説明

ソフトウェア更新システム、表示ユニット、及びソフトウェア更新方法

【課題】複数の電子機器がS/PDIF等のデジタル音声伝送ラインを介して接続されたシステムにおいて、放送受信機能やネットワーク接続機能などを持たない電子機器であっても、ソフトウェアの更新を迅速且つ簡単に行えるようにする。
【解決手段】ソフトウェア更新システムは、レコーダ8とTV9とがHDMI接続され、TV9とAVアンプ2とがHDMI接続され、レコーダ8とAVアンプ2とがS/PDIFライン3を介して接続されている。レコーダ8は、AVアンプ2のソフトウェアを更新するための更新データを取得するチューナ81と、取得した更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送するS/PDIF端子90とを備える。AVアンプ2は、AVアンプ2のソフトウェアを、レコーダ8からの更新データにより更新するコントローラ21を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S/PDIF(Sony/Philips Digital Interface)等のデジタル音声伝送ラインを介して接続可能な電子機器のソフトウェアを更新するためのソフトウェア更新システム、該システムを構成する表示ユニット、及びソフトウェア更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電子機器のファームウェア等のソフトウェアを更新するためのアップデートデータ(以下、更新データという)は、通信網あるいは放送網からダウンロードして取得することができる。例えば、PC(パーソナルコンピュータ)のようにインターネット接続機能を備えている場合には、インターネット上のWebサイトから更新データをダウンロードして自動または手動で自身のソフトウェアを更新することができる。また、テレビ装置の場合には、更新データを含む放送波を受信して自身のソフトウェアを更新することができる。また、最近のテレビ装置では、放送受信機能及びインターネット接続機能の両方を備えたものもあり、ユーザに負担をかけることなく、ソフトウェアの更新を行えるようになっている。
【0003】
従来、電子機器におけるソフトウェアの更新に関する技術として、例えば、特許文献1には、放送受信機の支配下にある家電機器、例えば、ハードディスクレコーダ、冷蔵庫などの機器のソフトウェアをアップデートする放送波ダウンロードシステムが記載されている。これによれば、放送波データを受信した放送受信機は、放送波データ中に自己の支配下にある所有機器に関する機器データ(機器のソフトウェアをアップデートするためのデータ)が存在するか否かを判定し、機器データが存在する場合に、その機器データを該当する所有機器にHDMIケーブルを介して送信し、冷蔵庫等の機器のソフトウェアを更新するようにしている。
【0004】
また、特許文献2には、双方向型ケーブルの規格で定義されるコマンドを利用し、表示装置の制御プログラムを簡単にバージョンアップできるようにした情報更新システムが記載されている。このシステムを構成する再生装置は、光ディスクから更新ファイルを読み取って、更新ファイルの内容を示すベンダコマンドをHDMI(High Definition Multimedia Interface)の規格に基づいて作成し、作成したベンダコマンドをHDMIポートからテレビに送信する。そして、テレビ側では自身のファームウェアをベンダコマンドによりバージョンアップするようにしている。
【0005】
これらの特許文献1,2に記載の技術によれば、HDMI接続された一方の機器から他方の機器に対して、更新データが伝送され、この更新データに基づいて他方の機器でソフトウェアの更新を行うことが可能となる。このため他方の機器が、放送受信機能やネットワーク接続機能を持たない場合でも、簡単にソフトウェアを更新することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−236031号公報
【特許文献2】特開2008−165698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、HDMI規格において双方向のCEC(Consumer Electronics Control)ラインを用いて更新データの伝送を行う場合には以下のような問題がある。
【0008】
アップデートする電子機器のソフトウェアのデータ容量を約1MBとすると、CECラインの物理的な伝送レートが約300bpsと低速であるため、データ伝送に要する時間が、8,000,000(bit)/300(bps)=26,667(秒)≒7時間24分、もかかってしまう。実際のデータ伝送にはハンドシェーク(フロー制御)が必要であり、この冗長のために実際のデータ伝送時間は上記時間の2倍程度かかるものと考えられる。
【0009】
放送受信機能やネットワーク接続機能などを持たない電子機器のソフトウェアをアップデートしようとした場合、実用性を考慮すると、遅くとも10分以内にデータ伝送を完了できることが望ましいが、データ伝送にCECラインを用いる場合には上記のような時間がかかってしまい、実用的とは言えない。また、更新データが記録された記録媒体によるアップデートも可能であるが、この方法では、アップデートの度にユーザがメーカ等から記録媒体を入手し、手動でソフトウェアの更新作業を行う必要があり、ユーザの負担が大きいという問題がある。
