セグメント組立装置
【課題】長辺が一体になった長尺のセグメントを組み立てることのできるセグメント組立装置を提供する。
【解決手段】セグメント供給装置19は、フレーム51に設置され、押し付けジャッキ53によって既設セグメント20の内周壁に押し付けられ、セグメント組立後に盛替用ジャッキ54によって前進される。フレーム51には前後方向移動可能な第1移動台55が、それの先に幅方向移動可能な第2移動台59がそれぞれ設置され、第2移動台59には第1リンク63と、その先端に第2リンク65と、その先端に第3リンク67と、がそれぞれピン結合によって回動自在に取り付けられている。第3リンク67の先端には第4リンク71が軸72によって軸回りに回動可能に軸支され、その先端にセグメント把持部73が取り付けられている。
【解決手段】セグメント供給装置19は、フレーム51に設置され、押し付けジャッキ53によって既設セグメント20の内周壁に押し付けられ、セグメント組立後に盛替用ジャッキ54によって前進される。フレーム51には前後方向移動可能な第1移動台55が、それの先に幅方向移動可能な第2移動台59がそれぞれ設置され、第2移動台59には第1リンク63と、その先端に第2リンク65と、その先端に第3リンク67と、がそれぞれピン結合によって回動自在に取り付けられている。第3リンク67の先端には第4リンク71が軸72によって軸回りに回動可能に軸支され、その先端にセグメント把持部73が取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設トンネル内に搬入されたセグメントをトンネル内壁面に組み付けるセグメント組立装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大断面矩形トンネルは開削工法によって行われてきたが、開削工法では都市部における施工が困難であることから最近では非開削で施工できるいわゆるMMST(Multi−Micro Shield Tunnel)工法が行われている。MMST工法とは、トンネル外殻部を複数の小断面シールドにより先行掘削し、それらを相互に連結し、外殻部躯体を構築した後、内部土砂を掘削して大断面トンネルとする工法である。
【0003】
図28はMMST工法の施工手順の説明図である。以下、図28に基づいてMMST工法を概説する。
立坑を構築後、単体シールド機を掘進し、トンネル躯体となる外殻部を構成する単体トンネル100〜103を構築する(図28(a))。隣接する単体トンネルの施工完了後、MMST鋼殻の一部を撤去して単体トンネル間接続部105a、105b、105cを施工する(図28(b))。さらに、単体トンネル間接続部105d、105e、105fを施工し、その後鋼殻内にコンクリート107を打設して外殻部の躯体を構築する(図28(c))。外殻部の躯体が完成した後に通常の掘削機械により内部土砂を掘削する(図28(d))。内壁110、中床版111及び隔壁112などの内部部材を構築し、MMSTトンネルを完成する(図28(e))。
【0004】
上記のようなMMSTトンネルの単体トンネルの構築には、扁平な矩形断面のシールド掘進機が用いられる。また、単体トンネルの内壁を構築するセグメントとしては、例えば図29に示すような、A、B1、B2、C、D1、D2の6個の主桁とE、Fの2個の中柱からなるものが知られている。
【0005】
単体トンネルを構築する際には、既設トンネル内にセグメントを搬入して、それを図29に示すような矩形状に組み立てるという作業が必要である。そして、この組立装置として例えば特開平10−18792号公報に開示されたセグメントの搬送装置、供給装置及び組立装置がある。
【0006】
同公報に示されたセグメントの搬送装置は、セグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で支持しつつ走行移動する移送手段をトンネル幅方向に複列に設けたものである。
また、セグメントの供給装置は、搬送されてきたセグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で把持する把持手段と、この把持手段をトンネル高さ方向に沿った軸回りに回動させ、上記セグメントをトンネル幅方向に沿って立てた状態とする回動手段とを備えたものである。
また、セグメントの組立装置は、供給されたセグメントをトンネル幅方向に沿って立てた状態で把持する把持手段と、この把持手段をトンネル幅方向に沿った軸回りに回動させ、上記セグメントを横にする回動手段とを備えたものである。
【0007】
そして、上記の搬送装置によれば、小スペースでの搬送を高効率で行うことができ、また供給装置によれば搬送されてきたセグメントを狭い場所でもスムーズに供給することができ、さらに組立装置によれば供給されたセグメントを狭い場所でも好適に姿勢変更して組み立てることができる、としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図30はMMSTトンネルに作用する曲げモーメントの分布図である。この図30に示すようにMMSTトンネルでは、各辺の中央部に最も大きな曲げモーメントが作用する。したがって、単体トンネルを構成するセグメントはその長辺を分割せずに一体としておくことがモーメントに対する抵抗力の点からは望ましい。
【0009】
しかしながら、狭い空間での組立の都合から実際には図29に示すように、長辺が分割されているのが現状である。そのため、長辺で分割されたセグメントを多数のボルトでしっかりと連結する必要があり、手間とコストがかかるという問題があった。
そこで、長辺を分割しないセグメントを使用することが考えられるが、扁平の長方形という狭い空間で、長辺を分割しないセグメントをハンドリングして組み立てる技術がないため、このようなセグメントが実用化されていないのが現状である。
【0010】
なお、上記の従来のセグメントの搬送、供給及び組立装置も図29に示すように長辺を2分割したものを対象としており、これをそのまま長辺が分割されていないセグメントに適用するには次のような問題がある。
【0011】
同公報に示されたセグメントの供給装置は、搬送されてきたセグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で把持する把持手段を備え、この把持手段をトンネル高さ方向に沿った軸回りに回動させるとしている。そして、同公報の実施の形態に示された供給装置を参照すると、一体物のスイングアームでセグメントを把持して所定の軸回りに回転させるという構成である。
このような構成では、セグメントを回動するときにセグメントの端部が円弧を描くことになるが、このような構成ではシールド掘進機の内壁とほぼ同寸法となるような長尺のセグメントを回転させるとセグメントの端部が既設セグメントの壁又はシールド掘進機の側壁に当たってしまい回動することはできない。
【0012】
また、組立作業を1台の組立装置で行っているが、長辺が一体という長尺のセグメントを、水平方向に単一の装置でハンドリングしようとすれば、装置そのものが大形化してしまうという問題がある。さらに、セグメント組み付け時の位置合わせについても、1台の装置で行う場合にはセグメントの中央部を把持しての動作となるが、その場合にはセグメントの把持部と両端部との距離が長いために両端部の位置を微調整することは極めて困難になるという問題がある。
