ装置1Aの加算器30Aに出力される。
【0112】
一方、R信号は、R信号用スイッチ32がR信号用経路22を連結する状態にあるため、加算器30に出力される。
【0113】
また、スピーカ装置1Aにも第2、第3入力チャンネル15A,16Aからステレオ信号を入力すると、その入力された各ステレオ信号は、上述したのと同様に、ステレオミキシングプリアンプ部20Aにおいて1つのステレオ信号として生成され、そのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21A、R信号はR信号用経路22Aを通ってステレオ拡張回路23Aに出力される。
【0114】
ステレオ拡張回路23Aに出力されたL信号とR信号のうち、L信号はL信号用スイッチ31AがL信号用経路21Aを連結する状態にあるため、加算器30Aに出力される。
【0115】
一方、R信号は、R信号用スイッチ32AによってR信号用経路22Aが遮断されているため、ステレオ拡張用R信号出力端子19bA、オーディオケーブル41、スピーカ装置1のステレオ拡張用入力端子18を介してスピーカ装置1の加算器30に出力される。
【0116】
こうして、スピーカ装置1の加算器30にスピーカ装置1AからR信号が出力されると共に、スピーカ装置1のR信号用経路22を通ってR信号が出力されると、これらのR信号が加算器30において混合され、モノラル信号として生成される。生成されたモノラル信号は、上述したのと同様に、マスターVR25、AMP27、モノラル用スピーカ3を介して外部に放音される。
【0117】
一方、スピーカ装置1Aの加算器30Aに、スピーカ装置1からL信号が出力されると共に、スピーカ装置1AのL信号用経路21Aを通ってL信号が出力されると、これらのL信号が加算器30Aにおいて混合され、モノラル信号として生成される。生成されたモノラル信号は、上述したのと同様に、マスターVR25A、AMP27A、モノラル用スピーカ3Aを介して外部に放音される。
【0118】
このように、2台のスピーカ装置1,1Aを利用することで、各スピーカ装置1,1Aから入力されたステレオ信号をステレオ出力することができる。
【0119】
図5は、ステレオミキシングプリアンプ部20の部分的な電気的構成を説明するための図である。(a)は、ステレオミキシングプリアンプ部20にパンVR回路50を搭載した場合を示し、(b)はステレオミキシングプリアンプ部20にピッチ変調回路60を搭載した場合を示している。尚、上述した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
まず、ステレオミキシングプリアンプ部20にパンVR回路50を搭載した場合について説明する。パンVR回路50は、モノラル信号をL信号とR信号とに分離し、その分離したL信号とR信号との音量を調節するための回路である。
【0121】
パンVR回路50は、モノラル信号用入力端子14bに接続された可変抵抗器50aと、その可変抵抗器50aの一端に接続されたL信号用出力端子50bと、他端に接続されたR信号用出力端子50cとを備え、L信号用出力端子50bは上述したL信号用経路21と、R信号用出力端子50cは上述したR信号用経路22と各々接続されている。また、可変抵抗器50aには、この可変抵抗器50aの抵抗を使用者が適宜可変させるための操作子として図示しないバランス調節つまみが接続されているものとする。
【0122】
このパンVR回路50によれば、モノラル信号用入力端子14bを介して入力されるモノラル信号は、バランス調節つまみの操作状況に応じて所定の抵抗に設定された可変抵抗器50aにおいて、音量が調節されたL信号とR信号とに変更される。そして、そのL信号はL信号用出力端子50bを介してL信号用経路21に、R信号はR信号用出力端子50cを介してR信号用経路22に各々出力される。
【0123】
よって、このパンVR回路50を搭載した2台のスピーカ装置1,1Aを図4において説明したのと同様に接続することで、各スピーカ装置1,1Aの各モノラル信号用入力端子14b,14bAから入力されるモノラル信号に関し、スピーカ装置1から各スピーカ装置1,1AのパンVR回路50において音量が調節されたL信号を、スピーカ装置1Aから各スピーカ装置1A,1のパンVR回路50において音量が調節されたR信号を各々放音することができる。
【0124】
尚、パンVR回路50は、上記のように可変抵抗器50aとバランス調節つまみとを用いて構成する代わりに、入力信号を電圧制御により増幅して出力するVCA(電圧制御増幅器)をLFO(低周波発振器)からの低周波により制御するように構成したり、あるいはAD変換器、DA変換器とともにDSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理装置)を用いて構成することにより、音量変化の周期や深さ等を表すパラメータに応じて、L信号およびR信号の音量変化を自動制御するオート・パンポットとして構成することもできる。
【0125】
次に、図5(b)を参照して、ステレオミキシングプリアンプ部20にピッチ変調回路60を搭載した場合について説明する。ピッチ変調回路60は、モノラル信号をL信号とR信号とに分離し、その分離したL信号とR信号とのピッチを変調するための回路である。
