説明

センサパラメータダウンロードによるセンサの自動較正

【課題】回転機械の静止部品と回転部品との間のクリアランスを測定するセンサシステムにおいて、センサ変動が存在しても、手動較正を必要とせずに、所望の較正結果を得るための方法又はシステムを提供する。
【解決手段】クリアランス測定信号を出力するクリアランスセンサ24を備える。本クリアランスセンサ24には、第1のセンサ情報を記憶するセンサメモリが接続される。また、第2のセンサ情報がエレクトロニクスインターフェースメモリに記憶される。エレクトロニクスインターフェースで第1及び第2のセンサ情報を読み取り、それらに基づいて、クリアランスセンサとそれぞれ複数の較正データとを適合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にセンサの較正データをセンサシステムのエレクトロニクスインターフェースに自動的にダウンロードする方法及び装置に関し、特に、センサの物理的パラメータをエレクトロニクスインターフェースに伝達することに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプのセンサシステムが様々なパラメータの測定に用いられている。また、かかるセンサは様々な用途に用いられている。例えばタービンシステムでは、静止シュラウドとタービン動翼との間のクリアランス(間隙)の測定にセンサシステムが用いられている。かかるセンサシステムは通例センサとエレクトロニクスインターフェースとを備えている。一般に、センサ出力は、測定すべきパラメータを示す信号を与えないことがある。エレクトロニクスインターフェースは、センサ出力信号を、測定すべきパラメータを示す信号へと変換するように、つまり較正結果を与えるように構成される。センサ出力信号は、センサ特性又はセンサの較正データに基づいて、測定すべきパラメータを示す信号へと変換される。
【0003】
センサシステムに新しいセンサを実装すると、センサ変動が生じる。そのため、エレクトロニクスインターフェースがしかるべく較正されていないと、測定値に大きな誤差が生じる。センサ変動には、例えば、製造公差や性能変動がある。一般に、製造されたすべてのセンサで較正結果を得るには、製造に際して非常に厳密な条件が必要とされる。センサ変動の存在下で較正結果を得るために、様々な方法が用いられてきた。かかる方法の一つは、エレクトロニクスインターフェースの手動較正である。しかし、手動較正法では、新たなセンサの実装時間が大幅に増す。さらに、センサの実装に要する人材のための訓練レベルを高める必要がある。もう一つの方法は、新たなセンサを新たなエレクトロニクスインターフェースと共に実装することである。新たなエレクトロニクスインターフェースは新たなセンサと接続し、センサの較正データで較正する。しかし、センサとエレクトロニクスインターフェースの同時交換は、在庫管理の柔軟性が減り、システム全体の寿命が最も寿命の短い部品の寿命まで短くなってしまう。
【0004】
場合によっては、センサ性能は、センサ素子と配線とエレクトロニクスの組合せの関数であることもある。3つの部品の同時交換が必要となると、実装が難しくなる。例えば、航空機エンジン用途の場合には、たとえセンサ素子又は電子回路を交換する必要が生じたとしても、配線を維持するのが望ましい。費用と時間のかかる配線作業を省略できるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7161476号明細書
【特許文献2】米国特許第7180305号明細書
【特許文献3】米国特許第7215129号明細書
【特許文献4】米国特許第7332915号明細書
【特許文献5】米国特許第7333913号明細書
【特許文献6】米国特許第7404331号明細書
【特許文献7】米国特許第7466143号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0132147号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0239813号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2007/0128016号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2007/0156363号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0194894号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2009/0003991号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
