説明

センサユニット及びそれを用いた制御装置

【課題】早期に故障が発生していることを判定することができるセンサユニット及びその制御装置を提供する。
【解決手段】本発明のセンサユニットとしての温湿度センサ5は、同一の検出ファクタとしての温度と湿度についての検出動作を行う温度検出素子と湿度検出素子を、基板58上に複数、例えば、第1の温度検出部55A、第2の温度検出部55Bを相互に近接させて配置すると共に、第1の湿度検出部56Aと、第2の湿度検出部56Bとを相互に近接させて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、食品保管庫やサーバー室、栽培用ハウスなどにおいて温度や湿度などを検出するセンサユニット及びそれを用いた制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ショーケースや冷凍庫、冷蔵庫、プレハブ貯蔵庫などの食品保存庫では、庫内の複数箇所の温度を温度センサにより検出し、また、コンプレッサや各送風機などをスイッチング素子によってON/OFF制御している(例えば、特許文献1参照)。特に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗では、複数台のショーケースは、通信線によって接続され、一括して管理室などに設けられる管理用コントローラによって、温度管理や照明管理などが行われている。
【0003】
また、これ以外にも、厳密な環境管理を行うことにより野菜や花などを栽培するビニルハウスなどでは、対象となる室内の複数箇所に温度センサや湿度センサ、照度センサ、認証装置などを設けて、監視用コントローラによって、栽培環境の監視や入退室管理を行っている。
【0004】
一般に、監視システムは、監視用コントローラと、温度センサや湿度センサ、照度センサ、認証装置などのセンサユニットから構成されており、これらは通信線と、電源線と接地線とから成る配線により接続されている。
【0005】
図20、21は従来のセンサユニット100を示している。センサユニット100は、温度と湿度を検出するセンサであり、基板101の一面に温度検出素子としての温度センサIC102と湿度検出素子としての湿度センサIC103がそれぞれ一つずつ取り付けられている。これら素子が取り付けられた基板101は、更に、樹脂ケース105内に収容される。そして、この基板101からは通信線、電源線、接地線から構成されるリード線106が引き出されている。
【特許文献1】特開2000−161756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のセンサユニット100では、特に湿度の高い環境にて使用される場合には、各温度センサIC102や湿度センサIC103に故障が生じやすい。しかし、故障した場合であっても、検出された値が、正しい検出値よりも3℃程度のずれや、8%程度ずれでは、実際に故障が発生しているかが判定し難いという問題があった。
【0007】
そのため、早期にセンサユニット100の故障に対応することができず、適切な監視を実現することができないという問題があった。
【0008】
本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、早期に故障が発生していることを判定することができるセンサユニット及びその制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のセンサユニットは、同一の検出ファクタについての検出動作を行う検出素子を、基板上に複数備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明のセンサユニットは、上記発明において、各検出素子は、相互に近接していることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明のセンサユニットは、上記請求項1の発明において、各検出素子は、基板の表裏にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明のセンサユニットは、上記請求項1の発明において、各検出素子は、基板上の相互に離間した位置に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明の制御装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のセンサユニットの各検出素子の出力が入力され、各検出素子の出力に基づいて機器の制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明の制御装置は、請求項2に記載のセンサユニットの各検出素子の出力が入力され、各検出素子の出力の差に基づき、センサユニットの異常判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のセンサユニットによれば、同一の検出ファクタについての検出動作を行う検出素子を、基板上に複数備えたので、例えば、請求項2の発明の如く、各検出素子は、相互に近接して設けられることで、各検出素子により、実質的に同一雰囲気、若しくは同一条件となる狭い範囲の検出が可能となる。
【0016】
従って、各検出素子の出力の差に基づき、センサユニットの異常判定を行うことにより、何れかの検出素子の異常を検出することが可能となる。これにより、早期に検出素子の異常を検出することが可能となり、当該センサユニットの修理や交換作業を促すことが可能となる。
【0017】
また、複数の検出素子によって同一の検出ファクタについて検出動作を行うことから、それぞれの検出結果の平均を算出することで、当該センサユニットによる検出結果の信頼性を向上させることが可能となる。
【0018】
上記請求項1の発明において、請求項3の発明のように、各検出素子は、基板の表裏にそれぞれ設けられていることにより、一つのセンサユニットによって、検出ファクタが異なる領域、即ち、基板の表側の領域と基板の裏側の領域の状況を検出することが可能となる。
【0019】
上記請求項1の発明において、請求項4の発明のように、各検出素子は、基板上の相互に離間した位置に設けられていることにより、基板上における検出状況の分布を計測することが可能となる。
【0020】