【0126】
ピッチ変調回路60は、モノラル信号用入力端子14bに接続されたピッチ変調器60aと、そのピッチ変調器60aに接続されたL信号用出力端子60bと、R信号用出力端子60cとを備え、L信号用出力端子60bは上述したL信号用経路21と、R信号用出力端子60cは上述したR信号用経路22と各々接続されている。
【0127】
このピッチ変調回路60によれば、モノラル信号用入力端子14bを介して入力されるモノラル信号は、ピッチ変調器60aにおいて、図示しない低周波発振器(LFO)からの低周波に基づき互いに異なるピッチに変調されたL信号とR信号とに変更され、L信号はL信号用出力端子60bを介してL信号用経路21に、R信号はR信号用出力端子60cを介してR信号用経路22に各々出力される。尚、図5(b)においては、ピッチ変調回路60によって生成されるL信号のピッチとR信号のピッチとを互いに逆相の波形により変更する場合を図示している。
【0128】
よって、このピッチ変調回路60を搭載した2台のスピーカ装置1,1Aを図4において説明したのと同様に接続することで、各スピーカ装置1,1Aの各モノラル信号用入力端子14b,14bAから入力されるモノラル信号に関し、スピーカ装置1から各スピーカ装置1,1Aの各ピッチ変調回路60においてピッチが変調されたL信号を、スピーカ装置1Aから各スピーカ装置1,1Aの各ピッチ変調回路60においてピッチが変調されたR信号を各々放音することができる。
【0129】
図5において説明したように、スピーカ装置1にパンVR回路50やピッチ変調回路60を組み込むことでモノラル入力信号をステレオ化できるので、ステレオ入力信号に限らずモノラル入力信号に対しても本発明のステレオ拡張は効果的であり、2つのスピーカ装置1,1Aの各モノラル入力チャンネルをも有効に活用することができる。
【0130】
次に、図6及び図7を参照して、第2実施例のスピーカ装置200について説明する。第2実施例のスピーカ装置200は、上述した第1実施例のスピーカ装置1と同様に、2台のスピーカ装置200を利用してステレオ出力する場合に、各スピーカ装置200の入力チャンネルを有効に利用することができる装置であると共に、単体で使用する場合にもステレオ出力できるスピーカ装置である。
【0131】
尚、第1実施例のスピーカ装置1の外観構成と第2実施例のスピーカ装置200の外観構成とは、第1実施例のスピーカ装置1は、図1(a)に示すように、メッシュプレート2の背後に単一のスピーカ3が配置されているのに対して、この第2実施例のスピーカ装置200は、メッシュプレート2の背後に2つのスピーカが例えば左右に2つ配置されている点で異なり、その他の外観構成は略同様に構成されている。
【0132】
図6は、第2実施例のスピーカ装置200の電気的構成を説明するための図である。スピーカ装置200は、上述した通り、単体で使用する場合にもステレオ出力可能に構成されているため、左用スピーカとしてのスピーカ3Lと、右用スピーカとしてのスピーカ3Rとの2つのスピーカが搭載されており、それに伴い、スピーカ3Lに信号経路28Lを介して左用のAMP27Lが接続され、そのAMP27Lに信号経路26Lを介して左用のマスターVR25Lが接続されている。また、スピーカ3Rに信号経路28Rを介して右用のAMP27Rが接続され、そのAMP27Rに信号経路26Rを介して右用のマスターVR25Rが接続されている。
【0133】
これらのスピーカ3L,3Rと、マスターVR25L,25Rと、AMP27L,27Rとは、スピーカ装置1において説明したスピーカ3と、マスターVR25と、AMP27と同様に構成されているので、その説明は省略する。尚、マスターVR25LとマスターVR25Rとは、マスター用音量調節操作子11の操作状況に応じて連動して作動するように構成されている。
【0134】
また、スピーカ装置200には、第1、第2、第3入力チャンネル14、15、16と接続されているステレオミキシングプリアンプ部20と、そのステレオミキシングプリアンプ部20とL信号用経路21およびR信号用経路22を介して接続されているステレオ拡張回路70とを備えている。尚、第1、第2、第3入力チャンネル14、15、16と、ステレオミキシングプリアンプ部20とは、スピーカ装置1において説明したのと同様に構成されているため、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0135】
ステレオ拡張回路70は、スピーカ装置1におけるステレオ拡張回路23に対応する回路であり、ステレオ拡張回路23と同様に、2台のスピーカ装置200を利用してステレオ出力するための回路である。
【0136】
