説明

センサ信号インターフェース装置とそれを用いたロボット用インターフェースシステム

【課題】センサからの計測データを送信機に送るためのリード線等を不要にすること及びセンサ等の回路にバッテリーを設けることを不要とすること。
【解決手段】本発明は、皮膚表面に沿って自在に変形し得る柔軟性を有するシート上に、筋電センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナコイルを設けることによって、筋肉の膨張・収縮に伴って導出用電極の部位に形状変化が生じた場合でも、この形状変化に応じてシートが変形し、導出用電極は皮膚表面に密着させ、使用者(操作者)の皮膚表面と密着して義手等を制御できることとなり、筋電位信号の計測感度が向上する。また、RFID通信部を介して、筋電位信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、外部から電力を受信できるため、筋電センサと信号処理部とRFID通信部に給電することが可能となり、センサ信号インターフェース装置内部にバッテリー装置を不要とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に装着する筋電センサ等のセンサ信号インターフェース装置とそれを用いたロボット用インターフェースシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のロボット用インターフェースとして、筋電センサを身体に義手ソケットや義肢ソケット等を介して取り付け、筋肉から出る筋電位信号を計測して、それを処理コンピュータで解析して動作を決定するものがある。
【0003】
多用されている筋電センサは、例えば、硬質のプラスチックケースに設けられた筋電位信号導出用の一対の電極が筋繊維と直交するように配設され、人体の手又は足の皮膚表面と電極とが密着して、筋電位信号の導出を行い、導出された筋電位信号はリード線を介して、筋電位信号処理回路に送られるといったものが知られている。
【0004】
上記の筋電センサは、義肢ソケットに固定された一定形状の物体であるため、筋肉の伸縮に伴って筋肉の輪郭に形状変化が生じると、電極と皮膚表面との密着性が悪くなり、筋電位信号が導出できない問題点がある。
【0005】
このような問題を解決するために、柔軟性を有する基板の表面に金箔の電極を設け、他の表面側にはスポンジのごとき弾性変形可能な支持部材を設けた多層構成の筋電センサとし、筋電義肢のソケットの内面に支持部材を貼り付け、腕や足の断端部から筋電位信号を常に安定して導出することができる筋電センサが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−113866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の筋電センサは、計測した筋電位信号から動作を算出する処理コンピュータに、計測データを送信する送信機を取り付けなければならず、通常、数箇所に取り付けられた筋電センサからリード線等の有線で計測データを集約して、身体に取り付けた送信機から送信するということがなされている。この場合に、複数の筋電センサと送信機間が有線ケーブル等で結合されているため、身体に装着が煩雑であった。
【0008】
また、筋電センサや送信機にバッテリー等の給電が必要であり、長時間にわたって計測する必要がある場合には、このバッテリーの寿命や、バッテリー装置の装着の必要が不可避であるといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、筋電位信号等のセンサ信号を常に安定して導出することができるセンサ信号インターフェース装置を提供するとともに、数箇所に取り付けられたセンサから有線で計測データを送信機に送ることを不要とし、さらに、センサ等にバッテリー装置が不要となるセンサ信号インターフェース装置とそれを用いたロボット用インターフェースシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、柔軟性を有するシートであって、一方の面にはセンサを備え、他方あるいは同じ面には前記センサの信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナとを備え、前記アンテナが受電した電力を前記センサと前記信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することと、前記センサの信号処理データが前記無線タグ(RFID)通信部及び前記アンテナを介して送受信されることを特徴とする。
【0011】
ここで、センサとしては、例えば、筋電位信号の導出用電極を備えた筋電センサを使用できる。本発明のセンサ信号インターフェース装置は、上記構成を有することにより、皮膚表面に沿って自在に変形し得る柔軟性を有するシート上に、センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナを設けることによって、筋肉の膨張・収縮に伴って導出用電極の部位に形状変化が生じた場合でも、この形状変化に応じてシートが変形し、導出用電極は皮膚表面に密着するので、使用者(操作者)の皮膚表面と密着して義手や義肢を制御できることとなり、筋電位信号の計測感度が向上する。
【0012】
