説明

スルホニル光酸発生剤およびこれを含むフォトレジスト

【課題】フォトレジストによるサブミクロン寸法の高解像イメージの提供。
【解決手段】下記式Iまたは式II




で示されるトリ(スルホニル)メチドまたはビス(スルホニル)イミド光酸発生剤化合物(PAG)、並びに、このようなPAG化合物を含むフォトレジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規のスルホニルイミドおよびメチド光酸発生剤化合物(PAG)およびこのPAG化合物を含むフォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは基体に像を移すための感光膜である。フォトレジストはネガ型またはポジ型像を形成する。フォトレジストを基体上にコーティングした後、この塗膜はパターン形成されたフォトマスクを通して、紫外光のような活性化エネルギー源に露光されて、フォトレジスト塗膜に潜像を形成する。このフォトマスクは、下にある基体に移されることが望まれる像を画定する活性化放射線に対して不透明および透明な領域を有する。
【0003】
フォトレジスト組成物の組成を変えて、機能特性の性能を改良するために様々な試みがなされてきた。とりわけ、フォトレジスト組成物における使用のために、様々な光活性化合物が報告されてきた。例えば、米国特許第6,911,297号および第7,235,343号を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,911,297号明細書
【特許文献2】米国特許第7,235,343号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のフォトレジストは、多くの既存の商業的な用途に充分な解像度およびサイズを有するフィーチャーを提供することができる。しかし、多くの他の用途については、サブミクロン寸法の高解像イメージを提供できる新たなフォトレジストについての必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態においては、本発明者は、ビス(スルホニル)イミドアニオン成分を含む新規の光酸発生剤化合物(PAG)を提供する。
別の形態においては、本発明者は、トリス(スルホニル)メチドアニオン成分を含む新規の光酸発生剤化合物(PAG)を提供する。
本発明の好ましい光酸発生剤化合物は、オニウム成分を含み、好ましくは、(スルホニル)イミドまたは(スルホニル)メチドがオニウムカチオン、例えば、スルホニウムもしくはヨードニウムカチオンと複合体形成している。
本発明の好ましい光酸発生剤化合物は1種以上の環式基、例えば、場合によって置換された脂環式基、場合によって置換された炭素環式基、または場合によって置換されたヘテロ芳香族基も含む。このような嵩高な基は好ましくは、光酸発生剤化合物の(スルホニル)イミドまたは(スルホニル)メチド成分に存在する。
好ましい光酸発生剤化合物は、フルオロ置換基も含み、例えば、(スルホニル)イミドまたは(スルホニル)メチドは1以上のフッ素原子で置換される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
好ましくは、本発明のPAGはポジ型またはネガ型化学増幅フォトレジスト(すなわち、光酸促進架橋反応を受けて、レジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも低い現像剤可溶性にするネガ型レジスト組成物、および1種以上の組成物成分の酸不安定基の光酸促進脱保護反応を受けて、レジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも、水性現像剤中でより可溶性にするポジ型レジスト組成物)において使用される。エステルのカルボキシル酸素に共有結合した第三級非環式アルキル炭素または第三級脂環式炭素を含むエステル基は、一般的に、本発明のフォトレジストにおいて使用される樹脂の好ましい光酸不安定基である。アセタール基も好適な光酸不安定基である。
【0008】
本発明のフォトレジストの好ましい像形成波長には、サブ300nm波長、例えば、248nm、およびサブ200nm波長、例えば、193nm、並びにEUVが挙げられる。
【0009】
本発明の特に好ましいフォトレジストは、本明細書において開示されるような像形成有効量の1種以上のPAG、並びに以下の群から選択される樹脂を含む:
1)248nmでの像形成に特に好適な、化学増幅ポジ型レジストを提供できる酸不安定基を含むフェノール系樹脂。この種類の特に好ましい樹脂には以下のものが挙げられる:i)ビニルフェノールおよびアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、このポリマーにおいては、重合されたアクリル酸アルキル単位は光酸の存在下でデブロッキング(deblocking)反応を受けうる。典型的には、光酸誘起デブロッキング反応を受けうるアクリル酸アルキルには、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および光酸誘起反応を受けうる他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートが挙げられ、例えば、米国特許第6,042,997号および第5,492,793号(参照により本明細書に組み込まれる)におけるポリマーが挙げられる;ii)ビニルフェノール、場合によって置換された(ただし、ヒドロキシルまたはカルボキシ環置換基を含まない)ビニルフェニル(例えば、スチレン)、および上記ポリマーi)について記載されるデブロッキング基のもののようなアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第6,042,997号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているポリマー;並びに、iii)光酸と反応しうるアセタールまたはケタール部分を含む繰り返し単位を含み、および場合によって芳香族繰り返し単位、例えば、フェニルもしくはフェノール性基などを含むポリマー;
2)実質的にまたは完全にフェニルまたは他の芳香族基を含まない樹脂、これは193nmのようなサブ200nm波長での像形成に特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる。特に好ましいこの種類の樹脂には以下のものが挙げられる;i)場合によって置換されたノルボルネンのような、非芳香族環式オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第5,843,624号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているポリマー;ii)アクリル酸アルキル単位、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートを含むポリマー;例えば、米国特許第6,057,083号に記載されているポリマー。
【0010】
本発明のレジストは、区別できるPAGの混合物、典型的には2または3種の異なるPAGの混合物、より典型的には、合計2種類の区別できるPAGからなる混合物を含むこともできる。
【0011】
本発明は、サブ(sub)クオーターミクロン寸法以下の、例えば、サブ0.2またはサブ0.1ミクロン寸法の、高解像でパターン形成されたフォトレジスト像(例えば、本質的に垂直の側壁を有するパターン形成されたライン)を形成する方法をはじめとする、本発明のフォトレジストのレリーフ像を形成する方法も提供する。
【0012】
本発明は、本発明のフォトレジストおよびレリーフ像をその上にコーティングした、マイクロエレクトロニクスウェハまたはフラットパネルディスプレイ基体のような、基体を含む製造物品をさらに提供する。本発明の他の形態は以下に開示される。
【0013】
本発明の特に好ましい光酸発生剤には、下記式Iのスルホニルメチド化合物が挙げられる:
【化1】