【0013】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、長辺が一体になった長尺のセグメントを組み立てることのできるセグメント組立装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明に係るセグメント組立装置は、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、既設セグメントの内周壁に設置されたフレームに設置されていることを特徴とするものである。
【0015】
(2)また、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりも既設セグメント側に設置されている、ことを特徴とするものである。
【0016】
(3)また、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置の設置位置が、前記第1のエレクタ装置のそれよりもトンネル前方にあり、前記第2のエレクタ装置の前記保持部が第2のエレクタ装置のそれよりも長い、ことを特徴とするものである。
【0017】
(4)さらに、前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記旋回アームは、相互に回動可能な複数のリンクによって構成されており、前記複数のリンクのうち一つは、そのリンク軸回りに回動可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
したがって、本発明に係るセグメント供給装置は前記構成であるから、長辺セグメントをセグメント供給装置で把持して長辺セグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させることが可能となり、トンネル幅又は高さに略等しい長さの長辺セグメントのトンネル内での旋回が可能となる。
また、セグメントのハンドリングに際して移動台を前後に移動させることにより障害物を避けることができ、シールド掘進機の内部スペースを有効に活用できる。このため、シールド掘進機の全長を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施の形態1]
図1は本発明に係るセグメントの組立装置が対象としているセグメントの組立状態の正面図、図2は図1の斜視図である。図1、図2に示すように1リング分のセグメントはA〜Dの4個から構成され、E〜Hの4個の中柱で補強されている。長辺側の長辺セグメントB、Dは途中で分割されることなく一体になっている。
【0020】
図3は図2の長辺セグメントBの内面側の拡大図、図4は同じく長辺セグメントBの軸方向の断面図である。図2〜図4に示すように、セグメントは有底枠体からなり、内部に複数のリブB1が設けられている。また、内面側にはセグメントの強度の向上と把持のためにフランジ部B2が設けられている。
【0021】
セグメントの組立の順序は、図1、2に示した側壁となる短辺セグメントAを設置し、次に下上壁となる長辺セグメントB、Dを設置し、さらに反対側の側壁となる短辺セグメントCを設置し、最後に中柱E〜Hを設置する。各セグメントの設置時にはボルトで仮止めをして、全ての設置が完了後に本止めを行う。
【0022】
次に、図1、2に示したセグメントを組み立てる組立装置及び方法について説明する。
図5は本発明の一実施の形態に係るセグメント組立装置、及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図6は側断面図、図7は図5におけるA−A断面図である。まず、図5〜図7に基づいて装置の構成を概説すると、シールド掘進機1は扁平な矩形状の前胴部3と後胴部5からなり、これら前胴部3と後胴部5が屈曲可能に連結されたいわゆる中折れ構造となっている。
図5〜図7において、7は前胴部3の前端に設けられたカッタ、9、11は掘削土砂を排出する排土管、12は排土管9、11から排出された掘削土砂を集めて後方に排出する集合排土管である。13は前胴部3と後胴部5を屈曲させる複数の中折れジャッキ、15はシールド掘進機1の掘進に使用するシールドジャッキ、21は後胴部の内周面に設置されて既設セグメント20と後胴部の内周との間をシールするテールシールである。
【0023】
17は既設セグメント20側に設置されてセグメントを組み立てるエレクタ装置、19はエレクタ装置17に隣接して設置されてセグメントをエレクタ装置17に受け渡すセグメント供給装置である。
【0024】
図8はセグメント供給装置19を後方から見た図、図9は図5におけるエレクタ装置17の近傍の拡大図、図10はエレクタ装置17の近傍を前方側から見た拡大図、図11は図10において丸で囲んだA部の拡大図である。
【0025】
23は既設セグメント20の内周壁に設置されたフレーム、25はフレーム23の前面側の上下部に幅方向に設置された一対の第1ガイドレール、27は一対の第1ガイドレール25に架設されて該第1ガイドレール25に沿って左右移動可能に設置された左右移動体、29は左右移動体27の上下方向に設けられた第2ガイドレール、31は左右移動体27に設けられて第2ガイドレール29に沿って上下向移動可能に設置された上下移動体、33は上下移動体31に設置された旋回軸受け、35は旋回軸受け33を駆動する旋回モータ、37は旋回軸受け33に設置されて後述のセグメント把持装置41を保持する保持部、39は保持部37を前後方向に移動させる前後移動ジャッキ、41は保持部37に前後方向移動可能に設置されたセグメント把持装置である。
【0026】
セグメント把持装置41の構成を図11に基づいて説明する。セグメント把持装置41は保持部37が挿入されて保持部37に対して移動可能に設置された本体部41aと、本体部41aに首振り用ピン43を介して屈曲可能に設置された把持部41bとを有しており、把持部41bは首振り用シリンダ45によって首振りできる構成である。
【0027】
図12は図11におけるA−A断面図である。図11及び図12に基づいて把持部41bの構成を説明する。47は一対の爪からなるクランプ部材、49はクランプ部材47を駆動する把持シリンダである。把持シリンダ49を駆動することによってクランプ部材47の爪を動かして、セグメントを把持する。
【0028】
図13は図5におけるセグメント供給装置19近傍の拡大図である。以下、図8、図13に基づいてセグメント供給装置19の構成を説明する。
51はセグメント供給装置19を既設セグメント20に設置するフレーム、53はフレーム51を既設セグメント20の内周壁に押し付ける押し付けジャッキ、54はセグメント組立後にフレーム51を前進させるための盛替用ジャッキである。フレーム51は押し付けジャッキ53によって既設セグメントの所定位置にしっかりと固定され、フレーム51の位置を前進させるときには押し付けジャッキ53の押し付けを解除して、盛替用ジャッキ54を伸長させる。
【0029】
55はフレーム51に前後方向移動可能に設置された第1移動台、57は第1移動台55を前後方向に駆動する前後移動ジャッキ、58は第1移動台55に固定された取付台、59は取付台58にガイドレール61を介して幅方向移動可能に設置された第2移動台である。
63は基端側が第2移動台59に取り付けられた第1リンク、65は一端が第1リンク63の先端に回動可能に取り付けられた第2リンク、67は第2リンク65の先端に回動可能に取り付けられた第3リンクである。第3リンク67はリンク略中央部に旋回ベアリング69を有しており、リンク軸回りに回転可能になっている。
【0030】
71は第3リンク67の先端に回動可能に取り付けられて先端部に後述のセグメント把持部73が取り付けられる第4リンク、73は第4リンク71に取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部である。セグメント把持部73は第4リンク71に直交する軸72に軸支され、該軸回りに回動可能に構成されている。
