説明

セフェム化合物の結晶

【課題】セフカペンピボキシルの新規結晶およびそれを使用する抗菌剤の製造方法を提供する。
【解決手段】式:
【化1】


で示される化合物(I)またはその溶媒和物の、結晶。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セフェム化合物の結晶に関する。詳しくは、セフカペンピボキシルまたはその溶媒和物の結晶に関する。
【背景技術】
【0002】
式:
【化1】

で示される化合物(I)(一般名:セフカペンピボキシル; 化学名:7β-[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ブテノイル]アミノ−3−カルバモイルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル)は、セフェム系抗菌剤である(参照:特許文献1)。またその1塩酸塩水和物結晶(参照:特許文献2)は、フロモックス錠(シオノギ)等として市販されている。特許文献1では、セフカペンピボキシルの7位アミノの保護体からフリー体(セフカペンピボキシル)を経由してトリフルオロ酢酸塩が調製されている(実施例6)。特許文献2では、同じく7位アミノの保護体からフリー体を経由して塩酸塩結晶を単離している(製造例3)。しかしいずれの文献にも、セフカペンピボキシル自体の結晶は記載されていない。
【特許文献1】特開昭62−89号公報
【特許文献2】特開平4−295485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまでセフカペンピボキシルの1塩酸塩水和物結晶が出願人らによって工業的に製造されているが、収率、環境または生産価格等の点から、さらに好ましい製法の確立が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、セフカペンピボキシルのフリー体を一旦、結晶として単離した後、塩酸塩結晶にすれば、生産効率が高まることを見出し、以下の発明を完成した。
(1)式:
【化2】