式中、W、Yは、それぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルキル;場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルコキシ;場合によって置換された、好ましくは5〜約20の炭素原子を有するフルオロ炭素環式アリールであり;
W’、Y’は、それぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルキル;場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルコキシ;場合によって置換された、好ましくは5〜約20の炭素原子を有するフルオロ炭素環式アリールであり;
W’’、Y’’は、それぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルキル;場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルコキシ;場合によって置換された、好ましくは5〜約20の炭素原子を有するフルオロ炭素環式アリールであり;
n、n’およびn’’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ正の整数、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜6の正の整数であり、より好ましくは、n、n’および/またはn’’は独立して1、2もしくは3であり;
U、U’およびU’’はそれぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ化学結合、場合によって置換されたアルキレン(例えば、(−CH−)、ここで、nは1〜約20であり、それぞれのメチレンは、水素以外の1または2種の原子、例えば、ハロ、シアノ、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、炭素環式アリールなどで置換されることができ、この炭素鎖は1以上の挿入へテロ(N、O、S)原子を有することができる)のようなリンカーであり;並びに
R、R’およびR’’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ、3〜20、30もしくは40の炭素原子、および場合によって、0、1、もしくはそれより多い環へテロ原子(N、OまたはS)を有する、場合によって置換された炭素脂環式基(全ての環メンバーが炭素である非芳香族環)、場合によって置換されたヘテロ脂環式基(炭素環メンバーの他に、1以上の環メンバーがへテロ(N、OまたはS)原子である非芳香族環)、場合によって置換された炭素環式アリール基(全ての環メンバーが炭素である芳香族環)、またはヘテロ芳香族基(炭素環メンバーの他に、1以上の環メンバーがへテロ(N、OまたはS)原子である芳香族環)であり、ここで、R、R’およびR’’はそれぞれ独立して単環式であることができるか、または1以上の(縮合をはじめとする)結合環を有しうる;
は対イオン、好ましくは有機対イオン、特にオニウム化合物、例えば、スルホニウムまたはヨードニウム化合物である。
【0014】
上記式Iにおいては、好ましくは、WおよびYの少なくとも一方または両方はフルオロもしくはフルオロアルキル、特にペルフルオロアルキル、例えば、−CFであり;および/または、好ましくは、W’およびY’の少なくとも一方または両方はフルオロもしくはフルオロアルキル、特にペルフルオロアルキル、例えば、−CFであり;および/または、好ましくは、W’’およびY’’の少なくとも一方または両方はフルオロもしくはフルオロアルキル、特にペルフルオロアルキル、例えば、−CFである。
【0015】
特定の好ましい光酸発生剤のためには、式Iにおいては、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’、および−C(W’’Y’’)n’’)−U’’−R’’はそれぞれ同じである。
【0016】
特定の他の好ましい光酸発生剤のためには、式Iにおいては、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’、および−C(W’’Y’’)n’’)−U’’−R’’の2つ以下が同じである。
【0017】
さらに他の好ましい光酸発生剤のためには、式Iにおいて、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’、および−C(W’’Y’’)n’’)−U’’−R’’のそれぞれは異なっている。
【0018】
特定の他の好ましい光酸発生剤のためには、式IIにおいて、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’は異なっている。
【0019】
さらなる特に好ましい本発明の光酸発生剤には、下記式IIのスルホニルイミド化合物が挙げられる:
【化2】