【0031】
以上説明した第1リンク63〜第4リンク71の4つのリンクによってセグメント供給装置19の旋回アームが構成されている。そして、各リンク相互間には図示しないシリンダ等の駆動手段が設けられており、各リンクは相対的に駆動できるようになっている。また、第3リンク67における旋回ベアリング69の前後においても図示しない駆動手段が設けられており、第3リンク67は旋回ベアリング69の前後で回動できるようになっている。
【0032】
このように、セグメント供給装置19の旋回アームを3個のピン結合されたリンクで構成したので、後述のようにセグメントを旋回する際に微妙な動きが可能となり、長尺のセグメントの端部をシールド掘進機の側壁にぶつけることなくハンドリングできるのである。
【0033】
図14はセグメント把持部73の内部の構成の説明図であり、以下図14に基づいてセグメント把持部73の構成を説明する。
図において、80は矩形箱からなるセグメント把持部73の本体部、81、83は本体部80の下面側に設けられたクランプ部材、85、87はクランプ部材81、83を駆動する把持シリンダである。
【0034】
上記のように構成されたセグメント把持部73においては、把持シリンダ85、87によってクランプ部材81、83を駆動して、図14に示すように、セグメントのフランジ部に爪を引っかけてセグメントを把持することができる。
【0035】
図15〜図21は本実施の形態の動作説明図である。以下、図15〜図21に基づいてセグメントの組み立て動作について説明する。
まず、側壁用の短辺セグメントAを図示しない移動台車でセグメント供給装置19の側方まで搬入する。短辺セグメントAが搬入されると、セグメント供給装置19のセグメント把持部73で短辺セグメントAの内側を把持して(図15参照)、セグメント供給装置19の旋回アームに設けられた駆動手段を駆動してセグメント供給装置19の旋回アームを旋回させると共に、前後移動ジャッキ57を駆動して第1移動台55を後退させることにより、短辺セグメントAをエレクタ装置17の近傍まで移動させる。次に、エレクタ装置17のセグメント把持装置41で短辺セグメントAを把持して、左右移動体27を第1ガイドレール25に沿って側壁側へ移動させると共に、旋回モータ35を駆動して旋回軸受け33を回転させることにより、セグメントAをトンネル軸に平行な軸回りに旋回させて立姿勢にして、図16の二点鎖線で示す所定位置に設置する。
【0036】
次に、長辺セグメントBをセグメント供給装置19の近傍まで搬入し、図17に示すように、セグメント供給装置19のセグメント把持部73で長辺セグメントBの内面側の略中央部を把持する。このとき、第1移動台55は最も前進した状態にしておく。
【0037】
次に、図18に示すように、セグメント供給装置19の各リンクの駆動手段を駆動してセグメント供給装置19の旋回アームを水平平面内で旋回させると共に、前後移動ジャッキ57を駆動して第1移動台55を後退させることにより、長辺セグメントBを連続的に旋回させる。このとき長辺セグメントBは、図5に破線で示すように、長辺セグメントB後端の角部が既設セグメント20の側壁に衝突することなく、側内壁とほぼ平行になるように移動しつつ、全体として除々に回転してゆく。このような、微妙な動きができるのは、セグメント供給装置19の旋回アームを複数のリンクで構成し、かつ各リンク相互が旋回平面内で相互に移動できる構成としたからである。
【0038】
長辺セグメントBをトンネルの軸方向に直角になるようにしたところで、図19に示すように、エレクタ装置17で長辺セグメントBを把持する。以後は、セグメント供給装置19とエレクタ装置17の2個の装置で長辺セグメントBを所定の位置まで移動させ、さらに位置合わせを行って所定位置に設置する。このとき、エレクタ装置17とセグメント供給装置19の両方で長辺セグメントBを把持しているので、セグメント両端部の微妙な位置合わせをそれぞれの端部に近い装置で行うことができ、位置合わせ作業をスムーズに行うことができる。
同様の動作により、上側の長辺セグメントDを設置する。
【0039】
次に、もう一方の側壁用の短辺セグメントCを搬入して、図20に示すように、セグメント供給装置19で把持する。そして、第3リンク67の回転及び、第4リンク71の回動動作を併用して短辺セグメントCを、図21に示すように、立姿勢にすると共にセグメント内面側がトンネルの内側を向くようにして設置する。
最後に、中柱を設置して、1リング分のセグメントの組立を終了する。以後は、同様の動作を繰り返す。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、セグメント供給装置19の旋回アームを3個のピン結合されたリンクで構成したので、後述のようにセグメントを旋回する際に微妙な動きが可能となり、長尺のセグメントの端部をシールド掘進機の側壁にぶつけることなくハンドリングできる。
また、長辺ゼグメントの位置合わせをセグメント供給装置19とエレクタ装置17で行うようにしたので、位置の微調整が可能になり、長辺セグメントの設置をスムーズに行うことができる。
【0041】
さらに、セグメント供給装置19にセグメントの組立機能を持たせたので、装置の数が2個でよく、装置全体をコンパクトにできる。
また、エレクタ装置17及びセグメント供給装置19共に、既設セグメント側に設置しているので、エレクタ装置をシールド掘進機側に設置した場合のように、シールド掘進機の位置づれの影響を受けることがなく、既設セグメントに対する布設セグメントの位置決めを確実に行うことができる。
【0042】
なお、上記の実施の形態1においては、セグメント供給装置19とエレクタ装置17の2台の装置でセグメント組立を行うようにしているが、セグメントの長さがそれほど長くないような場合には、セグメント供給装置19のみでセグメントの組み立てを行うことも可能である。
【0043】
[実施の形態2]
図22は実施の形態2に係るセグメント組立装置及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図23は側断面図、図24は図22におけるA−A断面図である。
本実施の形態においては、シールド掘進機側にもう一つのエレクタ装置90を設置すると共に、セグメント供給装置の旋回アームの構成を実施の形態1のものよりも単純化したものである。
【0044】
具体的には、エレクタ装置90はエレクタ装置17と同一の構成であり、ただシールド掘進機1のリンクガーダに設置されている点のみが相違する。
セグメント供給装置は、第3リンクに設置していた旋回ベアリングをなくすると共に、第4リンクを省略して第3リンクとセグメント把持部73を紙面と同一平面内で回動できるように連結したものである。
【0045】
本実施の形態によれば、長辺セグメントの両端部を2台のエレクタ装置17、90で把持することができ、両端部の位置合わせをより確実かつ迅速に行うことができる。
【0046】
[実施の形態3]
図25は実施の形態3に係るセグメント組立装置及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図26は側断面図、図27は図25におけるA−A断面図である。
本実施の形態においては、実施の形態2において既設セグメント側に設置していたエレクタ装置17をシールド掘進機1側に設置したものである。
【0047】
