スポイラーレスで平坦なワイパーブレードアセンブリおよび組立方法
ワイパーブレードアセンブリは、弾性を有し、長手方向に延びる溝部を有する頂部と、窓を払拭するための先端部とを有するワイパー要素を有する。弧状で金属製のフレクサーは、上記頂部の溝部内に配置される内側端部と外側端部とを有する。細長いカバーは、上壁部と、細長いチャネルを設けるように上壁部から間隔をあけて内方に湾曲する1対のフランジとを有する。フレクサーの外側端部は、チャネル内に配置される。接続具は、ワイパーアームへの取付用であり、下面と、該下面から間隔をあけて湾曲する1対のフランジとを有し、カバーフランジを摺動可能にその内部に受入れる対向するポケットを設ける。接続具あるいはカバーの一方上の突出部は、カバーに接続具を固定するように接続具あるいはカバーの他方の開口部内に受入れられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2007年5月22日に出願された米国仮出願番号60/939,510の利益を要求し、ここに全てが参照により引用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は、概して車輌の窓を払拭するためのワイパーブレードアセンブリに関し、より特定的には、スポイラーレスで平坦なワイパーブレードアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
車輌用のワイパーブレードアセンブリは、意図しない筋が窓の上に生じるのを防止するように揺動しながらその長さ全体にわたって均一な窓との接触を維持することを目的とする。車輌の移動中のワイパーブレードアセンブリ上に生じる空気の流れは複雑であり、ワイパーブレードアセンブリの揺動中は空気の流れに対して当たる角度が変化する。さらに、複雑なことに、窓の表面が不均一であり、ワイパーブレードは、揺動中にその外形が変化するように長さ方向に撓み得る必要がある。意図しない筋が生じるのを防止するための努力の結果、多くのタイプのワイパーアセンブリが作製され、その多くの製造が複雑であり、したがってコストが高くなる傾向がある。
【0004】
ワイパーブレードアセンブリが窓との均一な接触を維持するために採用される1つの機構は、アセンブリ上にスポイラーを組込むことである。スポイラーは、ワイパーブレードアセンブリ上の空気の流れに対してワイパーアセンブリの所望の空気力学的な衝突を作り出すことを目的とするが、この方策はある種の課題に直面している。幾つかの例では、スポイラーは、ワイパーブレードアセンブリ上に均一な圧力分布を作り出すよりも寧ろ、ワイパーブレードアセンブリの上面に沿って一定ではない高圧と低圧とを作り出し、このためアセンブリの部分は窓から上昇する傾向にあり、その結果、筋の付着や騒音を引き起こす。さらに、スポイラーをワイパーブレードアセンブリに付加することで、費用も増大する。このように材料面と製造面の双方で低コストで、様々な使用条件を通して空気力学の原理にかなうワイパーブレードアセンブリを作製するという課題は残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の現状の1つの好ましい実施形態によって構成されたワイパーブレードアセンブリは、弾性を有するワイパー要素と、細長く扁平な金属製のフレクサー(flexor)と、細長い高分子材料のカバーと、ワイパーアームへの取付に適した接続具とを有する。ワイパー要素は、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、窓と係合する先端部を有する本体にまで頂部から延びる首部とを有する。フレクサーは、内方に向く端部と外方に向く端部とを有する所定の曲率を有し、内方に向く端部は、ワイパー要素の頂部における各々の溝部内に解放可能に配置される。カバーは、両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、フランジと上壁部との間に細長いチャネルを設けるように上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、フレクサーの外方に向く端部は、チャネル内に解放可能に配置される。カバーの上壁部は、両端部間に開口部あるいは突出部の一方を有する。接続具は、ワイパーアームへの取付に適しており、カバーの上壁部と係合する下面を有する。カバーは、下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1
対のフランジをも有し、カバーのフランジと上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れる、対向するポケット部を設ける。カバーの下面は、開口部あるいは突出部の他方を有し、各開口部および突出部はカバーに接続具を固定するように互いに係合するように構成される。
【0006】
本発明の現状の他の好ましい実施形態によって構成されたワイパーブレードアセンブリは、弾性を有するワイパー要素と、細長く弧状の金属製の1対のフレクサーと、細長い高分子材料のカバーと、接続具とを有する。ワイパー要素は、互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部を有する頂部と、払拭可能に窓と係合する先端部とを有する。フレクサーは、長手方向に延び内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、内方に向く端部は、ワイパー要素の頂部における各々の溝部内に配置される。カバーは、両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、上壁部を貫通して延びる開口部とを有する。カバーは、上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲し、フランジと上壁部との間にチャネルを設ける1対のフランジをも有し、チャネルは、フレクサーの内方に向くフランジを受入れる。接続具は、ワイパーアームへの取付に適しており、カバーの上壁部と係合する下面を有する。接続具は、下面から間隔をあけて互いに内方に向かって湾曲する1対のフランジをも有し、カバーのフランジと上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れる、対向するポケット部を設ける。接続具の下面は、それに従属する突出部を有し、突出部はカバーに接続具を固定するようにカバーの開口部を貫通して配置される。
【0007】
本発明の更に他の局面によれば、ワイパーブレードアセンブリの組立方法が提供される。その方法は、弾性を有し、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、前記頂部と反対側にあり窓と係合する先端部とを有するワイパー要素を設けることと、細長く湾曲し、内方と外方に向く端部を有するフレクサーを設けることと、細長く高分子材料製であり、上方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する上壁部と、上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、フランジと上壁部との間に細長いチャネルを設けるカバーを設けることと、下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する下面と、下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、下面と接続具のフランジとの間に間隙を設けるワイパーアーム接続具を設けることを含む。この方法は、更にフレクサーの内方に向く端部を弾性を有するワイパー要素の溝部内に配置し、フレクサーの外側の端部をカバーのチャネル内に配置することを含む。この方法は、更に、カバーのフランジと上壁部の一部を接続具の間隙に受入れて、カバーに沿ってワイパーアーム接続具をその中間点近傍まで摺動させることと、開口部内にスナップ式にロックされるように突出部を受入れてカバーとワイパーアーム接続具との相対移動を防止することを含む。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の局面、特徴、効果は、後述する現状の好ましい実施の形態およびベストモード、添付のクレームおよび図面の記載と関連付けて考慮することでより明確となるであろう。ここで、同じ参照番号は、類似の特徴を特定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】1つの現状の好ましい実施の形態によるワイパーブレードアセンブリの側面図である。
