説明

スライドスイッチを具備する機器

【課題】 スライドスイッチの切り換えが不意に行われることを防止できるようにする。
【解決手段】 長孔からなる軌道孔29を有する筐体2と、筐体2と係合し、軌道孔29の長手方向及び筐体2の厚さ方向に移動可能なスライド操作部19と、スライド操作部19に連結されるスイッチレバーを備え、筐体2内に固定されたスライドスイッチ本体15と、スライド操作部19を筐体2の外方側に付勢する付勢手段23と、付勢手段23の付勢力に抗してスライド操作部19を筐体2内方側に所定量以上移動させた状態でスライド操作部19を前記長手方向に移動可能とすると共に、スライド操作部19の筐体2内方側への移動が所定量未満である状態でスライド操作部19の前記長手方向への移動を規制するスライド規制手段47とを備え、スライド操作部19の前記長手方向に沿う移動に伴ってスイッチレバーを移動させるようにしたスライドスイッチを具備する機器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、簡易型携帯電話機(PHS(登録商標))、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ等の各種電子機器や扇風機、ドライヤー、電動歯ブラシ等の電気機器等のスライドスイッチを具備する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機、簡易型携帯電話機(PHS(登録商標))、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ等の各種電子機器や扇風機、ドライヤー、電動歯ブラシ等の電気機器には、電源やモード等の切り換えを行うためのスライドスイッチを備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
この種のスライドスイッチは、電子機器を構成する筐体内部に固定されるスライドスイッチ本体と、スライドスイッチ本体に対してスライド可能に設けられた操作レバー(スライド操作部)と、筐体に形成され、操作レバーを筐体の外方に突出させる貫通孔とを備えている。このスライドスイッチにおいては、貫通孔に沿って操作レバーをスライドさせることにより、スライドスイッチ本体のON/OFFを切り換えることができる。
【特許文献1】実開昭51−75567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のスライドスイッチでは、操作レバーがケース本体から突出しているため、操作レバーを引っ掛けるなどして不意にスライドスイッチ本体のON/OFFが切り換えられる虞がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、スライドスイッチ本体のON/OFFが不意に切り換えられることを防止できるスライドスイッチを具備する機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るスライドスイッチを具備する機器は、長孔からなる軌道孔を有する筐体と、該筐体と係合し、前記軌道孔の長手方向及び前記筐体の厚さ方向にそれぞれ移動可能なスライド操作部と、移動可能なスイッチレバーを備え、前記筐体内に固定されたスライドスイッチ本体と、前記スライド操作部を前記筐体の外方側に付勢する付勢手段と、該付勢手段の付勢力に抗して前記付勢力に抗して前記スライド操作部を筐体内方側に所定量以上移動させた状態で前記スライド操作部を前記軌道孔の長手方向に沿って移動可能とすると共に、前記スライド操作部の筐体内方側への移動が所定量未満である状態では、前記スライド操作部の軌道孔の長手方向への移動を規制するスライド規制手段とを備え、前記スライドスイッチ本体のスイッチレバーは前記スライド操作部に連結され、前記スライド操作部の軌道孔の長手方向に沿う移動に伴って前記スイッチレバーを移動させるようにしたことを特徴とする。
【0005】
また、本発明に係るスライドスイッチを具備する機器は、前記スライド操作部には、前記軌道孔内に挿通され、先端に前記筐体内壁面と係合させる鉤部を有する係合部を備えると共に、前記筐体内壁面には、前記筐体の厚さ方向に突出するストッパリブを有し、前記スライド規制手段は、前記係合部の鉤部と前記ストッパリブとを含み、前記スライド操作部を前記筐体内方側に所定量以上移動させることにより前記鉤部が筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ以上に移動し、前記スライド操作部を前記筐体内方側に所定量未満の範囲で移動させることにより、前記鉤部が前記筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ未満の範囲で移動するように構成してあることを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明に係るスライドスイッチを具備する機器は、前記筐体の表面には凹部を有すると共に、前記凹部底面に前記軌道孔を備え、前記スライド操作部は、前記凹部内に移動可能に配置されると共に、前記付勢手段によって付勢された状態で前記スライド操作部の頂面が、前記筐体表面と同一平面上もしくは前記筐体表面に対して沈んだ位置に配されていることを特徴とする。