で示される化合物(I)またはその溶媒和物の、結晶。
(2)溶媒和物結晶である、上記(1)記載の結晶。
(3)溶媒がアセトン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される、上記(2)記載の結晶。
(4)アセトン和物結晶である、上記(2)記載の結晶。
(5)粉末X線回折パターンにおいて、d=14.48、12.27、7.21、6.46、6.15、4.36、 4.32および3.70(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、上記(5)記載の結晶。
(6)イソプロピルアルコール和物結晶である、上記(2)記載の結晶。
(7)粉末X線回折パターンにおいて、d= 14.38、7.24、5.56、4.87、4.65、4.51、4.34、および4.26(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(8)メチルエチルケトン和物結晶である、上記(2)記載の結晶。
(9)粉末X線回折パターンにおいて、d= 12.30、7.19、6.17、4.35、4.49、および2.34 (単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、上記(8)記載の結晶。
(10)メチルイソブチルケトン和物結晶である、上記(2)記載の結晶。
(11)粉末X線回折パターンにおいて、d=13.14、7.24、4.71、4.54、4.19、および3.67 (単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、上記(10)記載の結晶。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の結晶と塩酸を反応させる工程を包含する、上記1に示される化合物(I)の塩酸塩またはその水和物の製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、セフカペンピボキシルの新規な結晶が提供される。本結晶は、医薬活性成分または、セフカペンピボキシルの酸付加塩もしくはその水和物等を製造する中間体として有用である。例えば、最終製品の結晶化工程の短縮、精製効果の上昇、収率の向上、試薬や洗浄溶媒の削減、または生産価格の低下などが期待できる。本結晶は、安定性、取り扱い性等の点でも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の結晶は、好ましくは化合物(I)の溶媒和物結晶である。該溶媒和物結晶は、例えば、セフカペンピボキシルを、少なくとも溶媒和させたい溶媒を含有する可溶性溶媒に室温又は加温(好ましくは約20〜50 ℃)にて溶解後、水を室温下または氷冷下で投入した後、0℃〜室温程度にて数時間〜1日、攪拌又は静置することにより得られる。 溶媒和させたい溶媒の使用量は、セフカペンピボキシル1g当り、通常0.1〜10mL、好ましくは0.5〜5mLである。溶媒和させたい溶媒を含有する有機溶媒の総使用量は、セフカペンピボキシル1g当り、通常1〜50mL、好ましくは3〜10mLである。水の使用量は、セフカペンピボキシル1g当り、通常1〜50mL、好ましくは1〜20mLである。
可溶性溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、メトキシエタノール、グリセリン、プロピレングリコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングルコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルフォルメート、エチルフォルメート、プロピルフォルメート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネートなどのエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2―ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの有機ハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ピリジン類、トリエチルアミンなどから適宜選択される。これらの溶媒は単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
このようにして得られる結晶は、次いで、通常の分離手段(例:濾過、遠心分離等)により溶媒から分離し、通常の精製手段(例:洗浄、風乾、減圧乾燥)に付すことにより単離することができる。また所望により種晶を添加して晶析させてもよい。種晶は、好ましくは目的とする結晶と同一の結晶であるが、例えば異なる溶媒和物の結晶を種晶として使用することも可能である。
化合物(I)の溶媒和物結晶の溶媒としては、好ましくは、アルコール類(例:イソプロピルアルコール)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン)が例示される。溶媒和数は、結晶化条件によって異なる場合もあるが、好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.2〜2、特に好ましくは0.2〜1である。また各結晶は少量の付着水を含有していてもよい。
以下、各結晶について説明する。
【0007】
(1)アセトン和物結晶
アセトン和物結晶は、例えば、化合物(I)をアセトンとアルコール(例:メタノール、エタノール)の混合溶媒に、所望により加温条件下(好ましくは、室温〜50℃)で溶解した後、水を加えて、数分〜数時間静置または攪拌し、約0〜10℃に冷却し、さらに数時間〜数十時間静置することにより得られる。アセトンとアルコールの使用比率は、1:0.1 〜 1:5 、好ましくは、1: 0.1 〜 1:2 、より好ましくは、1: 0.1 〜 1:0.5 である。水の使用比率は、アセトンに対して、1: 0.5 〜1:20 、好ましくは、1:0.5 〜 1:10 である。
また所望により種晶を添加して晶析させてもよい。アセトンの溶媒和数は、0.5〜2、好ましくは1である。
アセトン和物結晶は、好ましくは粉末X線回折において、少なくとも以下の付近に代表的なピークを示す(d=面間隔、測定条件: CuKα線 1.54オングストローム、等電圧40 kV、管電流30mA、以下同様)。
d=14.48、12.27、7.21、6.46、6.15、4.36、 4.32および3.70(単位:オングストローム)
より詳細には、実施例1に示されるピークを示す。
なお一般に結晶をX線解析により測定した場合、そのピークは、測定機器、測定条件、付着溶媒の存在等により、多少の測定誤差を生じることもある。よって、結晶構造の同定に当たっては多少の誤差も考慮されるべきであり、実質的に上記と同様のX線パターンによって特徴付けられる結晶はすべて本発明の範囲内である。
【0008】
(2)イソプロピルアルコール和物
イソプロピルアルコール和物結晶は、例えば、化合物(I)をイソプロピルアルコールとその他のアルコール(例:メタノール、エタノール)の混合溶媒に、所望により加温条件下(好ましくは、室温 〜 50℃)で溶解した後、室温まで空冷し、所望により超音波処理などを数十秒〜数分間施すことにより得られる。イソプロピルアルコールとその他のアルコールの使用比率は、1: 2 〜 1:5 、好ましくは、1: 1 〜 1:3 である。 また所望により種晶を添加して晶析させてもよい。イソプロピルアルコールの溶媒和数は、0.1〜1、好ましくは0.2である。
イソプロピルアルコール和物結晶は、好ましくは粉末X線回折において少なくとも以下の付近に代表的なピークを示す。
d=14.38、7.24、5.56、4.87、4.65、4.51、4.34、4.26(単位:オングストローム)
より詳細には、実施例4に示されるピークを示す。
(3)メチルエチルケトン和物
メチルエチルケトン和物結晶は、例えば、化合物(I)をメチルエチルケトンに、所望により加温条件下(好ましくは、室温 〜50℃)で溶解した後、室温まで空冷し、0℃〜室温で数十分〜数十時間、攪拌熟成することにより得られる。また所望により種晶を添加して晶析させてもよい。メチルエチルケトンの溶媒和数は、0.5〜2、好ましくは1である。
メチルエチルケトン和物結晶は、好ましくは粉末X線回折において少なくとも以下の付近に代表的なピークを示す。
d= 12.30、7.19、6.17、4.35、4.49、2.34(単位:オングストローム)
より詳細には、実施例5に示されるピークを示す。
【0009】
(4)メチルイソブチルケトン和物
メチルイソブチルケトン和物結晶は、例えば、化合物(I)をメチルイソブチルケトンに、所望により加温条件下(好ましくは、室温 〜 50℃)で溶解した後、0℃〜室温で数十分〜数十時間、攪拌熟成することにより得られる。また所望により種晶を添加して晶析させてもよい。メチルイソブチルケトンの溶媒和数は、0.2〜1、好ましくは0.5である。
メチルイソブチルケトン和物結晶は、好ましくは粉末X線回折において少なくとも以下の付近に代表的なピークを示す。
d=13.14、7.24、4.71、4.54、4.19、3.678 (単位:オングストローム)
より詳細には、実施例6に示されるピークを示す。
本発明結晶は、抗菌剤の中間体として有用である。例えば、各種の有機酸(例:マレイン酸、フマル酸、コハク酸)または無機酸(例:塩酸、硫酸、硝酸)と反応させることにより、容易に酸付加塩またはその溶媒和物結晶に変換できる。特に好ましくは、特開平4−295485号公報に記載の方法に準じて塩酸と反応させることにより、セフカペンピボキシルの塩酸塩、その水和物、またはそれらの結晶を製造することができる。
【0010】
参考例1
7β-[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ブテノイル]アミノ−3−カルバモイルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル1塩酸塩1水和物110.0gをアセトン500mLと混和しスラリーとする。このスラリーに7%重曹水200mLを流入し、中和溶解せしめる。この中和溶解液に蒸留水500mLを53分で滴下し、析出物を濾取する。得た析出物を25%アセトン水300mLで洗浄後、風乾し、粗7β-[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ブテノイル]アミノ−3−カルバモイルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(粗セフカペンピボキシル)を得る。収量101.27g

