説明

セクション間で調整して搬送を行う媒体搬送システム

【課題】マーキングゾーンの搬送機構から下流搬送機構へ下地媒体を搬送する際、下地媒体にマーキングしその上に画像を形成するよう構成され動作することができるプリンタ内で使用するための媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】下地媒体をマーキングゾーンに通して搬送してプリントヘッドにより印刷されるよう構成され動作する第1の駆動ユニットを有する第1の媒体搬送部を含む。第1のモーションエンコーダは、第1の媒体搬送部と動作可能に接続し、第1の媒体搬送部表面の動きに応じて第1の信号を送信するよう構成され動作する。第2の媒体搬送部は、第2の駆動ユニット及び第2のモーションエンコーダを有し、第1の媒体搬送部から下地媒体を受け取り、その下地媒体を搬送するよう構成され動作する。第2の駆動ユニットは、第2の媒体搬送部の動きを第1の媒体搬送部とほとんど同じ表面速度で駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、文書作成の方法に関する。より詳細には、本開示は下地媒体をマーキングゾーンから下流搬送装置へ高いモーションクオリティで搬送する、マーキングステーション内で下地媒体を搬送するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直接マーキングを行う印刷アプリケーション、特に、固定型のプリントヘッドでは、高品質の画像製品を実現するために、速度障害や停止することのない高い下地媒体のモーションクオリティが必要である。しかし、マーキングゾーンの搬送機構から下流搬送機構へ下地媒体を搬送する際、モーションクオリティに対する障害が発生し、文書上に望ましくない画像アーチファクトが出現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
有効な解決策の一つとして、搬送中に下地媒体を意図的に屈曲させる方法がある。このように屈曲させることで、下地媒体の平坦な部分にはほとんど障害を受けることなく、モーションクオリティに対する全ての障害を吸収することができる。しかしながら、特に媒体下地に対して恒久的な損傷を起こすことなく屈曲させることのできる、質量の軽い媒体の種類にのみに、この技術は適用可能である。この技術は、26ポイントから29ポイント(即ち、約0.026〜0.029インチの厚み)までの板紙等を含む重くて固い下地媒体に対しては、適用することができない。従って、様々な種類の下地媒体に適用可能な解決策が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
こうした既知の技術の弱点、欠点、及び不備を解消するために、本開示では、下地媒体にマーキングしその上に画像を形成するよう構成され動作することができるプリントヘッドを有するマーキングゾーンを含むプリンタ内で使用するための媒体搬送装置を提供する。この媒体搬送装置は、第1の駆動ユニットを備える第1の媒体搬送部を含み、下地媒体をマーキングゾーンに通して、マーキングを行うプリントヘッドへ搬送するように構成され動作する。第1の媒体搬送部には、第1のモーションエンコーダが動作可能に接続され、この第1のモーションエンコーダは、第1の媒体搬送部の動きに応じて第1の信号を出力するよう構成され動作する。第2の媒体搬送部は第2の駆動ユニットを備え、第1の媒体搬送部から下地媒体を受け取り、その下地媒体を搬送するよう構成され動作する。第2の媒体搬送部には、第2のモーションエンコーダが接続し、この第2のモーションエンコーダは第2の媒体搬送部の動きに応じて第2の信号を出力する。
【0005】
制御ユニットは第1の信号及び第2の信号を受信し、第1の信号と第2の信号とを比較して、制御信号を第2の駆動ユニットに送信するよう構成され動作する。この制御信号からの指令により、第2の駆動ユニットは第2の媒体搬送部の動作を第1の媒体搬送部とほとんど同じ表面速度で駆動させる。
【0006】
第1の媒体搬送部及び第2の媒体搬送部は、それぞれ下地媒体に接触してそれを、それぞれの第1の押さえ力と第2の押さえ力で保持するよう動作する。第1の媒体搬送部の第1の押さえ力と、第2の媒体搬送部の第2の押さえ力とは異なる大きさでよい。具体的には、特定な一実施形態では、下地媒体の少なくとも一部がマーキングゾーンに存在し第1の押さえ力と第2の押さえ力の両方の力がかけられている間、第1の媒体搬送部の第1の押さえ力の大きさは、第2の媒体搬送部の第2の押さえ力大きさより大きい。第1の抑える力、及び第2の押さえ力を、空気圧差、静電界、又はそれらの組合せにより発生させることができ、第1の媒体搬送部又は第2の媒体搬送部の搬送方向により変更することができる。
【0007】
