セラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法
【課題】 切断不良を抑えつつ、切断寸法精度の向上が図られたセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るセラミックグリーンシートGの切断装置10は、キャリアフィルムFに保持されたセラミックグリーンシートGから、正方形状のシート片Sを切り分けるセラミックグリーンシートGの切断装置であって、シート片Sの各辺に対応するように配置された4つのローラカッタ46と、ローラカッタ46を、シート片Sの対応する辺に沿って移動させる移動手段36とを備える。この切断装置10においては、ローラカッタ46によってシート片Aの4辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートGにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片Sは、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【解決手段】 本発明に係るセラミックグリーンシートGの切断装置10は、キャリアフィルムFに保持されたセラミックグリーンシートGから、正方形状のシート片Sを切り分けるセラミックグリーンシートGの切断装置であって、シート片Sの各辺に対応するように配置された4つのローラカッタ46と、ローラカッタ46を、シート片Sの対応する辺に沿って移動させる移動手段36とを備える。この切断装置10においては、ローラカッタ46によってシート片Aの4辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートGにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片Sは、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の作製に利用されるセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この技術の分野におけるセラミックグリーンシートの切断装置は、例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2等に開示されている。
【特許文献1】特開2003−205510号公報
【特許文献2】特開平8−162364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来のセラミックグリーンシートの切断装置には、次のような課題が存在している。すなわち、上記特許文献1に係る切断装置では、四角形状のの閉ループ切断線に対応するブレードカッタ(固定刃)によって、キャリアフィルム上のセラミックグリーンシートを切断するため、ブレードカッタとセラミックグリーンシートとの傾きがある場合には切断ムラ等の切断不良を招いてしまう。
【0004】
上記特許文献2に係る切断装置のように、ローラカッタを用いてセラミックグリーンシートの搬送方向に沿って1段階目の切断をおこなった後、ブレードカッタを用いてセラミックグリーンシートの幅方向に沿った2段階目の切断をおこなうことで、上記切断不良をある程度抑えることは可能である。ところが、2段階目の切断にブレードカッタを用いるためにやはり切断不良を招く虞がある上、1段階目の切断工程と2段階目の切断工程とを異なる場所でおこなっているために高い切断寸法精度を得ることができないという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、切断不良を抑えつつ、切断寸法精度の向上が図られたセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセラミックグリーンシートの切断装置は、キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断装置であって、シート片の各辺に対応するように配置されたシート片の辺の数と同数のローラカッタと、ローラカッタを、シート片の対応する辺に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このセラミックグリーンシートの切断装置においては、ローラカッタによってシート片の全ての辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片は、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【0008】
また、セラミックグリーンシート及びキャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、位置調整マークを用いてセラミックグリーンシートの切断位置を検出するマーク検出手段と、マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいてローラカッタの位置合わせをおこなう位置調整手段とをさらに備えることが好ましい。この場合、ローラカッタの位置合わせの自動化が実現される。
【0009】
また、移動手段は、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが好ましい。この場合、シート片の切断時間が短縮される。
【0010】
また、移動手段は、複数のローラカッタそれぞれが固定されたタイミングベルトを有することが好ましい。この場合、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが実現可能である。
【0011】
また、ローラカッタのキャリアフィルムへの押圧力を調整可能な押圧力調整手段をさらに備えることが好ましい。この場合、各ローラカッタのキャリアフィルムへの押圧力が調整可能である。
【0012】
また、複数のローラカッタをグリーンシートの法線周りに回転調整することが可能な回転調整手段をさらに備えることが好ましい。この場合、グリーンシートの法線周りの回転調整が実現される。
【0013】
本発明に係るセラミックグリーンシートの切断方法は、キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断方法であって、シート片の各辺に対応するように配置されたシート片の辺の数と同数のローラカッタを、移動手段によってシート片の対応する辺に沿って移動させるステップを備えることを特徴とする。
【0014】
このセラミックグリーンシートの切断方法においては、ローラカッタによってシート片の全ての辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片は、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来方法に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【0015】
また、セラミックグリーンシート及びキャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、マーク検出手段によって、位置調整マークを用いてセラミックグリーンシートの切断位置を検出するステップと、位置合わせ手段によって、マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいてローラカッタの位置合わせをおこなうステップとをさらに備えることが好ましい。この場合、ローラカッタの位置合わせの自動化が実現される。
【0016】
また、移動手段によって、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが好ましい。シート片の切断時間が短縮される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切断不良を抑えつつ、切断寸法精度の向上が図られたセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係るセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0019】
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係るセラミックグリーンシート(以下、単に「グリーンシート」とも称す。)の積層装置(切断装置)10について説明する。この図1は、積層装置10の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、積層装置10は、グリーンシートGを保持するキャリアフィルムFが巻回された繰出ローラ12と、繰出ローラ12から繰り出されたキャリアフィルムFを所定の搬送経路P上に案内する複数のガイド部Rと、搬送経路Pを案内されたキャリアフィルムFを巻き取る巻取ローラ14とを備えている。つまり、この積層装置10においては、繰出ローラ12と複数のガイド部Rと巻取ローラ14とによってキャリアフィルムFの搬送手段15が構成されており、キャリアフィルムFは、繰出ローラ12から繰り出された後、ガイド部Rによって搬送経路P上を案内されて、巻取ローラ14によって巻き取られる。