センサ変動が存在しても、手動較正を必要とせずに、所望の較正結果を得るための方法又はシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態では、センサシステムを提供する。本システムは、回転機械の静止部品と回転部品との間のクリアランスを測定してクリアランス測定信号を出力するためのクリアランスセンサを備える。本システムは、センサに実装されたセンサメモリも備えている。このセンサメモリに、第1のセンサ情報が記憶される。本システムは、さらに、第2のセンサ情報を記憶するためのエレクトロニクスインターフェースメモリと、第1及び第2のセンサ情報を読み取って、第1及び第2のセンサ情報に基づくそれぞれ複数の較正データとクリアランスセンサとを適合させるエレクトロニクスインターフェースとを備える。
【0008】
本発明の別の実施形態では、クリアランスセンサの較正方法を提供する。本方法は、第1のセンサ情報をクリアランスセンサメモリに記憶するステップを含む。本方法は、第2のセンサ情報をエレクトロニクスインターフェースメモリに記憶するステップと、クリアランスセンサメモリから第1のセンサ情報を読み取るステップも含む。本方法は、さらに、第1のセンサ情報及び第2のセンサ情報に基づいてクリアランスセンサを較正するステップも含む。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態では、較正済みセンサを提供する。本センサは、センサ素子と、センサ素子に接続されたメモリとを備える。メモリには、複数のセンサ固有情報が記憶される。
【0010】
本発明の上記その他の特徴、態様及び効果については、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することによって理解を深めることができよう。図面を通して、類似の構成要素には類似の符号を付した。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るセンサシステムを有する回転機械を示す図。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態に係るセンサシステムの線図。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係る較正システムの線図。
【図4】本発明の一実施形態に係るセンサシステムの較正手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下で詳しく説明する通り、本発明の実施形態には、クリアランス測定システムの自己較正のためのシステム及び方法が包含される。本明細書では、クリアランス測定システムに焦点を当てて説明するが、本発明は、温度測定システムや圧力測定システムのような任意の測定システムに適用できる。
【0013】
図1は、本発明の技術を組み込むことのできる航空機エンジンのタービン10のような回転機械の斜視図である。なお、本発明の技術は、特に限定されないが、蒸気タービンやガスタービンのような他の回転機械にも使用できる。タービンは、シャフト14に装着されたロータ12を有する。複数のタービン動翼16がロータ12に取り付けられている。作動中、動翼16は高温高圧の流体18又は蒸気に付され、流体18又は蒸気が動翼16に作用して軸20の周りを回転するようになる。動翼16は、その周囲の半径方向及び周方向に位置する静止ハウジング又はシュラウド22の内部で回転する。動翼16とシュラウド22の間から作動流体が過度に漏れないように、動翼16とシュラウド22の間のクリアランスは比較的小さくされる。理想的な無損失系では、クリアランスは存在せずに、すべての流体が動翼16だけに作用する。しかし、この構成では、動翼16とシュラウド22との抵抗のため動翼を動かすことができなかったり、ロータ動翼16とシュラウド22との擦れを防ぐことができない。クリアランスゼロのシステムは、振動の点からも実用的でない。
【0014】
一実施形態では、1以上のクリアランスセンサ24が静止シュラウド22の内部及び周方向に配置される。図示した実施形態では、クリアランスセンサ24は容量性プローブを含む。容量性プローブセンサは、クリアランスを表すものとして可変静電容量を与える。実施形態によっては、クリアランスセンサ24は、マイクロ波センサ、光センサ又は渦電流センサであってもよい。各センサ24は、それらの各々の周方向位置でシュラウド22に対する動翼16の半径方向及び/又は軸方向位置を示す信号を生成するように構成される。センサ信号26は、クリアランスを測定するためのクリアランス測定システム28に送信される。クリアランス測定システムによるクリアランス測定は、さらに、クリアランス制御システム30によるシュラウド22とタービン動翼16との間のクリアランスの制御にも用いられる。
【0015】
図2に、図1のクリアランス測定システム28の構成例を示す。この実施形態のシステム28は、図1の蒸気タービンのシュラウド22とロータ動翼16との間の第1及び第2の静電容量値を示す第1及び第2の測定信号を生成するように構成された第1及び第2のセンサ40,42を備える。