実施例1
参考例1で得た粗セフカペンピボキシル 3.8gをアセトン19mLでスラリー化し、40℃に加温する。このスラリーに2mLのメタノール若しくはエタノールを加えて溶液とする。この溶液を室温まで空冷しつつ9mLの蒸留水を加え、そのまま1時間静置した後、5℃に冷却し、さらに48時間静置する。得た析出物を濾取し、結晶を33%アセトン水30mLで洗浄した後風乾し、7β-[(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ブテノイル]アミノ−3−カルバモイルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル 1アセトン和物結晶(セフカペンピボキシル1アセトン和物結晶 )を得る。 収量3.37g
1H-NMR (CD3OD)δ: 1.13 (t,3H,-CH2CH3), 1.21 (s,9H,-C(CH3)3), 2.16 (s,2H,CH3COCH3), 2.37 (t-d,2H,-CH2CH3), 3.58 (q,2H,2-CH2), 4.73, 5.18 (q,2H,3'-CH2), 4.83 (s,4H,H2O), 5.05 (d,1H,6-H), 5.83-5.94 (m,3H,7-H,-CO2CH2O-), 6.35(m-t,2H).
元素分析(C26H35N5O9S2)
理論値(%):H 5.64, C 49.91, N 11.19, S 10.25
測定値(%):H 5.52, C 49.52, N 11.27, S 10.32
水分含量 0.72%
粉末X線回折を以下に示す。
(θ:回折角(単位:度)、d:面間隔(単位:オングストローム))


【表1】

【0011】
実施例2
実施例1のセフカペンピボキシル1アセトン和物結晶15.0gを5℃に冷却したメタノール45mLに溶解せしめる。別途蒸留水90mLと35%塩酸水3.73mLを混和した塩酸希釈液を調製し、この液を20℃に温度調節する。メタノール溶解液を塩酸希釈液に15分で滴下した後、20℃で30分間撹拌し、熟成する。熟成後60分間で7℃になるよう徐冷し、結晶を濾取する。得た結晶は5℃の蒸留水75mLで洗浄後風乾し、セフカペンピボキシル1塩酸塩1水和物結晶を得る。収量15.00g

実施例3
7β-[(Z)−2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ブテノイル]アミノ−3−カルバモイルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル10.55gを塩化メチレン69mLでスラリー化し、窒素雰囲気下0℃まで冷却する。このスラリーに4塩化チタン20.0gを30分間で滴下した後さらに30分間撹拌し熟成する。このものに-10℃まで冷却しておいた60%エタノール水116mLを加え、内在物を溶解する。さらに20%苛性ソーダ水20mLを30分で滴下した後、抽出にて水層を除去する。有機層を36%エタノール水55mL、44%エタノール水46mLと7%重曹水26mLの混液、および5℃の蒸留水32mLで順次抽出洗浄を行い、抽出液を得る。また、抽出中に発生する水層は塩化メチレン21mLで逆抽出を行い、得た逆抽出塩化メチレン層は上記抽出液に合併する。合併した抽出液を減圧濃縮し、塩化メチレンを留去する。得られたセフカペンピボキシルを含有するエタノール溶液約30mLにアセトン25mLを加え、実施例1で得られた結晶10mgを種晶として添加後、41mLの蒸留水を45分間で滴下する。次いで、室温下で30分撹拌し熟成させ、さらに5℃まで冷却し2時間撹拌して熟成する。析出物を濾取し、得られた結晶を25mLの蒸留水で洗浄後、風乾し、実施例1で得られたのと同一のセフカペンピボキシルの1アセトン和物結晶を得る。 収量9.69g、見掛収率96.9%。