【0021】
また、この切断装置10は、さらに、キャリアフィルムFの搬送経路P上に設けられた切断手段20と、切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に設けられた積層手段80とを備えている。
【0022】
切断手段20は、グリーンシートGから正方形状(例えば、160mm×160mm)のシート片Sを切り分けて、グリーンシートG上に形成された後述の導体パターンCをユニットごとに分断する部分である。以下、この切断手段20の構成について、図2〜図4を参照しつつ説明する。
【0023】
切断手段20は、グリーンシートGを切断するカッターユニット22と、キャリアフィルムFを吸着保持するスライドテーブル24と、グリーンシートGに設けられた後述のマーク(位置調整マーク)Mを検出する4台のカメラ(マーク検出手段)26とを備えている。
【0024】
スライドテーブル24は、キャリアフィルムFをその主面の反対面側から吸着保持する吸着テーブル24aと、この吸着テーブル24aを鉛直上下方向(図2のZ方向)に駆動する上下駆動部24bとによって構成されている。なお、上下駆動部24bには、公知のアクチュエータが採用されている。そして、切断手段20に搬入されてきたキャリアフィルムFは、カッターユニット22側がキャリアフィルムFの主面(グリーンシートG形成面)となるようにスライドテーブル24の吸着テーブル24aに吸着された状態で、鉛直上向きに搬送され、この吸着テーブル24aに吸着されたままでキャリアフィルムFのグリーンシートGがカッターユニット22により切断される。
【0025】
カッターユニット22は、切断手段20に搬入された上記鉛直上向きのキャリアフィルムFの法線方向(厚さ方向)に延びる4本のアーム部28と、これら4本のアーム部28を保持するアーム保持部30と、アーム保持部30の保持及び位置調整をおこなう位置調整部32と、4本のアーム部28を移動させる移動手段34とによって構成されている。
【0026】
各アーム部28は、図3に示すように、長尺状のアーム36と、アーム36の一端部36aに設けられたカッタ部38と、アーム36の他端部36bに設けられたベルト挟持部40と、アーム36の中央付近に設けられた案内部42とで構成されている。
【0027】
カッタ部38は、アーム36の長手方向に直交する方向に延びる回動軸44を有する丸刃のローラカッタ46と、このローラカッタ46を回動自在に軸支すると共に、アーム36の側面36aに設けられた昇降レール48に沿ってアーム36の長手方向に案内される軸支部材50と、アーム36から遠ざかる方向に軸支部材50を付勢する圧縮バネ(押圧力調整手段)52とによって構成されている。
【0028】
カッタ部38は以上のような構成を有するため、アーム36のカッタ部38をキャリアフィルムFに接近させて、ローラカッタ46をキャリアフィルムFに押し付けた際、ローラカッタ46はキャリアフィルムF上を回動可能である。加えて、ローラカッタ46のキャリアフィルムFに対する押圧力がバネ52によって調整される。
【0029】
ベルト挟持部40は、アーム36に直交する後述のタイミングベルトBをアーム36との間で挟持する部分であり、2本のボルト54とベルト押さえ部材56とで、タイミングベルトBをアーム部28に固定する。
【0030】
案内部42は、アーム保持部30とアーム部28とを連結する部分である。アーム保持部30は、切断手段20に搬入されたキャリアフィルムFに対面する正方形平板状のプレート58と、このプレート58の端面に設けられた4本のレール60とによって構成されている。そして、プレート58の厚さ方向に延在するアーム部28は、各レール60に1つずつ、レール60の延在方向とローラカッタ46の回動軸44の軸線(図3の一点鎖線参照)とが直交するように案内部42において取り付けられている。そして、案内部42において取り付けられたアーム部28は、レール60に案内されてレール60の延在方向に摺動可能となっている。
【0031】
すなわち、アーム部28の移動方向(レール60の延在方向)とローラカッタ46の回転軸44の軸線方向(レール60の延在方向に直交する方向)とが直交している。そのため、ローラカッタ46をキャリアフィルムF上のグリーンシートGに押し当てた状態で、アーム部28がレール60に沿って移動した場合には、ローラカッタ46は、グリーンシートGと間の摩擦によって回転し、アーム部28の移動方向に進行しながらグリーンシートGを切断していく。
【0032】
アーム保持部30を保持する位置調整部32は、キャリアフィルムFに対して進退する方向(図3のY方向)にアーム保持部30を位置調整可能な第1の位置調整部62と、プレート58の中心位置58aを通る法線周り(図3のY軸周り)にアーム保持部30を位置調整可能な第2の位置調整部64と、プレート58が対面するキャリアフィルムFの幅方向(図3のX方向)にアーム保持部30を位置調整可能な第3の位置調整部66とを備えている。すなわち、位置調整部32は、第1の位置調整部62によって、アーム保持部30をキャリアフィルムFに対して進退する方向(対面方向)に位置調整可能となっており、また、第2の位置調整部64と第3の位置調整部66との協働によって、アーム保持部30のキャリアフィルムFの面方向(つまり、X−Z平面方向)における位置調整が可能となっている。
【0033】
移動手段34は、図4に示すように、タイミングベルトBと、タイミングベルトBを駆動するモータ68と、モータ68によって駆動されるタイミングベルトBをアーム保持部30の58の辺に沿うように案内するプーリ70とによって構成されている。
【0034】
そして、タイミングベルトBには、上述した4つのアーム部28が、ベルト狭持部40において固定されている。そのため、モータ68を正転又は逆転させてタイミングベルトBを駆動させると、それに伴って4つのアーム部28がアーム保持部30のレール60に沿って同時に移動する。このとき、各ローラカッタ46、正方形状の軌跡が得られるようにも同時に移動する。なお、図4に示すように、タイミングベルトBに沿って隣り合うアーム部28同士は、各アーム部28が対応するプレート58の各辺において同じ位置に配置されるように、プレート58の一辺の長さと略同じ間隔が空けられている。そのため、4つのアーム部28がタイミングベルトBによって同時に移動しても、アーム部28同士が接触するような事態が有意に回避されている。
【0035】
ここで、切断手段20に送られてくるキャリアフィルムFは、PETによって構成されており、その主面においてグリーンシートGを保持している。このグリーンシートG上には、同じ金属材料(例えば、銅)で構成された導体パターンCとマークMとが形成されている。導体パターンCの1ユニットは、30個の矩形状パターンによって構成されており、ユニット領域Aが略正方形となるようにマトリクス状に配置されている。そして、上述したアーム部28の同時移動によって、ユニット領域Aの輪郭に沿って導体パターンCをユニットごとに分断することで、グリーンシートGから正方形状のシート片Sが切り分けられる。なお、上述のマークMは、導体パターンCの各ユニット領域Aの角付近にそれぞれ形成されている。このような導体パターンCのユニットは、所定間隔を空けてグリーンシートG上に連続的に複数形成されている。
【0036】
カッターユニット22の搬送経路P上流側には、4台のカメラ26が設けられており、この4台のカメラ26によって上記マークMの位置が検出される。そして、カメラ26が検出したマークMの位置に基づいて、図示しない制御部により、スライドテーブル24、アーム保持部30の第2の位置調整部64及び第3の位置調整部66を駆動させて、ローラカッタ46の切断位置の調整をおこなうことが可能となっている。すなわち、スライドテーブル24、アーム保持部30の第2の位置調整部64及び第3の位置調整部66により、本発明に係るローラカッタ46の位置調整手段72が構成されている。
【0037】
以上で説明した切断手段20によって、グリーンシートGからシート片Sを切り分ける際には、まず、切断手段20に搬入されてきたキャリアフィルムFをスライドテーブル24の吸着テーブル24aによって吸着保持する。そして、吸着保持されたキャリアフィルムFに対して、カメラ26によりマークMを用いて導体パターンCのユニット領域(すなわち、切断領域)Aの検出をおこなう。このとき、キャリアフィルムFの蛇行等によって位置ズレが生じている場合には、ローラカッタ46の上記位置調整手段72を用いて切断位置の調整(補正)をおこなう。そして、スライドテーブル24の上下駆動部24bにより、キャリアフィルムFをカッタユニット22に対向する位置まで搬送し、グリーンシートGからシート片Sの切り分け処理をおこなう。
