説明

ソフトウェアライセンスの有効化申請情報を生成する方法、システム及びコンピュータプログラム

【課題】 ライセンスを購入したSW使用者がソフトウェア製品を有効化する際の作業を省力化するための技術を提供する。
【解決手段】 ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成する際、ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体から、当該ライセンス媒体を読取可能な読取装置を介して、ソフトウェア製品を使用するコンピュータが、ライセンス固有情報を読み出す。ライセンス固有情報と、コンピュータにおけるソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、ライセンス有効化申請情報をコンピュータが生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソフトウェア製品に関し、特に、動作させるのに先立ってライセンスを有効化する手続を要するソフトウェア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、産業向けの商用ソフトウェアは、使用される様々な機器環境に対応するために複雑なライセンス体系を有する。この種のソフトウェア製品は、その使用に先立ってライセンスの購入及び有効化を求めることが多い。
【0003】
この種のソフトウェア製品を使用する者(以下SW使用者と記す)は、そのソフトウェア製品を販売する者(以下SW販売者と記す)からライセンスを購入後、そのライセンスを有効化する手続を行う。有効化を行うことにより、SW使用者はそのソフトウェア製品を正規に使用することが出来る。このとき、購入したライセンス数の範囲内でソフトウェア製品が使用されていることを確認するため、ソフトウェア製品を使用する機器を特定する必要がある。
【0004】
図6を参照して従来のソフトウェア製品について説明する。一のソフトウェア製品601は、ソフトウェア製品を記録したm枚の記録媒体(以下ソフトウェア媒体と記す)602と、n件のライセンスのためのライセンス固有情報を記載した書面であるライセンス証書603からなる。ここでm、nは共に自然数である。
【0005】
ソフトウェア製品601の有効化は概ね次のようにして行われる。
【0006】
(1)SW使用者はソフトウェア製品601を購入する。
【0007】
(2)SW使用者は、購入したソフトウェア製品601のライセンス証書603に記載されているライセンス固有情報と、ソフトウェア製品601を使用する機器、機器の設定等の使用環境に関する情報(以下ソフトウェア使用環境情報と記す)とを、SW販売者に通知する。
【0008】
(3)SW販売者は、通知されたライセンス情報及び使用環境情報に基づいて、ソフトウェア製品601を有効化するための有効化キーを発行し、SW使用者に通知する。
【0009】
(4)SW使用者は、ソフトウェア媒体603を用いて、ソフトウェア使用環境情報にて指定した各機器にソフトウェア製品201をインストールすると共に、各機器にてソフトウェア製品601を有効化する処理を実行し、通知された有効化キーを入力する。
【0010】
このように、従来のソフトウェア製品の有効化では、ライセンス固有情報とソフトウェア使用環境情報とをSW販売者に通知する段階(2)と、通知した機器それぞれに有効化キーを入力することにより、各機器でソフトウェア製品601を有効化する段階(4)の両方を経る必要があった。
【0011】
また、従来の有効化では、SW販売者がSW使用者にライセンス固有情報を通知するのに先立って、SW使用者は、ライセンス証書603を目視してライセンス固有情報を読み取り、機器毎に対応するライセンス固有情報をキーボード等の入力装置を用いて入力する必要があった。一般にライセンス証書603は封筒等に収めた状態でソフトウェア製品601に同梱される。このため、特に、一ライセンス毎に一枚のライセンス証書を発行する場合、ライセンス数だけ封筒の開封とライセンス固有情報の目視による読み取りを行う必要があった。
【0012】
本発明に関連する従来技術として特許文献1及び2を挙げる。これらはいずれも有効化されたライセンスを管理する方法に関するものであり、個々の機器でライセンスを有効化する際の作業の省力化については言及していない。
【0013】
【特許文献1】特開2001−331232
【特許文献2】特開2005−174318
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ライセンスを購入したSW使用者がソフトウェア製品を有効化する際の作業を省力化するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の課題を解決するため、本発明は以下のようなソフトウェアライセンスの有効化申請情報を生成する方法、システム及びコンピュータプログラムを提供する。
【0016】
