説明

セラミックス基複合材料及びその製造方法、並びに、転動部材及び転動装置

【課題】軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れたセラミックス基複合材料及びその製造方法を提供する。また、軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れた転動部材及び長寿命な転動装置を提供する。
【解決手段】深溝玉軸受の内輪1,外輪2,及び転動体3のうち少なくとも1つを、セラミックス基複合材料で構成した。このセラミックス基複合材料は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるセラミックス60質量%以上80質量%以下と、金属40質量%以下20質量%以上と、で構成されている。そして、このセラミックス基複合材料は、ナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質のセラミックス粉末と、金属の粉末とを混合し、該混合粉末を射出成形又は金型成形により成形した成形物を焼結することにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れたセラミックス基複合材料及びその製造方法に関する。また、本発明は、セラミックス基複合材料で構成された転動部材及び転動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックスと金属とからなる複合材料が種々知られている。例えば、特許文献1〜3には、アルミニウム合金にセラミックス粒子を分散させた複合材料が開示されている。
特許文献1〜3に記載の複合材料においては、アルミニウム合金が主成分となっており、強化等の目的で添加されたセラミックス粒子がアルミニウム合金中に分散している。また、これらの複合材料は、セラミックス粒子を含有するアルミニウム合金の溶湯をアトマイズ法により粉末化し、得られた粉末を成形固化することによって製造される。
【特許文献1】特開平5−78708号公報
【特許文献2】特開平5−51663号公報
【特許文献3】特開平5−43964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の複合材料は、アルミニウム合金が主成分であるため、転動部材や転動装置の素材として用いるには、ヤング率等の機械的物性が不十分であった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れたセラミックス基複合材料及びその製造方法を提供することを課題とする。また、軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れた転動部材を提供することを併せて課題とする。さらに、長寿命な転動装置を提供することを併せて課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係るセラミックス基複合材料は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるセラミックス60質量%以上80質量%以下と、金属40質量%以下20質量%以上と、で構成されることを特徴とする。
このような構成により、本発明のセラミックス基複合材料は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れている。セラミックスが80質量%超過であると(すなわち、金属が20質量%未満であると)、金属が不純物として作用して破壊の起点となりセラミックス基複合材料が脆くなるおそれがある。一方、セラミックスが60質量%未満であると(すなわち、金属が40質量%超過であると)、硬さ,強度,耐摩耗性が不十分となるおそれがある。
【0005】
このような本発明のセラミックス基複合材料においては、前記金属はアルミニウム,アルミニウム合金,及び鉄鋼の少なくとも1種であることが好ましい。また、本発明のセラミックス基複合材料においては、前記セラミックスが多孔質体であることが好ましい。さらに、本発明のセラミックス基複合材料は、ビッカース硬さがHv900以上で且つヤング率が200GPa以上であることが好ましい。
【0006】
さらに、本発明に係るセラミックス基複合材料の製造方法は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなりナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質のセラミックス粉末と、金属の粉末とを混合し、該混合粉末を射出成形又は金型成形により成形した成形物を焼結することを特徴とする。 また、本発明に係るセラミックス基複合材料の製造方法は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなる多孔質のセラミックス粉末に、金属の溶湯を含浸させることを特徴とする。
このような構成であれば、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れるセラミックス基複合材料を、容易に製造することができる。
【0007】
これらの本発明のセラミックス基複合材料の製造方法においては、前記金属はアルミニウム,アルミニウム合金,及び鉄鋼の少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、本発明に係る転動部材は、相手部材との間で相対的な転がり接触又はすべり接触が生じる転動部材において、前述した本発明のセラミックス基複合材料、又は、前述した本発明のセラミックス基複合材料の製造方法で製造されたセラミックス基複合材料で構成されることを特徴とする。
このような構成により、本発明の転動部材は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れている。
【0008】
さらに、本発明に係る転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を内面に有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配置された転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも1つを、前述した本発明の転動部材としたことを特徴とする。
このような構成であれば、転動装置を構成する転動部材が軽量で機械的物性,耐摩耗性に優れているので、本発明の転動装置は長寿命である。
なお、転動装置としては、転がり軸受,直動案内軸受(リニアガイド装置),ボールねじ,直動ベアリング等があげられる。
【0009】
また、前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は内輪、同じく直動案内軸受の場合は案内レール、同じくボールねじの場合はねじ軸、同じく直動ベアリングの場合は軸を、それぞれ意味する。また、前記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は外輪、同じく直動案内軸受の場合はスライダ、同じくボールねじの場合はナット、同じく直動ベアリングの場合は外筒を、それぞれ意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のセラミックス基複合材料は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れている。また、本発明のセラミックス基複合材料の製造方法は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れるセラミックス基複合材料を、容易に製造することができる。
