セル化方法及び装置
【課題】複数の入力ポートから受信するパケットのセル化方法及び装置において、回路規模を削減すると共に、制御を簡略化して遅延無く実行する。
【解決手段】例えば4つの入力ポート100_1〜100_4から受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納する。そして、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔で順次循環的に読出要求RQを与えることにより、各パケットPCKT_1〜PCKT_4を固定長データの単位(固定長データFLD_1〜FLD_4)で順次循環的に読み出す。その後、読み出した固定長データFLD(固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つ)をカプセル化して例えばATMセルCLに変換する。あるいは、セル化情報INFO (固定長データFLD_1〜FLD_4に同期したセル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つ)に基づき例えばATMヘッダを生成してATMセルCLへの変換に用いる。
【解決手段】例えば4つの入力ポート100_1〜100_4から受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納する。そして、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔で順次循環的に読出要求RQを与えることにより、各パケットPCKT_1〜PCKT_4を固定長データの単位(固定長データFLD_1〜FLD_4)で順次循環的に読み出す。その後、読み出した固定長データFLD(固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つ)をカプセル化して例えばATMセルCLに変換する。あるいは、セル化情報INFO (固定長データFLD_1〜FLD_4に同期したセル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つ)に基づき例えばATMヘッダを生成してATMセルCLへの変換に用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル化方法及び装置に関し、特に複数の入力ポートから受信するパケットをセルに変換するセル化方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、Ethernet(登録商標)及びIP(Internet Protocol)を用いたネットワーク(以下、単にIP網と称することがある。)の構築が進められており、これに伴って、従来のデータ通信方式であるATM(AsynchronousTransfer Mode)を用いたATM網との相互接続技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなIP網-ATM網間の相互接続においては、IP網の伝送データ単位であるパケット又はフレーム(以下、パケットで総称する。)からATM網の伝送データ単位であるATMセル(以下、単にセルと称することがある。)への変換処理(以下、セル化処理と称することがある。)が行われる。
【0004】
このセル化処理の従来例[1]及び[2]を、それぞれ以下に説明する。
【0005】
従来例[1]:図10
図10に示すセル化装置は、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4(以下、符号100で総称することがある。)と、ポート100_1〜100_4の各々に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4(以下、符号200で総称することがある。)と、各パケットバッファ200_1〜200_4に接続されるセル化処理部400_1〜400_4(以下、符号400で総称することがある。)と、セル化処理部400_1〜400_4の各々に対応して設けたセルバッファ600_1〜600_4(以下、符号600で総称することがある。)と、各セル化処理部400_1〜400_4に接続される1つの共通のセレクタ700とで構成されている。
【0006】
このセル化装置では、同図に示すように、例えばポート100_1で受信したパケットPCKT_1(以下、符号PCKTで総称することがある。)を、パケットバッファ200_1に格納する(a)。セル化処理部400_1は、この格納されたパケットPCKT_1をパケットバッファ200_1から読み出して(b)、ATMセルCLに変換すると共に、変換したATMセルCLをセルバッファ600_1に格納する(c)。
【0007】
上記と同様に、ポート100_2〜100_4から受信するパケットPCKT_2〜PCKT_4についても、それぞれ、一旦パケットバッファ200_2〜200_4に格納された後、セル化処理部400_2〜400_4が、それぞれATMセルCLに変換してセルバッファ600_2〜600_4に格納する。
【0008】
そして、セレクタ700が、セルバッファ600_1〜600_4に順次、例えばセルバッファ600_1→600_2→600_3→600_4の順にセル単位での読出要求を与える(d)ことにより、ATMセルCLを読み出して(e)、後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0009】
このように、各ポート100_1〜100_4から受信するパケットPCKT_1〜PCKT_4に対して、それぞれ独立にセル化処理を行うことを可能にしている。
【0010】
従来例[2]:図11
図11に示すセル化装置は、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4と、ポート100_1〜100_4の各々に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4と、パケットバッファ200に接続される1つの共通の読出制御部800と、読出制御部800に接続されるセル化処理部400とで構成されており、上記の従来例[1]に示したような各ポート100_1〜100_4に対応する個別のセル化処理部400_1〜400_4及びセルバッファ600_1〜600_4は備えていない。
【0011】
このセル化装置では、同図に示すように、上記の従来例[1]と同様にポート100_1〜100_4で受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納する(a)。
【0012】
読出制御部800は、これらの格納されたパケットPCKT_1〜PCKT_4が均等にセル化処理されるように、各ポート100_1〜100_4毎のパケット受信タイミング及びそのデータ量、例えば、各パケットバッファ200_1〜200_4から読み出すパケット流量を監視すると共に、各パケット流量が均等になるような順、例えばパケット流量の小さい順にパケットバッファ200を選択して読出要求を与える(b)。これにより、読出制御部800は、選択したパケットバッファ200からパケットPCKTを読み出して(c)、読み出したパケットPCKT、すなわち図示の選択パケット(d)を、セル化処理部400に与える。
【0013】
これを受けたセル化処理部400が、選択パケット(d)をATMセルCLに変換して後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0014】
このように、各ポート100_1〜100_4から受信するパケットPCKT_1〜PCKT_4に対して、個別のセル化処理部及びセルバッファを用いず均等にセル化処理を行うことを可能にしている。
【特許文献1】特開平11-88336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の従来例[1]に関しては、入力ポート毎にセル化処理部及びセルバッファを設ける必要があり、セル化装置全体の回路規模が大きくなってしまうという課題がある。
【0016】
また、上記の従来例[2]に関しては、入力ポート毎にセル化処理部及びセルバッファを設ける必要は無いが、各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量がランダムであるため、各入力ポートから受信するパケットを均等にセル化処理するには、読出制御部において複雑なパケット流量監視制御及び読出要求タイミングの調整制御を行う必要があり、これらに伴うセル化処理の遅延が課題となっていた。
【0017】
従って、本発明は、複数の入力ポートから受信するパケットのセル化方法及び装置において、回路規模を削減すると共に、制御を簡略化して遅延無く実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[1]上記の目的を達成するため、本発明の一実施態様に係るセル化方法(又は装置)は、複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップ(又は手段)と、各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップ(又は手段)と、該固定長データをセルに変換する第3ステップ(又は手段)とを備えたことを特徴とする。
【0019】
[2]また、上記[1]において、該第2ステップ(又は手段)が、各バッファに一定間隔で順次循環しながら(サイクリックに)読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すようにしても良い。
【0020】
前記本発明の実施態様に係るセル化方法(又は装置)を、図1の実線で示す動作原理を用いて説明する(但し、これに限定されるものではない。) 。
【0021】
第1ステップ(又は手段)1では、例えば入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4でそれぞれ受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれポート100_1〜100_4に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4に格納する。
【0022】
第2ステップ(又は手段)2では、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔で順次循環的に(サイクリックに)読出要求RQを、例えば、パケットバッファ200_1→200_2→200_3→200_4の順に繰り返し与えて、各パケットバッファ200_1〜200_4からパケットPCKT_1〜PCKT_4を固定長データの単位、すなわち例えばATMセルに変換する場合はATMペイロード長(48バイト)に分割した固定長データFLD_1〜FLD_4(以下、符号FLDで総称することがある。)としてサイクリックに読み出すと共に、この固定長データFLDを第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0023】
今、例えば第2ステップ(又は手段) 2が、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えているものとすると、第2ステップ(又は手段)2は、固定長データFLD_1を読み出し、この固定長データFLD_1を第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0024】
そして、第3ステップ(又は手段)3では、固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つを受けた時、この固定長データFLDをカプセル化、すなわち例えば、固定長データFLDから必要な情報を抽出してATMヘッダを生成すると共に、該ATMヘッダを固定長データFLDに付加してATMセルCLに変換する。
【0025】
このように、本発明の実施態様によるセル化方法(及び装置)においては、複数の入力ポートから受信するパケットに対して、入力ポート個別のセル化処理部及びセルバッファを設けること無くセル化処理を行うこと、すなわち、回路規模を削減してセル化処理を行うことが可能であり、また、各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量に依らず制御を行うこと、すなわち、制御を簡略化することが可能であるため、遅延無く迅速にセル化処理を行うことができる。
【0026】
[3]また、上記[1]又は[2]において、該第1ステップ(又は手段)が、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むようにしても良い。
【0027】
すなわち、受信パケットPCKTを、例えばAAL5のような上位レイヤのフォーマットでカプセル化する必要があるような場合等には、第1ステップ(又は手段)1では、受信パケットPCKTをパケットバッファ200に格納する前に、受信パケットPCKTに例えばAAL5ヘッダ情報及びAAL5トレイラ情報等のレイヤ間調整情報を付加してカプセル化する。
【0028】
そして、上記[1]又は[2]と同様に、第2ステップ(又は手段)2が、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに読出要求RQを与えて、各パケットバッファ200_1〜200_4から該カプセル化したデータを固定長データFLD_1〜FLD_4として一定間隔でサイクリックに読み出すと共に、この固定長データFLDを第3ステップ(又は手段)3に与え、これを受けた第3ステップ(又は手段)3が、ATMセルCLに変換する。
【0029】
このように、上位レイヤのフォーマットでカプセル化する必要がある場合においても、本発明を容易に適用することができる。
【0030】
[4]また、上記[1]又は[2]において、該第2ステップ(又は手段)で読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップ(又は手段)と、該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップ(又は手段)での変換に用いる第5ステップ(又は手段)とをさらに備えるようにしても良い。
【0031】
すなわち、図1の点線で示すように、第4ステップ(又は手段)4では、第2ステップ(又は手段)2で固定長データFLD_1〜FLD_4が読み出される度毎に、固定長データFLD_1〜FLD_4の各々から、それぞれ、例えば上記[1]又は[2]で示したATMヘッダの生成等に必要なセル化情報INFO_1〜INFO_4(以下、符号INFOで総称することがある。)を生成すると共に、このセル化情報INFOを第5ステップ(又は手段)5に与える。
【0032】
今、上記[1]又は[2]で説明した場合と同様に、例えばパケットバッファ200_1に読出要求RQが与えられているものとすると、セル化情報INFO_1が第5ステップ(又は手段)5に与えられる。
【0033】
そして、第5ステップ(又は手段)5では、セル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つを受けた時、このセル化情報INFOに基づきセルのヘッダ情報、すなわち例えば、ATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える(図示せず)。
