セメント系物品、配合物、作製方法、および使用方法
本願は、1つまたは複数のあらかじめ形成された定形の領域を有する一体構造のセメント系物品である。定形の領域は、概して、物品の一部分を通って延びているか、または物品全体に及ぶチャネルである。その物品は、それらの端部のうちの少なくとも1つに、1つまたは複数の開口部を含む。その物品は、見かけ密度が低く、強度が高く、かつ高性能の特徴がある。その物品は、製造時には、サイディング、パネル、トリム、鼻隠し、屋根材、廻り縁、敷板、および外柵などの建材として使用するのに適切である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月3日出願の米国仮出願第61/166,427号からの優先権に関する利益を請求するものであり、それはあらゆる目的で参照により本明細書全体に援用される。
【0002】
本発明は、概して、特性が改善されたセメント系物品、ならびにそのような物品の配合物、そのような物品の作製方法、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
セメント系物品および繊維で補強したセメント系物品を含む複合材料が、建材として使用されることが多い。例には、内装および外装の建物パネル、建物の外壁用のサイディングが含まれる。多くのこうした複合建材は、建設作業員によって手作業で据え付けられる。建材は、軽量であり、耐久性があり、釘打ち可能であり、作業が容易であることが必要である。
【発明の概要】
【0004】
1つまたは複数の実施態様では、1つまたは複数の特性が改善された、繊維で補強したセメント系物品を本明細書で説明する。その物品は、形成した形状のものであり、1つまたは複数の定形の領域を含んでいる。その物品は、密度が低く、強度および耐久性が高い。1つまたは複数の実施態様では、物品は、最初は、サイディング、パネル、トリム、鼻隠し(フェイシア)、屋根材、廻り縁、敷板、または外柵などの建材に有効な長い物品として用意されてもよい。
【0005】
本明細書で説明する物品は、セメント系であり、水硬性結合剤、すなわち少なくとも1つのシリカ源と、1つまたは複数の繊維源、すなわち補強に有効な少なくとも1つの繊維源とを含んでいる。前記物品の配合物はさらに、1つまたは複数の可塑剤、密度改変剤、流動性改変剤、撥水剤もしくは疎水性添加剤、濃縮剤、および/または他の添加剤など、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。
【0006】
前記物品を作製する方法が、概して、平滑化仕上げ、粗面化仕上げ、および/またはテクスチャード仕上げを有する物品を生み出すように、キャスト成形、モールド成形、押し出し成形、またはフローオン成形(flow−on)によって加工することを含む。表面は、サンディング、ブラッシング、サンドブラスト、スタンピング、エンボス加工、機械加工などの方法を使用してさらに仕上げられてもよい。
【0007】
1つまたは複数の実施態様では、本明細書で説明する物品は、1つまたは複数のあらかじめ選択された定形の領域を含んでいる。定形の領域が、中空であり、逆転し、かつ/または突出した開口部を形成するチャネルであってもよい。定形の領域が、例えば、端部に開口部を形成すること、および/または物品に空洞領域もしくはキャビティを形成することによって、物品内に形成されてもよい。それらの開口部は、物品の(例えば、幅、長さ)全体にわたって及んでいてもよく、及んでいなくてもよい。逆転および/または突出した領域が、本明細書で説明する物品の1つまたは複数の表面から延びている。あらかじめ選択された各定形の領域の数、形状、および位置は、本明細書で説明する物品の質量および/または見かけ密度を低減させるように構成されている。概して、質量および/または見かけ密度は、物品の応力と密度の比に悪影響を及ぼすことなく低減される。いくつかの実施態様では、あらかじめ選択された領域は、本明細書で説明する領域を有しない等価の物品と比べて、応力と密度の比がずっと高い物品を提供するように構成されている。1つまたは複数の実施態様では、あらかじめ選択された定形の領域は、所定の間隔で、物品の長さまたは幅にわたって延びている1つまたは複数のチャネルを備えている。領域が中空であり、物品内にあるときは、その領域の断面形状は、正方形、変形正方形、多角形、矩形、変形矩形、三角形、変形三角形、円形、変形円形、楕円形、変形楕円形、台形、変形台形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0008】
本明細書で説明する様々な実施態様は、対向する細長い2つの側面と、それらの間を延びる複数の側壁とを有する建物用の物品を提供する。この建物用の物品は、1つまたは複数の定形のキャビティを含み、それらの定形のキャビティのうちのいくつかは、内部に形成されてもよい。キャビティの数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が、いくつかの実施態様では、定形の領域なしの等価の建物用の物品の少なくとも20%を超えるか、あるいは定形のキャビティなしの等価の建物用の物品の約25%を超えるか、または約30%を超えるか、または約35%を超える物品を提供するように構成されている。いくつかの実施態様では、定形の領域は、物品の長さにわたって延びている細長いチャネルを複数備えている。チャネルは、物品の表面上、またはその内部に存在していてもよい。いくつかの実施態様では、物品は、好ましくは、厚さ約1/4インチ以上、長さ約6フィート以上である。いくつかの実施態様では、物品は、好ましくは、厚さ約1/4インチ以上、長さ約8フィート以上である。いくつかの実装形態では、物品の対向する側面のうちの少なくとも1つに表面仕上げが形成される。実施態様の1つでは、物品の側壁のうちの少なくとも1つは、その中に複数の開口部が形成されている。その開口部のうちの少なくとも1つは、開口部に嵌まるように構成されたインサート(an insert)を受けるように適合されており、そのインサートは、隣接する2つの物品を横に並べて配置することができる。インサートは、開口部と係合するセルフロック機構を含んでいてもよい。ある実装形態では、インサートには、空気または水を流すことができるようにチャネルが構成されている。
【0009】
さらなる実施態様では、少なくとも1つのキャビティが内部に形成された物品が提供される。その物品は、任意選択で、少なくとも1つのキャビティの近くに埋め込まれるか、またはその内部に配置されたさらなる補強材を含む。さらなる補強材は、さらなる補強材なしの等価の物品と比べてずっと曲げ強度(bending strength)または屈曲強さ(flexural strength)が高い物品を提供するように選択された材料である。いくつかの実施態様では、さらなる補強材は、木材、木質複合材、プラスチックまたはプラスチック複合材(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ガラス、ポリマーフォーム、繊維、金属(例えば、アルミニウム)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。さらなる補強材は、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルムおよび/またはフォームの形態でもよい。実施態様の1つでは、さらなる補強材は、厚さが少なくとも1/4インチのレイヤ(a layer)であり、物品に埋め込まれる。別の実施態様では、さらなる補強材は、キャビティ内に配置された中空の繊維を含む。
【0010】
追加の実施態様では、1つまたは複数の物品を建物構造に設置するためのシステムが提供される。そのシステムは第1の物品を含んでおり、その第1の物品は、対向する2つの側面によって画定された細長い本体と、それらの側面の間を延びる複数の側壁とを有し、内部に形成された2つ以上のあらかじめ選択された定形の領域をさらに備えている。第1の物品は、低密度の繊維で補強したセメント系材料から作製されており、釘打ち可能である。第1の物品の応力と見かけ密度の比は、少なくとも約8.0g/cm3以上、または少なくとも約9g/cm3以上、または少なくとも約9.25g/cm3以上である。このシステムはさらに、少なくとも1つの第2の物品を備えており、その第2の物品はそれぞれ、細長い本体と、隙間を閉じるようにして垂直に第1の物品と係合するように適合された縁部とを有する。実施態様の1つでは、第1の物品の溝は、第2の物品の縁部を受け、それと係合するように形成されている。第1の物品のあらかじめ選択された定形の領域は、第1の物品の端部に開口部を形成する1つまたは複数の中空のチャネルを含んでいる。その開口部は、第1の物品の長さにわたって延びていてもよい。そのシステムは、任意選択で、第1の物品の開口部中に延びてその1つまたは複数の開口部をカバーするように適合されたエンドプラグをさらに備えている。そのシステムは、任意選択で、第1の物品を、開口部を有する別の物品と互いに接合し固定するようにして、第1の物品の少なくとも1つの開口部と係合するように適合された1つまたは複数のインサートさらに備えている。
【0011】
他の実施態様は、形成時に細長い本体と複数の開放型チャネルとを有する、鼻隠し物品を含んでいる。それらのチャネルは、物品の少なくとも一部分に及び、所定の形状およびサイズの中空または溝付きの領域であり、応力と密度の比が開放型チャネルのない等価の物品を超える物品を提供するように選択されている。その物品は、一体構造の材料であり、任意選択で、さらなる補強材を物品内に組み込んでいる。第1の物品の応力と見かけ密度の比は、少なくとも約8.0g/cm3以上、または少なくとも約9g/cm3以上、または少なくとも約9.25g/cm3以上である。ある特定の実施態様では、それらのチャネルは、物品の全長にわたって延びている。各チャネルの断面形状は、概して正方形、矩形、三角形、円形、楕円形、台形、多角形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。チャネルは、サイズ、間隔、および/または形状が必ずしも一様ではない。
【0012】
本明細書で説明するさらなる追加の実施態様は、釘打ち可能であり形成時に複数のチャネルを有する物品を建物構造に据え付ける方法を含む。代表的な方法の1つは、物品の長さが設置面にわたって延びるようにして、物品を建物構造の1つまたは複数の設置面(例えば、屋根の根太(a roof joist))に隣接して配置することと、物品を建物構造に設置するようにいくつかの位置でその物品を釘打ちすることとを含む。1つまたは複数の方法はさらに、第2の物品を建物構造に、第1の物品に隣接して設置することと、それらの2つの物品が端部同士で接合されるようにしてそれらの2つの物品を相互連結することとを含んでもよい。2つの物品を相互連結することは、コネクタの第1の端部を、第1の物品の一方の端部に配置されたチャネルに部分的に挿入することと、コネクタの第2の端部を、第2の物品の一方の端部に配置されたチャネル中に部分的に挿入することとを含む。
【0013】
さらに追加の実施態様は、本明細書で説明する物品を作製する方法を含む。代表的な方法の1つは、一体構造の繊維セメント物品を形成するのに有効な原材料を混合してペーストにすることと、押し出し成型機で加工することと、押し出し成形中に構造物および型を用いてチャネルの外形を作って、2つ以上のチャネルを形成し、それにより、2つ以上のチャネルを有する未硬化の定形の物品を形成することと、その未硬化の定形の物品を硬化させることとを含む。1つまたは複数の方法はさらに、未硬化の定形の物品を形成した後に追加のチャネルを設けることを含んでもよい。1つまたは複数の方法はさらに、表面仕上げ(例えば、例としてサンディング(sanding)、機械加工、ブラッシング)を未硬化の定形の物品に追加することを含んでもよい。1つまたは複数の方法はさらに、硬化後に物品をコーティングすることを含んでもよい。
【0014】
本明細書で説明する他の実施態様は、1つまたは複数の物品を使用するシステムを含む。代表的なシステムの1つは、物品を建物構造に直接釘打ちできる低密度繊維セメントの一体構造の材料から形成された物品を備えており、物品と一体に、かつ物品と建物構造との間の隙間を閉じるようにして配置できる下端も備えている。その物品は、物品内に形成された2つ以上の中空の領域を含み、応力と密度の比が中空の領域なしで作製された等価の物品よりも高い物品を提供するように構成されている。
【0015】
当業者であれば、図面と併せて詳細な説明を読めば、他の重要な面と共に上記に記載した特徴および強化点をさらに理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書で本発明の特徴および利点をより完全に理解するために、次に、本発明の説明を添付の図面を併せて参照する。
【図1A】本明細書で説明する物品の代表的な構成を示す斜視図。
【図1B】図1Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図2A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図2B】図2Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図3A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図3B】図3Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図4A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図4B】図4Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図5A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図5B】図5Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図5C】本明細書で説明する、形成した物品の端面のさらなる代表的な構成を示す図。
【図6A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図6B】図6Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図6C】本明細書で説明する、形成した物品の端面の他の代表的な構成を示す図。
【図7】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図8】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図9】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図10】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図11】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図12A】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す斜視図。
【図12B】図12Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図12C】図12Aの構成と同様の構成の定形の領域を示す端面図。
【図13A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図13B】図13Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図13C】図13Aの構成と同様の構成の定形の領域を示す端面図。
【図14】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図15】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示す斜視図。
【図16A】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図16B】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図17A】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図17B】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図18】本明細書で説明する代表的な物品をインサートと共に示し、切断したときの物品の一方の端部の一部分を示す図。
【図19A】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図19B】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図19C】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図20】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図21A】本明細書で説明する追加の代表的な物品をインサートと共に示し、1つまたは複数の物品の一方の端部および内部の開口部を示す図。
【図21B】本明細書で説明する追加の代表的な物品をインサートと共に示し、1つまたは複数の物品の一方の端部および内部の開口部を示す図。
【図22】1つまたは複数のさらなる補強材を内部に有する本明細書で説明する代表的な物品を示す図。
【図23】1つまたは複数のさらなる補強材を内部に有する本明細書で説明する代表的な物品を示す図。
【図24】インサートによって連結されている代表的な2つの物品の一部分を示す図。
【図25】本明細書で説明する代表的なエンドプラグを示す図。
【図26】本明細書で説明する代表的なエンドプラグを示す図。
【図27】本明細書で説明する物品の一方の端部に配置された代表的なエンドプラグを示し、物品の一部分のみを示す図。
【図28】本明細書で説明する物品の一方の端部に配置された代表的なエンドプラグを示し、物品の一部分のみを示す図。
【図29】本明細書で説明する、2つ以上の定形の領域を有する、形成された代表的な物品を示す断面図。
【図30】本明細書で説明する物品を作製する代表的な方法を示す図。
【図31A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図31B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図32A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図32B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図33A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図33B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図34A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図34B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図35】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図36】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図37】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図38】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図39】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な実施形態の作製および使用を以下で詳細に議論するが、本明細書で説明するように、様々な文脈中に実施できる本発明の多くの概念が提供されていることを理解されたい。本明細書で議論する実施形態は、本発明を作製し使用する手法の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
図面は縮尺が必ずしも正確ではなく、明瞭かつ簡潔にするために、ある特定の特徴の縮尺を拡大して示すこともあり、ある程度一般化または概略化した形態で示すこともある。
【0019】
米国および他の国々では、多くの建材がビニルまたは木材から作製されている。木材またはビニルは、仕上げ製品として、またはアルミニウム下の表面下の材料として使用されることが多い。木材は軽量であるが、天候により色あせおよびひび割れする傾向があり、場所および環境条件に応じて、定期的に、典型的には約3から5年の期間で、再塗装または交換する必要がある。木材から作られた、ボードなどの建材は、木材の天然の構成により、外観が一様でないことが多い。したがって、木材と同等かもしくはそれを超える耐久性があり、天候による色あせもしくはひび割れに対する抵抗力があり、かつ/またはより一様の外観を有する、軽量の物品が必要である。セメント系の建材が、発展しており、耐久性があり、木材製品の代替として長持ちするが、従来の一部のセメントベースの製品は、場合によってはセメントの性質と相まって、ボードの厚さのせいで釘打ちが難しいことがある。さらに、建物用のセメント系ボードは、重く、稠密であり、扱いが難しいことがある。したがって、代替的に、軽量かつ低密度であり、耐久性があり、長持ちし、扱いが簡単でもある、建物用のセメント系物品が必要である。
【0020】
本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態は、本明細書で繊維セメント物品とも称する、1つまたは複数のタイプの繊維で補強されるセメント系物品を提供する。本明細書で説明する物品は、1つまたは複数の構成をとってもよい。ある物品は、パネルまたはシートとして、概して平坦な少なくとも2つの面によって全体的に画定されており、それらの面は、外面であり、概して対向する面である。本明細書の物品は、概して、1つまたは複数の外周縁部も有し、その外周縁部は、概して、表面積が最も小さい面の表面積未満または最も小さい縁部の表面積未満である外面として画定されている。物品の幅がその長さ未満であるときは、その長さは、物品の2つの端部を画定する。他の定形の物品は、2つより多くの端部を有してもよい。本明細書で説明する物品の代表的な構成は、パネル、外柵、サイディング、トリム、鼻隠し板、屋根材、廻り縁、敷板などを含む。本明細書で説明する物品は、外装および内装の用途に使用されてもよい。
【0021】
本明細書で説明する物品のマトリックス構造は、マイクロボイドおよびマクロボイドを含んでいる。マイクロボイドは、概して、約100マイクロメートル(μm)未満のボイドを指し、マクロボイドは、概して、それよりも大きい。マクロボイドおよびマイクロボイドは、本明細書で説明する物品のマトリックス全体にわたって一様に分配されていてもよく、ランダムに分配されていてもよい。1つまたは複数の実施形態では、ボイドは、マトリックス全体に分配されているガスポケットである。ガスポケットは、概して、球形でも、代替の形状のものでもよく、各ポケットまたは空間の呼び寸法は、概して約1ミリメートル(mm)未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約500μm未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約100μm未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約50μm未満である。本明細書で言及するガスポケットは、ある特定の原料源に固有のボイドではない。例えば、ガスポケットは、概して、中空のミクロスフェアもしくは中空のパーライトの構造内に、または材料自体に自然に生じるボイドもしくは材料のない空間を有する他の材料に生じることがある、固有の空間もしくはボイドを指していない。本明細書で説明するように、ガスという用語は、大気、あるいは例として純粋窒素もしくは二酸化炭素などの不活性ガスまたは反応ガスを指してもよい。マトリックスに1つまたは複数のガスポケットを有する、本明細書で説明する物品は、概して、ガスポケットなしの物品よりも低い見かけ密度を呈する。
【0022】
本明細書で説明する繊維セメント物品の見かけ密度は、概して、約1.2g/cm3未満であり、場合によっては、約1.0g/cm3未満である。いくつかの実施形態では、見かけ密度は約0.95g/cm3未満であり、約0.90g/cm3未満でもよく、約0.85g/cm3未満でもよく、約0.80g/cm3未満でもよく、約0.75g/cm3未満でもよく、約0.70g/cm3未満でもよく、約0.65g/cm3未満でもよく、さらに、約0.6g/cm3未満でもよい。見かけ密度は、本明細書で言及するように、物品の乾燥重量(質量)を、外側の平坦な面で画定されたときの物品の体積で割ったものである。本明細書で説明する見かけ密度が低い繊維セメント物品は、見かけ密度が高い物品と比べたときに、軽量であり、扱いが簡単であり、構造上の支持の要件が少ないことが反映されるような建材として特に有効であることが分かっている。見かけ密度が低いことで、1つまたは複数の本明細書で説明する物品は、1つまたは複数の形態で、重過ぎず、稠密でなく、据え付け中に扱いが難しくない、非常に長く軽量に作製されていてもよい。一例では、鼻隠しとして形成された物品の見かけ密度が0.8g/cm3または約0.8g/cm3である。追加の例では、鼻隠しとして形成された物品の見かけ密度は、0.85g/cm3または約0.85g/cm3である。他の例では、トリムとして形成された物品の見かけ密度は0.9g/cm3または約0.9g/cm3である。
