説明

セラミックスハニカム構造体

【課題】 耐熱衝撃性および耐熱性に優れたハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】 本発明のハニカム構造体1は、セグメント部2を連結部3が連結した構造をもつ一体型のセラミックスハニカム構造体において、連結部3の強度を調整することによりハニカム構造体全体の熱膨張や熱衝撃を緩和したことに特徴を持つ構造となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に関する意識の高まりから、車両においては二酸化炭素の排出量の低減が求められてきている。この要求にともなって、ディーゼルエンジンの需要が高まってきている。ディーゼルエンジンからは、大量のスス(粒子状物質,PM)を含む排気ガスが排出されることが知られている。このディーゼルエンジンからのススは、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)と呼ばれるセラミックスフィルタで捕集されている。
【0003】
DPFでは、捕集したススがそのままの状態で保持され続けると、ススが排ガスの通過を阻害して、圧損が上昇する。この圧損の上昇を抑えるために、捕集したススを燃焼させて分解している(フィルタの再生)。このススの燃焼により、捕集されたススが分解して、排気ガスがフィルタを通過できるようになる。
【0004】
DPFでは、捕集したススを燃焼する時に、燃焼熱により温度が高くなる。この高温によるDPF自身の損傷を抑えるために、DPFを構成する材質として炭化珪素が用いられてきている。
【0005】
炭化ケイ素よりなるDPFは、ススを燃焼した後に急冷されたりする(熱衝撃が加わる)と、DPFの熱膨張・収縮により発生する応力により、DPFが割れる問題が発生していた(異常燃焼モードによるDPFの破壊)。
【0006】
このような問題に対して、DPFを複数のセグメントと、セグメントを接合する接合材層と、を有する構成とする方法が検討されている。たとえば、特許文献1に開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に示された接合材層がセグメントを接合したDPFは、製造時にセグメントを接合材で接合する工程が必要があり、この工程がコストアップを招いていた。
【0008】
この問題に対して、モノリス構造のままでDPFの性能を向上する方法が、特許文献2に開示されている。特許文献2には、ススを入れないセルをフィルタ上に構築する方法が開示されている。具体的には、ハニカム構造体に流路セパレーターを形成して、局所的に温度上昇すること抑制し、DPF全体の熱衝撃を緩和することが開示されている。特許文献2に記載のDPFの構造では、流路セパレータが断熱層になるため、セパレータを挟んだ熱の移動を妨げ、DPFの過熱を抑えている。
【0009】
しかしながら、この方法ではDPF内に溜められたススが異常燃焼して発熱した場合に、DPF全体が一体として熱膨張する熱衝撃による応力がDPF全体としては緩和されない。つまり、流路セパレータは、セグメント型のフィルタでセグメントを接合する接合材層のようにDPF自体の応力を緩和できない。
【特許文献1】特許第3121497号公報
【特許文献2】特許第3983117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、高い耐熱衝撃性と耐熱性を備えたセラミックスハニカム構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明者らは、セグメント部を連結部が連結した構造をもつ一体型のセラミックスハニカム構造体において、連結部の強度を調整することで上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明の第一のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部の数は、連結部が連結するセグメント部のセル数よりも少ないことを特徴とする。
【0013】
本発明の第二のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部が接続する少なくとも二つのセグメント部の対向面が略平面状及び/または曲面状,凹凸状をなし、かつ連結部が接続する少なくとも二つのセグメント部間の最短距離が、各セグメント部の連結部が接続する略平面状及び/または曲面状,凹凸状のセグメント部の幅の50%以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第三のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部が形成された少なくとも二つのセグメント部の互いに対向した表面間にセラミックスよりなる充填材が充填されてなり、かつセグメント部よりも低い強度となるような充填部を形成したことを特徴とする。
【0015】