また、本発明に係るスライドスイッチを具備する機器は、前記スライド操作部と前記筐体との間に、前記軌道孔の周囲を囲むように設けられた環状の弾性変形可能なシール部材を有することを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明に係るスライドスイッチを具備する機器は、前記スライド操作部を筐体の厚さ方向へ1N以上の力で押圧したときに、前記スライド操作部の鉤部が前記筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ以上移動するように構成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、スライド操作部を筐体の厚さ方向に所定の力以上で押圧しない限り、スライド操作部を軌道孔の長手方向に沿って移動させることができないため、不意にスイッチレバーがスライドスイッチ本体に対して移動することがなく、電子機器の使用者の意図に反してスライドスイッチ本体のON/OFFが切り換えられることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1から図6は本発明に係る一実施形態を示しており、ここで説明する実施の形態は、この発明を携帯電話機に適用した場合のものである。図1に示すように、この実施の形態に係る携帯電話機(電子機器)1は、平面視略矩形の板状に形成された筐体2と、複数の数字キー3a、通話キー3b及び終話キー3c等からなるキー操作部3と、回路基板5と、通話用のマイクロフォン部及びスピーカ部(図示せず)と、スライドスイッチ7とを備えている。キー操作部3及びスライドスイッチ7は、筐体2の一方の主面(表面)2aに設けられ、回路基板5、マイクロフォン部及びスピーカ部は、筐体2の内部に配されている。
【0010】
筐体2は、一方の主面2a側を構成するフロントケース9、及び、他方の主面2b側を構成するリアケース11を備えており、これらフロントケース9及びリアケース11は、互いに筐体2の厚さ方向(Z方向)に結合可能となっている。回路基板5は、ネジ等により筐体2内のリアケース11側に固定されている。
マイクロフォン部及びスピーカ部は、筐体2の長手方向(Y方向)の両端部2c,2d内にそれぞれ配されており、スピーカ部はフロントケース9の主面2aのうち一端に形成された放音口9aを通じて音声等を放音するようになっている。また、マイクロフォン部はフロントケース9の主面2aのうち他端に形成された集音口9bを通じて音声等を集音するようになっている。なお、スピーカ部を配した筐体2の長手方向の一端部2cには、基地局との無線通信を行うためのアンテナ13が設けられている。
【0011】
スライドスイッチ7は、携帯電話機1の電源のON/OFFを切り換える役割を果たすものであり、図2,3に示すように、スライドスイッチ本体15と、スライドスイッチ本体15に対してX方向に移動可能に設けられたスイッチレバー17と、使用者の指によりスライドスイッチ本体15のON/OFFを操作するスライド操作部19と、筐体2とスライド操作部19との間に配されるシール部材21と、回路基板5とフロントケース9との間に位置する筐体内部に配される板バネ(付勢手段)23とを備えている。
スライドスイッチ本体15は、フロントケース9側に対向する回路基板5の主面5aに固定されており、そのON/OFFの切り換えは、スイッチレバー17をX方向に移動させることにより行われる。
【0012】
スライド操作部19は、フロントケース9の主面2aから窪んで形成した凹部25に収容されるつまみ部27と、凹部25の底面25aから筐体2の内部側に貫通した軌道孔29に係合する一対の係合部31,33とから構成されている。つまみ部27は、平面視略長円形の略薄板状に形成されており、その前面27aには、つまみ部27の長手方向(X方向)に沿って配列された複数の突起34が形成されている。なお、つまみ部27の前面27a及び突起34は、スライド操作部19を操作する際に使用者の指に接触する部分となる。また、軌道孔29の平面形状は、X方向に長い長方形としてある。
【0013】
一対の係合部31,33は、つまみ部27の裏面27bからつまみ部27の厚さ方向に突出して形成されており、X方向に直交するつまみ部27の幅方向(Y方向)に配列されている。各係合部31,33の先端部には、つまみ部27の幅方向の外方側に突出する略楔状の鉤部35,37がX方向に所定の間隔をおいて一対形成されている。また、一方の係合部31に形成された一対の鉤部35の間には、この係合部31の突出方向(Z方向)に窪む切欠部39が形成されている。これら一対の係合部31,33は、つまみ部27の幅方向に弾性変形できるようになっている。
【0014】
スライド操作部19をフロントケース9の凹部25に収容した状態においては、図4,5に示すように、係合部31,33の鉤部35,37が軌道孔29に係合すると共に、スイッチレバー17を一方の係合部31の切欠部39に挿入する。この状態においては、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向(X方向)に移動させることができる。