【0038】
この切り分け処理においては、まず、第1の位置調整部によってアーム保持部30をキャリアフィルムF側に近づけて、ローラカッタ46をグリーンシートGに当接させる。このとき、図6に示すように、ローラカッタ46の位置は切断領域Aの角(始点位置)となっている(図6(a)の×の位置)。そして、移動手段34のモータ68を回転させてタイミングベルトBを駆動すると、4つのローラカッタ46は、移動距離dを同一に保った状態で同速度で移動する(図6(b)参照)。そして、各ローラカッタ46が切断領域の角(終点位置)に達したときに、モータ68の回転を停止させて、ローラカッタ46の移動を止める(図6(c)参照)。それにより、グリーンシートGから導体パターンCをユニットごとに分断するように、正方形状のシート片Sが切り分けられる。なお、必要に応じて、モータ68の正回転及び逆回転を繰り返して、始点位置から終点位置までのローラカッタ46の移動を複数回繰り返してもよい。
【0039】
以上で説明したような切断手段20を備える装置10においては、ローラカッタ46によってシート片Sの全ての辺(つまり、4辺)の切断がおこなわれるので、ブレードカッタを用いてグリーンシートGの切断をおこなう従来装置に比べて、グリーンシートGにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片Sは、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。さらに、4つのローラカッタ46をタイミングベルトBを用いて同時に移動させているので、各ローラカッタ46を順番に移動させる場合に比べて、シート片Sを切断する時間の短縮化が図られている。
【0040】
また、カメラ26により、グリーンシートG上に設けられたマークMを用いて切断位置を検出した後、その切断位置に基づいて位置調整手段72によりキャリアフィルムFとローラカッタ46との相対位置の自動調整がおこなわれる。さらに、アーム部28のカッタ部38に設けられた圧縮バネ52の採用により、1つ又は複数のアーム部28が、必要以上にキャリアフィルムFに近接しても、アーム部28の圧縮バネ52によって圧力が調整されるため、ローラカッタ46がキャリアフィルムFを切断してしまうような不具合の回避が図られている。
【0041】
なお、上述したシート片Sは正方形状であるが、必要に応じてその他の多角形状(例えば、六角形状)に変更してもよい。この場合には、その多角形の辺の数と同じだけのローラカッタ46を準備する。
【0042】
次に、上述した切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に設けられている積層手段80について、図7を参照しつつ説明する。
【0043】
積層手段80は、積層手段80に搬入されてきたキャリアフィルムFを搬送する搬送板82の位置を制御するフィルム搬送部84と、搬送板82のプレスをおこなうプレス部86と、切断手段20によってグリーンシートGから切り分けられたキャリアフィルムF上のシート片Sを順次積層する積層部88とを備えている。なお、図7に示すように、積層手段80の近傍では、キャリアフィルムFの搬送経路Pは水平方向(図7のY方向)に沿っており、キャリアフィルムFの主面が鉛直下向きとなるように切断手段20に搬入される。
【0044】
搬送板82は、水平に保持された板状部材であり、その上下面に沿ってキャリアフィルムFを摺動させることによりキャリアフィルムFが搬送される。この搬送板82には、搬送板82の下面に位置するキャリアフィルムFを吸着保持するフィルム吸着部90と、フィルム吸着部90に保持されたキャリアフィルムFを加熱するヒータ92とが内蔵されている。搬送板82の端部のうち、キャリアフィルムFが通過する端部82aは、キャリアフィルムFが下面から上面に容易に回り込めるように先鋭化されている。そして、プレス部86と積層部88とは、この搬送板82を介して対向するように上下に並んで配置されている。
【0045】
フィルム搬送部84は、上述した搬送板82と、この搬送板82を下方から支持すると共に上下方向(図7のZ方向)に駆動可能な上下駆動部94と、搬送板82を上下駆動部94を介して水平方向(図7のY方向)に駆動可能な水平駆動部96とによって構成されている。そのため、フィルム搬送部84は、水平駆動部96の駆動によって、搬送板82をプレス部86と積層部88との間に介在するように進退可能であり、且つ、上下駆動部94の駆動によって、プレス部86と積層部88との間に介在する搬送板82を上下動させることが可能である。なお、上下駆動部94及び水平駆動部96には、公知のアクチュエータが採用されている。搬送経路P上の積層手段80の上流側には、キャリアフィルムFの搬送を停止させるフィルム固定部97が設けられている。
【0046】
搬送板82の上方に配置されたプレス部86は、搬送板82をプレスするパンチ98と、パンチ98を保持しつつ上下動させるパンチ駆動部100とによって構成されている。
【0047】
搬送板82の下方に配置された積層部88は、水平方向に延在する支持テーブル102と、この支持テーブル102上に搭載されたスタンド104に支持されると共に、上述したキャリアフィルムFのシート片Sが順次積層される正方形状のホルダ106と、スタンド104及びホルダ106を囲むように上下方向に延在する四角筒状のフレーム108と、上記支持テーブル102上に配置されフレーム108を上下動させるフレーム駆動部110とを備えている。
【0048】
フレーム駆動部110によってフレーム108を上昇させて、フレーム108の上端面108aをキャリアフィルムFに当接させることで、ホルダ106を収容した状態でフレーム108内を密閉することができるようになっている。なお、フレーム駆動部110は、フレーム108をキャリアフィルムFに当接させた状態であっても、フレーム108が変位可能なように付勢手段110a(例えば、圧縮バネ)を備えている。また、スタンド104には、ホルダ106を加熱するヒータ112が内蔵されており、且つ、フレーム108内を真空吸気するための吸気孔104aが設けられている。
【0049】
さらに、積層部88は、支持テーブル102を介してホルダ106の位置調整をおこなう位置調整部114を支持テーブル102の下に備えており、この位置調整部114は第1の位置調整部116と第2の位置調整部118とで構成されている。第1の位置調整部116は、ホルダ106の中心位置を通る鉛直軸周りの支持テーブル102を位置調整可能な機構を有しており、第2の位置調整部118は、ホルダ106が対面するキャリアフィルムFの幅方向(図7のX方向)に支持テーブル102を位置調整可能な機構(いわゆる、チルト機構)を有している。すなわち、位置調整部114によって、ホルダ106のキャリアフィルムFに対する相対位置を調整することができる。
【0050】
なお、搬送経路P上における積層部88の上流側には、4台のカメラ120(マーク検出手段)が設けられており、この4台のカメラ120によって、上述したカメラ26同様にキャリアフィルムFに設けられたマークMの位置が検出される。そして、カメラ120が検出したマークMの位置に基づいて、図示しない制御部により、フィルム搬送部84の水平駆動部96及び積層部88の位置調整部114を駆動させて、キャリアフィルムFとホルダ106との相対位置調整がおこなわれる。すなわち、フィルム搬送部84及び積層部88の位置調整部114により、本発明に係るホルダ106の位置調整手段122が構成されている。
【0051】
次に、積層手段80によって、キャリアフィルムF上のシート片Sを、ホルダ106上に積む手順について、図8〜図15を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、複数層のシート片Sを含む積層体130が形成されたホルダ106に、新たにシート片Sを積層する手順について説明する。
【0052】
まず、上述した切断手段20によって切り分けられたキャリアフィルムFのシート片S部分が、搬送板82のフィルム吸着部90まで搬送されてくると、図8に示すようにフィルム吸着部90によってキャリアフィルムFを吸着保持する。そして、搬送板82がキャリアフィルムFを吸着保持した状態で、カメラ120によってキャリアフィルムFに設けられたマークMの位置を検出する。そして、水平駆動部96及び積層部88の位置調整部114を駆動して、キャリアフィルムFとホルダ106との相対位置の調整(すなわち、位置ズレの補正)をおこなう。なお、この段階では、フレーム108はフレーム駆動部110によって下側に保持された状態であり、ホルダ106がフレーム108から露出した状態となっている。