【0010】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、複数の電子機器がS/PDIF等のデジタル音声伝送ラインを介して接続されたシステムにおいて、放送受信機能やネットワーク接続機能などを持たない電子機器であっても、ソフトウェアの更新を迅速且つ簡単に行えるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、第1の技術手段は、受信機器及び表示機器で構成された表示ユニットと、該受信機器とデジタル音声伝送ラインを介して接続された電子機器とを備えたソフトウェア更新システムであって、前記受信機器は、前記電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得する更新データ取得手段と、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する更新データ伝送手段とを備え、前記電子機器は、該電子機器のソフトウェアを、前記受信機器から伝送された更新データにより更新するソフトウェア更新手段を備え、前記受信機器と前記表示機器とが通信インタフェースを介して接続されると共に、前記表示機器と前記電子機器とがさらに通信インタフェースを介して接続されていることを特徴としたものである。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示ユニットは、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、前記更新データに、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報が含まれ、該ソフトウェアのバージョン情報が前記識別情報記憶手段に記憶されたバージョン情報より新しい場合に、前記更新データ伝送手段は、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送することを特徴としたものである。
【0013】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示ユニットは、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、前記更新データに、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報が含まれ、該ソフトウェアのバージョン情報が前記識別情報記憶手段に記憶されたバージョン情報より新しい場合に、前記電子機器のソフトウェアを更新するか否かをユーザに選択させるための選択画面を表示し、該選択画面上でユーザによりソフトウェアの更新が選択指示された場合、前記更新データ伝送手段は、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送することを特徴としたものである。
【0014】
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記表示ユニットは、前記通信インタフェースを介して所定のコマンドを前記電子機器に送信することにより、前記電子機器から該電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を受信し、前記識別情報記憶手段に記憶することを特徴としたものである。
【0015】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、前記表示ユニットは、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する前に、前記通信インタフェースを介して前記更新データを伝送する旨を通知するためのコマンドを前記電子機器に送信することを特徴としたものである。
【0016】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送される音声信号を内蔵スピーカあるいは外部スピーカへ出力する音声出力手段を備え、前記コマンドを受信した時点から前記更新データの伝送処理が完了するまでの間、前記音声出力手段による音声出力をミュートすることを特徴としたものである。
【0017】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記更新データは、前記表示ユニットの更新データと、該表示ユニットに接続可能な1つ以上の電子機器の更新データとが組み合わされていることを特徴としたものである。
【0018】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記表示ユニットは、前記更新データ取得手段により取得した更新データを記憶する更新データ記憶手段を備え、前記更新データ伝送手段により前記電子機器への更新データの伝送が完了した後に、前記更新データ記憶手段の更新データを削除することを特徴としたものである。
【0019】
第9の技術手段は、第1〜第8のいずれか1の技術手段において、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送された更新データを記憶する更新データメモリ手段を備え、前記ソフトウェア更新手段によりソフトウェアの更新が完了した後に、前記更新データメモリ手段の更新データを削除することを特徴としたものである。
【0020】
第10の技術手段は、第1〜第9のいずれか1の技術手段において、前記表示ユニットは、前記更新データの先頭にダミーデータを付加して伝送することを特徴としたものである。
【0021】
第11の技術手段は、第10の技術手段において、前記ダミーデータのデータ形式は、前記更新データのデータ形式と異なることを特徴としたものである。
【0022】
第12の技術手段は、第10の技術手段において、前記更新データのヘッダには、前記電子機器の識別情報を含む固定データが付加されていることを特徴としたものである。