式中、W、Yは、それぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルキル;場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルコキシ;場合によって置換された、好ましくは5〜約20の炭素原子を有するフルオロ炭素環式アリールであり;
W’、Y’は、それぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルキル;場合によって置換された、好ましくは1〜約20の炭素原子を有するフルオロアルコキシ;場合によって置換された、好ましくは5〜約20の炭素原子を有するフルオロ炭素環式アリールであり;
nおよびn’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ正の整数、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜6の正の整数であり、より好ましくは、nおよび/またはn’は独立して1、2もしくは3であり;
UおよびU’はそれぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ化学結合、場合によって置換されたアルキレン(例えば、(−CH−)、ここで、nは1〜約20であり、それぞれのメチレンは、水素以外の1または2種の原子、例えば、ハロ、シアノ、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、炭素環式アリールなどで置換されることができ、この炭素鎖は1以上の挿入へテロ(N、O、S)原子を有することができる)のようなリンカーであり;並びに
RおよびR’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ、3〜20、30もしくは40の環炭素原子、および場合によって、0、1、もしくはそれより多い環へテロ原子(N、OまたはS)を有する、場合によって置換された炭素脂環式基(全ての環メンバーが炭素である非芳香族環)、場合によって置換されたヘテロ脂環式基(炭素環メンバーの他に、1以上の環メンバーがへテロ(N、OまたはS)原子である非芳香族環)、場合によって置換された炭素環式アリール基(全ての環メンバーが炭素である芳香族環)、または場合によって置換されたヘテロ芳香族基(炭素環メンバーの他に、1以上の環メンバーがへテロ(N、OまたはS)原子である芳香族環)であり、ここで、RおよびR’は独立して単環式であることができるか、または1以上の(縮合をはじめとする)結合環を有しうる;
は対イオン、好ましくは有機対イオン、特に好ましくはオニウム化合物、例えば、スルホニウムまたはヨードニウム化合物である。
【0020】
上記式IIにおいて、好ましくは、WおよびYの少なくとも一方または両方はフルオロもしくはフルオロアルキル、特にペルフルオロアルキル、例えば、−CFであり;および/または、好ましくは、W’およびY’の少なくとも一方または両方はフルオロもしくはフルオロアルキル、特にペルフルオロアルキル、例えば、−CFである。
【0021】
特定の好ましい光酸発生剤のためには、式IIにおいては、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’は同じである。
【0022】
特定の他の好ましい光酸発生剤のためには、式IIにおいては、−C(WY))−U−R、および−C(W’Y’)n’)−U’−R’は異なっている。
【0023】
上記式IおよびIIにおいて、R、R’およびR’’は環式基であることができる。非芳香族および芳香族、例えば、場合によって置換されたアダマンチル、場合によって置換されたノルボルニル、場合によって置換されたフェニル、場合によって置換されたナフチル、場合によって置換され、ヘテロ(N、OまたはS)環メンバーを有する環式構造、例えば、ラクトンなどをはじめとする様々な基が好適であり得る。ある特定の実施形態においては、飽和ケージ構造だけでなく、2、3、4、5またはそれより多い環が(縮合をはじめとして)結合しているような複数の環を含む基が好ましい。
【0024】
上記式IおよびIIにおいては、好適なX+カチオンは下記のものをはじめとする好ましい基を有する様々な化合物であることができる:
【化3】

式中、R〜Rはそれぞれ独立して、場合によって置換されているC1−16アルキル基、または置換もしくは非置換の炭素環式アリール基、例えば、フェニル、ナフチルなどを表し;または、R、RおよびRのいずれか2以上は一緒に結合して硫黄環を有する環(例えば、硫黄原子を有する5、6もしくは7員環)を形成することができる。炭素環式アリール基の好ましい例には、C6−14単環式または縮合環アリール基が挙げられる。アリール基上の置換基の好ましい例には、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0025】
さらにより好ましい本発明のPAGのカチオン成分には、下記式IIa、IIb、IIcまたはIIdのいずれかの化合物が挙げられる:
【化4】