本発明の第四のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部は、セグメント部でセルを区画するセル壁に対して交差する方向に広がる傾斜部をもつ平板状または曲板状をなすように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、セグメント部を連結部が連結した構造をもつ一体型のセラミックスハニカム構造体において、連結部が形成されたセグメント部間の強度を調整したものとなっている。この結果、セグメント部が熱膨張を生じても、連結部(および充填部)が適度に破壊されてセグメント部の破壊を阻止できるものとなっている。この結果、本発明のセラミックスハニカム構造体は、高い耐熱衝撃性を発揮できるものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第一発明)
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有するセラミックスハニカム構造体である。
【0018】
そして、本発明のハニカム構造体は、連結部の数が、セグメント部のセルの数よりも少ない。このような構成では、連結部の強度がセグメント部よりも低下している。この結果、セグメント部の体積変化を連結部が緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。ここで、連結部の数が比較されるセルの数は、連結部が連結するセグメント部であって、連結部が接続したセグメント部の辺に区画されたセルの数である。
【0019】
具体的には、本発明のハニカム構造体は、連結部の数がセグメント部のセルの数よりも少ない。このような構成では、セグメント部に生じた体積変化の変化量のうち、連結部に加わる変化量が大きくなる。つまり、ひとつの連結部に加わる力が大きくなり、連結部に破壊が生じやすくなる。そして、連結部に破壊が生じると、破壊により更にセグメント部の体積変化を緩衝することが可能となる。つまり、連結部が破壊されると、連結部がセグメント部の体積変化を規制できなくなる。これにより、セグメント部の体積変化がより進行する。この結果、セグメント部自身が損傷を生じなくなり、セルを区画するセル壁の損傷に起因するハニカム構造体全体の損傷が抑えられる。このように、本発明のハニカム構造体は、熱衝撃により体積変化が生じてもハニカム構造体が損傷を生じないことから、高い耐熱衝撃性を有するものとなっている。
【0020】
本発明のハニカム構造体は、セグメント部よりも強度の低い連結部がセグメント部の体積変化を緩衝(吸収)するため、連結部の数が多くなるほどひとつの連結部に加わる力が小さくなる。つまり、セグメント部を架橋する連結部の数が少なくなるほど、一つの連結部に加わるセグメント部の体積変化に基づく応力がより集中する。
【0021】
セグメント部の連結部の数は、連結部が連結するセグメント部のセル数の2〜90%であることが好ましい。より好ましくは、4〜60%であり、更に好ましくは5〜30%である。
【0022】
また、二つの連結部同士の距離が2mm以上であることが好ましい。隣接する少なくとも二つの連結部間からススが漏れるのを防ぐ為に、連結部の隙間に充填材を充填させることが好ましいが、この充填材の充填方法としては、液体状あるいは粘体状の充填材を流し込む、あるいは注入した後に固化させる事で充填できる。この際に、連結部間の距離が短いと流し込む事などが難しくなる。更に好ましくは、5〜20mmである。連結部間の距離が長くなり過ぎると、前述のように強度的に問題となる。
【0023】
(第二発明)
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部が接続する少なくとも二つのセグメント部の対向面が略平面状及び/または曲面状,凹凸状をなし、かつ連結部が接続する少なくとも二つのセグメント部間の最短距離が、各セグメント部の連結部が接続する略平面状及び/または曲面状,凹凸状のセグメント部の幅の50%以下である。
【0024】
本発明のハニカム構造体は、少なくとも二つのセグメント部を架橋する連結部により架橋されたセグメント部間の距離が、連結部が形成されたセグメント部の表面の一辺の長さの50%以下である。ここで、セグメント部の表面の一辺の長さは、軸方向に垂直な断面において当該平面のなす長さとすることができる。このような構成となることで、連結部の強度がセグメント部よりも低下する。連結部の強度が低下すると、セグメント部に体積変化が生じたときに、連結部の破壊によりセグメント部の体積変化を連結部が規制できなくなり、セグメント部の損傷が抑えられる。この結果、セグメント部の体積変化を連結部が緩衝することができる。このように、本発明のハニカム構造体は、熱衝撃により体積変化が生じてもハニカム構造体が損傷を生じないことから、高い耐熱衝撃性を有するものとなっている。
【0025】
ここで、セグメント部間の距離が短いと、セグメント部を連結する強度(連結部がセグメント部の体積変化を規制する力)が強くなりすぎて、連結部でフィルタ全体に掛かる応力を緩和しようとする当初の目的を阻害するようになる。また、セグメント部間の距離が長過ぎるとフィルタとしての開口面積が減少し、圧力損失が上昇してしまう。また成形工程において、十分な保形性が得られない。
【0026】
連結部が接続する二つのセグメント部間の距離が、0.3〜50mmであることが好ましい。更に好ましくは0.8〜3mmである。
【0027】
(第三発明)