【図2】ワイパーブレードアセンブリの2−2線に沿う断面図である。
【図3A】ワイパーブレードアセンブリの3−3線に沿う断面図である。
【図3B】ワイパーブレードアセンブリの代替例の3−3線に沿う断面図である。
【図4A】1つの現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示されたワイパーブレードアセンブリの4−4線に沿う断面図である。
【図4B】他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示されたワイパーブレードアセンブリの4−4線に沿う断面図である。
【図5】分解状態で示されるワイパーブレードアセンブリのカバーの平面図である。
【図6】カバーの底面図である。
【図7】ワイパーブレードアセンブリのワイパーアーム接続具の端面図である。
【図8】他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーブレードアセンブリの側面図である。
【図9】エンドキャップを除去した図8のワイパーブレードアセンブリの部分平面図である。
【図10】図8のワイパーブレードアセンブリから除去されたエンドキャップの下面側の平面図である。
【図11】図8のワイパーブレードアセンブリの11−11線に沿う断面図である。
【図12】更に他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示された図4A〜4Bに類似のワイパーブレードアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現状の好ましい実施の形態の詳細な説明
より詳細に図面を参照すると、図1は、本発明の現状の好ましい1つの実施の形態により構成されたワイパーブレードアセンブリ10を示す。ワイパーブレードアセンブリ10は、ここでは分離しており細長く実質的に扁平である1対のフレクサー(flexor)要素として示され、以後フレクサー14(図2〜図4)と称する少なくとも1つのフレクサー要素によって払拭される窓(図示せず)にその長さ方向に実質的に均一に接触するように付勢され、弾性を有するワイパー要素12を有する。ワイパー要素12とフレクサー14は、細長く実質的に扁平なカバー16によって保持され、好ましくは可撓性を有し適切な厚みの高分子材料で構成され、このためカバー16は、ワイパー要素12と共にフレクサー14によって自由に付勢され得るように使用状態において可撓性を維持しる。カバー16の外形が実質的に扁平であることで、車輌速度の広い範囲、つまり気流速度の広い範囲にわたる揺動の間に、窓への概ね均一な接触圧を維持するワイパー要素12の機能が向上する。ワイパー接続具18は、別個の締結具を用いることのないカバー16への取付に適している。接続具18は、ピン接続、フック端接続、平坦面接続、あるいは他の接続を有するいかなるワイパーアームアセンブリ(図示せず)への取付用にも設定可能である。
【0011】
高分子材料のワイパー要素12は、例えばゴム、PTFE、あるいはワイパー要素の分野で知られているいかなる他の適切なワイパー要素材料で作製され、ここでは、形式上一般に標準的なものとして、限定的ではなく一例として示される。ワイパー要素は、互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部22と共に両端部21,23間に延在する頂部20を有し、溝部22は横方向に頂部20内に延びる。首部24は、頂部20に従属し、先端部28で終端する本体部26にまで延びている。
【0012】
フレクサー14は、例えばばね鋼のような弾性を有する金属で作製される。フレクサー14は、図1に示されるように、ワイパーブレードアセンブリの最終的な湾曲形状を形成するように、その長手方向に沿った実質的に弧状で湾曲した形状を有する金属製の分離した帯状部材で形成される。フレクサー14の湾曲形状は、払拭される窓の外形に応じて、いかなる所定の弧状を有するように形成され得る。通常は、付勢されて予め湾曲したワイパーブレードアセンブリが窓と接触した際にワイパーブレードアセンブリがその全長にわたって窓に均一な圧力を加えるように、フレクサー14の最終的な曲率半径は、窓の曲率半径よりも小さい。図2〜図4の断面図に示されるように、フレクサー14は、概ね扁平であって両端を有し、一方の端部が内側に向く端部30であり、反対側の端部が外側に向く端部32であり、両端部33間で延在する(図3A,3B)。
【0013】
カバー16は、実質的に平坦な上壁部34を有し、ここではワイパー要素12の頂部2
0を受けるように構成され若干隆起あるいは盛り上がった中間部35と、上壁部34から互いに向かって内方に湾曲した1対のフランジ36とを有する。フランジ36は、上壁部34から間隔をあけた関係にあり、上壁部34とフランジ36との間に細長いチャネル38を設け、チャネル38は、概ねカバー16の両端部40,41間に延在する。上壁部34は、下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有し、ここでは例えば両端部40,41間の中央部近傍を貫通して形成された開口部42として表される。開口部42は、後述するように、カバー16へのワイパー接続具18の組付けを容易にする。製造時に、カバー16は、所望の高分子材料から成型あるいは押出成形され得る。
【0014】
ワイパー接続具18は、アセンブリ10に対し1つあるいはそれ以上のタイプのワイパーアームの取付を可能にするように設けられ得る。接続具18は、プレス鋼のようないかなる適切な金属あるいはいかなる適切な高分子材料でも作製できる。図4A〜4Bおよび図7に示すように、接続具18は、下方壁44と、それから上方に延び横方向に間隔をあけた1対の側壁46とを有し、ワイパーアームの一端を受入れるためにそれらの間に概ね開口したチャネル47を設ける。接続具18へのワイパーアームの接続を容易にするために、例示によりかつ限定ではなく、側壁46は、ピンを受入れるための両開口を内部に有してもよく、あるいは側壁46は、接続具18本体と一体の材料で形成され内方に延びる突出部48を有するように成型され得る。下方壁44は、アセンブリ上でカバー16の上壁部34に当接する下面50を有する。接続具18は、下方壁44から内方に互いに向かって湾曲し、下面50から間隔をあけ、カバー16のフランジ36と上壁部34の少なくとも一部を受入れる大きさの対向するポケット54を設ける。
【0015】
図4Aに示されるように、カバー16に対する接続具18の組立と保持を容易にするために、接続具18は、開口部あるいは突出部の一方を有し、ここでは例えばカバー16の開口部42に受入れられ、下面50に従属する突出部56として表される。突出部56は、好ましくは、開口部42内を閉じるスナップ式嵌合が可能な大きさとされ、その内部に受入れられた際に、接続具18はカバー16との相対移動に対して固定され、個別の締結具は必要ではない。図4Bに示されるように、カバー16に接続具18を固定することに加え、突出部56は、開口部42を通って上壁部34を越えて延びワイパー要素12の頂部20と係合するように形成され、ワイパー要素12と、カバー16および接続具18との間の相対的な摺動を十分に防止する。このようにして、接続具18の組付け時に、ワイパー要素12、カバー16および接続具18は、追加の締結具を必要とすることなく、互いにそれらの相対的な位置関係で固定される。