【0023】
本明細書で説明する物品の、(概して平面の)2つの面の間の最短距離として測定される厚さは、約3インチ以下でもよい。いくつかの実施形態では、厚さは、約2インチ以下でもよく、約1.5インチ以下でもよい。いくつかの実施形態では、厚さは約1インチ以下または約1/4インチである。こうした物品は、より薄い建材(例えば、厚さ約2インチ以下、または約1.5インチ以下、または約1インチ以下のパネルまたはサイディング)として形成されると、使用時に同じ面積をカバーし、しかも物品を形成するための原料の量を減らすことができる。いくつかの実施形態では、その厚さは、さらに説明するように、形成した物品によって設けられる様々な突起、湾曲、および/または空洞の領域ならびに/あるいは溝付きの領域を考慮して、物品全体で異なっていてもよい。第1の実施例では、トリムの形態の物品の厚さは約1インチである。別の例では、トリムの形態の物品の厚さは約1.5インチである。さらに別の例では、鼻隠しの形態の物品の厚さは約1インチである。さらに別の例では、鼻隠しの形態の物品の厚さは約1.5インチである。さらに別の例では、廻り縁の形態に作製された物品は、より厚い点で、厚さ約0.78インチ、または厚さ約0.83インチである。
【0024】
本明細書で説明する物品が、例としてシート、またはパネル、またはトリム、または鼻隠し、または廻り縁など、より長い物品として構成されるときは、パネルの長さは、全ての外面を考えたときの、同じ面上の2点間の最も長い距離である。多くの場合、本明細書で説明した物品の長さは、約8フィートを超え、または約10フィート以上でもよく、または約12フィート以上でもよく、約16フィート以上でもよい。いくつかの例では、トリム、敷板、または鼻隠しなどのための長い建材は、より速く据え付けできて、連続する部品間の接合部がより少ないと、据え付けの容易さおよび時間を助けることが分かっている。一例では、トリムの形態の物品は、長さ10フィート、または長さ12フィート、または長さ16フィートである。別の例では、鼻隠しの形態の物品は、長さ10フィート、または長さ12フィート、または長さ16フィートである。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、説明する物品は、例として、同じ長さでいくらか細いシート、またはパネル、またはトリム、または鼻隠し、または廻り縁として構成されている。2つの縁部間の距離として測定される物品の幅は、いくつかの実施形態では、約16インチ以下である。幅は、約12インチ以下でもよく、または約8インチ以下、または約6インチ以下、または約5インチ以下でもよい。さらなる実施形態では、幅は約4インチ以下でもよい。いくつかの物品が細いときは、トリムまたは鼻隠し板として使用するのに特に適切なことがあると分かっている。1つの例では、トリムの形態の物品は、幅11.25インチ、または幅7.25インチ、または幅5.5インチ、または幅4.5インチ、または幅3.5インチである。別の例では、鼻隠しの形態の物品は、幅7.25インチ、または幅5.5インチである。有利なことに、本明細書で説明するように質量を減少させ強度を改善した場合は、より長い製品は本明細書で説明するように作製されてもよい。さらに、こうした製品は、長さが長くても長くなくても、(例えば、1つまたは複数の定形のチャネルを欠いた)中実の物品と比べて、取り扱い中および運搬中の破損が減少することが分かっている。本明細書で説明する形成した製品は、例として鼻隠し、トリム、および廻り縁など、ある特定の建材に関して、標準の寸法および要件を満たすことが分かっている。
【0026】
1つまたは複数の本明細書で説明する物品では、外面は、概して平滑な仕上げおよび/または概して粗面の仕上げを有する事実上平坦な面でもよい。さらに、または代替として、少なくとも1つの外面は、事実上、追加の仕上げありで形成されても、仕上げなしで形成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の面上の仕上げは、一様またはランダムの名前および/または特定のマークなど、芸術的なデザインを含んでもよい。いくつかの実施形態では、表面は、木材の粒または石の外観など、既知のテクスチャを模造してもよい。
【0027】
物品は、本明細書で説明するように用意されるときは、1つまたは複数の定形の領域すなわちチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、定形のチャネルは、外部の空洞領域および/または溝付きの領域である。さらに、または代替として、定形のチャネルは、内部の中空の領域でもよい。中空のセクションまたは領域があると、本明細書で説明する物品の重量が減少する。本明細書で説明するような中空セクションは、あらかじめ形成(例えば、形成加工中に用意)してもよい。1つまたは複数の空洞のセクションは、どのセメント系材料または他の材料にもない1つまたは複数の形状を物品内にデザインすることによって物品中に設計してもよい。1つまたは複数の定形の領域は、物品上の機械的力を物品に沿ってより簡単に分散および分配することができ、したがって、局所化した応力の集中を最小限に抑え、物品全体の強度の完全性を保証するように設計される。1つまたは複数のあらかじめ形成された中空の領域は、概して、1つまたは複数の細長いチャネルを備えており、そのチャネルは、物品の長さもしくは幅の一部分またはその全体にわたって延びていてもよく、及んでいてもよい。物品に2つ以上の空洞領域が設けられるときは、各領域の形状は、互いに同じでもよく、同様でもよく、または異なっていてもよい。単一の物品に1つまたは複数のあらかじめ形成された中空の領域は、局所化する応力の集中を最小限にし、かつ/または密度を減少させるために、同じにする必要はない。
【0028】
さらに、または代替として、本明細書で説明する1つまたは複数の物品表面は、外側に突出および/または内側に湾曲する部分を有する、1つまたは複数の追加の定形のチャネルを有していてもよい。突出または湾曲したチャネルは、機能性の部分を含んでいてもよく、またはデザインの特徴として機能してもよく、あるいはそれらの組み合わせでもよい。こうした定形の表面の例は、キーライン、ビード、および溝である。湾曲または突出した部分は、深くてもよく、または表面にのみあってもよい。いくつかの物品は、複数の定形の領域の組み合わせを含んでいてもよい。例えば、湾曲および/または突出した部分を、1つまたは複数の内部の空洞領域とさらに組み合わせてもよい。空洞部分の場合には、本明細書で説明する物品の外側部分および湾曲した部分は、本明細書で説明する物品の重量をさらに減少させることができる。物品の外側部分および/または湾曲した部分は、あらかじめ形成される(例えば、形成加工中に準備される)ことが多い。1つまたは複数の湾曲および/または突出した部分は、物品の少なくとも1つの表面上にこうした部分のうちの1つまたは複数をデザインすることによって、物品中に設計されることが多い。湾曲した部分は、概して、どのセメント系材料または他の材料にもない領域を含む。突出した部分は、概して、セメント系材料を全体にまたは部分的に備えている。突出または湾曲した部分のいずれかを、さらに、内部の空洞領域と組み合わせてもよい。1つまたは複数の湾曲または突出した定形の領域は、物品上の機械的力を物品に沿ってより簡単に分散および分配することができ、したがって、局所化した応力の集中を最小限に抑え、物品全体の強度の完全性を保証するように設計されることが多い。いくつかの実施形態では、湾曲および/または突出した各領域の数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が約10%か、又は本明細書で説明する定形の領域なしで構築した同様の寸法の従来の物品に見られるよりも高い、本明細書で説明する物品を提供するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、湾曲および/または突出した各領域の数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が約15%か、又は本明細書で説明する定形の領域なしで構築した同様の寸法の従来の物品に見られるよりも高い、本明細書で説明する物品を提供するように選択されてもよい。追加の実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも20%高い物品が提供される。さらなる実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも25%高い物品が提供される。さらなる実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも30%高い物品が提供される。
【0029】
本明細書で説明する定形の領域は、応力と密度の比に事実上影響を及ぼすことなく、物品の質量および見かけ乾燥密度を低下させるように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、定形の領域の数、構成、および配置は、質量を減少させながら、最終の物品の応力と見かけ密度の比を実際に改善するように選択される。他の実装形態では、定形の領域は、物品の質量を減少させ、同時に、物品の曲げ破壊係数(MOR)および弾性係数(MOE)を上昇させるように構成される。
【0030】
上記で説明したように、本明細書で説明する、2つ以上のチャネルおよび/または2つ以上の中空の領域を有する物品の応力と密度の比は、同じ外寸の中実の物品(チャネルまたは中空の領域を有しない物品)と事実上同じでもよく、それを超えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、本明細書で説明する物品の応力と見かけ密度の比は、8MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、応力と見かけ密度の比は、11.79MPa/(g/cm3)3、または約11.79MPa/(g/cm3)3以上である。いくつかの実施形態では、応力と見かけ密度の比は、12MPa/(g/cm3)3または約12MPa/(g/cm3)3以上である。応力と密度の比などの特性は、パネルおよびボードとして形成された物品などの多くの物品が、建物に設置されたときに何らかの構造上の自己支持をもたらすので、多くの建物用の物品で重要である。したがって、中空の領域は、適切に配置されないときには、物品応力と密度の比および他の特性に潜在的にかつ悪い方に影響を及ぼす可能性がある。本明細書で説明する物品の見かけの応力と密度の比は、概して、(本明細書で説明する定形の領域を欠いた)繊維補強した従来のセメント系建材と比べて高い。いくつかの実施形態では、飽和MOR値(単位はMPa)と絶乾密度(単位はg/cm3)の3乗(密度の3乗)の比は、約7MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、この値は、約7.5MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約8MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、MORと密度の3乗の比は、約9MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約10MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約11MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約12MPa/(g/cm3)3を超える。絶乾密度は、ASTM C567およびC1185に従って測定される。MORの測定は、厚さ1インチの物品に関して試験片の長さが最小で18インチ必要である、ASTM C1185に基づいている。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、中空の領域を合わせると、物品の見かけ体積の約30%未満を占めており、または物品の見かけ体積の約28.3%を占めていてもよく、または見かけ体積の約25%以下を占めていてもよい。
【0032】
本明細書で説明する物品に関するいくつかの代表的であり適切な構成を図1〜図18および図21〜図24に示す。各図は、1つまたは複数の定形の部分を有する1つまたは複数の物品を示し、それらの定形の部分は、内側に湾曲し、外側に突出し、かつ/または、内部の空洞部分もしくはキャビティを物品中に含んでいる。多くの実施形態では、定形の領域は、その幅および/または長さに沿って物品全体に及ぶ。湾曲し、突出し、かつ/または空洞領域が2つ以上あるときは、前記領域は、以下でさらに示し、説明するように、同じ形状を有してもよく、異なる形状を有してもよい。
【0033】
図1は、それぞれ物品の長さに及ぶ空洞領域として2つ以上のチャネル12を有するように形成されたときの、代表的な物品10の代表的な概略斜視図(1A)および概略端面図(1B)である。図は、それぞれ異なる形状の空洞領域を示す。代表的な形状は、円形、三角形、楕円形、正方形、または他の多角形を含み、それらのうちのいくつかが図に示されている。図では、空洞領域は、概して、それぞれほぼ等しい間隔をあけて配置されており、最も外側の各定形の領域は、側方の縁部からそれぞれほぼ同じ距離の位置にある。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。他の実施形態では、チャネルは、物品の一部分にしか及ばず、概して、物品の少なくとも一方の端部に開口部を形成する。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の両端に開口部を設ける。代替の実施形態では、チャネルは、同じ形状を有しなくてもよく、連続のパターンまたは不連続のパターンであってもよい。
【0034】
図2は、2つ以上の空洞領域23を有するように形成された物品20の代表的な概略斜視図(図2A)および概略端面図(図2B)であり、それぞれの空洞領域23は、同じ一般的な形状を有する。代替の実施形態では、チャネルは、同じ形状を有していなくてもよく、連続のパターンまたは不連続のパターンであってもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。他の実施形態では、チャネルは、物品の一部分にしか及ばず、概して、物品の少なくとも一方の端部に開口部を形成する。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の両端に開口部を設ける。
【0035】
図3は、2つ以上の空洞領域33を有するように形成された物品30の代表的な概略斜視図(図3A)および概略端面図(図3B)である。図示の複数の空洞領域は、第1の形状を有する最も外側の定形の領域と、第2の形状を有する中心の空洞領域とを含んでいる。
【0036】
図4は、それぞれが同じ一般的な形状を有する、2つ以上の空洞領域45を有するように形成された物品40の代表的な概略斜視図(図4A)および概略端面図(図4B)である。図4には、図2または図3よりも多くの空洞部分がある。図4の形成した物品の幅および/または厚さは、図2または図3のいずれかのものと同じでもよく、それを超えてもよく、それ未満でもよい。
【0037】
図5Aおよび図5Bは、2つ以上の空洞領域56を有するように形成された物品50の代表的な概略斜視図(図5A)および概略端面図(図5B)である。複数の空洞領域は、1つおきの空洞部分が第1の形状であり、隣間の空洞部分が第2の形状であるという一般的なパターンを形成することで、見かけ上のパターンを形成している。図5には、図2または図3または図4よりも多くの空洞部分がある。図5の形成された物品の幅および/または厚さは、図2、図3、または図4と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0038】
図5Cは、図5Aまたは図5Bに示すよりも少ない空洞領域56を有する、形成された物品50の代表的な概略端面図である。図5Cの形成された物品の幅および/または厚さは、図5Aまたは図5Bのものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0039】
図6は、2つ以上の空洞領域64を有するように形成された物品60の代表的な概略斜視図(図6A)および概略端面図(図6B)であり、それぞれの空洞領域64は、同じ一般的な形状を有する。図6には、図2、図3、図4、または図5よりも空洞部分が少ない。図6の形成された物品の幅および/または厚さは、図2、図3、図4、または図5のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0040】
図6Cは、図6Aまたは図6Bに示すよりも少ない空洞領域64を有するように形成された物品60の代表的な概略端面図である。図6Cの形成された物品の幅および/または厚さは、図6Aまたは図6Bのものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0041】
図7は、2つ以上の空洞領域72を有するように形成された物品70の代表的な概略端面図である。図中の複数の空洞領域は、等間隔に間隔をあけて配置されているように示されている。こうした等しい間隔は必ずしも不可欠なものとは限らない。
【0042】
図8は、2つ以上の空洞領域82を有するように形成された物品80の代表的な概略端面図である。複数の空洞領域は、パターンに見えるものを形成し、第1の定形の領域82と第2の定形の領域84を含んでおり、第1の形状が第2の形状に続いて配置されることで、見かけ上のパターンが繰り返される。
【0043】
図9は、2つ以上の空洞領域94を有するように形成された物品90の代表的な概略端面図である。複数の空洞領域は、第1の形状を有する最も外側の空洞領域と、異なる第2の形状を有する中心の空洞領域とを含んでいる。
【0044】
図10は、2つ以上の空洞領域102を有するように形成された物品100の代表的な概略端面図である。それぞれの空洞領域は、同じ一般的な形状を有し、概して互いから等しい間隔をあけて配置されている。図10には、図7よりも多くの空洞部分がある。図10の形成された物品の幅および/または厚さは、図7のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0045】
図11は、2つ以上の空洞領域112を有するように形成された物品110の代表的な概略端面図である。空洞領域はそれぞれ、同じ一般的な形状を有し、概して等間隔をあけて配置されている。図11には、図4よりも多くの空洞部分がある。図11の形成された物品の幅および/または厚さは、図4のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0046】
図12は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、122および123)と、2つ以上の突出した領域(例えば、124、126、および128)とを含む、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品120の代表的な概略斜視図(12A)および概略端面図(12B)である。この実施形態では、一部の定形のチャネルは形状およびサイズが互いに似ているが、他のものは一様でない。図12Cは、構成が図12Aおよび図12Bと同様である、形成された物品の別の代表的な概略端面図である。
【0047】
図13は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、134および136)と、2つ以上の突出した領域(例えば、132および138)とを含んでいる、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品130の代表的な概略斜視図(13A)および概略端面図(13B)である。さらに、図13は、それぞれ空洞領域(例えば、131および133)を形成する、2つ以上の定形のチャネルを有する。図13の一部の空洞領域は、互いに同様の一般的な形状を有している。図13Cは、構成が図13Aおよび図13Bと同様である、形成された物品の別の代表的な概略端面図である。図13Cでは、空洞領域はそれぞれ、概して、互いに同様の形状を有する。
【0048】
図14は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、144)と、2つ以上の突出した領域(例えば、145、146、147)とを含んでいる、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品140の代表的な概略端面図である。図14は、2つ以上の内部の空洞領域(例えば、142、143、および148)を備えている定形のチャネルも示している。この実施形態では、空洞のチャネルは、互いに形状およびサイズが一様でない。突出した領域および逆転したチャネルも互いに形状およびサイズが一様でない。
【0049】
図15は、2つ以上の定形のチャネル(例えば、152、153、155)を有する物品150の代表的な概略斜視図である。この実施形態では、チャネルのうちの1つが、突出した領域154から形成されている。
【0050】
図16Aおよび図16Bは、端部に2つ以上の開口部162を有するように形成された物品160の代表的な概略端面図である。それぞれの開口部は、開口部内に嵌まるように構成された、断面で示されたインサート164を含む。インサートは、本明細書で説明する、形成した物品の少なくとも一方の端部に配置されてもよい。図16Aおよび図16Bの両方で、インサートはそれぞれ、断面図では同じ一般的な形状を有するように示されている。追加の実施形態では、いくつかのインサートは、異なる断面形状を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、全ての開口部が常にインサートを必要とするとは限らず、または含むとは限らない。
【0051】
図17Aおよび図17Bはそれぞれ、一方の端部に2つ以上の開口部172を有するように形成された物品170の代表的な概略端面図を示す。それぞれの開口部は、開口部に嵌まる、断面で示された定形のインサート174を含んでいる。それぞれのインサートは、配置されたときに、形成した物品の少なくとも一方の端部にある。図17Aおよび図17Bの両方において、それぞれのインサートは、互いに同じ一般的な形状を有するように示されている。追加の実施形態では、いくつかのインサートは互いに異なる形状を含んでいてもよい。全ての開口部がインサートを必要とするとは限らず、または必ずしも含んでいるとは限らない。
【0052】
図18は、物品幅に沿って切断したときの物品180の一方の端部の一部分のみを示す。その図は、2つ以上のインサート182を示す。それぞれのインサートは、互いに同じ一般的な形状を有しており、物品180の空洞部分184中に配置されている。それぞれの空洞部分は、図中では、互いに同じ一般的な形状を有している。空洞部分186はインサートを含んでいない。追加の実施形態では、いくつかの空洞領域が互いに異なる形状であってもよく、かつ/または、数個かもしくはそれ以上の空洞領域がインサートを含んでいてもよい。
【0053】
物品は、用意されたときに、一体の構造を有し、それにより、物品は、1つまたは複数の層、シート、またはレイヤを積層することによって構成または形成されるものではない。
【0054】
本明細書で説明する物品の飽和時の曲げ破壊係数(MOR)は、概して、約4MPaを超える。いくつかの実施形態では、物品の飽和MOR値は、約7MPaを超えるか、または約8MPaを超える。いくつかの実施形態では、物品の飽和MOR値は、約10MPaを超える。例えば、鼻隠しとして形成された物品の外気温でのMORは、約6から9MPaでもよい。飽和時には、形成した鼻隠し物品のMORは、約6.2から約9.9MPaであるか、またはいくつかの実施形態では9.9を超える。別の例では、鼻隠しとして形成された物品の外気温でのMORは、約7.6から約8.7MPaでもよい。さらなる例では、同様に形成した物品の場合のMORは、8.7MPa以上でもよい。
【0055】
本明細書で説明する物品の弾性係数(MOE)は、概して、約7GPa未満であり、約6.5GPa未満であることが多い。いくつかの実施形態では、MOEは、約6GPa未満、または約4GPa未満、または約3.5GPa未満である。例として、鼻隠しとして形成された物品は、飽和MOEは約3.2から約4.7GPaでもよい。さらなる例では、同様に形成した物品のMOEは4.7GPaを超えてもよい。
【0056】
多くの実施形態では、物品は、用意したときに、見かけ密度が約0.77であり、そのため、物品の飽和MOR値が約9.1MPa、飽和MOE値が約5.7GPaになる。別の実施形態では、物品の飽和MOR値は、約6.5MPa、飽和MOE値は約5.4GPaである。さらに他の例を表2に提示する。
【0057】
MOR、MOEなど、新規の物品の性能パラメータは、ASTM C1185またはその改訂版によって特徴付けられる。
【0058】