また、この状態においては、つまみ部27の前面(頂面)27aがフロントケース9の一方の主面2aに対して同一面上又は少し沈んだ位置に配されている。さらに、この状態においては、スイッチレバー17が係合部31の切欠部39に挿入、連結されているため、軌道孔29の長手方向(X方向)へのスライド操作部19の移動に連動して、スイッチレバー17をスライドスイッチ本体15に対して移動させることができる。なお、この状態において、スライド操作部19は筐体2の厚さ方向(Z方向)にも移動可能となっている。
【0015】
シール部材21は、軌道孔29を介して外方から筐体2の内部に塵埃や水分が侵入することを防止するものであり、図2に示すように、弾性変形可能なシートを平面視略楕円の環状に形成したものである。このシール部材21は、図5に示すように、係合部31,33を軌道孔29を形成するフロントケース9の内壁面2eに係合させた状態において、つまみ部27の裏面27bと軌道孔29の周囲に位置する凹部25の底面25aとにより挟み込まれるように構成されている。
【0016】
板バネ23は、金属製薄板を屈曲して形成されており、弾性変形可能な略コ字状の凸状変形部43を備えている。この板バネ23は、凸状変形部43をつまみ部27の裏面27bに当接させた状態で、固定用ネジ41によりフロントケース9の内壁面2e側に固定され、スライド操作部19を筐体2の外方側に付勢している。なお、この状態においては、鉤部35,37がフロントケース9の内壁面2eに当接する。
【0017】
なお、図4,6に示すように、スライド操作部19のX方向への移動に伴う他方の係合部33の移動軌道上には、2つのストッパリブ45がフロントケース9の内壁面2eから突出して形成されており、これら2つのストッパリブ45は、スライド操作部19の移動方向(X方向)に配列されている。なお、2つのストッパリブ45の間隔は、他方の係合部33に形成される一対の鉤部37の間隔と等しい。このストッパリブ45は、他方の係合部33の鉤部37がフロントケース9の内壁面2eに接触した状態でスライド操作部19がX方向に移動することを妨げる役割を果たしている。
これら板バネ23及びストッパリブ45は、軌道孔29の長手方向(X方向)へのスライド操作部19の移動を規制するスライド規制手段47を構成しており、このスライド規制手段47はスライドスイッチ7の構成に含まれる。
【0018】
以上のように構成されたスライドスイッチ7において、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向(X方向)に移動させる際には、はじめに、板バネ23の付勢力に抗してスライド操作部19を筐体2の外方側から厚さ方向(Z方向)に押圧する。この押圧の際には、フロントケース9の内壁面2eと他方の係合部33の鉤部37との間に隙間が形成され、この隙間寸法が、フロントケース9の内壁面2eから突出するストッパリブ45の突出高さと同等の寸法以上となるように、スライド操作部19を厚さ方向に移動させる。この押圧状態ではシール部材21が圧縮されて弾性変形することになるため、ストッパリブ45の突出長さは、シール部材21が変形した厚さ寸法よりも短く形成しておくことが好ましい。
【0019】
このようにスライド操作部19を押圧して筐体2の内方側に所定量以上移動させることで、スライド操作部19の鉤部37をフロントケース9の内壁面2eより筐体2の厚さ方向にストッパリブ45の高さ以上移動させることができるため、この状態でスライド操作部19に軌道孔29の長手方向に力を加えれば、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向に沿って移動させることができる。
また、スライド操作部19を押圧することによる筐体内方側への移動が所定量未満であった場合、スライド操作部19の鉤部37は、フロントケース9の内壁面2eから筐体2の厚さ方向にストッパリブ45の高さ以上移動させることができないため、この状態でスライド操作部19に軌道孔29の長手方向に力を加えても鉤部37がストッパリブ45と衝突し、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向に沿って移動させることができないようになっている。
【0020】
なお、スライド操作部19の鉤部37は、スライド操作部19に1N以上の力Fを加えたときにフロントケース9の内壁面2eから筐体2の厚さ方向にストッパリブ45の高さ以上移動するようにすることが好ましい。
なぜなら、使用者がスライド操作部19の頂面27aを押し当てる力Fが1N〜5N程度であり、この範囲の力でスライド操作部19を押圧したときにスライド操作部19の鉤部37が、フロントケース9の内壁面2eから筐体2の厚さ方向にストッパリブ45の高さ以上移動するように構成することで使用者に対して押圧している感覚を持たせないでスライド操作部19を操作させることができるためである。
【0021】