本発明は、その一側面として、ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成する方法において、ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体から、当該ライセンス媒体を読取可能な読取装置を介して、ソフトウェア製品を使用するコンピュータが、ライセンス固有情報を読み出す段階と、ライセンス固有情報と、コンピュータにおけるソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、ライセンス有効化申請情報をコンピュータが生成する段階とを含むことを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成方法を提供する。
【0017】
ライセンス媒体は例えばRFIDのような無線ICタグ、一次元、二次元等のバーコードである。ライセンス媒体が無線ICタグの場合、読取装置は無線ICタグリーダーであり、バーコードの場合、読取装置はバーコードリーダーである。
【0018】
読み出し段階は、暗号化されたライセンス固有情報をライセンス媒体から読み出し、読み出し段階と生成段階との間に、暗号化されたライセンス固有情報を復号化する段階を更に含むこととしてもよい。このようにすれば、ライセンス固有情報を暗号化した状態でライセンス媒体に記憶しておくことにより、ソフトウェア製品の流通過程で第三者がライセンス媒体からライセンス固有情報を読み出して、不正にライセンスの有効化申請情報を生成するのを防止することが可能となる。
【0019】
また、本発明は、他の側面として、ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成するシステム(SW使用者側サブシステム102)において、ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体を読取可能な読取装置(読取装置501)と、ソフトウェア製品を使用するコンピュータであって、読取装置を介してライセンス固有情報を読み出し、ライセンス固有情報と、コンピュータにおけるソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、ライセンス有効化申請情報を生成するコンピュータ(顧客端末502)とを備えることを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報生成システムを提供する。
【0020】
更に、本発明は、他の側面として、ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムにおいて、ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体から、当該ライセンス媒体を読取可能な読取装置を介して、ライセンス固有情報を読み出す処理と、ライセンス固有情報と、コンピュータにおけるソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、ライセンス有効化申請情報を生成する処理とをソフトウェア製品を使用するコンピュータに実行させることを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ライセンス固有情報が書き込まれた電子的に読み取り可能な媒体を添付し、ソフトウェアライセンス固有情報の自動抽出を行うことにより、SW使用者がソフトウェア製品を導入する際のライセンスにまつわる手間を著しく低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態であるソフトウェアライセンス有効化システム100について説明する。図1に示すように、ソフトウェアライセンス有効化システム100は、SW販売者側サブシステム101及びSW使用者側サブシステム102からなる。
【0023】
SW販売者は図2に示すようなソフトウェア製品301を販売する。ソフトウェア製品301はソフトウェア媒体302及びライセンス媒体303からなる。
【0024】
ソフトウェア媒体302はソフトウェア製品301の本体ソフトウェアを記録した機械読み取り可能な記録媒体であり、m枚の記録媒体からなる。mは自然数である。ソフトウェア媒体302に用いる記録媒体としては例えばCD−ROM、DVD−ROMを用いることとしてもよい。
【0025】
ライセンス媒体303はライセンス固有情報を記録した機械読み取り可能な記録媒体である。ライセンス媒体303はn件のライセンスのライセンス固有情報を記録している。nは自然数である。ライセンス媒体303に用いる記録媒体としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)で用いられるRFタグのような電子タグ、1次元、2次元のバーコードを用いることとしてもよい。ライセンス固有情報は図3に示すような構造を有するデータであり、ソフトウェア製品301の製品名、型番、バージョン、製品番号、有償ライセンス情報からなる。有償ライセンス情報はひとつにつきひとつの機器での使用を認めるライセンスを示す。あるSW使用者に対して発行されるライセンス固有情報は、そのSW使用者に対して発行されるライセンス数に相当する有償ライセンス情報を含む。図3に示すライセンス固有情報はn件のライセンスに相当する。
【0026】