請求項5の発明の制御装置によれば、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のセンサユニットの各検出素子の出力が入力され、各検出素子の出力に基づいて機器の制御を行うことにより、より正しい検出結果に基づいて、より適切な機器の制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について実施例1乃至実施例3を挙げて詳述する。以下は、実施例1として本発明のセンサユニットとしての温湿度センサ5を採用した管理システム1を例に挙げて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は本発明を適用した監視システム1の構成を示す概略図である。本実施例における監視システム1は、例えば、野菜や花の栽培施設にて複数箇所の温度や湿度、更には、施設内への入退室等を監視し、異常発生時には、管理者に当該異常発生を通報するシステムである。当該監視システム1の利用態様はこれに限定されるものではなく、店舗や住宅等において、温度や入退室の監視によって、火災や不法侵入等の異常発生を通知するものとして使用しても良い。
【0023】
監視システム1は、監視用コントローラ(監視機器本体)としてのセンササーバ2と、監視用端末としての入出力ユニット3及び入力ユニット4と、同じく監視用端末としての複数の温・湿度センサ5と、認証キーソケット6とを有する。
【0024】
前記センササーバ2の構成を図2に示す。センササーバ2は、内部にコントローラ(基板)20が設けられている。このコントローラ20は、CPU(マイクロコンピュータ)21と、記憶部としてのメモリ22と、通信部23、電源部25等から構成されている。また、センササーバ2には、LED等から構成された表示器24が設けられている。
【0025】
そして、このセンササーバ2は、LANケーブル10を介してネットワークHub11に接続されている。また、センササーバ2には、入出力ユニット3が接続される第1の入出力部としての入出力部12と、詳細は後述する認証キーソケット6が接続される第2の入出力部としての入出力部13を有する。
【0026】
図3は、入出力ユニット3の構成を示す。入出力ユニット3は、内部にコントローラ(基板)30が設けられている。このコントローラ30は、CPU(マイクロコンピュータ)34と、記憶部としてのメモリ35と、通信部36、電源部37等から構成されている。また、入出力ユニット3には、LED等から構成された表示器38が設けられている。
【0027】
入出力ユニット3は、センササーバ2の入出力部12に接続される入力部31と、入出力ユニット3側から電源供給を受ける必要のある監視用端末、本実施例では、複数の温・湿度センサ5が接続される出力部32とを有する。また、入出力ユニット3は、1〜8chの入出力部33を有し、1〜4chにより図示しない各扉センサなどのON/OFF状態を判別して5〜8chにより外部機器の電源をON/OFF制御する。なお扉センサは、本実施例では、当該監視システム1が配設される栽培施設の窓や扉などに設けられ、当該扉センサの出力に基づき監視実行時において開閉状況が監視される。
【0028】
また、入力ユニット4は入出力ユニット3と同じ構成であるが、1〜8chの入出力部33がすべて入力用に設定されている点が入出力ユニット3とは異なっている。そして、入出力部33の1ch〜8chのそれぞれには、後述する複数の認証キーソケット6のリードスイッチ75の出力がそれぞれの信号ケーブル95A〜95Hにより入力されるようになっている。
【0029】
ここで、センササーバ2(監視用コントローラ)と入出力ユニット3(監視用端末)とを接続する配線7Aと、入出力ユニット3と入力ユニット4とを接続する配線7Bと、入力ユニット4と各温湿度センサ5(監視用端末など)を接続する配線8と、センササーバ2と認証キーソケット6を接続する配線9は、図4の概略構成図に示す如き配線により構成される。
【0030】
即ち、当該配線は、電源供給のためのDC5Vの電源線15と、各部の通信のための通信線16と、グランドに接地された接地線17によって構成され、電源供給及び信号の送受信が可能とされている。
【0031】
また、配線8には、各温湿度センサ5を分岐して接続するための複数の分岐コネクタ40が直列に接続されており、それぞれの分岐コネクタ40には、温湿度センサ5が接続される。具体的には、分岐コネクタ40は、図5の概略構成図に示すように、センササーバ2側(上流側)の配線(最もセンササーバ2に近い分岐コネクタ40の場合配線8)が着脱自在に接続される第1の主通信線用取付口41と、非センササーバ2側(下流側)の配線が着脱自在に接続される第2の主通信線用取付口42と、副通信線用取付口43が構成されている。
【0032】
図1に示す如き実施例では、配線8には、9個の温湿度センサ5(5A〜5I)が分岐コネクタ40(40A〜40I)を介して着脱自在に接続される。そのため、最もセンササーバ2(実際には、入力ユニット4)側の配線8に接続される分岐コネクタ40Aの第1の主通信線用取付口41には、配線8が着脱自在に接続され、第2の主通信線用取付口42には、配線8A(センササーバ2から更に遠い位置にある温湿度センサ5B等に向かう主通信線)が着脱自在に接続される。そして、副通信線用取付口43には、配線44Aを介して温湿度センサ5Aが着脱自在に接続される。
【0033】
同様に、センササーバ2側から2つめの分岐コネクタ40Bの第1の主通信線用取付口41には、上流側に位置する分岐コネクタ40Aの第2の主通信線用取付口42に接続された配線8Aが着脱自在に接続され、第2の主通信線用取付口42には、配線8B(センササーバ2から更に遠い位置にある温湿度センサ5C等に向かう主通信線)が着脱自在に接続される。そして、副通信線用取付口43には、配線44Bを介して温湿度センサ5Bが着脱自在に接続される。以下、同様に、各分岐コネクタ40を介してそれぞれの温湿度センサ5(5C〜5I)が接続される。
【0034】
ここで、図6は分岐コネクタ40の概略ブロック図を示す。分岐コネクタ40は、分岐コネクタ側制御装置としてのカプラIC45を有しており、当該カプラIC45は、CPU48、記憶手段としてのメモリ49と、半導体スイッチング素子46と、通信部50、電源部57等を備えている。この半導体スイッチング素子46は、第1の主通信線用取付口41を副通信線用取付口43に電気的に接続するか切り離すかを切り換えるものであり、当該スイッチング素子46は、カプラIC45のCPU48により切り換え制御される。また、分岐コネクタ40には、LED表示器47が設けられている。なお、メモリ49には分岐コネクタ40自体のIDコードや分岐コネクタである旨の識別データ等が記憶されている。
【0035】
そして、分岐コネクタ40内では、上記第1の主通信線用取付口41と第2の主通信線用取付口42とが配線60により接続されていると共に、当該第2の主通信線用取付口42と並列に、カプラIC45が接続された副通信線用取付口43が配線61により第1の主通信線用取付口41に接続されている。
【0036】
次に、本発明のセンサユニットとしての温湿度センサ5の構成について図7乃至図9を参照して説明する。図7は温湿度センサ5の概略外観図、図8は温湿度センサ5のケース59を外した状態の概略構成図、図9は温湿度センサ5の概略ブロック図をそれぞれ示している。温湿度センサ5は、センサ制御手段としてのCPU51と、記憶手段としてのメモリ52と、通信部53と、電源部54と、温度検出素子としての温度センサ部55A、55Bと、湿度検出素子としての湿度センサ部56A、56B等から構成されている。