上記で説明した定形のプロフィルを使用すること、および/または、物品に少なくとも1つのさらなる補強材を追加することによって、本明細書で説明する物品の扱い易さが改善される。適切なさらなる補強材は、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルム、およびフォームの形態でもよい。さらなる補強材に使用される材料の例は、それらに限定されないが、木材、木質複合材、プラスチックまたはプラスチック複合材(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ガラス、ポリマーフォーム、繊維、金属(例えば、アルミニウム)、およびそれらの組み合わせを含む。実施形態の1つでは、さらなる補強材は、メッシュまたはファブリックであり、それらは、織物または不織物とすることができるが、好ましくは、正多角形または円形の開口部を有する。さらなる補強材はまた、中空の繊維を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、さらなる補強材の破壊時の伸びは20%以下である。別の実施形態では、さらなる補強材は、厚さが少なくとも1/4インチの補強レイヤを備えている。選択されるときには、さらなる補強材料は、高い耐アルカリ性、高いUV抵抗性、長期間の耐久性、耐火性などの特性を含んでいてもよく、所定の引っ張り強度を有するべきである。1つまたは複数の実装形態では、本明細書で説明する物品にさらなる補強材を使用することにより、さらに長い物品の作製にとって、輸送期間中および据え付け中の破損を避けることが可能になる。
【0059】
さらなる補強材を有する物品を作製する際には、物品は、物品に埋め込まれたさらなる補強材料を含んでいてもよい。さらなる補強材料は、埋め込まれたときに、物品の長さ全体に及んでいてもよい。さらなる補強材料は、埋め込まれたときに、物品内のどの深さに埋め込んでもよく、物品の表面からは概ね見えない。さらに、または代替として、物品は、物品内に形成した1つまたは複数のキャビティと、そのキャビティ中に配置したさらなる補強材料とを含んでもよい。さらなる補強材料は、さらなる補強材のない等価の物品と比べて曲げ強度がさらに高い物品を提供するように選択される。さらなる補強材は、長さ約8フィート以上、または約8フィート以上、または約12フィート以上で、かつ厚さ約3/4インチ以上、または厚さ約1インチ以上の物品に設けられることが多い。
【0060】
図22に、さらなる補強材料を配置するための複数のキャビティ222を有する物品220を一般的な形態で示す。それらのキャビティは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。実施形態の1つでは、さらなる補強材料は、連続の補強繊維の形態である。さらなる追加の補強材料が、キャビティ中に存在してもよい。さらに、または代替として、いくつかの実施形態では、キャビティはそれぞれ、同じまたは異なるさらなる補強材料を有していてもよい。図22に、概ね互いに同じ形状のものであり、概ね互いから等しい距離をあけて配置されている、内部の空洞領域としていくつかのチャネル224を有する物品220を示す。他の実施形態では、空洞領域は、互いに同じ形状またはサイズである必要はない。この実施形態では、内部にさらなる補強材料を有するキャビティ222が、空洞領域の近くに配置されている。キャビティ222は、この実施形態では、互いから、物品の空洞領域から、かつ側方の縁部から等しい距離だけあけて配置されているように示されている。他の構成は、所望の通りに作製してもよい。
【0061】
図23は、さらなる補強材料234を物品内に有する物品230を一般的な形態で示す。さらなる補強材は物品に埋め込まれている。さらなる補強材は、物品の上側表面から特定の深さにあるように示されているが、実際にはどの深さに埋め込まれていてもよい。通常、さらなる補強材は、埋め込まれたときに、物品中、またはその上に配置された定形の領域と干渉していない。実施形態の1つでは、さらなる補強材は金属メッシュである。図23では、物品230はさらに、概ね互いに同じ形状であり互いから等しい距離をあけているように示された、いくつかの空洞領域232を含む。それらのさらなる補強材は、各空洞領域から等しい距離の位置に配置されているように示されている。追加の構成は、所望の通りに準備してもよい。
【0062】
実際には、内部に1つまたは複数の定形の領域を有するある物品が、内部に1つまたは複数の定形の領域を有する第2の物品と協働してもよい。形態の1つでは、2つの物品が一緒に働くときに協働が起きる。互いに直接隣接する2つの物品が位置合わせおよび/または接合されたときに協働が起きてもよい。1つまたは複数のインサートの使用によって協働が補われてもよい。インサートは、本明細書で説明する物品の側壁に形成された開口部と係合するように設けられる。通常、インサートの一方の端部が、第1の物品の第1の端部で概して中空の領域の形態である、開口部内に配置されている。インサートの他方の端部は、少なくとも1つの端部にある、隣接する第2の物品の(概して中空の領域の形態の)開口部内に配置されている。形成された2つの物品の端部開口部がインサートなどによって位置合わせされるときに、それらの2つの物品は互いに接合される。したがって、物品の端部開口部は、第2の物品と協働できるようにインサートを受けるように適合されていることが多い。この例では、インサートは、隣接する2つの物品を互いに固定するように働く。所望のときには、インサートにより、現場で(例えば、建物で)別の物品に隣接して配置されたときに、2つ以上の物品の間で継ぎ目のない外観が可能になる。インサートの1つまたは複数の形態は、物品上にある1つまたは複数の端部開口部を閉じるように働いてもよい。
【0063】
本明細書で説明するインサートの様々な形状が図18〜図21および図24に示されており、これらは非限定的な例として役立つ。隣接する物品は、インサート1つだけ有してもよく、図18、図21A、図21B、および図24に示すように複数のインサートを有してもよい。図18、図21A、および図21Bはそれぞれ、少なくとも1つの端部開口部にインサートを有する、1つまたは複数の代表的な物品の一部分を示す。図21Bおよび図24は物品を2つ示す。図24では、物品242および243は、互いに隣接して配置されており、245として示す2つ以上のインサートがそれぞれ嵌められている。1つまたは複数のインサートを受けるための様々な代表的な端部開口部は、図1〜図11、図13〜図17、図21A、図21B、および図22〜図24に示されており、これらは非限定的な例として供給する。
【0064】
本明細書ではコネクタとも称するインサートが、任意の適切な材料から作製されてもよく、複合材料製でもよい。コネクタを作製するのに使用される材料の代表的な例は、これらに限定されないが、金属、プラスチック、ゴム、フォーム、木材、形成可能なスポンジなどを含む。コネクタは、通常、本明細書で説明する物品の中空の領域に簡単に挿入できる形状を有するように設計されている。コネクタは、開口部に挿入されるときに、概ね良好に嵌まり、固定されており、したがって引き出しにくい。いくつかの形態では、コネクタは、1つまたは複数のプラグによってさらに固定されてもよい。図示していない追加のコネクタの形状も適切である。本明細書で説明する物品の少なくとも1つの端部開口部は、横に並べて配置された隣接する2つの物品を互いに接合するように構成されたコネクタを受けるように設けられる。1つまたは複数の実施形態では、コネクタは、物品の開口部とさらに係合するセルフロック機構または固定/係合/捕捉機能を有する。ある特定の実装形態では、コネクタは、物品を通して空気が流れることが可能であるか、または水(例えば、水分)が開口部の内部から流出できるように内部に構成されたチャネルを有している。
【0065】
1つまたは複数の定形の領域を有する物品を、空洞があっても、突出していても、または湾曲していても、エンドキャップと嵌めることができる。物品の一方の端部のみ、または物品の両方の端部が、エンドキャップを含んでいてもよい。エンドキャップは、物品の端部全体を覆っていてもよく、その一部分のみを覆っていてもよい。エンドキャップは、通常、物品の端部に存在する1つまたは複数の中空の領域を閉じるかまたはシールするようにデザインされている。エンドキャップは、水が物品の内装に達しないことを助けるようにして形成されていてもよい。エンドキャップを、虫が内部で巣を作らないこと、または水が物品中にその端部で入り込まないことを助けるために使用してもよい。エンドキャップは、端部の一部分のみのためのものであり、したがって、物品の端部にある開口部を1つだけ、またはいくつかの開口部を閉じるのに有効であってもよく、あるいは、全ての開口部および空洞領域が単一にエンドキャップで閉じられるように、物品の端部全体に嵌まるようにデザインされていてもよい。一例では、エンドキャップは、物品の端部で開口部または空洞領域に部分的に嵌まるインサートと同様に形成された特徴を含んでいてもよい。
【0066】
エンドキャップの例を図25および図26に示す。これらの両方の図は、端部にインサート似の特徴を複数含む単一のエンドキャップを示す。図25は、本明細書で説明する物品の端部と面一に嵌まり、概ね物品の端部全体に嵌まる、代表的なエンドキャップである。図26は、本明細書で説明の物品の端部の周りに部分的に巻き付き、したがって、物品の端部全体に嵌まる、エンドキャップである。
【0067】
図27は、図24と同様であり、物品の端部に配置された状態で示すエンドキャップを示す。物品は、エンドキャップが1つまたは複数の空洞領域に嵌まっている様子を示すために切り取られている。この図では、物品は、エンドキャップのインサート様の特徴物でふさがれていないいくつかの空洞領域を有する。
【0068】
図28は、物品の端部に配置されたときにやはり図24と同様であり、物品の端部の周りに巻き付いた状態で示す、エンドキャップを示す。
【0069】
エンドキャップは、例として金属、プラスチック、ゴム、フォーム、プラスチック、ポリマー複合材料、木材、形成可能なスポンジ材料などの任意の適切な材料または複合材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、エンドキャップは、物品の色に合うように製造および/または塗装される。エンドキャップは、任意の所望の長さのものでもよい。エンドキャップの長さは、物品の幅全体に合っていてもよく、合っていなくてもよい。エンドキャップの適切な長さの範囲は、少なくとも約1インチから約16インチの範囲を含む。エンドキャップの所望の寸法および追加の機能は、形成される物品の幅、物品の端部のかぶせられる部分の厚さ、および/またはかぶせられる被覆の数に応じて変わることが多い。
【0070】
本明細書で説明する物品は釘打ち可能である。釘打ち可能である特性には、物品の厚さが反映されてもよく、所与の釘の構成が、その厚さを通して、(例えば、釘が、物品の縁部からある距離だけ離れた位置で外面と面一に提供されるときに)物品へのひび割れまたは分裂などの損傷を引き起こすことなく押し込まれてもよい。釘打ち可能であることは、釘の貫通、釘の引き抜き、および横方向の釘の抵抗も特徴とする。釘打ち可能である物品は、釘打ち不能であるものよりも簡単に速く据え付けられる。本明細書で説明する物品に関しては、標準の釘打ち機を使用してもよい。釘打ち不能な製品は、ねじを使って据え付ける必要があり、したがって、穿孔、および/または何らかのタイプのクリップもしくはフックが必要であり、したがって、より長い時間が必要であり、統一性が低減される。本明細書で説明する物品の据え付けは、電気式または空気圧式の釘打ち機など、自動のデバイスを使って行ってもよい。本明細書で説明する物品が釘打ち可能であることは、例えば、自動のデバイスによって据え付けられた釘がそれぞれ、釘打ち機のある範囲の圧力設定または多数の調節を必要とすることなく、正確であり視覚的に満足する高さに設けられることを意味する。
【0071】
本明細書で説明する定形の物品を形成するには、水硬性結合剤、1つまたは複数の繊維源、熱可塑性薬剤ありまたは熱可塑性薬剤なしの1つまたは複数のシリカ源を含む配合物が必要である。水硬性結合剤は、単一の材料またはセメントなどの複合材料でもよい。結合剤の例には、これらに限定されないが、ポルトランドセメント、高アルミナセメント、石膏、石灰、高炉スラグなどならびにそれらの組み合わせが含まれる。水硬性結合剤は、概して、配合物の約20重量%から約80重量%に相当する。いくつかの実施形態では、水硬性結合剤は配合物の約30重量%を超える。他の実施形態では、水硬性結合剤は配合物の約38重量%を超える。いくつかの実施形態では、水硬性結合剤は、70重量%未満であるか、または配合物の60重量%未満であるか、または配合物の約50重量%未満である。結合剤は、配合物に、したがって形成された物品に、色を加える1つまたは複数の材料を含んでいてもよい。さらに、または代替として、配合物は、色調、または色調を提供するかもしくは混合したときに配合物の色を変える材料含んでいてもよく、それにより、形成された物品に色付けするかまたはその色を変更する。
【0072】
本明細書で説明する配合物で使用される繊維は、漂白でも無漂白でもよい、セルロース繊維など、植物または木材をベースとした繊維を含んでいてもよい。選択される植物または木材ベースの繊維は、概して、中空であり、軽量であり、多次元であり、形成した物品のマトリックス中にあるときは優秀な強度補強材を提供する。繊維の寸法は、製品の特定の釘打ち可能性、密度、および靭性を実現するためにあらかじめ選択されてもよいことが分かっている。繊維の長さは約0.05mmから約5mmでもよい。いくつかの実施形態では、繊維の長さは約3mm未満である。繊維の長さは、いくつかの実施形態では、約1mmを超える。繊維の直径は、概して、約5μmと150μmの間である。本明細書で使用する繊維は、繊維の表面または隣接するセメント系マトリックスの上または近くにおいて、カビ、バクテリア、藻類、または苔癬の成長を遅らせる1つまたは複数の殺生物剤で最初に処理してもよい。本明細書で使用する繊維は、水による損傷を低減するために最初に1つまたは複数の撥水剤で処理してもよく、それにより、セメント系マトリックスへの水の浸入が制限される。殺虫剤および/または撥水剤は、代わりにまたはそれに加えて、あらかじめ処理した繊維に使用する代わりに配合物(例えば、混合物)に加えてもよく、あらかじめ処理した繊維の使用に加えて配合物(例えば、混合物)に加えてもよい。
【0073】
本明細書で説明する配合物のための繊維はさらに、融点が高いポリマーベースの合成繊維を含んでいても含んでいなくてもよい。融点が高いポリマー繊維の例は、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アラミドなどである。ポリマー繊維は、木材ベースの繊維よりも粘弾性の性質が高いことが多く、したがって、形成されたときの繊維セメント物品に高い可撓性および良好な性能の特徴を提供することができる。発明者らには、仕上げ物品中にあるときに繊維の完全性に影響を及ぼすことなく、繊維の融点よりも高いオートクレーブ温度を、本明細書で説明する配合物のために使用してもよいことが分かっている。例えば、あるポリプロピレン繊維の融点が160℃であるが、繊維補強材への明らかな影響なしに、170℃、または175℃、または180℃の温度を含む、融点温度よりも高いオートクレーブの温度を利用することができる。その繊維は、炭素繊維、耐アルカリガラス繊維など、無機の繊維をさらに含んでいてもよい。無機の繊維は、使用時には、メッシュ、マット、または連続した構成の形態でもよい。
【0074】
本明細書で説明する配合物では、シリカ源は、例として粉砕シリカ、シリカフューム、フライアッシュ、スラグ、粘土など、およびそれらの様々な組み合わせを含む、1つまたは複数の骨材を含んでいてもよい。配合物のシリカ源は、概して、約10重量%から約70重量%である。いくつかの実施形態では、シリカ源は約20重量%を超える。他の実施形態では、約30重量%を超える。さらなる実施形態では、シリカ源は約60重量%未満である。シリカ源は、約50重量%でもよく、約50重量%未満でもよい。シリカ源は、物品の凝固および/または硬化に影響を及ぼすこともあるマトリックスの強度を改善するように粉砕されてもよい。いくつかの実施形態では、粉砕粒子の表面積は、約500m2/kg以下でもよく、約450m2/kg以下でもよい。追加の実施形態では、粒子の表面積は、粉砕時は、約400m2/kg未満でもよい。いくつかの実施形態では、粒子は、約380m2/kgでもよく、約380m2/kg未満でもよい。
【0075】
多くの実装形態では、本明細書で説明する配合物はさらに、1つまたは複数の低密度添加剤を含んでいる。低密度添加剤は、代表的な例としてセノスフェア、独立気泡の膨張パーライト、開放気孔の膨張パーライト、珪酸カルシウム水和物、フライアッシュ、有機または無機のミクロスフェア、およびそれらの様々な組み合わせのうちの1つまたは複数でもよい。1つまたは複数の低密度添加剤を取り入れることは、マトリックスの真密度を低下させ、したがって、形成時の物品の見かけ密度の低下に貢献することが分かっている。
【0076】
1つまたは複数のセメント促進剤が、本明細書で説明する配合物に含まれてもよい。促進剤は、珪酸カルシウム水和物、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミン、繊維セメント製品のリサイクル粉末、低密度添加剤など、およびそれらの様々な組み合わせに相当してもよい。促進剤は、未硬化の繊維セメント物品として形成されるときに物品がより速く固化および凝固できるようにする、速く固化する能力を有していてもよい。その能力により、さらに、未硬化の物品に損傷を与えることなく、加工後の未硬化の物品をうまく扱うことができる。促進剤は、硬化促進剤(fast curing agent)でもよい。急速に硬化することで、工程時間が短縮され、したがって、コストが削減され、形成した製品を迅速に製造および使用することができる。硬化した製品に形成される化学的な様相を変更し、したがって、最終製品の変更された性能および/または所望の性能をもたらすように促進剤を選択してもよいことが分かっている。
【0077】
本明細書で説明する配合物はさらに、1つまたは複数の増粘剤または加工強化剤(process enhancing agent)を含んでいてもよい。増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースエーテル、または他の適切な化合物など、可塑剤、超可塑剤、分散剤、または濃縮剤のうちの1つまたは複数から選択されてもよい。増粘剤または加工強化剤は、製造中に混合工程および形成工程を助ける。
【0078】
さらに、本明細書で説明する配合物は、1つまたは複数の発泡剤、または空気捕捉剤(air entrapping agent)、または吹き込み剤(blowing agent)、および/または気泡安定剤を含んでいてもよい。製造中に物品のマトリックスにガスポケットを取り入れるのを助ける化合物または化学物質は、発泡剤または吹き込み剤と考えられてもよい。例には、代表的な例として、炭酸カルシウム水和物、重炭酸ナトリウム、アルミニウム粉末など、ガスまたはガスを発生する材料が含まれる。こうした材料は、通常、熱または水分によって活性化され、二酸化炭素または水素などのガスをマトリックス中に放出され、したがって、上記で説明した1つまたは複数のガスポケットまたはボイドが取り入れられ形成される。いくつかの実施形態では、ボイドは、さらにまたは代替的に、空気捕捉剤があってもなくても、空気またはガスの存在下で、激しく混合することなど、機械的な空気の連行によって物品に組み込まれてもよい。
【0079】
ここまで説明した配合物は乾燥質量ベースである。さらに、配合物に水が乾燥質量ベースで配合物の重量の約75%未満の量だけ追加される。多くの実施形態で、水の含有率は、配合物の50%未満であるか、または40%未満であるか、または30%未満である(乾燥重量に基づく)。
【0080】
1つまたは複数の本明細書で説明する物品を作製するのに有効な代表的な構成要素および変更形態を表1に提示する。
【0081】
【表1】
【0082】
表1に提示したものなど様々な実施形態の場合に、セメントは、一例として、ポルトランドセメントの形態でもよい。珪質物は、一例として、シリカまたは砂の形態でもよい。繊維は、一例として、セルロースパルプおよび/または設計された繊維の形態でもよい。他の骨材は、一例としてフライアッシュの形態でもよい。分散剤または濃縮剤は、一例として、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースの形態でもよい。可塑剤は、一例として超可塑剤でもよい。
【0083】
表2は、本明細書で説明する代表的な3つの物品に関する、見かけ密度、飽和MOR、および飽和MOEを提示する。
【0084】
【表2】
【0085】
物品Aは、約40〜49重量%のセメント、30〜38重量%のシリカ源、7〜9重量%のハンマーミルで粉砕したセルロース繊維、0.5〜3重量%の合成繊維、8〜11重量%の低密度添加剤、および3重量%未満の増粘剤を含む配合物で作製された。物品BおよびCは、約45〜50重量%のセメント、30〜35重量%のシリカ源、7重量%未満のハンマーミルで粉砕したセルロース繊維、3重量%未満の合成繊維、12〜19重量%の促進剤、および2重量%未満の増粘剤を含む配合物を用いて作製された。全ての配合物において、シリカ源は、平均表面積が400m2/kg未満の粒子を生成するように粉砕された。全ての配合物において、セメント中のカルシウムとセメント中のシリカの比は、50:50から60:40の範囲であった。
【0086】
物品は、キャスト成形、モールド成形、押し出し成型、フローオン成形、または一体構造の構造物を形成するための他の同様の方法のうちの1つによって加工される。したがって、原料は、使用する工程によって必要に応じて修正してもよい。どんな工程の場合でも、原料は、しっかりと混合されて、均一の混合物を形成する。原料は全て、最初に取り入れられてもよく、一部の原料は、工程(例えば、連続する工程)中に配合物に取り入れられてもよい。押し出し成形を含むいくつかの方法では、原料は、同じ工程ステップ中に、取り入れられ、混合されてもよい。次いで、混合物が形成されて、一体の構造の未硬化の物品になる。未硬化の物品は、水硬性結合剤から構成された、まだ硬化していない配合物から形成された物品である。
【0087】
多くの実施形態に関して、物品が押し出し成形によって加工される。押し出し成形では、ある特定の型の設計を利用して1つまたは複数のあらかじめ形成された中空領域を形成することができる。キャスト成形、モールド成形のときに、またはフローオン成形方法を利用するときに、使用されるモールド型または成形型は、物品の1つもしくは複数の中空領域または1つもしくは複数のチャネルを画定する、あらかじめ形成された形状を有するインサートを収容してもよい。
【0088】
1つまたは複数の実施形態では、工程の一部または全部は、マトリックス内のガスポケットまたはボイドが選択されたガスを含み形成されることを保証するように、窒素または二酸化炭素の環境内など、制御した環境で実行されてもよい。選択された環境を有することが、予備硬化、急速固化、プレカーボネーション(pre−carbonation)またはその他の特性など、工程のある特定の特性を助ける。
【0089】
硬化を助け、かつ/またはガスポケットの形成を誘発するために、任意選択で、熱が取り入れられてもよい。任意選択で、工程の温度を、硬化またはガスポケット形成の誘発を遅らせるのを助けるために、低下させてもよい。吹き込み剤および/または発泡剤が配合物に含まれているときは、ガスポケットは、機械的な混合によって、または工程中に取り入れられる外部の熱源を追加することによって、工程中に自然に発生することがある。
【0090】
いくつかの実施形態では、未硬化の物品は、形成後に仕上げられてもよく、その仕上げは、未硬化の物品をエンボス加工、プレス加工、スタンピング、ブラッシングなどにかけて、所望の表面仕上げ、表面デザイン、および/または表面効果を取り入れることを含んでもよい。未硬化の物品が、概して、空気硬化、オーブン硬化、および/またはオートクレーブ硬化の工程によって固化および硬化して、最終の物品が作られる。いくつかの実施形態では、サンディング、カッティング、機械加工、またはブラッシングを、所望に応じて、さらなる効果のために、硬化後に物品の表面に施してもよい。
【0091】
物品を製造する代表的な方法が図30に示されている。ボックス302では、原材料が選択され、既知の混合方法に従って原材料を混合することによってペーストが形成される。実施形態の1つでは、次に、そのペーストは、1軸または2軸の押し出し成型機を用いて加工される。ボックス304では、型が配置され、1つまたは複数の中空領域またはプロフィルが、一体構造の材料の表面上またはその材料内に作られる。中空領域は、型に中空構造の形成器を用いて形成されてもよい。より長い形成器を組み込むときは、増設部分が、平滑加工またはテクスチャード加工できる表面仕上げの改善を助けてもよい。定形の領域又は中空の領域は、材料が未硬化の定形の物品として形成された後で、一体構造の材料に形成されてもよい。例えば、定形の領域は、物品が形成された後で、または物品が硬化した後で、領域にドリルまたはルータで穿孔することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ペーストにボイドおよび有孔構造を生成するために、空気が注入によって取り入れられる。さらに他の実施形態では、発泡剤および/または気泡安定剤は、追加として、または代替として、より小さいサイズのボイドの生成を促進し、ボイドの均質な分配を促進するために追加される。ボックス306では、物品は、モールド成形などで形成されるか、または押し出し成型される。材料が型から出るときに、表面仕上げが物品に施されてもよい。いくつかの実施形態では、エンボス加工ローラ、プレス、サンダ、ブラシ、仕上げ機などのデバイスによって仕上げが施される。ボックス308では、一体構造のセメント系構造に関する当技術分野で知られたサイクルを用いて、物品を乾燥および硬化させる。質量が小さい物品の場合に乾燥工程に何らかの改変を行ってもよく、したがって、乾燥および/または硬化に必要な時間が短くなる。いくつかの形態では、本明細書で説明する物品は、硬化したときに細長くなっている。ボックス310では、形成された物品は、任意選択で切断され、かつ/またはさらに必要に応じてまたは所望に応じてコーティングされる。コーティングは、着色を含んでもよく、例として噴霧乾燥、カーテンコーティングなど、関連の技術分野で知られた方法によって行われてもよい。ボックス312では、形成された物品は、概して、現場で使用するために、積み重ねられ、包装され、運搬の準備がされている。物品は使用前に格納されていてもよい。