図1に戻って、SW販売者側サブシステム101は媒体製造部110を備える。媒体製造部110はライセンス媒体303に書き込みを行う書込装置であり、ソフトウェア固有情報111及びソフトウェア購入者情報112を格納する記録媒体を備える。ソフトウェア固有情報は、SW販売者が販売しているソフトウェア製品それぞれの製品名、型番、バージョン、製品番号からなる。ソフトウェア購入者情報は、SW販売者に対してソフトウェア製品を発注した者それぞれの氏名、名称、住所、所在地、郵便番号、電話番号、発注したソフトウェア製品の製品名、発注したライセンス数等からなる。書込装置はライセンス媒体303の記録媒体の種類に応じた装置であり、例えば、ライセンス媒体303がRFタグならば書込装置はRFタグライターであり、ライセンス媒体303がバーコードであるならば書込装置はプリンタである。媒体製造部110は、ソフトウェア固有情報及びソフトウェア購入者情報からライセンス固有情報を生成し、ライセンス媒体303に書き込む。
【0027】
SW使用者側サブシステム102は媒体読取部120及び有効化申請情報生成部130を備える。
【0028】
媒体読取部120はライセンス媒体30からの読み出しを行う読取装置である。媒体製造部110の書込装置と同様に、読取装置はライセンス媒体303の記録媒体の種類に応じた装置であり、例えば、ライセンス媒体303がRFタグならば読取装置はRFタグリーダーであり、ライセンス媒体303がバーコードであるならば書込装置はバーコードリーダーである。
【0029】
有効化申請情報生成部130は、ライセンス固有情報を記憶する記録装置131、及び、ソフトウェア使用環境情報を記憶する記憶装置132を備える。有効化申請情報生成部130は、ライセンス固有情報及びソフトウェア使用環境情報を元に、ライセンス有効化申請情報140を生成する。
【0030】
図4を参照すると、ソフトウェア使用環境情報は、顧客ID、使用メディア番号、社名、申請者名、電話番号(Tel)、メールアドレス(E−mail)、国、ホスト情報からなる。ホスト情報は、ホスト名、機種名、マシンID、OSバージョンからなる。ソフトウェア使用環境情報はSW使用者により予め入力され、記憶装置132に格納されている。
【0031】
次に、ソフトウェアライセンス有効化システム100の動作について説明する。
【0032】
(ステップ0)SW使用者がSW販売者に対してソフトウェア製品301を発注する。このときSW使用者は発注するソフトウェア製品の製品名、発注したライセンス数等をSW販売者に通知する。また、このとき或いはこれ以前に、SW使用者は氏名、名称、住所、所在地、郵便番号、電話番号をSW販売者に通知する。
【0033】
(ステップ1)SW販売者は、通知されたソフトウェア製品301に対応するソフトウェア媒体302を用意すると共に、そのソフトウェア製品の製品名、型番、バージョン、製品番号、有償ライセンス情報からなるライセンス固有情報を、媒体製造部110の書込装置にてライセンス媒体303に書き込むことによってライセンス媒体303を製造し、別途製造したソフトウェア媒体302と共に同梱してソフトウェア製品301を製造する。そのソフトウェア製品の製品名、型番、バージョン及び製品番号は、記憶装置111から読み出す。有償ライセンス情報は、そのSW使用者のソフトウェア購入者情報と、通知された製品名のソフトウェア製品に関するソフトウェア固有情報とを元に、媒体製造部110が生成する。
【0034】
(ステップ2)SW販売者はSW使用者にソフトウェア製品301を納品する。
【0035】
(ステップ3)図5に示すように、SW使用者は、媒体読取部120の読取装置501を用いて、納入されたソフトウェア製品301のライセンス媒体303からライセンス固有情報を読み出し、有効化申請情報生成部130である顧客端末502に送信する。顧客端末502は例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話端末等の情報通信端末、各種の専用端末である。
【0036】
(ステップ4)顧客端末502は、ライセンス固有情報と、予め記憶装置132に記憶したソフトウェア使用環境情報とを元に、ライセンス有効化申請情報140を生成する。
【0037】
ステップ3及びステップ4は、具体的には、ソフトウェア製品301のインストールプログラムによって実行される。インストールプログラムは顧客端末502によって実行されるコンピュータプログラムであり、ソフトウェア媒体302に記憶されている。顧客端末502はインストールプログラムに従って次のように動作する。
【0038】
SW使用者がソフトウェア媒体302を顧客端末502の読取装置にセットしてインストールプログラムを起動すると、顧客端末502は、ソフトウェア媒体302からソフトウェア製品のインストールを実行すると共に、ライセンス媒体303の記録媒体の種類に対応する読取装置501を介して、ライセンス媒体302からライセンス固有情報を読み出す処理を実行する。
【0039】
次に、顧客端末502は、読み出したライセンス固有情報と、予め記憶装置132に格納されているソフトウェア使用環境情報を元に、ライセンス有効化申請情報140を生成する。ソフトウェア使用環境情報は、遅くともライセンス有効化情報を生成する前に、SW使用者が顧客端末を直接操作して有効化申請情報生成部に登録しておく。ソフトウェア使用環境情報は、ライセンス有効化申請情報140を生成する直前に、インストールプログラムが顧客端末502から収集することとしてもよい。
