説明

スペーサを備えた画像表示装置

【課題】 アノード周囲での放電を抑制する。
【解決手段】 (A)電子放出素子を備えたリアプレートと、(B)アノードとアノードよりも低い電位が印加される導電性膜とを基板上に備えたフェイスプレートと、(C)アノードと導電性膜とを跨ぐように配置されたスペーサとを具備する画像表示装置であって、スペーサの直下における導電性膜の端部よりも、スペーサの両脇における導電性膜の端部をアノードに向かって突出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Field Emission Displayなどの電子線を発光体に照射することで得られる発光を利用して画像を表示する画像表示装置に関するものである。特に、電子放出素子が配置された基板と、該基板に対向するように配置された発光体を備える基板との間にスペーサを配置した画像表示装置、およびそれを用いたテレビジョンなどの情報表示再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子放出素子を有する第1の基板と、発光体(アノード)を有する第2の基板と、上記第1の基板と第2の基板間に配置された板状のスペーサとを備える画像表示装置において、第二の基板上には発光体(アノード)を囲むように、且つ、発光体(アノード)と間隔を置いて導電膜が配置され、そして、発光体に印加される電位よりも低い電位が導電膜に印加されることが開示されている。このような構成を採用することで、画像表示装置自体の大きさを低減すると同時に発光体(アノード)周囲における放電の発生を抑制することが期待される。また、特許文献1には、板状のスペーサを更に備えた画像表示装置が開示されている。そして、スペーサの両端を導電膜で囲まれた領域よりも外側に配置することでスペーサの両端などでの放電を抑制する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−250494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年のテレビジョンなどの画像表示装置においては、より一層の小型化が求められている。そのため、上記した画像表示装置においては、発光体(アノード)と発光体を取り囲む導電膜との距離をより一層縮めることが求められ、同時に、放電の発生をより一層抑制できる技術の開発が求められている。特には、スペーサと第1基板との間であって、発光体(アノード)と発光体を取り巻く導電膜との間においては、スペーサ表面の電位分布によっては、放電を誘発する可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は、画像表示装置のより一層の小型化と、より一層の放電に対する安定性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであって、即ち、(A)少なくとも電子放出素子を備えたリアプレートと、(B)アノードと、前記アノードと離れて配置され、前記アノードよりも低い電位が印加される導電性膜と、を基板上に備えたフェイスプレートと、(C)前記リアプレートと前記フェイスプレートとの間に設けられ、前記アノードと前記導電性膜とを跨ぐように配置されたスペーサと、を具備する画像表示装置であって、前記導電性膜は、前記スペーサと前記基板との間に位置する第1領域と該第1領域を挟む第2領域とを備えており、前記第2領域の前記アノード側の端部が、前記第1領域の前記アノード側の端部よりも前記アノードに向かって突出していることを特徴とする画像表示装置である。
【0006】
また、本発明の画像表示装置は、「前記第2領域の前記アノード側の端部が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以上、前記第1領域の前記アノード側の端部から突出していること」、「前記第2領域の前記アノード側の端部とスペーサとの平均距離が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以下であること」、「前記第2領域の幅が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以上であること」、「前記第2領域の前記アノード側の端部の形状が、略台形であること」、「前記導電性膜は、前記アノードの外周を囲む様に、配置されていること」、「前記導電性膜は、環状の導電性膜であり、該環状の導電性膜で囲まれた領域内に、前記アノードが配置されていること」、「前記導電性膜と前記アノードは、前記導電性膜よりも高抵抗な膜で接続されていること」、「前記高抵抗な膜のシート抵抗値が、107〜1016Ω/□であること」、「前記導電性膜のアノード側端部が、誘電体膜で覆われていること」、「前記誘電体膜は、前記導電性膜の第1領域を除いた領域以外を覆うこと」、をもその特徴とするものである。
【0007】
また、本発明は、受信した放送信号に含まれる映像情報、文字情報および音声情報の少なくとも1つを出力する受信器と、該受信器に接続された上記画像表示装置とを少なくとも備える情報表示再生装置をもその特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、スペーサの直下(スペーサと第1基板との間の領域およびその周辺)において、スペーサの直下における導電性膜の形状により、当該部分の電界強度を弱めることができる。その結果、アノードと導電性膜との間の沿面耐圧を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の発光体基板ならびに画像表示装置は、特に、電子放出素子から放出した電子を発光体に照射することによる発光を利用した画像表示装置に適応できる。