【0034】
この場合、第3ステップ(又は手段)3では、上記[1]又は[2]に示したような固定長データFLDからのATMヘッダ生成に必要な情報の抽出及びATMヘッダ生成を行う必要が無くなるため、ATMセルCLへの変換に係る処理時間を短縮することが可能である。また、これに伴って、第2ステップ(又は手段)2では、各パケットバッファ200_1〜200_4に与える読出要求RQの間隔を短くすることも可能であるため、セル化処理全体のスループットを向上させることができる。
【0035】
なお、図1においては、第4ステップ(又は手段)4が、各パケットバッファ200_1〜200_4にそれぞれ対応して設けられているように示され、また、第5ステップ(又は手段)5が、第3ステップ(又は手段)3内に含まれるように示されているが、これらに限定されるものではなく、例えば1つの第4ステップ(又は手段)4が、各パケットバッファ200_1〜200_4に共通バス等で接続されるようにしても良いし、また、第5ステップ(又は手段)5を、第3ステップ(又は手段)3の外側に設けるようにしても良い。
【0036】
[5]また、上記[4]において、該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものでも良い。
【0037】
すなわち、セル化情報INFOには、例えば入力ポートとしてのポート100_1〜100_4の識別子、受信パケットPCKT中のヘッダ情報、及び受信パケットPCKTの先頭又は末尾の固定長データFLDを示す識別子、すなわち例えば、SOP(Start Of Packet)又はEOP(End Of Packet)を含むようにすることができる。
【0038】
[6]また、上記[5]において、該第4ステップ(又は手段)が、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定するようにしても良い。
【0039】
この場合、第4ステップ(又は手段)4がSOPを検出した時以外(すなわち、SOP非検出時)、セル化情報INFOには、受信パケットPCKTのヘッダ情報が設定されないようにすることが可能であるため、セル化情報INFOの流量を削減して、セル化処理全体の処理負荷をさらに軽減させることができる。
【0040】
なお、上記のSOP非検出時は、パケットバッファ200内に読み出すべきデータが存在しない場合も含んでいる。
【0041】
[7]また、本発明の一実施態様に係るセル化方法(又は装置)は、複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップ(又は手段)と、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップ(又は手段)と、該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップ(又は手段)とを備えたことを特徴とする。
【0042】
[8]また、上記[7]において、該第2ステップ(又は手段)が、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すようにしても良い。
【0043】
すなわち、第2ステップ(又は手段)2では、上記[3]と同様に、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに読出要求RQを与えるが、上記[3]とは異なり、上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮して、各パケットバッファ200_1〜200_4からパケットPCKT_1〜PCKT_4を先頭と末尾とその中間部分とのデータに分割してサイクリックに読み出す。
【0044】
例えば、第2ステップ(又は手段)2は、パケットPCKTの先頭に付加するAAL5ヘッダ情報のサイズを考慮した長さのデータとパケットPCKTの末尾に付加するAAL5トレイラ情報のサイズを考慮した長さのデータとそれらの情報を付加する必要のない中間部分の長さのデータに分割してサイクリックに読み出し、それらの分割データDATA_1〜DATA_4(図示せず)(以下、符号DATAで総称することがある。)を第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0045】
そして、第3ステップ(又は手段)3では、この分割データDATAを受けた時、分割データDATAのサイズに対応して、すなわち、この分割データDATAが先頭のデータ、末尾のデータ、又は中間部分のデータのいずれに該当するかをデータ長から判断して、適宜、必要なレイヤ間調整情報を付加してATMセルCLに変換する。
【0046】
このように、第2ステップ(又は手段)2が、レイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮してパケットバッファ200からデータを読み出すことにより、上位レイヤのフォーマットへのカプセル化を単一の処理部(第3ステップ(又は手段)3)で行うようにすることができる。
【0047】
[9]また、上記[7]又は[8]において、該第2ステップ(又は手段)で読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップ(又は手段)と、該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップ(又は手段)での変換に用いる第5ステップ(又は手段)とをさらに備えるようにしても良い。
【0048】
すなわち、上記[4]と同様に、第4ステップ(又は手段)4では、第2ステップ(又は手段)2で分割データDATA_1〜DATA_4が読み出される度毎に、分割データDATA_1〜DATA_4の各々から、それぞれ、セル化情報INFO_1〜INFO_4を生成すると共に、このセル化情報INFOを第5ステップ(又は手段)5に与える。
【0049】
そして、第5ステップ(又は手段)5では、セル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つを受けた時、このセル化情報INFOに基づきセルのヘッダ情報、すなわち例えば、ATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0050】
この場合も、上記[4]と同様に、分割データDATAからのATMヘッダ生成に必要な情報の抽出及びATMヘッダ生成を行う必要が無くなるため、ATMセルCLへの変換に係る処理時間を短縮することが可能である。
【0051】
[10]また、上記[9]において、該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものでも良い。
【0052】
すなわち、上記[5]と同様に、セル化情報INFOには、入力ポートとしてのポート100_1〜100_4の識別子、受信パケットPCKT中のヘッダ情報、及び受信パケットPCKTの先頭又は末尾の分割データDATAを示す識別子(SOP又はEOP)を含むようにすることができる。
【0053】
[11]また、上記[10]において、該第4ステップ(又は手段)が、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定するようにしても良い。
【0054】
この場合も、上記[6]と同様に、第4ステップ(又は手段)4がSOPを検出した時以外、セル化情報INFOには、受信パケットPCKTのヘッダ情報が設定されないようにすることが可能である。
【0055】
[12]また、上記[4]又は[9]において、該第5ステップ(又は手段)が、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いるステップを含むようにしても良い。
【0056】
すなわち、図1の一点鎖線で示す第5ステップ(又は手段)5内に設けたセル化情報記憶部421では、例えば、パケットPCKTの先頭の固定長データが読み出された場合のセル化情報INFOを記憶し、パケットPCKTの末尾の固定長データを受ける迄、このセル化情報INFOに基づきATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0057】
この場合、第4ステップ(又は手段)4では、上記[4]に示したような固定長データFLD_1〜FLD_4を読み出す度毎にセル化情報INFO_1〜INFO_4の生成を行う必要が無くなるため、セル化処理全体の処理負荷を軽減させることができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、複数の入力ポートから受信するパケットのセル化処理において、入力ポート個別のセル化処理部及びセルバッファを必要とせず、且つ各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量に依らずに制御でき、以て回路規模を削減すると共に、制御を簡略化して遅延無く迅速にセル化処理を実行することができる。
【0059】
さらに、受信パケットを上位レイヤにカプセル化してパケットバッファに格納するか、或いは、上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮してパケットバッファからデータを読み出して用いるようにしたので、容易にこの上位レイヤへのカプセル化に対応したセル化処理を行うことができる。
【0060】
また、セルへの変換に必要なセル化情報を生成して用いることができるようにしたので、セル化処理全体のスループットの向上及び処理負荷の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図1に原理的に示した本発明に係るセル化方法及びこれを使用する装置の実施例[1]〜[3]を、それぞれ、図2〜9を参照して以下に説明する。
【0062】
実施例[1]:図2〜5
[1]-1 構成の実施例:図2
図2に示すセル化装置は、図1と同様に、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4と、各ポート100_1〜100_4でそれぞれ受信したパケットPCKT_1〜PCKT4を格納するパケットバッファ200_1〜200_4と、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに固定長データ単位の読出要求RQを与えて、それぞれ固定長データFLD_1〜FLD_4をパケットバッファ200_1〜200_4から読み出す共通のタイムスロット管理部300と、固定長データFLD(固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つ)を受けてATMセルCLに変換(セル化処理)するセル化処理部400と、パケットバッファ200_1〜200_4から読み出された固定長データFLD_1〜FLD_4からそれぞれセル化情報INFO_1〜INFO_4を生成してセル化処理部400に与え、セル化処理に用いるようにするセル化情報生成部500_1〜500_4(以下、符号500で総称することがある。)とを備えている。
【0063】
ここで、セル化処理部400は、さらに、セル化情報INFOに基づきATMヘッダHD_CLを生成するセル化情報処理部420と、生成されたATMヘッダHD_CLと固定長データFLDとをカプセル化するカプセル化部410とを備えている。また、セル化情報処理部420は、その内部にセル化情報記憶部421、セル化情報テーブル422、ヘッダ情報変換テーブル423、及びATMヘッダ生成部424を備えている。
【0064】
また、セル化情報生成部500_1〜500_4は、それぞれ内部にSOP/EOP検出部510_1〜510_4(以下、符号510で総称することがある。)及びヘッダ情報抽出部520_1〜520_4(以下、符号520で総称することがある。)を備えている。
【0065】
なお、図1に示した第1ステップ(又は手段)1〜第5ステップ(又は手段)5は、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4、タイムスロット管理部300、セル化処理部400、セル化情報生成部500_1〜500_4、及びセル化情報処理部420に対応している。但し、これに限定されるものではない。
【0066】
[1]-2 動作の実施例:図2〜5
次に、本実施例[1]の動作ついて、図2〜5を参照して説明する。なお、セル化方法は種々考えられるため、その方法は特に以下の動作例に限定されるものではない。
【0067】
なお、この実施例では、図5(1)のEthernetパケットから同図(3)のATMセルに変換する際、同図(2)に示すAAL5のPDU(Protocol Data Unit)フォーマットは使用しない。
【0068】
[1]-2-1 全体動作の実施例:図2,3
図3は、図2のセル化装置の全体動作タイムチャートを示している。
【0069】
今、図2に示したポート100_1〜100_4からパケットPCKT_1〜PCKT4が、それぞれ図3に示す順序(パケットPCKT_A(ポート100_1)→PCKT_D(100_4)→PCKT_B(100_2)→PCKT_C(100_3)→PCKT_E(100_1))及びパケット長(パケットPCKT_A(固定長データa1+a2+a3),PCKT_B(b1+b2), PCKT_C(c1+c2), PCKT_D(d1+d2), PCKT_E(e1))で受信され、これらのパケットPCKT_A〜PCKT_Eは、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納されるものとする。
【0070】
この状態において、タイムスロット管理部300は、まず、例えばポート100_1に対してタイムスロット信号T1(以下、符号Tで総称することがある。)、すなわち、パケットバッファ200_1に対して固定長データ単位でデータを読み出すための読出要求RQを与えることにより、固定長データFLD_1としてパケットPCKT_Aの最初の固定長データa1を読み出してセル化処理部400に与える。
【0071】
また、これに同期して、セル化情報生成部500_1は、固定長データa1からセル化情報INFO_1としてセル化情報I-a1を生成して、セル化処理部400に与える。
【0072】
そして、固定長データa1及びセル化情報I-a1を同時に受けたセル化処理部400は、セル化情報I-a1に基づきATMヘッダHD_CLを生成して、このATMヘッダHD_CLと固定長データa1とを、後述するようにカプセル化してATMセルCLに変換する。
【0073】
次に、タイムスロット管理部300が、ポート100_2に対してタイムスロット信号T2、すなわち、パケットバッファ200_2に対して固定長データ単位の読出要求RQを与えることにより、固定長データFLD_2の読み出しを行うが、図3に点線で示すように、このタイミングにおいては未だパケットバッファ200_2へのパケットPCKT_Bの格納が完了していないため、パケットバッファ200_2からは何も読み出されず、この結果、セル化処理部400においては当然ATMセルCLへの変換は行われない。
【0074】