【0092】
第1の実施例では、繊維セメントのトリムボードが、厚さ3/4インチ、長さ10フィートの仕上がり寸法になるように形成され、様々な幅を有するように作製された。その物品のための配合物は、乾燥重量ベースで、9%のセルロース繊維、3%のポリプロピレン繊維、38%のポルトランドセメント、2〜3%の粉砕フライアッシュ、15%の粉砕シリカ、3%のシリカフューム、3%の低密度珪酸カルシウム水和物、3%のヒドロキシエチルセルロース、および2%の重炭酸ナトリウムを含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の53重量%まで、配合物に水が追加された。配合物および水は、互いにブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。ペーストは、あらかじめ選択された型によって押し出し成型されて、未硬化の鼻隠し板が製作された。その型は、各ボードに円形に形成した中空領域を取り入れるために、型の長さに沿って円筒形の部分を有するようにデザインされた。この例は円筒形の部分を有する型を含んでいたが、上記で説明したような、かつ/または図面に示したような任意の他の形状を使用してもよいことが留意されよう。押し出し成形の後に、それらのボードは、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、オートクレーブ中で約8時間、165℃で硬化した。繊維セメントボードは、形成されたときは、軽量であり、トリムアンダ(trim under)として使用するのに適切であった。
【0093】
別の実施例では、繊維セメントの鼻隠し板が、厚さ1インチ、長さ12フィートまたは16フィート、幅5.5または7.25インチの仕上がり寸法で形成された。その物品の配合物は、乾燥重量ベースで、7%のセルロース繊維、1%の合成繊維、42〜48%のセメント、10%の低密度添加剤、32〜38%の微粉砕シリカ、0.9〜1.4%の増粘剤を含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の最大70重量%まで、配合物に水が加えられた。配合物および水が一緒にブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。次いで、空気が取り入れられた。さらに、発泡剤または気泡安定剤が追加された。ペーストは、あらかじめ選択された型によって押し出し成型された。その型は、図31または図32のいずれかに示すような、事実上楕円形の形をした中空領域を有する未硬化の鼻隠し板を製作する、型の長さに沿ってあらかじめ選択した空洞部分を有する。図31Aおよび図32Aはボードの部分斜視図(長さは縮尺が正確ではない)を示し、図31Bおよび図32Bはボードの端面図を示す。図31に幅5.5インチのボードを示し、図32に幅7.25インチのボードを示す。それらの図はさらに、硬化の前または後に取り入れられてもよい切り欠き部分を示す。切り欠き部分を有する実施形態は、下端などの第2のパネルに協働して嵌まってもよい。押し出し成形の後に、それらのボードは、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、オートクレーブ中で約8時間、165℃で硬化した。繊維セメントボードは、形成されたときは、軽量であり、鼻隠しとして使用するのに適切であった。
【0094】
さらなる例では、繊維セメントのトリムボードが、厚さ1インチ、長さ12フィート、幅3.5または4.5または5.5または7.25または11.25インチの仕上がり寸法で形成された。その物品のための配合物は、乾燥重量ベースで、4%のセルロース繊維、1〜2%の合成繊維、45〜50%のセメント、15%の促進剤、30〜35%の微細粉砕シリカ、および1%未満の増粘剤を含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の最大65重量%まで、配合物に水が加えられた。配合物および水が一緒にブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。次いで、空気が取り入れられた。さらに、発泡剤または気泡安定剤が追加された。ペーストは、未硬化のトリムボードを生成するようにあらかじめ選択された型によって押し出し成型された。最終のボードの例が図33または図34に示されている。図33Aおよび図34Aは、ボードの部分斜視図を示し(長さは縮尺が正確ではない)、図33Bおよび図34Bは、ボードの端面図を示す。図33は幅3.5インチのボードを示し、図34は幅11.25インチのボードを示す。押し出し成形の後に、ボードは、さらに形成されて溝を付けられ、次いで、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、165℃で約8時間、オートクレーブ中で硬化した。トリムボードは、形成されたときは、軽量であり、トリムアンダとして使用するのに適切であった。例えば、2003 International Residential Code for One- and Two- Family Dwellings, Section R703.1(1世帯住宅および2世帯住宅に関する国際住宅基準2003、セクションR703.1)参照。
【0095】
図29は、廻り縁の形態の定形の物品を断面図に示す。その物品は、ベース幅Bのベース面を有する。この実施形態では、物品の第1の側方の縁部Cは、ベース面から38°の角度に沿って、ベース面に対してDの高さまで延びており、物品の第2の側方の縁部Eは、ベース面から53°の角度に沿って、ベース面に対して高さFまで延びている。実施形態の1つでは、ベース幅B、高さD、高さF、上部の幅G、および高さLは、それぞれ約1.959インチ、0.637インチ、0.631インチ、3.25インチ、および0.827インチであってもよい。別の実施形態では、ベース幅B、高さD、高さF、上部の幅G、および高さLは、それぞれ約4.32インチ、0.461インチ、0.452インチ、5.25インチ、および0.768インチであってもよい。
【0096】
形成時には、本明細書で説明する物品は、パネルまたはボードなど、ある程度平坦な外観を有していてもよい。さらに、物品は、形成されたときに、厚さが一様でなくてもよい。概して、本明細書で説明する物品は、従来のボードと同等の代替物として据え付けられてもよい。本明細書で説明する物品は、鼻隠しまたはトリムまたは廻り縁など、化粧用の非耐荷重パネルとして使用されてもよい。
【0097】
ある形態では、本明細書で説明する物品は、(所在地の建物の規則に従って)木材のフレーム上に据え付けられる。さらなる実施形態では、本明細書で説明する物品は、(追加の固定具もしくは隠し固定具の助けで、またはその助けなしで)金属のフレームに据え付けられてもよい。他の実施形態では、本明細書で説明する物品は、角部、バンドボード(band board)に、窓および扉の周りに、傾斜板(rake)および幕板として、据え付けられる。いくつかの例では、その物品は、建物構造の軒下で屋根の根太の端部をカバーするように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する物品(352)は、図35に示すように外面が外壁(354)に平行に配置された状態で、屋根の根太の複数の端部にわたって垂直に設置されている。さらに、本明細書で説明するいくつかの物品は、図35に示すように第2のパネル(356)と壁(354)との間の隙間を跨ぐように、第2のパネルの内面と係合し第2のパネルと壁との間を延びるように適合された第1の物品(352)を含んでいてもよい。第1の物品および第2のパネルは、両方とも、本明細書で説明する物品を含んでいてもよく、異なるように構成されていてもよい。第1の物品(362)および第2のパネル(366)は、図36に示すシステムのように一緒に据え付けられていてもよい。第1の物品および第2のパネルが屋根の縁部に沿っているときは、システムは、建物構造の外観を良くするように屋根の下側を閉じていてもよい。第1および第2のパネルは、両方が本明細書で説明する物品から作製されていてもされていなくても、天候および虫から軒の下側を保護すること、ならびに適切な換気の助けで屋根裏の温度の変動を小さくすることを助けてもよい。
【0098】
物品(362)が、図36に示すように、ツーバイ材の副鼻隠し(a 2x sub−fascia)(364)を覆って(副鼻隠しは下端(366)と協働してもよい)、または、ツーバイ材の垂木の末端に直接固定されていてもよい。物品を堅いツーバイ材の副鼻隠しを覆うように据え付けるときは、最小で2インチ、16ゲージの耐腐食性仕上げ釘が概して使用される。概して、垂木の末端に直接据え付けるときは、本明細書で説明する物品の接合部が、垂木から離れて据え付けられ、ツーバイ材の転び止め(blocking)が接合部の背後に据え付けられるべきである。本明細書の物品を(例えば、ツーバイ材の副鼻隠しなしで)直接垂木の末端に用いるときは、最小6dのサイディング用の耐腐食性の並釘が、木材フレームの構築物に取り付けるために概して使用される。仕上げ釘は、物品をツーバイ材の副鼻隠しに取り付けるときにしか使用されない。概して、釘は、縁部から約1〜1/4インチよりも近くには配置されず、物品の端部から1インチよりも近くに配置すべきではない。ファスナの間隔は、垂木の末端に直接据え付けるときは、概して、最大24インチの中心間の間隔を有し、ツーバイ材の副鼻隠しを覆うように据え付けるときは、概して最大16インチの中心間の間隔をあけて配置される。全ての水平の突出および露出した物品を面一にすることも重要である。屋根板は、通常、本明細書で説明する物品に取り付けられない。
【0099】
本明細書で説明する物品は、フレームに対する幕板など、または図37に示すような角部周りで、建物に直接据え付けられてもよい。図37は、物品376、角部のスタッド(372)、および仕上げ釘(374)を示す。物品の背面に配置され、次いで、さらにフレームに固定される、隠し固定具が使用されてもよい。鼻隠し、傾斜板、トリム、バンドボード、および幕板の用途に関しては、本明細書で説明する物品を取り付けるために、長さ2インチ、最小16ゲージの亜鉛めっき仕上げ釘を使用すべきである。釘の配置は、鼻隠し、傾斜板、および幕板の用途の場合に中心間の間隔が16インチおきであってもよい。さらに、仕上げ釘は、概して、長い縁部から1/2インチよりも近くに配置されず、物品の端部から1インチよりも近くには配置されない。最大24インチの中心間の間隔をあけて配置されているファスナは、特に開口部が4フィートを超えるときに、バンドボードとして、または窓、扉および他の開口部の周りに配置された物品の場合に使用されてもよい。
【0100】
図36は、角部に据え付けられており正面の部材(369)の背後に配置されている、傾斜部材(367)として物品を示す。いくつかの実施形態では、傾斜部材の底の端部は、正面の部材との平坦な面を設けるために切り取られるべきである。突き合わせ接合部が、垂木から離れて据え付けられ、ツーバイ材の転び止めが接合部の背後に据え付けられることが多い。本明細書で説明する2つの物品同士を接合するときに約22.5°から45°の傾斜した切断部が使用されることが多い。図36はさらに、下端パネル(366)およびツーバイ材の鼻隠し(364)を示す。
【0101】
図38は、廻り縁として形成および配置された物品(381)を、本明細書で説明する、鼻隠し板として配置された別の物品(382)と、本明細書で説明する、トリムボードとして配置されたさらに別の物品(383)と共に示す。前記物品の据え付けは、壁サイディング(387)、下端(388)、天候抵抗性のバリア(386)、および羽目板(384)を含んでいる。
【0102】
本明細書で説明する物品を廻り縁として配置するときは、2.5インチ、最小16ゲージの仕上げ釘が使用されるべきである。廻り縁ボードとして鉄骨フレーム構造に据え付けるときは、ファスナが使用されてもよい。適切なファスナの例の1つは、ET&F Fastening Systems、 Inc.(米国オハイオ州)からのものである。概して、釘は、縁部から0.5インチかつ物品の端部から1インチよりも近くには配置されるべきでなく、中心間の間隔最大16インチで配置されるべきである。
【0103】
図39は、本明細書で説明する、鼻隠し板として設けられている別の物品(394)と、廻り縁(396)として設けられているさらなる物品と、本明細書で説明する、トリムボードとして設けられているさらに他の物品(398)と、バンドボード(399)としての追加の物品と共に、傾斜板として形成および配置された物品(392)を示す。前記物品の据え付けは、雨押さえ(391)、下端(393)、ツーバイ材の副鼻隠し(395)、および最小1/8インチの場合がある隙間(397)を含んでいる。
【0104】
固定具の取り扱いは、本明細書で説明する物品を使用するときのほとんどの用途と同様である。概して、本明細書で説明する物品に使用される全てのファスナが、耐腐食性、亜鉛めっき、またはステンレス鋼であるべきである。ステンレス鋼のファスナが良い。電気亜鉛めっきファスナが許容可能であるが、耐腐食性が不十分な場合がある。良質の溶融めっきした亜鉛めっき釘が良い。本明細書で説明する物品は、手で釘打ちしてもよく、空気圧式工具で固定してもよい。空気圧式固定具は、本明細書で説明した物品を据え付けるときに、多くの例でより適切である。釘は、物品に対して面一にされるべきである。空気圧式工具による面一型の取り付けは、良好であり、釘打ちしているときの釘の深さを制御するのを助ける。いくつかの実施形態では、釘をアンダドライブする(under drive)ときに固化を利用してもよい。アンダドライブ式の釘(under driven nail)は、滑らかな面のハンマでぴったりとさらに釘打ちされてもよい。ファスナをフレームに対して垂直に押し込むべきである。釘は、角度を付けて押し込むべきではない。木材フレームの場合は、アンダドライブ式の釘は、滑らかな面のハンマでトリムに面一に打たれてもよい。アルミニウムのファスナ、ステープル、または頭部が欠けたタイプの釘は、概して、本明細書で説明する物品には適切ではない。
【0105】
据え付け後に、物品は、さらにコーキング、塗装および/または下塗りされてもよい。こうしたさらなるステップは、現場で切断した縁部に有効である。コーキングするときは、ASTM C920 GRADE NS、Class 25などに準拠したエラストマー系の目地剤以上のエラストマー系の目地剤、またはASTM C834に準拠したラテックス系の目地剤に対しては結果が良好であることが分かっている。コーキングは、塗布するときに、製造業者の指示書および/またはASTM Cl193に従って塗布するべきである。色合わせしたコーキングが入手可能である。
【0106】
一部の物品は、あらかじめ塗装またはあらかじめ下塗りしてもよく、下塗りまたは塗装した面(複数可)にラミネートシートを含んでもよい。下塗りおよび/または塗装した物品を据え付ける場合は、そのラミネートシートは、物品を据え付けるときに外側を向いている。そのラミネートシートは、釘打ち後にできるだけすぐに取り除くべきである。任意の釘の頭部の手直しは、ラミネートシートを取り除く前に行ってもよく、その後に行ってもよい。方法の1つは、ラミネートシートが適位置にある間に手直しし、次いで、塗装が乾く前にラミネートシートを取り除くことである。さらなる塗装または手直しを、物品を据え付けた後に行ってもよい。手直しは、概して、切り欠き、ひっかき、および釘の頭部に関するものである。広い領域に手直しが必要な場合は、選択肢の1つは、損傷した領域を、塗装済みの新しい物品に交換することである。工場で切断していない縁部は、縁部のコーティング機で処理すべきである。
【0107】
通常、据え付けられた物品(例えば、あらかじめ塗装していない物品)は、あらかじめ下塗りされた物品の場合は約180日以内に、下塗りしていない物品の場合は約90日以内に塗装すべきである。100%アクリル製の上塗りが推奨される。物品は、濡れているときには塗装すべきでない。塗布割合は、製造業者の仕様に従うべきである。物品がスプレ噴霧される場合は、多くの例で、バックローリング(back−rolling)を実行してもよい。
【0108】
本明細書で説明する定形の物品は、低密度であり、釘打ち可能であり、強度および耐久性が良好である。本明細書で説明する物品の質量および/または見かけ乾燥密度が低減されているので、前記物品は、代替の工程によって製作される他の物品とは異なる。本明細書の物品は、代替の工程で形成された他のセメント系物品とは異なり、説明した工程および配合物を含むときは、サイディング、パネル、トリム、鼻隠し、屋根材、廻り縁、敷板、または外柵などの建材に有効な長い物品として最初に用意されてよい。
【0109】
多くの実施形態の上記の説明は、本発明の根本的な新規の特徴を示し、説明し、指摘してきたが、図示のような本発明の詳細の形態の様々な省略、代用、および変更、ならびにそれらの使用を、本発明の範囲から逸脱することなしに、当業者なら実施できることが理解されよう。したがって、本発明の範囲を上記の議論に限定すべきではない。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月3日出願の米国仮出願第61/166,427号からの優先権に関する利益を請求するものであり、それはあらゆる目的で参照により本明細書全体に援用される。
【0002】
本発明は、概して、特性が改善されたセメント系物品、ならびにそのような物品の配合物、そのような物品の作製方法、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
セメント系物品および繊維で補強したセメント系物品を含む複合材料が、建材として使用されることが多い。例には、内装および外装の建物パネル、建物の外壁用のサイディングが含まれる。多くのこうした複合建材は、建設作業員によって手作業で据え付けられる。建材は、軽量であり、耐久性があり、釘打ち可能であり、作業が容易であることが必要である。
【発明の概要】
【0004】
1つまたは複数の実施態様では、1つまたは複数の特性が改善された、繊維で補強したセメント系物品を本明細書で説明する。その物品は、形成した形状のものであり、1つまたは複数の定形の領域を含んでいる。その物品は、密度が低く、強度および耐久性が高い。1つまたは複数の実施態様では、物品は、最初は、サイディング、パネル、トリム、鼻隠し(フェイシア)、屋根材、廻り縁、敷板、または外柵などの建材に有効な長い物品として用意されてもよい。
【0005】
本明細書で説明する物品は、セメント系であり、水硬性結合剤、すなわち少なくとも1つのシリカ源と、1つまたは複数の繊維源、すなわち補強に有効な少なくとも1つの繊維源とを含んでいる。前記物品の配合物はさらに、1つまたは複数の可塑剤、密度改変剤、流動性改変剤、撥水剤もしくは疎水性添加剤、濃縮剤、および/または他の添加剤など、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。
【0006】
前記物品を作製する方法が、概して、平滑化仕上げ、粗面化仕上げ、および/またはテクスチャード仕上げを有する物品を生み出すように、キャスト成形、モールド成形、押し出し成形、またはフローオン成形(flow−on)によって加工することを含む。表面は、サンディング、ブラッシング、サンドブラスト、スタンピング、エンボス加工、機械加工などの方法を使用してさらに仕上げられてもよい。
【0007】
1つまたは複数の実施態様では、本明細書で説明する物品は、1つまたは複数のあらかじめ選択された定形の領域を含んでいる。定形の領域が、中空であり、逆転し、かつ/または突出した開口部を形成するチャネルであってもよい。定形の領域が、例えば、端部に開口部を形成すること、および/または物品に空洞領域もしくはキャビティを形成することによって、物品内に形成されてもよい。それらの開口部は、物品の(例えば、幅、長さ)全体にわたって及んでいてもよく、及んでいなくてもよい。逆転および/または突出した領域が、本明細書で説明する物品の1つまたは複数の表面から延びている。あらかじめ選択された各定形の領域の数、形状、および位置は、本明細書で説明する物品の質量および/または見かけ密度を低減させるように構成されている。概して、質量および/または見かけ密度は、物品の応力と密度の比に悪影響を及ぼすことなく低減される。いくつかの実施態様では、あらかじめ選択された領域は、本明細書で説明する領域を有しない等価の物品と比べて、応力と密度の比がずっと高い物品を提供するように構成されている。1つまたは複数の実施態様では、あらかじめ選択された定形の領域は、所定の間隔で、物品の長さまたは幅にわたって延びている1つまたは複数のチャネルを備えている。領域が中空であり、物品内にあるときは、その領域の断面形状は、正方形、変形正方形、多角形、矩形、変形矩形、三角形、変形三角形、円形、変形円形、楕円形、変形楕円形、台形、変形台形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0008】
本明細書で説明する様々な実施態様は、対向する細長い2つの側面と、それらの間を延びる複数の側壁とを有する建物用の物品を提供する。この建物用の物品は、1つまたは複数の定形のキャビティを含み、それらの定形のキャビティのうちのいくつかは、内部に形成されてもよい。キャビティの数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が、いくつかの実施態様では、定形の領域なしの等価の建物用の物品の少なくとも20%を超えるか、あるいは定形のキャビティなしの等価の建物用の物品の約25%を超えるか、または約30%を超えるか、または約35%を超える物品を提供するように構成されている。いくつかの実施態様では、定形の領域は、物品の長さにわたって延びている細長いチャネルを複数備えている。チャネルは、物品の表面上、またはその内部に存在していてもよい。いくつかの実施態様では、物品は、好ましくは、厚さ約1/4インチ以上、長さ約6フィート以上である。いくつかの実施態様では、物品は、好ましくは、厚さ約1/4インチ以上、長さ約8フィート以上である。いくつかの実装形態では、物品の対向する側面のうちの少なくとも1つに表面仕上げが形成される。実施態様の1つでは、物品の側壁のうちの少なくとも1つは、その中に複数の開口部が形成されている。その開口部のうちの少なくとも1つは、開口部に嵌まるように構成されたインサート(an insert)を受けるように適合されており、そのインサートは、隣接する2つの物品を横に並べて配置することができる。インサートは、開口部と係合するセルフロック機構を含んでいてもよい。ある実装形態では、インサートには、空気または水を流すことができるようにチャネルが構成されている。
【0009】
さらなる実施態様では、少なくとも1つのキャビティが内部に形成された物品が提供される。その物品は、任意選択で、少なくとも1つのキャビティの近くに埋め込まれるか、またはその内部に配置されたさらなる補強材を含む。さらなる補強材は、さらなる補強材なしの等価の物品と比べてずっと曲げ強度(bending strength)または屈曲強さ(flexural strength)が高い物品を提供するように選択された材料である。いくつかの実施態様では、さらなる補強材は、木材、木質複合材、プラスチックまたはプラスチック複合材(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ガラス、ポリマーフォーム、繊維、金属(例えば、アルミニウム)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。さらなる補強材は、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルムおよび/またはフォームの形態でもよい。実施態様の1つでは、さらなる補強材は、厚さが少なくとも1/4インチのレイヤ(a layer)であり、物品に埋め込まれる。別の実施態様では、さらなる補強材は、キャビティ内に配置された中空の繊維を含む。
【0010】
追加の実施態様では、1つまたは複数の物品を建物構造に設置するためのシステムが提供される。そのシステムは第1の物品を含んでおり、その第1の物品は、対向する2つの側面によって画定された細長い本体と、それらの側面の間を延びる複数の側壁とを有し、内部に形成された2つ以上のあらかじめ選択された定形の領域をさらに備えている。第1の物品は、低密度の繊維で補強したセメント系材料から作製されており、釘打ち可能である。第1の物品の応力と見かけ密度の比は、少なくとも約8.0g/cm3以上、または少なくとも約9g/cm3以上、または少なくとも約9.25g/cm3以上である。このシステムはさらに、少なくとも1つの第2の物品を備えており、その第2の物品はそれぞれ、細長い本体と、隙間を閉じるようにして垂直に第1の物品と係合するように適合された縁部とを有する。実施態様の1つでは、第1の物品の溝は、第2の物品の縁部を受け、それと係合するように形成されている。第1の物品のあらかじめ選択された定形の領域は、第1の物品の端部に開口部を形成する1つまたは複数の中空のチャネルを含んでいる。その開口部は、第1の物品の長さにわたって延びていてもよい。そのシステムは、任意選択で、第1の物品の開口部中に延びてその1つまたは複数の開口部をカバーするように適合されたエンドプラグをさらに備えている。そのシステムは、任意選択で、第1の物品を、開口部を有する別の物品と互いに接合し固定するようにして、第1の物品の少なくとも1つの開口部と係合するように適合された1つまたは複数のインサートさらに備えている。