第1のモーションエンコーダ及び第2のモーションエンコーダの、両方又は一方は、回転式エンコーダでよく、それらの回転式エンコーダは、第1の媒体搬送部又は第2の媒体搬送部のそれぞれの搬送速度に応じて回転する。ある実施形態では、モーションエンコーダはそれぞれ、媒体搬送部に接触して動作する既知の回転体の外周に接続する。第1のモーションエンコーダ及び第2のモーションエンコーダを、単一の較正基準に照らし合わせて互いに較正することができる。ある例では、この較正基準は第1の媒体搬送部及び第2の媒体搬送部のうちの一方である。
【0008】
本出願の上記及びその他の目的、目標及び利点は、添付図面を参照して以下の例示の実施形態を詳細に説明することにより、明らかとなる。
【0009】
下記の添付図面中の図を用いて例示することにより、いくつかの実施形態を説明するが、これらの図面には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本開示の第1の実施形態によるプリンタの説明図である。
【図2】図2は、プリンタ内のマーキングゾーンの説明図である。
【図3】図3は、下地媒体をプリンタ内に送るための調整機構の概略図である。
【図4】図4は、本開示による第1のエンコーダの較正機構の説明図である。
【図5】図5は、本開示による第2のエンコーダの較正機構の説明図である。
【図6】図6は、本開示の実施形態による、媒体の搬送の動きを監視する別の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用する用語「プリンタ」とは、インク、トナー等を用いて下地媒体上に画像を形成する装置、マシン、機器等を全て指す。「プリンタ」という用語は、複写機、製本機、ファクシミリ、複合機等のプリント出力機能を実行する全ての装置を包含する。モノクロのプリンタの説明に関しても、本開示では、1色より多い色(例えば、レッド、ブルー、グリーン、ブラック、シアン、マジェンタ、イエロー、透明、等)のインク又はトナーを用いて下地媒体上に多色の画像を形成するプリントシステムも包含し得ることを理解されたい。
【0012】
本明細書で使用する用語「下地媒体」とは、紙(例えば、紙のシート、長いロール紙、一連の紙、等)、透明フィルム、羊皮紙、フィルム、布地、プラスティック、26ポイントから29ポイント(即ち、0.026〜0.029インチの厚み)までの板紙、又はその他の画像を、その上に印刷又は載せることができる下地等の有形の媒体を指す。
【0013】
次に図1を参照すると、本開示の第1の実施形態による、全体として10で示すプリンタが示されている。このプリンタ10は、媒体供給ユニット12を含み、この媒体供給ユニット12は、1種類以上の下地媒体を格納し、下地媒体を、例えば、画像をマーキングするシート単位で供給可能である。この媒体供給ユニット12が、下地媒体をマーキングユニット14に供給する。マーキングユニットは、マーキングされた下地媒体をインターフェースモジュール16に供給し、このインターフェースモジュール16が、例えば、仕上げ動作のために下地を用意する。随意的に、プリンタ10は、仕上げユニット(図示せず)を含むことができ、この仕上げユニットがインターフェースモジュール16から印刷された文書を受け取る。例えば、仕上げユニットはスタッキング、ソーティング、丁合、ステープリング、穴あけ等の文書の仕上げ作業を行う。
【0014】
次に図2を参照すると、マーキングユニット14内の、全体として20で示す、マーキングゾーンがより詳細に示される。マーキングゾーン20は、1つ以上のプリントヘッド22a、22b等を(これらを集合的にプリントヘッド22と呼ぶ)含み、これらのプリントヘッド22は、全て下地媒体に直接マーキングするよう動作し、これにより下地媒体に画像が形成される。単に例示するだけであるが、プリントヘッド22aに使用可能な1つの技術として、インクジェット式プリントヘッドの構成を挙げることができる。インクジェット式のプリントヘッドは、タンク24a、24b等からインクを吸い込むことができる。マーキングゾーン搬送部26は、例えば、静電的手段又は真空的手段により、下地媒体を自己に固定して保持するよう動作するが、その手段はこれらに限定されない。マーキングゾーン搬送部26は、例えば、ローラニップ28によりマーキングゾーン20に向って送られてくる下地媒体を受け取り、その下地媒体をマーキングゾーン20に向けて、マーキングゾーン20の中に入れ、通過させ、排出させ、及び/又は分離させて、下地媒体の動作の正の制御で搬送するようさらに動作する。マーキングゾーン搬送部26は、マーキングゾーン20内で下地媒体がプリントヘッド22a、22b等に十分に近接させた状態で保持し、これによりプリントヘッド22a、22b、等が下地媒体にマーキングすることができるが、媒体がプリントヘッドと接触することを防ぐ。
【0015】