以降同様にして、タイムスロット管理部300が与えるサイクリックなタイムスロット信号T3→T4→T1→…により読み出される固定長データa2〜e1と、これら固定長データa2〜e1の各々に同期して各セル化情報生成部500_1〜500_4で生成されるセル化情報I-a2〜I-e1とを用いて、セル化処理部400が、それぞれATMセルCLへの変換を行う。
【0075】
[1]-2-2 セル化処理例:図4,5
図4は、図2に示したセル化装置の内、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、ポート100_1〜100_4、パケットバッファ200_2〜200_4、タイムスロット管理部300、及びセル化情報生成部500_2〜500_4は省略されている。これは、以下の各実施例においても同様である。
【0076】
今、このパケットPCKT_Aが、例えば図5(1)に示すような宛先アドレス(6バイト)、送信元アドレス(6バイト)、及びType/Length(2バイト)を含む計14バイトのヘッダ情報HDと、46バイト以上のペイロード(この例では130バイト)と、4バイトのFCS(Frame Check Sequence)(この例では省略)とで構成される計144バイトのEthernetパケット(可変長パケット)であるとする。
【0077】
まず、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQにより、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_Aの最初の固定長データa1(図5(3)に示すATMペイロード長に対応するように48バイト。)が読み出されて、セル化処理部400内部のカプセル化部410に与えられる。
【0078】
この固定長データa1の読出に同期して、セル化情報生成部500_1内部のSOP/EOP検出部510_1が、例えば図5(1)の点線で示すようなプリアンブル又はSFD(StartFrame Delimiter)のビットパターンからSOPを検出し、セル化情報I-a1にポート100_1の識別子及びSOPを設定すると共に、ヘッダ情報抽出部520_1にSOPを通知する。
【0079】
また、SOP/EOP検出部510_1は、後述するEOPを検出するために、例えば図5(1)に示すヘッダ情報HD内のLengthの値から固定長データの読出回数の計数を開始する。すなわち、この例では、“Length”に設定されたパケットPCKT_Aのパケット長144バイトを固定長データ単位の48バイトで除算した計3回の読出回数を計数し、2回目の読出で非SOP/EOPを検出し、3回目の読出でEOPを検出する。これは、以下の各実施例においても同様である。
【0080】
そして、SOPが通知されたヘッダ情報抽出部520_1は、固定長データa1からパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを抽出すると共に、セル化情報I-a1にさらにこのヘッダ情報HDを多重化する。このようにして、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子、SOP、及びパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを設定したセル化情報I-a1を、セル化処理部400内部のセル化情報処理部420に与える。
【0081】
セル化情報I-a1を受けたセル化情報処理部420は、カプセル化部410に対して、後述するATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0082】
また、セル化情報処理部420内部のセル化情報記憶部421は、セル化情報I-a1に含まれるヘッダ情報HDをATMヘッダに変換するための変換データD_CONVを得るため、ヘッダ情報変換テーブル423にヘッダ情報変換指示IND_CONV(アドレス指定等)を与える。
【0083】
さらに、セル化情報記憶部421は、後続のセル化処理を行うために、セル化情報I-a1のセル化情報テーブル422への書込(保存)(k)を行う。
【0084】
そして、この変換データD_CONVをヘッダ情報変換テーブル423から受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CL(5バイト)を生成してカプセル化部410に与える。
【0085】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待っていたカプセル化部410は、固定長データa1とATMヘッダHD_CLとをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0086】
次に、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQにより、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_Aの中間の固定長データa2(48バイト)が読み出されて、カプセル化部410に与えられる。
【0087】
この場合、SOP/EOP検出部510_1は、2回目の固定長データの読出でありSOPもEOPも共に検出しないので、セル化情報I-a2にはポート100_1の識別子のみを設定しセル化情報処理部420に与える。
【0088】
セル化情報I-a2を受けたセル化情報処理部420は、上記の固定長データa1の場合と同様、カプセル化部410に対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0089】
そして、セル化情報記憶部421は、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0090】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、上記と同様、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0091】
これにより、カプセル化部410は、固定長データa2とATMヘッダHD_CLとをカプセル化してATMセルCLに変換し、後段のATM網に送出する。
【0092】
さらに、上記の固定長データa1及びa2の場合と同様にして、パケットPCKT_Aの末尾の固定長データa3(48バイト)が読み出された場合は、SOP/EOP検出部510_1が、3回目の読出を認識するため、EOPを検出して、セル化情報I-a3にポート100_1の識別子及びEOPを設定しセル化情報処理部420に与える。
【0093】
これにより、セル化処理部400において、固定長データa3は、固定長データa1及びa2と同様にATMセルCLに変換されて、ATM網に送出されることになる。
【0094】
実施例[2]:図6
[2]-1 構成の実施例:図6
図6に示すセル化装置は、図4と同様に、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、上記の実施例[1]で示した構成に加えて、入力ポート100_1で受信したパケットPCKT_1を、例えば図5(2)に示すようなAAL5のフォーマットでカプセル化してパケットバッファ200_1に格納する上位レイヤカプセル化部210_1(以下、符号210で総称することがある。)を備えている。
【0095】
なお、図示しないが、ポート100_2〜100_4の各々にもそれぞれ対応する上位レイヤカプセル化部210_2〜210_4が設けられているものとする。
【0096】
[2]-2 動作の実施例:図6
今、この実施例では、パケットPCKT_Aが、図4の例とは異なり、ヘッダ情報HD(14バイト)と、ペイロード(82バイト)と、4バイトのFCSとで構成される計100バイトのEthernetパケットであるとする。
【0097】
ポート100_1で受信したパケットPCKT_Aが与えられた上位レイヤカプセル化部210_1は、図5(2)に示すようなAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)及びAAL5トレイラ情報TR_AAL5を付加して、図6に示すAAL5-PDUを生成した後、パケットバッファ200_1に格納する。ここで、AAL5トレイラ情報TR_AAL5内のPAD(パディング)には、AAL5-PDUの全体長がATMペイロード長(48バイト)の公倍数となるように、この例では26バイト分の“0”を設定する。
【0098】
その後、上記の実施例[1]と同様に、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQの度毎に、順次読み出される固定長データa1〜a3(共に48バイト)と、それらに同期してセル化情報生成部500_1で生成されるセル化情報I-a1〜I-a3とがセル化処理部400に与えられ、これらを受けたセル化処理部400が、固定長データa1〜a3をそれぞれ順次ATMセルCLに変換して、ATM網に送出する。
【0099】
実施例[3]:図7〜9
[3]-1 構成の実施例:図7(図8,9共通)
図7に示すセル化装置は、図4と同様に、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、上記の実施例[1]で示した構成に加えて、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_1を先頭と末尾とその中間部分の分割データとして読み出す読出部310_1(以下、符号310で総称することがある。)と、セル化情報処理部420内に設けられた、例えば図5(2)に示すようなAAL5ヘッダ情報HD_AAL5及びAAL5トレイラ情報TR_AAL5等のレイヤ間調整情報を生成するレイヤ間調整情報生成部425とを備えている。
【0100】
また、セル化情報生成部500_1内には、上記の実施例[1]及び[2]で示したようなSOP/EOP検出部510_1を設けておらず、このSOP/EOP検出部510_1のSOP及びEOP検出機能(読出回数の計数)は、読出部310_1が備えている。
【0101】
なお、図示しないが、パケットバッファ200_2〜200_4の各々にもそれぞれ対応する読出部310_2〜310_4が設けられているものとする。
【0102】
[3]-2 動作の実施例:図7〜9
まず、本実施例[3]の動作に関して、読出部310_1がパケットバッファ200から読み出す分割データのサイズは、図7に示す如くパケットPCKTの先頭(1)(38バイト)と中間部分(2) (48バイト)と末尾(3)(14バイト)とでそれぞれ異なり、これに対応して、タイムスロット信号T1がタイムスロット管理部300から与えられるようになっており、従ってセル化処理部400内部の動作も異なるため、それぞれに対応するセル化処理例(1)〜(3)に分けて以下に説明する。
【0103】
[3]-2-1 セル化処理例(1) (SOP検出時):図7
今、図7に示すパケットPCKT_Aは、上記の実施例[2]で示したものと同様のEthernetパケット(計100バイト)であるとする。
【0104】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、パケットPCKT_Aの最初の分割データa1(38バイト)を読み出し、この分割データa1をカプセル化部410に与える。また、分割データa1の読出と同時に、読出部310_1は、セル化情報生成部500_1内のヘッダ情報抽出部520_1に、検出したSOPを通知する。
【0105】
なお、ここで分割データa1の読出サイズを、ATMペイロード長48バイトより小さい38バイトにしているのは、後述するレイヤ間調整情報生成部425でAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)を付加して固定長(53バイト)のATMセルCLにするためである。
【0106】
また、読出部310_1は、上記の実施例[1]及び[2]におけるSOP/EOP検出部510_1と同様に、後述するEOPを検出するため、分割データa1内のヘッダ情報HDのLengthから分割データの読出回数の計数(カウンタ(図示せず)により)を開始する。なお、この例では、“Length”に設定されたパケットPCKT_Aのパケット長100バイトを最初の分割データa1のみ38バイトとして、残りを原則ATMセルのペイロード長(48バイト)単位で分割(48バイトに満たないものも1回とする)した計3回の読出回数を計数する。
【0107】
SOPが通知されたヘッダ情報抽出部520_1は、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、分割データa1からパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを抽出すると共に、セル化情報I-a1にこのヘッダ情報HDを多重化する。このようにして、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子、SOP、及びパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを設定したセル化情報I-a1をセル化情報処理部420に与える。
【0108】
セル化情報I-a1を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a1内にSOPが含まれていること、すなわちレイヤ間調整情報としてAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成する必要があることを認識し、カプセル化部410に対して、後述するATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0109】
また、セル化情報記憶部421は、ヘッダ情報変換テーブル423にヘッダ情報変換指示IND_CONVを与え、さらに、上記の実施例[1]及び[2]と同様、後続のセル化処理を行うためのセル化情報I-a1のセル化情報テーブル422への書込(保存)(k)を行う。
【0110】
そして、ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0111】
また、上記のATMヘッダHD_CLの生成と同時に、セル化情報記憶部421が、図5(2)に示す3バイトのLLC(Logical link control)、3バイトのOUI(OrganizationallyUnique Identifier)、2バイトのPID(Protocol Identifier)、2バイトのPADを含む計10バイトのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成するようレイヤ間調整情報生成部425にレイヤ間調整情報生成指示IND_RYLを与える。
【0112】
これを受けたレイヤ間調整情報生成部425は、実際にAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成してカプセル化部410に与える。