【0016】
図4Aの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を保持することが更に必要となる。そのようなものとして図3Aに示されるように、カバー16に熱かしめ突出部58を設ける。熱かしめ突出部58は、例示によりかつ限定されることなく、ここではワイパー要素12の端部23近傍の端部40,41に近接して形成されたものとして示され、それによりチャネル38の長手方向に沿ってワイパー要素12が移動するのを防止するようにワイパー要素12の頂部20に対する障害となる。突出部58は、必要に応じて、ワイパー要素12の頂部20に係合するように延び、上壁部34に沿っていかなる位置に形成することができる。
【0017】
図4Bの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を更に保持するために、付加的な別個の締結具を使用することが不必要となる。接続具18の突出部56が上述のようにフレクサー14とカバー16との相対的な動きに対し、ワイパー要素12と係合して十分に保持する。
【0018】
フレクサー14は、カバー16の熱かしめ突出部60によってアセンブリ内に固定される。図3Aに示されるように、熱かしめ突出部60は、カバー16の上壁部34の端部4
0,41近傍に形成され得る。そのようなものとして突出部60は、下方にチャネル38内にチャネル38を少なくとも部分的に塞ぐように延在し、したがってワイパー要素12およびカバー16に対して移動しようとするフレクサー14の機能を妨げる。上壁部34に突出部60を形成するより寧ろ、それらはフランジ36に形成され、図3Bに示されるように、チャネル38を少なくとも部分的に塞ぐように上方にチャネル38内に延在する。このようなものとして、カバー16の上壁部34に熱かしめあるいはそれ以外による凹部が存在しないようにワイパーブレードアセンブリ10を構成することができる。
【0019】
上述のように、図4Aの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を更に保持することが必要となる。このようなものとして、更に他の現状の好ましい実施の形態では、図8に示されるように、エンドキャップ62がワイパーブレードアセンブリ10の両端に取り付けられ、ワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16の互いに対する相対移動を抑制する。
【0020】
図9に示されるように、フレクサー14は、カバー16の端部40,41を超えて延在する両端部33を有し、ワイパー要素12は端部33近傍の所定位置に延在する。フレクサー14は、エンドキャップ62と係合してロックするために端部33近傍にノッチあるいは開口部65を有する。図10に示されるように、フレクサー14とエンドキャップ62とのロック係合を確立するために、エンドキャップ62は、その内部にフレクサー端部33を摺動させて受入れるためのポケットを有し、ここではポケットは例示としてエンドキャップ62の上壁部68から間隔をあけて互いに向かって湾曲するフランジ66によって設けられるものとして表される。また、キャップ62は、上壁部68から下方に延びるタブ70を有し、タブ70は、フレクサー14の開口部65内にスナップ式でロックされる態様で受け入れ可能な大きさである。フレクサー14上にエンドキャップ62を摺動させてタブ70を開口部65内にスナップ式でロックされる態様で受入れる際に、エンドキャップ62のフランジ66は、好ましくはカバー16の端部40,41と近接し、キャップ62の端壁は、ワイパー要素12の端部21と突き合わされ、それによりワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16の相対的な移動を防止する。
【0021】
さらに他の現状の好ましい実施の形態では、図12に示されるように、接続具18の突出部56は、カバー16およびワイパー要素12の頂部20とロック係合するように延在可能であるのみならず、フレクサー14ともロック係合するように延在し得る。例示によりかつ限定となることなく、ここに示されるように、突出部56は、フレクサー14における窪みあるいは凹部74により設けられる開口部内に延び、それにより、フレクサー14が突出部56に対して移動するのを防止する。このようなものとして、カバー16に接続具18を係合させてロックした際に、ワイパー要素12、フレクサー14、カバー16および接続具18は互いの相対移動に対してロック状態とされ、その結果ワイパーブレードアセンブリ10の組立が完了する。
【0022】
ワイパーブレードアセンブリ10を組立てるためには、例えば外方に向く端部32をその内部に摺動させることでフレクサー14がカバー16のチャネル38内に配置される。その後、ワイパー要素12の頂部20が内方に向く端部30間に摺動される。このとき内方に向く端部30は、頂部20の溝部22内に受入れられる。それからカバーの開口部42内にスナップ式で係合するように突出部56が受入れられるまで、カバー16上でカバー16に沿って接続具18が摺動される。上述のように、現状の好ましい実施の形態では、突出部56は、ワイパー要素12の頂部20と係合し、その結果、ワイパー要素12をカバー16との相対移動に対しロック状態とする。また、突出部56は、フレクサー14とロック状態で係合され、その結果、ワイパー要素12、フレクサー14、カバー16および接続具18が共にロック状態となる。別の例では、カバー16は、突出部58をワイパー要素12との障害とし、および/または突出部60をフレクサー14との障害とする
ために熱かしめされ得る。さらに、エンドキャップ62は、フレクサー14の端部64上にスナップ結合され、その結果、ワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16を共にロック状態とする。
【0023】
上述の教示に鑑み、本願発明の多くの改良や変形が可能である。したがって、許可されたクレームの範囲内で、本願発明は、具体的に記述されたものとは別の方法で実施され得る。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2007年5月22日に出願された米国仮出願番号60/939,510の利益を要求し、ここに全てが参照により引用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は、概して車輌の窓を払拭するためのワイパーブレードアセンブリに関し、より特定的には、スポイラーレスで平坦なワイパーブレードアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
車輌用のワイパーブレードアセンブリは、意図しない筋が窓の上に生じるのを防止するように揺動しながらその長さ全体にわたって均一な窓との接触を維持することを目的とする。車輌の移動中のワイパーブレードアセンブリ上に生じる空気の流れは複雑であり、ワイパーブレードアセンブリの揺動中は空気の流れに対して当たる角度が変化する。さらに、複雑なことに、窓の表面が不均一であり、ワイパーブレードは、揺動中にその外形が変化するように長さ方向に撓み得る必要がある。意図しない筋が生じるのを防止するための努力の結果、多くのタイプのワイパーアセンブリが作製され、その多くの製造が複雑であり、したがってコストが高くなる傾向がある。
【0004】