ステレオ拡張回路70は、L信号用経路21から分離する第1のL信号用経路21aおよび第2のL信号用経路21bと、R信号用経路22から分離する第1のR信号用経路22aおよび第2のR信号用経路22bと、第1のL信号用経路21aの一端と第1のR信号用経路22aの一端とに接続されているL信号用加算器30Lと、第2のL信号用経路21bの一端と第2のR信号用経路22bの一端とに接続されているR信号用加算器30Rと、第1のL信号用経路21aの途中に配置される第1のL信号用スイッチ31aと、第2のL信号用経路21bの途中に配置される第2のL信号用スイッチ31bと、第1のR信号用経路22aの途中に配置される第1のR信号用スイッチ32aと、第2のR信号用経路22bの途中に配置される第2のR信号用スイッチ32bとを備えている。
【0137】
更に、ステレオ拡張回路70は、第1実施例のステレオ装置1と同様に、ステレオ拡張用入力端子18と、ステレオ拡張用L信号出力端子19aと、ステレオ拡張用R信号出力端子19bとを備え、ステレオ拡張用入力端子18はL信号用加算器30LとR信号用加算器30Rとの各々に接続され、ステレオ拡張用L信号出力端子19aはL信号用経路21の途中に接続され、ステレオ拡張用R信号出力端子19bはR信号用経路22の途中に接続されている。
【0138】
L信号用加算器30Lは、入力された信号を混合するものであって、信号経路24Lを介してマスターVR25Lに接続されている。よって、L信号用加算器30Lにおいて混合された信号は、信号経路24Lを介してマスターVR25Lに出力される。
【0139】
R信号用加算器30Rは、入力された信号を混合するものであって、信号経路24Rを介してマスターVR25Rに接続されている。よって、R信号用加算器30Rにおいて混合された信号は、信号経路24Rを介してマスターVR25Rに出力される。
【0140】
第1のL信号用スイッチ31aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のL信号用経路21aの連結と遮断とを切替えるスイッチである。ステレオ拡張用L信号出力端子19aおよびステレオ拡張用R信号出力端子19bに図示しないオーディオケーブルが差し込まれていない場合、第1のL信号用スイッチ31aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のL信号用経路21aを連結する状態となり、この場合には、第1のL信号用経路21aから送信されるL信号は、L信号用加算器30Lに入力される。
【0141】
一方、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルが差込まれると、その圧力により機械的に第1のL信号用スイッチ31aが作動して第1のL信号用経路21aを遮断する状態に切替える。この場合、第1のL信号用経路21aから送信されるL信号がL信号用加算器30Lに入力されるのが遮断される。尚、ステレオ拡張用L信号出力端子19aからオーディオケーブルが引き抜かれると第1のL信号用スイッチ31aは再び先の状態に復帰する。
【0142】
また、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差込まれた場合には、第1のL信号用スイッチ31aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のL信号用経路21aを連結する状態を維持し、この場合には、第1のL信号用経路21aから送信されるL信号は、L信号用加算器30Lに入力される。
【0143】
第2のL信号用スイッチ31bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bの連結と遮断とを切替えるスイッチである。ステレオ拡張用L信号出力端子19aおよびステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差し込まれていない場合、第2のL信号用スイッチ31bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bの経路を遮断する状態にする。よって、この場合には、第2のL信号用経路21bから送信されるL信号がR信号用加算器30Rに入力されるのが遮断される。
【0144】
一方、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差込まれると、その圧力により機械的に第2のL信号用スイッチ31bが作動して第2のL信号用経路21bを連結する状態に切替え、この場合には、第2のL信号用経路21bから送信されるL信号はR信号用加算器30Rに入力される。尚、ステレオ拡張用R信号出力端子19bからオーディオケーブルの一端が引き抜かれると、第2のL信号用スイッチ31bは先の状態に復帰する。
【0145】
また、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルが差込まれた場合、第2のL信号用スイッチ31bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bを遮断する状態を維持し、この場合には、第2のL信号用経路21bから送信されるL信号は、R信号用加算器30Rに入力されるのが遮断される。
【0146】