マーキングゾーン搬送部26は、下地媒体を下流搬送部30へ送り、下地媒体をさらに搬送させるよう構成され動作する。例えば、例示的な実施形態では、下流搬送部30が、下地媒体をマーキングゾーン搬送部26から受取り、マーキング後の処理工程を行うために、その下地媒体を送るよう動作する。この例では、マーキング後の工程とは、硬化ユニット32による紫外線硬化工程である。しかし、別のマーキング技術では、紫外線硬化工程の代わりに、定着工程、拡散工程、乾燥工程、又はその他のいくつかのマーキング後の工程が必要であり、本開示の範囲から逸脱することなく上記の工程を全て含むことができることを理解されたい。
【0016】
本明細書に記載された本開示の実施形態では、ともにプリントユニット14内に存在する下地媒体搬送部どうしの間で動作が較正される。しかし、本出願者の開示の範囲を逸脱することなく、媒体供給ユニット12、マーキングユニット14、又は搬送ユニット16、若しくは、その他の下地媒体を搬送するほとんど全てのユニット内の、又はそれらの中の隣どうしの搬送部間で下地媒体を受け渡すために本開示を実行することが可能であることは、当業者には、本開示を考慮することで、明らかである。
【0017】
次に図3を参照すると、マーキングゾーン搬送部26と下流搬送部30との間で下地媒体を受け渡すための較正機構が概略的に示されている。マーキングゾーン搬送部は、アイドリングローラ36、40の周りの経路内にエンドレスベルト34を含み、このエンドレスベルト34は駆動ローラ38により駆動する。マーキングゾーン搬送部の駆動ユニット(図示せず)が、駆動ローラ38と動作可能に接続するモータ(図示せず)へ指令を出すことにより、駆動ローラ38の動きを制御する。ある例では、エンドレスベルト34は通気性を有し、真空式押さえマニホールド42をエンドレスベルト34の真下に配置し、その位置で、エンドレスベルト34が、プリントヘッド22の真下を通過する、即ち、エンドレスベルト34の少なくとも一部は、真空式押さえマニホールド42とプリントヘッド22との間に挟まれる。既知の方法で、真空式押さえマニホールド42は上面の表面に負の気圧をかけ、次に、この負の気圧により通気性のエンドレスベルト34を通して空気が引き込まれる。エンドレスベルト34上の下地媒体44のユニットが、エンドレスベルト34と真空式押さえマニホールド42を通過する空気流により、エンドレスベルトに対して引きつけられる。
【0018】
さらに、真空式押さえマニホールド42を分割することができる。この場合は、先端部46と後端部48とに分割する。2つよりも多くの部分に分割することもできる。先端及び後端という用語は、マーキングゾーン20を通るときの下地媒体44の移動の方向という意味で用いられる、即ち、マーキングゾーン搬送部26のエンドレスベルト34に載せられた下地媒体44は、最初に真空式押さえマニホールド42の先端部46を通り、次に後端部48の上を通る。先端部46及び後端部48は、それぞれ異なる強さの負の気圧を提供することも可能である。例えば、特に、下地媒体44がマーキングゾーン搬送部26から離れ、下流搬送部30へ向かおうとするとき、即ち、下流方向に進むとき下地媒体44に接する部分の真空式押さえマニホールド42が強い押さえ力を得るために、後端部により強い負の気圧をかけることができる。本開示では、上記のように先端部46と後端部48とを分割するしないにかかわらず、真空式押さえマニホールド42を下地媒体44がマーキングゾーン20を通り1つ以上のセクションへ向かう方向に対して横方向に分割(図示せず)することも予期される。
【0019】
また図3には下流搬送部30も示されている。例示的な実施形態では、この下流搬送部30も、ローラ52、54の周りの経路にエンドレスベルト50を用いる。少なくとも1つのローラ、例えば、下流搬送30のローラ54は、駆動ローラとなり、その他のローラ、例えば、52、はアイドリングローラとなる。下流搬送駆動ユニット(図示せず)は、それに接続するモータに指令を出すことにより、駆動ローラ54の動きを制御する。本実施形態では、エンドレスベルト50は通気性エンドレスベルトであり、下流搬送部30には、このエンドレスベルト50の一部の真下に真空式押さえマニホールド56が設けられている。例示するだけであるが、真空式押さえマニホールド56はさらに先端部58と後端部60とに分割され、随意的には横方向にも分割される。
【0020】
別の押さえ手段、例えば、静電型押さえ機構も当技術分野では知られており、本開示の範囲から逸脱することなく、これを真空式押さえマニホールド42、56に加え、又はその代りに、マーキングゾーン搬送部26及び/又は下流搬送30に組み合わせることできることを理解されたい。
【0021】
本開示のある実施形態では、両方のエンドレスベルト34、50の動きを1つ以上のモーションエンコーダ(この場合、回転式エンコーダ62、64)により監視する。回転式エンコーダ62、64は、少なくともその外周の一部に滑り止め加工を施された表面62a、64aをそれぞれ含む既知の外周を有する回転体に接続することが好ましい。滑り止め加工を施された表面62a、64aで、エンドレスベルト34、50の直線運動と、回転式エンコーダ62、64の回転運動とが接するときに、より精度よく、より正確に対応させることができる。回転式エンコーダ62、64は、エンドレスベルト34、50の動きを追跡するためにのみ取り付けられ、下地媒体44とは接触しないことが好ましい。