ワイパーブレードアセンブリが窓との均一な接触を維持するために採用される1つの機構は、アセンブリ上にスポイラーを組込むことである。スポイラーは、ワイパーブレードアセンブリ上の空気の流れに対してワイパーアセンブリの所望の空気力学的な衝突を作り出すことを目的とするが、この方策はある種の課題に直面している。幾つかの例では、スポイラーは、ワイパーブレードアセンブリ上に均一な圧力分布を作り出すよりも寧ろ、ワイパーブレードアセンブリの上面に沿って一定ではない高圧と低圧とを作り出し、このためアセンブリの部分は窓から上昇する傾向にあり、その結果、筋の付着や騒音を引き起こす。さらに、スポイラーをワイパーブレードアセンブリに付加することで、費用も増大する。このように材料面と製造面の双方で低コストで、様々な使用条件を通して空気力学の原理にかなうワイパーブレードアセンブリを作製するという課題は残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の現状の1つの好ましい実施形態によって構成されたワイパーブレードアセンブリは、弾性を有するワイパー要素と、細長く扁平な金属製のフレクサー(flexor)と、細長い高分子材料のカバーと、ワイパーアームへの取付に適した接続具とを有する。ワイパー要素は、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、窓と係合する先端部を有する本体にまで頂部から延びる首部とを有する。フレクサーは、内方に向く端部と外方に向く端部とを有する所定の曲率を有し、内方に向く端部は、ワイパー要素の頂部における各々の溝部内に解放可能に配置される。カバーは、両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、フランジと上壁部との間に細長いチャネルを設けるように上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、フレクサーの外方に向く端部は、チャネル内に解放可能に配置される。カバーの上壁部は、両端部間に開口部あるいは突出部の一方を有する。接続具は、ワイパーアームへの取付に適しており、カバーの上壁部と係合する下面を有する。カバーは、下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1
対のフランジをも有し、カバーのフランジと上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れる、対向するポケット部を設ける。カバーの下面は、開口部あるいは突出部の他方を有し、各開口部および突出部はカバーに接続具を固定するように互いに係合するように構成される。
【0006】
本発明の現状の他の好ましい実施形態によって構成されたワイパーブレードアセンブリは、弾性を有するワイパー要素と、細長く弧状の金属製の1対のフレクサーと、細長い高分子材料のカバーと、接続具とを有する。ワイパー要素は、互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部を有する頂部と、払拭可能に窓と係合する先端部とを有する。フレクサーは、長手方向に延び内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、内方に向く端部は、ワイパー要素の頂部における各々の溝部内に配置される。カバーは、両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、上壁部を貫通して延びる開口部とを有する。カバーは、上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲し、フランジと上壁部との間にチャネルを設ける1対のフランジをも有し、チャネルは、フレクサーの内方に向くフランジを受入れる。接続具は、ワイパーアームへの取付に適しており、カバーの上壁部と係合する下面を有する。接続具は、下面から間隔をあけて互いに内方に向かって湾曲する1対のフランジをも有し、カバーのフランジと上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れる、対向するポケット部を設ける。接続具の下面は、それに従属する突出部を有し、突出部はカバーに接続具を固定するようにカバーの開口部を貫通して配置される。
【0007】
本発明の更に他の局面によれば、ワイパーブレードアセンブリの組立方法が提供される。その方法は、弾性を有し、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、前記頂部と反対側にあり窓と係合する先端部とを有するワイパー要素を設けることと、細長く湾曲し、内方と外方に向く端部を有するフレクサーを設けることと、細長く高分子材料製であり、上方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する上壁部と、上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、フランジと上壁部との間に細長いチャネルを設けるカバーを設けることと、下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する下面と、下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、下面と接続具のフランジとの間に間隙を設けるワイパーアーム接続具を設けることを含む。この方法は、更にフレクサーの内方に向く端部を弾性を有するワイパー要素の溝部内に配置し、フレクサーの外側の端部をカバーのチャネル内に配置することを含む。この方法は、更に、カバーのフランジと上壁部の一部を接続具の間隙に受入れて、カバーに沿ってワイパーアーム接続具をその中間点近傍まで摺動させることと、開口部内にスナップ式にロックされるように突出部を受入れてカバーとワイパーアーム接続具との相対移動を防止することを含む。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の局面、特徴、効果は、後述する現状の好ましい実施の形態およびベストモード、添付のクレームおよび図面の記載と関連付けて考慮することでより明確となるであろう。ここで、同じ参照番号は、類似の特徴を特定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】1つの現状の好ましい実施の形態によるワイパーブレードアセンブリの側面図である。
【図2】ワイパーブレードアセンブリの2−2線に沿う断面図である。
【図3A】ワイパーブレードアセンブリの3−3線に沿う断面図である。
【図3B】ワイパーブレードアセンブリの代替例の3−3線に沿う断面図である。
【図4A】1つの現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示されたワイパーブレードアセンブリの4−4線に沿う断面図である。
【図4B】他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示されたワイパーブレードアセンブリの4−4線に沿う断面図である。
【図5】分解状態で示されるワイパーブレードアセンブリのカバーの平面図である。
【図6】カバーの底面図である。
【図7】ワイパーブレードアセンブリのワイパーアーム接続具の端面図である。
【図8】他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーブレードアセンブリの側面図である。
【図9】エンドキャップを除去した図8のワイパーブレードアセンブリの部分平面図である。
【図10】図8のワイパーブレードアセンブリから除去されたエンドキャップの下面側の平面図である。
【図11】図8のワイパーブレードアセンブリの11−11線に沿う断面図である。