【0037】
本実施例では、図7に示すように基板58の一面に、温度検出素子としての温度センサ部が、55Aと55Bの二つ設けられており、これらは、実質的に同一の雰囲気中に配置されるように近接して設けられる。同様に基板58の一面に、湿度検出素子としての湿度センサ部が、56Aと56Bの二つ設けられており、これらも実質的に同一の雰囲気中に配置されるように近接して設けられる。本実施例では、それぞれの検出ファクタに対し、二つずつの検出素子が設けられているが、これに限定されるものではなく、複数であればよく、3つ以上であっても良い。
【0038】
そして、これら温度センサ部55A、55B及び湿度センサ部56A、56Bが取り付けられた基板58は、配線44が引き出された状態で、ケース59内に収納される。
【0039】
係る構成により、CPU51は、それぞれの温度センサ部55A、55Bが検出する温度データ、及び湿度センサ部56A、56Bが検出する湿度データを取り込み、一旦メモリ52に書き込む。そして、通信部53により、配線44、8、7の信号線16を介してセンササーバ2からポーリングされると、メモリ52に書き込まれた温度データ及び湿度データを通信部53により信号線16を介してセンササーバ2に送信する。
【0040】
なお、メモリ52には温湿度センサ5自体のIDコードや温湿度センサである旨の識別データ等が記憶されている。
【0041】
次に、認証キーソケット6について図10乃至図12を参照して説明する。図10は認証キーソケット6の正面図、図11は認証キーソケット6の概略構成側面図、図12は認証システムSの概略構成図をそれぞれ示している。本発明の認証システムSは、認証キーソケット6と、認証キー66と、当該認証キーソケット6が接続されるセンササーバ(コントローラ)2、入力ユニット4とから構成され、常には、挿入されていない認証キー66を認証キーソケット6に装着することにより、警戒監視制御の「開始」及び「解除」を実行するものである。
【0042】
認証キーソケット6は、前面に前面パネル65Aが設けられた筐体65により本体が構成されており、当該前面パネル65Aには、認証キー66が着脱自在に装着(本実施例では挿入)される挿入口65Bが形成されている。また、この前面パネル65Aには、認証キー66の挿入及び認証の状態を表示する発光素子としてのLED表示器67と、音声出力用のスピーカー68が設けられている。本実施例において、当該認証キーソケット6は、栽培施設の主出入口の外壁内に設けられている。
【0043】
筐体65内には、挿入口65Bから挿入される認証キー66を収容するキー収容部69が形成されており、当該キー収容部69には、下面に設けられて前部が常時上側に付勢されている下バネ部材70と、上面に設けられて前部が常時下側に付勢されている上バネ部材71が設けられている。これにより、挿入される認証キー66が両バネ部材70、71の付勢力によって挿脱自在に保持されると共に、両バネ部材70、71は認証キー66のメモリ部87の両極に接続する端子を構成する。
【0044】
そして、このキー収容部69には、上バネ部材71側に通信線73に接続される通信用端子73Aが、下バネ部材70側に接地線74に接続される接地用端子74Aが設けられる。これにより、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま認証キー66への給電がなされ、後述する電源部90にも充電され、データの取得が可能となる。なお、図中72は、前記LED表示器67への配線である。
【0045】
また、このキー収容部69の前部には、後述する認証キー66に設けられるマグネット66Mと共に認証キー検出手段を構成するリードスイッチ75が設けられている。リードスイッチ75の出力は、前記信号ケーブル95(95A〜95H)を介して入力ユニット4の入出力部33のいずれかのチャンネルに接続されている。従って、認証キー66が認証キーソケット6(6A〜6H)に挿入されると、リードスイッチ75が反応して直ちにそのことが入力ユニット4に通報される。
【0046】
そして、筐体65内のキー収容部69の上方であって、前記スピーカー68の後方には、音声発生器としての音声ボード77が設けられている。この音声ボード77は、基板78に、制御手段としてのI/OスイッチIC79と、記憶手段としての音声ROM80と、蓄電手段としてのコンデンサ81と、入出力部82と、通信部84等が設けられることにより構成されている。なお、音声ROM80には音声ボード77自体のIDコードや音声ボードである旨の識別データ等が記憶されている。そして、この入出力部82には、通信線83を介してスピーカー68、配線93を介してLED表示器用配線72が常時、接続されている。また、入出力部82には、通信線73、接地線74を介してキー収容部69のそれぞれの端子73A、74Aに接続されている。また、通信部84には、上述したように一端がセンササーバ2に接続される配線9が接続されている。
【0047】
一方、上記認証キー66は、前記挿入口65Bよりキー収容部69内に収容される本体66Aの先端部に不揮発性の記憶媒体としてのメモリ部87が設けられており、本体66Aの他側には、把手部66Bが設けられている。本体66Aには、メモリ部87の下面電極に対して電気的な接続が可能となるような図示しない開口が形成されている。また、この本体66Aの把手部66B側には、挿入口65Bに挿入された際に、前記リードスイッチ75と対応する位置にマグネット66Mが設けられている。
【0048】
メモリ部87は、上面及び他の面が一対の電極を成すように金属導体により構成されており、内部には、図13のブロック図に示すように制御手段としてのCPU88と、記憶手段としてのメモリ89と蓄電手段としての電源部90と、通信部91等が設けられている。メモリ89には、認証キー66の所持者に関するデータ、具体的には管理者であることを示す個人情報(例えば、氏名、IDコード、複数桁の数字や記号等)を特定の情報として格納している。そして、メモリ部87の両極にキー収納部69の上下バネ部材70、71が接触してメモリ部87の内容をリード可能とする。
【0049】
以上の構成で、動作を説明する。先ず、各監視用端末(例えば、入出力ユニット3、温湿度センサ5、認証キーソケット6、図示しないドアセンサなど)の接続時の動作を説明する。センササーバ2に配線7A(信号線16)を介して入出力ユニット3が接続されると、センササーバ2のCPU21は、入出力ユニット3にポーリングを行う。このポーリングに対して入出力ユニット3のメモリ35に記憶されている自らのIDコードを返信する。センササーバ2のCPU21は、返信されたIDコードにより入出力ユニット3の接続状況を識別し、メモリ22に保有すると共に、以後は、このIDコードを用いて入出力ユニット3に対してデータを送信することになる。