そして、図中下側のエレクタ装置17は長辺セグメントの旋回時に邪魔にならないようにするため、セグメント把持装置41を保持する保持部37の長さを長くしたものである。これによって、エレクタ装置17のセグメント把持装置41以外の部分がシールド掘進機1の前部寄りに設置でき、長辺セグメントの旋回の邪魔にならない。
【0048】
本実施の形態によれば、2台のエレクタ措置17、90を共にシールド掘進機1側に設置したので、1リング分のセグメントが完成した後に次のセグメントのためにエレクタ装置の位置の移動作業が不要になるという効果がある。
【0049】
なお、上記の実施の形態1〜3においては、MMSTトンネルの構築を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、扁平な矩形断面のシールドトンネルの構築の場合であれば適用できる。
また、上記の説明においては、横方向に扁平な矩形のトンネル構築について説明したが、本発明は縦方向に扁平な矩形のトンネル構築についても適用できることはいうまでもない。
【0050】
本発明は以上説明したように構成したので以下に示すような効果を奏する。
(i)また、セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、前記旋回アームを旋回平面内において相互に回動可能な複数のリンクによって構成されている構成としたので、長辺セグメントをセグメント供給装置で把持して長辺セグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させることが可能となり、トンネル幅又は高さに略等しい長さの長辺セグメントのトンネル内での旋回が可能となる。
また、旋回アームをトンネル前後方向に移動可能な移動台に設置したので、セグメントのハンドリングに際して移動台を前後に移動させることにより障害物を避けることができ、シールド掘進機の内部スペースを有効に活用できる。このため、シールド掘進機の全長を短くすることができる。
【0051】
(ii)また、旋回アームはアーム軸回りに回転可能になっていると共に、セグメント把持部は旋回平面に平行な軸回りに回動可能に取り付けられているので、セグメント供給装置の旋回アームの自由度が高まり、セグメント供給装置でのセグメントの組立が可能となる。
【0052】
(iii)また、エレクタ装置を既設セグメント側に設置したので、エレクタ装置をシールド掘進機側に設置した場合のように、シールド掘進機の位置づれの影響を受けることがなく、既設セグメントに対する布設セグメントの位置決めを確実に行うことができる。
【0053】
(iv)また、エレクタ装置をトンネル幅方向の両端側に2台設置したので、2台のエレクタ装置で長辺セグメントの両端近傍を把持して、これら2台のエレクタ装置により長辺セグメントの移動、位置合わせを行うことができ、長辺セグメントの両端部の微妙な移動及び位置合わせが可能となる。
【0054】
(v)さらに、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、前記旋回アームは旋回平面内において相互に回動可能な複数のリンクによって構成されると共にアーム軸回りに回転可能に構成され、前記セグメント把持部は旋回平面に平行な軸回りに回動可能に取り付けられている構成としたので、1台の装置でトンネルの全ての壁面のセグメント組立が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、セグメントの設置が正確かつ容易になると共に、これを装備するシールド掘進機の全長を短くすることができるから、各種シールド掘進機に装備されるセグメント組立装置として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態の設置対象としたセグメントの正面図である。
【図2】図1に示したセグメントの斜視図である。
【図3】図2における一部を詳細に示す説明図である。
【図4】図3の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置及びシールド掘進機の平断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置及びシールド掘進機の側断面図である。
【図7】図5におけるA−A断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置の設置部を後方から見た図である。
【図9】図5の一部拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るエレクタ装置を前方側から見た図である。
【図11】図10におけるA部の拡大図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】図5の一部拡大図である。
【図14】図13に示したセグメント供給装置のセグメント把持部73の説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の平断面図である。
【図23】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の側断面図である。
【図24】図22におけるA−A断面図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係るシールド掘進機の平断面図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係るシールド掘進機の側断面図である。
【図27】図25におけるA−A断面図である。
【図28】MMST工法の工程の説明図である。
【図29】従来のセグメントの説明図である。
【図30】MMSTトンネルに作用するモーメント分布の説明図である。
【符号の説明】
【0057】
17 エレクタ装置
19 セグメント供給装置
55 第1移動台
59 第2移動台
63 第1リンク
65 第2リンク
67 第3リンク
69 旋回ベアリング
71 第4リンク
73 セグメント把持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設トンネル内に搬入されたセグメントをトンネル内壁面に組み付けるセグメント組立装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大断面矩形トンネルは開削工法によって行われてきたが、開削工法では都市部における施工が困難であることから最近では非開削で施工できるいわゆるMMST(Multi−Micro Shield Tunnel)工法が行われている。MMST工法とは、トンネル外殻部を複数の小断面シールドにより先行掘削し、それらを相互に連結し、外殻部躯体を構築した後、内部土砂を掘削して大断面トンネルとする工法である。
【0003】
図28はMMST工法の施工手順の説明図である。以下、図28に基づいてMMST工法を概説する。
立坑を構築後、単体シールド機を掘進し、トンネル躯体となる外殻部を構成する単体トンネル100〜103を構築する(図28(a))。隣接する単体トンネルの施工完了後、MMST鋼殻の一部を撤去して単体トンネル間接続部105a、105b、105cを施工する(図28(b))。さらに、単体トンネル間接続部105d、105e、105fを施工し、その後鋼殻内にコンクリート107を打設して外殻部の躯体を構築する(図28(c))。外殻部の躯体が完成した後に通常の掘削機械により内部土砂を掘削する(図28(d))。内壁110、中床版111及び隔壁112などの内部部材を構築し、MMSTトンネルを完成する(図28(e))。