【0040】
(ステップ5)顧客端末502はライセンス有効化申請情報140をSW販売者宛に出力する。顧客端末502が備える不図示の書込装置を用いて記録媒体にライセンス有効化申請情報140を記憶し、その記録媒体をSW販売者に届けることとしてもよいし、或いは、顧客端末502が不図示のデータ通信インタフェースを備え、インターネット等のデータ通信網を介してSW販売者側サブシステム101に伝送することとしてもよい。
【0041】
このように、ソフトウェアライセンス有効化システム100では、SW販売者は、ソフトウェアライセンス出荷時に、ライセンス固有情報を機械読取可能な記録媒体(ライセンス媒体)に格納してソフトウェア製品に添付する。SW使用者はライセンス媒体と読取機器と組み合わせることでライセンス固有情報を自動的に抽出し、ライセンス固有情報とソフトウェア使用環境情報とを元にライセンス有効化申請情報を生成してSW販売者に通知する。このため、ソフトウェアライセンス有効化システム100によれば、ライセンス有効化申請情報を生成する際に、従来のようにSW使用者がソフトウェア証書を目視して顧客端末に入力する必要がなく、SW使用者がソフトウェア製品を導入する際のライセンスにまつわる手間を著しく低減することが可能となる。
【0042】
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で適宜改良できることは言うまでもない。
【0043】
例えば、ソフトウェアライセンス有効化システム100において、ライセンス固有情報を暗号化してライセンス媒体302に書き込むこととしてもよい。この場合、媒体製造部110は暗号化処理部を更に備え、媒体読取部120は復号化処理部を更に備える。媒体製造部110は、暗号化処理部にてライセンス固有情報を暗号化してライセンス媒体303に書き込む。媒体読取部120は、暗号化されたライセンス固有情報を復号化処理部にて復号化して平文のライセンス固有情報を取得し、以後のステップを行う。
【0044】
復号化処理部は、顧客端末502で実行されるコンピュータプログラムとして実施されることとしてもよい。この場合、SW使用者はSW販売者から復号化キー情報を予め入手しておく。SW販売者はSW使用者に復号化キー情報を通知する。
【0045】
或いは、復号化処理部は、特定の復号化キー情報に基づいて復号化処理を行う読取装置としてSW販売者からSW使用者に対して提供されることとしてもよい。この場合、読取装置は、外部から読み取り困難乃至不可能な記憶装置を備え、この記憶装置に復号化キー情報を格納していることが望ましい。
【0046】
いずれの場合も、SW販売者側サブシステム101では、SW使用者、復号化キー情報、及び、復号化キー情報に対応した暗号化キー情報を互いに関連付けて、ソフトウェア購入者情報の一部として記憶装置112に格納する。また、媒体製造部110は、記憶装置112のソフトウェア購入者情報を参照し、ソフトウェア製品301を納入するSW使用者に対応した暗号化キー情報に基づいてライセンス固有情報を暗号化した後、ライセンス媒体303に暗号化したライセンス固有情報の書き込みを行う。
【0047】
これにより、対応する復号化キー情報にて復号化処理を実行する復号化処理部を備えるSW使用者側サブシステム102ではライセンス固有情報を復号化することが出来る一方、異なる復号化キー情報にて復号化する復号化処理部を備える、或いは、復号化処理部を備えていないSW使用者側サブシステム102ではライセンス有効化申請情報140を生成することが出来ない。これにより、ライセンスを有効化可能なSW使用者を制限することが出来る。このため、例えばライセンス媒体303が、RFID等のワイヤレス電子タグの場合や、梱包の外側に面して印刷されたバーコードである場合のように、ソフトウェア製品301を開梱することなく読み取り可能な記録媒体であり、第三者が容易にライセンス媒体303を読み取ることができる場合であっても、第三者による不正なライセンス有効化申請情報の生成を防止することが出来る。
【0048】
また、ライセンスの有効化の有無に応じて利用可能な機能や、ソフトウェア製品のインストールの可否を制限する機能を、ソフトウェア製品301乃至ソフトウェア製品301のインストールプログラムに付与することとすれば、単にライセンス有効化の申請の可否を制限するのみではなく、ソフトウェア製品301の利用を直接的に制限することが出来る。
【0049】
また、他の例としては、ソフトウェアライセンス有効化システム100において、ソフトウェア製品301はソフトウェア媒体302及びライセンス媒体303からなるが、これに加えて、従来と同様に印刷物としてのライセンス証書を同梱し、書面でもライセンス固有情報をSW使用者に通知することとしてもよい。
【0050】
また、ソフトウェア媒体とライセンス媒体とは必ずしも同時にSW使用者に納入する必要はなく、例えば、ソフトウェア媒体を納入する代わりに、SW使用者がネットワーク経由でソフトウェア製品をダウンロードすることとしてもよい。この場合、SW使用者にソフトウェア媒体を納入する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態であるソフトウェアライセンス有効化システム100の機能ブロック図である。