【0113】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を待っていたカプセル化部410は、分割データa1(38バイト)とATMヘッダHD_CL(5バイト)とAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)とをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網に送出する。
【0114】
[3]-2-2 セル化処理例(2) (SOP/EOP非検出時):図8
図8は、上記のセル化処理例(1)で示したパケットPCKT_A内の分割データa2(48バイト)、すなわち、SOP及びEOPのいずれでもないデータに対するセル化処理例を示している。
【0115】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、分割データa2(48バイト)を読み出し、この分割データa2をカプセル化部410に与える。また、読出部310_1は、2回目の分割データの読出であるため、SOPもEOPも共に検出しない。
【0116】
このため、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子のみをセル化情報I-a2に設定しセル化情報処理部420に与える。
【0117】
セル化情報I-a2を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a2内にSOP及びEOPのいずれも含まれていないこと、すなわちレイヤ調整情報を生成する必要が無いことを認識し、カプセル化部410対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLのみを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0118】
そして、セル化情報記憶部421は、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0119】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0120】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLのみを待っていたカプセル化部410は、分割データa2とATMヘッダHD_CLのみをカプセル化してATMセルCLに変換し、後段のATM網に送出する。
【0121】
[3]-2-3 セル化処理例(3) (EOP検出時):図9
図9は、上記のセル化処理例(1)及び(2)で示したパケットPCKT_A内の分割データa3(14バイト)、すなわち、EOPに該当するデータに対するセル化処理例を示している。
【0122】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、分割データa3(14バイト)を読み出し、この分割データa3をカプセル化部410に与える。また、読出部310_1は、3回目の読出を認識するため、EOPを検出してセル化情報生成部500_1に通知する。
【0123】
そして、EOPが通知されたセル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子及びEOPをセル化情報I-a3に設定しセル化情報処理部420に与える。
【0124】
セル化情報I-a3を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a3内にEOPが含まれていること、すなわちレイヤ調整情報としてAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成する必要があることを認識し、カプセル化部410対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。なお、EOP検出時には、セル化情報I-a3のセル化情報テーブル422への保存は行わない。
【0125】
そして、セル化情報記憶部421は、上記のセル化処理例(2)と同様に、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0126】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0127】
また、上記のATMヘッダHD_CLの生成と同時に、セル化情報記憶部421が、図5(2)に示す例えば26バイト分の“0”を設定したPAD、1バイトのCPCS-UULLC(ユーザ間表示)、1バイトのCPI(Common PartIndicator)、2バイトのLength、及び4バイトのCRC(Cyclic Redundancy Checking)を含む計34バイトのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成するようレイヤ間調整情報生成部425にレイヤ間調整情報生成指示IND_RYLを与える。
【0128】
これを受けたレイヤ間調整情報生成部425は、実際にAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成してカプセル化部410に与える。
【0129】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を待っていたカプセル化部410は、分割データa3(14バイト)とATMヘッダHD_CL(5バイト)とAAL5トレイラ情報TR_AAL5(34バイト)とをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網に送出する。
【0130】
なお、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0131】
(付記1)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップと、
該固定長データをセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
(付記2)付記1において、
該第2ステップが、各バッファに一定間隔で順次循環しながら読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化方法。
(付記3)付記1又は2において、
該第1ステップが、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むことを特徴としたセル化方法。
(付記4)付記1又は2において、
該第2ステップで読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップと、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップでの変換に用いる第5ステップと、
をさらに備えたことを特徴としたセル化方法。
(付記5)付記4において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化方法。
(付記6)付記5において、
該第4ステップが、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化方法。
(付記7)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップと、
該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
(付記8)付記7において、
該第2ステップが、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化方法。
(付記9)付記7又は8において、
該第2ステップで読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップと、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップでの変換に用いる第5ステップと、
をさらに備えたことを特徴としたセル化方法。
(付記10)付記9において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化方法。
(付記11)付記10において、
該第4ステップが、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化方法。
(付記12)付記4又は9において、
該第5ステップが、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いるステップを含むことを特徴としたセル化方法。
(付記13)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2手段と、
該固定長データをセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
(付記14)付記13において、
該第2手段が、各バッファに一定間隔で順次循環しながら読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化装置。
(付記15)付記13又は14において、
該第1手段が、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納する手段を含むことを特徴としたセル化装置。
(付記16)付記13又は14において、
該第2手段で読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4手段と、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3手段での変換に用いる第5手段と、
をさらに備えたことを特徴としたセル化装置。
(付記17)付記16において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化装置。
(付記18)付記17において、
該第4手段が、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化装置。
(付記19)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2手段と、
該第2手段で読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
(付記20)付記19において、
該第2手段が、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化装置。
(付記21)付記19又は20において、
該第2手段で読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4手段と、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3手段での変換に用いる第5手段と、
をさらに備えたことを特徴としたセル化装置。
(付記22)付記21において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化装置。
(付記23)付記22において、
該第4手段が、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化装置。
(付記24)付記16又は21において、
該第5手段が、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いる手段を含むことを特徴としたセル化装置。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明に係るセル化方法及び装置の動作原理を示したブロック図である。
【図2】本発明に係るセル化方法及び装置の実施例[1]を示したブロック図である。
【図3】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[1]の全体動作を示したタイムチャート図である。
【図4】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[1]のセル化処理例を示したブロック図である。
【図5】本発明に係るセル化方法及び装置に用いるパケットからセルへの変換フォーマット例を示した図である。
【図6】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[2]の構成例とその動作例を示したブロック図である。
【図7】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(1))を示したブロック図である。
【図8】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(2))を示したブロック図である。
【図9】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(3))を示したブロック図である。
【図10】セル化処理の従来例[1]を示したブロック図である。
【図11】セル化処理の従来例[2]を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0133】
1 第1ステップ(又は手段)
2 第2ステップ(又は手段)
3 第3ステップ(又は手段)
4 第4ステップ(又は手段)
5 第5ステップ(又は手段)
100, 100_1〜100_4 ポート
200, 200_1〜200_4 パケットバッファ
210, 210_1〜210_4 上位レイヤカプセル化部
300 タイムスロット管理部
310, 310_1〜310_4 読出部
400, 400_1〜400_2 セル化処理部
410 カプセル化部
420 セル化情報処理部
421 セル化情報記憶部
422 セル化情報テーブル
423 ヘッダ情報変換テーブル
424 ATMヘッダ生成部
425 レイヤ間調整情報生成部
500, 500_1〜500_4 セル化情報生成部
510, 510_1〜510_4 SOP/EOP検出部
520, 520_1〜520_4 ヘッダ情報抽出部
600, 600_1〜600_4 セルバッファ
700 セレクタ
800 読出制御部
PCKT, PCKT_1〜PCKT_4, PCKT_A〜PCKT_E パケット
HD ヘッダ情報
CL ATMセル
HD_CL ATMヘッダ
RQ 読出要求
FLD, FLD_1〜FLD_4, a1〜e1 固定長データ
INFO, INFO_1〜INFO_4, I-a1〜I-e1 セル化情報
T, T1〜T4 タイムスロット信号
IND_CPSL カプセル化指示
IND_CONV ヘッダ情報変換指示
D_CONV 変換データ
HD_AAL5 AAL5ヘッダ情報
TR_AAL5 AAL5トレイラ情報
IND_RYL レイヤ間調整情報生成指示
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル化方法及び装置に関し、特に複数の入力ポートから受信するパケットをセルに変換するセル化方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、Ethernet(登録商標)及びIP(Internet Protocol)を用いたネットワーク(以下、単にIP網と称することがある。)の構築が進められており、これに伴って、従来のデータ通信方式であるATM(AsynchronousTransfer Mode)を用いたATM網との相互接続技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなIP網-ATM網間の相互接続においては、IP網の伝送データ単位であるパケット又はフレーム(以下、パケットで総称する。)からATM網の伝送データ単位であるATMセル(以下、単にセルと称することがある。)への変換処理(以下、セル化処理と称することがある。)が行われる。