【0053】
次に、図9に示すように、水平駆動部86により、プレス部86と積層部88との間に介在するように搬送板82を移動させて、搬送板82に吸着保持されたシート片Sと、ホルダ106上の積層体130とが鉛直方向において重なるように対面させる。
【0054】
そして、図10に示すように、フレーム駆動部110によって、フレーム108内にホルダ106が収容されるようにフレーム108を上昇させる。続いて、図11に示すように、フィルム搬送部84の上下駆動部94により搬送板82を下降させて、キャリアフィルムFをフレーム108の上端面108aに密着させる。つまり、フレーム108は、搬送板82により閉蓋されて、ホルダ106を収容した状態で密閉される。フレーム108内を密閉した後は、図示しない真空ポンプを用いてスタンド104の吸気孔104aからフレーム108内の真空吸気をおこなう。
【0055】
そして、フレーム108内を真空吸気した状態で、ヒータ92でフィルム吸着部90を加熱し、且つ、ヒータ112でホルダ106を加熱し、図12に示すように、パンチ駆動部100を駆動させてパンチ98により搬送板82を所定の圧力で押し下げる。それにより、フィルム吸着部90に吸着されたシート片Sが積層体130上に熱圧着される。このとき、フレーム108は、フレーム駆動部110の付勢手段110aにより下降できる状態であるため、フレーム108が圧着の妨げとならなる事態が回避されている。
【0056】
続いて、フレーム108の図示しない脱気孔によりフレーム108内の脱気をおこなうと共に、図13に示すように、フレーム108をホルダ106が露出するまでフレーム駆動部110によって下降させる。さらに、フィルム吸着部90によるキャリアフィルムFの吸着をやめると共に、図14に示すようにパンチ駆動部100によってパンチ98を上昇させる。
【0057】
その後、フィルム搬送部84の上下駆動部94により、搬送板82をわずかな距離(少なくともグリーンシートGの厚さよりも大きな距離)だけ上昇させる。そして、上述したフィルム固定部97によって、積層手段80よりも上流側のキャリアフィルムFの移動を拘束した状態で、プレス部86と積層部88との間から搬送板82が撤退するように、搬送板82を水平駆動部86によって移動させる(図15参照)。それにより、シート片Sが剥がされたキャリアフィルムF部分が、端部82aにおいて搬送板82の上面に回り込む。このとき、シート片SがキャリアフィルムFから完全に剥離される。そのため、搬送板82を含むフィルム搬送部84が、本発明の剥離手段として機能する。
【0058】
なお、搬送板82を水平駆動部86によって移動させると、搬送板82の下面に設けられたフィルム吸着部90の位置には、新たなシート片S1が位置するようになっている。この新たなシート片S1の積層を繰り返しおこなうことによって、積層手段80による多層積層を容易におこなうことができる。
【0059】
以上で説明した装置10においては、搬送手段15によって搬送されるキャリアフィルムの搬送経路P上に、切断手段20及び積層手段80がそれぞれ位置している。すなわち、グリーンシートGの切断及びシート片Sの積層が一つの搬送経路P上で実現されている。そのため、グリーンシートGの切断とシート片Sの積層とを別々の搬送経路上でおこなっている従来装置に比べて、生産効率の向上が図られている。
【0060】
また、積層手段80は、切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に位置しており、切断手段20と積層手段80との位置が異なっているため、たとえ切断手段20によるシート片Sの切断の際に切断カスが生じた場合であっても、積層体130の層間に入り込む事態が有意に抑制される。さらに、切断手段20の近傍では、キャリアフィルムFは鉛直方向に延在しているので、切断カスが生じてもキャリアフィルムF上から落下しやすい状況となっている。
【0061】
また、カメラ120により、グリーンシートG上に設けられたマークMを用いて規定位置を検出した後、その規定位置に基づいて位置調整手段によりキャリアフィルムFとホルダ106との相対位置の自動調整がおこなわれる。
【0062】
なお、上述した装置10では、剥離手段としてのフィルム搬送部84が、キャリアフィルムFと積層体(被積層体)130とが互いに離間するように相対的に移動させて、シート片AをキャリアフィルムFから剥離させている。
【0063】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、マークMは、グリーンシートGではなくキャリアフィルムFに形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る切断装置を示した概略構成図である。
【図2】図1の切断手段を示した要部拡大図である。
【図3】図2のアーム部を示した要部拡大図である。
【図4】図2の切断手段を示した下面図である。
【図5】図2の切断手段に搬入されるキャリアフィルムの状態を示した図である。
【図6】切断手段によるシート片の切断手順を示したずである。
【図7】図1の積層手段を示した要部拡大図である。
【図8】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図9】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図10】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図11】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図12】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図13】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図14】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図15】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
10…切断装置、20…切断手段、26,120…カメラ、34…移動手段、46…ローラカッタ、52…圧縮バネ、64…第2の位置調整部、72…位置調整手段、B…タイミングベルト、F…キャリアフィルム、G…セラミックグリーンシート、M…マーク、P…搬送経路、S…シート片。
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の作製に利用されるセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この技術の分野におけるセラミックグリーンシートの切断装置は、例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2等に開示されている。
【特許文献1】特開2003−205510号公報
【特許文献2】特開平8−162364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来のセラミックグリーンシートの切断装置には、次のような課題が存在している。すなわち、上記特許文献1に係る切断装置では、四角形状のの閉ループ切断線に対応するブレードカッタ(固定刃)によって、キャリアフィルム上のセラミックグリーンシートを切断するため、ブレードカッタとセラミックグリーンシートとの傾きがある場合には切断ムラ等の切断不良を招いてしまう。
【0004】
上記特許文献2に係る切断装置のように、ローラカッタを用いてセラミックグリーンシートの搬送方向に沿って1段階目の切断をおこなった後、ブレードカッタを用いてセラミックグリーンシートの幅方向に沿った2段階目の切断をおこなうことで、上記切断不良をある程度抑えることは可能である。ところが、2段階目の切断にブレードカッタを用いるためにやはり切断不良を招く虞がある上、1段階目の切断工程と2段階目の切断工程とを異なる場所でおこなっているために高い切断寸法精度を得ることができないという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、切断不良を抑えつつ、切断寸法精度の向上が図られたセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセラミックグリーンシートの切断装置は、キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断装置であって、シート片の各辺に対応するように配置されたシート片の辺の数と同数のローラカッタと、ローラカッタを、シート片の対応する辺に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このセラミックグリーンシートの切断装置においては、ローラカッタによってシート片の全ての辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片は、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【0008】