【0010】
以下では、表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置を例にあげ、図1〜図3を用いて本発明の画像表示装置を具体的に説明する。
【0011】
尚、本発明に適用できる電子放出素子には制限はない。適用可能な電子放出素子としては、MIM型電子放出素子や、MIS型電子放出素子や、表面伝導型電子放出素子や、電界放出型電子放出素子を用いることができる。電界放出型電子放出素子としては、金属や半導体を微細加工して円錐や四角錘状の電子放出体として備えた電界放出型電子放出素子(いわゆるスピント型の電界放出型電子放出素子)や、カーボンナノチューブやグラファイトナノファイバーなどのナノサイズの直径を備えるカーボンファイバーを電子放出体として用いた電界放出型電子放出素子が好ましく用いることができる。
【0012】
本発明の画像表示装置の一例として、図2に、その模式化した斜視図を示す。尚、図2は、説明の都合上、一部を省いて表している。図3にスペーサ1004が配置されない部分における画像表示装置の断面図を示す。図中、1001はリアプレート、1002はフェイスプレート、1003は側壁であり、これらにより内部が真空(減圧状態)に維持された気密容器が形成される。この気密容器に駆動回路を接続することで画像表示装置が形成される。
【0013】
リアプレート1001には、電子放出素子1101が複数配置されている。各電子放出素子1101は、列方向配線1102のうちの1つと、行方向配線1103のうちの1つとに接続している。そして、所望の電子放出素子に接続されている列方向配線1102と行方向配線1103とに電圧を印加することで、所望の電子放出素子を駆動させ、電子を放出させることができる。
【0014】
フェイスプレート1002には、発光体膜1201とアノードが配置されている。アノードには、電子放出素子1101から放出された電子を加速させるためのアノード電圧(Va)が印加される導電性の部材である。アノードは、発光体膜1201に積層される。発光体膜1201とフェイスプレート1002との間に配置される場合や、発光体膜1201上に配置される場合などがある。発光体膜1201とフェイスプレート1002との間にアノードが配置される場合には、アノードは透明導電膜から構成される。透明導電膜としては、ITOや酸化スズなどを好適に利用することができる。
【0015】
発光体膜1201に含まれる発光体としては、電子線照射により発光する材料であればどのような材料でもよく、CRT用の蛍光体や投射管用の蛍光体が好適に使用される。
【0016】
図2では発光体膜1201上にアノードが配置される場合を示しており、この場合アノードはメタルバック1203となる。メタルバック1203としては金属光沢をもつ導電膜すなわち金属薄膜が好適に使用される。電子はメタルバック1203を透過して蛍光体を励起するため、メタルバック1203によりエネルギーを損失する。このエネルギー損失を小さくするために、エネルギー損失の少ないアルミニウム膜をメタルバックとして用いることが好ましい。
【0017】
また、発光体膜1201は、表示する画像のコントラストを向上するために、発光体と、発光体を充填するための複数の開口を備える光吸収膜とから構成される場合がある。そして、この光吸収膜を導電性材料で構成すれば、この光吸収膜がアノードの一部を構成することができる。そして、導電性の光吸収膜上にメタルバック1203を配置した場合においては、導電性の光吸収膜とメタルバックとがアノードを構成する。光吸収膜は一般に黒色の材料から構成され、そのため、「ブラックマトリクス」あるいは「ブラックストライプ」と呼ばれる。光吸収膜の材料としては、カーボンブラックや黒色顔料を含有した低融点ガラスなどが好適に用いられる。「ブラックマトリクス」の場合は、発光体を充填するための複数の開口が格子状に配列されているものを指す。一方、「ブラックストライプ」の場合は、縦方向に伸びる開口を、所定の間隔を置いて横方向に並んでいるものを指す。
【0018】
また、ここで説明する例では、図2に示す様に、メタルバック1203が発光体膜1201の外周よりも外側にまで延在している場合を示す。しかしながら、本発明においては、光吸収膜の外周よりも内側にメタルバック1203の外周が位置しても良い。このような場合においては、光吸収膜が導電性材料で形成された場合にはアノードの外周が光吸収膜の外周で規定される。一方、光吸収膜が絶縁性材料で形成された場合にはアノードの外周はメタルバック1203の外周で規定される。また、メタルバック1203の外周の内側に光吸収膜(発光体膜)の外周が収まる場合においては、光吸収膜の材料によらず、アノードの外周はメタルバック1203の外周で規定される。
【0019】
以下では、メタルバック1203の外周の内側に光吸収膜(発光体膜)の外周が収まる場合について説明する。即ち、以下で説明する例においては、メタルバックがアノードに相当する。
【0020】
メタルバック(アノード)1203は、高圧導入部1005を介して高圧電源1006に接続される。高圧電源1006は5kV以上30kV以下、好ましくは10kV以上20kV以下の電圧をメタルバック1203に供給する。尚、この電圧の範囲の基準となる電位は、GND電位である。