これらの式において、P、P、P、P、P、PおよびPはそれぞれ独立して水素または1〜5つの非水素置換基、例えば、ヒドロキシル、ハロ、シアノ、場合によって置換された1〜12の炭素原子を有するアルキル基、または場合によって置換された1〜12の炭素原子を有するアルコキシ基を表す。
【0026】
特に好ましい本発明のPAGには次のものが挙げられる:
【化5】

これらの式において、P、P、P、P、P、PおよびPはそれぞれ独立して水素または1〜5つの非水素置換基、例えば、ヒドロキシル、ハロ、シアノ、場合によって置換された1〜12の炭素原子を有するアルキル基、または場合によって置換された1〜12の炭素原子を有するアルコキシ基を表す。P置換基(例えば、P)が1より多い非水素置換基を表すのを示すことにより、1より多い非水素置換基が特定のフェニル環に存在するのを示すことが理解される。
【0027】
さらなる特に好ましい本発明の光酸発生剤化合物には次のものが挙げられる:
【化6】

【0028】
本明細書において上述のように、本発明のPAGの様々な置換基が場合によって置換されうる。置換部分は1以上の利用可能な位置において、例えば、F、Cl、Brおよび/またはIのようなハロゲン、ニトロ、シアノ、スルホノ、アルキル、例えば、C1−16アルキル(C1−8アルキルが好ましい)、ハロアルキル、例えば、フルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)およびペルハロアルキル、例えば、ペルフルオロC1−4アルキル、アルコキシ、例えば、1以上の酸素結合を有するC1−16アルコキシ(C1−8アルコキシが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルケニルが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルキニルが好ましい)、アリール、例えば、フェニルまたはナフチル、並びに置換アリール、例えば、ハロ、アルコキシ、アルケニル、アルキニルおよび/またはアルキル置換アリール(好ましくは、対応する基についての上記炭素原子数を有する)によって、好適に置換される。好ましい置換アリール基には、置換フェニル、アントラセニルおよびナフチルが挙げられる。
【0029】
本明細書において使用される場合、用語、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、他に修飾されない限りは、環式および非環式基の双方をいうが、もちろん環式基は少なくとも3つの炭素環メンバーを含む。本発明の化合物のアルケニルおよびアルキニル基は1以上の不飽和結合を、典型的には1〜約3または4つの不飽和結合を有する。また、本明細書において使用される場合、用語、アルケニルおよびアルキニルとは、環式および非環式基の双方をいうが、直鎖または分岐非環式基が一般的により好ましい。本発明のPAG化合物のアルコキシ基は1以上の酸素結合を、典型的には1〜約5または6つの酸素結合を有する。本発明のPAGのアルキルチオ基は1以上のチオエーテル結合を、典型的には1〜約5または6つのチオエーテル結合を有する。本発明のPAG化合物のアルキルスルフィニル基は、1以上のスルフィニル(SO)結合を、典型的には1〜約5または6つのスルフィニル結合を有する。本発明のPAG化合物のアルキルスルホニル基は1以上のスルホニル(SO)結合を、典型的には1〜約5または6つのスルホニル結合を有する。本発明のPAG化合物の好ましいアルキルアミノ基には、1以上の第一級、第二級および/または第三級アミン基を、好ましくは1〜約3または4つのアミン基を有する基が挙げられる。好適なアルカノイル基は1以上のカルボニル基、典型的には1〜約4または5つのカルボニル基を有する。アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルカノイルおよび他の基は好適に直鎖または分岐であることができる。本明細書において使用される場合、炭素環式アリールとは、1〜3つの別個のまたは縮合した環を有し、並びに6〜約18の炭素環メンバーを有する非ヘテロ芳香族基をいい、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アセナフチル、フェナントラシルなどが挙げられうる。フェニルおよびナフチルが多くの場合好ましい。好適なヘテロ芳香族もしくはヘテロアリール基は、1〜3つの環、それぞれの環に3〜8の環メンバー、並びに1〜約3つのヘテロ原子(N、OまたはS)を有しうる。特に好適なヘテロ芳香族もしくはヘテロアリール基には、例えば、クマリニル、キノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニルおよびベンゾチアゾールが挙げられる。
【0030】
本発明の光酸発生剤化合物は、下記のスキームに一般的に表されるように容易に製造されうる。
特に、下記スキーム1は、トリフェニルスルホニウム(TPS)カチオンと複合体形成した、好ましいビス(スルホニル)イミドの合成を例示する。
【化7】