【0004】
このセル化処理の従来例[1]及び[2]を、それぞれ以下に説明する。
【0005】
従来例[1]:図10
図10に示すセル化装置は、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4(以下、符号100で総称することがある。)と、ポート100_1〜100_4の各々に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4(以下、符号200で総称することがある。)と、各パケットバッファ200_1〜200_4に接続されるセル化処理部400_1〜400_4(以下、符号400で総称することがある。)と、セル化処理部400_1〜400_4の各々に対応して設けたセルバッファ600_1〜600_4(以下、符号600で総称することがある。)と、各セル化処理部400_1〜400_4に接続される1つの共通のセレクタ700とで構成されている。
【0006】
このセル化装置では、同図に示すように、例えばポート100_1で受信したパケットPCKT_1(以下、符号PCKTで総称することがある。)を、パケットバッファ200_1に格納する(a)。セル化処理部400_1は、この格納されたパケットPCKT_1をパケットバッファ200_1から読み出して(b)、ATMセルCLに変換すると共に、変換したATMセルCLをセルバッファ600_1に格納する(c)。
【0007】
上記と同様に、ポート100_2〜100_4から受信するパケットPCKT_2〜PCKT_4についても、それぞれ、一旦パケットバッファ200_2〜200_4に格納された後、セル化処理部400_2〜400_4が、それぞれATMセルCLに変換してセルバッファ600_2〜600_4に格納する。
【0008】
そして、セレクタ700が、セルバッファ600_1〜600_4に順次、例えばセルバッファ600_1→600_2→600_3→600_4の順にセル単位での読出要求を与える(d)ことにより、ATMセルCLを読み出して(e)、後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0009】
このように、各ポート100_1〜100_4から受信するパケットPCKT_1〜PCKT_4に対して、それぞれ独立にセル化処理を行うことを可能にしている。
【0010】
従来例[2]:図11
図11に示すセル化装置は、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4と、ポート100_1〜100_4の各々に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4と、パケットバッファ200に接続される1つの共通の読出制御部800と、読出制御部800に接続されるセル化処理部400とで構成されており、上記の従来例[1]に示したような各ポート100_1〜100_4に対応する個別のセル化処理部400_1〜400_4及びセルバッファ600_1〜600_4は備えていない。
【0011】
このセル化装置では、同図に示すように、上記の従来例[1]と同様にポート100_1〜100_4で受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納する(a)。
【0012】
読出制御部800は、これらの格納されたパケットPCKT_1〜PCKT_4が均等にセル化処理されるように、各ポート100_1〜100_4毎のパケット受信タイミング及びそのデータ量、例えば、各パケットバッファ200_1〜200_4から読み出すパケット流量を監視すると共に、各パケット流量が均等になるような順、例えばパケット流量の小さい順にパケットバッファ200を選択して読出要求を与える(b)。これにより、読出制御部800は、選択したパケットバッファ200からパケットPCKTを読み出して(c)、読み出したパケットPCKT、すなわち図示の選択パケット(d)を、セル化処理部400に与える。
【0013】
これを受けたセル化処理部400が、選択パケット(d)をATMセルCLに変換して後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0014】
このように、各ポート100_1〜100_4から受信するパケットPCKT_1〜PCKT_4に対して、個別のセル化処理部及びセルバッファを用いず均等にセル化処理を行うことを可能にしている。
【特許文献1】特開平11-88336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記の従来例[1]に関しては、入力ポート毎にセル化処理部及びセルバッファを設ける必要があり、セル化装置全体の回路規模が大きくなってしまうという課題がある。
【0016】
また、上記の従来例[2]に関しては、入力ポート毎にセル化処理部及びセルバッファを設ける必要は無いが、各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量がランダムであるため、各入力ポートから受信するパケットを均等にセル化処理するには、読出制御部において複雑なパケット流量監視制御及び読出要求タイミングの調整制御を行う必要があり、これらに伴うセル化処理の遅延が課題となっていた。
【0017】
従って、本発明は、複数の入力ポートから受信するパケットのセル化方法及び装置において、回路規模を削減すると共に、制御を簡略化して遅延無く実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[1]上記の目的を達成するため、本発明の一実施態様に係るセル化方法(又は装置)は、複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップ(又は手段)と、各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップ(又は手段)と、該固定長データをセルに変換する第3ステップ(又は手段)とを備えたことを特徴とする。
【0019】
[2]また、上記[1]において、該第2ステップ(又は手段)が、各バッファに一定間隔で順次循環しながら(サイクリックに)読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すようにしても良い。
【0020】
前記本発明の実施態様に係るセル化方法(又は装置)を、図1の実線で示す動作原理を用いて説明する(但し、これに限定されるものではない。) 。
【0021】
第1ステップ(又は手段)1では、例えば入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4でそれぞれ受信したパケットPCKT_1〜PCKT_4を、それぞれポート100_1〜100_4に対応して設けたパケットバッファ200_1〜200_4に格納する。
【0022】
第2ステップ(又は手段)2では、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔で順次循環的に(サイクリックに)読出要求RQを、例えば、パケットバッファ200_1→200_2→200_3→200_4の順に繰り返し与えて、各パケットバッファ200_1〜200_4からパケットPCKT_1〜PCKT_4を固定長データの単位、すなわち例えばATMセルに変換する場合はATMペイロード長(48バイト)に分割した固定長データFLD_1〜FLD_4(以下、符号FLDで総称することがある。)としてサイクリックに読み出すと共に、この固定長データFLDを第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0023】
今、例えば第2ステップ(又は手段) 2が、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えているものとすると、第2ステップ(又は手段)2は、固定長データFLD_1を読み出し、この固定長データFLD_1を第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0024】
そして、第3ステップ(又は手段)3では、固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つを受けた時、この固定長データFLDをカプセル化、すなわち例えば、固定長データFLDから必要な情報を抽出してATMヘッダを生成すると共に、該ATMヘッダを固定長データFLDに付加してATMセルCLに変換する。
【0025】
このように、本発明の実施態様によるセル化方法(及び装置)においては、複数の入力ポートから受信するパケットに対して、入力ポート個別のセル化処理部及びセルバッファを設けること無くセル化処理を行うこと、すなわち、回路規模を削減してセル化処理を行うことが可能であり、また、各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量に依らず制御を行うこと、すなわち、制御を簡略化することが可能であるため、遅延無く迅速にセル化処理を行うことができる。
【0026】
[3]また、上記[1]又は[2]において、該第1ステップ(又は手段)が、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むようにしても良い。
【0027】
すなわち、受信パケットPCKTを、例えばAAL5のような上位レイヤのフォーマットでカプセル化する必要があるような場合等には、第1ステップ(又は手段)1では、受信パケットPCKTをパケットバッファ200に格納する前に、受信パケットPCKTに例えばAAL5ヘッダ情報及びAAL5トレイラ情報等のレイヤ間調整情報を付加してカプセル化する。
【0028】
そして、上記[1]又は[2]と同様に、第2ステップ(又は手段)2が、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに読出要求RQを与えて、各パケットバッファ200_1〜200_4から該カプセル化したデータを固定長データFLD_1〜FLD_4として一定間隔でサイクリックに読み出すと共に、この固定長データFLDを第3ステップ(又は手段)3に与え、これを受けた第3ステップ(又は手段)3が、ATMセルCLに変換する。
【0029】
このように、上位レイヤのフォーマットでカプセル化する必要がある場合においても、本発明を容易に適用することができる。
【0030】
[4]また、上記[1]又は[2]において、該第2ステップ(又は手段)で読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップ(又は手段)と、該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップ(又は手段)での変換に用いる第5ステップ(又は手段)とをさらに備えるようにしても良い。
【0031】
すなわち、図1の点線で示すように、第4ステップ(又は手段)4では、第2ステップ(又は手段)2で固定長データFLD_1〜FLD_4が読み出される度毎に、固定長データFLD_1〜FLD_4の各々から、それぞれ、例えば上記[1]又は[2]で示したATMヘッダの生成等に必要なセル化情報INFO_1〜INFO_4(以下、符号INFOで総称することがある。)を生成すると共に、このセル化情報INFOを第5ステップ(又は手段)5に与える。
【0032】
今、上記[1]又は[2]で説明した場合と同様に、例えばパケットバッファ200_1に読出要求RQが与えられているものとすると、セル化情報INFO_1が第5ステップ(又は手段)5に与えられる。
【0033】
そして、第5ステップ(又は手段)5では、セル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つを受けた時、このセル化情報INFOに基づきセルのヘッダ情報、すなわち例えば、ATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える(図示せず)。
【0034】
この場合、第3ステップ(又は手段)3では、上記[1]又は[2]に示したような固定長データFLDからのATMヘッダ生成に必要な情報の抽出及びATMヘッダ生成を行う必要が無くなるため、ATMセルCLへの変換に係る処理時間を短縮することが可能である。また、これに伴って、第2ステップ(又は手段)2では、各パケットバッファ200_1〜200_4に与える読出要求RQの間隔を短くすることも可能であるため、セル化処理全体のスループットを向上させることができる。
【0035】
なお、図1においては、第4ステップ(又は手段)4が、各パケットバッファ200_1〜200_4にそれぞれ対応して設けられているように示され、また、第5ステップ(又は手段)5が、第3ステップ(又は手段)3内に含まれるように示されているが、これらに限定されるものではなく、例えば1つの第4ステップ(又は手段)4が、各パケットバッファ200_1〜200_4に共通バス等で接続されるようにしても良いし、また、第5ステップ(又は手段)5を、第3ステップ(又は手段)3の外側に設けるようにしても良い。
【0036】
[5]また、上記[4]において、該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものでも良い。
【0037】
すなわち、セル化情報INFOには、例えば入力ポートとしてのポート100_1〜100_4の識別子、受信パケットPCKT中のヘッダ情報、及び受信パケットPCKTの先頭又は末尾の固定長データFLDを示す識別子、すなわち例えば、SOP(Start Of Packet)又はEOP(End Of Packet)を含むようにすることができる。
【0038】
[6]また、上記[5]において、該第4ステップ(又は手段)が、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定するようにしても良い。
【0039】
この場合、第4ステップ(又は手段)4がSOPを検出した時以外(すなわち、SOP非検出時)、セル化情報INFOには、受信パケットPCKTのヘッダ情報が設定されないようにすることが可能であるため、セル化情報INFOの流量を削減して、セル化処理全体の処理負荷をさらに軽減させることができる。
【0040】
なお、上記のSOP非検出時は、パケットバッファ200内に読み出すべきデータが存在しない場合も含んでいる。
【0041】
[7]また、本発明の一実施態様に係るセル化方法(又は装置)は、複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップ(又は手段)と、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップ(又は手段)と、該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップ(又は手段)とを備えたことを特徴とする。