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有し、連結部が形成された二つのセグメント部の互いに対向した表面間にセラミックスよりなる充填材が充填されてなり、かつセグメント部よりも低い強度となるような充填部を形成している。
【0028】
本発明のハニカム構造体は、連結部で架橋された少なくとも二つのセグメント部の間に充填部を有する。このような構成となることで、少なくとも二つのセグメント部と連結部の間に形成された空間を閉塞することができ、フィルタとして用いたときに濾過できない部分(排気ガスがそのまま通過する部分)をなくすことができる。
【0029】
そして、充填部の強度がセグメント部よりも低いことで、セグメント部の体積変化を充填部が緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。
【0030】
具体的には、本発明のハニカム構造体は、セグメント部の間に充填部が形成される。このような構成では、セグメント部に生じた体積変化により生じる力が充填部に加わることとなる。充填部はセグメント部よりも強度が小さいため、セグメント部よりも破壊が生じやすくなっている。つまり、セグメント部に体積変化を生じたときに充填部が破壊されることで、セグメント部の体積変化が規制されなくなる。より具体的には、セグメント部の体積変化により充填部に破壊が生じると、充填部の破壊の進行により更なるセグメント部の体積変化を緩衝することが可能となる。この結果、セグメント部自身が損傷を生じなくなり、ハニカム構造体全体の損傷が抑えられる。このように、本発明のハニカム構造体は、熱衝撃により体積変化が生じてもハニカム構造体が損傷を生じないことから、高い耐熱衝撃性を有するものとなっている。
【0031】
充填部を形成する方法は、セラミックスよりなる充填材を充填できる方法であれば、その形成方法が限定されるものではない。たとえば、液状またはスラリー状の充填材を調製し、この充填材を充填して固化させる方法が簡便で好ましい。
【0032】
充填部は、少なくとも二つのセグメント部の互いに対向した表面と、隣接した少なくとも二つの連結部と、に区画された空間内に形成されたことが好ましい。このような構成となることで、セグメント部間のすき間を完全に閉塞できる。
【0033】
充填材のヤング率ρ1が、セグメント部のヤング率ρ0よりも小さいことが好ましい。これは、フィルタに熱衝撃による応力が加わった場合に、連結部及び充填部の部分的な破壊により、応力を緩和する為である。ρ1はρ0の80%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。
【0034】
充填部を構成する充填材は、その材質等が限定されるものではないが、多孔質のセラミックスよりなることが好ましい。充填材が多孔質のセラミックスよりなることで、所望の強度をもつ充填材となる。充填材の気孔率は、セグメント部を形成する基材の気孔率よりも大きいものであるとより好ましい。多孔質のセラミックスは、気孔率が10%以上であることが好ましい。
【0035】
多孔質セラミックスは、ファイバー,ウィスカー,板状結晶,これらの少なくとも一種よりなる凝集体,の一種以上及び/または樹脂製造孔剤を用いて製造されてなることが好ましい。多孔質セラミックスにおいて、ファイバー,ウィスカー,板状結晶,これらの少なくとも一種よりなる凝集体,の一種以上及び/または樹脂製造孔剤は、亀裂の進展を抑える補強材として機能する。具体的には、多孔質セラミックスよりなるハニカム構造体では、空隙率(気孔率)が高いほど強度が低下し、発生した亀裂が進展しやすくなっている。この亀裂は、熱応力などにより発生・進展する。亀裂が進展すると、フィルタとして用いたときにこの大きな亀裂をPMが通過するようになる。多孔質のセラミックスが補強材を用いて製造されると、その内部に補強材が残存することとなる。そして、この補強材が、亀裂の進展を防止する。この結果、PMの捕集性能が低下することが抑えられる。なお、樹脂製造孔剤に関して、この造孔剤は焼成により消失するが、生成される孔が亀裂の進展を抑制する効果を発揮する。
【0036】
粒径,長さ等の補強材の大きさは、多孔質のセラミックスを構成するセラミックス粒子間の空隙に位置する事ができる大きさであれば特に限定されるものではない。また、補強材の含有量についても特に限定されるものではないが、補強材の含有量が高くなるほど、原料スラリーの流動性が低下して、PMの捕集性能の低下のおそれがある。セラミックス粒子を含む原料スラリーから多孔質のセラミックスを製造する場合に、補強材は、スラリーの固形分の重量を100wt%としたときに、50〜85wt%で含まれることが好ましい。
【0037】
補強材を構成するファイバー,ウィスカー,板状結晶,樹脂製造孔剤は、市販の部材を用いることができる。
【0038】
(第四発明)
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋する連結部と、を有するセラミックスハニカム構造体である。
【0039】