【0016】
この例では、シュラウドとロータ動翼との間のクリアランス32は、第1及び第2のセンサ40,42の第1及び第2の信号からレシオメトリック法で算出される。第1のセンサ40で静電容量を測定するため、双方向カプラ44及び位相検出器46が第1のセンサ40に接続されている。同様に、第2のセンサ42で静電容量を測定するため、双方向カプラ48及び位相検出器50が第2のセンサ42に接続されている。第1及び第2のセンサを励振するため、信号発生器52が第1及び第2のセンサ40及び42に接続されている。信号発生器52からの入力信号を増幅するため、第1及び第2の増幅器54,56が信号発生器52に接続されている。増幅器54,56は、信号発生の容量に応じて、任意の構成要素であり、信号発生器出力を調整するためフィルタリングを用いてもよい。一実施形態では、キャパシタ(図示せず)を各センサ40,42及び信号発生器52と直列に設けてもよく、位相検出器46,50をキャパシタの片側に接続すればよい。
【0017】
一実施形態では、ある励起周波数の信号発生器52は、第1及び第2の励起信号62,64によって第1及び第2のセンサ40,42を励振する。第1及び第2のセンサ40,42から、第1及び第2の励起信号62,64に対応する第1及び第2の反射信号58,60が発生する。双方向カプラ44及び位相検出器46で励起信号62と反射信号58との位相差を測定することによって、第1のセンサ40での静電容量を測定する。位相検出器46は励起信号に基づいて第1の反射信号58を検出し、第1の測定信号66を発生させるように構成されている。同様に、双方向カプラ48及び位相検出器50で励起信号64と反射信号60との位相差を測定して、第2のセンサ42での静電容量を示す第2の測定信号68を生成させる。第1及び第2の測定信号66及び68は、次いで、第1及び第2の測定信号66及び68の関数に基づいてクリアランスを算出するため較正回路70に送信される。一実施形態では、この関数は第1及び第2の測定信号の間の比である。較正回路70は、さらに、センサ40,42と通信してセンサパラメータのバラツキを検出する。本明細書に記載した通り、この例のセンサシステム28では、ロータ動翼16とシュラウド22との間の静電容量測定に2つのセンサ40,42を用いる。しかし、これよりも多くのセンサを備えたその他のセンサシステムの構成も、本発明の技術的範囲に属する。
【0018】
図3に、図1の回転機械の較正システム90を示す。この実施形態では、クリアランスセンサ96に第1のメモリ98が取り付けられている。第1のメモリ98は、センサ固有情報を記憶するように構成される。一実施形態では、センサ固有情報はセンサ識別番号である。別の実施形態では、センサ固有情報はセンサジオメトリ情報であってもよい。さらに別の実施形態では、複数のプローブがほぼ同じ応答を示すように、センサのジオメトリ及び公差が規定される。しかし、プローブ間のジオメトリ差はセンサメモリを用いて較正することができるので、製造公差に関する規格を緩和することができる。さらに別の実施形態では、センサ固有情報はセンサの較正情報であってもよい。エレクトロニクスインターフェース92は、電子回路100及び第2のメモリ94を備える。電子回路100は、クリアランスセンサ96の第1のメモリ98から、電子回路に実装された第2のメモリ94にセンサ固有情報をダウンロードする。較正モジュールは、次いで、第2のメモリ94に記憶されたデータと図2の位相検出器46,50からの信号とを用いて、回転機械の静止部品と回転部品との間のクリアランスを示す信号を出力する。
【0019】
ガスタービンエンジン用途では、センサ位置での温度は一般に600〜800°Fである。そのため、第1のメモリ98はかかる高温に耐えてデータを保持する必要がある。一実施形態では、第1のメモリ98のデータがエレクトロニクスインターフェースによって第2のメモリにダウンロードされるのは、センサ実装の開始時だけである。この実施形態では、高温に短時間耐えられるメモリであってもよい。この実施形態では、第2のメモリは、温度のもっと低い箇所に位置するセンサ電子回路内又はその付近に配置されるか、さもなければ、電子デバイスの動作限界内の温度を維持するための能動冷却手段が設けられる。
【0020】
センサ固有情報の記憶には、電気メモリ、電子不揮発性メモリ(電子NVM)及び機械メモリなどの様々なタイプのメモリを用いることができる。電気メモリは本質的にアナログである。換言すれば、電気メモリはアナログ回路からなる。電気メモリは、複数のメモリ素子を並列に追加することによって拡張可能である。一実施形態では、各メモリ素子は抵抗回路網からなり、抵抗値はプロト(原)較正曲線からスケーリング比に基づいて選定される。メモリ素子の追加には、メモリ回路に追加の配線が必要とされる。そのため、電気メモリの拡張には複雑な配線作業が必要とされる。このようなメモリの分解能は概して低い。一実施形態では、分解能は8ビットである。別の実施形態では、各素子は共振回路からなり、その共振周波数は、プロト較正曲線からスケーリング比に基づいて選定される。さらに別の実施形態では、メモリは抵抗回路網と共振回路との組合せを含むものであってもよい。なお、本発明は、抵抗又は共振回路に限定されるものではなく、他の同様の素子又は素子の組合せも本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