【0011】
他の実施態様は、形成時に細長い本体と複数の開放型チャネルとを有する、鼻隠し物品を含んでいる。それらのチャネルは、物品の少なくとも一部分に及び、所定の形状およびサイズの中空または溝付きの領域であり、応力と密度の比が開放型チャネルのない等価の物品を超える物品を提供するように選択されている。その物品は、一体構造の材料であり、任意選択で、さらなる補強材を物品内に組み込んでいる。第1の物品の応力と見かけ密度の比は、少なくとも約8.0g/cm3以上、または少なくとも約9g/cm3以上、または少なくとも約9.25g/cm3以上である。ある特定の実施態様では、それらのチャネルは、物品の全長にわたって延びている。各チャネルの断面形状は、概して正方形、矩形、三角形、円形、楕円形、台形、多角形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。チャネルは、サイズ、間隔、および/または形状が必ずしも一様ではない。
【0012】
本明細書で説明するさらなる追加の実施態様は、釘打ち可能であり形成時に複数のチャネルを有する物品を建物構造に据え付ける方法を含む。代表的な方法の1つは、物品の長さが設置面にわたって延びるようにして、物品を建物構造の1つまたは複数の設置面(例えば、屋根の根太(a roof joist))に隣接して配置することと、物品を建物構造に設置するようにいくつかの位置でその物品を釘打ちすることとを含む。1つまたは複数の方法はさらに、第2の物品を建物構造に、第1の物品に隣接して設置することと、それらの2つの物品が端部同士で接合されるようにしてそれらの2つの物品を相互連結することとを含んでもよい。2つの物品を相互連結することは、コネクタの第1の端部を、第1の物品の一方の端部に配置されたチャネルに部分的に挿入することと、コネクタの第2の端部を、第2の物品の一方の端部に配置されたチャネル中に部分的に挿入することとを含む。
【0013】
さらに追加の実施態様は、本明細書で説明する物品を作製する方法を含む。代表的な方法の1つは、一体構造の繊維セメント物品を形成するのに有効な原材料を混合してペーストにすることと、押し出し成型機で加工することと、押し出し成形中に構造物および型を用いてチャネルの外形を作って、2つ以上のチャネルを形成し、それにより、2つ以上のチャネルを有する未硬化の定形の物品を形成することと、その未硬化の定形の物品を硬化させることとを含む。1つまたは複数の方法はさらに、未硬化の定形の物品を形成した後に追加のチャネルを設けることを含んでもよい。1つまたは複数の方法はさらに、表面仕上げ(例えば、例としてサンディング(sanding)、機械加工、ブラッシング)を未硬化の定形の物品に追加することを含んでもよい。1つまたは複数の方法はさらに、硬化後に物品をコーティングすることを含んでもよい。
【0014】
本明細書で説明する他の実施態様は、1つまたは複数の物品を使用するシステムを含む。代表的なシステムの1つは、物品を建物構造に直接釘打ちできる低密度繊維セメントの一体構造の材料から形成された物品を備えており、物品と一体に、かつ物品と建物構造との間の隙間を閉じるようにして配置できる下端も備えている。その物品は、物品内に形成された2つ以上の中空の領域を含み、応力と密度の比が中空の領域なしで作製された等価の物品よりも高い物品を提供するように構成されている。
【0015】
当業者であれば、図面と併せて詳細な説明を読めば、他の重要な面と共に上記に記載した特徴および強化点をさらに理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書で本発明の特徴および利点をより完全に理解するために、次に、本発明の説明を添付の図面を併せて参照する。
【図1A】本明細書で説明する物品の代表的な構成を示す斜視図。
【図1B】図1Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図2A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図2B】図2Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図3A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図3B】図3Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図4A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図4B】図4Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図5A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図5B】図5Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図5C】本明細書で説明する、形成した物品の端面のさらなる代表的な構成を示す図。
【図6A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図6B】図6Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図6C】本明細書で説明する、形成した物品の端面の他の代表的な構成を示す図。
【図7】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図8】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図9】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図10】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図11】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図12A】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す斜視図。
【図12B】図12Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図12C】図12Aの構成と同様の構成の定形の領域を示す端面図。
【図13A】本明細書で説明する物品の別の代表的な構成を示す斜視図。
【図13B】図13Aの構成の定形の領域を示す端面図。
【図13C】図13Aの構成と同様の構成の定形の領域を示す端面図。
【図14】本明細書で説明する物品のさらなる代表的な構成を示す端面図。
【図15】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示す斜視図。
【図16A】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図16B】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図17A】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図17B】本明細書で説明する物品の他の代表的な構成を示し、インサート(断面を示す)が内部の定形の領域内に配置された様子を描いた端面図。
【図18】本明細書で説明する代表的な物品をインサートと共に示し、切断したときの物品の一方の端部の一部分を示す図。
【図19A】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図19B】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図19C】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図20】本明細書で説明する代表的なインサートを示す図。
【図21A】本明細書で説明する追加の代表的な物品をインサートと共に示し、1つまたは複数の物品の一方の端部および内部の開口部を示す図。
【図21B】本明細書で説明する追加の代表的な物品をインサートと共に示し、1つまたは複数の物品の一方の端部および内部の開口部を示す図。
【図22】1つまたは複数のさらなる補強材を内部に有する本明細書で説明する代表的な物品を示す図。
【図23】1つまたは複数のさらなる補強材を内部に有する本明細書で説明する代表的な物品を示す図。
【図24】インサートによって連結されている代表的な2つの物品の一部分を示す図。
【図25】本明細書で説明する代表的なエンドプラグを示す図。
【図26】本明細書で説明する代表的なエンドプラグを示す図。
【図27】本明細書で説明する物品の一方の端部に配置された代表的なエンドプラグを示し、物品の一部分のみを示す図。
【図28】本明細書で説明する物品の一方の端部に配置された代表的なエンドプラグを示し、物品の一部分のみを示す図。
【図29】本明細書で説明する、2つ以上の定形の領域を有する、形成された代表的な物品を示す断面図。
【図30】本明細書で説明する物品を作製する代表的な方法を示す図。
【図31A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図31B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図32A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図32B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図33A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図33B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図34A】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す斜視図。
【図34B】本明細書で説明する物品の追加の代表的な構成を示す端面図。
【図35】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図36】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図37】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図38】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【図39】本明細書で説明する物品の使用時の様々な代表的な実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な実施形態の作製および使用を以下で詳細に議論するが、本明細書で説明するように、様々な文脈中に実施できる本発明の多くの概念が提供されていることを理解されたい。本明細書で議論する実施形態は、本発明を作製し使用する手法の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
図面は縮尺が必ずしも正確ではなく、明瞭かつ簡潔にするために、ある特定の特徴の縮尺を拡大して示すこともあり、ある程度一般化または概略化した形態で示すこともある。
【0019】
米国および他の国々では、多くの建材がビニルまたは木材から作製されている。木材またはビニルは、仕上げ製品として、またはアルミニウム下の表面下の材料として使用されることが多い。木材は軽量であるが、天候により色あせおよびひび割れする傾向があり、場所および環境条件に応じて、定期的に、典型的には約3から5年の期間で、再塗装または交換する必要がある。木材から作られた、ボードなどの建材は、木材の天然の構成により、外観が一様でないことが多い。したがって、木材と同等かもしくはそれを超える耐久性があり、天候による色あせもしくはひび割れに対する抵抗力があり、かつ/またはより一様の外観を有する、軽量の物品が必要である。セメント系の建材が、発展しており、耐久性があり、木材製品の代替として長持ちするが、従来の一部のセメントベースの製品は、場合によってはセメントの性質と相まって、ボードの厚さのせいで釘打ちが難しいことがある。さらに、建物用のセメント系ボードは、重く、稠密であり、扱いが難しいことがある。したがって、代替的に、軽量かつ低密度であり、耐久性があり、長持ちし、扱いが簡単でもある、建物用のセメント系物品が必要である。
【0020】
本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態は、本明細書で繊維セメント物品とも称する、1つまたは複数のタイプの繊維で補強されるセメント系物品を提供する。本明細書で説明する物品は、1つまたは複数の構成をとってもよい。ある物品は、パネルまたはシートとして、概して平坦な少なくとも2つの面によって全体的に画定されており、それらの面は、外面であり、概して対向する面である。本明細書の物品は、概して、1つまたは複数の外周縁部も有し、その外周縁部は、概して、表面積が最も小さい面の表面積未満または最も小さい縁部の表面積未満である外面として画定されている。物品の幅がその長さ未満であるときは、その長さは、物品の2つの端部を画定する。他の定形の物品は、2つより多くの端部を有してもよい。本明細書で説明する物品の代表的な構成は、パネル、外柵、サイディング、トリム、鼻隠し板、屋根材、廻り縁、敷板などを含む。本明細書で説明する物品は、外装および内装の用途に使用されてもよい。
【0021】
本明細書で説明する物品のマトリックス構造は、マイクロボイドおよびマクロボイドを含んでいる。マイクロボイドは、概して、約100マイクロメートル(μm)未満のボイドを指し、マクロボイドは、概して、それよりも大きい。マクロボイドおよびマイクロボイドは、本明細書で説明する物品のマトリックス全体にわたって一様に分配されていてもよく、ランダムに分配されていてもよい。1つまたは複数の実施形態では、ボイドは、マトリックス全体に分配されているガスポケットである。ガスポケットは、概して、球形でも、代替の形状のものでもよく、各ポケットまたは空間の呼び寸法は、概して約1ミリメートル(mm)未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約500μm未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約100μm未満である。いくつかの実施形態では、ガスポケットのサイズは約50μm未満である。本明細書で言及するガスポケットは、ある特定の原料源に固有のボイドではない。例えば、ガスポケットは、概して、中空のミクロスフェアもしくは中空のパーライトの構造内に、または材料自体に自然に生じるボイドもしくは材料のない空間を有する他の材料に生じることがある、固有の空間もしくはボイドを指していない。本明細書で説明するように、ガスという用語は、大気、あるいは例として純粋窒素もしくは二酸化炭素などの不活性ガスまたは反応ガスを指してもよい。マトリックスに1つまたは複数のガスポケットを有する、本明細書で説明する物品は、概して、ガスポケットなしの物品よりも低い見かけ密度を呈する。
【0022】
本明細書で説明する繊維セメント物品の見かけ密度は、概して、約1.2g/cm3未満であり、場合によっては、約1.0g/cm3未満である。いくつかの実施形態では、見かけ密度は約0.95g/cm3未満であり、約0.90g/cm3未満でもよく、約0.85g/cm3未満でもよく、約0.80g/cm3未満でもよく、約0.75g/cm3未満でもよく、約0.70g/cm3未満でもよく、約0.65g/cm3未満でもよく、さらに、約0.6g/cm3未満でもよい。見かけ密度は、本明細書で言及するように、物品の乾燥重量(質量)を、外側の平坦な面で画定されたときの物品の体積で割ったものである。本明細書で説明する見かけ密度が低い繊維セメント物品は、見かけ密度が高い物品と比べたときに、軽量であり、扱いが簡単であり、構造上の支持の要件が少ないことが反映されるような建材として特に有効であることが分かっている。見かけ密度が低いことで、1つまたは複数の本明細書で説明する物品は、1つまたは複数の形態で、重過ぎず、稠密でなく、据え付け中に扱いが難しくない、非常に長く軽量に作製されていてもよい。一例では、鼻隠しとして形成された物品の見かけ密度が0.8g/cm3または約0.8g/cm3である。追加の例では、鼻隠しとして形成された物品の見かけ密度は、0.85g/cm3または約0.85g/cm3である。他の例では、トリムとして形成された物品の見かけ密度は0.9g/cm3または約0.9g/cm3である。
【0023】
本明細書で説明する物品の、(概して平面の)2つの面の間の最短距離として測定される厚さは、約3インチ以下でもよい。いくつかの実施形態では、厚さは、約2インチ以下でもよく、約1.5インチ以下でもよい。いくつかの実施形態では、厚さは約1インチ以下または約1/4インチである。こうした物品は、より薄い建材(例えば、厚さ約2インチ以下、または約1.5インチ以下、または約1インチ以下のパネルまたはサイディング)として形成されると、使用時に同じ面積をカバーし、しかも物品を形成するための原料の量を減らすことができる。いくつかの実施形態では、その厚さは、さらに説明するように、形成した物品によって設けられる様々な突起、湾曲、および/または空洞の領域ならびに/あるいは溝付きの領域を考慮して、物品全体で異なっていてもよい。第1の実施例では、トリムの形態の物品の厚さは約1インチである。別の例では、トリムの形態の物品の厚さは約1.5インチである。さらに別の例では、鼻隠しの形態の物品の厚さは約1インチである。さらに別の例では、鼻隠しの形態の物品の厚さは約1.5インチである。さらに別の例では、廻り縁の形態に作製された物品は、より厚い点で、厚さ約0.78インチ、または厚さ約0.83インチである。
【0024】
本明細書で説明する物品が、例としてシート、またはパネル、またはトリム、または鼻隠し、または廻り縁など、より長い物品として構成されるときは、パネルの長さは、全ての外面を考えたときの、同じ面上の2点間の最も長い距離である。多くの場合、本明細書で説明した物品の長さは、約8フィートを超え、または約10フィート以上でもよく、または約12フィート以上でもよく、約16フィート以上でもよい。いくつかの例では、トリム、敷板、または鼻隠しなどのための長い建材は、より速く据え付けできて、連続する部品間の接合部がより少ないと、据え付けの容易さおよび時間を助けることが分かっている。一例では、トリムの形態の物品は、長さ10フィート、または長さ12フィート、または長さ16フィートである。別の例では、鼻隠しの形態の物品は、長さ10フィート、または長さ12フィート、または長さ16フィートである。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、説明する物品は、例として、同じ長さでいくらか細いシート、またはパネル、またはトリム、または鼻隠し、または廻り縁として構成されている。2つの縁部間の距離として測定される物品の幅は、いくつかの実施形態では、約16インチ以下である。幅は、約12インチ以下でもよく、または約8インチ以下、または約6インチ以下、または約5インチ以下でもよい。さらなる実施形態では、幅は約4インチ以下でもよい。いくつかの物品が細いときは、トリムまたは鼻隠し板として使用するのに特に適切なことがあると分かっている。1つの例では、トリムの形態の物品は、幅11.25インチ、または幅7.25インチ、または幅5.5インチ、または幅4.5インチ、または幅3.5インチである。別の例では、鼻隠しの形態の物品は、幅7.25インチ、または幅5.5インチである。有利なことに、本明細書で説明するように質量を減少させ強度を改善した場合は、より長い製品は本明細書で説明するように作製されてもよい。さらに、こうした製品は、長さが長くても長くなくても、(例えば、1つまたは複数の定形のチャネルを欠いた)中実の物品と比べて、取り扱い中および運搬中の破損が減少することが分かっている。本明細書で説明する形成した製品は、例として鼻隠し、トリム、および廻り縁など、ある特定の建材に関して、標準の寸法および要件を満たすことが分かっている。
【0026】
1つまたは複数の本明細書で説明する物品では、外面は、概して平滑な仕上げおよび/または概して粗面の仕上げを有する事実上平坦な面でもよい。さらに、または代替として、少なくとも1つの外面は、事実上、追加の仕上げありで形成されても、仕上げなしで形成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の面上の仕上げは、一様またはランダムの名前および/または特定のマークなど、芸術的なデザインを含んでもよい。いくつかの実施形態では、表面は、木材の粒または石の外観など、既知のテクスチャを模造してもよい。
【0027】
物品は、本明細書で説明するように用意されるときは、1つまたは複数の定形の領域すなわちチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、定形のチャネルは、外部の空洞領域および/または溝付きの領域である。さらに、または代替として、定形のチャネルは、内部の中空の領域でもよい。中空のセクションまたは領域があると、本明細書で説明する物品の重量が減少する。本明細書で説明するような中空セクションは、あらかじめ形成(例えば、形成加工中に用意)してもよい。1つまたは複数の空洞のセクションは、どのセメント系材料または他の材料にもない1つまたは複数の形状を物品内にデザインすることによって物品中に設計してもよい。1つまたは複数の定形の領域は、物品上の機械的力を物品に沿ってより簡単に分散および分配することができ、したがって、局所化した応力の集中を最小限に抑え、物品全体の強度の完全性を保証するように設計される。1つまたは複数のあらかじめ形成された中空の領域は、概して、1つまたは複数の細長いチャネルを備えており、そのチャネルは、物品の長さもしくは幅の一部分またはその全体にわたって延びていてもよく、及んでいてもよい。物品に2つ以上の空洞領域が設けられるときは、各領域の形状は、互いに同じでもよく、同様でもよく、または異なっていてもよい。単一の物品に1つまたは複数のあらかじめ形成された中空の領域は、局所化する応力の集中を最小限にし、かつ/または密度を減少させるために、同じにする必要はない。
【0028】
さらに、または代替として、本明細書で説明する1つまたは複数の物品表面は、外側に突出および/または内側に湾曲する部分を有する、1つまたは複数の追加の定形のチャネルを有していてもよい。突出または湾曲したチャネルは、機能性の部分を含んでいてもよく、またはデザインの特徴として機能してもよく、あるいはそれらの組み合わせでもよい。こうした定形の表面の例は、キーライン、ビード、および溝である。湾曲または突出した部分は、深くてもよく、または表面にのみあってもよい。いくつかの物品は、複数の定形の領域の組み合わせを含んでいてもよい。例えば、湾曲および/または突出した部分を、1つまたは複数の内部の空洞領域とさらに組み合わせてもよい。空洞部分の場合には、本明細書で説明する物品の外側部分および湾曲した部分は、本明細書で説明する物品の重量をさらに減少させることができる。物品の外側部分および/または湾曲した部分は、あらかじめ形成される(例えば、形成加工中に準備される)ことが多い。1つまたは複数の湾曲および/または突出した部分は、物品の少なくとも1つの表面上にこうした部分のうちの1つまたは複数をデザインすることによって、物品中に設計されることが多い。湾曲した部分は、概して、どのセメント系材料または他の材料にもない領域を含む。突出した部分は、概して、セメント系材料を全体にまたは部分的に備えている。突出または湾曲した部分のいずれかを、さらに、内部の空洞領域と組み合わせてもよい。1つまたは複数の湾曲または突出した定形の領域は、物品上の機械的力を物品に沿ってより簡単に分散および分配することができ、したがって、局所化した応力の集中を最小限に抑え、物品全体の強度の完全性を保証するように設計されることが多い。いくつかの実施形態では、湾曲および/または突出した各領域の数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が約10%か、又は本明細書で説明する定形の領域なしで構築した同様の寸法の従来の物品に見られるよりも高い、本明細書で説明する物品を提供するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、湾曲および/または突出した各領域の数、形状、および位置は、応力と見かけ密度の比が約15%か、又は本明細書で説明する定形の領域なしで構築した同様の寸法の従来の物品に見られるよりも高い、本明細書で説明する物品を提供するように選択されてもよい。追加の実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも20%高い物品が提供される。さらなる実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも25%高い物品が提供される。さらなる実施形態では、本明細書で説明する定形の領域なしで構築された従来の鼻隠しに見られるよりも、応力と見かけ密度の比が少なくとも30%高い物品が提供される。