【0021】
また、フェイスプレート1002には、メタルバック(アノード)1203の外周よりも外側の領域での放電が起こらないようにするために、メタルバック(アノード)1203よりも低い電位に規定された導電性膜1204を設ける。導電性膜1204の電位は、メタルバック(アノード)1203の電位よりもリアプレート1001の表面電位に近ければよい。しかしながら、リアプレート1001の表面電位は略GND電位であることが多く、その簡便さから、導電性膜1204の電位はGND電位に規定するのがより好ましい。
【0022】
導電性膜1204は、メタルバック(アノード)1203の外周と間隔を置いて配置されており、且つ、メタルバック(アノード)1203を囲む様に配置される。即ち、導電性膜1204とメメタルバック(アノード)1203は重なる部分を持たず、また、直接お互いに接続することもない。
【0023】
メタルバック(アノード)1203は、基本的に画像表示領域と相似形であるため、典型的には四角形状の外周を備える。そのため、導電性膜1204は、メタルバック(アノード)1203の四角形状の外周を形成する4辺の各々に沿って配置されることが好ましい。また、典型的には、導電性膜1204は、環状の導電性膜であり、環状の導電性膜の内周(アノードの外周に対向する端部)の内側にメタルバック(アノード)1203が配置される。
【0024】
本発明においては、図3に図示されている様に、アノード(メタルバック)1203の外側に導電性膜1204が配置される。尚、本発明における「アノードの外側」とは、フェイスプレート1002上であって、アノードと側壁1003との間を指すものである。即ち、気密容器内のフェイスプレート1002上であって、アノードと側壁1003との間を指す。また、「フェイスプレート上」とはフェイスプレート1002に支持された状態を指す。導電性膜1204の材料としては、金属膜で構成することができることは当然であるが、銀などの金属粒子および低融点ガラスからなる導電性ペーストや、カーボンブラックなどを用いることもできる。
【0025】
次に、スペーサ1004について説明する。スペーサ100は、真空容器を形成するリアプレート1001とフェイスプレート1002とが対向する方向にかかる大気圧を支持する耐大気圧構造として用いられる。スペーサ1004としては、ガラスもしくはセラミックスで形成された板状のものが好適にもちいられる。その長手方向の両端部は、導電性膜1204で囲まれた領域の外側に配置されることが好ましい。スペーサ1004の端部には、スペーサをフェスプレート及び又はリアプレートに固定するための接着剤や固定部材(1301)等が配置される場合がある。このような接着剤や固定部材は、放電要因となる場合がある。また、スペーサ端部には鋭角な角部などが存在するため、一般に放電しやすい形状である。そのため、これらの構造(スペーサの端部、固定部材)を電界強度が弱い領域である、導電性膜1204の外側の領域に配置することにより、上記の構造物(スペーサの端部、固定部材)からの放電を抑制することができる。
【0026】
次に、本発明の特徴である、スペーサ1004が配置される部分の近傍における、導電性膜1204の形状について説明する。
【0027】
図1(b)は、スペーサが配置される部分の画像表示装置の断面模式図であり、図1(a)は当該部分のフェイスプレート1002およびスペーサ1004をリアプレート1001側から見た平面図である。また、図1(b)は図2のB−B′線における断面の一部を示す模式図でもある。図1に示すようにフェイスプレート1001にはアノード1203の外周と間隔をあけて導電性膜1204が配置されている。
【0028】
スペーサ1004は、アノード1203と導電性膜1204とをまたぐように配置されている。導電性膜1204の外側であって、気密容器内の内側において、スペーサ1004は、スペーサ接着部1301によりリアプレート1001に固定されている。尚、ここでは、スペーサ1004はリアプレート側に固定されている例を示したが、フェイスプレート側に固定される場合、あるいはフェイスプレート及びリアプレートの双方に固定される場合もある。
【0029】
図1(a)には、フェイスプレート1002の表面のうち、スペーサ1004が配置されている領域の近傍を示している。そして、スペーサ1004とフェイスプレート1002との間に位置する導電性膜1204の領域を第1領域として示してある。本発明における「第1領域」は、広義には、導電性膜1204の一部であって、スペーサ1004の正射影領域およびその近傍を含むものである。但し、狭義には、導電性膜1204の一部であって、スペーサ1004の直下(スペーサの正射影)の領域を意味する。そして、その第1領域に両脇に隣接する領域を、「第2領域」と呼ぶ。
【0030】
導電性膜1204とスペーサ1004とが交差する近傍部分(第1領域)では、スペーサが存在するため、導電性膜のうち、スペーサが配置されない領域(第2領域)に比べて、電界強度が強くなる場合がある。アノードよりも低電位である導電性膜1204の端部に電界が集中すると、当該部分から電界電子放出が発生し、それをきっかけに放電にいたる恐れがある。そこで、導電性膜1204のうちスペーサが交差する近傍部分(第1領域)の電界強度を弱めることが必要となる。
【0031】
そこで、本発明においては、図1(a)に図示したとおり、導電性膜1204の第2領域を、第1領域よりもアノード(1203)側に突出した形状としている。このような構成を採用することで、突出部分が低い電位をアノード電極側に押し出し、シールドのように働くために、スペーサ部分の第1領域近傍の電界強度を緩和することができ、スペーサの近傍の耐圧を向上することができる。ス