【0004】
上記のようなMMSTトンネルの単体トンネルの構築には、扁平な矩形断面のシールド掘進機が用いられる。また、単体トンネルの内壁を構築するセグメントとしては、例えば図29に示すような、A、B1、B2、C、D1、D2の6個の主桁とE、Fの2個の中柱からなるものが知られている。
【0005】
単体トンネルを構築する際には、既設トンネル内にセグメントを搬入して、それを図29に示すような矩形状に組み立てるという作業が必要である。そして、この組立装置として例えば特開平10−18792号公報に開示されたセグメントの搬送装置、供給装置及び組立装置がある。
【0006】
同公報に示されたセグメントの搬送装置は、セグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で支持しつつ走行移動する移送手段をトンネル幅方向に複列に設けたものである。
また、セグメントの供給装置は、搬送されてきたセグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で把持する把持手段と、この把持手段をトンネル高さ方向に沿った軸回りに回動させ、上記セグメントをトンネル幅方向に沿って立てた状態とする回動手段とを備えたものである。
また、セグメントの組立装置は、供給されたセグメントをトンネル幅方向に沿って立てた状態で把持する把持手段と、この把持手段をトンネル幅方向に沿った軸回りに回動させ、上記セグメントを横にする回動手段とを備えたものである。
【0007】
そして、上記の搬送装置によれば、小スペースでの搬送を高効率で行うことができ、また供給装置によれば搬送されてきたセグメントを狭い場所でもスムーズに供給することができ、さらに組立装置によれば供給されたセグメントを狭い場所でも好適に姿勢変更して組み立てることができる、としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図30はMMSTトンネルに作用する曲げモーメントの分布図である。この図30に示すようにMMSTトンネルでは、各辺の中央部に最も大きな曲げモーメントが作用する。したがって、単体トンネルを構成するセグメントはその長辺を分割せずに一体としておくことがモーメントに対する抵抗力の点からは望ましい。
【0009】
しかしながら、狭い空間での組立の都合から実際には図29に示すように、長辺が分割されているのが現状である。そのため、長辺で分割されたセグメントを多数のボルトでしっかりと連結する必要があり、手間とコストがかかるという問題があった。
そこで、長辺を分割しないセグメントを使用することが考えられるが、扁平の長方形という狭い空間で、長辺を分割しないセグメントをハンドリングして組み立てる技術がないため、このようなセグメントが実用化されていないのが現状である。
【0010】
なお、上記の従来のセグメントの搬送、供給及び組立装置も図29に示すように長辺を2分割したものを対象としており、これをそのまま長辺が分割されていないセグメントに適用するには次のような問題がある。
【0011】
同公報に示されたセグメントの供給装置は、搬送されてきたセグメントをトンネル長手方向に沿って立てた状態で把持する把持手段を備え、この把持手段をトンネル高さ方向に沿った軸回りに回動させるとしている。そして、同公報の実施の形態に示された供給装置を参照すると、一体物のスイングアームでセグメントを把持して所定の軸回りに回転させるという構成である。
このような構成では、セグメントを回動するときにセグメントの端部が円弧を描くことになるが、このような構成ではシールド掘進機の内壁とほぼ同寸法となるような長尺のセグメントを回転させるとセグメントの端部が既設セグメントの壁又はシールド掘進機の側壁に当たってしまい回動することはできない。
【0012】
また、組立作業を1台の組立装置で行っているが、長辺が一体という長尺のセグメントを、水平方向に単一の装置でハンドリングしようとすれば、装置そのものが大形化してしまうという問題がある。さらに、セグメント組み付け時の位置合わせについても、1台の装置で行う場合にはセグメントの中央部を把持しての動作となるが、その場合にはセグメントの把持部と両端部との距離が長いために両端部の位置を微調整することは極めて困難になるという問題がある。
【0013】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、長辺が一体になった長尺のセグメントを組み立てることのできるセグメント組立装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明に係るセグメント組立装置は、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、既設セグメントの内周壁に設置されたフレームに設置されていることを特徴とするものである。
【0015】
(2)また、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりも既設セグメント側に設置されている、ことを特徴とするものである。
【0016】
(3)また、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置の設置位置が、前記第1のエレクタ装置のそれよりもトンネル前方にあり、前記第2のエレクタ装置の前記保持部が第2のエレクタ装置のそれよりも長い、ことを特徴とするものである。
【0017】
(4)さらに、前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記旋回アームは、相互に回動可能な複数のリンクによって構成されており、前記複数のリンクのうち一つは、そのリンク軸回りに回動可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
したがって、本発明に係るセグメント供給装置は前記構成であるから、長辺セグメントをセグメント供給装置で把持して長辺セグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させることが可能となり、トンネル幅又は高さに略等しい長さの長辺セグメントのトンネル内での旋回が可能となる。
また、セグメントのハンドリングに際して移動台を前後に移動させることにより障害物を避けることができ、シールド掘進機の内部スペースを有効に活用できる。このため、シールド掘進機の全長を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施の形態1]
図1は本発明に係るセグメントの組立装置が対象としているセグメントの組立状態の正面図、図2は図1の斜視図である。図1、図2に示すように1リング分のセグメントはA〜Dの4個から構成され、E〜Hの4個の中柱で補強されている。長辺側の長辺セグメントB、Dは途中で分割されることなく一体になっている。
【0020】
図3は図2の長辺セグメントBの内面側の拡大図、図4は同じく長辺セグメントBの軸方向の断面図である。図2〜図4に示すように、セグメントは有底枠体からなり、内部に複数のリブB1が設けられている。また、内面側にはセグメントの強度の向上と把持のためにフランジ部B2が設けられている。
【0021】
セグメントの組立の順序は、図1、2に示した側壁となる短辺セグメントAを設置し、次に下上壁となる長辺セグメントB、Dを設置し、さらに反対側の側壁となる短辺セグメントCを設置し、最後に中柱E〜Hを設置する。各セグメントの設置時にはボルトで仮止めをして、全ての設置が完了後に本止めを行う。
【0022】