一実施形態では、複数素子を配線に順次接続(多重化)するため、多数の電気メモリ素子を電気制御スイッチを介して接続する。多数の素子を1組の配線で多重化すると、数多くの記憶パラメータを提供しつつ、配線の複雑さが低減される。
【0022】
電子NVMは、電源なしでも、記憶した情報を保持する。電子的に消去可能なプログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)は電子NVMの一種である。EEPROMでは、電界放出(「ファウラー−ノルドハイムトンネル効果」として知られる)を利用して、電子的にプログラミング及び消去を行うことができる。EEPROMの記憶情報保持能力は温度によって損なわれる。一実施形態では、EEPROMの記憶情報保持能力は125℃に制限される。ただし、自動車用のEEPROMでは180℃まで動作確認されている。EEPROMデバイスで用いられるエレクトロニクスインターフェースの主な種類としては、シリアルバスインターフェースとパラレルバスインターフェースの2つがある。シリアルバスインターフェースを用いたEEPROMメモリの拡張は、電気メモリに比べて、配線の複雑さが低い。EEPROMのもう1つの利点は、16ビットから1メガバイトを超える非常に高ビット数のブロックまで、広範な構成に送ることができることである。
【0023】
一実施形態では、機械メモリを上述のセンサ固有情報の記憶に使用する。機械メモリの利点は、記憶した情報をかなりの高温下でも保持できることである。一実施形態では、機械メモリは最高400℃まで情報を保持できる。機械メモリは、論理状態情報を順次書き込み、書き込んだときと同じ順序で情報を読み出すことができる。そのため、機械メモリはFIFO(first-in-first-out)メモリとも呼ばれる。機械メモリは揮発性メモリとしても形成できるし、不揮発性メモリとしても形成できる。一実施形態では、機械メモリはMEMS技術を用いて実施される。
【0024】
図4は、例示的なセンサ較正方法120のステップを示すフローチャートである。方法120は、ステップ122として、センサの第1の情報をセンサメモリに記憶するステップを含む。一実施形態では、第1の情報はセンサの較正データである。別の実施形態では、第1の情報はセンサの識別番号である。一実施形態では、第1の情報はプロト(原)センサの較正データに対する各センサのスケーリングファクタである。別の実施形態では、第1の情報は、静止部品と回転部品の間のクリアランスと、センサからのクリアランス測定信号との数学的関係である。方法120はさらに、ステップ124として、センサの第2の情報をエレクトロニクスメモリに記憶するステップを含む。一実施形態では、第2の情報は様々なセンサの較正データであり、各較正データポイントに関するそれぞれの識別番号をもつ。別の実施形態では、第2の情報は、プロトセンサの単一の較正データポイントであってもよい。
【0025】
方法120のステップ126でエレクトロニクスインターフェースがセンサメモリと通信し、ステップ128でエレクトロニクスインターフェースが、センサ又は第1の情報とそれぞれ複数の較正データ又は第2の情報とを適合させる。一実施形態では、エレクトロニクスインターフェースは、センサメモリからセンサの較正データをダウンロードする。別の実施形態では、エレクトロニクスインターフェースは、センサメモリからセンサ識別番号を求め、センサ識別番号と、エレクトロニクスインターフェースメモリに記憶されたそれぞれ複数の較正データとを適合させる。別の実施形態では、エレクトロニクスインターフェースは、センサメモリからスケーリングファクタを読み取り、これをエレクトロニクスインターフェースメモリに記憶されたプロト較正データに適用して、センサ用の新たな較正データを作成する。さらに別の実施形態では、エレクトロニクスインターフェースは、センサメモリから数学的関係を求めて、その数学的関係を用いて回転機械の静止部品と回転部品との間のクリアランスを算出する。回転機械の作動中、エレクトロニクスインターフェースはセンサメモリに定期的に問い合わせて、古いセンサが新たなセンサに交換されたか否かを検出する。交換が検出された場合は、エレクトロニクスインターフェースは較正データを更新する。
【0026】