スペーサ近傍の電界強度を弱めることができる理由を、図4(a)、及び図4(b)を用いて説明する。図4(a)は、図1(a)で示したスペーサ近傍の構造における、等電位線の様子を示している。また、図4(b)は、本発明とは異なり、アノード1203から第2領域のアノード側端部までの距離と、アノード1203から第1領域のアノード側端部までの距離が等しい場合における、等電位線の様子を示している。尚、図4(a)および図4(b)における点線が等電位線である。
【0032】
図4(a)に示す様に、本発明では、導電性膜1204の第2領域におけるアノード側端部が第1領域のアノード側端部よりもアノード側に突出していると、第2領域のアノード側端部とアノードとの間には、第1領域のアノード側端部とアノードとの間に比べて、よりアノードに近くまで低電位が分布することになる(破線は等電位線を示す)。その結果、第1領域のアノード側端部の近傍における電位分布も、前述の第2領域部分の電位分布に影響されて、低電位がアノード側に押し上げられることとなる(図4(a)の「電界緩和部分」参照)。一方で、図4(b)に示すような、導電性膜1204のアノード側端部に凹凸がない場合には、図4(a)に示したような電界強度の緩和を得ることができない。
【0033】
この様な効果は、特に、スペーサの電位やスペーサの形状やその他の影響で、フェイスプレート1002表面における電位分布とスペーサ表面における電位分布にずれが生じるようなときには、特に顕著になる。
【0034】
次に、導電性膜1204の第2領域の形状について説明する。第2領域の形状として、アノード方向に突出する距離X、スペーサ1004と第2領域までの距離Y、幅Z、の3種の寸法で規定することができる(図4(a)参照)。
【0035】
アノード方向に突出する距離Xについては、距離Xが大きければ大きいほど、スペーサ1004の近傍の電界強度は緩和されるが、その距離Xが導電性膜1204の第1領域とアノードの間の距離Wに対し、1割以上であれば好適に電界強度を緩和できる。
【0036】
スペーサ1004と第2領域までの距離Yについては、距離Yが小さければ小さいほど、スペーサ1004の近傍の電界強度は緩和されるが、その距離Yが導電性膜1204の第1領域のアノード側端部とアノード1203との間の距離Wに対し、1割以下であれば好適に電界強度を緩和できる。
【0037】
幅Zがあまりに小さいと、その先端にて電界集中が起こってしまう。したがってある程度以上の幅が必要となる。幅Zが導電性膜1204の第1領域とアノード1203との間の距離Wに対し、1割以下であれば電界集中の程度はあまり強くなく、好適に導電性膜1204とアノード1203との間の耐圧を保持できる。
【0038】
また、導電性膜1204の第2領域の形状は、スペーサ1004から離れたところではアノード1203の外周と実質的に平行であることが、前述のとおり余計な電界集中を回避するという観点から好ましい。したがって、導電性膜1204の第2領域のアノード側端部の形状は略台形であることが好ましい。
【0039】
次に、導電性膜1204配置個所について説明する。導電性膜1204の配置個所は、アノード1203の外側に配置すればよい。たとえばスペーサ1004が配置される領域近傍だけ設けてもよい。しかしながら、アノード1203の外周を囲うように配置する(導電性膜1204を環状に形成する)ことが好ましい。従って、導電性膜1204は閉環状に形成し、その内側にアノードを配置することが最も好ましい形態である。そして、導電性膜1204とアノード1203との間には間隔が設けられる。
【0040】
次に、アノード1203と導電性膜1204の間の沿面耐圧保持構造について図5を用いて説明する。図5(a)、図5(b)において、1002はフェイスプレート、1203はアノード、1204は導電性膜である。導電性膜1204にはアノード1203より低い電位が印加される。
【0041】
真空中の沿面放電は、(1)低電位側電極(図5における1204に相当)からの電子放出、(2)誘電体表面(図5における1002に相当)の正帯電、の2つの要因により発生する。すなわち、低電位側電極からの電界放出電子が、誘電体表面(沿面部)を多重散乱しながら高電位側電極(図5における1203に相当)に向かう現象(二次電子雪崩;Secondary Electron Emission Avalanche)によって、誘電体表面が正に帯電し、低電位側電極近傍の電界強度がさらに強くなる、という正帰還を繰り返し放電にいたると考えている。ここで、低電位側電極からの電界電子放出量は、電極表面の電界強度によりきまると推測される。一般に、図5(a)に示すような真空―誘電体―金属の三重点1401は、その形状によっては電界強度が計算上無限大に発散し、容易に電界電子放出が発生してしまうと考えられている。
【0042】
つぎに、上記した図4(a)などで示した本発明の構成にさらに、沿面耐圧を向上する方法として、図5(b)に示すように高抵抗膜1205を配置することが挙げられる。高抵抗膜1205の効果としては、(1)高抵抗膜中を微小電流が流れることにより電圧降下が発生し、高抵抗膜部分は抵抗分布で決まる抵抗分割による電位分布となり、三重点1401部分の電界を緩和することができる、(2)仮に電界放出電子が発生し、高抵抗膜部分に入射して帯電したとしても、高抵抗膜中を電流が流れているため容易に除電できる、ことが挙げられる。