【0029】
本明細書で説明する定形の領域は、応力と密度の比に事実上影響を及ぼすことなく、物品の質量および見かけ乾燥密度を低下させるように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、定形の領域の数、構成、および配置は、質量を減少させながら、最終の物品の応力と見かけ密度の比を実際に改善するように選択される。他の実装形態では、定形の領域は、物品の質量を減少させ、同時に、物品の曲げ破壊係数(MOR)および弾性係数(MOE)を上昇させるように構成される。
【0030】
上記で説明したように、本明細書で説明する、2つ以上のチャネルおよび/または2つ以上の中空の領域を有する物品の応力と密度の比は、同じ外寸の中実の物品(チャネルまたは中空の領域を有しない物品)と事実上同じでもよく、それを超えてもよい。1つまたは複数の実施形態では、本明細書で説明する物品の応力と見かけ密度の比は、8MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、応力と見かけ密度の比は、11.79MPa/(g/cm3)3、または約11.79MPa/(g/cm3)3以上である。いくつかの実施形態では、応力と見かけ密度の比は、12MPa/(g/cm3)3または約12MPa/(g/cm3)3以上である。応力と密度の比などの特性は、パネルおよびボードとして形成された物品などの多くの物品が、建物に設置されたときに何らかの構造上の自己支持をもたらすので、多くの建物用の物品で重要である。したがって、中空の領域は、適切に配置されないときには、物品応力と密度の比および他の特性に潜在的にかつ悪い方に影響を及ぼす可能性がある。本明細書で説明する物品の見かけの応力と密度の比は、概して、(本明細書で説明する定形の領域を欠いた)繊維補強した従来のセメント系建材と比べて高い。いくつかの実施形態では、飽和MOR値(単位はMPa)と絶乾密度(単位はg/cm3)の3乗(密度の3乗)の比は、約7MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、この値は、約7.5MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約8MPa/(g/cm3)3を超える。いくつかの実施形態では、MORと密度の3乗の比は、約9MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約10MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約11MPa/(g/cm3)3を超えるか、または約12MPa/(g/cm3)3を超える。絶乾密度は、ASTM C567およびC1185に従って測定される。MORの測定は、厚さ1インチの物品に関して試験片の長さが最小で18インチ必要である、ASTM C1185に基づいている。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、中空の領域を合わせると、物品の見かけ体積の約30%未満を占めており、または物品の見かけ体積の約28.3%を占めていてもよく、または見かけ体積の約25%以下を占めていてもよい。
【0032】
本明細書で説明する物品に関するいくつかの代表的であり適切な構成を図1〜図18および図21〜図24に示す。各図は、1つまたは複数の定形の部分を有する1つまたは複数の物品を示し、それらの定形の部分は、内側に湾曲し、外側に突出し、かつ/または、内部の空洞部分もしくはキャビティを物品中に含んでいる。多くの実施形態では、定形の領域は、その幅および/または長さに沿って物品全体に及ぶ。湾曲し、突出し、かつ/または空洞領域が2つ以上あるときは、前記領域は、以下でさらに示し、説明するように、同じ形状を有してもよく、異なる形状を有してもよい。
【0033】
図1は、それぞれ物品の長さに及ぶ空洞領域として2つ以上のチャネル12を有するように形成されたときの、代表的な物品10の代表的な概略斜視図(1A)および概略端面図(1B)である。図は、それぞれ異なる形状の空洞領域を示す。代表的な形状は、円形、三角形、楕円形、正方形、または他の多角形を含み、それらのうちのいくつかが図に示されている。図では、空洞領域は、概して、それぞれほぼ等しい間隔をあけて配置されており、最も外側の各定形の領域は、側方の縁部からそれぞれほぼ同じ距離の位置にある。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。他の実施形態では、チャネルは、物品の一部分にしか及ばず、概して、物品の少なくとも一方の端部に開口部を形成する。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の両端に開口部を設ける。代替の実施形態では、チャネルは、同じ形状を有しなくてもよく、連続のパターンまたは不連続のパターンであってもよい。
【0034】
図2は、2つ以上の空洞領域23を有するように形成された物品20の代表的な概略斜視図(図2A)および概略端面図(図2B)であり、それぞれの空洞領域23は、同じ一般的な形状を有する。代替の実施形態では、チャネルは、同じ形状を有していなくてもよく、連続のパターンまたは不連続のパターンであってもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。他の実施形態では、チャネルは、物品の一部分にしか及ばず、概して、物品の少なくとも一方の端部に開口部を形成する。いくつかの実施形態では、チャネルは、物品の両端に開口部を設ける。
【0035】
図3は、2つ以上の空洞領域33を有するように形成された物品30の代表的な概略斜視図(図3A)および概略端面図(図3B)である。図示の複数の空洞領域は、第1の形状を有する最も外側の定形の領域と、第2の形状を有する中心の空洞領域とを含んでいる。
【0036】
図4は、それぞれが同じ一般的な形状を有する、2つ以上の空洞領域45を有するように形成された物品40の代表的な概略斜視図(図4A)および概略端面図(図4B)である。図4には、図2または図3よりも多くの空洞部分がある。図4の形成した物品の幅および/または厚さは、図2または図3のいずれかのものと同じでもよく、それを超えてもよく、それ未満でもよい。
【0037】
図5Aおよび図5Bは、2つ以上の空洞領域56を有するように形成された物品50の代表的な概略斜視図(図5A)および概略端面図(図5B)である。複数の空洞領域は、1つおきの空洞部分が第1の形状であり、隣間の空洞部分が第2の形状であるという一般的なパターンを形成することで、見かけ上のパターンを形成している。図5には、図2または図3または図4よりも多くの空洞部分がある。図5の形成された物品の幅および/または厚さは、図2、図3、または図4と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0038】
図5Cは、図5Aまたは図5Bに示すよりも少ない空洞領域56を有する、形成された物品50の代表的な概略端面図である。図5Cの形成された物品の幅および/または厚さは、図5Aまたは図5Bのものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0039】
図6は、2つ以上の空洞領域64を有するように形成された物品60の代表的な概略斜視図(図6A)および概略端面図(図6B)であり、それぞれの空洞領域64は、同じ一般的な形状を有する。図6には、図2、図3、図4、または図5よりも空洞部分が少ない。図6の形成された物品の幅および/または厚さは、図2、図3、図4、または図5のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0040】
図6Cは、図6Aまたは図6Bに示すよりも少ない空洞領域64を有するように形成された物品60の代表的な概略端面図である。図6Cの形成された物品の幅および/または厚さは、図6Aまたは図6Bのものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0041】
図7は、2つ以上の空洞領域72を有するように形成された物品70の代表的な概略端面図である。図中の複数の空洞領域は、等間隔に間隔をあけて配置されているように示されている。こうした等しい間隔は必ずしも不可欠なものとは限らない。
【0042】
図8は、2つ以上の空洞領域82を有するように形成された物品80の代表的な概略端面図である。複数の空洞領域は、パターンに見えるものを形成し、第1の定形の領域82と第2の定形の領域84を含んでおり、第1の形状が第2の形状に続いて配置されることで、見かけ上のパターンが繰り返される。
【0043】
図9は、2つ以上の空洞領域94を有するように形成された物品90の代表的な概略端面図である。複数の空洞領域は、第1の形状を有する最も外側の空洞領域と、異なる第2の形状を有する中心の空洞領域とを含んでいる。
【0044】
図10は、2つ以上の空洞領域102を有するように形成された物品100の代表的な概略端面図である。それぞれの空洞領域は、同じ一般的な形状を有し、概して互いから等しい間隔をあけて配置されている。図10には、図7よりも多くの空洞部分がある。図10の形成された物品の幅および/または厚さは、図7のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0045】
図11は、2つ以上の空洞領域112を有するように形成された物品110の代表的な概略端面図である。空洞領域はそれぞれ、同じ一般的な形状を有し、概して等間隔をあけて配置されている。図11には、図4よりも多くの空洞部分がある。図11の形成された物品の幅および/または厚さは、図4のものと同じでもよく、異なっていてもよい。
【0046】
図12は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、122および123)と、2つ以上の突出した領域(例えば、124、126、および128)とを含む、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品120の代表的な概略斜視図(12A)および概略端面図(12B)である。この実施形態では、一部の定形のチャネルは形状およびサイズが互いに似ているが、他のものは一様でない。図12Cは、構成が図12Aおよび図12Bと同様である、形成された物品の別の代表的な概略端面図である。
【0047】
図13は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、134および136)と、2つ以上の突出した領域(例えば、132および138)とを含んでいる、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品130の代表的な概略斜視図(13A)および概略端面図(13B)である。さらに、図13は、それぞれ空洞領域(例えば、131および133)を形成する、2つ以上の定形のチャネルを有する。図13の一部の空洞領域は、互いに同様の一般的な形状を有している。図13Cは、構成が図13Aおよび図13Bと同様である、形成された物品の別の代表的な概略端面図である。図13Cでは、空洞領域はそれぞれ、概して、互いに同様の形状を有する。
【0048】
図14は、2つ以上の湾曲した領域(例えば、144)と、2つ以上の突出した領域(例えば、145、146、147)とを含んでいる、2つ以上の定形のチャネルを有するように形成された物品140の代表的な概略端面図である。図14は、2つ以上の内部の空洞領域(例えば、142、143、および148)を備えている定形のチャネルも示している。この実施形態では、空洞のチャネルは、互いに形状およびサイズが一様でない。突出した領域および逆転したチャネルも互いに形状およびサイズが一様でない。
【0049】
図15は、2つ以上の定形のチャネル(例えば、152、153、155)を有する物品150の代表的な概略斜視図である。この実施形態では、チャネルのうちの1つが、突出した領域154から形成されている。
【0050】
図16Aおよび図16Bは、端部に2つ以上の開口部162を有するように形成された物品160の代表的な概略端面図である。それぞれの開口部は、開口部内に嵌まるように構成された、断面で示されたインサート164を含む。インサートは、本明細書で説明する、形成した物品の少なくとも一方の端部に配置されてもよい。図16Aおよび図16Bの両方で、インサートはそれぞれ、断面図では同じ一般的な形状を有するように示されている。追加の実施形態では、いくつかのインサートは、異なる断面形状を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、全ての開口部が常にインサートを必要とするとは限らず、または含むとは限らない。
【0051】
図17Aおよび図17Bはそれぞれ、一方の端部に2つ以上の開口部172を有するように形成された物品170の代表的な概略端面図を示す。それぞれの開口部は、開口部に嵌まる、断面で示された定形のインサート174を含んでいる。それぞれのインサートは、配置されたときに、形成した物品の少なくとも一方の端部にある。図17Aおよび図17Bの両方において、それぞれのインサートは、互いに同じ一般的な形状を有するように示されている。追加の実施形態では、いくつかのインサートは互いに異なる形状を含んでいてもよい。全ての開口部がインサートを必要とするとは限らず、または必ずしも含んでいるとは限らない。
【0052】
図18は、物品幅に沿って切断したときの物品180の一方の端部の一部分のみを示す。その図は、2つ以上のインサート182を示す。それぞれのインサートは、互いに同じ一般的な形状を有しており、物品180の空洞部分184中に配置されている。それぞれの空洞部分は、図中では、互いに同じ一般的な形状を有している。空洞部分186はインサートを含んでいない。追加の実施形態では、いくつかの空洞領域が互いに異なる形状であってもよく、かつ/または、数個かもしくはそれ以上の空洞領域がインサートを含んでいてもよい。
【0053】
物品は、用意されたときに、一体の構造を有し、それにより、物品は、1つまたは複数の層、シート、またはレイヤを積層することによって構成または形成されるものではない。
【0054】
本明細書で説明する物品の飽和時の曲げ破壊係数(MOR)は、概して、約4MPaを超える。いくつかの実施形態では、物品の飽和MOR値は、約7MPaを超えるか、または約8MPaを超える。いくつかの実施形態では、物品の飽和MOR値は、約10MPaを超える。例えば、鼻隠しとして形成された物品の外気温でのMORは、約6から9MPaでもよい。飽和時には、形成した鼻隠し物品のMORは、約6.2から約9.9MPaであるか、またはいくつかの実施形態では9.9を超える。別の例では、鼻隠しとして形成された物品の外気温でのMORは、約7.6から約8.7MPaでもよい。さらなる例では、同様に形成した物品の場合のMORは、8.7MPa以上でもよい。
【0055】
本明細書で説明する物品の弾性係数(MOE)は、概して、約7GPa未満であり、約6.5GPa未満であることが多い。いくつかの実施形態では、MOEは、約6GPa未満、または約4GPa未満、または約3.5GPa未満である。例として、鼻隠しとして形成された物品は、飽和MOEは約3.2から約4.7GPaでもよい。さらなる例では、同様に形成した物品のMOEは4.7GPaを超えてもよい。
【0056】
多くの実施形態では、物品は、用意したときに、見かけ密度が約0.77であり、そのため、物品の飽和MOR値が約9.1MPa、飽和MOE値が約5.7GPaになる。別の実施形態では、物品の飽和MOR値は、約6.5MPa、飽和MOE値は約5.4GPaである。さらに他の例を表2に提示する。
【0057】
MOR、MOEなど、新規の物品の性能パラメータは、ASTM C1185またはその改訂版によって特徴付けられる。
【0058】
上記で説明した定形のプロフィルを使用すること、および/または、物品に少なくとも1つのさらなる補強材を追加することによって、本明細書で説明する物品の扱い易さが改善される。適切なさらなる補強材は、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルム、およびフォームの形態でもよい。さらなる補強材に使用される材料の例は、それらに限定されないが、木材、木質複合材、プラスチックまたはプラスチック複合材(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ガラス、ポリマーフォーム、繊維、金属(例えば、アルミニウム)、およびそれらの組み合わせを含む。実施形態の1つでは、さらなる補強材は、メッシュまたはファブリックであり、それらは、織物または不織物とすることができるが、好ましくは、正多角形または円形の開口部を有する。さらなる補強材はまた、中空の繊維を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、さらなる補強材の破壊時の伸びは20%以下である。別の実施形態では、さらなる補強材は、厚さが少なくとも1/4インチの補強レイヤを備えている。選択されるときには、さらなる補強材料は、高い耐アルカリ性、高いUV抵抗性、長期間の耐久性、耐火性などの特性を含んでいてもよく、所定の引っ張り強度を有するべきである。1つまたは複数の実装形態では、本明細書で説明する物品にさらなる補強材を使用することにより、さらに長い物品の作製にとって、輸送期間中および据え付け中の破損を避けることが可能になる。
【0059】
さらなる補強材を有する物品を作製する際には、物品は、物品に埋め込まれたさらなる補強材料を含んでいてもよい。さらなる補強材料は、埋め込まれたときに、物品の長さ全体に及んでいてもよい。さらなる補強材料は、埋め込まれたときに、物品内のどの深さに埋め込んでもよく、物品の表面からは概ね見えない。さらに、または代替として、物品は、物品内に形成した1つまたは複数のキャビティと、そのキャビティ中に配置したさらなる補強材料とを含んでもよい。さらなる補強材料は、さらなる補強材のない等価の物品と比べて曲げ強度がさらに高い物品を提供するように選択される。さらなる補強材は、長さ約8フィート以上、または約8フィート以上、または約12フィート以上で、かつ厚さ約3/4インチ以上、または厚さ約1インチ以上の物品に設けられることが多い。
【0060】
図22に、さらなる補強材料を配置するための複数のキャビティ222を有する物品220を一般的な形態で示す。それらのキャビティは、物品の長さ全体に及んでいてもよい。実施形態の1つでは、さらなる補強材料は、連続の補強繊維の形態である。さらなる追加の補強材料が、キャビティ中に存在してもよい。さらに、または代替として、いくつかの実施形態では、キャビティはそれぞれ、同じまたは異なるさらなる補強材料を有していてもよい。図22に、概ね互いに同じ形状のものであり、概ね互いから等しい距離をあけて配置されている、内部の空洞領域としていくつかのチャネル224を有する物品220を示す。他の実施形態では、空洞領域は、互いに同じ形状またはサイズである必要はない。この実施形態では、内部にさらなる補強材料を有するキャビティ222が、空洞領域の近くに配置されている。キャビティ222は、この実施形態では、互いから、物品の空洞領域から、かつ側方の縁部から等しい距離だけあけて配置されているように示されている。他の構成は、所望の通りに作製してもよい。
【0061】
図23は、さらなる補強材料234を物品内に有する物品230を一般的な形態で示す。さらなる補強材は物品に埋め込まれている。さらなる補強材は、物品の上側表面から特定の深さにあるように示されているが、実際にはどの深さに埋め込まれていてもよい。通常、さらなる補強材は、埋め込まれたときに、物品中、またはその上に配置された定形の領域と干渉していない。実施形態の1つでは、さらなる補強材は金属メッシュである。図23では、物品230はさらに、概ね互いに同じ形状であり互いから等しい距離をあけているように示された、いくつかの空洞領域232を含む。それらのさらなる補強材は、各空洞領域から等しい距離の位置に配置されているように示されている。追加の構成は、所望の通りに準備してもよい。
【0062】
実際には、内部に1つまたは複数の定形の領域を有するある物品が、内部に1つまたは複数の定形の領域を有する第2の物品と協働してもよい。形態の1つでは、2つの物品が一緒に働くときに協働が起きる。互いに直接隣接する2つの物品が位置合わせおよび/または接合されたときに協働が起きてもよい。1つまたは複数のインサートの使用によって協働が補われてもよい。インサートは、本明細書で説明する物品の側壁に形成された開口部と係合するように設けられる。通常、インサートの一方の端部が、第1の物品の第1の端部で概して中空の領域の形態である、開口部内に配置されている。インサートの他方の端部は、少なくとも1つの端部にある、隣接する第2の物品の(概して中空の領域の形態の)開口部内に配置されている。形成された2つの物品の端部開口部がインサートなどによって位置合わせされるときに、それらの2つの物品は互いに接合される。したがって、物品の端部開口部は、第2の物品と協働できるようにインサートを受けるように適合されていることが多い。この例では、インサートは、隣接する2つの物品を互いに固定するように働く。所望のときには、インサートにより、現場で(例えば、建物で)別の物品に隣接して配置されたときに、2つ以上の物品の間で継ぎ目のない外観が可能になる。インサートの1つまたは複数の形態は、物品上にある1つまたは複数の端部開口部を閉じるように働いてもよい。
【0063】
本明細書で説明するインサートの様々な形状が図18〜図21および図24に示されており、これらは非限定的な例として役立つ。隣接する物品は、インサート1つだけ有してもよく、図18、図21A、図21B、および図24に示すように複数のインサートを有してもよい。図18、図21A、および図21Bはそれぞれ、少なくとも1つの端部開口部にインサートを有する、1つまたは複数の代表的な物品の一部分を示す。図21Bおよび図24は物品を2つ示す。図24では、物品242および243は、互いに隣接して配置されており、245として示す2つ以上のインサートがそれぞれ嵌められている。1つまたは複数のインサートを受けるための様々な代表的な端部開口部は、図1〜図11、図13〜図17、図21A、図21B、および図22〜図24に示されており、これらは非限定的な例として供給する。
【0064】
本明細書ではコネクタとも称するインサートが、任意の適切な材料から作製されてもよく、複合材料製でもよい。コネクタを作製するのに使用される材料の代表的な例は、これらに限定されないが、金属、プラスチック、ゴム、フォーム、木材、形成可能なスポンジなどを含む。コネクタは、通常、本明細書で説明する物品の中空の領域に簡単に挿入できる形状を有するように設計されている。コネクタは、開口部に挿入されるときに、概ね良好に嵌まり、固定されており、したがって引き出しにくい。いくつかの形態では、コネクタは、1つまたは複数のプラグによってさらに固定されてもよい。図示していない追加のコネクタの形状も適切である。本明細書で説明する物品の少なくとも1つの端部開口部は、横に並べて配置された隣接する2つの物品を互いに接合するように構成されたコネクタを受けるように設けられる。1つまたは複数の実施形態では、コネクタは、物品の開口部とさらに係合するセルフロック機構または固定/係合/捕捉機能を有する。ある特定の実装形態では、コネクタは、物品を通して空気が流れることが可能であるか、または水(例えば、水分)が開口部の内部から流出できるように内部に構成されたチャネルを有している。
【0065】
1つまたは複数の定形の領域を有する物品を、空洞があっても、突出していても、または湾曲していても、エンドキャップと嵌めることができる。物品の一方の端部のみ、または物品の両方の端部が、エンドキャップを含んでいてもよい。エンドキャップは、物品の端部全体を覆っていてもよく、その一部分のみを覆っていてもよい。エンドキャップは、通常、物品の端部に存在する1つまたは複数の中空の領域を閉じるかまたはシールするようにデザインされている。エンドキャップは、水が物品の内装に達しないことを助けるようにして形成されていてもよい。エンドキャップを、虫が内部で巣を作らないこと、または水が物品中にその端部で入り込まないことを助けるために使用してもよい。エンドキャップは、端部の一部分のみのためのものであり、したがって、物品の端部にある開口部を1つだけ、またはいくつかの開口部を閉じるのに有効であってもよく、あるいは、全ての開口部および空洞領域が単一にエンドキャップで閉じられるように、物品の端部全体に嵌まるようにデザインされていてもよい。一例では、エンドキャップは、物品の端部で開口部または空洞領域に部分的に嵌まるインサートと同様に形成された特徴を含んでいてもよい。
【0066】
エンドキャップの例を図25および図26に示す。これらの両方の図は、端部にインサート似の特徴を複数含む単一のエンドキャップを示す。図25は、本明細書で説明する物品の端部と面一に嵌まり、概ね物品の端部全体に嵌まる、代表的なエンドキャップである。図26は、本明細書で説明の物品の端部の周りに部分的に巻き付き、したがって、物品の端部全体に嵌まる、エンドキャップである。
【0067】