第1のR信号用スイッチ32aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aの連結と遮断とを切替えるスイッチである。ステレオ拡張用L信号出力端子19aおよびステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差し込まれていない場合、第1のR信号用スイッチ32aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aを遮断する状態にし、この場合には、第1のR信号用経路22aから送信されるR信号のL信号用加算器30Lへの入力が遮断される。
【0147】
一方、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルが差込まれると、その圧力により機械的に第1のR信号用スイッチ32aが作動して第1のR信号用経路22aを連結する状態に切り替える。この場合には、第1のR信号用経路22aから送信されるR信号は、L信号用加算器30Lに入力される。尚、ステレオ拡張用L信号出力端子19aからオーディオケーブルが引き抜かれると、第1のR信号用スイッチ32aは再び先の状態に復帰する。
【0148】
また、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差込まれたとしても、第1のR信号用スイッチ32aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aを遮断する状態を維持する。この場合には、第1のR信号用経路22aから送信されるR信号が、L信号用加算器30Lに入力するのが遮断される。
【0149】
第2のR信号用スイッチ32bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のR信号用経路22bの連結と遮断とを切替えるスイッチである。ステレオ拡張用L信号出力端子19aおよびステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差し込まれていない場合、第2のR信号用スイッチ32bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のR信号用経路22bの経路を連結する状態にする。よって、この場合には、第2のR信号用経路22bから送信されるR信号は、R信号用加算器30Rに入力される。
【0150】
一方、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルが差込まれると、その圧力により機械的に第2のR信号用スイッチ32bが作動して第2のR信号用経路22bを遮断する状態に切り替える。この場合には、第2のR信号用経路22bから送信されるR信号が、R信号用加算器30Rに入力するのが遮断される。尚、ステレオ拡張用R信号出力端子19bからオーディオケーブルの一端が引き抜かれると第2のR信号用スイッチ32bは先の状態に復帰する。
【0151】
また、ステレオ拡張用L信号出力端子19aにオーディオケーブルが差込まれた場合、第2のR信号用スイッチ32bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のR信号用経路22bを連結する状態を維持し、この場合には、第2のR信号用経路22bから送信されるR信号は、R信号用加算器30Rに入力される。
【0152】
次に、上述したように構成されたスピーカ装置200を単独で使用する場合において、例えば、第2、第3入力チャンネル15,16の各々に図示しないオーディオケーブルを介して音源装置が接続され、その各音源装置から出力される各ステレオ信号が、第2、第3入力チャンネル15,16から入力された場合について説明する。
【0153】
この場合(単独使用する場合)、ステレオ拡張用入力端子18、ステレオ拡張用L信号出力端子19a、ステレオ拡張用R信号出力端子19bにはオーディオケーブルが接続されていないので、図6に示すように、第1のL信号用スイッチ31aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のL信号用経路21aを連結し、第2のL信号用スイッチ31bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bを遮断し、第1のR信号用スイッチ32aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aを遮断し、第2のR信号用スイッチ32bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のR信号用経路22bを連結する状態となる。
【0154】
よって、第2、第3入力チャンネル15,16から入力された各ステレオ信号は、上述した第1実施例のスピーカ装置1と同様に、ステレオミキシングプリアンプ部20において各ステレオ信号の音量が調節された後に混合され、1つのステレオ信号として生成され、その1つのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21、R信号はR信号用経路22を通ってステレオ拡張回路70に入力される。
【0155】