【0043】
これらのことから、高抵抗膜を設けることにより沿面耐圧を向上することができる。高抵抗膜に必要とされる機能は上記のように微小電流が流れることであり、抵抗値が低すぎると電流が流れすぎるため消費電力が増加し当該部分の温度が上昇する。また抵抗値が高すぎると上述の効果が得られない。ここで、高抵抗膜の抵抗値としては、シート抵抗値で107〜1016Ω/□であると好適にこのような特性を満たす。
【0044】
このような高抵抗膜の材料としては、例えば金属酸化物を用いることが出来る。金属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由はこれらの酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、帯電しにくいためと考えられる。金属酸化物以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材料である。高抵抗膜の他の材料としては、ゲルマニウムと遷移金属合金の窒化物は遷移金属の組成を調整することにより、良伝導体から絶縁体まで広い範囲に抵抗値を制御できるので好適な材料である。遷移金属元素としてはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zr,Nb、Mo,Hf,W等があげられる。
【0045】
この窒化膜はスパッタ、窒素ガス雰囲気中での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形成手段によりフェイスプレート基板上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜形成法で作製することができるが、この場合窒素ガスに代えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキシド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。カーボン膜を用いる際には蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で作製され、特に非晶質カーボンを作製する場合には、成膜中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに炭化水素ガスを使用する。
【0046】
また、上記した高抵抗膜1205を設けることによって沿面耐圧を向上する方法以外の方法として、図6、図9に示すように誘電体膜1206を配置することが挙げられる。図6を用いて導電性膜1204のアノード側端部を誘電体膜1206で覆う例について説明する。
【0047】
尚、誘電体膜1206は、導電性膜1204のアノード側端部の全てを覆うことが好ましい。
【0048】
誘電体膜1206の機能としては(1)誘電体膜1206がない場合(図5(a)参照)に形成される三重点1401を覆い、当該個所の電界強度を緩和すること、(2)新たにできた三重点1402から電子が放出しても、誘電体膜1206に衝突し、衝突するまでの電子の飛程が短い(図6(b)参照)ことから誘電体1206表面は負帯電し、正帯電⇒電界強度増加⇒電界電子放出の正帰還をかけにくくすること、などが挙げられる。
【0049】
そのため、誘電体膜1206の材料としては、体積抵抗率が大きい誘電体材料であり、そのものの絶縁耐圧が高い材料が好適に使用できる。体積抵抗率としては、108Ωm以上のものが好適に使用できる。また、誘電体膜の厚さは、電子が衝突しうる厚さが必要なため、実効的には1マイクロメートル以上の膜厚が必要となる。
【0050】
このように、誘電体膜1206は、導電性膜1204のアノード側端部に接触して配置されるだけでなく、導電性膜1204の上に積層される(導電性膜1204を覆う)ことが好ましい。
【0051】
これらのことから、誘電体膜1206として、特に低融点ガラスを含有したペースト材料やエポキシ樹脂などの樹脂材料を含有したペーストをもちいて、スクリーン印刷法もしくはフォトリソグラフィー法で作製するのが好ましい。他の作成方法として、上記のようなペースト材料をディスペンサーで塗布するような方法で形成してもよい。また、低融点ガラスを含有していることで、作成時の焼成温度を下げることができ、容易に誘電体膜1206を形成することができる。また、誘電体膜1206のほかの形成方法として、ガラスなどの誘電体部材を導電性膜1204上に固定あるいは接着するような方法でもよい。
【0052】
そして、スペーサ1004の配置されるところ(上記した第1領域)は、誘電体膜を配置しない、もしくは、スペーサ1004の配置されるところ(上記した第1領域、特にはスペーサと導電性膜1204との間)の少なくとも1部に開口を設けておき、この開口を通じてスペーサと導電性膜1204とを電気手的に接続することが好ましい。
【0053】
また、図2などを用いて説明した本発明の気密容器(画像表示装置)を用いて、情報表示再生装置を構成することができる。
【0054】
具体的には、テレビジョン放送などの放送信号を受信する受信装置と、受信した信号を選曲するチューナーと、選曲した信号に含まれる映像情報、文字情報および音声情報の少なくとも1つを、気密容器(画像表示装置)に出力して表示および/あるいは再生させる。この構成によりテレビジョンなどの情報表示再生装置を構成することができる。勿論、放送信号がエンコードされている場合には、本発明の情報表示再生装置はデコーダーも含むことができる。また、音声信号については、別途設けたスピーカーなどの音声再生手段に出力して、気密容器(画像表示装置)に表示される映像情報や文字情報と同期させて再生する。