一実施形態では、センサ識別番号の変化からセンサの交換が検出されると、エレクトロニクスインターフェースは、オペレータに対して、新たな較正データをエレクトロニクスインターフェースメモリにダウンロードするように警告する。オペレータは、エレクトロニクスインターフェースメモリにセンサの較正データを手動で入力する。こうして、センサと較正データとが一致しない危険性を排除する。
【0027】
一実施形態では、センサメモリは読取/書込メモリである。エレクトロニクスインターフェースはセンサの経時的劣化を追跡する。修正較正データが定期的にセンサメモリにダウンロードされる。電子機器ボックスを交換する必要が生じた場合には、プロトセンサ特異的較正に対応するセンサデータと併せて、劣化追跡較正情報が新たな電子機器ボックスに利用できる。この実施形態では、センサメモリは、センサの使用及び健全性の履歴としても機能する。
【0028】
以上、本発明の幾つかの特徴について例示し説明してきたが、当業者には数多くの修正及び変更が自明であろう。特許請求の範囲は、このようなあらゆる修正及び変更も本発明の技術的思想に属するものとして包含するものである。
【符号の説明】
【0029】
10 タービン
16 動翼
22 シュラウド
24 クリアランスセンサ
26 センサ信号
32 クリアランス
40 第1のセンサ
42 第2のセンサ
44,48 双方向カプラ
46,50 位相検出器
52 信号発生器
54,56 増幅器
58,60 反射信号
62,64 励起信号
66,68 測定信号
70 較正回路
90 較正システム
92 エレクトロニクスインターフェース
94 第2のメモリ
96 クリアランスセンサ
98 第1のメモリ
100 電子回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械(10)の静止部品(22)と回転部品(16)との間のクリアランス(32)を測定して、クリアランス測定信号を出力するように構成されたクリアランスセンサ(24)と、
クリアランスセンサ(24)に接続され、第1のセンサ情報を記憶するように構成されたセンサメモリ(98)と、
第2のセンサ情報を記憶するように構成されたエレクトロニクスインターフェースメモリ(94)と、
第1及び第2のセンサ情報を読み取って、第1及び第2のセンサ情報に基づくそれぞれ複数の較正データとクリアランスセンサとを適合させるように構成されたエレクトロニクスインターフェース(92)と
を備えるセンサシステム(30)。
【請求項2】
前記センサメモリ及びエレクトロニクスインターフェースメモリが、電子メモリ、電気メモリ、機械メモリ又はそれらの組合せから選択される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
第1のセンサ情報がクリアランスセンサの較正データを含んでおり、エレクトロニクスインターフェースが較正データをクリアランス測定信号の較正に用いる、請求項1又は請求項2記載のシステム。
【請求項4】
第1のセンサ情報がセンサ識別番号を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
第2のセンサ情報が、各較正データポイントについての各々の識別番号をもつ複数の較正データを含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
クリアランスセンサの較正方法(120)であって、
第1のセンサ情報をクリアランスセンサメモリに記憶するステップ(122)と、
第2のセンサ情報をエレクトロニクスインターフェースメモリに記憶するステップ(124)と、
クリアランスセンサメモリから第1のセンサ情報を読み取るステップ(126)と、
第1のセンサ情報及び第2のセンサ情報に基づいてクリアランスセンサを較正するステップ(128)と
を含む方法。
【請求項7】
第2のセンサ情報を記憶するステップが、クリアランスセンサの変化を検出し、複数の新たな較正データをエレクトロニクスインターフェースメモリに手動でダウンロードすることを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
第1のセンサ情報が、クリアランスセンサの複数のプロト較正データに対する複数のスケーリングパラメータを含む、請求項6又は請求項7記載の方法。
【請求項9】
第2のセンサ情報がプロトセンサの複数の較正データを含む、請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
センサ素子(96)と、
センサ素子に接続され、複数のセンサ固有情報を記憶するように構成されたメモリ(98)とを備える、較正済みセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−175539(P2010−175539A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12681(P2010−12681)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】