【図12】更に他の現状の好ましい実施の形態によるワイパーアーム接続具の一部と共に示された図4A〜4Bに類似のワイパーブレードアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現状の好ましい実施の形態の詳細な説明
より詳細に図面を参照すると、図1は、本発明の現状の好ましい1つの実施の形態により構成されたワイパーブレードアセンブリ10を示す。ワイパーブレードアセンブリ10は、ここでは分離しており細長く実質的に扁平である1対のフレクサー(flexor)要素として示され、以後フレクサー14(図2〜図4)と称する少なくとも1つのフレクサー要素によって払拭される窓(図示せず)にその長さ方向に実質的に均一に接触するように付勢され、弾性を有するワイパー要素12を有する。ワイパー要素12とフレクサー14は、細長く実質的に扁平なカバー16によって保持され、好ましくは可撓性を有し適切な厚みの高分子材料で構成され、このためカバー16は、ワイパー要素12と共にフレクサー14によって自由に付勢され得るように使用状態において可撓性を維持しる。カバー16の外形が実質的に扁平であることで、車輌速度の広い範囲、つまり気流速度の広い範囲にわたる揺動の間に、窓への概ね均一な接触圧を維持するワイパー要素12の機能が向上する。ワイパー接続具18は、別個の締結具を用いることのないカバー16への取付に適している。接続具18は、ピン接続、フック端接続、平坦面接続、あるいは他の接続を有するいかなるワイパーアームアセンブリ(図示せず)への取付用にも設定可能である。
【0011】
高分子材料のワイパー要素12は、例えばゴム、PTFE、あるいはワイパー要素の分野で知られているいかなる他の適切なワイパー要素材料で作製され、ここでは、形式上一般に標準的なものとして、限定的ではなく一例として示される。ワイパー要素は、互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部22と共に両端部21,23間に延在する頂部20を有し、溝部22は横方向に頂部20内に延びる。首部24は、頂部20に従属し、先端部28で終端する本体部26にまで延びている。
【0012】
フレクサー14は、例えばばね鋼のような弾性を有する金属で作製される。フレクサー14は、図1に示されるように、ワイパーブレードアセンブリの最終的な湾曲形状を形成するように、その長手方向に沿った実質的に弧状で湾曲した形状を有する金属製の分離した帯状部材で形成される。フレクサー14の湾曲形状は、払拭される窓の外形に応じて、いかなる所定の弧状を有するように形成され得る。通常は、付勢されて予め湾曲したワイパーブレードアセンブリが窓と接触した際にワイパーブレードアセンブリがその全長にわたって窓に均一な圧力を加えるように、フレクサー14の最終的な曲率半径は、窓の曲率半径よりも小さい。図2〜図4の断面図に示されるように、フレクサー14は、概ね扁平であって両端を有し、一方の端部が内側に向く端部30であり、反対側の端部が外側に向く端部32であり、両端部33間で延在する(図3A,3B)。
【0013】
カバー16は、実質的に平坦な上壁部34を有し、ここではワイパー要素12の頂部2
0を受けるように構成され若干隆起あるいは盛り上がった中間部35と、上壁部34から互いに向かって内方に湾曲した1対のフランジ36とを有する。フランジ36は、上壁部34から間隔をあけた関係にあり、上壁部34とフランジ36との間に細長いチャネル38を設け、チャネル38は、概ねカバー16の両端部40,41間に延在する。上壁部34は、下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有し、ここでは例えば両端部40,41間の中央部近傍を貫通して形成された開口部42として表される。開口部42は、後述するように、カバー16へのワイパー接続具18の組付けを容易にする。製造時に、カバー16は、所望の高分子材料から成型あるいは押出成形され得る。
【0014】
ワイパー接続具18は、アセンブリ10に対し1つあるいはそれ以上のタイプのワイパーアームの取付を可能にするように設けられ得る。接続具18は、プレス鋼のようないかなる適切な金属あるいはいかなる適切な高分子材料でも作製できる。図4A〜4Bおよび図7に示すように、接続具18は、下方壁44と、それから上方に延び横方向に間隔をあけた1対の側壁46とを有し、ワイパーアームの一端を受入れるためにそれらの間に概ね開口したチャネル47を設ける。接続具18へのワイパーアームの接続を容易にするために、例示によりかつ限定ではなく、側壁46は、ピンを受入れるための両開口を内部に有してもよく、あるいは側壁46は、接続具18本体と一体の材料で形成され内方に延びる突出部48を有するように成型され得る。下方壁44は、アセンブリ上でカバー16の上壁部34に当接する下面50を有する。接続具18は、下方壁44から内方に互いに向かって湾曲し、下面50から間隔をあけ、カバー16のフランジ36と上壁部34の少なくとも一部を受入れる大きさの対向するポケット54を設ける。
【0015】
図4Aに示されるように、カバー16に対する接続具18の組立と保持を容易にするために、接続具18は、開口部あるいは突出部の一方を有し、ここでは例えばカバー16の開口部42に受入れられ、下面50に従属する突出部56として表される。突出部56は、好ましくは、開口部42内を閉じるスナップ式嵌合が可能な大きさとされ、その内部に受入れられた際に、接続具18はカバー16との相対移動に対して固定され、個別の締結具は必要ではない。図4Bに示されるように、カバー16に接続具18を固定することに加え、突出部56は、開口部42を通って上壁部34を越えて延びワイパー要素12の頂部20と係合するように形成され、ワイパー要素12と、カバー16および接続具18との間の相対的な摺動を十分に防止する。このようにして、接続具18の組付け時に、ワイパー要素12、カバー16および接続具18は、追加の締結具を必要とすることなく、互いにそれらの相対的な位置関係で固定される。
【0016】
図4Aの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を保持することが更に必要となる。そのようなものとして図3Aに示されるように、カバー16に熱かしめ突出部58を設ける。熱かしめ突出部58は、例示によりかつ限定されることなく、ここではワイパー要素12の端部23近傍の端部40,41に近接して形成されたものとして示され、それによりチャネル38の長手方向に沿ってワイパー要素12が移動するのを防止するようにワイパー要素12の頂部20に対する障害となる。突出部58は、必要に応じて、ワイパー要素12の頂部20に係合するように延び、上壁部34に沿っていかなる位置に形成することができる。
【0017】
図4Bの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を更に保持するために、付加的な別個の締結具を使用することが不必要となる。接続具18の突出部56が上述のようにフレクサー14とカバー16との相対的な動きに対し、ワイパー要素12と係合して十分に保持する。
【0018】
フレクサー14は、カバー16の熱かしめ突出部60によってアセンブリ内に固定される。図3Aに示されるように、熱かしめ突出部60は、カバー16の上壁部34の端部4
0,41近傍に形成され得る。そのようなものとして突出部60は、下方にチャネル38内にチャネル38を少なくとも部分的に塞ぐように延在し、したがってワイパー要素12およびカバー16に対して移動しようとするフレクサー14の機能を妨げる。上壁部34に突出部60を形成するより寧ろ、それらはフランジ36に形成され、図3Bに示されるように、チャネル38を少なくとも部分的に塞ぐように上方にチャネル38内に延在する。このようなものとして、カバー16の上壁部34に熱かしめあるいはそれ以外による凹部が存在しないようにワイパーブレードアセンブリ10を構成することができる。
【0019】