【図2】ソフトウェアライセンス有効化システム100にて有効化されるソフトウェア製品301として同梱されるソフトウェア媒体302及びライセンス媒体303を示す図である。
【図3】ライセンス固有情報の構造を説明するための図である。
【図4】ソフトウェア使用環境情報の構造を説明するための図である。
【図5】SW使用者側サブシステム102の機能ブロック図である。
【図6】従来のソフトウェア製品とその同梱物を説明するための図である。
【符号の説明】
【0052】
100 ソフトウェアライセンス有効化システム
101 SW販売者側サブシステム
102 SW使用者側サブシステム
110 媒体製造部
111 記憶装置(ソフトウェア固有情報)
112 記憶装置(ソフトウェア購入者情報)
120 媒体読取部
130 有効化申請情報生成部
131 ライセンス固有情報
132 記憶装置(ソフトウェア使用環境情報)
140 ライセンス有効化申請情報
301、601 ソフトウェア製品
302、602 ソフトウェア媒体
303 ライセンス媒体
501 読取装置
502 顧客端末
603 ライセンス証書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成する方法において、
ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体から、当該ライセンス媒体を読取可能な読取装置を介して、前記ソフトウェア製品を使用するコンピュータが、前記ライセンス固有情報を読み出す段階と、
前記ライセンス固有情報と、前記コンピュータにおける前記ソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、前記ライセンス有効化申請情報を前記コンピュータが生成する段階と
を含むことを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成方法において、
前記読み出し段階は、暗号化されたライセンス固有情報をライセンス媒体から読み出し、
前記読み出し段階と前記生成段階との間に、暗号化されたライセンス固有情報を復号化する段階を更に含む
ことを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成方法。
【請求項3】
ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成するシステムにおいて、
ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体を読取可能な読取装置と、
前記ソフトウェア製品を使用するコンピュータであって、前記読取装置を介して前記ライセンス固有情報を読み出し、前記ライセンス固有情報と、前記コンピュータにおける前記ソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、前記ライセンス有効化申請情報を生成する前記コンピュータと
を備えることを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報生成システム。
【請求項4】
請求項3に記載のソフトウェアライセンス有効化申請情報生成システムにおいて、
前記ライセンス媒体は、暗号化されたライセンス固有情報を記録した記録媒体であり、
暗号化されたライセンス固有情報を復号化する復号化処理装置を更に備える
ことを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報生成システム。
【請求項5】
ソフトウェア製品をコンピュータにて使用するためのライセンスの有効化を申請する情報であるライセンス有効化申請情報を生成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムにおいて、
ソフトウェア製品のライセンスの保有を示すライセンス固有情報を記録した機械読取可能な記録媒体であるライセンス媒体から、当該ライセンス媒体を読取可能な読取装置を介して、前記ライセンス固有情報を読み出す処理と、
前記ライセンス固有情報と、前記コンピュータにおける前記ソフトウェア製品の使用環境を示すソフトウェア使用環境情報とに基づいて、前記ライセンス有効化申請情報を生成する処理と
を前記ソフトウェア製品を使用するコンピュータに実行させることを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のソフトウェアライセンス有効化申請情報生成プログラムにおいて、
前記ライセンス媒体は、暗号化されたライセンス固有情報を記録した記録媒体であり、
暗号化されたライセンス固有情報を復号化する復号化処理を更に前記コンピュータに実行させる
ことを特徴とするソフトウェアライセンス有効化申請情報の生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−262316(P2008−262316A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103511(P2007−103511)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】