【0055】
また、映像情報または文字情報を気密容器(画像表示装置)に出力して表示および/あるいは再生させる方法としては、例えば以下のように行うことができる。まず、受信した映像情報や文字情報から、気密容器(画像表示装置)の各画素に対応した画像信号を生成する。そして生成した画像信号を、気密容器(画像表示装置)の駆動回路に入力する。そして、駆動回路に入力された画像信号に基づいて、駆動回路から気密容器(画像表示装置)内の各電子放出素子に印加する電圧を制御して、画像を表示する。
【0056】
ここで述べた画像表示装置の構成は、本発明を適用可能な画像表示装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。また、本発明の画像表示装置は、テレビ会議システムやコンピュータ等の表示装置等としても用いることができる。
【0057】
本発明の画像表示装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピュータ等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンタとしての画像形成装置等としても用いることができる。
【0058】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【実施例1】
【0059】
本実施例は、図1、図7、図8に示される、フェイスプレート1002の例である。図7は、本実施例のフェイスプレート1002を発光体膜などが形成されている面をみた平面模式図である。尚、本実施例における導電性膜1204のアノード1203側端部は、図1(a)及び図8に示す様に第1領域と台形の突出部を備える第2領域とを備えるが、図7では、その形状については省いてある。
【0060】
フェイスプレート1002として、厚さ2.8mmのソーダライムガラスからなる透明基板を用いた。ソーダライムガラスを洗浄し、フォトリソグラフィー法により格子状に導電性のブラックマトリクス1203を形成した。従って、開口(発光体領域)が格子状に配列される。このため、本実施例においては、ブラックマトリクス1203がアノードの一部を担う。
【0061】
ブラックマトリクス1203の材料としては感光性カーボンブラックを使用し、フォトリソグラフィー法で厚さ5マイクロメートルにて作製した。繰り返しパターンのピッチは横(X方向)が200マイクロメートル、縦(Y方向)が600マイクロメートルとした。ブラックマトリクスの線幅は縦方向(Y方向)が50マイクロメートルとし、縦方向(X方向)を300マイクロメートルとした。また、ブラックマトリクス1203と同時に、導電性膜1204も形成した。ブラックマトリクス1203の外周はブラックマトリクスの開口が存在する個所から2mm外側までとし、導電性膜1204はブラックマトリクス1203の外周から2mmの間隔を置いて、幅2mmで、かつブラックマトリクス1203をとり囲うように形成した。
【0062】
ここで、本実施例における導電性膜1204のスペーサ1004の配置される部分について説明する。図8にアノード1203および導電性膜1204のスペーサ1004が配置される部分の平面図を示す。導電性膜の第1領域のアノード側端部からアノード1203までの距離Wは、2mmとした。また、導電性膜の第1領域のアノード側端部を基準とした、導電性膜の第2領域のアノード側への突出距離Xは、0.3mmとした。また、導電性膜の第2領域とスペーサとの距離のうち、最もアノードに近い部分の距離Y2を0.2mm、もっともアノードから遠い部分の距離Y1を0.1mmとした。このため、導電性膜1204の第2領域とスペーサの距離の平均は0.15mmとなる。また、導電性膜1204の第2領域の幅のうち、アノードに近い部分の幅Z2を0.3mm、アノードから最も遠い部分の幅Z1を0.5mmとした。このため、導電性膜の第2領域の平均幅は0.4mmとなる。
【0063】
次に、ブラックマトリクスの開口部分(発光体領域131、132、133)に、図7のような配列でR,G、B各色の蛍光体層を充填した。スクリーン印刷法により、R・G・Bの三色の蛍光体を3回に分けてブラックマトリクスの開口部に厚さ10マイクロメートルになるように作製した。
【0064】
また蛍光体はCRTの分野で用いられているP22の蛍光体を用いた。蛍光体としては、赤色(P22−RE3;Y22S:Eu3+)、青色(P22−B2;ZnS:Ag,Al)、緑色(P22−GN4;ZnS:Cu,Al)のものを用いた。
【0065】
次に、ブラウン管の製造技術として公知であるフィルミング工程により、樹脂膜をブラックマトリクス及び蛍光体上に作製した。そして、その後に、アルミニウムの蒸着膜を樹脂膜上に堆積させた。そして、最後に樹脂層を熱分解除去させる事により、厚さ100nmのメタルバック1202をブラックマトリクス1203及び蛍光体上に作製した。尚、メタルバック1202の外周は、ブラックマトリクス1203の外周よりも内側に配置されるように形成した。このようにして、本実施例においては、ブラックマトリクス1203とメタルバック1202とがアノードを構成する。
【0066】