上述のように、図4Aの接続具18が使用される場合、フレクサー14およびカバー16に対し移動することからワイパー要素12を更に保持することが必要となる。このようなものとして、更に他の現状の好ましい実施の形態では、図8に示されるように、エンドキャップ62がワイパーブレードアセンブリ10の両端に取り付けられ、ワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16の互いに対する相対移動を抑制する。
【0020】
図9に示されるように、フレクサー14は、カバー16の端部40,41を超えて延在する両端部33を有し、ワイパー要素12は端部33近傍の所定位置に延在する。フレクサー14は、エンドキャップ62と係合してロックするために端部33近傍にノッチあるいは開口部65を有する。図10に示されるように、フレクサー14とエンドキャップ62とのロック係合を確立するために、エンドキャップ62は、その内部にフレクサー端部33を摺動させて受入れるためのポケットを有し、ここではポケットは例示としてエンドキャップ62の上壁部68から間隔をあけて互いに向かって湾曲するフランジ66によって設けられるものとして表される。また、キャップ62は、上壁部68から下方に延びるタブ70を有し、タブ70は、フレクサー14の開口部65内にスナップ式でロックされる態様で受け入れ可能な大きさである。フレクサー14上にエンドキャップ62を摺動させてタブ70を開口部65内にスナップ式でロックされる態様で受入れる際に、エンドキャップ62のフランジ66は、好ましくはカバー16の端部40,41と近接し、キャップ62の端壁は、ワイパー要素12の端部21と突き合わされ、それによりワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16の相対的な移動を防止する。
【0021】
さらに他の現状の好ましい実施の形態では、図12に示されるように、接続具18の突出部56は、カバー16およびワイパー要素12の頂部20とロック係合するように延在可能であるのみならず、フレクサー14ともロック係合するように延在し得る。例示によりかつ限定となることなく、ここに示されるように、突出部56は、フレクサー14における窪みあるいは凹部74により設けられる開口部内に延び、それにより、フレクサー14が突出部56に対して移動するのを防止する。このようなものとして、カバー16に接続具18を係合させてロックした際に、ワイパー要素12、フレクサー14、カバー16および接続具18は互いの相対移動に対してロック状態とされ、その結果ワイパーブレードアセンブリ10の組立が完了する。
【0022】
ワイパーブレードアセンブリ10を組立てるためには、例えば外方に向く端部32をその内部に摺動させることでフレクサー14がカバー16のチャネル38内に配置される。その後、ワイパー要素12の頂部20が内方に向く端部30間に摺動される。このとき内方に向く端部30は、頂部20の溝部22内に受入れられる。それからカバーの開口部42内にスナップ式で係合するように突出部56が受入れられるまで、カバー16上でカバー16に沿って接続具18が摺動される。上述のように、現状の好ましい実施の形態では、突出部56は、ワイパー要素12の頂部20と係合し、その結果、ワイパー要素12をカバー16との相対移動に対しロック状態とする。また、突出部56は、フレクサー14とロック状態で係合され、その結果、ワイパー要素12、フレクサー14、カバー16および接続具18が共にロック状態となる。別の例では、カバー16は、突出部58をワイパー要素12との障害とし、および/または突出部60をフレクサー14との障害とする
ために熱かしめされ得る。さらに、エンドキャップ62は、フレクサー14の端部64上にスナップ結合され、その結果、ワイパー要素12、フレクサー14およびカバー16を共にロック状態とする。
【0023】
上述の教示に鑑み、本願発明の多くの改良や変形が可能である。したがって、許可されたクレームの範囲内で、本願発明は、具体的に記述されたものとは別の方法で実施され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、窓と係合する先端部を有し前記頂部から本体部にまで延びる首部とを有する弾性を有するワイパー要素と、
所定の曲率を有し細長い金属製のフレクサーとを備え、前記フレクサーは内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、前記内方に向く端部は、前記ワイパー要素の頂部における各々の前記溝部内に解放可能に配置され、
両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記フランジと前記上壁部との間に細長いチャネルを設け、前記上壁部は前記両端部間に開口部と突出部との一方を有し、前記フレクサーの前記外方に向く端部は、前記チャネル内に解放可能に配置される、細長い高分子材料のカバーと、
ワーパーアームへの取付に適している接続具を更に備え、前記接続具は前記カバーの前記上壁部と係合する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、前記カバーの前記フランジと前記上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れ、対向するポケットを設け、前記下面は、前記開口部あるいは突出部の他方を有し、前記開口部および突出部は前記カバーに前記接続具を固定するように互いに係合するように構成される、ワイパーブレードアセンブリ。
【請求項2】
前記カバーの前記上壁部は前記開口部を有し、前記接続具は前記突出部を有し、前記突出部は、前記下面に従属しており、前記開口部内にスナップ式で受入られ、前記接続具と前記カバーとを互いの相対移動に対して固定する、請求項1に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項3】
前記突出部は前記開口部を貫通して延在して前記ワイパー要素の前記頂部と係合し、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止する、請求項3に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項4】
前記フレクサーは、分離した金属製の帯状部材の1対のフレクサーを含み、前記帯状部材の各々は、前記内方に向く端部と外方に向く端部の1つを有する、請求項2に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項5】
前記カバーは、前記カバーの前記チャネル内に延び、前記フレクサーの前記チャネルから抜け出る動きを妨害する第1の熱かしめ突出部を有する、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項6】
前記カバーは、前記ワイパー要素の前記頂部と突き合わされる前記上壁部から下方に延びる第2の熱かしめ突出部を有する、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の熱かしめ突出部は、前記カバーの前記上壁部に形成される、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の熱かしめ突出部は、前記カバーの前記フランジに形成される、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項9】
前記フレクサーの各々は、前記内方に向く端部に延びる窪みを有し、前記頂部の一部は、前記開口部に前記突出部がスナップ方式で受入れられた際に前記窪み内に配置される、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項10】
前記フレクサーの各々は、前記内方に向く端部に延びるノッチを有し、前記フレクサー