また、セラミックグリーンシート及びキャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、位置調整マークを用いてセラミックグリーンシートの切断位置を検出するマーク検出手段と、マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいてローラカッタの位置合わせをおこなう位置調整手段とをさらに備えることが好ましい。この場合、ローラカッタの位置合わせの自動化が実現される。
【0009】
また、移動手段は、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが好ましい。この場合、シート片の切断時間が短縮される。
【0010】
また、移動手段は、複数のローラカッタそれぞれが固定されたタイミングベルトを有することが好ましい。この場合、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが実現可能である。
【0011】
また、ローラカッタのキャリアフィルムへの押圧力を調整可能な押圧力調整手段をさらに備えることが好ましい。この場合、各ローラカッタのキャリアフィルムへの押圧力が調整可能である。
【0012】
また、複数のローラカッタをグリーンシートの法線周りに回転調整することが可能な回転調整手段をさらに備えることが好ましい。この場合、グリーンシートの法線周りの回転調整が実現される。
【0013】
本発明に係るセラミックグリーンシートの切断方法は、キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断方法であって、シート片の各辺に対応するように配置されたシート片の辺の数と同数のローラカッタを、移動手段によってシート片の対応する辺に沿って移動させるステップを備えることを特徴とする。
【0014】
このセラミックグリーンシートの切断方法においては、ローラカッタによってシート片の全ての辺の切断がおこなわれるので、セラミックグリーンシートにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片は、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来方法に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。
【0015】
また、セラミックグリーンシート及びキャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、マーク検出手段によって、位置調整マークを用いてセラミックグリーンシートの切断位置を検出するステップと、位置合わせ手段によって、マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいてローラカッタの位置合わせをおこなうステップとをさらに備えることが好ましい。この場合、ローラカッタの位置合わせの自動化が実現される。
【0016】
また、移動手段によって、複数のローラカッタの全部を同時に移動させることが好ましい。シート片の切断時間が短縮される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切断不良を抑えつつ、切断寸法精度の向上が図られたセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係るセラミックグリーンシートの切断装置及び切断方法を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0019】
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係るセラミックグリーンシート(以下、単に「グリーンシート」とも称す。)の積層装置(切断装置)10について説明する。この図1は、積層装置10の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、積層装置10は、グリーンシートGを保持するキャリアフィルムFが巻回された繰出ローラ12と、繰出ローラ12から繰り出されたキャリアフィルムFを所定の搬送経路P上に案内する複数のガイド部Rと、搬送経路Pを案内されたキャリアフィルムFを巻き取る巻取ローラ14とを備えている。つまり、この積層装置10においては、繰出ローラ12と複数のガイド部Rと巻取ローラ14とによってキャリアフィルムFの搬送手段15が構成されており、キャリアフィルムFは、繰出ローラ12から繰り出された後、ガイド部Rによって搬送経路P上を案内されて、巻取ローラ14によって巻き取られる。
【0021】
また、この切断装置10は、さらに、キャリアフィルムFの搬送経路P上に設けられた切断手段20と、切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に設けられた積層手段80とを備えている。
【0022】
切断手段20は、グリーンシートGから正方形状(例えば、160mm×160mm)のシート片Sを切り分けて、グリーンシートG上に形成された後述の導体パターンCをユニットごとに分断する部分である。以下、この切断手段20の構成について、図2〜図4を参照しつつ説明する。
【0023】
切断手段20は、グリーンシートGを切断するカッターユニット22と、キャリアフィルムFを吸着保持するスライドテーブル24と、グリーンシートGに設けられた後述のマーク(位置調整マーク)Mを検出する4台のカメラ(マーク検出手段)26とを備えている。
【0024】
スライドテーブル24は、キャリアフィルムFをその主面の反対面側から吸着保持する吸着テーブル24aと、この吸着テーブル24aを鉛直上下方向(図2のZ方向)に駆動する上下駆動部24bとによって構成されている。なお、上下駆動部24bには、公知のアクチュエータが採用されている。そして、切断手段20に搬入されてきたキャリアフィルムFは、カッターユニット22側がキャリアフィルムFの主面(グリーンシートG形成面)となるようにスライドテーブル24の吸着テーブル24aに吸着された状態で、鉛直上向きに搬送され、この吸着テーブル24aに吸着されたままでキャリアフィルムFのグリーンシートGがカッターユニット22により切断される。
【0025】
カッターユニット22は、切断手段20に搬入された上記鉛直上向きのキャリアフィルムFの法線方向(厚さ方向)に延びる4本のアーム部28と、これら4本のアーム部28を保持するアーム保持部30と、アーム保持部30の保持及び位置調整をおこなう位置調整部32と、4本のアーム部28を移動させる移動手段34とによって構成されている。
【0026】
各アーム部28は、図3に示すように、長尺状のアーム36と、アーム36の一端部36aに設けられたカッタ部38と、アーム36の他端部36bに設けられたベルト挟持部40と、アーム36の中央付近に設けられた案内部42とで構成されている。
【0027】
カッタ部38は、アーム36の長手方向に直交する方向に延びる回動軸44を有する丸刃のローラカッタ46と、このローラカッタ46を回動自在に軸支すると共に、アーム36の側面36aに設けられた昇降レール48に沿ってアーム36の長手方向に案内される軸支部材50と、アーム36から遠ざかる方向に軸支部材50を付勢する圧縮バネ(押圧力調整手段)52とによって構成されている。
【0028】
カッタ部38は以上のような構成を有するため、アーム36のカッタ部38をキャリアフィルムFに接近させて、ローラカッタ46をキャリアフィルムFに押し付けた際、ローラカッタ46はキャリアフィルムF上を回動可能である。加えて、ローラカッタ46のキャリアフィルムFに対する押圧力がバネ52によって調整される。
【0029】
ベルト挟持部40は、アーム36に直交する後述のタイミングベルトBをアーム36との間で挟持する部分であり、2本のボルト54とベルト押さえ部材56とで、タイミングベルトBをアーム部28に固定する。
【0030】
案内部42は、アーム保持部30とアーム部28とを連結する部分である。アーム保持部30は、切断手段20に搬入されたキャリアフィルムFに対面する正方形平板状のプレート58と、このプレート58の端面に設けられた4本のレール60とによって構成されている。そして、プレート58の厚さ方向に延在するアーム部28は、各レール60に1つずつ、レール60の延在方向とローラカッタ46の回動軸44の軸線(図3の一点鎖線参照)とが直交するように案内部42において取り付けられている。そして、案内部42において取り付けられたアーム部28は、レール60に案内されてレール60の延在方向に摺動可能となっている。