【0050】
また、更に、入出力ユニット3の先に配線7Bを介して入力ユニット4が接続されると、センササーバ2は同様に入力ユニット4にポーリングを行う。これに対して、入力ユニット4は自らのIDを返信するので、センササーバ2のCPU21は、そのIDコードをメモり22に記憶し、以降は、このIDコードを用いて入力ユニット4に対するデータの送受信を行う。
【0051】
同様に、入出力ユニット3の入出力部33に各ドアセンサが接続された場合には、センササーバ2のCPU21は、入出力ユニット3を介して当該ドアセンサにポーリングを行う。このポーリングに対して当該ドアセンサのメモリに記憶されている自らのIDコードを返信し、センササーバ2のCPU21は、返信されたIDコードにより当該ドアセンサの接続状況を識別し、メモリ22に保有すると共に、以後は、このIDコードを用いて当該ドアセンサに対してデータを送信することになる。
【0052】
次に、入力ユニット4の出力部32に接続された配線8(通信線16)への分岐コネクタ40及び温湿度センサ5とのデータ送受信動作について図14のフローチャートを参照して説明する。先ず初めにステップS1にて接続されている分岐コネクタ40の接続状況の識別動作を行う。センササーバ2のCPU21は、配線8に接続された分岐コネクタ40のカプラIC45に対し、ポーリングを行う。このポーリングに対してカプラIC45のCPU48は、メモリ49に記憶されている自らのIDコードを返信する。センササーバ2のCPU21は、返信されたIDコードにより分岐コネクタ40の接続状況を識別し、メモリ22に保有すると共に、以後は、このIDコードを用いて分岐コネクタ40に対してデータを送信することになる。
【0053】
次に、ステップS2にて上記識別動作が行われた分岐コネクタ40に接続されている温湿度センサ5の接続状況の識別動作を行う。センササーバ2のCPU21は、配線8、配線44(通信線16)に接続された温湿度センサ5に対し、ポーリングを行う。このポーリングに対して温湿度センサ5のCPU51は、メモリ52に記憶されている自らのIDコードを返信する。センササーバ2のCPU21は、返信されたIDコードにより温湿度センサ5の接続状況を識別し、メモリ22に保有すると共に、以後は、このIDコードを用いて温湿度センサ5に対してデータを送信することになる。
【0054】
なお、新たに分岐コネクタ40を介して温湿度センサ5が追加して接続された場合には、当該接続状況をセンササーバ2のCPU21が検出し、IDコードの取得を行い、ネットワークHub11を介して所定の外部機器(例えばPCや携帯電話など)に追加して温湿度センサ5が接続された旨を送信(電子メール等)する。これにより、外部機器のディスプレイには、新たな温湿度センサが表示され、遠隔地にいる使用者や管理者は、外部機器を介して追加接続された監視用端末を確認することができる。
【0055】
次に、実際のセンササーバ2によるデータ取得動作(ステップS3)について説明する。センササーバ2のCPU21は前記ドアセンサや温湿度センサ5(本実施例では、温湿度センサ5A〜5I)に所定の周期でポーリングを行う。なお、本実施例では、入出力ユニット3と入力ユニット4が最もポーリングの優先度が高く、次に、入出力ユニット3に直接接続されるドアセンサの優先度が高く、比較的短い周期にてポーリングが行われ、温湿度センサ5は、データ取得の優先度が低く、比較的長い周期にてポーリングが行われる。
【0056】
このポーリングは前述のIDコードに基づいて行われる。ここでは、温湿度センサ5のデータ取得動作について説明する。温湿度センサ5のCPU48は、上述したように温度センサ部55A、55Bが検出する温度を取り込み、メモリ49に書き込む。検出の度に、随時メモリ49には新たな温度データに更新される。同様に温湿度センサ5のCPU48は、上述したように湿度センサ部56A、56Bが検出する湿度を取り込み、メモリ49に書き込む。検出の度に、随時メモリ49には新たな温度データに更新される。
【0057】
先ず、センササーバ2は、それぞれの温湿度センサ5の優先度に応じた周期毎に、当該温湿度センサ5が取り付けられた分岐コネクタ40のカプラIC45(温湿度センサ5Aの場合、分岐コネクタ40AのカプラIC45)に当該カプラIC45のIDコードと共に、第1の主通信線用取付口41に副通信線用取付口43を電気的に接続するように指示する。これにより、配線44(副通信線。この場合配線44A)を介して温湿度センサ5(この場合温湿度センサ5A)を配線8(主通信線)に接続する。これと共に、センササーバ2は、当該分岐コネクタ40のカプラIC45に当該分岐コネクタ40に設けられるLED表示器47を点灯する旨の指示を送信する。
【0058】
次に、センササーバ2のCPU21は、当該温湿度センサ5のIDコードと共に当該温湿度センサ5のCPU51にポーリングを行い、温湿度センサ5のCPU51はそれに応えてメモリ52に書き込まれた温度データ(温度センサ部55A、55B)及び湿度データ(湿度センサ部56A、56B)をセンササーバ2のCPU21に返信する。また、カプラIC45は、当該分岐コネクタ40のLED表示器47を点灯する。
【0059】
センササーバ2は、順次、優先度に応じて所定の周期で接続されている温湿度センサ5やドアセンサから温度や湿度、扉や窓の開閉等のデータを収集し、ネットワークHub11を介して所定の出力端末(例えばPCや携帯電話など)に送信(電子メールなど)を行う。これにより、使用者や管理者は温度や湿度、扉や窓の開閉に関する情報を把握することが可能となる。
【0060】
ここで、上述した如きセンササーバ2と各監視用端末とのデータの送受信により、センササーバ2のCPU21は、ステップS4にて現在接続が検出されている全ての監視用端末(入出力ユニット3、温湿度センサ5、ドアセンサ、認証キーソケット6等)のデータが正常であるか、即ち、受信したデータが異常なものでないか、若しくは、通信できない状況でないかを判断する。ここで、係る状況とは、監視側端末としての温湿度センサ5等が取り外されてしまったことによるものや、当該温度センサ5等の電源線と接地線の短絡による主通信線全体の電源のダウン、更には、通信線と接地線との短絡により発生する送受信不能などが挙げられる。当該CPU21が正常なものと判断した場合には、再びステップS3に戻る。
【0061】
一方、センササーバ2が特定の監視用端末の受信データの異常や特定の監視用端末と通信できないなどの状況を判断した場合、ステップS5に進む。このステップS5では、当該センササーバ2は、故障が発生した監視用端末を特定する。例えば、温湿度センサ5Bが故障した場合には、センササーバ2のCPU21は、当該温湿度センサ5Bが接続される分岐コネクタ40BのCPU48に異常となった温湿度センサ5Bを電気的に切り離す旨の指示を送信する。また、センササーバ2は、当該分岐コネクタ40Bに対し、上記指示に加えて、当該分岐コネクタ40Bに設けられるLED表示器47を消灯する旨の指示を送信する。