また、無線タグ(RFID)通信部を介して、筋電位信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、外部から電力を受信できるため、筋電センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することが可能となり、センサ信号インターフェース装置内部にバッテリー装置を不要とすることができる。
【0013】
また、アンテナの形状としては、TVアンテナのように棒状のものでもよく、また、クランプを重ねたものでもよい。また、コイル形状のものでもよい。データ等の送受信に用いられる電波の周波数帯域に応じて、適切なアンテナ形状が選定される。例えば、現在多用されている13.5MHz帯を用いる場合にはコイル形状のアンテナを、また、UHF帯を用いる場合には棒状のアンテナを採用することができる。
【0014】
ここで、「一方の面にはセンサを備え、他方あるいは同じ面には前記センサの信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナとを備え」としているのは、以下の理由による。
柔軟性を有するシートの同じ面にセンサとセンサ信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナとを配設した場合には、製法上、一枚の版で製作できることとなり、生産設備,生産工程が簡素化され、製造コストが小さくできるというメリットがある。
一方、柔軟性を有するシートの異なる面にセンサとセンサ信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナとを配設した場合には、筋電用センサなど人体の皮膚側に貼付する(直接人体に触れる)面側に配置必要なものだけ配置し、他の電子機器で構成される部位が人体に触れないように構成しやすいといったメリットがある。
それぞれのメリットを考慮して最適なシートの配置を選択するのである。
【0015】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、好ましくは、前記アンテナがコイル状に形成され、そのコイルの内径及び/又は巻き数を調整することにより、前記シートの長手方向の必要シート長の制御を可能としたことを特徴とする。現在多用されている13.5MHz帯などは、コイル状に2〜4回ループさせるコイル形状のアンテナがデータ等の送受信に適しているからである。
【0016】
無線タグ(RFID)用アンテナには、アンテナとしての機能が発揮できるために、所定の距離が必要とされるため、コイル状にし、筋電センサの導出用電極の両極間の距離に合わせてアンテナコイルの内径及び/又は巻き数を調整することで、センサ信号インターフェース装置自体をコンパクトにすることができる。
【0017】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、柔軟性を有するシートであって、一方の面には脈拍センサを備え、他方の面には前記脈拍センサの信号処理部と、無線タグ(RFID)通信部と、アンテナとを備え、前記アンテナが受電した電力を前記脈拍センサと前記信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することを特徴とする。
【0018】
本発明のセンサ信号インターフェース装置は、センサとして、脈拍センサを備えたものである。無線タグ(RFID)通信部を介して、脈拍信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、外部から電力を受信できるため、脈拍センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することが可能となり、センサ信号インターフェース装置内部にバッテリー装置を不要とすることができる。
【0019】
RFID通信では電力給電を行う性質上、本発明のセンサ信号インターフェース装置は外部のリーダ装置21と一定の距離内で使用する必要がある。具体例として13.5MHz帯を用いた場合、外部リーダ装置21とセンサ信号インターフェース装置を近接させないと通信出来ない。しかし、センサ信号インターフェース装置を複数使用する場合はむしろ各装置間の混信が無くなることや、図6のようなスーツではリーダ装置と近接することが想定されることなどから筋電センサ用に適していると言えよう。
【0020】
また、最近登場したUHF帯使用の長距離型RFID通信を使うことも可能であり、その場合リーダを人体から離すことが出来るので、例えば患者に取り付けたセンサの状態を読み出すリーダをベッドの側や天井など、数十cmから数m程度離れた場所に設置することが可能になる。体温や脈拍、心筋信号などのモニター用に適している。
【0021】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、柔軟性を有するシートであって、一方の面には体温センサを備え、他方の面には前記体温センサの信号処理部と、無線タグ(RFID)通信部と、アンテナとを備え、前記アンテナが受電した電力を前記体温センサと前記信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することを特徴とする。
【0022】
本発明のセンサ信号インターフェース装置は、センサとして、体温センサを備えたものである。無線タグ(RFID)通信部を介して、体温信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、外部から電力を受信できるため、体温センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することが可能となり、センサ信号インターフェース装置内部にバッテリー装置を不要とすることができる。