【0031】
すなわち、アーム部28の移動方向(レール60の延在方向)とローラカッタ46の回転軸44の軸線方向(レール60の延在方向に直交する方向)とが直交している。そのため、ローラカッタ46をキャリアフィルムF上のグリーンシートGに押し当てた状態で、アーム部28がレール60に沿って移動した場合には、ローラカッタ46は、グリーンシートGと間の摩擦によって回転し、アーム部28の移動方向に進行しながらグリーンシートGを切断していく。
【0032】
アーム保持部30を保持する位置調整部32は、キャリアフィルムFに対して進退する方向(図3のY方向)にアーム保持部30を位置調整可能な第1の位置調整部62と、プレート58の中心位置58aを通る法線周り(図3のY軸周り)にアーム保持部30を位置調整可能な第2の位置調整部64と、プレート58が対面するキャリアフィルムFの幅方向(図3のX方向)にアーム保持部30を位置調整可能な第3の位置調整部66とを備えている。すなわち、位置調整部32は、第1の位置調整部62によって、アーム保持部30をキャリアフィルムFに対して進退する方向(対面方向)に位置調整可能となっており、また、第2の位置調整部64と第3の位置調整部66との協働によって、アーム保持部30のキャリアフィルムFの面方向(つまり、X−Z平面方向)における位置調整が可能となっている。
【0033】
移動手段34は、図4に示すように、タイミングベルトBと、タイミングベルトBを駆動するモータ68と、モータ68によって駆動されるタイミングベルトBをアーム保持部30の58の辺に沿うように案内するプーリ70とによって構成されている。
【0034】
そして、タイミングベルトBには、上述した4つのアーム部28が、ベルト狭持部40において固定されている。そのため、モータ68を正転又は逆転させてタイミングベルトBを駆動させると、それに伴って4つのアーム部28がアーム保持部30のレール60に沿って同時に移動する。このとき、各ローラカッタ46、正方形状の軌跡が得られるようにも同時に移動する。なお、図4に示すように、タイミングベルトBに沿って隣り合うアーム部28同士は、各アーム部28が対応するプレート58の各辺において同じ位置に配置されるように、プレート58の一辺の長さと略同じ間隔が空けられている。そのため、4つのアーム部28がタイミングベルトBによって同時に移動しても、アーム部28同士が接触するような事態が有意に回避されている。
【0035】
ここで、切断手段20に送られてくるキャリアフィルムFは、PETによって構成されており、その主面においてグリーンシートGを保持している。このグリーンシートG上には、同じ金属材料(例えば、銅)で構成された導体パターンCとマークMとが形成されている。導体パターンCの1ユニットは、30個の矩形状パターンによって構成されており、ユニット領域Aが略正方形となるようにマトリクス状に配置されている。そして、上述したアーム部28の同時移動によって、ユニット領域Aの輪郭に沿って導体パターンCをユニットごとに分断することで、グリーンシートGから正方形状のシート片Sが切り分けられる。なお、上述のマークMは、導体パターンCの各ユニット領域Aの角付近にそれぞれ形成されている。このような導体パターンCのユニットは、所定間隔を空けてグリーンシートG上に連続的に複数形成されている。
【0036】
カッターユニット22の搬送経路P上流側には、4台のカメラ26が設けられており、この4台のカメラ26によって上記マークMの位置が検出される。そして、カメラ26が検出したマークMの位置に基づいて、図示しない制御部により、スライドテーブル24、アーム保持部30の第2の位置調整部64及び第3の位置調整部66を駆動させて、ローラカッタ46の切断位置の調整をおこなうことが可能となっている。すなわち、スライドテーブル24、アーム保持部30の第2の位置調整部64及び第3の位置調整部66により、本発明に係るローラカッタ46の位置調整手段72が構成されている。
【0037】
以上で説明した切断手段20によって、グリーンシートGからシート片Sを切り分ける際には、まず、切断手段20に搬入されてきたキャリアフィルムFをスライドテーブル24の吸着テーブル24aによって吸着保持する。そして、吸着保持されたキャリアフィルムFに対して、カメラ26によりマークMを用いて導体パターンCのユニット領域(すなわち、切断領域)Aの検出をおこなう。このとき、キャリアフィルムFの蛇行等によって位置ズレが生じている場合には、ローラカッタ46の上記位置調整手段72を用いて切断位置の調整(補正)をおこなう。そして、スライドテーブル24の上下駆動部24bにより、キャリアフィルムFをカッタユニット22に対向する位置まで搬送し、グリーンシートGからシート片Sの切り分け処理をおこなう。
【0038】
この切り分け処理においては、まず、第1の位置調整部によってアーム保持部30をキャリアフィルムF側に近づけて、ローラカッタ46をグリーンシートGに当接させる。このとき、図6に示すように、ローラカッタ46の位置は切断領域Aの角(始点位置)となっている(図6(a)の×の位置)。そして、移動手段34のモータ68を回転させてタイミングベルトBを駆動すると、4つのローラカッタ46は、移動距離dを同一に保った状態で同速度で移動する(図6(b)参照)。そして、各ローラカッタ46が切断領域の角(終点位置)に達したときに、モータ68の回転を停止させて、ローラカッタ46の移動を止める(図6(c)参照)。それにより、グリーンシートGから導体パターンCをユニットごとに分断するように、正方形状のシート片Sが切り分けられる。なお、必要に応じて、モータ68の正回転及び逆回転を繰り返して、始点位置から終点位置までのローラカッタ46の移動を複数回繰り返してもよい。
【0039】
以上で説明したような切断手段20を備える装置10においては、ローラカッタ46によってシート片Sの全ての辺(つまり、4辺)の切断がおこなわれるので、ブレードカッタを用いてグリーンシートGの切断をおこなう従来装置に比べて、グリーンシートGにおける切断不良が有意に抑制されている。その上、シート片Sは、場所を変えることなくその各辺が切断されるので、各辺を切断する際に場所を変える従来装置に比べて、切断寸法精度の向上が実現されている。さらに、4つのローラカッタ46をタイミングベルトBを用いて同時に移動させているので、各ローラカッタ46を順番に移動させる場合に比べて、シート片Sを切断する時間の短縮化が図られている。
【0040】
また、カメラ26により、グリーンシートG上に設けられたマークMを用いて切断位置を検出した後、その切断位置に基づいて位置調整手段72によりキャリアフィルムFとローラカッタ46との相対位置の自動調整がおこなわれる。さらに、アーム部28のカッタ部38に設けられた圧縮バネ52の採用により、1つ又は複数のアーム部28が、必要以上にキャリアフィルムFに近接しても、アーム部28の圧縮バネ52によって圧力が調整されるため、ローラカッタ46がキャリアフィルムFを切断してしまうような不具合の回避が図られている。
【0041】
なお、上述したシート片Sは正方形状であるが、必要に応じてその他の多角形状(例えば、六角形状)に変更してもよい。この場合には、その多角形の辺の数と同じだけのローラカッタ46を準備する。
【0042】
次に、上述した切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に設けられている積層手段80について、図7を参照しつつ説明する。
【0043】
積層手段80は、積層手段80に搬入されてきたキャリアフィルムFを搬送する搬送板82の位置を制御するフィルム搬送部84と、搬送板82のプレスをおこなうプレス部86と、切断手段20によってグリーンシートGから切り分けられたキャリアフィルムF上のシート片Sを順次積層する積層部88とを備えている。なお、図7に示すように、積層手段80の近傍では、キャリアフィルムFの搬送経路Pは水平方向(図7のY方向)に沿っており、キャリアフィルムFの主面が鉛直下向きとなるように切断手段20に搬入される。
【0044】
搬送板82は、水平に保持された板状部材であり、その上下面に沿ってキャリアフィルムFを摺動させることによりキャリアフィルムFが搬送される。この搬送板82には、搬送板82の下面に位置するキャリアフィルムFを吸着保持するフィルム吸着部90と、フィルム吸着部90に保持されたキャリアフィルムFを加熱するヒータ92とが内蔵されている。搬送板82の端部のうち、キャリアフィルムFが通過する端部82aは、キャリアフィルムFが下面から上面に容易に回り込めるように先鋭化されている。そして、プレス部86と積層部88とは、この搬送板82を介して対向するように上下に並んで配置されている。