このうち、L信号用経路21を介して入力されるL信号は、第2のL信号用スイッチ31bによってR信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bが遮断されているので、第1のL信号用経路21aを介してL信号用加算器30Lに入力される。
【0156】
一方、R信号用経路22を介して入力されるR信号は、第1のR信号用スイッチ32aによってL信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aが遮断されているので、第2のR信号用経路22bを介してR信号用加算器30Rに入力される。
【0157】
こうして、L信号用加算器30LとR信号用加算器30Rとの各々に入力されたL信号とR信号とは、信号用経路24L,24Rを介して、マスターVR25L,25Rに入力され、マスターVR25L,25Rにおいて音量が調節される。その後、信号経路26L,26Rを介してAMP27L,27Rに入力され、音質が調節されると共に増幅される。そして、信号経路28L,28Rを介してスピーカ3L,3Rからステレオ音として外部に放音される。このように、このスピーカ装置200は、入力されたステレオ信号をステレオ音として放音することができる。
【0158】
次に、図7を参照して、2台のスピーカ装置200(一方をスピーカ装置200、他方をスピーカ装置200Aとする)を利用して、各スピーカ装置200、200Aに入力された信号をステレオ出力する場合について説明する。
【0159】
図7は、2台のスピーカ装置200,200Aを接続した状態を示す図である。尚、スピーカ装置200とスピーカ装置200Aとは同じスピーカ装置であるため、スピーカ装置200Aの各構成の符号は、対応するスピーカ装置200の各構成の符号に「A」の文字を付し、その説明を省略する。
【0160】
また、本実施例では、スピーカ装置200のステレオ拡張用L信号出力端子19aとスピーカ装置200Aのステレオ拡張入力端子18Aとをオーディオケーブル40で接続し、スピーカ装置200のステレオ拡張入力端子18とスピーカ装置200Aのステレオ拡張用R信号出力端子19bAとをオーディオケーブル41で接続することで、スピーカ装置200とスピーカ装置200Aとを接続する。
【0161】
よって、スピーカ装置200では、第1のL信号用スイッチ31aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のL信号用経路21aを遮断し、第2のL信号用スイッチ31bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のL信号用経路21bを遮断し、第1のR信号用スイッチ32aは、L信号用加算器30Lに通じる第1のR信号用経路22aを連結し、第2のR信号用スイッチ32bは、R信号用加算器30Rに通じる第2のR信号用経路22bを連結する状態となる。
【0162】
また、スピーカ装置200Aでは、第1のL信号用スイッチ31aAは、L信号用加算器30LAに通じる第1のL信号用経路21aAを連結し、第2のL信号用スイッチ31bAは、R信号用加算器30RAに通じる第2のL信号用経路21bAを連結し、第1のR信号用スイッチ32aAは、L信号用加算器30LAに通じる第1のR信号用経路22aAを遮断し、第2のR信号用スイッチ32bAは、R信号用加算器30RAに通じる第2のR信号用経路22bAを遮断する状態となる。
【0163】
この状態で、例えば、スピーカ装置200の第2、第3入力チャンネル15,16からステレオ信号を入力すると、その入力された各ステレオ信号は、上述したのと同様に、ステレオミキシングプリアンプ部20において1つのステレオ信号として生成され、そのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21、R信号はR信号用経路22を通ってステレオ拡張回路70に入力される。
【0164】
ステレオ拡張回路70に入力されたL信号とR信号のうち、L信号は第1,第2のL信号用スイッチ31a,31bによって第1,第2のL信号用経路21a,21bが遮断されているため、ステレオ拡張用L信号出力端子19a、オーディオケーブル40、スピーカ装置200Aのステレオ拡張用入力端子18Aを介してスピーカ装置200AのL信号用加算器30LAおよびR信号用加算器30RAに出力される。
【0165】
一方、R信号は、第1,第2のR信号用スイッチ32a,32bが第1,第2のR信号用経路22a,22bを連結する状態にあるため、L信号用加算器30LおよびR信号用加算器30Rに出力される。
【0166】
また、スピーカ装置200Aにも第2、第3入力チャンネル15A,16Aからステレオ信号を入力すると、その入力された各ステレオ信号は、上述したのと同様に、ステレオミキシングプリアンプ部20Aにおいて1つのステレオ信号として生成され、そのステレオ信号を構成するL信号はL信号用経路21A、R信号はR信号用経路22Aを通ってステレオ拡張回路70Aに出力される。
【0167】