【0031】
下記スキーム2はトリフェニルスルホニウム(TPS)カチオンと複合体形成した、別の好ましいビス(スルホニル)イミドの合成を例示する。
【化8】

【0032】
下記スキーム3はトリフェニルスルホニウム(TPS)カチオンと複合体形成した、好ましいトリス(スルホニル)メチドの合成を例示する。
【化9】

【0033】
上述のように、本発明のPAGは、ポジ型およびネガ型化学増幅レジスト組成物の双方をはじめとするフォトレジスト組成物中の感放射線成分として有用である。
【0034】
本発明のフォトレジストは典型的には、樹脂バインダーおよび上述のような本発明の光活性成分を含む。好ましくは、樹脂バインダーは、レジスト組成物に水性アルカリ現像可能性を付与する官能基を有する。例えば、好ましいのは、ヒドロキシルまたはカルボキシラートのような極性官能基を有する樹脂バインダーである。好ましくは、樹脂バインダーは、アルカリ水溶液でレジストを現像可能にするのに充分な量でレジスト組成物中に使用される。
【0035】
好ましくは、本発明の光酸発生剤化合物が、化学増幅ポジ型レジストにおいて使用される。このようなレジスト組成物の多くは、例えば、米国特許第4,968,581号;第4,883,740号;第4,810,613号;および第4,491,628号;並びに、カナダ国特許出願公開第2,001,384号に記載されており、これら全ては、化学増幅ポジ型レジストを製造および使用するその教示について、参照により本明細書に組み込まれる。本発明に従って、これら先行技術のレジスト組成物は、感放射線成分としての本発明の光活性成分での置き換えによって改変される。
【0036】
また、本発明のPAGは、1以上の光酸不安定基を有し、かつ実質的に、本質的にまたは完全にフェニルもしくは他の芳香族基を含まないポリマーと共に好ましくは使用される。このような、フォトレジスト組成物は193nm放射線のようなサブ200nm放射線での像形成に特に有用である。
【0037】
例えば、好ましいポリマーは約5モルパーセント未満の芳香族基を、より好ましくは約1または2モルパーセント未満の芳香族基を、より好ましくは約0.1、0.02、0.04および0.08モルパーセント未満の芳香族基を、さらにより好ましくは約0.01モルパーセント未満の芳香族基を含む。特に好ましいポリマーは芳香族基を完全に含まない。芳香族基はサブ200nm放射線を非常に吸収することができ、よって、このような短い波長の放射線で像形成されるフォトレジストに使用されるポリマーには望ましくない。
【0038】
実質的にまたは完全に芳香族基を含まず、かつ本発明のPAGと配合されてサブ200nm像形成のためのフォトレジストを提供することができる好適なポリマーは、シプレイカンパニー(Shipley Company)の欧州特許出願公開第EP930542A1号に開示されている。
【0039】
芳香族基を実質的にまたは完全に含まない好適なポリマーは、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、アクリル酸エチルフェンキル、メタクリル酸エチルフェンキルなどの重合により提供されうるような光酸不安定アクリラート単位のようなアクリラート単位;ノルボルネン化合物または環内炭素−炭素二重結合を有する他の脂環式化合物の重合により提供されうるような縮合非芳香族脂環式基;無水マレイン酸の重合により提供されうるような酸無水物;などを好適に含む。
【0040】
本発明の好ましいネガ型組成物は、酸への曝露の際に硬化し、架橋しまたは固化しうる物質と、本発明の光活性成分との混合物を含む。
【0041】
特に好ましいネガ型組成物は、樹脂バインダー、例えば、フェノール系樹脂、架橋剤成分および本発明の光活性成分を含む。このような組成物およびその使用は欧州特許出願公開第0164248号および第0232972号、並びにThackeray(タケレイ)らへの米国特許第5,128,232号に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するのに好ましいフェノール系樹脂には、上で論じられたもののような、ノボラック、およびポリ(ビニルフェノール)が挙げられる。好ましい架橋剤には、アミンベースの物質、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミンベースの物質および尿素ベースの物質が挙げられる。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が概して最も好ましい。このような架橋剤は商業的に入手可能であり、例えば、メラミン樹脂はアメリカンシアナミド(American Cyanamid)によって、商品名サイメル(Cymel)300、301および303で販売されている。グリコールウリル樹脂は、アメリカンシアナミドによって、商品名サイメル1170、1171、1172で販売されており、尿素ベースの樹脂はビートル(Beetle)60、65および80の商品名で販売されており、ベンゾグアナミン樹脂はサイメル1123および1125の商品名で販売されている。
【0042】
本発明のフォトレジストは他の物質を含むこともできる。例えば、他の任意の添加剤として、化学線(actinic)およびコントラスト(contrast)染料、抗ストリエーション剤(anti−striation agent)、可塑剤、速度向上剤、増感剤などが挙げられる。比較的高濃度、例えば、レジストの乾燥成分の合計重量の5〜30重量パーセントの量で存在することができる充填剤および染料を除いて、このような任意の添加剤は、典型的には、フォトレジスト組成物中に低濃度で存在する。