そして、本発明のハニカム構造体は、連結部が、セグメント部でセルを区画するセル壁に対して交差する方向に広がる傾斜部をもつ平板状または曲板状をなすように形成されている。このような構成となることで、セグメント部の体積変化の方向に対して傾斜した傾斜部の作用により、セグメント部の体積変化を連結部が阻害しなくなり、セグメント部の体積変化を連結部が緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。さらに、傾斜部が角部を有している場合には、この角部で連結部の破壊が生じ、セグメント部の体積変化を緩衝できるとともに、亀裂の進展を抑えることができる。なお、本発明において、板状とは厚さが少なくて面が広い状態を示し、平板状とは板状の面が略平面をなしている状態または両端部を結ぶ線沿って広がっている状態を示し、曲板状とは平板状でない板状の形状(湾曲形状、波状、矩形波状)をなしている状態を示す。
【0040】
本発明において、連結部が接続する方向で少なくとも一部が傾斜部で形成されていればよい。連結部全体が傾斜部をなすことが好ましい。また、傾斜部の傾斜角(セグメント部の体積変化の方向、すなわち、セグメント部のセル壁ののびる方向に対する角度)は特に限定されるものではない。さらに、連結部が異なる傾斜角を持つ複数の傾斜部を持つ形態でもよい。
【0041】
本発明のハニカム構造体において、連結部は、その形状が特に限定されるものではなく、平板状であっても、曲板状であっても、いずれでもよい。連結部は、曲面状をなすように形成されていることがより好ましい。連結部が曲板状をなすことで、セグメント部の体積変化を平板状よりもより緩衝することができる。
【0042】
本発明のハニカム構造体において、隣接した少なくとも二つのセグメント部を複数の連結部が接続したときに、少なくとも一つの連結部が傾斜部を有していればよい。すなわち、複数の連結部を有するときに、セグメント部の体積変化の方向にのびる連結部を有していても良い。このような形態では、押出成形でハニカム構造体を成形したときにセグメント部間の距離を確保できる効果を発揮する。
【0043】
本発明のハニカム構造体において、セグメント部および連結部は、一体に形成されていればその材質が特に限定されるものではなく、従来のセラミックスフィルタに使用された材質を用いることができる。
【0044】
本発明のハニカム構造体の材質としては、耐熱性・耐熱衝撃性に優れている素材であればコージェライトやチタン酸アルミニウム、窒化珪素などをあげることができ、特に耐熱性・耐熱衝撃性の観点から炭化ケイ素(SiC)を主成分としていることが好ましい。なお、主成分とは、ハニカム構造体を構成する材質のうち最も割合が高い材質である場合、または重量で50wt%以上を占める場合を示す。SiCは耐火温度が高く、再生時の溶損なども起こりにくい。また、強度的にも他のセラミックスフィルタよりも優れた特性を示す。
【0045】
本発明のハニカム構造体において、各セグメント部および連結部は、同じ材質からなることが好ましい。同じ材質よりなることで、一度に一体に両部を形成できる。この結果、セグメント部および連結部の接続部の強度をハニカム構造体として求められる強度に保持できる。
【0046】
本発明のハニカム構造体において、連結部で接続されたセグメント部を少なくとも4つ有することが好ましい。4つ以上のセグメント部が連結部で架橋されることで熱応力が分散しやすく、応力の緩和が行いやすくなる。この結果、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。
【0047】
セグメント部は、軸方向に垂直な断面積が100cm以下、またはセグメント部の最短径が10cm以下であることが好ましい。セグメント部の断面積や外形がこれらの数値以下となることで、セグメント部の体積変化の変化量が大きくなりすぎなくなる。この結果、連結部でセグメント部の熱応力を緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。
【0048】
本発明のハニカム構造体において、セグメント部に形成されるセルの形状(断面形状)やセル数は特に限定されるものではない。
【0049】
本発明のハニカム構造体において、軸方向に垂直な断面での外周形状が円あるいは楕円形状であることが好ましい。このような形状をなすことで、応力が部分的に集中することを防止でき、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する効果を発揮する。
【0050】
本発明のハニカム構造体において、セグメント部の形状は特に限定されるものではないが、従来のハニカム構造体のセグメントと同様に、軸方向に垂直な断面での外形が方形状をなすことが好ましい。より好ましくは、正方形状である。
【0051】
本発明のハニカム構造体において、最外周に位置するセグメント部の外周は、ハニカム構造体の外周と略一致する形状に形成されたことが好ましい。
【0052】
また、本発明のハニカム構造体は、各セグメント部および連結部のみで形成しても、各セグメント部および連結部をもつセグメントを接合材で接合して形成しても、いずれでもよい。
【0053】
更に、本発明のハニカム構造体において、従来公知のハニカム構造体と同様に、周方向の外周面上に外周材層を有することが好ましい。外周材層を有することで、ハニカム構造体が外周方向に変形することを規制することができる。
【0054】