ステレオ拡張回路70Aに入力されたL信号とR信号のうち、L信号は第1,第2のL信号用スイッチ31aA,31bAが第1,第2のL信号用経路21aA,21bAを連結する状態にあるため、L信号用加算器30LAおよびR信号用加算器30RAに出力される。
【0168】
一方、R信号は、第1,第2のR信号用スイッチ32aA,32bAによって第1,第2のR信号用経路22aA,22bAが遮断されているため、ステレオ拡張用R信号出力端子19bA、オーディオケーブル41、スピーカ装置200のステレオ拡張用入力端子18を介してスピーカ装置200のL信号用加算器30LおよびR信号用加算器30Rに出力される。
【0169】
こうして、スピーカ装置200のL信号用加算器30Lにスピーカ装置200AからR信号が出力されると共に、スピーカ装置200の第1のR信号用経路22aを通ってR信号が出力されると、これらのR信号がL信号用加算器30Lにおいて混合される。混合された信号は、上述したのと同様に、マスターVR25L、AMP27L、左用スピーカ3Lを介して外部に放音される。
【0170】
また、スピーカ装置200のR信号用加算器30Rにスピーカ装置200AからR信号が出力されると共に、スピーカ装置200の第2のR信号用経路22bを通ってR信号が出力されると、これらのR信号がR信号用加算器30Rにおいて混合される。混合された信号は、上述したのと同様に、マスターVR25R、AMP27R、右用スピーカ3Rを介して外部に放音される。即ち、スピーカ装置200のスピーカ3L,3Rからは、スピーカ装置200とスピーカ装置200Aとの各々から入力されたステレオ信号のうちR信号に基づく信号が放音される。
【0171】
一方、スピーカ装置200AのL信号用加算器30LAにスピーカ装置200からL信号が出力されると共に、スピーカ装置200Aの第1のL信号用経路21aAを通ってL信号が出力されると、これらのL信号がL信号用加算器30LAにおいて混合される。混合された信号は、上述したのと同様に、マスターVR25LA、AMP27LA、左用スピーカ3LAを介して外部に放音される。
【0172】
また、スピーカ装置200AのR信号用加算器30RAにスピーカ装置200からL信号が出力されると共に、スピーカ装置200Aの第2のL信号用経路21bAを通ってL信号が出力されると、これらのL信号がR信号用加算器30RAにおいて混合される。混合された信号は、上述したのと同様に、マスターVR25RA、AMP27RA、右用スピーカ3RAを介して外部に放音される。即ち、スピーカ装置200Aのスピーカ3LA,3RAからは、スピーカ装置200とスピーカ装置200Aとの各々から入力されたステレオ信号のうちL信号に基づく信号が放音される。
【0173】
このように、2台のスピーカ装置200,200Aを利用することで、各スピーカ装置200,200Aから入力されたステレオ信号をステレオ出力することができる。従って、各スピーカ装置200,200Aの入力チャンネルを有効に利用することができる。
【0174】
また、この第2実施例のスピーカ装置200のステレオミキシングプリアンプ部20に、図5で説明した第1実施例のスピーカ装置1と同様に、パンVR回路50や、ピッチ変調回路60を搭載することもできる。
【0175】
この場合には、スピーカ装置1と同様に、モノラル入力信号をステレオ化できるので、ステレオ入力信号に限らずモノラル入力信号に対しても本発明のステレオ拡張は効果的であり、2つのスピーカ装置200,200Aの各モノラル入力チャンネルをも有効に活用することができる。
【0176】
以上実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0177】
例えば、上述した実施例においては、スピーカ装置1からスピーカ装置1AにL信号を出力し、スピーカ装置1Aからスピーカ装置1にR信号を出力し、スピーカ装置1からR信号を放音し、スピーカ装置1AからL信号を放音する場合について説明した。
【0178】
しかし、本発明のスピーカ装置は、L信号とR信号との両方の信号を選択的に別のスピーカ装置に出力可能に構成されているので、当然に、上述したのとは、逆に、スピーカ装置1からスピーカ装置1AにR信号を出力し、スピーカ装置1Aからスピーカ装置1にL信号を出力し、スピーカ装置1からL信号を放音し、スピーカ装置1AからR信号を放音することも可能である。尚、第2実施例のスピーカ装置200についても同様に構成することもできる。
【0179】
また、上述した実施例においては、L信号用スイッチ31やR信号用スイッチ32は、ステレオ拡張用L信号出力端子19aやステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルの入力端子を差込むことで、その圧力により機械的に作動する場合について説明したが、L信号用スイッチ31やR信号用スイッチ32を作動させる手段としては、かかる手段に限られものではない。
【0180】
例えば、L信号用スイッチ31やR信号用スイッチ32の作動/解除を指示する操作子を別に設け、その操作子の操作状況を電気的に検出し、その操作子の操作状況に応じてL信号用スイッチ31やR信号用スイッチ32の作動/解除を制御するように構成しても良い。