【0043】
本発明のレジストの好ましい任意の添加剤は追加塩基、特にテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)であり、これは現像されたレジストレリーフ像の解像度を向上させることができる。追加塩基は好適には比較的少量で、例えば、PAGに対して約1〜10重量パーセント、より典型的には1〜約5重量パーセントで使用される。他の好適な塩基性添加剤には、スルホン酸アンモニウム塩、例えば、p−トルエンスルホン酸ピペリジニウム、およびp−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム;アルキルアミン、例えば、トリプロピルアミンおよびドデシルアミン;アリールアミン、例えば、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどを挙げることができる。
【0044】
本発明のレジストの樹脂バインダー成分は、典型的には、レジストの露光された塗膜層を、アルカリ水溶液などを用いて現像可能にするのに充分な量で使用される。より詳細には、樹脂バインダーは好適に、レジストの全固形分の50〜約90重量%を構成しうる。光活性成分は、レジストの塗膜層中の潜像の形成を可能にするのに充分な量で存在すべきである。より詳細には、光活性成分は、好適には、レジストの全固形分の約1〜40重量%の量で存在しうる。典型的には、より少ない量の光活性成分が化学増幅型レジストに好適であり得る。
【0045】
本発明のフォトレジストは、このようなフォトレジストの配合において使用される先行技術の光活性化合物を本発明のPAGと置き換えることを除いて、既知の手順に従って一般的に製造される。例えば、本発明のレジストは、フォトレジストの成分を好適な溶媒に溶解することによりコーティング組成物として製造されることができ、この好適な溶媒には、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;乳酸エステル、例えば、乳酸エチルまたは乳酸メチル、乳酸エチルが好ましい;プロピオン酸エステル、特にプロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチル;セロソルブエステル、例えば、メチルセロソルブアセタート;芳香族炭化水素、例えば、トルエンもしくはキシレン;またはケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンが挙げられる。フォトレジストの固形分量は、典型的には、フォトレジスト組成物の全重量の5〜35重量パーセントで変化する。
【0046】
本発明のフォトレジストは既知の手順に従って使用されうる。本発明のフォトレジストは乾燥膜として適用されうるが、本発明のフォトレジストは液体コーティング組成物として基体上に好ましくは適用され、加熱して乾燥させ、好ましくは塗膜層が粘着性でなくなるまで溶媒を除去し、フォトマスクを通して活性化放射線に露光し、場合によって露光後ベークして、レジスト塗膜層の露光領域と未露光領域との間の溶解度の違いを作り出すか、または増大させて、次いでアルカリ水性現像剤で好ましくは現像されて、レリーフ像を形成させる。本発明のレジストが適用され、処理される基体は、好適には、マイクロエレクトロニクスウェハのようなフォトレジストを伴うプロセスにおいて使用されるあらゆる基体でありうる。例えば、この基体はケイ素、二酸化ケイ素、またはアルミニウム−酸化アルミニウムマイクロエレクトロニクスウェハであることができる。ガリウムヒ素、セラミック、石英または銅基体も使用されうる。液晶ディスプレイおよび他のフラットパネルディスプレイ用途に使用される基体、例えばガラス基体、インジウムスズ酸化物コーティング基体なども好適に使用される。液体コーティングレジスト組成物はあらゆる標準的な手段、例えば、スピニング、ディッピングまたはローラーコーティングによって適用されうる。露光エネルギーは感放射線システムの光活性成分を効果的に活性化し、レジスト塗膜層にパターン形成された像を生じさせるのに充分であるべきである。好適な露光エネルギーは、典型的には約1〜300mJ/cmの範囲である。上述のように、好ましい露光波長には、サブ200nm、例えば、193nmが挙げられる。好適な露光後ベーク温度は、約50℃以上、より具体的には約50℃〜140℃である。酸硬化型ネガ型レジストについては、現像により形成されたレリーフ像をさらに硬化させるために、所望の場合には、約100〜150℃の温度で数分以上、現像後ベークが使用されうる。現像および現像後の任意の硬化の後で、現像により露出した基体表面は、次いで、例えば、当該技術分野で知られている手順に従ってフォトレジストが除かれた基体領域を化学的にエッチングまたはめっきすることにより、選択的に処理されることができる。好適なエッチング剤には、フッ化水素酸エッチング溶液、およびプラズマガスエッチング剤、例えば、酸素プラズマエッチング剤が挙げられる。
以下の非限定的な実施例は本発明の例示である。本明細書において言及される全ての文献はその全体について参照によって本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0047】
実施例1:スルホニルイミド光酸発生剤(化合物1c)の合成
以下のスキームにおいて化合物1cとして示されるトリフェニルスルホニウムビス(スルホニル)イミド光酸発生剤が以下のスキームに示され、以下の実験に記載のように製造される。以下の実験においては、様々な化合物番号についての言及は、すぐ下のスキームに示される構造のものについてである。
【0048】
【化10】