さらに、本発明の転動部材は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れている。さらに、本発明の転動装置は長寿命である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るセラミックス基複合材料及びその製造方法、並びに転動部材、転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る転動装置の一実施形態である深溝玉軸受の部分縦断面図である。図1の深溝玉軸受は、軌道面1aを外周面に有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の転動体(玉)3と、両軌道面1a,2a間に複数の転動体3を軸受の円周方向にわたって等配に保持する保持器4と、を備えている。なお、保持器4は備えていなくてもよい。また、シール,シールド等の密封装置を備えていてもよい。
【0012】
内輪1,外輪2と転動体3とは相互に転がり接触又はすべり接触するので、内輪1,外輪2,及び転動体3は転動部材に相当する。そして、本実施形態の深溝玉軸受においては、これらの転動部材のうち少なくとも1つがセラミックス基複合材料で構成されている。内輪1,外輪2,及び転動体3の全てをセラミックス基複合材料で構成してもよいが、内輪1,外輪2,及び転動体3のうち1つ又は2つの部材をセラミックス基複合材料で構成して、セラミックス基複合材料で構成されていない転動部材については、SUJ2等の鋼で構成してもよい。
【0013】
このセラミックス基複合材料は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるセラミックス60質量%以上80質量%以下と、金属40質量%以下20質量%以上と、で構成されている。このようなセラミックス基複合材料は、軽量で且つ機械的物性,耐摩耗性に優れているので、本実施形態の深溝玉軸受は摩耗や破損が生じにくく長寿命である。
【0014】
なお、金属はアルミニウム,アルミニウム合金,及び鉄鋼の少なくとも1種であることが好ましい。また、セラミックスは多孔質体であることが好ましい。セラミックスが多孔質体であると、セラミックスと金属とが強固に結合して複合化される。さらに、セラミックス基複合材料のビッカース硬さはHv900以上で、且つヤング率は200GPa以上であることが好ましい。
【0015】
このようなセラミックス基複合材料製の転動部材は、以下のような2つの製造方法のいずれかにより製造することができる。第一の製造方法は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなりナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質のセラミックス粉末と、金属の粉末とを混合し、該混合粉末を射出成形又は金型成形により成形した成形物を焼結するという方法である。また、第二の製造方法は、窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなる多孔質のセラミックス粉末に、金属の溶湯を含浸させるという方法である。
【0016】
第一及び第二いずれの製造方法においても、セラミックスと金属とを均一且つ強固に複合化させるためには、セラミックス粉末の平均粒径は5μm以下とすることが好ましい。また、第一の製造方法においては、金属の粉末についても平均粒径を5μm以下とすることが好ましい。さらに、第一の製造方法においては、ナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質のセラミックス粉末の代わりに、微細な凹凸が表面に形成されたセラミックス粉末を用いることができる。
【0017】
さらに、第一の製造方法においては、上記好ましい値よりも粒径の大きいセラミックス粉末及び金属の粉末を、それぞれ上記好ましい値にまで粉砕した後に混合してもよいし、上記好ましい値よりも粒径の大きいセラミックス粉末及び金属の粉末を混合した後に、上記好ましい値にまで粉砕してもよいし、予め上記好ましい値の粒径となっている市販のセラミックス粉末及び金属の粉末を混合してもよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0018】
例えば、本実施形態においては、転動装置の例として深溝玉軸受をあげて説明したが、本発明は他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
さらに、本実施形態においては、転動装置の例として転がり軸受をあげて説明したが、本発明は他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、直動案内軸受(リニアガイド装置),ボールねじ,直動ベアリング等の他の転動装置にも、好適に適用可能である。
【0019】
〔実施例〕
以下に、さらに具体的な実施例を示して、本発明をさらに説明する。呼び番号6206の深溝玉軸受を用意して回転試験を行い、転動体の寿命を評価した。
実施例1の深溝玉軸受は、内輪及び外輪がSUJ2で構成され、転動体がセラミックス基複合材料で構成された軸受である。このセラミックス基複合材料は、酸化ケイ素(比重2.2)80質量%とアルミニウム(比重2.7)20質量%とで構成され、粉末冶金法で製造されたものである。
【0020】
まず、直径50〜100nmの細孔を有する多孔質の酸化ケイ素粉末(平均粒径1μm)と純アルミニウム粉末(平均粒径10μm)とをアトライター(ボールミル)で均一に混合し、混合粉末を得た。そして、この混合粉末を金型に充填し、冷間静水圧プレス(CIP)により成形し、直径15mmの球形の成形物を得た。その後、この成形物を、3〜10気圧の窒素雰囲気下500〜700℃で加圧し、焼結を行った。得られたセラミックス基複合材料製の球の比重は2.3であり、理論値とほぼ等しかった。このセラミックス基複合材料製の球を研磨加工して、実施例1の深溝玉軸受の転動体として用いた。
【0021】
実施例2の深溝玉軸受は、セラミックス基複合材料を構成する酸化ケイ素とアルミニウムの組成比が、酸化ケイ素70質量%、アルミニウム30質量%であることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。
実施例3の深溝玉軸受は、セラミックス基複合材料を構成する酸化ケイ素とアルミニウムの組成比が、酸化ケイ素60質量%、アルミニウム40質量%であることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。
【0022】
比較例1の深溝玉軸受は、セラミックス基複合材料を構成する酸化ケイ素とアルミニウムの組成比が、酸化ケイ素95質量%、アルミニウム5質量%であることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。
比較例2の深溝玉軸受は、セラミックス基複合材料を構成する酸化ケイ素とアルミニウムの組成比が、酸化ケイ素40質量%、アルミニウム60質量%であることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。