【0062】
これに基づき、分岐コネクタ40BのカプラIC45は、スイッチング素子46により、第1の主通信線用取付口41を副通信線用取付口43と電気的に切り離す。また、カプラIC45は、当該分岐コネクタ40Bに設けられるLED表示器47を消灯する。
【0063】
その後、センササーバ2のCPU21は、ステップS6に進み、既に警報したか否かを判断し、未だに警報をしていないものと判断したときは、ステップS7に進み、当該異常の内容、この場合、温湿度センサ5Bに短絡等の故障が発生した旨をネットワークHub11を介して所定の外部機器(例えばPCや携帯電話など)にする送信(電子メールなど)を行う。また、当該警報は、これに限定されるものではなく、認証キーソケット6に設けられる音声ボード77にその旨を出力することにより、音声出力(「温湿度センサ5Bが故障しました」等の音声出力)を行っても良い。
【0064】
警報した後は、再び、ステップS3に戻る。なお、警報は、一度実行した後は、リセットしない限り、再度実行しないものとしても良いが、これに限定されるものではなく、当該実行後、所定時間経過後に、再び実行するものとしても良い。また、異常の内容に応じて、一度のみ実行する場合や、所定時間経過後に再度実行する場合を設けても良い。
【0065】
これにより、本実施例の如く同一の配線8(通信線16)に複数の監視用端末としての温湿度センサ5・・・が接続されている場合に、一部の監視用端末(例えば温湿度センサ5B)に短絡等の異常が発生しても、分岐コネクタ40(この場合分岐コネクタ40B)において、第1の主通信線用取付口41と当該温湿度センサ5Bが取り付けられる副通信線用取付口43とは電気的に切り離され、第1の主通信線用取付口41は、後段(非センササーバ2側)の第2の主通信線用取付口42と接続されていることから、通信線全体でデータの送受信ができなくなる不都合を回避することが可能となる。
【0066】
そのため、短絡等の異常が発生している以外の監視用端末(この場合、特に、温湿度センサ5Bよりも非センササーバ2側に接続される温湿度センサ5C〜5I)と、センササーバ2とのデータの送受信を支障なく行うことが可能となる。
【0067】
また、本実施例ではセンササーバ2が監視用端末の受信データの異常や監視用端末と通信できないなどの状況(電気的に通信できなくなる場合のみならず、物理的に監視用端末としての温湿度センサ5が取り外された場合も含む)が発生した場合には、上述したように異常の内容をネットワークHub11を介して所定の外部機器に送信(電子メールなど)を行う。これにより、温湿度センサ5等の監視用端末の配線8(通信線16)への接続状況や異常発生状況を外部に報知することができ、容易に使用者や管理者は、当該状況を認識することが可能となる。異常等に対して早期対応を実現することができる。また、遠隔地にいる使用者等でも確認することができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0068】
本実施例では、これに加えて、異常が発生した監視用端末(温湿度センサ5)が取り付けられる分岐コネクタ40のLED表示器47にて異常が発生している旨を外部に報知する。従って、分岐コネクタ40が複数設けられているために、異常が発生している監視用端末の特定が困難である場合であっても、当該分岐コネクタ40のLED照明制御部32表示器47にて異常が発生してることが外部から認識可能とされている(この場合消灯している)ので、設置現場において、容易に当該監視用端末を特定することが可能となる。これにより、交換修理等のメンテナンス作業性の向上を図ることができる。
【0069】
また、認証キーソケット6に設けられる音声ボード77により音声出力を行うため、使用者等は、より一層容易に当該状況を認識することが可能となる。
【0070】
本実施例において、温湿度センサ5は、上述したように、温度センサ部が二つ(55A、55B)と、湿度センサ部が二つ(56A、56B)設けられている。そのため、それぞれの温度センサ部55A、55Bにて検出された温度データ及び湿度センサ部56A、56Bにて検出された湿度データに基づきこれらの平均値を算出することで、より信頼性の高いデータを取得することが可能となる。そのため、センササーバ2を介して外部機器のディスプレイ等には、当該平均値を表示することで、信頼性の高い温度、湿度表示を行うことが可能となる。
【0071】
また、これらに差が生じている場合には、何れか一方の検出部55A又は55B(若しくは、56A又は56B)に検出異常が発生していることを判定することが可能となる。以下、図15のフローチャートを参照して、センサ5自体の異常検出・警報動作について説明する。
【0072】
上述したようにセンササーバ2のCPU21は、当該温湿度センサ5へポーリングを行うことにより、温湿度センサ5のCPU51はメモリ52に書き込まれたそれぞれの温度センサ部55A、55B及び湿度センサ部56A、56Bにて検出されたデータを返信する(ステップS11)。
【0073】
センササーバ2のCPU21は、ステップS12において、当該返信された温度センサ部55A、55Bの温度データに基づき、これらの差を算出する。得られた温度差が例えば1.5℃(警報温度差)よりも大きい場合には、何れかの温度センサ部55A、55Bに異常が発生している、即ち、故障が発生しているものとして、ステップS13に進む。同様に、センササーバ2のCPU21は、当該返信された湿度センサ部56A、56Bの湿度データに基づき、これらの差を算出する。得られた湿度差が例えば4%(警報湿度差)よりも大きい場合には、何れかの湿度センサ部56A、56Bに異常が発生している、即ち、故障が発生しているものとして、ステップS13に進む。
【0074】
そして、センササーバ2のCPU21は、ステップS13にて、既に警報を実行したか否かを判断し、警報している場合には、再びステップS11に戻る。一方、未だ、警報を実行していない場合には、ステップS14に進み、警報動作を実行する。具体的には、当該異常の内容、この場合、当該温湿度センサ5に警報温度差若しくは、警報湿度差が生じた旨をネットワークHub11を介して所定の外部機器(例えばPCや携帯電話など)に送信(電子メールなど)を行う。
【0075】
警報を実行した後、ステップS15に進む。ステップS15では、再度、センササーバ2のCPU21に返信された温度センサ部55A、55Bの温度データに基づき、これらの差を算出する。更に、何れか一方の故障が進行することで、得られた温度差が例えば3.0℃(異常温度差)よりも大きい場合には、何れかの温度センサ部55A、55Bに前記警報時よりもより緊急性の高い異常事態が発生している、即ち、検出される温度データは信頼性が著しく低いものであり、早急に交換作業が必要となる事態であるものとしてステップS16に進む。