、前記ワイパー要素および前記カバー間の相対移動を防止するように前記ノッチ内にスナップ方式で受入れられる1対のタブを有するエンドキャップを設けることをさらに含む、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項11】
互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部を有する頂部と、払拭可能に窓と係合する先端部とを有し、弾性を有するワイパー要素と、
細長く弧状の金属製の1対のフレクサーとを備え、前記フレクサーは、該フレクサーの長手方向に沿って延び内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、内方に向く端部は、前記ワイパー要素の頂部における各々の前記溝部内に配置され、
両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、前記上壁部を貫通して延びる開口部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲し、前記フランジと前記上壁部との間にチャネルを設ける1対のフランジとを有する細長い高分子材料のカバーをさらに備え、前記チャネルは、前記フレクサーの前記内方に向く端部を受入れ、
ワーパーアームへの取付に適した接続具をさらに備え、前記接続具は、前記カバーの前記上壁部と係合する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記カバーの前記フランジと前記上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れ対向するポケット部を設け、前記下面は、それに従属し、前記カバーに前記接続具を固定するように前記開口部を貫通して配置される、ワイパーブレードアセンブリ。
【請求項12】
前記突出部は、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止するように前記ワイパー要素の前記頂部と係合する、請求項11に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項13】
前記突出部は、前記フレクサー、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止するように前記頂部を前記フレクサーと係合させる、請求項12に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項14】
弾性を有し、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、前記頂部と反対側にあり窓と係合する先端部とを有するワイパー要素を設けることと、
細長く湾曲し、内方と外方に向く端部を有するフレクサーを設けることと、
細長く高分子材料製であり、上方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する上壁部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記フランジと前記上壁部との間に細長いチャネルを設けるカバーを設けることと、
下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、前記下面と接続具の前記フランジとの間に間隙を設けるワーパーアーム接続具を設けることと、
前記フレクサーの前記内方に向く端部を弾性を有する前記ワイパー要素の前記溝部内に配置することと、
前記フレクサーの外側の前記端部を前記カバーの前記チャネル内に配置することと、
前記カバーの前記フランジと前記上壁部の一部を前記接続具の間隙に受入れて、前記カバーに沿って前記ワイパーアーム接続具をその中間点近傍まで摺動させ、前記開口部内にスナップ式にロックされるように前記突出部を受入れて前記カバーと前記ワイパーアーム接続具との相対移動を防止することとを備える、ワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項15】
下方に延びる突出部を有する前記ワイパーアーム接続具と、前記開口部を有する前記カバーとを設けることを更に含む、請求項14に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項16】
前記開口部内に前記突出部をスナップ式でロックされるように受入れた際に前記頂部と前記突出部を係合させることで、前記ワイパーアーム接続具と、前記カバーと、前記ワイパー要素間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項17】
前記カバーの前記開口部内に前記突出部をスナップ式でロックされるように受入れた際に前記頂部と前記突出部の一部を前記フレクサーの開口部内に受入れ、前記頂部と前記突出部を係合させることで、前記ワイパーアーム接続具と、前記カバーと、前記ワイパー要素と、前記フレクサー間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項18】
エンドキャップを設け、前記エンドキャップをスナップ式で前記フレクサーと係合させ、前記フレクサー、前記ワイパー要素、前記カバー間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項19】
前記フレクサーを、分離した弧状で平坦な1対の帯状部材として設けることをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項1】
その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、窓と係合する先端部を有し前記頂部から本体部にまで延びる首部とを有する弾性を有するワイパー要素と、
所定の曲率を有し細長い金属製のフレクサーとを備え、前記フレクサーは内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、前記内方に向く端部は、前記ワイパー要素の頂部における各々の前記溝部内に解放可能に配置され、
両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記フランジと前記上壁部との間に細長いチャネルを設け、前記上壁部は前記両端部間に開口部と突出部との一方を有し、前記フレクサーの前記外方に向く端部は、前記チャネル内に解放可能に配置される、細長い高分子材料のカバーと、
ワーパーアームへの取付に適している接続具を更に備え、前記接続具は前記カバーの前記上壁部と係合する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、前記カバーの前記フランジと前記上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れ、対向するポケットを設け、前記下面は、前記開口部あるいは突出部の他方を有し、前記開口部および突出部は前記カバーに前記接続具を固定するように互いに係合するように構成される、ワイパーブレードアセンブリ。
【請求項2】
前記カバーの前記上壁部は前記開口部を有し、前記接続具は前記突出部を有し、前記突出部は、前記下面に従属しており、前記開口部内にスナップ式で受入られ、前記接続具と前記カバーとを互いの相対移動に対して固定する、請求項1に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項3】
前記突出部は前記開口部を貫通して延在して前記ワイパー要素の前記頂部と係合し、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止する、請求項3に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項4】