【0022】
さらに、複数の回転式エンコーダ62、64を用いる場合、即ち、エンドレスベルト34、50の動きを別々に追跡するとき、これらのベルトが互いに相手方のベルトに対して較正され、マーキングゾーン搬送部26と下流搬送部30との間をより正確に搬送させることが好ましい。次に図4を参照すると、一つの較正機構が示されている。回転式エンコーダ62、64は、プリンタ10内に取り付けられる前に、この機構の中で既知の単一の較正回転体66を基準にして較正される。図5に示す別の較正機構では、回転式エンコーダ62、64は、最初に回転式エンコーダ62、64を同じエンドレスベルト、この場合、下流搬送部30のエンドレスベルト50上で回転させることにより構成される。次いで、2つ回転式エンコーダのうちの1方、この場合、回転式エンコーダ62を移動させてマーキングゾーン搬送部26のエンドレスベルト34に接触させる。
【0023】
図6には第3の機構が示されている。図6の場合、単一の回転式エンコーダ68だけが使用される。この場合は、アクチュエータ70は、矢印72で示された第1の位置と第2の位置との間で、回転式エンコーダ68を関節結合させることのできる回転式アクチュエータであり、マーキングゾーン搬送部26のエンドレスベルト34と、下流搬送部30のエンドレスベルト50に別々に交互に接触してするが、必ずしもこのような形態である必要はない。このアクチュエータ70は、モーション制御装置(図示せず)にその位置に関するフィードバックを、例えば1つ以上のリミットスイッチ等により、提供するよう動作もする。この位置に関するアクチュエータ70のフィードバックにより、モーション制御装置は、回転式エンコーダ68からの出力情報を解釈することができる。図6に示した構成では、単一の回転式エンコーダ68だけが必要であり、複数の回転式エンコーダ間、例えば62と64の間の整合を確認するための予備較正は必要ない。しかし、この構成では、マーキングゾーン搬送部24と下流搬送部30の両方の動きを同時に監視することはなく、回転式エンコーダ68の位置情報を適切に解釈するためのアクチュエータ70の位置に関するフィードバックを必要とする。
【0024】
本開示によれば、モーション制御装置(図示せず)は、回転式エンコーダ62、64の両方から位置信号を受信する、又は回転式エンコーダ68から位置信号とアクチュエータ70からの位置に関するフィードバックを受信する。次いで、モーション制御装置は、マーキングゾーン搬送部26と下流搬送部30にそれぞれ関連する各駆動ユニットの駆動ローラ38、54に指令を出して、エンドレスベルト34とエンドレス50との間をほとんど同じ表面速度で維持させる。回転式エンコーダ62、64及び/又は68を介した動きの検知及びフィードバックにより、2つの下地媒体搬送部26、30間で受け渡しを行うときのモーションクオリティ及び調整を確保することができる。具体的には、下流搬送部30は検知されたマーキングゾーン搬送部の動きに「従属する」又は正確に追随する。
【0025】
実際問題として、下地媒体の後端72がマーキングゾーン20内に残っている間、下地媒体44の先端74が下流搬送部と係合していたとしても、マーキングゾーン搬送部が、下地媒体44の後端72がマーキングゾーン20から離れるまで下地媒体44の動きを、完全に制御することが、さらに、本開示により予期される。この動作を補助するために、マーキングゾーン搬送部26よりも全体的に又は部分的に弱い押さえ力で下流搬送部30を動作させることができる。マーキングゾーン搬送部26により強い押さえ力をかけることで、下地媒体44がマーキングゾーン20内に存在する及び/又はプリントヘッド22により印刷されている間に、マーキングゾーン搬送部26と下流搬送部30との間で動作の不整合が発生した場合、いつでもマーキングゾーン搬送部26が下地媒体44の動きを制御することを確保する。これにより、下地媒体44の搬送中のモーションクオリティのエラーにより発生する歪みのない高品質の画像の作成を補助する。
【0026】
特定の実施形態では、搬送部内で下地が移動する方向に沿って、押さえ力の勾配を付けることが効果的である。最も基本的には、マーキングゾーン搬送部26は、下流搬送部30と比較してより強い押さえ力を全体的にかけることができる。さらなる改良として、マーキングゾーンの押さえマニホールド42の後端部48に、先端部46、下流マニホールド56と比較して、一般的に、又は58、60等のいくつかのその他のセクションと比較して強い押さえ力をかけることができる。従って、下地媒体44、特に先端74が、マーキングゾーン20から離れ、下流方向のアイドリングローラ40で事実上終了するマーキングゾーン搬送部26に、下地媒体の小さな面積しか残さないときに、マニホールド42の後端部48に強い押さえ力をかけることにより、マーキングゾーン搬送部26が、下地の後端72がマーキングゾーン20に残っている間の下地媒体44の制御を維持するができる。