【0076】
同様に、センササーバ2のCPU21は、当該返信された湿度センサ部56A、56Bの湿度データに基づき、これらの差を算出する。得られた湿度差が例えば8%(異常湿度差)よりも大きい場合には、何れかの湿度センサ部56A、56Bに前記警報時よりもより緊急性の高い異常事態が発生している、即ち、検出される温度データは信頼性が著しく低いものであり、早急に交換作業が必要となる事態であるものとしてステップS16に進む。
【0077】
そして、センササーバ2のCPU21は、ステップS16にて、既に異常通知を実行したか否かを判断し、異常通知している場合には、再びステップS11に戻る。一方、未だ、異常通知を実行していない場合には、ステップS17に進み、異常通知動作を実行する。具体的には、当該異常の内容、この場合、当該温湿度センサ5に異常温度差若しくは、異常湿度差が生じた旨をネットワークHub11を介して所定の外部機器(例えばPCや携帯電話など)に送信(電子メールなど)を行う。
【0078】
このように、本実施例では、同一の検出ファクタ、この場合温度や湿度についての検出動作を行う検出部を一つの温湿度センサ5に2つずつ設けたので、それらの検出結果の差に基づき何れかの検出部の異常を検出することが可能となる。特に、これらは、相互に近接して設けられることで、実質的に同一雰囲気、若しくは同一条件となる狭い範囲の検出が可能となり、これらの検出結果に基づいて、より確実に検出部の異常を検出することが可能となる。
【0079】
また、本実施例では、当該検出結果の差に基づき段階的に異常判定を行い(本実施例では、ステップS12、S15)、それぞれにおいて、警報動作や、異常通知動作を実行する。これにより、現在の温湿度センサ5の異常の度合いを早期に使用者や管理者に認識させることができ、適切な時期に温湿度センサ5の修理や交換作業を実行することが可能となる。
【0080】
次に、センササーバ2に配線9を介して接続された認証キーソケット6とデータ送受信の動作について説明する。センササーバ2は、図14のフローチャートで説明したのと同様に、先ず、接続されている端末(この場合、分岐コネクタ40J〜40R)の識別動作を行う。センササーバ2のCPU21は配線9(9及び9A乃至9G)に接続された分岐コネクタ40J〜40RのカプラIC45に対してポーリングを行い、返信されたIDコードを受け取ってメモり22に記憶する。IDコードによりその端末が分岐コネクタであることがわかるので、以降はこのIDコードを用いて当該分岐コネクタ40J〜40Rに対するデータ及びコマンドの送受信を実施する。
【0081】
次に、上記ステップにて識別された分岐コネクタ40に接続されている端末(この場合、認証キーソケット6)の識別動作を行う。そこで、センササーバ2のCPU21は分岐コネクタ40のカプラIC45に対して、第1の主通信線取付口41に副通信線取付口43を電気的に接続するように指示する。これにより、配線(副通信線。この場合は配線9A)を介して認証キーソケット6を配線9に接続する。そして、副通信線の先に接続された端末即ち認証キーソケット6に対してポーリングを行い、そのIDコードを取得して自身のメモリ22に記録する。CPU21はIDコードを内部のテーブルと照合することによりそれが認証キーソケットであることを識別する。以降は当該認証キーソケットに対するデータおよびコマンドの送受信はそのIDコードを用いて実施する。
【0082】
以上の処理を繰り返すことで、センササーバ2のPCU21は配線9につながれたすべての分岐コネクタ40と認証キーソケット6のIDコードを収集してメモリ22に記録する。なお、実施例において認証キーソケット6のポーリングの優先度は最低に設定しており、そのため、センササーバ2は認証キーソケット6及び認証キーソケット6がつながれた配線9の分岐コネクタ40については、普段はポーリングを実施しない。
【0083】
この状態で、常には装着されていない認証キー66が認証キーソケット6の挿入口65Bに挿入に挿入されると、認証キー66に設けられたマグネット66Mによりキー収容部69に設けられたリードスイッチ75の接点が閉じる。このリードスイッチ75の接点信号は、信号ケーブル95を介して入力ユニット4の入出力部32に入力される。
【0084】
そして、優先度の高い入力ユニット4にセンササーバ2がポーリングするとそれに応じて入力ユニット4のCPU21は、現在リードスイッチ75の接点信号が入力されている旨、即ち、認証キー66が装着された旨のデータを送信(通報)する。
【0085】
当該通報に基づきセンササーバ2のCPU21は、内蔵されているソフトを起動し、配線9、分岐コネクタ40、副通信線9A等を介して認証キー66にポーリングを行う。このポーリングに対して装着された認証キー66のメモリ部87のCPU88は、メモリ89に記憶されている自らのIDコードを返信する。センササーバ2のCPU21は、返信されたIDコードにより当該認証キー66が既に登録されている何れかの使用者又は管理者であるかを識別し、当該登録されているIDコードと一致する場合には、警戒監視制御の「開始」及び「解除」動作を実行する。
【0086】
これにより、常にはポーリングの対象ではなく、かつ、常には認証キーソケット6に装着されていない認証キー66を検出手段としてのリードスイッチ75によって装着されたことを直ちに検出し、センササーバ2のCPU21が早期に配線9を介して認証キー66とのデータの送受信を行うことが可能となる。
【0087】
従来は、センササーバ2に複数の監視用端末、例えば複数の温湿度センサ5やドアセンサなどが接続されてデータの収集が行われているときは、常には装着されていない認証キー66へのポーリングの順番が長時間おきにしか回ってこない、若しくは、ポーリングがされない場合がある。しかし、本実施例のように、リードスイッチ75による認証キー66の装着検出に基づいて、センササーバ2のCPU21が認証キーソケット6に装着された認証キー66を早期に認証することが可能となり、認証キー66の認証に要する時間(実際には、最初にセンササーバ2が認証キー66の装着を検出するまでに要する時間)を短縮することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0088】
特に、本実施例では、センササーバ2のCPU21との送受信において、他に接続されている監視用端末(本実施例では、温湿度センサ5など)よりも優先度の高い入力ユニット4または入出力ユニット3からの通報に基づき、センササーバ2は、認証キーソケット6に装着された認証キー66に対してデータの送信要求を行う。これにより、認証キー66の装着検出を行うリードスイッチ75が接続される入力ユニット4または入出力ユニット3による当該通報によって、常にはポーリングを行っていない、若しくは、長い周期にてポーリングを行っている認証キー66に対し、早期にセンササーバ2により、認証キー66とデータの送受信を行うことが可能となる。