【0049】
実験
パート1:化合物2の合成
2,2−ジフルオロ−2−メトキシカルボニルメタンスルホニルフルオリド(192部)が無水THF(576部)に溶解され氷浴中で冷却される。反応混合物が塩基性になるまで、アンモニアがその溶液に吹き込まれる。pH1になるまで塩酸(6M)が滴下添加される。溶媒が除去されて、化合物2を得る。
パート2:化合物3の合成
化合物2(189部)がNaOME/MeOH溶液に溶解される。この混合物が18時間加熱還流され、氷浴中で冷却される。精製することなく化合物3が次の工程で使用される。
パート3:化合物4の合成
上記からの混合物がヘキサメチルジシラジン(161部)および2,2−ジフルオロ−2−メトキシカルボニルメタンスルホニルフルオリド(192部)で逐次的に処理され、化合物4を生じさせ、これは精製することなく次の工程で使用される。
パート4:化合物5の合成
水酸化ナトリウム(120部)が上記混合物に添加される。得られる混合物は10時間還流加熱されて、氷浴中で冷却される。pH1になるまで塩酸(6M)が滴下添加される。溶媒が除去されて、化合物5を得る。
パート5:化合物6の合成
トルエン中の化合物5(335部)、1−アダマンタンメタノール(166部)、pTSA(3.6部)の混合物が18時間還流加熱されて、室温に冷却される。この混合物がろ過される。固体がアセトニトリルで3回抽出される。合わせたアセトニトリル溶液を濃縮して、体積を小さくし、MTBEに滴下添加する。この混合物がろ過され、固体を乾燥させて化合物6を得る。
【0050】
実施例2:スルホニルメチド光酸発生剤の合成
化合物IIcとして示されるトリフェニルスルホニウムトリス(スルホニル)メチドが以下のスキームに示され、以下の実験に記載のように製造される。以下の実験においては、様々な化合物番号についての言及は、すぐ下のスキームに示される構造のものについてである。
【0051】
【化11】

【0052】
実験
パート1:化合物8の合成
トルエン中の化合物7(512部)、1−アダマンタンメタノール(166部)、pTSA(3.6部)の混合物が18時間還流加熱されて、室温に冷却される。この混合物がろ過される。固体がアセトニトリルで3回抽出される。合わせたアセトニトリル溶液を濃縮して、体積を小さくし、MTBEに滴下添加する。この混合物がろ過され、固体を乾燥させて化合物8を得る。
パート2:化合物Icの合成
化合物6(957部)およびトリフェニルスルホニウムブロミド(343部)が塩化メチレンおよび水の混合溶媒に溶解される。この混合物が室温で24時間攪拌される。水性仕上げ(workup)により光酸発生剤化合物IIaを得る。
【0053】
実施例3:フォトレジスト調製およびリソグラフィプロセス
本発明のフォトレジストは、レジストの全重量を基準にした重量パーセントで表される量で、以下の成分を混合することにより調製される:
【表1】