【0181】
かかる場合には、ステレオ拡張用L信号出力端子19aやステレオ拡張用R信号出力端子19bにオーディオケーブルの入力端子を差込んだままの状態であっても、L信号用スイッチ31やR信号用スイッチ32の作動/解除を操作して、モノラル出力とステレオ出力を切替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】(a)はスピーカ装置の正面図であり(b)はスピーカ装置の背面図である。
【図2】スピーカ装置の電気的構成を説明するための図である。
【図3】ステレオミキシングプリアンプ部の電気的構成を説明するための図である。
【図4】2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合を説明するための図である。
【図5】ステレオミキシングプリアンプ部の部分的な電気的構成を説明するための図であり、特に、(a)は、ステレオミキシングプリアンプ部にパンVR回路を搭載した場合を示し、(b)はステレオミキシングプリアンプ部にピッチ変調回路を搭載した場合を示している。
【図6】第2実施例のスピーカ装置の電気的構成を説明するための図である。
【図7】第2実施例の2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合を説明するための図である。
【図8】従来のスピーカ装置の電気的構成を説明するための図である。
【図9】従来の方式で2台のスピーカ装置を利用してステレオ出力する場合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0183】
6 第2入力チャンネル用音量調節操作子(音量調節手段の一部)
7 第3入力チャンネル用音量調節操作子(音量調節手段の一部)
9 ヘッドホン用出力端子(第2の出力手段)
14 第1入力チャンネル(第3の入力手段)
14a 第1モノラル用入力端子(第3の入力手段)
14b 第2モノラル用入力端子(第3の入力手段)
15 第2入力チャンネル(第1の入力手段)
15a L信号用入力端子(第1の入力手段)
15b R信号用入力端子(第1の入力手段)
16 第3入力チャンネル(第1の入力手段)
16a L信号用入力端子(第1の入力手段)
16b R信号用入力端子(第1の入力手段)
18 ステレオ拡張用入力端子(第2の入力手段)
19a ステレオ拡張用L信号出力端子(第1の出力手段、ステレオ拡張用左信号出力手段)
19b ステレオ拡張用R信号出力端子(第1の出力手段、ステレオ拡張用右信号出力手段)
20 ステレオミキシングプリアンプ部(音量調節手段の一部)
21 L信号用経路(送信手段の一部)
22 R信号用経路(送信手段の一部)
21a 第1のL信号用経路(送信手段の一部、左信号送信手段)
21b 第2のL信号用経路(送信手段の一部、左信号送信手段)
22a 第1のR信号用経路(送信手段の一部、右信号送信手段)
22b 第2のR信号用経路(送信手段の一部、右信号送信手段)
30 加算器(混合手段)
30L L信号用加算器(左信号混合手段)
30R R信号用加算器(右信号混合手段)
31 L信号用スイッチ(切替手段)
32 R信号用スイッチ(切替手段)
31a 第1のL信号用スイッチ(切替手段)
31b 第2のL信号用スイッチ(切替手段)
32a 第1のR信号用スイッチ(切替手段)
32b 第2のR信号用スイッチ(切替手段)
50 パンVR回路(変更手段)
60 ピッチ変調回路(変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源装置から出力される右信号と左信号とにより構成されるステレオ信号を入力する第1の入力手段と、その第1の入力手段から入力された右信号と左信号とを別々の経路で送信する送信手段と、その送信手段から入力される信号を混合する混合手段と、その混合手段で混合された信号を増幅する増幅手段とを備え、その増幅手段で増幅された信号をモノラル音として放音するスピーカ装置において、
別のスピーカ装置に入力された信号を前記混合手段に入力する第2の入力手段と、
前記左信号と右信号とをそれぞれ独立して前記送信手段から出力する第1の出力手段と、
その第1の出力手段から前記左信号と右信号とが出力されない場合には、前記左信号と右信号とが前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを許容し、その第1の出力手段から前記左信号または右信号の一方の信号が出力される場合には、その一方の信号が前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを遮断し、他方の信号が前記送信手段を介して前記混合手段へ入力されるのを許容するように前記送信手段の経路を切替える切替手段とを備えていることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