次に、図1、2に示したセグメントを組み立てる組立装置及び方法について説明する。
図5は本発明の一実施の形態に係るセグメント組立装置、及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図6は側断面図、図7は図5におけるA−A断面図である。まず、図5〜図7に基づいて装置の構成を概説すると、シールド掘進機1は扁平な矩形状の前胴部3と後胴部5からなり、これら前胴部3と後胴部5が屈曲可能に連結されたいわゆる中折れ構造となっている。
図5〜図7において、7は前胴部3の前端に設けられたカッタ、9、11は掘削土砂を排出する排土管、12は排土管9、11から排出された掘削土砂を集めて後方に排出する集合排土管である。13は前胴部3と後胴部5を屈曲させる複数の中折れジャッキ、15はシールド掘進機1の掘進に使用するシールドジャッキ、21は後胴部の内周面に設置されて既設セグメント20と後胴部の内周との間をシールするテールシールである。
【0023】
17は既設セグメント20側に設置されてセグメントを組み立てるエレクタ装置、19はエレクタ装置17に隣接して設置されてセグメントをエレクタ装置17に受け渡すセグメント供給装置である。
【0024】
図8はセグメント供給装置19を後方から見た図、図9は図5におけるエレクタ装置17の近傍の拡大図、図10はエレクタ装置17の近傍を前方側から見た拡大図、図11は図10において丸で囲んだA部の拡大図である。
【0025】
23は既設セグメント20の内周壁に設置されたフレーム、25はフレーム23の前面側の上下部に幅方向に設置された一対の第1ガイドレール、27は一対の第1ガイドレール25に架設されて該第1ガイドレール25に沿って左右移動可能に設置された左右移動体、29は左右移動体27の上下方向に設けられた第2ガイドレール、31は左右移動体27に設けられて第2ガイドレール29に沿って上下向移動可能に設置された上下移動体、33は上下移動体31に設置された旋回軸受け、35は旋回軸受け33を駆動する旋回モータ、37は旋回軸受け33に設置されて後述のセグメント把持装置41を保持する保持部、39は保持部37を前後方向に移動させる前後移動ジャッキ、41は保持部37に前後方向移動可能に設置されたセグメント把持装置である。
【0026】
セグメント把持装置41の構成を図11に基づいて説明する。セグメント把持装置41は保持部37が挿入されて保持部37に対して移動可能に設置された本体部41aと、本体部41aに首振り用ピン43を介して屈曲可能に設置された把持部41bとを有しており、把持部41bは首振り用シリンダ45によって首振りできる構成である。
【0027】
図12は図11におけるA−A断面図である。図11及び図12に基づいて把持部41bの構成を説明する。47は一対の爪からなるクランプ部材、49はクランプ部材47を駆動する把持シリンダである。把持シリンダ49を駆動することによってクランプ部材47の爪を動かして、セグメントを把持する。
【0028】
図13は図5におけるセグメント供給装置19近傍の拡大図である。以下、図8、図13に基づいてセグメント供給装置19の構成を説明する。
51はセグメント供給装置19を既設セグメント20に設置するフレーム、53はフレーム51を既設セグメント20の内周壁に押し付ける押し付けジャッキ、54はセグメント組立後にフレーム51を前進させるための盛替用ジャッキである。フレーム51は押し付けジャッキ53によって既設セグメントの所定位置にしっかりと固定され、フレーム51の位置を前進させるときには押し付けジャッキ53の押し付けを解除して、盛替用ジャッキ54を伸長させる。
【0029】
55はフレーム51に前後方向移動可能に設置された第1移動台、57は第1移動台55を前後方向に駆動する前後移動ジャッキ、58は第1移動台55に固定された取付台、59は取付台58にガイドレール61を介して幅方向移動可能に設置された第2移動台である。
63は基端側が第2移動台59に取り付けられた第1リンク、65は一端が第1リンク63の先端に回動可能に取り付けられた第2リンク、67は第2リンク65の先端に回動可能に取り付けられた第3リンクである。第3リンク67はリンク略中央部に旋回ベアリング69を有しており、リンク軸回りに回転可能になっている。
【0030】
71は第3リンク67の先端に回動可能に取り付けられて先端部に後述のセグメント把持部73が取り付けられる第4リンク、73は第4リンク71に取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部である。セグメント把持部73は第4リンク71に直交する軸72に軸支され、該軸回りに回動可能に構成されている。
【0031】
以上説明した第1リンク63〜第4リンク71の4つのリンクによってセグメント供給装置19の旋回アームが構成されている。そして、各リンク相互間には図示しないシリンダ等の駆動手段が設けられており、各リンクは相対的に駆動できるようになっている。また、第3リンク67における旋回ベアリング69の前後においても図示しない駆動手段が設けられており、第3リンク67は旋回ベアリング69の前後で回動できるようになっている。
【0032】
このように、セグメント供給装置19の旋回アームを3個のピン結合されたリンクで構成したので、後述のようにセグメントを旋回する際に微妙な動きが可能となり、長尺のセグメントの端部をシールド掘進機の側壁にぶつけることなくハンドリングできるのである。
【0033】
図14はセグメント把持部73の内部の構成の説明図であり、以下図14に基づいてセグメント把持部73の構成を説明する。
図において、80は矩形箱からなるセグメント把持部73の本体部、81、83は本体部80の下面側に設けられたクランプ部材、85、87はクランプ部材81、83を駆動する把持シリンダである。
【0034】
上記のように構成されたセグメント把持部73においては、把持シリンダ85、87によってクランプ部材81、83を駆動して、図14に示すように、セグメントのフランジ部に爪を引っかけてセグメントを把持することができる。
【0035】
図15〜図21は本実施の形態の動作説明図である。以下、図15〜図21に基づいてセグメントの組み立て動作について説明する。
まず、側壁用の短辺セグメントAを図示しない移動台車でセグメント供給装置19の側方まで搬入する。短辺セグメントAが搬入されると、セグメント供給装置19のセグメント把持部73で短辺セグメントAの内側を把持して(図15参照)、セグメント供給装置19の旋回アームに設けられた駆動手段を駆動してセグメント供給装置19の旋回アームを旋回させると共に、前後移動ジャッキ57を駆動して第1移動台55を後退させることにより、短辺セグメントAをエレクタ装置17の近傍まで移動させる。次に、エレクタ装置17のセグメント把持装置41で短辺セグメントAを把持して、左右移動体27を第1ガイドレール25に沿って側壁側へ移動させると共に、旋回モータ35を駆動して旋回軸受け33を回転させることにより、セグメントAをトンネル軸に平行な軸回りに旋回させて立姿勢にして、図16の二点鎖線で示す所定位置に設置する。
【0036】
次に、長辺セグメントBをセグメント供給装置19の近傍まで搬入し、図17に示すように、セグメント供給装置19のセグメント把持部73で長辺セグメントBの内面側の略中央部を把持する。このとき、第1移動台55は最も前進した状態にしておく。
【0037】