前記フレクサーは、分離した金属製の帯状部材の1対のフレクサーを含み、前記帯状部材の各々は、前記内方に向く端部と外方に向く端部の1つを有する、請求項2に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項5】
前記カバーは、前記カバーの前記チャネル内に延び、前記フレクサーの前記チャネルから抜け出る動きを妨害する第1の熱かしめ突出部を有する、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項6】
前記カバーは、前記ワイパー要素の前記頂部と突き合わされる前記上壁部から下方に延びる第2の熱かしめ突出部を有する、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の熱かしめ突出部は、前記カバーの前記上壁部に形成される、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の熱かしめ突出部は、前記カバーの前記フランジに形成される、請求項5に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項9】
前記フレクサーの各々は、前記内方に向く端部に延びる窪みを有し、前記頂部の一部は、前記開口部に前記突出部がスナップ方式で受入れられた際に前記窪み内に配置される、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項10】
前記フレクサーの各々は、前記内方に向く端部に延びるノッチを有し、前記フレクサー
、前記ワイパー要素および前記カバー間の相対移動を防止するように前記ノッチ内にスナップ方式で受入れられる1対のタブを有するエンドキャップを設けることをさらに含む、請求項4に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項11】
互いに反対方向を向き長手方向に延びる溝部を有する頂部と、払拭可能に窓と係合する先端部とを有し、弾性を有するワイパー要素と、
細長く弧状の金属製の1対のフレクサーとを備え、前記フレクサーは、該フレクサーの長手方向に沿って延び内方に向く端部と外方に向く端部とを有し、内方に向く端部は、前記ワイパー要素の頂部における各々の前記溝部内に配置され、
両端部間で延在し実質的に平坦で細長い上壁部と、前記上壁部を貫通して延びる開口部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲し、前記フランジと前記上壁部との間にチャネルを設ける1対のフランジとを有する細長い高分子材料のカバーをさらに備え、前記チャネルは、前記フレクサーの前記内方に向く端部を受入れ、
ワーパーアームへの取付に適した接続具をさらに備え、前記接続具は、前記カバーの前記上壁部と係合する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記カバーの前記フランジと前記上壁部の少なくとも一部を摺動可能にその内部に受入れ対向するポケット部を設け、前記下面は、それに従属し、前記カバーに前記接続具を固定するように前記開口部を貫通して配置される、ワイパーブレードアセンブリ。
【請求項12】
前記突出部は、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止するように前記ワイパー要素の前記頂部と係合する、請求項11に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項13】
前記突出部は、前記フレクサー、前記ワイパー要素、前記カバーおよび前記接続具間の相対移動を防止するように前記頂部を前記フレクサーと係合させる、請求項12に記載のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項14】
弾性を有し、その中に長手方向に延びる溝部を有する頂部と、前記頂部と反対側にあり窓と係合する先端部とを有するワイパー要素を設けることと、
細長く湾曲し、内方と外方に向く端部を有するフレクサーを設けることと、
細長く高分子材料製であり、上方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する上壁部と、前記上壁部から間隔をあけて互いに向かって内方に湾曲する1対のフランジとを有し、前記フランジと前記上壁部との間に細長いチャネルを設けるカバーを設けることと、
下方に延びる突出部あるいは開口部の一方を有する下面と、前記下面から間隔をあけて互いに向かって湾曲する1対のフランジとを有し、前記下面と接続具の前記フランジとの間に間隙を設けるワーパーアーム接続具を設けることと、
前記フレクサーの前記内方に向く端部を弾性を有する前記ワイパー要素の前記溝部内に配置することと、
前記フレクサーの外側の前記端部を前記カバーの前記チャネル内に配置することと、
前記カバーの前記フランジと前記上壁部の一部を前記接続具の間隙に受入れて、前記カバーに沿って前記ワイパーアーム接続具をその中間点近傍まで摺動させ、前記開口部内にスナップ式にロックされるように前記突出部を受入れて前記カバーと前記ワイパーアーム接続具との相対移動を防止することとを備える、ワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項15】
下方に延びる突出部を有する前記ワイパーアーム接続具と、前記開口部を有する前記カバーとを設けることを更に含む、請求項14に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項16】
前記開口部内に前記突出部をスナップ式でロックされるように受入れた際に前記頂部と前記突出部を係合させることで、前記ワイパーアーム接続具と、前記カバーと、前記ワイパー要素間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項17】
前記カバーの前記開口部内に前記突出部をスナップ式でロックされるように受入れた際に前記頂部と前記突出部の一部を前記フレクサーの開口部内に受入れ、前記頂部と前記突出部を係合させることで、前記ワイパーアーム接続具と、前記カバーと、前記ワイパー要素と、前記フレクサー間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項18】
エンドキャップを設け、前記エンドキャップをスナップ式で前記フレクサーと係合させ、前記フレクサー、前記ワイパー要素、前記カバー間の相対移動を防止することをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【請求項19】
前記フレクサーを、分離した弧状で平坦な1対の帯状部材として設けることをさらに含む、請求項15に記載のワイパーブレードアセンブリの組立方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−527837(P2010−527837A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509551(P2010−509551)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/064478
【国際公開番号】WO2008/147849
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/064478
【国際公開番号】WO2008/147849
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
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