本発明のハニカム構造体は、その製造方法が限定されるものではないが、押出成形で成形体を成形し、焼成して形成することが好ましい。押し出し成形の際にセグメント部間をつなぐ連結部が予め形成されるような金型を用いることにより、複数のセグメント部が連結部によって予め連結された成形体を得ることができる。これにより接着層を介して接合する工程が無くなり、接首部の厚さのムラによる製品のバラツキの無いハニカム構造体が得られる。
【0055】
押出成形は、成形体を鉛直方向に押し出しを行うことが好ましい。鉛直方向に成形体を押し出すことで、押し出された成形体の形状が維持できる。押し出された直後(乾燥前)の成形体は、保形性が低く、変形を生じやすくなっている。そして、例えば、水平方向に押し出すと、自重により成形体が径方向に変形する。これに対し、鉛直方向に押し出された成形体では、重力がかかる鉛直方向に成形体が位置するため、変形を抑えることができる。なお、鉛直方向に押出成形を行ったときには、押し出された成形体を連続して切断し、軸方向が鉛直方向となっている状態で乾燥させる。
【0056】
さらに、押出成形で、ハニカム構造体と略一致する形状の成形体を成形することで、焼成後の外周形状の成形等のその後の製造工程での工数を大幅に低減できる効果を発揮する。
【0057】
本発明のハニカム構造体は、その使用方法が特に限定されるものではないが、フィルタ触媒に用いることが好ましく、ディーゼルエンジンからの排気ガスの浄化に用いられるDPFとして使用することが好ましい。
【0058】
また、本発明のハニカム構造体は、各請求項に記載の形態を組み合わせた構成としてもよい。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0060】
本発明の実施例として、ハニカム構造体を製造した。
【0061】
(実施例1)
まず、平均粒径12μmのSiC粉末75重量部、平均粒径10μmのSi粉末20重量部、平均粒径15μmのC粉末5重量部を秤量し、有機バインダーとしてメチルセルロースを加えたものに水を加えて適度の粘性にしたものに界面活性剤を加えて混合、混練した。得られた粘土を所定の形状の開口部を備えた型を用いて押出成形法で成形し、乾燥した。この成形体は、押出方向である軸方向に垂直な断面の形状が、一定となっている。また、この成形体は、セルを区画するセグメント部と、セグメント部を接続する連結部と、を形成できる構成となっている。
【0062】
乾燥後、成形体の製造に用いた粘土で、成形体のセグメント部に区画されたセルを交互目封止をした後に、2300℃で焼成して焼成体を得た。ここで、セルの封止は、セルの一方または他方の端部が封止され、成形体の端面でセグメント部において封止されたセルと封止されていないセルが市松模様をなす状態である。
【0063】
つづいて、平均径が1mm以下となるように粉砕したアルミナ・シリカファイバー15重量部、平均粒径20μmのSiC粗粒45重量部、平均粒径1μmのSiC微粒4重量部、バインダーとして1.26wt%のCMC(カルボキシメチルセルロース)溶液30重量部、及び分散剤としてカチオン系分散剤1重量部、結合剤としてコロイダルシリカ5重量部を秤量し、混合して充填材スラリーを調製した。
【0064】
そして、調製された充填材スラリーを、焼成体のセグメント部を架橋した連結部間の空隙(セグメント部の外周面に挟まれた空間)に充填し、乾燥した。乾燥後、円筒研削機を用いて全体の形状を円筒形状に成形した。
【0065】
その後、研削後の焼成体に外周材スラリーを塗布した後に850℃で熱処理して本実施例のハニカム構造体1を得た。外周材スラリーは、平均粒径20μmのSiC粉末50重量部、平均粒径1μmの球状シリカ粉末19重量部、バインダーとして1.26wt%のCMC溶液25重量部、及び分散剤としてアニオン系分散剤1重量部、結合剤としてコロイダルシリ力5重量部、を十分に混合してなる。
【0066】
本実施例のハニカム構造体1は、図1に示したように、外径:14.38cm(5.66inch)、軸方向の長さ:15.24cm(6.00inch)の略円筒状の外周形状をもつ。
【0067】
本実施例のハニカム構造体1は、図2に示したように、16個の断面正方形のセグメント部2と、隣接するセグメント部2同士を架橋する連結部3と、を有する。本実施例のハニカム構造体1は、一辺が3.7cmの正方形の断面をもつ2×2個で配列した内周側セグメント部20と、内周側セグメント部20の外周側に位置するとともに径方向の外周面が円弧状に形成された外周側セグメント部21と、を有する。また、セグメント部2間の距離は、3.7mmであった。
【0068】
本実施例のハニカム構造体1において、セグメント部2に区画されたセル22は、ハニカム構造体1の径方向の最外周に位置するセルを除いて、一辺が1.5mmの断面正方形状を有している。セグメント部2において各セルを区画するセル壁23の厚さは0.3mmであった。また、内周側セグメント部20には、21個のセル22が区画されている。
【0069】
内周側セグメント部20同士及び内周側セグメント部20と外周側セグメント部21は、図3に示したように、断面正方形のセグメント部20の一辺の間にもうけられた4個の連結部3により架橋されている。連結部3の数は、セグメント部20のセル数の19%であった。
【0070】
連結部3は、断面正方形のセグメント部20の一辺の端部まで少なくとも0.5cm離れた位置に形成されている。すなわち、セグメント部20の一辺の端部から0.5cm離れた位置から0.9cm間隔で連結部3が形成されている。