次に、アノード1203と導電性膜1204の間のフェイスプレート基板上に、図5(b)のような配置で高抵抗膜1205を作製した。高抵抗膜1205としては、スパッタ法により作製したゲルマニウムとタングステンの窒化物を用いた。高抵抗膜の膜厚は100nmとし、シート抵抗値は1×1011Ω/□程度であった。
【0067】
次に、上記のようにして用意したフェイスプレート1002と、表面伝導型電子放出素子1101を多数配列したリアプレート1001とを対向させ、側壁1003をフェイスプレート1002とリアプレート1001との間に挟むように設けた。尚、フェイスプレート1002とリアプレート1001の間にはスペーサ1004を配置することで、その間隔を2mmとした。スペーサはその厚みを200マイクロメートルとし、スペーサ1004はリアプレート1001に接着材1301で固定した(図1(b)参照)。スペーサの位置はあらかじめフェイスプレート1002の導電性膜1204の第1領域にくるように配置した。なお、表面伝導型電子放出素子1101を含むリアプレート1001の作成方法、およびスペーサの作成方法は省略する。
【0068】
そして、側壁1003とフェイスプレート1002とを接着材で接合し、また側壁1003とリアプレート1001とを接着材で接合することで図2に示す気密容器を形成した。尚、側壁1003とフェイスプレート1002とリアプレート1001との接着(封着)は、真空雰囲気中で行い、接着材としてインジウムを用いた。
【0069】
以上のようにして形成した気密容器¥に駆動回路を接続して画像表示装置を構成し、耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の列方向配線1102及び行方向配線1103をGND電位に規定し、フェイスプレート1002上の導電性膜1204もGND電位に規定した。このような状態でアノード1203を高圧電源に接続し、12kVにて駆動させたところ、一定時間以上放電しないことを確認した。
【0070】
その後列方向配線1102および行方向配線1103を介して、表面伝導型電子放出素子の駆動信号を印加し、アノード電圧12kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を長期に渡って安定に表示することができた。
【0071】
尚、その後、再び列方向配線1102および行方向配線1103をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、22kVにて放電が発生した。
【0072】
このようにして、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができた。
【実施例2】
【0073】
本実施例では、図9に示される導電性膜1204のアノード側端部に誘電体膜1206を設けた例を示す。本実施例の画像表示装置では、実施例1の高抵抗膜は使用せずに、導電性膜1204のアノード側端部に誘電体膜1206を設けた。
【0074】
高抵抗膜1205の代わりに誘電体膜1206を設ける以外は、実施例1と同様であるので、誘電体膜1206以外の説明は省略する。
【0075】
本実施例の、導電性膜1204のスペーサ1004の配置される部分について説明する。図8および図9に、アノード1203および導電性膜1204のスペーサ1004が配置される部分の平面図を示す。図8は後述の誘電体膜1206が形成されていない段階の平面図であり、図9は誘電体膜1206が積層された平面図である。導電性膜1204の第1領域のアノード側端部からアノードまでの距離Wは、2mmとした。また、導電性膜の第1領域のアノード側端部を基準とした、導電性膜の第2領域のアノード側への突出距離Xは、0.2mmとした。また、導電性膜の第2領域とスペーサとの距離のうち、最もアノードに近い部分の距離Y2を0.15mm、もっともアノードから遠い部分の距離Y1を0.1mmとした。このため、導電性膜の第2領域とスペーサの距離の平均は0.125mmとなる。また、導電性膜の第2領域部分の幅のうち、アノードに近い部分の幅Z2を4.0mm、アノードから最も遠い部分の幅Z1を4.1mmとした。このため、導電性膜の第2領域の平均幅は4.05mmとなる。
【0076】
誘電体膜1206は、導電性膜1204のアノード側端部から300マイクロメートルだけアノード1203側にはみ出すように形成した。また、誘電体膜1206は、導電性膜1204のアノード側端部から300マイクロメートルだけアノードから離れた領域まで導電性膜1204を覆うように積層した。また、誘電体膜1206は導電性膜1204のスペーサが配置される部分(第1領域)を除いて、導電性膜1204のアノード側端部を全て覆うように作製した。具体的には、スペーサが配置されるところには300マイクロメートルのスリットを設けた。なお、誘電体膜1206は、誘電体ペーストを導電性膜1204のアノード側端部を全て覆うように塗布し焼成した後、その体積抵抗率を、テストピースを作製することにより測定した結果、108Ωm程度であった。
【0077】
以上のようにして形成したフェイスプレートを用いて、実施例1と同様に形成した画像表示装置を、実施例1と同様に耐圧評価を行った。耐圧評価は、リアプレート1001の列方向配線1102及び行方向配線1103をGND電位に規定し、フェイスプレート1002の導電性膜1204もGND電位に規定した。このような状態でアノード電欲1203を高圧電源に接続し、12kVにて駆動させたところ、一定時間以上放電しないことを確認した。
【0078】
その後、列方向配線1102および行方向配線1103を介して、表面伝導型電子放出素子の駆動信号を印加し、アノード電圧12kVで画像を表示したところ、明るくコントラストの大きい良好な画像を得ることができた。