次に、図18に示すように、セグメント供給装置19の各リンクの駆動手段を駆動してセグメント供給装置19の旋回アームを水平平面内で旋回させると共に、前後移動ジャッキ57を駆動して第1移動台55を後退させることにより、長辺セグメントBを連続的に旋回させる。このとき長辺セグメントBは、図5に破線で示すように、長辺セグメントB後端の角部が既設セグメント20の側壁に衝突することなく、側内壁とほぼ平行になるように移動しつつ、全体として除々に回転してゆく。このような、微妙な動きができるのは、セグメント供給装置19の旋回アームを複数のリンクで構成し、かつ各リンク相互が旋回平面内で相互に移動できる構成としたからである。
【0038】
長辺セグメントBをトンネルの軸方向に直角になるようにしたところで、図19に示すように、エレクタ装置17で長辺セグメントBを把持する。以後は、セグメント供給装置19とエレクタ装置17の2個の装置で長辺セグメントBを所定の位置まで移動させ、さらに位置合わせを行って所定位置に設置する。このとき、エレクタ装置17とセグメント供給装置19の両方で長辺セグメントBを把持しているので、セグメント両端部の微妙な位置合わせをそれぞれの端部に近い装置で行うことができ、位置合わせ作業をスムーズに行うことができる。
同様の動作により、上側の長辺セグメントDを設置する。
【0039】
次に、もう一方の側壁用の短辺セグメントCを搬入して、図20に示すように、セグメント供給装置19で把持する。そして、第3リンク67の回転及び、第4リンク71の回動動作を併用して短辺セグメントCを、図21に示すように、立姿勢にすると共にセグメント内面側がトンネルの内側を向くようにして設置する。
最後に、中柱を設置して、1リング分のセグメントの組立を終了する。以後は、同様の動作を繰り返す。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、セグメント供給装置19の旋回アームを3個のピン結合されたリンクで構成したので、後述のようにセグメントを旋回する際に微妙な動きが可能となり、長尺のセグメントの端部をシールド掘進機の側壁にぶつけることなくハンドリングできる。
また、長辺ゼグメントの位置合わせをセグメント供給装置19とエレクタ装置17で行うようにしたので、位置の微調整が可能になり、長辺セグメントの設置をスムーズに行うことができる。
【0041】
さらに、セグメント供給装置19にセグメントの組立機能を持たせたので、装置の数が2個でよく、装置全体をコンパクトにできる。
また、エレクタ装置17及びセグメント供給装置19共に、既設セグメント側に設置しているので、エレクタ装置をシールド掘進機側に設置した場合のように、シールド掘進機の位置づれの影響を受けることがなく、既設セグメントに対する布設セグメントの位置決めを確実に行うことができる。
【0042】
なお、上記の実施の形態1においては、セグメント供給装置19とエレクタ装置17の2台の装置でセグメント組立を行うようにしているが、セグメントの長さがそれほど長くないような場合には、セグメント供給装置19のみでセグメントの組み立てを行うことも可能である。
【0043】
[実施の形態2]
図22は実施の形態2に係るセグメント組立装置及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図23は側断面図、図24は図22におけるA−A断面図である。
本実施の形態においては、シールド掘進機側にもう一つのエレクタ装置90を設置すると共に、セグメント供給装置の旋回アームの構成を実施の形態1のものよりも単純化したものである。
【0044】
具体的には、エレクタ装置90はエレクタ装置17と同一の構成であり、ただシールド掘進機1のリンクガーダに設置されている点のみが相違する。
セグメント供給装置は、第3リンクに設置していた旋回ベアリングをなくすると共に、第4リンクを省略して第3リンクとセグメント把持部73を紙面と同一平面内で回動できるように連結したものである。
【0045】
本実施の形態によれば、長辺セグメントの両端部を2台のエレクタ装置17、90で把持することができ、両端部の位置合わせをより確実かつ迅速に行うことができる。
【0046】
[実施の形態3]
図25は実施の形態3に係るセグメント組立装置及びこれを設置したシールド掘進機の平断面図、図26は側断面図、図27は図25におけるA−A断面図である。
本実施の形態においては、実施の形態2において既設セグメント側に設置していたエレクタ装置17をシールド掘進機1側に設置したものである。
【0047】
そして、図中下側のエレクタ装置17は長辺セグメントの旋回時に邪魔にならないようにするため、セグメント把持装置41を保持する保持部37の長さを長くしたものである。これによって、エレクタ装置17のセグメント把持装置41以外の部分がシールド掘進機1の前部寄りに設置でき、長辺セグメントの旋回の邪魔にならない。
【0048】
本実施の形態によれば、2台のエレクタ措置17、90を共にシールド掘進機1側に設置したので、1リング分のセグメントが完成した後に次のセグメントのためにエレクタ装置の位置の移動作業が不要になるという効果がある。
【0049】
なお、上記の実施の形態1〜3においては、MMSTトンネルの構築を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、扁平な矩形断面のシールドトンネルの構築の場合であれば適用できる。
また、上記の説明においては、横方向に扁平な矩形のトンネル構築について説明したが、本発明は縦方向に扁平な矩形のトンネル構築についても適用できることはいうまでもない。
【0050】
本発明は以上説明したように構成したので以下に示すような効果を奏する。
(i)また、セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、前記旋回アームを旋回平面内において相互に回動可能な複数のリンクによって構成されている構成としたので、長辺セグメントをセグメント供給装置で把持して長辺セグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させることが可能となり、トンネル幅又は高さに略等しい長さの長辺セグメントのトンネル内での旋回が可能となる。
また、旋回アームをトンネル前後方向に移動可能な移動台に設置したので、セグメントのハンドリングに際して移動台を前後に移動させることにより障害物を避けることができ、シールド掘進機の内部スペースを有効に活用できる。このため、シールド掘進機の全長を短くすることができる。
【0051】
(ii)また、旋回アームはアーム軸回りに回転可能になっていると共に、セグメント把持部は旋回平面に平行な軸回りに回動可能に取り付けられているので、セグメント供給装置の旋回アームの自由度が高まり、セグメント供給装置でのセグメントの組立が可能となる。
【0052】
(iii)また、エレクタ装置を既設セグメント側に設置したので、エレクタ装置をシールド掘進機側に設置した場合のように、シールド掘進機の位置づれの影響を受けることがなく、既設セグメントに対する布設セグメントの位置決めを確実に行うことができる。
【0053】
(iv)また、エレクタ装置をトンネル幅方向の両端側に2台設置したので、2台のエレクタ装置で長辺セグメントの両端近傍を把持して、これら2台のエレクタ装置により長辺セグメントの移動、位置合わせを行うことができ、長辺セグメントの両端部の微妙な移動及び位置合わせが可能となる。
【0054】