【0089】
従って、認証キーソケット6への認証キー66の装着を検出するリードスイッチ75の配線をセンササーバ2まで延長させることなく、早期に認証キー66をセンササーバ2にて認証することが可能となる。
【0090】
ただし、上記実施例に限定されるものではなく、優先度の高い音声ボード77等の監視用端末を介することなく、認証キーソケット6の認証キー66への通信線を直接センササーバ2に接続して、検出手段としてのリードスイッチによる認証キー66の装着検出により、センササーバ2により送受信を可能としても良い。
【0091】
また、本実施例の如くリードスイッチ75による認証キー66の認証キーソケット6への装着検出が行われない場合には、他のキー(例えばマグネット66Mが設けられていない認証キー)などが挿入されてもセンササーバ2は、認証キー66へのポーリングを行わないことから、安全性の向上を図ることが可能となる。
【0092】
更に、認証キー66が認証キーソケット6に装着されたままである場合には、リードスイッチ75の接点が閉じたままとされることから、センササーバ2は、未だに認証キー66が取り外されていないことを容易に判断することができ、ノイズなどによる誤作動を抑制することが可能となる。
【0093】
なお、本実施例では、認証キー66の認証キーソケット6への装着検出手段としてリードスイッチ75を挙げているが、これに限定されるものではなく、プッシュスイッチ(認証キー66の装着により押されてON信号を発生するもの)や、赤外線スイッチ(認証キー66の装着によって赤外線が遮ることで装着信号を発生するもの)などであっても良い。
【0094】
また、本実施例における認証キー66は、挿入口65Bよりキー収容部69内に収容される本体66Aと、把手部66Bとから構成される所謂カギ形状とされているが、これに限定されるものではなく、本実施例の如きメモリ部87を備えているものであれば、カード状であっても良い。
【実施例2】
【0095】
次に、図16乃至図18を参照して実施例2としての温湿度センサ(センサユニット)94について説明する。図16は温湿度センサ94の概略正面図、図17は温湿度センサ94の概略背面図、図18は当該温湿度センサ94が取り付けられた状態を示す概略説明図である。
【0096】
係る実施例における温湿度センサ94は、上記実施例1と同様に、センサ制御手段としてのCPUと、記憶手段としてのメモリと、通信部と、電源部と、温度検出素子としての温度センサ部95A、95Bと、湿度検出素子としての湿度センサ部96A、96B等から構成されている。
【0097】
本実施例では、図16、図17に示すように基板97の表面に相当する一面97Aに、第1の温度検出素子としての温度センサ部が95Aと、第1の湿度検出素子としての湿度センサ部96Aが配設されていると共に、裏面に相当する他面97Bには、第2の温度検出素子としての温度センサ部95Bと、第2の湿度検出素子としての湿度センサ部96Bが配設されている。
【0098】
一方、図18は、当該実施例の温湿度センサ94を備えたショーケース110の部分概略断面図を示している。当該ショーケース110は、例えば前面に開口する断熱箱体111により構成されており、当該断熱箱体111の背壁の内側には、所定間隔を存して仕切板112が形成されている。これにより、断熱箱体111の背壁と仕切板112との間には、冷気ダクト115が形成されると共に、前方には前面に開口する陳列室116が形成されている。そして、冷気ダクト115内には、冷却装置Rを構成する冷却器113と送風機114が配設されている。
【0099】
そして、係る冷気ダクト115と陳列室116とを区画する仕切板112であって、冷気の吹出側には、本実施例の温湿度センサ94を配設するための貫通孔117が形成されている。当該貫通孔117には、前記センサ94の基板の一面97Aが陳列室116側に臨むように配設されると共に、当該他面97Bが冷気ダクト115の冷気吹出側に臨むように配設される。
【0100】
係る構成により、陳列室116側にセンサ94の第1の温度センサ部95Aと第1の湿度センサ部96Aが配置され、冷気ダクト115の冷気吹出側にセンサ94の第2の温度センサ部95Bと第2の湿度センサ部96Bが配設される。
【0101】
これにより、当該温湿度センサ94の第1の温度センサ部95Aにより検出される温度は、陳列室116内の温度となり、第2の温度センサ部95Bにより検出される温度は、冷気ダクト115の冷気吹出側の温度となる。また、第1の湿度センサ部96Aにより検出される湿度は、陳列室116内の湿度となり、第2の湿度センサ部96Bにより検出される湿度は、冷気ダクト115の冷気吹出側の湿度となる。
【0102】
従って、当該ショーケース110に設けられる制御装置118は、当該温湿度センサ94により検出される陳列室116内の温度及び湿度、更には、冷気ダクト115の冷気吹出側の温度及び湿度により冷気ダクト115に配設される送風機114を制御することが可能となる。
【0103】
即ち、本実施例における温湿度センサ94によれば、同時に異なる環境、この場合、陳列室116内と冷気ダクト115の冷気吹出側の温度や湿度を検出することができ、例えば、これらの温度及び湿度の差が小さい場合には、制御装置118は、前記送風機114の回転数を低下させ、若しくは、停止し、これらの温度及び湿度の差が大きい場合には、送風機114の回転数を上昇させ、若しくは、運転することが可能となる。
【0104】
これにより、一つのセンサユニットにて検出ファクタが異なる領域、この場合、温度、湿度が異なる陳列室116内と冷気ダクト115内の状況を検出することが可能となる。
【0105】
なお、当該センサユニットの用途はこれに限定されるものではなく、検出ファクタが異なる領域、この場合、温度や湿度が異なる領域に設けることで、利便性の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0106】
次に、図19の温湿度センサ120の概略構成図を参照して実施例3としての温湿度センサ(センサユニット)120について説明する。係る実施例における温湿度センサ120は、上記実施例1と同様に、センサ制御手段としてのCPUと、記憶手段としてのメモリと、通信部と、電源部と、温度検出素子としての温度センサ部121A、121Bと、湿度検出素子としての湿度センサ部122A、122B等から構成されている。
【0107】