【0023】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、柔軟性を有するシートであって、一方の面にはアレルギー反応センサを備え、他方の面には前記アレルギー反応センサの信号処理部と、無線タグ(RFID)通信部と、アンテナとを備え、前記アンテナが受電した電力を前記アレルギー反応センサと前記信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することを特徴とする。
【0024】
本発明のセンサ信号インターフェース装置は、センサとして、アレルギー反応センサを備えたものである。無線タグ(RFID)通信部を介して、アレルギー反応信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、外部から電力を受信できるため、アレルギー反応センサと信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することが可能となり、センサ信号インターフェース装置内部にバッテリー装置を不要とすることができる。
アレルギー反応センサは、例えば、アナフラキシーのような急性反応の検出ができるものを用いる。
【0025】
また、脳波検知センサを実装した本発明のセンサ信号インターフェースを用いれば、脳波測定に用いることも可能である。てんかん等の特異な症状の観測や事前の脳波の乱れを捉えることで、患者のQOLを高めることが可能になる。
【0026】
また、心筋信号センサを実装した本発明のセンサ信号インターフェースを用いれば、心臓の状態をモニターすることも可能になる。
【0027】
さらに、前出の筋電センサ、体温センサ、脈拍センサなどを本発明のセンサ信号インターフェースに同時に実装することも可能である。1セットのみ本発明のセンサ信号インターフェースを取り付けることで、様々な体の状態をモニターすることが可能になる。
【0028】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、センサを配設するシート面に、粘着性部材を設け、皮膚に貼り付けることで人体に装着することを特徴とする。
【0029】
粘着テープなどの粘着性部材をシート面に設けることにより、手又は脚の皮膚表面に貼り付けることが可能となり、センサ信号インターフェース装置の装着が容易となる。
【0030】
また、センサ信号インターフェース装置が弾力性バンドの内面側に配設され、前記弾力性バンドが人体に装着された場合に前記弾力性バンドの内部に配置されることを特徴とする。弾力性バンドを利用してセンサ信号インターフェース装置の装着が容易とするものである。
【0031】
また、本発明のセンサ信号インターフェース装置は、センサ信号インターフェース装置が皮膚表皮下部に埋め込まれて使用されることを特徴とする。体内埋め込み型とすることにより、常に人体に装着可能となり、装着・着脱の手間が不要となる。
【0032】
次に、本発明のロボット用インターフェースシステムは、上述のセンサ信号インターフェース装置において、外部に設けられたリーダ装置が電磁波を放射し、センサ信号インターフェース装置が電磁波を受信することで受電し、かつ、センサ信号インターフェース装置がセンサ信号データをリーダ装置に送信することを特徴とする。
【0033】
センサ信号インターフェース装置から、センサ信号データをリアルタイムに送信すると同時に、センサ信号インターフェース装置内のアンテナコイルで電磁波を受信し電力を受電することで、センサ信号インターフェース装置内にバッテリー装置を不要とするものである。
【0034】
ここで、本発明のロボット用インターフェースシステムは、リーダ装置が、人体に装着されるスーツに配設されているのが好ましい。着脱が容易で、リーダ装置の存在を意識しないですむからである。
【発明の効果】
【0035】
上記のように構成された本発明に係るセンサ信号インターフェース装置は、柔軟であることにより皮膚表面に沿って自在に変形し得るシートによって、筋肉の膨張・収縮に伴って導出用電極の部位に形状変化が生じた場合、この形状変化に応じてシートし、導出用電極は皮膚表面に密着するので、使用者(操作者)の皮膚表面と密着して義手や義肢を制御できることとなり、筋電位信号の計測感度が向上する。
【0036】
また、無線タグ(RFID)通信部で、筋電位信号等のセンサ信号の計測データをリアルタイムに送信することができ、センサから有線で計測データを集約して、身体に取り付けた送信機から送信することが不要とでき、身体装着の利便性が向上する。
【0037】
さらに、本発明に係るセンサ信号インターフェース装置は、無線タグ(RFID)通信部を介して、筋電位信号等のセンサ信号の計測データをリアルタイムに送信すると同時に、電力を受電できるため、センサ信号インターフェース装置内にバッテリー装置を不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0039】
実施例1では、筋電センサのセンサ信号インターフェース装置を説明する。図1は、筋電センサのセンサ信号インターフェース装置の構造(表面と裏面)を示している。図1(a)は、センサ信号インターフェース装置のシート2の一面(表面)であり、シート上に筋電センサの信号処理部3と、無線タグ(RFID)通信部4と、アンテナコイル5が配設されている。シート2は柔軟性のあるフィルム状であり、材料としては柔軟性のある樹脂などを用いる。シート2の寸法は、例えば、扁平した楕円形状をしており、長径が60mm、短径が20mmである。