【0023】
比較例3の深溝玉軸受は、セラミックス基複合材料を構成する酸化ケイ素とアルミニウムの組成比が、酸化ケイ素10質量%、アルミニウム90質量%であることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。
比較例4の深溝玉軸受は、転動体がSUJ2で構成されていることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。この転動体は、SUJ2製の球を800〜850℃に加熱し40〜100℃の焼入れ油に投入して焼入れした後に、150〜200℃で焼戻しを行い、さらに研磨を行ってJIS B1501に規定された等級28としたものである。
【0024】
比較例5の深溝玉軸受は、転動体が窒化ケイ素で構成されていることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。この転動体は、イミド分解法で製造したα−Si3 4 とY2 3 3〜10質量%とAl2 3 3〜10質量%とをアトライター(ボールミル)で均一に混合し、この混合粉末を1トンでプレス成形した後に冷間静水圧プレスで加圧し、さらに400〜600℃での脱脂、1600〜1900℃での焼結、1200〜1700℃・1000〜2000気圧での熱間静水圧プレス(HIP)を順次行って製造したものである。
【0025】
比較例6の深溝玉軸受は、転動体がアルミニウム合金基複合材料で構成されていることを除いては、実施例1の深溝玉軸受と同様である。このアルミニウム合金基複合材料は、炭化ケイ素粒子が分散しているアルミニウム合金の溶湯を、分散粒子の平均粒径が20μm以下となるようにアトマイズ法により粉末化し、得られた粉末を粉末鍛造法で温間成形して固化することにより製造されたものである(特許文献1を参照)。
【0026】
これらの深溝玉軸受について、下記の条件で回転試験を行い、転動体に破損が生じるまでの時間(L10寿命)を測定した。なお、軌道面の剥離等の破損が軌道輪に生じた場合は、破損した軌道輪を新品に交換した上で回転試験を続行した。
荷重:9702N(最大面圧:3.4GPa)
基本動定格荷重:19404N
基本静定格荷重:11270N
回転速度:3900rpm
計算寿命:20時間
潤滑剤:ISO粘度グレードがISO VG68である潤滑油(強制循環給油)
回転試験の結果、実施例1〜3の深溝玉軸受のL10寿命は、それぞれ481時間,522時間,475時間であった。これに対して、比較例1〜6の深溝玉軸受のL10寿命は、それぞれ15時間,93時間,38時間,407時間,113時間,及び154時間であった。
【0027】
これらの結果から、本発明のセラミックス基複合材料で転動体が構成された実施例1〜3の深溝玉軸受は、転動体がSUJ2で構成された比較例4の深溝玉軸受と同等以上の長寿命が達成できることが分かる。また、一般的なセラミックスや従来のアルミニウム合金基複合材料で転動体が構成された比較例5,6の深溝玉軸受よりも、長寿命であることが分かる。本発明のセラミックス基複合材料は、軽量且つ高強度で、しかもセラミックスの問題点である脆性も改善されているため、このような優れた性能が得られる。
また、実施例1のセラミックス基複合材料,比較例4のSUJ2,及び比較例5の窒化ケイ素の比重を示す図2のグラフから、実施例1の深溝玉軸受は、転動体がSUJ2製である比較例4の深溝玉軸受に対して十分な軽量化が図られており、転動体が窒化ケイ素製である比較例5の深溝玉軸受と同等の重さであることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る転動装置の一実施形態である深溝玉軸受の構成を示す部分縦断面図である。
【図2】素材の比重を示すグラフである。
【符号の説明】
【0029】
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 転動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるセラミックス60質量%以上80質量%以下と、金属40質量%以下20質量%以上と、で構成されることを特徴とするセラミックス基複合材料。
【請求項2】
前記金属がアルミニウム,アルミニウム合金,及び鉄鋼の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス基複合材料。
【請求項3】
前記セラミックスが多孔質体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックス基複合材料。
【請求項4】
ビッカース硬さがHv900以上で且つヤング率が200GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックス基複合材料。
【請求項5】
窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなりナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質のセラミックス粉末と、金属の粉末とを混合し、該混合粉末を射出成形又は金型成形により成形した成形物を焼結することを特徴とするセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項6】
窒化ケイ素,炭化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化ケイ素,及び酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなる多孔質のセラミックス粉末に、金属の溶湯を含浸させることを特徴とするセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記金属がアルミニウム,アルミニウム合金,及び鉄鋼の少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項8】
相手部材との間で相対的な転がり接触又はすべり接触が生じる転動部材において、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックス基複合材料、又は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のセラミックス基複合材料の製造方法で製造されたセラミックス基複合材料で構成されることを特徴とする転動部材。
【請求項9】
外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を内面に有して前記内方部材の外側に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配置された転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも1つを、請求項8に記載の転動部材としたことを特徴とする転動装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−286678(P2009−286678A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143654(P2008−143654)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】