本実施例では、基板123の一面にこれら温度センサ部121A、121B、湿度センサ部122A、122Bが配設される。このとき、第1の温度センサ部121Aと第1の湿度センサ部122Aは、当該基板123の一側に配設されると共に、第2の温度センサ部121Bと第2の湿度センサ部122Bは、基板123の他側に配設される。
【0108】
係る構成により、第1の温度センサ部121Aと第2の温度センサ部121Bとは、所定の間隔、この場合基板123の略幅寸法の距離だけ離間して配置されているので、これら温度センサ部121A、121Bの検出に基づき、当該温湿度センサ120が配設された環境の当該センサ120の設置範囲における温度分布を把握することが可能となる。
【0109】
同様に、第1の湿度センサ部122Aと第2の湿度センサ部122Bとは、所定の間隔、この場合基板123の略幅寸法の距離だけ離間して配置されているので、これら湿度センサ部122A、122Bの検出に基づき、当該温湿度センサ120が配設された環境の当該センサ120の設置範囲における湿度分布を把握することが可能となる。
【0110】
従って、温度差や湿度差が生じやすい箇所に、これら一側に設けられる温度センサ部121A、湿度センサ部122Aと、他側に設けられる温度センサ部121B、湿度センサ部122Bとが異なる異なる条件となる位置となるように当該温湿度センサ120を取り付ける。これにより、その環境における温度分布や湿度分布を検出することが可能となり、これに基づき、当該非空調空間の送風機制御や冷却装置や加熱装置の制御することができる。これにより、当該非空調空間を精度良く温度、湿度調整することが可能となる。
【0111】
なお、上記各実施例では、それぞれの検出ファクタに対し、二つずつの検出素子が設けられているが、これに限定されるものではなく、複数であればよく、3つ以上であっても良い。また、上記各実施例では、検出ファクタとして、温度や湿度を挙げ、温度検出素子や、湿度検出素子を基板上に配設しているが、検出ファクタは、これに限定されるものではなく、これ以外にも、圧力や照度、雨などとして、圧力検出素子や照度検出素子、レインセンサ等を基板上に配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の監視システムの構成を示す概略図である。
【図2】センササーバ(監視用コントローラ)の概略構成図である。
【図3】入出力ユニット(監視用端末)の概略構成図である。
【図4】配線の概略構成図である。
【図5】分岐コネクタの概略構成図である。
【図6】分岐コネクタの概略ブロック図である。
【図7】温湿度センサの概略外観図である。(実施例1)
【図8】温湿度センサの概略構成図である。(実施例1)
【図9】温湿度センサの概略ブロック図である。(実施例1)
【図10】認証キーソケットの正面図である。
【図11】認証キーソケットの概略構成側面図である。
【図12】認証システムの概略構成図である。
【図13】認証キーのメモリ部の概略ブロック図である。
【図14】センササーバと、分岐コネクタ及び温湿度センサとのデータ送受信動作のフローチャートである。
【図15】センサ自体の異常検出・警報動作のフローチャートである。
【図16】温湿度センサの概略正面図である。(実施例2)
【図17】温湿度センサの概略背面図である。(実施例2)
【図18】温湿度センサが取り付けられた状態を示す概略説明図である。(実施例2)
【図19】温湿度センサの概略構成図である。(実施例3)
【図20】従来の温湿度センサの概略外観図である。
【図21】従来の温湿度センサの概略構成図である。
【符号の説明】
【0113】
S 認証システム
1 監視システム
2 センササーバ(監視用コントローラ)
3 入出力ユニット(監視用端末)
5、94、120 温・湿度センサ
6 認証キーソケット
7、8、9、44(44A〜44I)、60、61、93 配線
10 LANケーブル
11 ネットワークHub
12 第1の入出力部
13 第2の入出力部
15 電源線
16 通信線
17 接地線
20、30 コントローラ
21、34、48、51、88 CPU
22、35、49、52、89 メモリ(記憶部)
23、36、50、53、84、91 通信部
24、38 表示器
25、37、54、57、90 電源部
26 I/O部
31 入力部
32 出力部
33 入出力部
40 分岐コネクタ
41 第1の主通信線用取付口
42 第2の主通信線用取付口
43 副通信線用取付口
45 カプラIC(分岐コネクタ側制御装置)
46 半導体スイッチング素子
47 LED表示器
55A、55B、95A、95B、121A、121B 温度センサ部(温度検出素子)
56A、56B、96A、96B、122A、122B 湿度センサ部(湿度検出素子)
58、97、123 基板
65B 挿入口
66 認証キー
66M マグネット
67 LED表示器
68 スピーカー
69 キー収容部
72 LED表示器用配線
73、83、85 通信線
73A 通信線用端子
74 接地線
74A 接地線用端子
75 リードスイッチ(認証キー検出手段)
77 音声ボード
78 基板
79 I/OスイッチIC
80 音声ROM
81 コンデンサ
87 メモリ部
97A 基板の一面(表面)
97B 基板の他面(裏面)
110 ショーケース
112 仕切板
113 冷却器
114 送風機
115 冷気ダクト
116 陳列室
118 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の検出ファクタについての検出動作を行う検出素子を、基板上に複数備えたことを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
前記各検出素子は、相互に近接していることを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記各検出素子は、前記基板の表裏にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記各検出素子は、前記基板上の相互に離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のセンサユニットの各検出素子の出力が入力され、各検出素子の出力に基づいて機器の制御を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項2に記載のセンサユニットの各検出素子の出力が入力され、各検出素子の出力の差に基づき、前記センサユニットの異常判定を行うことを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−180587(P2009−180587A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18974(P2008−18974)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】