【0054】
樹脂バインダーは、ターポリマー(メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチ/メタクリル酸ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトン/メタクリル酸シアノ−ノルボルニル)である。光酸発生剤は、上記実施例1の化合物の光酸発生剤(実施例1における化合物6)である。塩基性添加剤はN−アルキルカプロラクタムである。これら樹脂、PAG、および塩基性添加剤成分は乳酸エチル溶媒中で混合される。
配合されたレジスト組成物はHMDS蒸気処理された4インチシリコンウェハ上にスピンコーティングされ、真空ホットプレートで90℃、60秒間ソフトベークされる。レジスト塗膜層はフォトマスクを通して193nmで露光され、次いで、露光された塗膜層は110℃で露光後ベークされる。コーティングされたウェハは次いで0.26Nのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理され、像形成されたレジスト層を現像する。
【0055】
実施例4:フォトレジスト調製およびリソグラフィプロセス
本発明のフォトレジストは、レジストの全重量を基準にした重量パーセントで表される量で、以下の成分を混合することにより調製される:
【表2】

【0056】
樹脂バインダーは、ターポリマー(メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチ/メタクリル酸ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトン/メタクリル酸シアノ−ノルボルニル)である。光酸発生剤は、上記実施例1の化合物の光酸発生剤(実施例IIcにおける化合物6)である。塩基性添加剤はN−アルキルカプロラクタムである。これら樹脂、PAG成分、および塩基性添加剤は乳酸エチル溶媒中で混合される。
配合されたレジスト組成物はHMDS蒸気処理された4インチシリコンウェハ上にスピンコーティングされ、真空ホットプレートで90℃、60秒間ソフトベークされる。レジスト塗膜層はフォトマスクを通して193nmで露光され、次いで、露光された塗膜層は110℃で露光後ベークされる。コーティングされたウェハは次いで0.26Nのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理され、像形成されたレジスト層を現像する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの光酸発生剤化合物:
【化1】

式中、W、Yはそれぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換されたフルオロアルキル、場合によって置換されたフルオロアルコキシ、または場合によって置換されたフルオロ炭素環式アリールであり;
W’、Y’は、それぞれ独立して、WおよびYについて定義されたのと同じであり;
W’’、Y’’は、それぞれ独立して、WおよびYについて定義されたのと同じであり;
n、n’およびn’’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ正の整数であり;
U、U’およびU’’はそれぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれリンカーであり;並びに
R、R’およびR’’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ、場合によって置換された炭素脂環式基、場合によって置換されたヘテロ脂環式基、場合によって置換された炭素環式アリール基、または場合によって置換されたヘテロ芳香族基であり;
は対イオンである。
【請求項2】
下記式IIの光酸発生剤化合物:
【化2】

式中、W、Yはそれぞれ独立して、水素、フッ素、場合によって置換されたフルオロアルキル、場合によって置換されたフルオロアルコキシ、または場合によって置換されたフルオロ炭素環式アリールであり;
W’、Y’は、それぞれ独立して、WおよびYについて定義されたのと同じであり;
nおよびn’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ正の整数であり;
UおよびU’はそれぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれリンカーであり;並びに
RおよびR’は、それぞれ同じかまたは異なっており、かつそれぞれ、場合によって置換された炭素脂環式基、場合によって置換されたヘテロ脂環式基、場合によって置換された炭素環式アリール基、または場合によって置換されたヘテロ芳香族基であり;
は対イオンである。
【請求項3】
がスルホニウムまたはヨードニウム化合物である、請求項1または2に記載の光酸発生剤。
【請求項4】
が下記式のいずれかのものである、請求項1または2に記載の光酸発生剤:
【化3】

式中、R〜Rはそれぞれ独立して、場合によって置換されているC1−30アルキル基、または置換もしくは非置換の炭素環式アリール基を表し;または、R、RおよびRのいずれか2以上は一緒に結合して硫黄環を有する環を形成することができる。
【請求項5】
が下記群のいずれかである、請求項1または2に記載の光酸発生剤化合物:
【化4】

これらの式において、P、P、P、P、P、PおよびPはそれぞれ独立して水素または1〜5つの非水素置換基を表す。
【請求項6】
下記:
【化5】

(これらの式において、P、P、P、P、P、PおよびPはそれぞれ独立して水素または1〜5つの非水素置換基を表す)
から選択される、請求項1または2に記載の光酸発生剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光酸発生剤化合物を含むフォトレジスト組成物。
【請求項8】
(a)請求項7のフォトレジスト組成物の塗膜層を基体上に適用し;
(b)フォトレジスト塗膜層をパターン化された活性化放射線に露光し、露光されたフォトレジスト層を現像して、レリーフ像を提供する;
ことを含む、フォトレジストレリーフ像を形成する方法。

【公開番号】特開2011−173865(P2011−173865A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−277563(P2010−277563)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】