また、本実施形態において、スライド操作部19を押圧して筐体内方側に移動させる所定量とは、スライド操作部19の鉤部37が、フロントケース9の内壁面2eから筐体2の厚さ方向にストッパリブ45の高さ以上移動させる移動量のことであり、少なくともストッパリブ45の高さ以上であればよい。
なお、スライド操作部19を押圧した際には、シール部材21及び板バネ23が弾性変形するため、この押圧力Fの大きさは、板バネ23及びシール部材21を形成する各材料の弾性率と関係する。したがって、この押圧力Fの大きさは、板バネ23及びシール部材21の材料を選択したり、板バネ23及びシール部材21の形状や寸法を変えることにより設定することができる。
【0022】
その後、上述のようにスライド操作部19をZ方向に押圧した状態で、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向(X方向)に移動させる力を加えた際には、他方の係合部33の鉤部37がストッパリブ45の上方を通過するため、スライド操作部19をX方向に移動させることができる。そして、このスライド操作部19の移動に連動して、スイッチレバー17がスライドスイッチ本体15に対して移動することにより、スイッチレバー17をX方向に移動させ、スライドスイッチ本体15のON/OFFの切り換えが行われることになる。
【0023】
しかる後、使用者がスライド操作部19から指を離すと、弾性変形していた板バネ23の弾性回復によって鉤部37がフロントケース9の内壁面2eに当接するまでスライド操作部19が筐体2の外方側に移動してスライド操作部19のZ方向への移動が規制され、スライド操作部19の操作が完了する。
なお、スライド操作部19のZ方向への移動が所定量未満では、スライド操作部19をX方向に移動させる力を加えても、他方の係合部33の鉤部37がストッパリブ45に当接するため、スライド操作部19はX方向に移動することが無く、スライドスイッチ本体15のON/OFFの切り換えが行われることもない。
【0024】
以上のように、携帯電話機1、及び、これに設けられたスライドスイッチ7によれば、スライド操作部19を筐体2の厚さ方向(Z方向)に所定以上の力で押圧しない限り、スライド操作部19を軌道孔29の長手方向に移動させることができないため、不意にスイッチレバー17がスライドスイッチ本体15に対して移動することがなく、携帯電話機1の使用者の意図に反してスライドスイッチ本体15のON/OFFが切り換えられることを防止できる。
特に、スライド操作部19を筐体2の厚さ方向に押圧することなく、軌道孔29の長手方向に移動させる力をスライド操作部19に加えた場合には、他方の係合部33の鉤部37がストッパリブ45に当接するため、不意にスライドスイッチ本体15のON/OFFが切り換えられることを確実に防止することができる。
したがって、例えば、携帯電話機1を鞄やポケット等に収納して携行していても、スライドスイッチ本体15のON/OFFが不意に切り換えられることを防止できる。
【0025】
また、つまみ部27の前面27aを筐体2の主面2aと同一平面上、若しくは、主面2aに対して窪んだ位置に配しているため、従来のようにスライド操作部19を引っ掛ける虞がなくなるため、スライド操作部19が不意にX方向に移動することをより確実に防止できる。
さらに、スライド操作部19と筐体2に形成された凹部25の底面25aとの間に弾性変形可能なシール部材21を介在させることにより、塵埃や水分が、外方から軌道孔29を通じて筐体2の内部に侵入することを防止できる。
【0026】
また、スライド操作部19の鉤部37をZ方向にストッパリブ45の高さ以上移動させるのに要するスライド操作部19の押圧力Fを、使用者がスライド操作部19に指を押し当てる力に略等しい1N以上とすることにより、使用者がスライド操作部19を軌道孔29の長手方向に移動させる際に、スライド規制手段47の存在を殆ど認識することなく、快適にスライド操作部19を軌道孔29の長手方向に移動させることができる。
【0027】
なお、上記実施形態において、スライドスイッチ本体15は、回路基板5の主面5aに固定されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも筐体2の内部に固定されていればよい。すなわち、スライドスイッチ本体15は、例えば、フロントケース9に固定されるとしても構わない。
また、つまみ部27の前面27aは、フロントケース9の一方の主面2aに対して窪んだ位置に配されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、フロントケース9の主面2aと同一平面上に配されるとしても構わない。
【0028】
さらに、スライドスイッチ7は、携帯電話機1の電源のON/OFFを切り換えるものとしたが、これに限ることはなく、携帯電話機1のモードの切り換え等に使用するとしても構わない。
また、スライドスイッチ7は、筐体2の一方の主面2aに設けられるとしたが、少なくとも筐体2の表面に形成されていればよく、例えば、筐体2の他方の主面2bや側面に設けられるとしても構わない。
【0029】