【0042】
[8]また、上記[7]において、該第2ステップ(又は手段)が、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すようにしても良い。
【0043】
すなわち、第2ステップ(又は手段)2では、上記[3]と同様に、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに読出要求RQを与えるが、上記[3]とは異なり、上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮して、各パケットバッファ200_1〜200_4からパケットPCKT_1〜PCKT_4を先頭と末尾とその中間部分とのデータに分割してサイクリックに読み出す。
【0044】
例えば、第2ステップ(又は手段)2は、パケットPCKTの先頭に付加するAAL5ヘッダ情報のサイズを考慮した長さのデータとパケットPCKTの末尾に付加するAAL5トレイラ情報のサイズを考慮した長さのデータとそれらの情報を付加する必要のない中間部分の長さのデータに分割してサイクリックに読み出し、それらの分割データDATA_1〜DATA_4(図示せず)(以下、符号DATAで総称することがある。)を第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0045】
そして、第3ステップ(又は手段)3では、この分割データDATAを受けた時、分割データDATAのサイズに対応して、すなわち、この分割データDATAが先頭のデータ、末尾のデータ、又は中間部分のデータのいずれに該当するかをデータ長から判断して、適宜、必要なレイヤ間調整情報を付加してATMセルCLに変換する。
【0046】
このように、第2ステップ(又は手段)2が、レイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮してパケットバッファ200からデータを読み出すことにより、上位レイヤのフォーマットへのカプセル化を単一の処理部(第3ステップ(又は手段)3)で行うようにすることができる。
【0047】
[9]また、上記[7]又は[8]において、該第2ステップ(又は手段)で読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップ(又は手段)と、該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップ(又は手段)での変換に用いる第5ステップ(又は手段)とをさらに備えるようにしても良い。
【0048】
すなわち、上記[4]と同様に、第4ステップ(又は手段)4では、第2ステップ(又は手段)2で分割データDATA_1〜DATA_4が読み出される度毎に、分割データDATA_1〜DATA_4の各々から、それぞれ、セル化情報INFO_1〜INFO_4を生成すると共に、このセル化情報INFOを第5ステップ(又は手段)5に与える。
【0049】
そして、第5ステップ(又は手段)5では、セル化情報INFO_1〜INFO_4のいずれか1つを受けた時、このセル化情報INFOに基づきセルのヘッダ情報、すなわち例えば、ATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0050】
この場合も、上記[4]と同様に、分割データDATAからのATMヘッダ生成に必要な情報の抽出及びATMヘッダ生成を行う必要が無くなるため、ATMセルCLへの変換に係る処理時間を短縮することが可能である。
【0051】
[10]また、上記[9]において、該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものでも良い。
【0052】
すなわち、上記[5]と同様に、セル化情報INFOには、入力ポートとしてのポート100_1〜100_4の識別子、受信パケットPCKT中のヘッダ情報、及び受信パケットPCKTの先頭又は末尾の分割データDATAを示す識別子(SOP又はEOP)を含むようにすることができる。
【0053】
[11]また、上記[10]において、該第4ステップ(又は手段)が、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定するようにしても良い。
【0054】
この場合も、上記[6]と同様に、第4ステップ(又は手段)4がSOPを検出した時以外、セル化情報INFOには、受信パケットPCKTのヘッダ情報が設定されないようにすることが可能である。
【0055】
[12]また、上記[4]又は[9]において、該第5ステップ(又は手段)が、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いるステップを含むようにしても良い。
【0056】
すなわち、図1の一点鎖線で示す第5ステップ(又は手段)5内に設けたセル化情報記憶部421では、例えば、パケットPCKTの先頭の固定長データが読み出された場合のセル化情報INFOを記憶し、パケットPCKTの末尾の固定長データを受ける迄、このセル化情報INFOに基づきATMヘッダを生成して第3ステップ(又は手段)3に与える。
【0057】
この場合、第4ステップ(又は手段)4では、上記[4]に示したような固定長データFLD_1〜FLD_4を読み出す度毎にセル化情報INFO_1〜INFO_4の生成を行う必要が無くなるため、セル化処理全体の処理負荷を軽減させることができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、複数の入力ポートから受信するパケットのセル化処理において、入力ポート個別のセル化処理部及びセルバッファを必要とせず、且つ各入力ポートからのパケット受信タイミング及びそのデータ量に依らずに制御でき、以て回路規模を削減すると共に、制御を簡略化して遅延無く迅速にセル化処理を実行することができる。
【0059】
さらに、受信パケットを上位レイヤにカプセル化してパケットバッファに格納するか、或いは、上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報の付加サイズを予め考慮してパケットバッファからデータを読み出して用いるようにしたので、容易にこの上位レイヤへのカプセル化に対応したセル化処理を行うことができる。
【0060】
また、セルへの変換に必要なセル化情報を生成して用いることができるようにしたので、セル化処理全体のスループットの向上及び処理負荷の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図1に原理的に示した本発明に係るセル化方法及びこれを使用する装置の実施例[1]〜[3]を、それぞれ、図2〜9を参照して以下に説明する。
【0062】
実施例[1]:図2〜5
[1]-1 構成の実施例:図2
図2に示すセル化装置は、図1と同様に、入力ポートとしての4つのポート100_1〜100_4と、各ポート100_1〜100_4でそれぞれ受信したパケットPCKT_1〜PCKT4を格納するパケットバッファ200_1〜200_4と、各パケットバッファ200_1〜200_4に一定間隔でサイクリックに固定長データ単位の読出要求RQを与えて、それぞれ固定長データFLD_1〜FLD_4をパケットバッファ200_1〜200_4から読み出す共通のタイムスロット管理部300と、固定長データFLD(固定長データFLD_1〜FLD_4のいずれか1つ)を受けてATMセルCLに変換(セル化処理)するセル化処理部400と、パケットバッファ200_1〜200_4から読み出された固定長データFLD_1〜FLD_4からそれぞれセル化情報INFO_1〜INFO_4を生成してセル化処理部400に与え、セル化処理に用いるようにするセル化情報生成部500_1〜500_4(以下、符号500で総称することがある。)とを備えている。
【0063】
ここで、セル化処理部400は、さらに、セル化情報INFOに基づきATMヘッダHD_CLを生成するセル化情報処理部420と、生成されたATMヘッダHD_CLと固定長データFLDとをカプセル化するカプセル化部410とを備えている。また、セル化情報処理部420は、その内部にセル化情報記憶部421、セル化情報テーブル422、ヘッダ情報変換テーブル423、及びATMヘッダ生成部424を備えている。
【0064】
また、セル化情報生成部500_1〜500_4は、それぞれ内部にSOP/EOP検出部510_1〜510_4(以下、符号510で総称することがある。)及びヘッダ情報抽出部520_1〜520_4(以下、符号520で総称することがある。)を備えている。
【0065】
なお、図1に示した第1ステップ(又は手段)1〜第5ステップ(又は手段)5は、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4、タイムスロット管理部300、セル化処理部400、セル化情報生成部500_1〜500_4、及びセル化情報処理部420に対応している。但し、これに限定されるものではない。
【0066】
[1]-2 動作の実施例:図2〜5
次に、本実施例[1]の動作ついて、図2〜5を参照して説明する。なお、セル化方法は種々考えられるため、その方法は特に以下の動作例に限定されるものではない。
【0067】
なお、この実施例では、図5(1)のEthernetパケットから同図(3)のATMセルに変換する際、同図(2)に示すAAL5のPDU(Protocol Data Unit)フォーマットは使用しない。
【0068】
[1]-2-1 全体動作の実施例:図2,3
図3は、図2のセル化装置の全体動作タイムチャートを示している。
【0069】
今、図2に示したポート100_1〜100_4からパケットPCKT_1〜PCKT4が、それぞれ図3に示す順序(パケットPCKT_A(ポート100_1)→PCKT_D(100_4)→PCKT_B(100_2)→PCKT_C(100_3)→PCKT_E(100_1))及びパケット長(パケットPCKT_A(固定長データa1+a2+a3),PCKT_B(b1+b2), PCKT_C(c1+c2), PCKT_D(d1+d2), PCKT_E(e1))で受信され、これらのパケットPCKT_A〜PCKT_Eは、それぞれパケットバッファ200_1〜200_4に格納されるものとする。
【0070】
この状態において、タイムスロット管理部300は、まず、例えばポート100_1に対してタイムスロット信号T1(以下、符号Tで総称することがある。)、すなわち、パケットバッファ200_1に対して固定長データ単位でデータを読み出すための読出要求RQを与えることにより、固定長データFLD_1としてパケットPCKT_Aの最初の固定長データa1を読み出してセル化処理部400に与える。
【0071】
また、これに同期して、セル化情報生成部500_1は、固定長データa1からセル化情報INFO_1としてセル化情報I-a1を生成して、セル化処理部400に与える。
【0072】
そして、固定長データa1及びセル化情報I-a1を同時に受けたセル化処理部400は、セル化情報I-a1に基づきATMヘッダHD_CLを生成して、このATMヘッダHD_CLと固定長データa1とを、後述するようにカプセル化してATMセルCLに変換する。
【0073】
次に、タイムスロット管理部300が、ポート100_2に対してタイムスロット信号T2、すなわち、パケットバッファ200_2に対して固定長データ単位の読出要求RQを与えることにより、固定長データFLD_2の読み出しを行うが、図3に点線で示すように、このタイミングにおいては未だパケットバッファ200_2へのパケットPCKT_Bの格納が完了していないため、パケットバッファ200_2からは何も読み出されず、この結果、セル化処理部400においては当然ATMセルCLへの変換は行われない。
【0074】
以降同様にして、タイムスロット管理部300が与えるサイクリックなタイムスロット信号T3→T4→T1→…により読み出される固定長データa2〜e1と、これら固定長データa2〜e1の各々に同期して各セル化情報生成部500_1〜500_4で生成されるセル化情報I-a2〜I-e1とを用いて、セル化処理部400が、それぞれATMセルCLへの変換を行う。
【0075】
[1]-2-2 セル化処理例:図4,5
図4は、図2に示したセル化装置の内、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、ポート100_1〜100_4、パケットバッファ200_2〜200_4、タイムスロット管理部300、及びセル化情報生成部500_2〜500_4は省略されている。これは、以下の各実施例においても同様である。
【0076】
今、このパケットPCKT_Aが、例えば図5(1)に示すような宛先アドレス(6バイト)、送信元アドレス(6バイト)、及びType/Length(2バイト)を含む計14バイトのヘッダ情報HDと、46バイト以上のペイロード(この例では130バイト)と、4バイトのFCS(Frame Check Sequence)(この例では省略)とで構成される計144バイトのEthernetパケット(可変長パケット)であるとする。
【0077】
まず、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQにより、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_Aの最初の固定長データa1(図5(3)に示すATMペイロード長に対応するように48バイト。)が読み出されて、セル化処理部400内部のカプセル化部410に与えられる。
【0078】
この固定長データa1の読出に同期して、セル化情報生成部500_1内部のSOP/EOP検出部510_1が、例えば図5(1)の点線で示すようなプリアンブル又はSFD(StartFrame Delimiter)のビットパターンからSOPを検出し、セル化情報I-a1にポート100_1の識別子及びSOPを設定すると共に、ヘッダ情報抽出部520_1にSOPを通知する。
【0079】
また、SOP/EOP検出部510_1は、後述するEOPを検出するために、例えば図5(1)に示すヘッダ情報HD内のLengthの値から固定長データの読出回数の計数を開始する。すなわち、この例では、“Length”に設定されたパケットPCKT_Aのパケット長144バイトを固定長データ単位の48バイトで除算した計3回の読出回数を計数し、2回目の読出で非SOP/EOPを検出し、3回目の読出でEOPを検出する。これは、以下の各実施例においても同様である。
【0080】
そして、SOPが通知されたヘッダ情報抽出部520_1は、固定長データa1からパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを抽出すると共に、セル化情報I-a1にさらにこのヘッダ情報HDを多重化する。このようにして、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子、SOP、及びパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを設定したセル化情報I-a1を、セル化処理部400内部のセル化情報処理部420に与える。