図27は、図24と同様であり、物品の端部に配置された状態で示すエンドキャップを示す。物品は、エンドキャップが1つまたは複数の空洞領域に嵌まっている様子を示すために切り取られている。この図では、物品は、エンドキャップのインサート様の特徴物でふさがれていないいくつかの空洞領域を有する。
【0068】
図28は、物品の端部に配置されたときにやはり図24と同様であり、物品の端部の周りに巻き付いた状態で示す、エンドキャップを示す。
【0069】
エンドキャップは、例として金属、プラスチック、ゴム、フォーム、プラスチック、ポリマー複合材料、木材、形成可能なスポンジ材料などの任意の適切な材料または複合材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、エンドキャップは、物品の色に合うように製造および/または塗装される。エンドキャップは、任意の所望の長さのものでもよい。エンドキャップの長さは、物品の幅全体に合っていてもよく、合っていなくてもよい。エンドキャップの適切な長さの範囲は、少なくとも約1インチから約16インチの範囲を含む。エンドキャップの所望の寸法および追加の機能は、形成される物品の幅、物品の端部のかぶせられる部分の厚さ、および/またはかぶせられる被覆の数に応じて変わることが多い。
【0070】
本明細書で説明する物品は釘打ち可能である。釘打ち可能である特性には、物品の厚さが反映されてもよく、所与の釘の構成が、その厚さを通して、(例えば、釘が、物品の縁部からある距離だけ離れた位置で外面と面一に提供されるときに)物品へのひび割れまたは分裂などの損傷を引き起こすことなく押し込まれてもよい。釘打ち可能であることは、釘の貫通、釘の引き抜き、および横方向の釘の抵抗も特徴とする。釘打ち可能である物品は、釘打ち不能であるものよりも簡単に速く据え付けられる。本明細書で説明する物品に関しては、標準の釘打ち機を使用してもよい。釘打ち不能な製品は、ねじを使って据え付ける必要があり、したがって、穿孔、および/または何らかのタイプのクリップもしくはフックが必要であり、したがって、より長い時間が必要であり、統一性が低減される。本明細書で説明する物品の据え付けは、電気式または空気圧式の釘打ち機など、自動のデバイスを使って行ってもよい。本明細書で説明する物品が釘打ち可能であることは、例えば、自動のデバイスによって据え付けられた釘がそれぞれ、釘打ち機のある範囲の圧力設定または多数の調節を必要とすることなく、正確であり視覚的に満足する高さに設けられることを意味する。
【0071】
本明細書で説明する定形の物品を形成するには、水硬性結合剤、1つまたは複数の繊維源、熱可塑性薬剤ありまたは熱可塑性薬剤なしの1つまたは複数のシリカ源を含む配合物が必要である。水硬性結合剤は、単一の材料またはセメントなどの複合材料でもよい。結合剤の例には、これらに限定されないが、ポルトランドセメント、高アルミナセメント、石膏、石灰、高炉スラグなどならびにそれらの組み合わせが含まれる。水硬性結合剤は、概して、配合物の約20重量%から約80重量%に相当する。いくつかの実施形態では、水硬性結合剤は配合物の約30重量%を超える。他の実施形態では、水硬性結合剤は配合物の約38重量%を超える。いくつかの実施形態では、水硬性結合剤は、70重量%未満であるか、または配合物の60重量%未満であるか、または配合物の約50重量%未満である。結合剤は、配合物に、したがって形成された物品に、色を加える1つまたは複数の材料を含んでいてもよい。さらに、または代替として、配合物は、色調、または色調を提供するかもしくは混合したときに配合物の色を変える材料含んでいてもよく、それにより、形成された物品に色付けするかまたはその色を変更する。
【0072】
本明細書で説明する配合物で使用される繊維は、漂白でも無漂白でもよい、セルロース繊維など、植物または木材をベースとした繊維を含んでいてもよい。選択される植物または木材ベースの繊維は、概して、中空であり、軽量であり、多次元であり、形成した物品のマトリックス中にあるときは優秀な強度補強材を提供する。繊維の寸法は、製品の特定の釘打ち可能性、密度、および靭性を実現するためにあらかじめ選択されてもよいことが分かっている。繊維の長さは約0.05mmから約5mmでもよい。いくつかの実施形態では、繊維の長さは約3mm未満である。繊維の長さは、いくつかの実施形態では、約1mmを超える。繊維の直径は、概して、約5μmと150μmの間である。本明細書で使用する繊維は、繊維の表面または隣接するセメント系マトリックスの上または近くにおいて、カビ、バクテリア、藻類、または苔癬の成長を遅らせる1つまたは複数の殺生物剤で最初に処理してもよい。本明細書で使用する繊維は、水による損傷を低減するために最初に1つまたは複数の撥水剤で処理してもよく、それにより、セメント系マトリックスへの水の浸入が制限される。殺虫剤および/または撥水剤は、代わりにまたはそれに加えて、あらかじめ処理した繊維に使用する代わりに配合物(例えば、混合物)に加えてもよく、あらかじめ処理した繊維の使用に加えて配合物(例えば、混合物)に加えてもよい。
【0073】
本明細書で説明する配合物のための繊維はさらに、融点が高いポリマーベースの合成繊維を含んでいても含んでいなくてもよい。融点が高いポリマー繊維の例は、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アラミドなどである。ポリマー繊維は、木材ベースの繊維よりも粘弾性の性質が高いことが多く、したがって、形成されたときの繊維セメント物品に高い可撓性および良好な性能の特徴を提供することができる。発明者らには、仕上げ物品中にあるときに繊維の完全性に影響を及ぼすことなく、繊維の融点よりも高いオートクレーブ温度を、本明細書で説明する配合物のために使用してもよいことが分かっている。例えば、あるポリプロピレン繊維の融点が160℃であるが、繊維補強材への明らかな影響なしに、170℃、または175℃、または180℃の温度を含む、融点温度よりも高いオートクレーブの温度を利用することができる。その繊維は、炭素繊維、耐アルカリガラス繊維など、無機の繊維をさらに含んでいてもよい。無機の繊維は、使用時には、メッシュ、マット、または連続した構成の形態でもよい。
【0074】
本明細書で説明する配合物では、シリカ源は、例として粉砕シリカ、シリカフューム、フライアッシュ、スラグ、粘土など、およびそれらの様々な組み合わせを含む、1つまたは複数の骨材を含んでいてもよい。配合物のシリカ源は、概して、約10重量%から約70重量%である。いくつかの実施形態では、シリカ源は約20重量%を超える。他の実施形態では、約30重量%を超える。さらなる実施形態では、シリカ源は約60重量%未満である。シリカ源は、約50重量%でもよく、約50重量%未満でもよい。シリカ源は、物品の凝固および/または硬化に影響を及ぼすこともあるマトリックスの強度を改善するように粉砕されてもよい。いくつかの実施形態では、粉砕粒子の表面積は、約500m2/kg以下でもよく、約450m2/kg以下でもよい。追加の実施形態では、粒子の表面積は、粉砕時は、約400m2/kg未満でもよい。いくつかの実施形態では、粒子は、約380m2/kgでもよく、約380m2/kg未満でもよい。
【0075】
多くの実装形態では、本明細書で説明する配合物はさらに、1つまたは複数の低密度添加剤を含んでいる。低密度添加剤は、代表的な例としてセノスフェア、独立気泡の膨張パーライト、開放気孔の膨張パーライト、珪酸カルシウム水和物、フライアッシュ、有機または無機のミクロスフェア、およびそれらの様々な組み合わせのうちの1つまたは複数でもよい。1つまたは複数の低密度添加剤を取り入れることは、マトリックスの真密度を低下させ、したがって、形成時の物品の見かけ密度の低下に貢献することが分かっている。
【0076】
1つまたは複数のセメント促進剤が、本明細書で説明する配合物に含まれてもよい。促進剤は、珪酸カルシウム水和物、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミン、繊維セメント製品のリサイクル粉末、低密度添加剤など、およびそれらの様々な組み合わせに相当してもよい。促進剤は、未硬化の繊維セメント物品として形成されるときに物品がより速く固化および凝固できるようにする、速く固化する能力を有していてもよい。その能力により、さらに、未硬化の物品に損傷を与えることなく、加工後の未硬化の物品をうまく扱うことができる。促進剤は、硬化促進剤(fast curing agent)でもよい。急速に硬化することで、工程時間が短縮され、したがって、コストが削減され、形成した製品を迅速に製造および使用することができる。硬化した製品に形成される化学的な様相を変更し、したがって、最終製品の変更された性能および/または所望の性能をもたらすように促進剤を選択してもよいことが分かっている。
【0077】
本明細書で説明する配合物はさらに、1つまたは複数の増粘剤または加工強化剤(process enhancing agent)を含んでいてもよい。増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースエーテル、または他の適切な化合物など、可塑剤、超可塑剤、分散剤、または濃縮剤のうちの1つまたは複数から選択されてもよい。増粘剤または加工強化剤は、製造中に混合工程および形成工程を助ける。
【0078】
さらに、本明細書で説明する配合物は、1つまたは複数の発泡剤、または空気捕捉剤(air entrapping agent)、または吹き込み剤(blowing agent)、および/または気泡安定剤を含んでいてもよい。製造中に物品のマトリックスにガスポケットを取り入れるのを助ける化合物または化学物質は、発泡剤または吹き込み剤と考えられてもよい。例には、代表的な例として、炭酸カルシウム水和物、重炭酸ナトリウム、アルミニウム粉末など、ガスまたはガスを発生する材料が含まれる。こうした材料は、通常、熱または水分によって活性化され、二酸化炭素または水素などのガスをマトリックス中に放出され、したがって、上記で説明した1つまたは複数のガスポケットまたはボイドが取り入れられ形成される。いくつかの実施形態では、ボイドは、さらにまたは代替的に、空気捕捉剤があってもなくても、空気またはガスの存在下で、激しく混合することなど、機械的な空気の連行によって物品に組み込まれてもよい。
【0079】
ここまで説明した配合物は乾燥質量ベースである。さらに、配合物に水が乾燥質量ベースで配合物の重量の約75%未満の量だけ追加される。多くの実施形態で、水の含有率は、配合物の50%未満であるか、または40%未満であるか、または30%未満である(乾燥重量に基づく)。
【0080】
1つまたは複数の本明細書で説明する物品を作製するのに有効な代表的な構成要素および変更形態を表1に提示する。
【0081】
【表1】
【0082】
表1に提示したものなど様々な実施形態の場合に、セメントは、一例として、ポルトランドセメントの形態でもよい。珪質物は、一例として、シリカまたは砂の形態でもよい。繊維は、一例として、セルロースパルプおよび/または設計された繊維の形態でもよい。他の骨材は、一例としてフライアッシュの形態でもよい。分散剤または濃縮剤は、一例として、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースの形態でもよい。可塑剤は、一例として超可塑剤でもよい。
【0083】
表2は、本明細書で説明する代表的な3つの物品に関する、見かけ密度、飽和MOR、および飽和MOEを提示する。
【0084】
【表2】
【0085】
物品Aは、約40〜49重量%のセメント、30〜38重量%のシリカ源、7〜9重量%のハンマーミルで粉砕したセルロース繊維、0.5〜3重量%の合成繊維、8〜11重量%の低密度添加剤、および3重量%未満の増粘剤を含む配合物で作製された。物品BおよびCは、約45〜50重量%のセメント、30〜35重量%のシリカ源、7重量%未満のハンマーミルで粉砕したセルロース繊維、3重量%未満の合成繊維、12〜19重量%の促進剤、および2重量%未満の増粘剤を含む配合物を用いて作製された。全ての配合物において、シリカ源は、平均表面積が400m2/kg未満の粒子を生成するように粉砕された。全ての配合物において、セメント中のカルシウムとセメント中のシリカの比は、50:50から60:40の範囲であった。
【0086】
物品は、キャスト成形、モールド成形、押し出し成型、フローオン成形、または一体構造の構造物を形成するための他の同様の方法のうちの1つによって加工される。したがって、原料は、使用する工程によって必要に応じて修正してもよい。どんな工程の場合でも、原料は、しっかりと混合されて、均一の混合物を形成する。原料は全て、最初に取り入れられてもよく、一部の原料は、工程(例えば、連続する工程)中に配合物に取り入れられてもよい。押し出し成形を含むいくつかの方法では、原料は、同じ工程ステップ中に、取り入れられ、混合されてもよい。次いで、混合物が形成されて、一体の構造の未硬化の物品になる。未硬化の物品は、水硬性結合剤から構成された、まだ硬化していない配合物から形成された物品である。
【0087】
多くの実施形態に関して、物品が押し出し成形によって加工される。押し出し成形では、ある特定の型の設計を利用して1つまたは複数のあらかじめ形成された中空領域を形成することができる。キャスト成形、モールド成形のときに、またはフローオン成形方法を利用するときに、使用されるモールド型または成形型は、物品の1つもしくは複数の中空領域または1つもしくは複数のチャネルを画定する、あらかじめ形成された形状を有するインサートを収容してもよい。
【0088】
1つまたは複数の実施形態では、工程の一部または全部は、マトリックス内のガスポケットまたはボイドが選択されたガスを含み形成されることを保証するように、窒素または二酸化炭素の環境内など、制御した環境で実行されてもよい。選択された環境を有することが、予備硬化、急速固化、プレカーボネーション(pre−carbonation)またはその他の特性など、工程のある特定の特性を助ける。
【0089】
硬化を助け、かつ/またはガスポケットの形成を誘発するために、任意選択で、熱が取り入れられてもよい。任意選択で、工程の温度を、硬化またはガスポケット形成の誘発を遅らせるのを助けるために、低下させてもよい。吹き込み剤および/または発泡剤が配合物に含まれているときは、ガスポケットは、機械的な混合によって、または工程中に取り入れられる外部の熱源を追加することによって、工程中に自然に発生することがある。
【0090】
いくつかの実施形態では、未硬化の物品は、形成後に仕上げられてもよく、その仕上げは、未硬化の物品をエンボス加工、プレス加工、スタンピング、ブラッシングなどにかけて、所望の表面仕上げ、表面デザイン、および/または表面効果を取り入れることを含んでもよい。未硬化の物品が、概して、空気硬化、オーブン硬化、および/またはオートクレーブ硬化の工程によって固化および硬化して、最終の物品が作られる。いくつかの実施形態では、サンディング、カッティング、機械加工、またはブラッシングを、所望に応じて、さらなる効果のために、硬化後に物品の表面に施してもよい。
【0091】
物品を製造する代表的な方法が図30に示されている。ボックス302では、原材料が選択され、既知の混合方法に従って原材料を混合することによってペーストが形成される。実施形態の1つでは、次に、そのペーストは、1軸または2軸の押し出し成型機を用いて加工される。ボックス304では、型が配置され、1つまたは複数の中空領域またはプロフィルが、一体構造の材料の表面上またはその材料内に作られる。中空領域は、型に中空構造の形成器を用いて形成されてもよい。より長い形成器を組み込むときは、増設部分が、平滑加工またはテクスチャード加工できる表面仕上げの改善を助けてもよい。定形の領域又は中空の領域は、材料が未硬化の定形の物品として形成された後で、一体構造の材料に形成されてもよい。例えば、定形の領域は、物品が形成された後で、または物品が硬化した後で、領域にドリルまたはルータで穿孔することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ペーストにボイドおよび有孔構造を生成するために、空気が注入によって取り入れられる。さらに他の実施形態では、発泡剤および/または気泡安定剤は、追加として、または代替として、より小さいサイズのボイドの生成を促進し、ボイドの均質な分配を促進するために追加される。ボックス306では、物品は、モールド成形などで形成されるか、または押し出し成型される。材料が型から出るときに、表面仕上げが物品に施されてもよい。いくつかの実施形態では、エンボス加工ローラ、プレス、サンダ、ブラシ、仕上げ機などのデバイスによって仕上げが施される。ボックス308では、一体構造のセメント系構造に関する当技術分野で知られたサイクルを用いて、物品を乾燥および硬化させる。質量が小さい物品の場合に乾燥工程に何らかの改変を行ってもよく、したがって、乾燥および/または硬化に必要な時間が短くなる。いくつかの形態では、本明細書で説明する物品は、硬化したときに細長くなっている。ボックス310では、形成された物品は、任意選択で切断され、かつ/またはさらに必要に応じてまたは所望に応じてコーティングされる。コーティングは、着色を含んでもよく、例として噴霧乾燥、カーテンコーティングなど、関連の技術分野で知られた方法によって行われてもよい。ボックス312では、形成された物品は、概して、現場で使用するために、積み重ねられ、包装され、運搬の準備がされている。物品は使用前に格納されていてもよい。
【0092】
第1の実施例では、繊維セメントのトリムボードが、厚さ3/4インチ、長さ10フィートの仕上がり寸法になるように形成され、様々な幅を有するように作製された。その物品のための配合物は、乾燥重量ベースで、9%のセルロース繊維、3%のポリプロピレン繊維、38%のポルトランドセメント、2〜3%の粉砕フライアッシュ、15%の粉砕シリカ、3%のシリカフューム、3%の低密度珪酸カルシウム水和物、3%のヒドロキシエチルセルロース、および2%の重炭酸ナトリウムを含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の53重量%まで、配合物に水が追加された。配合物および水は、互いにブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。ペーストは、あらかじめ選択された型によって押し出し成型されて、未硬化の鼻隠し板が製作された。その型は、各ボードに円形に形成した中空領域を取り入れるために、型の長さに沿って円筒形の部分を有するようにデザインされた。この例は円筒形の部分を有する型を含んでいたが、上記で説明したような、かつ/または図面に示したような任意の他の形状を使用してもよいことが留意されよう。押し出し成形の後に、それらのボードは、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、オートクレーブ中で約8時間、165℃で硬化した。繊維セメントボードは、形成されたときは、軽量であり、トリムアンダ(trim under)として使用するのに適切であった。
【0093】
別の実施例では、繊維セメントの鼻隠し板が、厚さ1インチ、長さ12フィートまたは16フィート、幅5.5または7.25インチの仕上がり寸法で形成された。その物品の配合物は、乾燥重量ベースで、7%のセルロース繊維、1%の合成繊維、42〜48%のセメント、10%の低密度添加剤、32〜38%の微粉砕シリカ、0.9〜1.4%の増粘剤を含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の最大70重量%まで、配合物に水が加えられた。配合物および水が一緒にブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。次いで、空気が取り入れられた。さらに、発泡剤または気泡安定剤が追加された。ペーストは、あらかじめ選択された型によって押し出し成型された。その型は、図31または図32のいずれかに示すような、事実上楕円形の形をした中空領域を有する未硬化の鼻隠し板を製作する、型の長さに沿ってあらかじめ選択した空洞部分を有する。図31Aおよび図32Aはボードの部分斜視図(長さは縮尺が正確ではない)を示し、図31Bおよび図32Bはボードの端面図を示す。図31に幅5.5インチのボードを示し、図32に幅7.25インチのボードを示す。それらの図はさらに、硬化の前または後に取り入れられてもよい切り欠き部分を示す。切り欠き部分を有する実施形態は、下端などの第2のパネルに協働して嵌まってもよい。押し出し成形の後に、それらのボードは、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、オートクレーブ中で約8時間、165℃で硬化した。繊維セメントボードは、形成されたときは、軽量であり、鼻隠しとして使用するのに適切であった。
【0094】
さらなる例では、繊維セメントのトリムボードが、厚さ1インチ、長さ12フィート、幅3.5または4.5または5.5または7.25または11.25インチの仕上がり寸法で形成された。その物品のための配合物は、乾燥重量ベースで、4%のセルロース繊維、1〜2%の合成繊維、45〜50%のセメント、15%の促進剤、30〜35%の微細粉砕シリカ、および1%未満の増粘剤を含んでいた。さらに、乾燥ベースで配合物の最大65重量%まで、配合物に水が加えられた。配合物および水が一緒にブレンドされて、事実上均一のペーストが作られた。次いで、空気が取り入れられた。さらに、発泡剤または気泡安定剤が追加された。ペーストは、未硬化のトリムボードを生成するようにあらかじめ選択された型によって押し出し成型された。最終のボードの例が図33または図34に示されている。図33Aおよび図34Aは、ボードの部分斜視図を示し(長さは縮尺が正確ではない)、図33Bおよび図34Bは、ボードの端面図を示す。図33は幅3.5インチのボードを示し、図34は幅11.25インチのボードを示す。押し出し成形の後に、ボードは、さらに形成されて溝を付けられ、次いで、25℃、相対湿度25%、約24時間の設定で放置され、次いで、165℃で約8時間、オートクレーブ中で硬化した。トリムボードは、形成されたときは、軽量であり、トリムアンダとして使用するのに適切であった。例えば、2003 International Residential Code for One- and Two- Family Dwellings, Section R703.1(1世帯住宅および2世帯住宅に関する国際住宅基準2003、セクションR703.1)参照。
【0095】
図29は、廻り縁の形態の定形の物品を断面図に示す。その物品は、ベース幅Bのベース面を有する。この実施形態では、物品の第1の側方の縁部Cは、ベース面から38°の角度に沿って、ベース面に対してDの高さまで延びており、物品の第2の側方の縁部Eは、ベース面から53°の角度に沿って、ベース面に対して高さFまで延びている。実施形態の1つでは、ベース幅B、高さD、高さF、上部の幅G、および高さLは、それぞれ約1.959インチ、0.637インチ、0.631インチ、3.25インチ、および0.827インチであってもよい。別の実施形態では、ベース幅B、高さD、高さF、上部の幅G、および高さLは、それぞれ約4.32インチ、0.461インチ、0.452インチ、5.25インチ、および0.768インチであってもよい。
【0096】
形成時には、本明細書で説明する物品は、パネルまたはボードなど、ある程度平坦な外観を有していてもよい。さらに、物品は、形成されたときに、厚さが一様でなくてもよい。概して、本明細書で説明する物品は、従来のボードと同等の代替物として据え付けられてもよい。本明細書で説明する物品は、鼻隠しまたはトリムまたは廻り縁など、化粧用の非耐荷重パネルとして使用されてもよい。
【0097】
ある形態では、本明細書で説明する物品は、(所在地の建物の規則に従って)木材のフレーム上に据え付けられる。さらなる実施形態では、本明細書で説明する物品は、(追加の固定具もしくは隠し固定具の助けで、またはその助けなしで)金属のフレームに据え付けられてもよい。他の実施形態では、本明細書で説明する物品は、角部、バンドボード(band board)に、窓および扉の周りに、傾斜板(rake)および幕板として、据え付けられる。いくつかの例では、その物品は、建物構造の軒下で屋根の根太の端部をカバーするように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する物品(352)は、図35に示すように外面が外壁(354)に平行に配置された状態で、屋根の根太の複数の端部にわたって垂直に設置されている。さらに、本明細書で説明するいくつかの物品は、図35に示すように第2のパネル(356)と壁(354)との間の隙間を跨ぐように、第2のパネルの内面と係合し第2のパネルと壁との間を延びるように適合された第1の物品(352)を含んでいてもよい。第1の物品および第2のパネルは、両方とも、本明細書で説明する物品を含んでいてもよく、異なるように構成されていてもよい。第1の物品(362)および第2のパネル(366)は、図36に示すシステムのように一緒に据え付けられていてもよい。第1の物品および第2のパネルが屋根の縁部に沿っているときは、システムは、建物構造の外観を良くするように屋根の下側を閉じていてもよい。第1および第2のパネルは、両方が本明細書で説明する物品から作製されていてもされていなくても、天候および虫から軒の下側を保護すること、ならびに適切な換気の助けで屋根裏の温度の変動を小さくすることを助けてもよい。
【0098】