【0045】
フィルム搬送部84は、上述した搬送板82と、この搬送板82を下方から支持すると共に上下方向(図7のZ方向)に駆動可能な上下駆動部94と、搬送板82を上下駆動部94を介して水平方向(図7のY方向)に駆動可能な水平駆動部96とによって構成されている。そのため、フィルム搬送部84は、水平駆動部96の駆動によって、搬送板82をプレス部86と積層部88との間に介在するように進退可能であり、且つ、上下駆動部94の駆動によって、プレス部86と積層部88との間に介在する搬送板82を上下動させることが可能である。なお、上下駆動部94及び水平駆動部96には、公知のアクチュエータが採用されている。搬送経路P上の積層手段80の上流側には、キャリアフィルムFの搬送を停止させるフィルム固定部97が設けられている。
【0046】
搬送板82の上方に配置されたプレス部86は、搬送板82をプレスするパンチ98と、パンチ98を保持しつつ上下動させるパンチ駆動部100とによって構成されている。
【0047】
搬送板82の下方に配置された積層部88は、水平方向に延在する支持テーブル102と、この支持テーブル102上に搭載されたスタンド104に支持されると共に、上述したキャリアフィルムFのシート片Sが順次積層される正方形状のホルダ106と、スタンド104及びホルダ106を囲むように上下方向に延在する四角筒状のフレーム108と、上記支持テーブル102上に配置されフレーム108を上下動させるフレーム駆動部110とを備えている。
【0048】
フレーム駆動部110によってフレーム108を上昇させて、フレーム108の上端面108aをキャリアフィルムFに当接させることで、ホルダ106を収容した状態でフレーム108内を密閉することができるようになっている。なお、フレーム駆動部110は、フレーム108をキャリアフィルムFに当接させた状態であっても、フレーム108が変位可能なように付勢手段110a(例えば、圧縮バネ)を備えている。また、スタンド104には、ホルダ106を加熱するヒータ112が内蔵されており、且つ、フレーム108内を真空吸気するための吸気孔104aが設けられている。
【0049】
さらに、積層部88は、支持テーブル102を介してホルダ106の位置調整をおこなう位置調整部114を支持テーブル102の下に備えており、この位置調整部114は第1の位置調整部116と第2の位置調整部118とで構成されている。第1の位置調整部116は、ホルダ106の中心位置を通る鉛直軸周りの支持テーブル102を位置調整可能な機構を有しており、第2の位置調整部118は、ホルダ106が対面するキャリアフィルムFの幅方向(図7のX方向)に支持テーブル102を位置調整可能な機構(いわゆる、チルト機構)を有している。すなわち、位置調整部114によって、ホルダ106のキャリアフィルムFに対する相対位置を調整することができる。
【0050】
なお、搬送経路P上における積層部88の上流側には、4台のカメラ120(マーク検出手段)が設けられており、この4台のカメラ120によって、上述したカメラ26同様にキャリアフィルムFに設けられたマークMの位置が検出される。そして、カメラ120が検出したマークMの位置に基づいて、図示しない制御部により、フィルム搬送部84の水平駆動部96及び積層部88の位置調整部114を駆動させて、キャリアフィルムFとホルダ106との相対位置調整がおこなわれる。すなわち、フィルム搬送部84及び積層部88の位置調整部114により、本発明に係るホルダ106の位置調整手段122が構成されている。
【0051】
次に、積層手段80によって、キャリアフィルムF上のシート片Sを、ホルダ106上に積む手順について、図8〜図15を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、複数層のシート片Sを含む積層体130が形成されたホルダ106に、新たにシート片Sを積層する手順について説明する。
【0052】
まず、上述した切断手段20によって切り分けられたキャリアフィルムFのシート片S部分が、搬送板82のフィルム吸着部90まで搬送されてくると、図8に示すようにフィルム吸着部90によってキャリアフィルムFを吸着保持する。そして、搬送板82がキャリアフィルムFを吸着保持した状態で、カメラ120によってキャリアフィルムFに設けられたマークMの位置を検出する。そして、水平駆動部96及び積層部88の位置調整部114を駆動して、キャリアフィルムFとホルダ106との相対位置の調整(すなわち、位置ズレの補正)をおこなう。なお、この段階では、フレーム108はフレーム駆動部110によって下側に保持された状態であり、ホルダ106がフレーム108から露出した状態となっている。
【0053】
次に、図9に示すように、水平駆動部86により、プレス部86と積層部88との間に介在するように搬送板82を移動させて、搬送板82に吸着保持されたシート片Sと、ホルダ106上の積層体130とが鉛直方向において重なるように対面させる。
【0054】
そして、図10に示すように、フレーム駆動部110によって、フレーム108内にホルダ106が収容されるようにフレーム108を上昇させる。続いて、図11に示すように、フィルム搬送部84の上下駆動部94により搬送板82を下降させて、キャリアフィルムFをフレーム108の上端面108aに密着させる。つまり、フレーム108は、搬送板82により閉蓋されて、ホルダ106を収容した状態で密閉される。フレーム108内を密閉した後は、図示しない真空ポンプを用いてスタンド104の吸気孔104aからフレーム108内の真空吸気をおこなう。
【0055】
そして、フレーム108内を真空吸気した状態で、ヒータ92でフィルム吸着部90を加熱し、且つ、ヒータ112でホルダ106を加熱し、図12に示すように、パンチ駆動部100を駆動させてパンチ98により搬送板82を所定の圧力で押し下げる。それにより、フィルム吸着部90に吸着されたシート片Sが積層体130上に熱圧着される。このとき、フレーム108は、フレーム駆動部110の付勢手段110aにより下降できる状態であるため、フレーム108が圧着の妨げとならなる事態が回避されている。
【0056】
続いて、フレーム108の図示しない脱気孔によりフレーム108内の脱気をおこなうと共に、図13に示すように、フレーム108をホルダ106が露出するまでフレーム駆動部110によって下降させる。さらに、フィルム吸着部90によるキャリアフィルムFの吸着をやめると共に、図14に示すようにパンチ駆動部100によってパンチ98を上昇させる。
【0057】
その後、フィルム搬送部84の上下駆動部94により、搬送板82をわずかな距離(少なくともグリーンシートGの厚さよりも大きな距離)だけ上昇させる。そして、上述したフィルム固定部97によって、積層手段80よりも上流側のキャリアフィルムFの移動を拘束した状態で、プレス部86と積層部88との間から搬送板82が撤退するように、搬送板82を水平駆動部86によって移動させる(図15参照)。それにより、シート片Sが剥がされたキャリアフィルムF部分が、端部82aにおいて搬送板82の上面に回り込む。このとき、シート片SがキャリアフィルムFから完全に剥離される。そのため、搬送板82を含むフィルム搬送部84が、本発明の剥離手段として機能する。
【0058】
なお、搬送板82を水平駆動部86によって移動させると、搬送板82の下面に設けられたフィルム吸着部90の位置には、新たなシート片S1が位置するようになっている。この新たなシート片S1の積層を繰り返しおこなうことによって、積層手段80による多層積層を容易におこなうことができる。
【0059】
以上で説明した装置10においては、搬送手段15によって搬送されるキャリアフィルムの搬送経路P上に、切断手段20及び積層手段80がそれぞれ位置している。すなわち、グリーンシートGの切断及びシート片Sの積層が一つの搬送経路P上で実現されている。そのため、グリーンシートGの切断とシート片Sの積層とを別々の搬送経路上でおこなっている従来装置に比べて、生産効率の向上が図られている。
【0060】
また、積層手段80は、切断手段20よりも下流側の搬送経路P上に位置しており、切断手段20と積層手段80との位置が異なっているため、たとえ切断手段20によるシート片Sの切断の際に切断カスが生じた場合であっても、積層体130の層間に入り込む事態が有意に抑制される。さらに、切断手段20の近傍では、キャリアフィルムFは鉛直方向に延在しているので、切断カスが生じてもキャリアフィルムF上から落下しやすい状況となっている。
【0061】
また、カメラ120により、グリーンシートG上に設けられたマークMを用いて規定位置を検出した後、その規定位置に基づいて位置調整手段によりキャリアフィルムFとホルダ106との相対位置の自動調整がおこなわれる。
【0062】