【0079】
尚、その後、再び列方向配線1102及び行方向配線1103をGND電位に接続して、アノード電圧を徐々に印加していった結果、22kVにて放電が発生した。
【0080】
尚、本実施例では、実施例1に比べて、導電性膜1204とアノード1203とを高抵抗膜で接続しないので、高抵抗膜を流れる電流による消費電力を抑えることができる。
【0081】
このように本発明によれば、安定して高電圧が印加できる画像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明における導電性膜の構成を示した模式的平面図である。
【図2】本発明における画像表示装置の模式的斜視図である。
【図3】本発明における画像表示装置の模式的断面図である。
【図4】本発明における導電性膜の部分の電位分布を示す模式的平面図である。
【図5】本発明における高抵抗膜部分を示す模式的断面図である。
【図6】本発明第における誘電体膜部分を示す模式的断面図である。
【図7】本発明における画像表示装置に用いたフェイスプレートの各部材の配置を説明する模式的平面図である。
【図8】本発明における導電性膜部分の構成を示す模式的平面図である。
【図9】本発明における誘電体部分を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
【0083】
1001 リアプレート
1002 フェイスプレート
1003 側壁
1004 スペーサ
1005 高圧導入部
1006 高圧電源
1101 電子放出素子
1102 列方向配線
1103 行方向配線
1201 発光体膜
1203 アノード
1204 導電性膜
1205 高抵抗膜
1206 誘電体膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも電子放出素子を備えたリアプレートと、
(B)アノードと、前記アノードと離れて配置され、前記アノードよりも低い電位が印加される導電性膜と、を基板上に備えたフェイスプレートと、
(C)前記リアプレートと前記フェイスプレートとの間に設けられ、前記アノードと前記導電性膜とを跨ぐように配置されたスペーサと、
を具備する画像表示装置であって、
前記導電性膜は、前記スペーサと前記基板との間に位置する第1領域と該第1領域を挟む第2領域とを備えており、前記第2領域の前記アノード側の端部が、前記第1領域の前記アノード側の端部よりも前記アノードに向かって突出していることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第2領域の前記アノード側の端部が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以上、前記第1領域の前記アノード側の端部から突出していることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第2領域の前記アノード側の端部とスペーサとの平均距離が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第2領域の幅が、前記第1領域の前記アノード側端部と前記アノードとの距離に0.1を乗じた値以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第2領域の前記アノード側の端部の形状が、略台形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記導電性膜は、前記アノードの外周を囲む様に、配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記導電性膜は、環状の導電性膜であり、該環状の導電性膜で囲まれた領域内に、前記アノードが配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記導電性膜と前記アノードは、前記導電性膜よりも高抵抗な膜で接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記高抵抗な膜のシート抵抗値が、107〜1016Ω/□であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記導電性膜のアノード側端部が、誘電体膜で覆われていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記誘電体膜は、前記導電性膜の第1領域を除いた領域以外を覆うことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
受信した放送信号に含まれる映像情報、文字情報および音声情報の少なくとも1つを出力する受信器と、該受信器に接続された画像表示装置とを少なくとも備える情報表示再生装置であって、前記画像表示装置が請求項1乃至11のいずれかに記載の画像表示装置であることを特徴とする情報表示再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−73358(P2006−73358A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255560(P2004−255560)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】