物品(362)が、図36に示すように、ツーバイ材の副鼻隠し(a 2x sub−fascia)(364)を覆って(副鼻隠しは下端(366)と協働してもよい)、または、ツーバイ材の垂木の末端に直接固定されていてもよい。物品を堅いツーバイ材の副鼻隠しを覆うように据え付けるときは、最小で2インチ、16ゲージの耐腐食性仕上げ釘が概して使用される。概して、垂木の末端に直接据え付けるときは、本明細書で説明する物品の接合部が、垂木から離れて据え付けられ、ツーバイ材の転び止め(blocking)が接合部の背後に据え付けられるべきである。本明細書の物品を(例えば、ツーバイ材の副鼻隠しなしで)直接垂木の末端に用いるときは、最小6dのサイディング用の耐腐食性の並釘が、木材フレームの構築物に取り付けるために概して使用される。仕上げ釘は、物品をツーバイ材の副鼻隠しに取り付けるときにしか使用されない。概して、釘は、縁部から約1〜1/4インチよりも近くには配置されず、物品の端部から1インチよりも近くに配置すべきではない。ファスナの間隔は、垂木の末端に直接据え付けるときは、概して、最大24インチの中心間の間隔を有し、ツーバイ材の副鼻隠しを覆うように据え付けるときは、概して最大16インチの中心間の間隔をあけて配置される。全ての水平の突出および露出した物品を面一にすることも重要である。屋根板は、通常、本明細書で説明する物品に取り付けられない。
【0099】
本明細書で説明する物品は、フレームに対する幕板など、または図37に示すような角部周りで、建物に直接据え付けられてもよい。図37は、物品376、角部のスタッド(372)、および仕上げ釘(374)を示す。物品の背面に配置され、次いで、さらにフレームに固定される、隠し固定具が使用されてもよい。鼻隠し、傾斜板、トリム、バンドボード、および幕板の用途に関しては、本明細書で説明する物品を取り付けるために、長さ2インチ、最小16ゲージの亜鉛めっき仕上げ釘を使用すべきである。釘の配置は、鼻隠し、傾斜板、および幕板の用途の場合に中心間の間隔が16インチおきであってもよい。さらに、仕上げ釘は、概して、長い縁部から1/2インチよりも近くに配置されず、物品の端部から1インチよりも近くには配置されない。最大24インチの中心間の間隔をあけて配置されているファスナは、特に開口部が4フィートを超えるときに、バンドボードとして、または窓、扉および他の開口部の周りに配置された物品の場合に使用されてもよい。
【0100】
図36は、角部に据え付けられており正面の部材(369)の背後に配置されている、傾斜部材(367)として物品を示す。いくつかの実施形態では、傾斜部材の底の端部は、正面の部材との平坦な面を設けるために切り取られるべきである。突き合わせ接合部が、垂木から離れて据え付けられ、ツーバイ材の転び止めが接合部の背後に据え付けられることが多い。本明細書で説明する2つの物品同士を接合するときに約22.5°から45°の傾斜した切断部が使用されることが多い。図36はさらに、下端パネル(366)およびツーバイ材の鼻隠し(364)を示す。
【0101】
図38は、廻り縁として形成および配置された物品(381)を、本明細書で説明する、鼻隠し板として配置された別の物品(382)と、本明細書で説明する、トリムボードとして配置されたさらに別の物品(383)と共に示す。前記物品の据え付けは、壁サイディング(387)、下端(388)、天候抵抗性のバリア(386)、および羽目板(384)を含んでいる。
【0102】
本明細書で説明する物品を廻り縁として配置するときは、2.5インチ、最小16ゲージの仕上げ釘が使用されるべきである。廻り縁ボードとして鉄骨フレーム構造に据え付けるときは、ファスナが使用されてもよい。適切なファスナの例の1つは、ET&F Fastening Systems、 Inc.(米国オハイオ州)からのものである。概して、釘は、縁部から0.5インチかつ物品の端部から1インチよりも近くには配置されるべきでなく、中心間の間隔最大16インチで配置されるべきである。
【0103】
図39は、本明細書で説明する、鼻隠し板として設けられている別の物品(394)と、廻り縁(396)として設けられているさらなる物品と、本明細書で説明する、トリムボードとして設けられているさらに他の物品(398)と、バンドボード(399)としての追加の物品と共に、傾斜板として形成および配置された物品(392)を示す。前記物品の据え付けは、雨押さえ(391)、下端(393)、ツーバイ材の副鼻隠し(395)、および最小1/8インチの場合がある隙間(397)を含んでいる。
【0104】
固定具の取り扱いは、本明細書で説明する物品を使用するときのほとんどの用途と同様である。概して、本明細書で説明する物品に使用される全てのファスナが、耐腐食性、亜鉛めっき、またはステンレス鋼であるべきである。ステンレス鋼のファスナが良い。電気亜鉛めっきファスナが許容可能であるが、耐腐食性が不十分な場合がある。良質の溶融めっきした亜鉛めっき釘が良い。本明細書で説明する物品は、手で釘打ちしてもよく、空気圧式工具で固定してもよい。空気圧式固定具は、本明細書で説明した物品を据え付けるときに、多くの例でより適切である。釘は、物品に対して面一にされるべきである。空気圧式工具による面一型の取り付けは、良好であり、釘打ちしているときの釘の深さを制御するのを助ける。いくつかの実施形態では、釘をアンダドライブする(under drive)ときに固化を利用してもよい。アンダドライブ式の釘(under driven nail)は、滑らかな面のハンマでぴったりとさらに釘打ちされてもよい。ファスナをフレームに対して垂直に押し込むべきである。釘は、角度を付けて押し込むべきではない。木材フレームの場合は、アンダドライブ式の釘は、滑らかな面のハンマでトリムに面一に打たれてもよい。アルミニウムのファスナ、ステープル、または頭部が欠けたタイプの釘は、概して、本明細書で説明する物品には適切ではない。
【0105】
据え付け後に、物品は、さらにコーキング、塗装および/または下塗りされてもよい。こうしたさらなるステップは、現場で切断した縁部に有効である。コーキングするときは、ASTM C920 GRADE NS、Class 25などに準拠したエラストマー系の目地剤以上のエラストマー系の目地剤、またはASTM C834に準拠したラテックス系の目地剤に対しては結果が良好であることが分かっている。コーキングは、塗布するときに、製造業者の指示書および/またはASTM Cl193に従って塗布するべきである。色合わせしたコーキングが入手可能である。
【0106】
一部の物品は、あらかじめ塗装またはあらかじめ下塗りしてもよく、下塗りまたは塗装した面(複数可)にラミネートシートを含んでもよい。下塗りおよび/または塗装した物品を据え付ける場合は、そのラミネートシートは、物品を据え付けるときに外側を向いている。そのラミネートシートは、釘打ち後にできるだけすぐに取り除くべきである。任意の釘の頭部の手直しは、ラミネートシートを取り除く前に行ってもよく、その後に行ってもよい。方法の1つは、ラミネートシートが適位置にある間に手直しし、次いで、塗装が乾く前にラミネートシートを取り除くことである。さらなる塗装または手直しを、物品を据え付けた後に行ってもよい。手直しは、概して、切り欠き、ひっかき、および釘の頭部に関するものである。広い領域に手直しが必要な場合は、選択肢の1つは、損傷した領域を、塗装済みの新しい物品に交換することである。工場で切断していない縁部は、縁部のコーティング機で処理すべきである。
【0107】
通常、据え付けられた物品(例えば、あらかじめ塗装していない物品)は、あらかじめ下塗りされた物品の場合は約180日以内に、下塗りしていない物品の場合は約90日以内に塗装すべきである。100%アクリル製の上塗りが推奨される。物品は、濡れているときには塗装すべきでない。塗布割合は、製造業者の仕様に従うべきである。物品がスプレ噴霧される場合は、多くの例で、バックローリング(back−rolling)を実行してもよい。
【0108】
本明細書で説明する定形の物品は、低密度であり、釘打ち可能であり、強度および耐久性が良好である。本明細書で説明する物品の質量および/または見かけ乾燥密度が低減されているので、前記物品は、代替の工程によって製作される他の物品とは異なる。本明細書の物品は、代替の工程で形成された他のセメント系物品とは異なり、説明した工程および配合物を含むときは、サイディング、パネル、トリム、鼻隠し、屋根材、廻り縁、敷板、または外柵などの建材に有効な長い物品として最初に用意されてよい。
【0109】
多くの実施形態の上記の説明は、本発明の根本的な新規の特徴を示し、説明し、指摘してきたが、図示のような本発明の詳細の形態の様々な省略、代用、および変更、ならびにそれらの使用を、本発明の範囲から逸脱することなしに、当業者なら実施できることが理解されよう。したがって、本発明の範囲を上記の議論に限定すべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域を有する物品であって、前記物品が、セメント系物品であり、一体構造であり、前記定形の領域が、物品の少なくとも一方の端部にあり、前記物品が、前記定形の領域を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも軽量である、物品。
【請求項2】
前記物品の見かけ密度が約0.9g/cm3未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域が、前記物品の前記見かけ密度を約10%以上低減している、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域が、前記物品内を延びているチャネルを備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つが実質的に中空である、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つの断面形状が、多角形、正方形、矩形、三角形、円形、楕円形、台形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つが、前記物品の前記表面上のチャネルである、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記物品がさらに、粒子のマトリックス内にガスポケットによって形成されたボイドを含んでいる、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記物品の対向する2つの側面が細長くなっている、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記物品の厚さが約3/4インチ以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記物品がさらに、少なくとも1つの表面上に仕上げ部を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記端部における前記定形の領域が、第2の物品の端部における定形の領域と協働し、それにより、前記2つの物品を互いに接合することが可能になる、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記物品の少なくとも1つの端部における前記1つまたは複数の定形の領域が、前記定形の領域内に嵌まるインサートを嵌められるように構成されている、請求項13に記載の物品。
【請求項14】
前記物品がさらに、下端に嵌まるか又は係合する溝を備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記物品の見かけの応力と密度の比が、少なくとも約8MPa/(g/cm3)3以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記物品がさらにエンドキャップを備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記物品の長さが約12フィート以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記物品がさらに、さらなる補強材を有しない建物構造に使用される従来の物品よりも高い曲げ強度を前記物品にもたらす、さらなる補強材を備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
前記物品が、あらかじめ開けた固定のための孔を必要としない、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
物品にあらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域と、物品内に配置されたさらなる補強の材料とを有する物品であって、セメント系物品であり、一体構造であり、前記材料によって、前記物品の曲げ強度が前記材料を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも高くされている、物品。
【請求項21】
前記材料の厚さが少なくとも約1/4インチである、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
前記材料が、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルムおよびフォームからなる群から選択されたもののうちの少なくとも1つの形態である、請求項20に記載の物品。
【請求項23】
前記材料が、前記物品に埋め込まれたもの、および前記物品内に形成された1つまたは複数のキャビティを充填するものからなる群から選択される、請求項20に記載の物品。
【請求項24】
前記材料の破壊時の伸びが20%以下である、請求項20に記載の物品。
【請求項25】
一体構造の繊維セメント構造を形成するのに有効な原材料を混合してペーストにするステップと、
前記ペーストを押し出し成型機で加工するステップと、
押し出し成形中に構造物および型を用いてチャネルの外形を作って前記ペーストに2つ以上のチャネルを形成するステップと、
未硬化の定形の物品を形成するステップと、
前記未硬化の定形の物品を硬化させるステップと
を含む、物品の作製方法。
【請求項26】
前記未硬化の定形の物品を形成した後で、1つまたは複数のチャネルを前記物品の表面上に形成するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記未硬化の定形の物品に表面仕上げを追加するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記原材料が、水硬性結合剤、少なくとも1つのシリカ源、および補強材用の1つまたは複数の繊維源を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記原材料が、連続した形、1つまたは複数のバッチの形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される形で追加される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
物品を建物構造上の1つまたは複数の設置面に隣接して配置するステップであって、前記物品がセメント系物品であり、一体構造であり、前記物品は1つ以上の定形の領域を有し、該定形の領域のうちの1つまたは複数の領域が前記設置面に隣接して配置される、ステップと、
前記物品を前記1つまたは複数の設置面に固定するステップであって、前記物品が固定のためのあらかじめ開けた孔を必要としない、ステップと
を含む、物品を使用する方法。
【請求項31】
隣接する物品を前記建物構造上に設けるために、前記配置するステップと前記固定するステップが繰り返される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記設置面が屋根の根太である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
建物構造と共に使用する物品であって、前記物品が、あらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域を有し、前記物品は、セメント系物品であり、一体構造であり、前記定形の領域が、前記物品の少なくとも一方の端部にあり、前記物品が、前記定形の領域を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも軽量であり、強度がある、物品と、
前記物品の一部分とともに配置された下端であって、前記物品と前記建物構造との間にある、下端(ソフィット)と
を備えているシステム。
【請求項34】
前記物品が、前記下端と係合するように構成されたレッジまたは溝のうちの1つをさらに備えている、請求項33に記載のシステム。
【請求項1】
あらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域を有する物品であって、前記物品が、セメント系物品であり、一体構造であり、前記定形の領域が、物品の少なくとも一方の端部にあり、前記物品が、前記定形の領域を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも軽量である、物品。
【請求項2】
前記物品の見かけ密度が約0.9g/cm3未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域が、前記物品の前記見かけ密度を約10%以上低減している、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域が、前記物品内を延びているチャネルを備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つが実質的に中空である、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つの断面形状が、多角形、正方形、矩形、三角形、円形、楕円形、台形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記1つまたは複数のあらかじめ形成された領域のうちの少なくとも1つが、前記物品の前記表面上のチャネルである、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記物品がさらに、粒子のマトリックス内にガスポケットによって形成されたボイドを含んでいる、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記物品の対向する2つの側面が細長くなっている、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記物品の厚さが約3/4インチ以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記物品がさらに、少なくとも1つの表面上に仕上げ部を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記端部における前記定形の領域が、第2の物品の端部における定形の領域と協働し、それにより、前記2つの物品を互いに接合することが可能になる、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記物品の少なくとも1つの端部における前記1つまたは複数の定形の領域が、前記定形の領域内に嵌まるインサートを嵌められるように構成されている、請求項13に記載の物品。
【請求項14】
前記物品がさらに、下端に嵌まるか又は係合する溝を備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記物品の見かけの応力と密度の比が、少なくとも約8MPa/(g/cm3)3以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記物品がさらにエンドキャップを備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記物品の長さが約12フィート以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記物品がさらに、さらなる補強材を有しない建物構造に使用される従来の物品よりも高い曲げ強度を前記物品にもたらす、さらなる補強材を備えている、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
前記物品が、あらかじめ開けた固定のための孔を必要としない、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
物品にあらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域と、物品内に配置されたさらなる補強の材料とを有する物品であって、セメント系物品であり、一体構造であり、前記材料によって、前記物品の曲げ強度が前記材料を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも高くされている、物品。
【請求項21】
前記材料の厚さが少なくとも約1/4インチである、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
前記材料が、メッシュ、フィラメント、ファブリック、フィルムおよびフォームからなる群から選択されたもののうちの少なくとも1つの形態である、請求項20に記載の物品。
【請求項23】
前記材料が、前記物品に埋め込まれたもの、および前記物品内に形成された1つまたは複数のキャビティを充填するものからなる群から選択される、請求項20に記載の物品。
【請求項24】
前記材料の破壊時の伸びが20%以下である、請求項20に記載の物品。
【請求項25】
一体構造の繊維セメント構造を形成するのに有効な原材料を混合してペーストにするステップと、
前記ペーストを押し出し成型機で加工するステップと、
押し出し成形中に構造物および型を用いてチャネルの外形を作って前記ペーストに2つ以上のチャネルを形成するステップと、
未硬化の定形の物品を形成するステップと、
前記未硬化の定形の物品を硬化させるステップと
を含む、物品の作製方法。
【請求項26】
前記未硬化の定形の物品を形成した後で、1つまたは複数のチャネルを前記物品の表面上に形成するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記未硬化の定形の物品に表面仕上げを追加するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記原材料が、水硬性結合剤、少なくとも1つのシリカ源、および補強材用の1つまたは複数の繊維源を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記原材料が、連続した形、1つまたは複数のバッチの形、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される形で追加される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
物品を建物構造上の1つまたは複数の設置面に隣接して配置するステップであって、前記物品がセメント系物品であり、一体構造であり、前記物品は1つ以上の定形の領域を有し、該定形の領域のうちの1つまたは複数の領域が前記設置面に隣接して配置される、ステップと、
前記物品を前記1つまたは複数の設置面に固定するステップであって、前記物品が固定のためのあらかじめ開けた孔を必要としない、ステップと
を含む、物品を使用する方法。
【請求項31】
隣接する物品を前記建物構造上に設けるために、前記配置するステップと前記固定するステップが繰り返される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記設置面が屋根の根太である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
建物構造と共に使用する物品であって、前記物品が、あらかじめ形成された1つまたは複数の定形の領域を有し、前記物品は、セメント系物品であり、一体構造であり、前記定形の領域が、前記物品の少なくとも一方の端部にあり、前記物品が、前記定形の領域を有していない同様の形をしたセメント系物品よりも軽量であり、強度がある、物品と、
前記物品の一部分とともに配置された下端であって、前記物品と前記建物構造との間にある、下端(ソフィット)と
を備えているシステム。
【請求項34】
前記物品が、前記下端と係合するように構成されたレッジまたは溝のうちの1つをさらに備えている、請求項33に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2012−522916(P2012−522916A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503775(P2012−503775)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/030016
【国際公開番号】WO2010/115212
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510092904)ジェイムズ ハーディー テクノロジー リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/030016
【国際公開番号】WO2010/115212
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510092904)ジェイムズ ハーディー テクノロジー リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】
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