【0040】
また、図1(b)は、センサ信号インターフェース装置のシート2の他面(裏面)であり、シート2上に筋電センサの一対の導出用電極7が、シートの長手方向に互いに所定距離隔てて配設されている。また、シート2の裏面全体にわたって、粘着部材として粘着テープ8が配置されている。
上述に説明した如く、皮膚表面に沿って自在に変形し得る柔軟性を有するシート2上に、筋電センサの一対の導出用電極7と信号処理部3と無線タグ(RFID)通信部4とアンテナコイル5を設けたことによって、筋肉の膨張・収縮に伴って導出用電極7の部位に形状変化が生じた場合でも、この形状変化に応じてシート2が変形し、導出用電極7を皮膚表面に密着させることができ、筋電位信号の計測感度を向上させるのである。
なお、製法上の理由から上記各部をすべて同一面に配置することや、内層等の複数面を有する構造なども実施可能である。
【0041】
ここで、シート上の略中央部に配設されている信号処理部3は、シートの裏面の筋電センサの一対の導出用電極7とリード線6で接続されており、採取した筋電信号を増幅し、ディジタル化処理を行う。
また、無線タグ(RFID)通信部4は、上述の信号処理部3から送られてくるディジタル化された筋電信号を、所定の通信プロトコルとデータフォーマットに従って、RFID通信を行うものであり、マイコンが搭載されている。
また、アンテナコイル5は、シート2の全周距離を利用してコイル状に配置しており、シート2のコンパクトなスペースに収めている。
【0042】
次に、図2は、本実施例1のセンサ信号インターフェース装置の機能ブロック図を示している。先ず、アンテナコイルにより電磁波を受信し、コイル内に生じた磁界から起電する(受電部11)。そして、起電した電力で、筋電信号処理部12とRFID通信部13とマイコン制御部14(図1の構造図では、RFID通信部とマイコン制御部が一体として説明している。)に給電する。
【0043】
上述の如く、アンテナコイル5により外部から電力を受電し、筋電信号処理部12とRFID通信部13とマイコン制御部14に給電する構成とすることで、センサ信号インターフェース装置1の内部にバッテリー装置を設けることを不要とするのである。
【0044】
図3に、センサ信号インターフェース装置1のアンテナコイル5と、外部のリーダ装置21のアンテナ22との間で電力・センサ信号データを送受信している様子を示す。
また、図4に、センサ信号インターフェース装置1とリーダ装置21との間での概略処理フローを示す。
先ず、外部のリーダ装置21のアンテナ22から電磁波を放射する(S1)。人体の腕の皮膚表面に取り付けられたセンサ信号インターフェース装置1は、内部のアンテナコイル5により、この電磁波による磁界の影響で起電する。起電した電力は、筋電信号処理部12とRFID通信部13とマイコン制御部14に給電される(S2)。センサ信号インターフェース装置1の筋電センサの筋電位電極7から採取した筋電信号を信号増幅し、ノイズカット・フィルタ処理やディジタル化処理などマイコン制御部14で適切に処理を施して、RFID通信部13から筋電信号データを送信する(S3)。送信された筋電信号データは、リーダ装置21が受信しデータを読み取るのである(S4)。
【0045】
次に、図5は、本発明のセンサ信号インターフェース装置を人体に装着する仕方を示している。図5(A)のバンドエイド型とは、筋電センサを配設するシート面(裏面)に粘着テープを設け、皮膚に貼り付けることで人体に装着するやり方である。このやり方は、手又は脚の皮膚表面に貼り付けるだけなので、センサ信号インターフェース装置1の装着が非常に容易で利便性が高くなる。
また、図5(B)のリストバンド型とは、センサ信号インターフェース装置1が弾力性のあるアームバンド31やリストバンド32の内面側に配設され、アームバンド31やリストバンド32が人体に装着される。アームバンド31やリストバンド32を利用してセンサ信号インターフェース装置の装着を行うもので、上述のバンドエイド型と同様、センサ信号インターフェース装置1の装着が非常に容易で利便性が高くなる。
さらに、図5(C)の体内埋込型は、センサ信号インターフェース装置1を外科的施術により皮膚表皮下部に埋め込み挿入することにより使用するものである。体内埋め込み型とすることにより、常に人体に装着可能となり、装着・着脱の手間が不要となるため、上述のバンドエイド型やリストバンド型よりも更に利便性が高くなる。また必要に応じて直接神経とインターフェースを取ることも可能である。
【0046】
次に、図6は、人に装着するスーツの数箇所にリーダ装置を取り付けた模式図である。センサ信号インターフェース装置1は、上述の図5で示したような方法により、人体に装着するが、電力を送信してセンサ信号データを読み取る側のリーダ装置21の取り付けを簡便にするため、図6のように、人体を覆うスーツの数箇所(計測ポイント)にリーダ装置21を埋め込む。このようなスーツを設けることで、装置の着脱が容易で、また、リーダ装置の存在を意識しないですむため、使用者は自然な動きを行うことができるのである。RFID通信は通信可能距離が短いことから、各センサ信号インターフェース装置1とリーダ装置のペアは他のペアと混信しにくい長所の恩恵も受けることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0047】
筋電義手等の制御を目的とした人体に装着する筋電センサ等のセンサ信号インターフェース装置とそれを用いたロボット用インターフェースシステムとしての有用性が高い。