【0081】
セル化情報I-a1を受けたセル化情報処理部420は、カプセル化部410に対して、後述するATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0082】
また、セル化情報処理部420内部のセル化情報記憶部421は、セル化情報I-a1に含まれるヘッダ情報HDをATMヘッダに変換するための変換データD_CONVを得るため、ヘッダ情報変換テーブル423にヘッダ情報変換指示IND_CONV(アドレス指定等)を与える。
【0083】
さらに、セル化情報記憶部421は、後続のセル化処理を行うために、セル化情報I-a1のセル化情報テーブル422への書込(保存)(k)を行う。
【0084】
そして、この変換データD_CONVをヘッダ情報変換テーブル423から受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CL(5バイト)を生成してカプセル化部410に与える。
【0085】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待っていたカプセル化部410は、固定長データa1とATMヘッダHD_CLとをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網(図示せず)に送出する。
【0086】
次に、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQにより、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_Aの中間の固定長データa2(48バイト)が読み出されて、カプセル化部410に与えられる。
【0087】
この場合、SOP/EOP検出部510_1は、2回目の固定長データの読出でありSOPもEOPも共に検出しないので、セル化情報I-a2にはポート100_1の識別子のみを設定しセル化情報処理部420に与える。
【0088】
セル化情報I-a2を受けたセル化情報処理部420は、上記の固定長データa1の場合と同様、カプセル化部410に対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0089】
そして、セル化情報記憶部421は、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0090】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、上記と同様、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0091】
これにより、カプセル化部410は、固定長データa2とATMヘッダHD_CLとをカプセル化してATMセルCLに変換し、後段のATM網に送出する。
【0092】
さらに、上記の固定長データa1及びa2の場合と同様にして、パケットPCKT_Aの末尾の固定長データa3(48バイト)が読み出された場合は、SOP/EOP検出部510_1が、3回目の読出を認識するため、EOPを検出して、セル化情報I-a3にポート100_1の識別子及びEOPを設定しセル化情報処理部420に与える。
【0093】
これにより、セル化処理部400において、固定長データa3は、固定長データa1及びa2と同様にATMセルCLに変換されて、ATM網に送出されることになる。
【0094】
実施例[2]:図6
[2]-1 構成の実施例:図6
図6に示すセル化装置は、図4と同様に、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、上記の実施例[1]で示した構成に加えて、入力ポート100_1で受信したパケットPCKT_1を、例えば図5(2)に示すようなAAL5のフォーマットでカプセル化してパケットバッファ200_1に格納する上位レイヤカプセル化部210_1(以下、符号210で総称することがある。)を備えている。
【0095】
なお、図示しないが、ポート100_2〜100_4の各々にもそれぞれ対応する上位レイヤカプセル化部210_2〜210_4が設けられているものとする。
【0096】
[2]-2 動作の実施例:図6
今、この実施例では、パケットPCKT_Aが、図4の例とは異なり、ヘッダ情報HD(14バイト)と、ペイロード(82バイト)と、4バイトのFCSとで構成される計100バイトのEthernetパケットであるとする。
【0097】
ポート100_1で受信したパケットPCKT_Aが与えられた上位レイヤカプセル化部210_1は、図5(2)に示すようなAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)及びAAL5トレイラ情報TR_AAL5を付加して、図6に示すAAL5-PDUを生成した後、パケットバッファ200_1に格納する。ここで、AAL5トレイラ情報TR_AAL5内のPAD(パディング)には、AAL5-PDUの全体長がATMペイロード長(48バイト)の公倍数となるように、この例では26バイト分の“0”を設定する。
【0098】
その後、上記の実施例[1]と同様に、タイムスロット管理部300から与えられる読出要求RQの度毎に、順次読み出される固定長データa1〜a3(共に48バイト)と、それらに同期してセル化情報生成部500_1で生成されるセル化情報I-a1〜I-a3とがセル化処理部400に与えられ、これらを受けたセル化処理部400が、固定長データa1〜a3をそれぞれ順次ATMセルCLに変換して、ATM網に送出する。
【0099】
実施例[3]:図7〜9
[3]-1 構成の実施例:図7(図8,9共通)
図7に示すセル化装置は、図4と同様に、図3に示したパケットPCKT_Aのセル化処理に係る構成の一部を抜き出し強調して示したものであり、上記の実施例[1]で示した構成に加えて、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、パケットバッファ200_1からパケットPCKT_1を先頭と末尾とその中間部分の分割データとして読み出す読出部310_1(以下、符号310で総称することがある。)と、セル化情報処理部420内に設けられた、例えば図5(2)に示すようなAAL5ヘッダ情報HD_AAL5及びAAL5トレイラ情報TR_AAL5等のレイヤ間調整情報を生成するレイヤ間調整情報生成部425とを備えている。
【0100】
また、セル化情報生成部500_1内には、上記の実施例[1]及び[2]で示したようなSOP/EOP検出部510_1を設けておらず、このSOP/EOP検出部510_1のSOP及びEOP検出機能(読出回数の計数)は、読出部310_1が備えている。
【0101】
なお、図示しないが、パケットバッファ200_2〜200_4の各々にもそれぞれ対応する読出部310_2〜310_4が設けられているものとする。
【0102】
[3]-2 動作の実施例:図7〜9
まず、本実施例[3]の動作に関して、読出部310_1がパケットバッファ200から読み出す分割データのサイズは、図7に示す如くパケットPCKTの先頭(1)(38バイト)と中間部分(2) (48バイト)と末尾(3)(14バイト)とでそれぞれ異なり、これに対応して、タイムスロット信号T1がタイムスロット管理部300から与えられるようになっており、従ってセル化処理部400内部の動作も異なるため、それぞれに対応するセル化処理例(1)〜(3)に分けて以下に説明する。
【0103】
[3]-2-1 セル化処理例(1) (SOP検出時):図7
今、図7に示すパケットPCKT_Aは、上記の実施例[2]で示したものと同様のEthernetパケット(計100バイト)であるとする。
【0104】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、パケットPCKT_Aの最初の分割データa1(38バイト)を読み出し、この分割データa1をカプセル化部410に与える。また、分割データa1の読出と同時に、読出部310_1は、セル化情報生成部500_1内のヘッダ情報抽出部520_1に、検出したSOPを通知する。
【0105】
なお、ここで分割データa1の読出サイズを、ATMペイロード長48バイトより小さい38バイトにしているのは、後述するレイヤ間調整情報生成部425でAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)を付加して固定長(53バイト)のATMセルCLにするためである。
【0106】
また、読出部310_1は、上記の実施例[1]及び[2]におけるSOP/EOP検出部510_1と同様に、後述するEOPを検出するため、分割データa1内のヘッダ情報HDのLengthから分割データの読出回数の計数(カウンタ(図示せず)により)を開始する。なお、この例では、“Length”に設定されたパケットPCKT_Aのパケット長100バイトを最初の分割データa1のみ38バイトとして、残りを原則ATMセルのペイロード長(48バイト)単位で分割(48バイトに満たないものも1回とする)した計3回の読出回数を計数する。
【0107】
SOPが通知されたヘッダ情報抽出部520_1は、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、分割データa1からパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを抽出すると共に、セル化情報I-a1にこのヘッダ情報HDを多重化する。このようにして、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子、SOP、及びパケットPCKT_Aのヘッダ情報HDを設定したセル化情報I-a1をセル化情報処理部420に与える。
【0108】
セル化情報I-a1を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a1内にSOPが含まれていること、すなわちレイヤ間調整情報としてAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成する必要があることを認識し、カプセル化部410に対して、後述するATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0109】
また、セル化情報記憶部421は、ヘッダ情報変換テーブル423にヘッダ情報変換指示IND_CONVを与え、さらに、上記の実施例[1]及び[2]と同様、後続のセル化処理を行うためのセル化情報I-a1のセル化情報テーブル422への書込(保存)(k)を行う。
【0110】
そして、ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0111】
また、上記のATMヘッダHD_CLの生成と同時に、セル化情報記憶部421が、図5(2)に示す3バイトのLLC(Logical link control)、3バイトのOUI(OrganizationallyUnique Identifier)、2バイトのPID(Protocol Identifier)、2バイトのPADを含む計10バイトのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成するようレイヤ間調整情報生成部425にレイヤ間調整情報生成指示IND_RYLを与える。
【0112】
これを受けたレイヤ間調整情報生成部425は、実際にAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を生成してカプセル化部410に与える。
【0113】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5ヘッダ情報HD_AAL5を待っていたカプセル化部410は、分割データa1(38バイト)とATMヘッダHD_CL(5バイト)とAAL5ヘッダ情報HD_AAL5(10バイト)とをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網に送出する。
【0114】
[3]-2-2 セル化処理例(2) (SOP/EOP非検出時):図8
図8は、上記のセル化処理例(1)で示したパケットPCKT_A内の分割データa2(48バイト)、すなわち、SOP及びEOPのいずれでもないデータに対するセル化処理例を示している。
【0115】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、分割データa2(48バイト)を読み出し、この分割データa2をカプセル化部410に与える。また、読出部310_1は、2回目の分割データの読出であるため、SOPもEOPも共に検出しない。
【0116】
このため、セル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子のみをセル化情報I-a2に設定しセル化情報処理部420に与える。
【0117】
セル化情報I-a2を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a2内にSOP及びEOPのいずれも含まれていないこと、すなわちレイヤ調整情報を生成する必要が無いことを認識し、カプセル化部410対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLのみを待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。
【0118】
そして、セル化情報記憶部421は、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0119】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0120】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CLのみを待っていたカプセル化部410は、分割データa2とATMヘッダHD_CLのみをカプセル化してATMセルCLに変換し、後段のATM網に送出する。
【0121】
[3]-2-3 セル化処理例(3) (EOP検出時):図9
図9は、上記のセル化処理例(1)及び(2)で示したパケットPCKT_A内の分割データa3(14バイト)、すなわち、EOPに該当するデータに対するセル化処理例を示している。
【0122】
この場合、タイムスロット管理部300から与えられるタイムスロット信号T1を読出タイミングとして、読出部310_1は、パケットバッファ200_1に読出要求RQを与えて、分割データa3(14バイト)を読み出し、この分割データa3をカプセル化部410に与える。また、読出部310_1は、3回目の読出を認識するため、EOPを検出してセル化情報生成部500_1に通知する。
【0123】
そして、EOPが通知されたセル化情報生成部500_1は、ポート100_1の識別子及びEOPをセル化情報I-a3に設定しセル化情報処理部420に与える。
【0124】