実施例4
参考例1で得た祖セフカペンピボキシル0.7300gをイソプロピルアルコール11.5mLに混和した後、エタノール3.5mLを加え、加温し溶解する。この溶解液を室温まで空冷した後、超音波洗浄機にて超音波処理を30秒行う。得た結晶を濾取、風乾し、セフカペンピボキシルの0.2イソプロピルアルコール和物結晶を得る。収量 0.2863g

元素分析(C26H37N5O9S2)
理論値(%):H 5.94, C 49.75, N 11.16, S 10.22
測定値(%):H 5.39, C 48.35, N 11.81, S 10.90
水分含量 1.76%
粉末X線回折
【表2】

【0012】
実施例5
参考例1で得た祖セフカペンピボキシル 0.2389gをメチルエチルケトン2.6mLに混和し、加温して溶解する。この溶解液を空冷にて室温まで冷却した後、5℃まで冷却し24時間撹拌熟成を行う。得た結晶を濾取し、蒸留水10mLで洗浄後風乾し、セフカペンピボキシルの1メチルエチルケトン和物結晶を得る。収量0.2443g

元素分析(C27H37N5O9S2)
理論値(%):H 5.83, C 50.69, N 10.95, S 10.02
測定値(%):H 5.52, C 50.02, N 11.28, S 10.28
水分含量 1.37%
粉末X線回折
【表3】

実施例6
参考例1で得た祖セフカペンピボキシル 1.09gをメチルイソブチルケトン10mLに混和し、加温して溶解液とする。これに種晶として実施例1で得られたセフカペンピボキシルの1アセトン和物結晶 5mgを加え、5℃まで冷却し1時間半撹拌熟成を行う。得た結晶を濾取し、蒸留水10mLで洗浄後風乾して目的物であるセフカペンピボキシルの0.5メチルイソブチルケトン和物結晶を得る。収量0.8062g
元素分析(C29H41N5O9S2)
理論値(%):H 6.19, C 52.16, N 10.49, S 9.60
測定値(%):H 5.69, C 50.27, N 11.44, S 10.37
水分含量 1.91%
粉末X線回折
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1で得られた セフカペンピボキシルのアセトン和物結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【図2】実施例4で得られた セフカペンピボキシルのイソプロピルアルコール和物結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【図3】実施例5で得られた セフカペンピボキシルのメチルエチルケトン和物結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【図4】実施例6で得られた セフカペンピボキシルのメチルイソブチルケトン和物結晶の粉末X線回折パターンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

で示される化合物(I)またはその溶媒和物の、結晶。
【請求項2】
溶媒和物結晶である、請求項1記載の結晶。
【請求項3】
溶媒がアセトン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される、請求項2記載の結晶。
【請求項4】
アセトン和物結晶である、請求項2記載の結晶。
【請求項5】
粉末X線回折パターンにおいて、d=14.48、12.27、7.21、6.46、6.15、4.36、 4.32および3.70(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、請求項4記載の結晶。
【請求項6】
イソプロピルアルコール和物結晶である、請求項2記載の結晶。
【請求項7】
粉末X線回折パターンにおいて、d=14.38、7.24、5.56、4.87、4.65、4.51、4.34、および4.26(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、請求項6記載の結晶。
【請求項8】
メチルエチルケトン和物結晶である、請求項2記載の結晶。
【請求項9】
粉末X線回折パターンにおいて、d= 12.30、7.19、6.17、4.35、4.49、および2.34(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、請求項8記載の結晶。
【請求項10】
メチルイソブチルケトン和物結晶である、請求項2記載の結晶。
【請求項11】
粉末X線回折パターンにおいて、d= 13.14、7.24、4.71、4.54、4.19、および3.67(単位:オングストローム)付近に主ピークを示す、請求項10記載の結晶。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の結晶と塩酸を反応させる工程を包含する、請求項1に示される化合物(I)の塩酸塩またはその水和物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−22042(P2006−22042A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201612(P2004−201612)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】