【0027】
反対に、下流搬送部30、又は少なくともその一部で、弱い押さえ力を下地媒体44にかけることができる。このように、マーキングゾーン搬送部26による下地媒体の制御を確保する。例として、下地媒体の後端72がマーキングゾーン20を離れるまでは、下地媒体44がマニホールド56の先端部58にだけ抑えられるように、下流搬送部30の押さえマニホールド56を先端部58と後端部60に分割して配列することができる。従って、マーキングゾーン搬送部26に屈するように、先端部58だけが押さえ力を弱める必要がある。マーキングゾーンから離れた下流のモーションクオリティを確保するために充分な、より正常な又は補償する押さえ力は、後端部60によりかけることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地媒体にマーキングしその上に画像を形成するよう構成され動作するプリントヘッドを備えるマーキングゾーンを含むプリンタ内で使用するための媒体搬送装置であって、
第1の搬送表面及び第1の駆動ユニットを含み、前記下地媒体を前記マーキングゾーンに通して搬送して前記プリントヘッドにより印刷させるよう構成され動作する第1の媒体搬送部と、
前記第1の搬送表面と動作可能に接続し、前記第1の搬送表面の動きに応じて第1の信号を送信するよう構成され動作する第1のモーションエンコーダと、
第2の搬送表面及び第2の駆動ユニットを含み、前記下地媒体を前記第1の媒体搬送部から受取り、前記下地媒体を搬送するよう構成され動作する第2の媒体搬送部と、
前記第2の搬送表面と動作可能に接続し、前記第2の搬送表面の動きに応じて第2の信号を送信する第2のモーションエンコーダと、
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信し、前記第1の信号と前記第2の信号との比較に応じて、制御信号を前記第2の駆動ユニットに送信するよう構成され動作する制御ユニットであって、前記制御信号が前記第2の駆動ユニットに指令を出して、前記第1の媒体搬送部とほとんど同じ表面速度で、前記第2の媒体搬送部の動きを駆動させる、制御ユニットと、を含む装置。
【請求項2】
前記第1の媒体搬送部及び前記第2の媒体搬送部は、第1の押さえ力及び第2の押さえ力でそれぞれ前記下地媒体を自己に保持するよう動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の媒体搬送部の前記第1の押さえ力の大きさと、前記第2の媒体搬送部の前記第2の押さえ力の大きさとは異なる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記下地媒体の少なくとも一部が前記マーキングゾーン内に存在し、前記第1の押さえ力及び前記第2の押さえ力をかけられている間、前記第1の媒体搬送部の前記第1の押さえ力は、前記第2の媒体搬送部の前記第2の押さえ力より大きい、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の押さえ力及び前記第2の押さえ力は空気圧の差、静電界、又はそれらの組合せにより発生する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の押さえ力、又は前記第2の押さえ力は、前記第1の媒体搬送部又は前記第2の媒体搬送部の移動方向でそれぞれ変わる、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のモーションエンコーダ及び前記第2のモーションエンコーダのうちのどちらか又は両方は、それぞれの第1の搬送表面又は第2の搬送表面の動きに対応して回転する回転式エンコーダである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のモーションエンコーダ及び第2のモーションエンコーダは、単一の較正基準に対して較正される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記較正基準は、前記第1の媒体搬送部及び前記第2の媒体搬送部のうちの一方である、請求項8に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43781(P2013−43781A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183530(P2012−183530)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】