セル化情報I-a3を受けたセル化情報処理部420は、このセル化情報I-a3内にEOPが含まれていること、すなわちレイヤ調整情報としてAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成する必要があることを認識し、カプセル化部410対して、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を待ってカプセル化を行うようにカプセル化指示IND_CPSLを与える。なお、EOP検出時には、セル化情報I-a3のセル化情報テーブル422への保存は行わない。
【0125】
そして、セル化情報記憶部421は、上記のセル化処理例(2)と同様に、セル化情報テーブル422に保存しておいたセル化情報I-a1におけるヘッダ情報HDの読出(o)を行うと共に、このヘッダ情報HDのヘッダ情報変換指示IND_CONVをヘッダ情報変換テーブル423に与える。
【0126】
ヘッダ情報変換テーブル423から変換データD_CONVを受けたATMヘッダ生成部424は、変換データD_CONVに基づきATMヘッダHD_CLを生成してカプセル化部410に与える。
【0127】
また、上記のATMヘッダHD_CLの生成と同時に、セル化情報記憶部421が、図5(2)に示す例えば26バイト分の“0”を設定したPAD、1バイトのCPCS-UULLC(ユーザ間表示)、1バイトのCPI(Common PartIndicator)、2バイトのLength、及び4バイトのCRC(Cyclic Redundancy Checking)を含む計34バイトのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成するようレイヤ間調整情報生成部425にレイヤ間調整情報生成指示IND_RYLを与える。
【0128】
これを受けたレイヤ間調整情報生成部425は、実際にAAL5トレイラ情報TR_AAL5を生成してカプセル化部410に与える。
【0129】
これにより、ATMヘッダ生成部424からのATMヘッダHD_CL及びレイヤ間調整情報生成部425からのAAL5トレイラ情報TR_AAL5を待っていたカプセル化部410は、分割データa3(14バイト)とATMヘッダHD_CL(5バイト)とAAL5トレイラ情報TR_AAL5(34バイト)とをカプセル化してATMセルCL(53バイト)に変換し、後段のATM網に送出する。
【0130】
なお、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0131】
(付記1)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップと、
該固定長データをセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
(付記2)付記1において、
該第2ステップが、各バッファに一定間隔で順次循環しながら読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化方法。
(付記3)付記1又は2において、
該第1ステップが、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むことを特徴としたセル化方法。
(付記4)付記1又は2において、
該第2ステップで読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップと、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップでの変換に用いる第5ステップと、
をさらに備えたことを特徴としたセル化方法。
(付記5)付記4において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化方法。
(付記6)付記5において、
該第4ステップが、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化方法。
(付記7)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップと、
該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
(付記8)付記7において、
該第2ステップが、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化方法。
(付記9)付記7又は8において、
該第2ステップで読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4ステップと、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3ステップでの変換に用いる第5ステップと、
をさらに備えたことを特徴としたセル化方法。
(付記10)付記9において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化方法。
(付記11)付記10において、
該第4ステップが、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化方法。
(付記12)付記4又は9において、
該第5ステップが、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いるステップを含むことを特徴としたセル化方法。
(付記13)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2手段と、
該固定長データをセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
(付記14)付記13において、
該第2手段が、各バッファに一定間隔で順次循環しながら読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化装置。
(付記15)付記13又は14において、
該第1手段が、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納する手段を含むことを特徴としたセル化装置。
(付記16)付記13又は14において、
該第2手段で読み出した固定長データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4手段と、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3手段での変換に用いる第5手段と、
をさらに備えたことを特徴としたセル化装置。
(付記17)付記16において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の固定長データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化装置。
(付記18)付記17において、
該第4手段が、該受信パケットの先頭の固定長データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化装置。
(付記19)
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2手段と、
該第2手段で読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
(付記20)付記19において、
該第2手段が、各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次循環しながら読み出すことを特徴とするセル化装置。
(付記21)付記19又は20において、
該第2手段で読み出した分割データから該セルに変換する際に必要なセル化情報を生成する第4手段と、
該セル化情報に基づき該セルのヘッダ情報を生成して該第3手段での変換に用いる第5手段と、
をさらに備えたことを特徴としたセル化装置。
(付記22)付記21において、
該セル化情報が、該入力ポートの識別子、該受信パケットのヘッダ情報、及び該受信パケットの先頭又は末尾の分割データであることを示す識別子を含むものであることを特徴としたセル化装置。
(付記23)付記22において、
該第4手段が、該受信パケットの先頭の分割データを検出した時のみ、該セル化情報に該受信パケットのヘッダ情報を設定することを特徴としたセル化装置。
(付記24)付記16又は21において、
該第5手段が、該セル化情報を記憶して次のセルへの変換に用いる手段を含むことを特徴としたセル化装置。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明に係るセル化方法及び装置の動作原理を示したブロック図である。
【図2】本発明に係るセル化方法及び装置の実施例[1]を示したブロック図である。
【図3】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[1]の全体動作を示したタイムチャート図である。
【図4】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[1]のセル化処理例を示したブロック図である。
【図5】本発明に係るセル化方法及び装置に用いるパケットからセルへの変換フォーマット例を示した図である。
【図6】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[2]の構成例とその動作例を示したブロック図である。
【図7】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(1))を示したブロック図である。
【図8】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(2))を示したブロック図である。
【図9】本発明に係るセル化方法及び装置における実施例[3]の構成例とその動作例(セル化処理例(3))を示したブロック図である。
【図10】セル化処理の従来例[1]を示したブロック図である。
【図11】セル化処理の従来例[2]を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0133】
1 第1ステップ(又は手段)
2 第2ステップ(又は手段)
3 第3ステップ(又は手段)
4 第4ステップ(又は手段)
5 第5ステップ(又は手段)
100, 100_1〜100_4 ポート
200, 200_1〜200_4 パケットバッファ
210, 210_1〜210_4 上位レイヤカプセル化部
300 タイムスロット管理部
310, 310_1〜310_4 読出部
400, 400_1〜400_2 セル化処理部
410 カプセル化部
420 セル化情報処理部
421 セル化情報記憶部
422 セル化情報テーブル
423 ヘッダ情報変換テーブル
424 ATMヘッダ生成部
425 レイヤ間調整情報生成部
500, 500_1〜500_4 セル化情報生成部
510, 510_1〜510_4 SOP/EOP検出部
520, 520_1〜520_4 ヘッダ情報抽出部
600, 600_1〜600_4 セルバッファ
700 セレクタ
800 読出制御部
PCKT, PCKT_1〜PCKT_4, PCKT_A〜PCKT_E パケット
HD ヘッダ情報
CL ATMセル
HD_CL ATMヘッダ
RQ 読出要求
FLD, FLD_1〜FLD_4, a1〜e1 固定長データ
INFO, INFO_1〜INFO_4, I-a1〜I-e1 セル化情報
T, T1〜T4 タイムスロット信号
IND_CPSL カプセル化指示
IND_CONV ヘッダ情報変換指示
D_CONV 変換データ
HD_AAL5 AAL5ヘッダ情報
TR_AAL5 AAL5トレイラ情報
IND_RYL レイヤ間調整情報生成指示
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップと、
該固定長データをセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
【請求項2】
請求項1において、
該第1ステップが、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むことを特徴としたセル化方法。
【請求項3】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップと、
該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
【請求項4】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2手段と、
該固定長データをセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
【請求項5】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2手段と、
該第2手段で読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
【請求項1】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2ステップと、
該固定長データをセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
【請求項2】
請求項1において、
該第1ステップが、該受信したパケットを上位レイヤにカプセル化して該バッファに格納するステップを含むことを特徴としたセル化方法。
【請求項3】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1ステップと、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2ステップと、
該第2ステップで読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするセル化方法。
【請求項4】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファに順次読出要求を与えることにより、各バッファから該パケットを固定長データの単位で読み出す第2手段と、
該固定長データをセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
【請求項5】
複数の入力ポートから受信したパケットを、各入力ポートに対応して設けたバッファに格納する第1手段と、
各バッファから該パケットを、先頭と末尾とその中間部分のデータに分割して順次読み出す第2手段と、
該第2手段で読み出した分割データのサイズに対応して該分割データに上位レイヤにカプセル化するために必要なレイヤ間調整情報を付加してセルに変換する第3手段と、
を備えたことを特徴とするセル化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−208437(P2007−208437A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22708(P2006−22708)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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