さらに、スライドスイッチ7は、1つの筐体2からなる携帯電話機1に設けられるとしたが、これに限ることはなく、2つの筐体を重ね合わせ可能に連結した携帯電話機に設けてもよいし、PDAやデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ等の各種電子機器に設けるとしても構わない。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の一実施形態に係る携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】図1の携帯電話機において、スライドスイッチを示す分解斜視図である。
【図3】図2のスライドスイッチにおいて、スライド操作部の裏面側を示す斜視図である。
【図4】図1の携帯電話機において、フロントケースに取り付けられたスライドスイッチを示す要部拡大斜視図である。
【図5】図1の携帯電話機において、スライド操作部とスイッチレバーとの連結状態を示す拡大断面図である。
【図6】図1の携帯電話機において、スライド規制手段を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 携帯電話機(スライドスイッチを具備する機器)
2 筐体
2a 主面(表面)
2e 内壁面
7 スライドスイッチ
15 スライドスイッチ本体
17 スイッチレバー
19 スライド操作部
23 板バネ(付勢手段)
25 凹部
25a 底面
27a 前面(頂面)
29 軌道孔
31,33 係合部
35,37 鉤部
45 ストッパリブ
47 スライド規制手段
F 押圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長孔からなる軌道孔を有する筐体と、
該筐体と係合し、前記軌道孔の長手方向及び前記筐体の厚さ方向にそれぞれ移動可能なスライド操作部と、
移動可能なスイッチレバーを備え、前記筐体内に固定されたスライドスイッチ本体と、
前記スライド操作部を前記筐体の外方側に付勢する付勢手段と、
該付勢手段の付勢力に抗して前記スライド操作部を筐体内方側に所定量以上移動させた状態で前記スライド操作部を前記軌道孔の長手方向に沿って移動可能とすると共に、前記スライド操作部の筐体内方側への移動が所定量未満である状態では、前記スライド操作部の軌道孔の長手方向への移動を規制するスライド規制手段とを備え、
前記スライドスイッチ本体のスイッチレバーは前記スライド操作部に連結され、前記スライド操作部の軌道孔の長手方向に沿う移動に伴って前記スイッチレバーを移動させるようにしたことを特徴とするスライドスイッチを具備する機器。
【請求項2】
前記スライド操作部には、前記軌道孔内に挿通され、先端に前記筐体内壁面と係合させる鉤部を有する係合部を備えると共に、前記筐体内壁面には、前記筐体の厚さ方向に突出するストッパリブを有し、
前記スライド規制手段は、前記係合部の鉤部と前記ストッパリブとを含み、前記スライド操作部を前記筐体内方側に所定量以上移動させると前記鉤部が筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ以上に移動し、
前記スライド操作部を前記筐体内方側に所定量未満の範囲で移動させると、前記鉤部が前記筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ未満の範囲で移動するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載のスライドスイッチを具備する機器。
【請求項3】
前記筐体の表面には凹部を有すると共に、前記凹部底面に前記軌道孔を備え、
前記スライド操作部は、前記凹部内に移動可能に配置されると共に、前記付勢手段によって付勢された状態で前記スライド操作部の頂面が、前記筐体表面と同一平面上もしくは前記筐体表面に対して沈んだ位置に配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライドスイッチを具備する機器。
【請求項4】
前記スライド操作部と前記筐体との間に、前記軌道孔の周囲を囲むように設けられた環状の弾性変形可能なシール部材を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスライドスイッチを具備する機器。
【請求項5】
前記スライド操作部を筐体の厚さ方向へ1N以上の力で押圧したときに、前記スライド操作部の鉤部が前記筐体の厚さ方向に前記ストッパリブの高さ以上移動するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載のスライドスイッチを具備する機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−114412(P2006−114412A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302358(P2004−302358)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】