【0071】
外周側セグメント部21同士も連結部3により、架橋されている。外周側セグメント部21同士を架橋する連結部3も、対向した一辺の端部であって径方向内方側の端部まで少なくとも0.5cm離れた位置に形成されている。外周側セグメント部21の一辺の端部であって径方向内方側の端部から0.5cm離れた位置から0.9cm間隔で連結部3が形成されている。
【0072】
連結部3は、ハニカム構造体1の軸方向の全体にわたってセグメント部2同士を架橋している。連結部3は、厚さが0.3mmの平板状を有している。
【0073】
連結部3は、その広がる方向が、セル壁23と平行となるように形成されている。また、連結部3は、セル壁23の延長線上に位置しない状態で形成されている。つまり、連結部3の広がる方向の延長線上には、直交する方向に広がるセル壁23のみが位置している。
【0074】
本実施例のハニカム構造体1は、セグメント部2に区画されたセル22には、端面が市松模様をなすように、一方の端部または他方の端部に封止材40で封止されている。この封止材40は、上記したように、セル壁23と同様な材質よりなる。
【0075】
本実施例のハニカム構造体1のセグメント部2同士と連結部3とに区画された空間には、充填材スラリーから形成された充填材5が充填されている。この充填材5は、区画された空間の端部を塞ぐのみではなく、空間の全体を充填している。
【0076】
充填材5は、気孔率が20%の多孔質のセラミックスよりなる。
【0077】
本実施例のハニカム構造体1は、周方向の外周面が外周材60よりなる外周材層6が形成されている。この外周材層6は、上記したように、SiCを主成分とするセラミックスよりなる。外周材層6は、0.8mmの厚さで形成されている。
【0078】
さらに、本実施例のハニカム構造体1のセル壁23と、充填材5のヤング率を測定したところ、セル壁23のヤング率は40GPaであり、充填材5のヤング率は5GPaであった。
【0079】
(比較例)
本比較例は、実施例1の内周側セグメント部20と同様な形状のセグメント7を、実施例1の時と同様にして製造した。製造されたセグメント7は、実施例1の時と同様に、市松模様をなすように封止材40がセルの端部を封止している。
【0080】
このセグメント7を、実施例1において調製された外周材スラリーを接合材として用いて接合した。詳しくは、セグメント7の外周面に塗布し、別のセグメント7をこの面にすりあわせて接合した。この接合を繰り返して、全体の外周形状が正方形をなすように16個のセグメント7を接合し、80℃で乾燥した。接合体の端面を図4に示した。
【0081】
図4に示したように、比較例のハニカム構造体1は、セグメント7が接合材8で接合された構成を有している。
【0082】
そして、この接合体を円筒研削機で研削して外周形状を円筒状に成形した。
【0083】
その後、実施例1の時と同様にして外周材層を形成した。これにより、本比較例のハニカム構造体が製造できた。
【0084】
なお、本比較例のハニカム構造体は、特に限定されない材質や大きさは、実施例1のハニカム構造体と同様である。なお、セグメント間の距離(接合材層の厚さ)は、1.5mmであった。
【0085】
(実施例2)
本実施例は、セグメント部2を架橋する連結部3の形態が異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の連結部3近傍を図5に示した。
【0086】
図5に示したように、本実施例のハニカム構造体1は、連結部3がセグメント部2でセルを区画するセル壁23ののびる方向にそって形成されている。すなわち、セグメント部2の内周面側にセル壁23が突出した部分の外周面の部分同士を連結部3は架橋している。
【0087】
(実施例3)
本実施例は、セグメント部2を架橋する連結部3の形態が異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の連結部3近傍を図6に示した。
【0088】
図6に示したように、本実施例のハニカム構造体1は、連結部3がセグメント部2の外周面及びセルを区画するセル壁23ののびる方向に対して傾斜した状態で形成されている。本実施例では、連結部3のセグメント部2の外表面(セル壁23)に対する傾斜角が、連結部3が並んだ方向(セグメント部2の外周面の広がる方向)で異なるようになっている。セグメント部2との接合部は、セル壁23の延長線上に位置しない。
【0089】
なお、本実施例においては、複数の連結部3が異なる傾斜角で形成されているが、同一の傾斜角で形成してもよい。
【0090】
(実施例4)
本実施例は、セグメント部2を架橋する連結部3の形態が異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のハニカム構造体の連結部3近傍を図7に示した。
【0091】
図7に示したように、本実施例のハニカム構造体1は、連結部3が弧状をなすように湾曲した曲板状に形成されている。
【0092】
(比較例2)
本比較例は、セグメント部2及び連結部3を形成せずに断面の全面にセルが形成され、かつ実施例1で充填材が充填された位置にあるセルに充填材が充填された構成となっていること以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。