なお、上述した装置10では、剥離手段としてのフィルム搬送部84が、キャリアフィルムFと積層体(被積層体)130とが互いに離間するように相対的に移動させて、シート片AをキャリアフィルムFから剥離させている。
【0063】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、マークMは、グリーンシートGではなくキャリアフィルムFに形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る切断装置を示した概略構成図である。
【図2】図1の切断手段を示した要部拡大図である。
【図3】図2のアーム部を示した要部拡大図である。
【図4】図2の切断手段を示した下面図である。
【図5】図2の切断手段に搬入されるキャリアフィルムの状態を示した図である。
【図6】切断手段によるシート片の切断手順を示したずである。
【図7】図1の積層手段を示した要部拡大図である。
【図8】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図9】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図10】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図11】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図12】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図13】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図14】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【図15】図7に積層手段を用いてシート片を積層する際の一工程を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
10…切断装置、20…切断手段、26,120…カメラ、34…移動手段、46…ローラカッタ、52…圧縮バネ、64…第2の位置調整部、72…位置調整手段、B…タイミングベルト、F…キャリアフィルム、G…セラミックグリーンシート、M…マーク、P…搬送経路、S…シート片。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断装置であって、
前記シート片の各辺に対応するように配置された前記シート片の辺の数と同数のローラカッタと、
前記ローラカッタを、前記シート片の対応する前記辺に沿って移動させる移動手段と
を備える、セラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項2】
前記セラミックグリーンシート及び前記キャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、
前記位置調整マークを用いて前記セラミックグリーンシートの切断位置を検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいて前記ローラカッタの位置合わせをおこなう位置調整手段とをさらに備える、セラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記複数のローラカッタの全部を同時に移動させる、請求項1又は2に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記複数のローラカッタそれぞれが固定されたタイミングベルトを有する、請求項3に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項5】
前記ローラカッタの前記キャリアフィルムへの押圧力を調整可能な押圧力調整手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項6】
前記複数のローラカッタを前記グリーンシートの法線周りに回転調整することが可能な回転調整手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項7】
キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断方法であって、
前記シート片の各辺に対応するように配置された前記シート片の辺の数と同数のローラカッタを、移動手段によって前記シート片の対応する前記辺に沿って移動させるステップを備える、セラミックグリーンシートの切断方法。
【請求項8】
前記セラミックグリーンシート及び前記キャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、
マーク検出手段によって、前記位置調整マークを用いて前記セラミックグリーンシートの切断位置を検出するステップと、
位置合わせ手段によって、前記マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいて前記ローラカッタの位置合わせをおこなうステップとをさらに備える、請求項7に記載のセラミックグリーンシートの切断方法。
【請求項9】
前記移動手段によって、前記複数のローラカッタの全部を同時に移動させる、請求項7又は8に記載のセラミックグリーンシートの切断方法。
【請求項1】
キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断装置であって、
前記シート片の各辺に対応するように配置された前記シート片の辺の数と同数のローラカッタと、
前記ローラカッタを、前記シート片の対応する前記辺に沿って移動させる移動手段と
を備える、セラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項2】
前記セラミックグリーンシート及び前記キャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、
前記位置調整マークを用いて前記セラミックグリーンシートの切断位置を検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいて前記ローラカッタの位置合わせをおこなう位置調整手段とをさらに備える、セラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記複数のローラカッタの全部を同時に移動させる、請求項1又は2に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記複数のローラカッタそれぞれが固定されたタイミングベルトを有する、請求項3に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項5】
前記ローラカッタの前記キャリアフィルムへの押圧力を調整可能な押圧力調整手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項6】
前記複数のローラカッタを前記グリーンシートの法線周りに回転調整することが可能な回転調整手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシートの切断装置。
【請求項7】
キャリアフィルムに保持されたセラミックグリーンシートから、多角形状のシート片を切り分けるセラミックグリーンシートの切断方法であって、
前記シート片の各辺に対応するように配置された前記シート片の辺の数と同数のローラカッタを、移動手段によって前記シート片の対応する前記辺に沿って移動させるステップを備える、セラミックグリーンシートの切断方法。
【請求項8】
前記セラミックグリーンシート及び前記キャリアフィルムの少なくともいずれか一方には、位置調整マークが設けられており、
マーク検出手段によって、前記位置調整マークを用いて前記セラミックグリーンシートの切断位置を検出するステップと、
位置合わせ手段によって、前記マーク検出手段によって検出された切断位置に基づいて前記ローラカッタの位置合わせをおこなうステップとをさらに備える、請求項7に記載のセラミックグリーンシートの切断方法。
【請求項9】
前記移動手段によって、前記複数のローラカッタの全部を同時に移動させる、請求項7又は8に記載のセラミックグリーンシートの切断方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−272862(P2006−272862A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98558(P2005−98558)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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