また、高齢者、患者等の状況観察用のセンサ信号インターフェース装置としても利用できる。また図6のようなスーツを着れば、体の動きや体を動かそうとする意思(筋電)を読み取ることが可能となり、スーツの外装部にアクチュエータなどを実装すれば人体のパワーを増強可能なアシスト型ロボットが駆動出来ることになる。また、さらに大型の乗降型ロボットや、あるいは危険地域で使用するロボットなどの遠隔操作などにも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】筋電センサのセンサ信号インターフェース装置の構造(表面と裏面)を示す図
【図2】本実施例1のセンサ信号インターフェース装置の機能ブロック図
【図3】センサ信号インターフェース装置のアンテナコイルと外部のリーダ装置のアンテナとの間で電力・センサ信号データを送受信している様子を示す図
【図4】センサ信号インターフェース装置とリーダ装置との間での概略処理フロー
【図5】本発明のセンサ信号インターフェース装置を人体に装着する仕方を示す図((A)バンドエイド型,(B)リストバンド型,(C)体内埋込型)
【図6】人に装着するスーツの数箇所にリーダ装置を取り付けた模式図
【符号の説明】
【0049】
1 センサ信号インターフェース装置
2 シート
3 信号処理部
4 RFID通信部
5 アンテナコイル
6 リード線
7 筋電センサの導出用電極
8 粘着テープ
11 受電部
12 筋電信号処理部
13 マイコン制御部
14 RFID通信部
21 リーダ装置
22 アンテナ
31 スーツ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有するシートであって、一方の面にはセンサを備え、他方あるいは同じ面には前記センサの信号処理部と無線タグ(RFID)通信部とアンテナとを備え、前記アンテナが受電した電力を前記センサと前記信号処理部と無線タグ(RFID)通信部に給電することと、前記センサの信号処理データが前記無線タグ(RFID)通信部及び前記アンテナを介して送受信されることを特徴とするセンサ信号インターフェース装置。
【請求項2】
前記アンテナがコイル状に形成され、コイルの内径及び/又は巻き数を調整することにより、前記シートの長手方向の必要シート長の制御を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項3】
前記センサが筋電位信号の導出用電極を備えた筋電センサであることを特徴とする請求項1乃至2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項4】
前記センサが脈拍センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項5】
前記センサが体温センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項6】
前記センサがアレルギー反応センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項7】
前記センサが脳波検知センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項8】
前記センサが心筋信号検知センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項9】
請求高3乃至8に記載のいずれかのセンサを組み合わせたことを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項10】
前記シートのセンサを配設する面に、粘着性部材を設け、皮膚に貼り付けることで人体に装着することを特徴とする請求項1乃至9に記載のいずれかのセンサ信号インターフェース装置。
【請求項11】
センサ信号インターフェース装置が弾力性バンドの内面側に配設され、前記弾力性バンドが人体に装着された場合に前記弾力性バンドの内部に配置されることを特徴とする請求項1乃至9に記載のいずれかのセンサ信号インターフェース装置。
【請求項12】
センサ信号インターフェース装置が皮膚表皮下部に埋め込まれて使用されることを特徴とする請求項1乃至9に記載のいずれかのセンサ信号インターフェース装置。
【請求項13】
直接神経とインターフェースを取るセンサを更に備えたことを特徴とする請求項12に記載のセンサ信号インターフェース装置。
【請求項14】
請求項10乃至13に記載のいずれかのセンサ信号インターフェース装置において、外部に設けられたリーダ装置が電磁波を放射し、前記センサ信号インターフェース装置が前記電磁波を受信することで受電し、かつ、前記センサ信号インターフェース装置がセンサ信号データを前記リーダ装置に送信することを特徴とするロボット用インターフェースシステム。
【請求項15】
前記リーダ装置が、人体に装着されるスーツに配設されていることを特徴とする請求項14に記載のロボット用インターフェースシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−125104(P2007−125104A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318550(P2005−318550)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(501397920)旭光電機株式会社 (45)
【Fターム(参考)】