(v)さらに、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、前記旋回アームは旋回平面内において相互に回動可能な複数のリンクによって構成されると共にアーム軸回りに回転可能に構成され、前記セグメント把持部は旋回平面に平行な軸回りに回動可能に取り付けられている構成としたので、1台の装置でトンネルの全ての壁面のセグメント組立が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、セグメントの設置が正確かつ容易になると共に、これを装備するシールド掘進機の全長を短くすることができるから、各種シールド掘進機に装備されるセグメント組立装置として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態の設置対象としたセグメントの正面図である。
【図2】図1に示したセグメントの斜視図である。
【図3】図2における一部を詳細に示す説明図である。
【図4】図3の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置及びシールド掘進機の平断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置及びシールド掘進機の側断面図である。
【図7】図5におけるA−A断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係るセグメント組立装置の設置部を後方から見た図である。
【図9】図5の一部拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るエレクタ装置を前方側から見た図である。
【図11】図10におけるA部の拡大図である。
【図12】図11のA−A断面図である。
【図13】図5の一部拡大図である。
【図14】図13に示したセグメント供給装置のセグメント把持部73の説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態の動作説明図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の平断面図である。
【図23】本発明の実施の形態2に係るシールド掘進機の側断面図である。
【図24】図22におけるA−A断面図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係るシールド掘進機の平断面図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係るシールド掘進機の側断面図である。
【図27】図25におけるA−A断面図である。
【図28】MMST工法の工程の説明図である。
【図29】従来のセグメントの説明図である。
【図30】MMSTトンネルに作用するモーメント分布の説明図である。
【符号の説明】
【0057】
17 エレクタ装置
19 セグメント供給装置
55 第1移動台
59 第2移動台
63 第1リンク
65 第2リンク
67 第3リンク
69 旋回ベアリング
71 第4リンク
73 セグメント把持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、既設セグメントの内周壁に設置されたフレームに設置されていることを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項2】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりも既設セグメント側に設置されている、ことを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項3】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置の設置位置が、前記第1のエレクタ装置のそれよりもトンネル前方にあり、前記第2のエレクタ装置の前記保持部が第2のエレクタ装置のそれよりも長い、ことを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項4】
前記旋回アームは、相互に回動可能な複数のリンクによって構成されており、前記複数のリンクのうち一つは、そのリンク軸回りに回動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセグメント組立装置。
【請求項1】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、既設セグメントの内周壁に設置されたフレームに設置されていることを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項2】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりも既設セグメント側に設置されている、ことを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項3】
既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを備えたセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、既設セグメントに設置されてトンネル前後方向に移動可能な移動台と、該移動台に設置された旋回アームと、該旋回アームに取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部とを備え、
前記エレクタ装置は、第1及び第2のエレクタ装置を備え、
前記第1のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、前記セグメント把持部が既設セグメント内に搬入されたセグメントを受け取る位置の側の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置は、トンネル幅方向又はトンネル高さ方向の、第1のエレクタ装置が設置されている端側とは反対の端側に、しかも既設セグメントのトンネル前方向にあるセグメント組立位置よりもシールド掘進機の後胴側に設置されており、
前記第2のエレクタ装置の設置位置が、前記第1のエレクタ装置のそれよりもトンネル前方にあり、前記第2のエレクタ装置の前記保持部が第2のエレクタ装置のそれよりも長い、ことを特徴とするセグメント組立装置。
【請求項4】
前記旋回アームは、相互に回動可能な複数のリンクによって構成されており、前記複数のリンクのうち一つは、そのリンク軸回りに回動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセグメント組立装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2007−146654(P2007−146654A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67231(P2007−67231)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【分割の表示】特願平10−360391の分割
【原出願日】平成10年12月18日(1998.12.18)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【分割の表示】特願平10−360391の分割
【原出願日】平成10年12月18日(1998.12.18)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
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