音源装置から出力される右信号と左信号とにより構成されるステレオ信号を入力する第1の入力手段と、その第1の入力手段から入力された右信号と左信号とを別々の経路で送信する送信手段と、その送信手段を介して送信される左信号を増幅する左信号増幅手段と、前記送信手段を介して送信される右信号を増幅する右信号増幅手段とを備え、前記左信号増幅手段と右信号増幅手段とによって増幅された信号をステレオ音として放音するスピーカ装置において、
前記送信手段の一部であって前記左信号を2つの経路に分岐して送信する左信号送信手段と、
前記送信手段の一部であって前記右信号を2つの経路に分岐して送信する右信号送信手段と、
前記左信号送信手段の一方の経路と前記右信号送信手段の一方の経路とから入力される信号を混合し、その混合した信号を前記左信号増幅手段に向けて出力する第1の混合手段と、
前記左信号送信手段の他方の経路と前記右信号送信手段の他方の経路とから入力される信号を混合し、その混合した信号を前記右信号増幅手段に向けて出力する第2の混合手段と、
別のスピーカ装置に入力された信号を前記第1の混合手段と第2の混合手段とに入力する第2の入力手段と、
前記左信号を前記左信号送信手段から、前記右信号を前記右信号送信手段からそれぞれ独立して出力する第1の出力手段と、
その第1の出力手段から前記左信号と右信号とが出力されない場合には、前記左信号が左信号送信手段の一方の経路を介して前記第1の混合手段へ入力されるのを許容し、前記左信号が左信号送信手段の他方の経路を介して前記第2の混合手段へ入力されるのを遮断し、且つ、前記右信号が右信号送信手段の一方の経路を介して前記第1の混合手段に入力されるのを遮断し、前記右信号が右信号送信手段の他方の経路を介して前記第2の混合手段に入力されるのを許容し、その第1の出力手段から前記左信号または右信号の一方の信号が出力される場合には、その一方の信号が前記左信号送信手段または右信号送信手段を介して前記第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのを遮断し、他方の信号が前記左信号送信手段または右信号送信手段を介して前記第1の混合手段と第2の混合手段とへ入力されるのを許容するように前記左信号送信手段と右信号送信手段との経路を切替える切替手段とを備えていることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項3】
前記混合手段または前記第1、第2の混合手段よりも上流側において前記第1の入力手段から入力されるステレオ信号の音量を調節する音量調節手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記第1の入力手段は少なくとも2以上備えられており、
その第1の入力手段の各々から入力される左信号の各々を混合する左信号混合手段と、
その第1の入力手段の各々から入力される右信号の各々を混合する右信号混合手段とを備え、
前記送信手段は、その左信号混合手段によって混合された左信号と右信号混合手段によって混合された右信号とを別々の経路で送信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記音量調節手段は、前記左信号混合手段および右信号混合手段よりも上流側において前記第1の入力手段からから入力されるステレオ信号の音量を調節することを特徴とする請求項4に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記混合手段または前記第1、第2の混合手段よりも上流側であって前記左信号混合手段および右信号混合手段よりも下流側において前記送信手段により送信される右信号と左信号とを外部に出力する第2の出力手段を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載のスピーカ装置。
【請求項7】
前記第1の出力手段は、前記左信号を前記送信手段から出力するステレオ拡張用左信号出力端子と、前記右信号を前記送信手段から出力するステレオ拡張用右信号出力端子とを備え、
前記切替手段は、前記ステレオ拡張用左信号出力端子またはステレオ拡張用右信号出力端子に送信ケーブルの一端が差し込まれた場合に、前記送信手段の経路を切替えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項8】
音源装置から出力されるモノラル信号を入力する第3の入力手段と、
その第3の入力手段から入力されるモノラル信号を互いに異なる特性を有する左信号と右信号とに変更する変更手段とに変更する変更手段とを備え、
前記送信手段は、その変更手段で変更された右信号と左信号とを別々の経路で送信することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のスピーカ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−50525(P2006−50525A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355171(P2004−355171)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000116068)ローランド株式会社 (175)
【Fターム(参考)】