【0093】
(評価)
(耐熱衝撃性)
各実施例及び各比較例のハニカム構造体の評価として、ヒートショック試験を施して耐熱衝撃性を測定した。具体的な試験方法を以下に示す。
【0094】
まず、内部の温度を調節できる加熱炉を準備し、炉内温度を500〜700℃の50℃ごとの所定の温度に加熱し保持する。炉内温度が所定の温度に保持されたことが確認できたら、試験が施されるハニカム構造体を炉内に配置し、20分間保持する。
【0095】
20分間保持した後に、炉内からハニカム構造体を取り出し、室温に保持して急冷した。
【0096】
この急冷持に、ハニカム構造体の温度が十分に低下するまで観察した。観察結果を表1に示した。表1においては、ハニカム構造体1(ハニカム体2)にひび割れが確認できない場合には○で、ハニカム構造体1(ハニカム体2)にひび割れが確認できた場合には×で示した。
【0097】
【表1】

【0098】
表1に示したように、各実施例のハニカム構造体は、比較例2のハニカム構造体よりもかなり高い温度での熱衝撃が加わらないとひび割れが確認できなかった。つまり、各実施例のハニカム構造体は、均一にセルが形成されかつ充填材が一列に並んだセルを閉塞した比較例2のハニカム構造体よりも耐熱衝撃性に優れたものとなっている。すなわち、セグメント部2のセル数よりも少ない連結部3でセグメント部2を架橋した構成となることで、耐熱衝撃性が向上することが確認できた。
【0099】
(成形性の比較)
つづいて、各実施例の代表としての実施例1及び比較例1のハニカム構造体を製造に要する工数を比較した。
【0100】
実施例1のハニカム構造体は、成形体の成形を5秒で行うことができたが、比較例のハニカム構造体ではセグメントの成形には20秒を要した。比較例1では成形される成形体のサイズが実施例1の成形体よりも小さいため、一本の成形体の成形に要する時間は短くなるが、16本を成形する必要があり、結果として成形体の成形に要する時間が増加している。すなわち、実施例1のハニカム構造体は、比較例1のハニカム構造体と比較して、製造に要する工数が減少する。
【0101】
実施例のハニカム構造体では、充填材スラリーの注入を5秒で行うことができたが、比較例で同様な構成とするために接合体を製造するためには、スラリーの塗布、セグメントの貼り合わせ、スラリーの乾燥と、合計で2時間かかった。さらに、比較例では、乾燥のために常温よりも高い温度に加熱する必要があった。
【0102】
さらに、実施例のハニカム構造体では、充填材スラリーの充填厚さが一定であるのに対して、セグメントの接合に用いられる接合材の塗布厚さにバラツキが生じている。
【0103】
実施例1のハニカム構造体では、焼成後に外周形状の成形をすることなく外周材層を形成できたが、比較例のハニカム構造体では円筒状に研削した後に外周材層が形成されていた。
【0104】
(耐熱性)
つづいて、各実施例及び各比較例のハニカム構造体の耐熱性試験を施した。
【0105】
それぞれのハニカム構造体に10.0g/LのPMを堆積させて、燃焼試験を行った。燃焼試験は、日産キャラバン3.153Lエンジンを用いたエンジンベンチにて行った。燃焼試験後に取り出したハニカム構造体を観察したところ、比較例1では直径に沿って形成された接合材での接合部の外周部と軸心部にわずかにクラックの発生が確認されたが、各実施例では外見上も内部でもクラックは発生していなかった。ここで、軸心部の破損はハニカム構造体を切断することにより観察した。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施例1のハニカム構造体を示した斜視図である。
【図2】実施例1のハニカム構造体の端面を示した図である。
【図3】実施例1のハニカム構造体の端面の部分拡大図である。
【図4】比較例のハニカム構造体の端面を示した図である。
【図5】実施例2のハニカム構造体の端面の拡大図である。
【図6】実施例3のハニカム構造体の端面の拡大図である。
【図7】実施例4のハニカム構造体の端面の拡大図である。
【符号の説明】
【0107】
1:ハニカム構造体
2:セグメント部
3:連結部
40:封止材
5:充填部
6:外周材層
7:セグメント
8:接合材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、
それぞれが複数の該セルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、
隣接する少なくとも二つの該セグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各該セグメント部を架橋する連結部と、
を有し、
該連結部の数は、該連結部が連結する該セグメント部のセル数よりも少ないことを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項2】
前記連結部の数は、該連結部が連結する前記セグメント部のセル数の2〜90%である請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項3】
少なくとも二つの前記連結部同士の距離が2mm以上である請求項1〜2のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項4】
隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、
それぞれが複数の該セルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、
隣接する少なくとも二つの該セグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各該セグメント部を架橋する連結部と、
を有し、
該連結部が接続する少なくとも二つの該セグメント部の対向面が略平面状及び/または曲面状,凹凸状をなし、かつ該連結部が接続する少なくとも二つの該セグメント部間の最短距離が、各該セグメント部の該連結部が接続する略平面状及び/または曲面状,凹凸状の該セグメント部の幅の50%以下であることを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項5】
前記連結部が接続する少なくとも二つの前記セグメント部間の距離が、0.3〜50mmである請求項4記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項6】
隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、
それぞれが複数の該セルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、
隣接する少なくとも二つの該セグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各該セグメント部を架橋する連結部と、
を有し、
該連結部が形成された少なくとも二つの該セグメント部の互いに対向した表面間にセラミックスよりなる充填材が充填されてなり、かつ該セグメント部よりも低い強度となるような充填部を形成したことを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項7】
前記充填部のヤング率ρ1が、前記セグメント部のヤング率ρ0よりも小さい請求項6記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項8】
前記充填部は、多孔質のセラミックスよりなる請求項6〜7のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項9】
前記多孔質のセラミックスは、気孔率が10%以上である請求項8記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項10】
前記多孔質セラミックスは、ファイバー,ウィスカー,板状結晶,これらの少なくとも一種よりなる凝集体,の一種以上及び/または樹脂製造孔剤を用いて製造されてなる請求項8〜9のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項11】
隔壁により仕切られた、軸方向に貫通する多数のセルを有するとともに、隣接するセルが互いに反対側となる一方または他方の端部で目封止されたセラミックスハニカム構造体において、
それぞれが複数の該セルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、
隣接する少なくとも二つの該セグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各該セグメント部を架橋する連結部と、
を有し、
該連結部は、該セグメント部で該セルを区画するセル壁に対して交差する方向に広がる傾斜部をもつ平板状または曲板状をなすように形成されていることを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項12】
各前記セグメント部および前記連結部は、同じ材質からなる請求項1〜11のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項13】
前記連結部で接続された少なくとも4個の前記セグメント部からなる請求項1〜12のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項14】
前記セグメント部は、軸方向に垂直な断面積が100cm以下、または該セグメント部の最短径が10cm以下である請求項1〜13のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項15】
軸方向に垂直な断面での外周形状が円あるいは楕円形状である請求項1〜14のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項16】
前記セグメント部は、主成分が炭化珪素よりなる請求項1〜15のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−202143(P2009−202143A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50049(P2008−50049)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000220767)東京窯業株式会社 (211)
【Fターム(参考)】