【0023】
第13の技術手段は、第12の技術手段において、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送されるダミーデータ及び更新データを含む伝送データから該更新データのヘッダを検出するヘッダ検出手段と、該検出したヘッダの固定データに基づいて前記電子機器の更新データを抽出する更新データ抽出手段とを備え、該抽出した更新データを前記電子機器が備える更新データメモリ手段に記憶することを特徴としたものである。
【0024】
第14の技術手段は、第12の技術手段において、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送されるダミーデータ及び更新データを含む伝送データを一時的に格納するバッファメモリと、該バッファメモリに格納された伝送データから前記更新データのヘッダを検出するヘッダ検出手段と、該検出したヘッダの固定データに基づいて前記電子機器の更新データを抽出する更新データ抽出手段とを備え、該抽出した更新データを前記電子機器が備える更新データメモリ手段に記憶することを特徴としたものである。
【0025】
第15の技術手段は、第1〜第14のいずれか1の技術手段において、前記更新データ取得手段は、更新データを含む放送波を受信する受信手段であることを特徴としたものである。
【0026】
第16の技術手段は、第1〜第14のいずれか1の技術手段において、前記更新データ取得手段は、更新データを格納したサーバ装置にネットワークを介して接続し、該サーバ装置から更新データをダウンロードするネットワーク接続手段であることを特徴としたものである。
【0027】
第17の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記通信インタフェースはHDMIであり、前記電子機器はリピータ機器であることを特徴としたものである。
【0028】
第18の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記通信インタフェースはIEEE1394であることを特徴としたものである。
【0029】
第19の技術手段は、第1〜第18のいずれか1の技術手段において、前記デジタル音声伝送ラインは、S/PDIFラインであることを特徴としたものである。
【0030】
第20の技術手段は、第1〜第19のいずれか1の技術手段におけるソフトウェア更新システムを構成する表示ユニットであって、該表示ユニットは、電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得する更新データ取得手段と、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する更新データ伝送手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0031】
第21の技術手段は、受信機器及び表示機器で構成された表示ユニットと、該受信機器とデジタル音声伝送ラインを介して接続された電子機器とを備え、前記受信機器と前記表示機器とが通信インタフェースを介して接続されると共に、前記表示機器と前記電子機器とがさらに通信インタフェースを介して接続されたソフトウェア更新システムによるソフトウェア更新方法であって、前記受信機器が、前記電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得するステップと、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送するステップとを備え、前記電子機器が、該電子機器のソフトウェアを、前記受信機器から伝送された更新データにより更新するステップを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複数の電子機器がS/PDIF等のデジタル音声伝送ラインを介して接続されたシステムにおいて、デジタル音声伝送ラインを用いて更新データを伝送することにより、放送受信機能やネットワーク接続機能などを持たない電子機器であっても、ソフトウェアの更新を迅速且つ簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の参考例に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示したTV及びAVアンプの構成例を示すブロック図である。
【図3】TVによるAVアンプの更新データ取得方法の一例を説明するための図である。
【図4】TVによるAVアンプの更新データ取得方法の他の例を説明するための図である。
【図5】図1に示したソフトウェア更新システムにおけるTVの動作例について説明するためのフロー図である。
【図6】図1に示したソフトウェア更新システムにおけるAVアンプの動作例について説明するためのフロー図である。
【図7】図1に示したソフトウェア更新システムによるコマンドフローの一例を説明するための図である。
【図8】ダミーデータが付加された更新データの一例を示す図である。
【図9】TVからAVアンプに伝送される更新データのフォーマットの一例を示す図である。
【図10】AVアンプにおいて更新データを抽出するための具体的な構成例を示すブロック図である。
【図11】AVアンプにおいて更新データを抽出するための具体的な他の構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の他の参考例に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図である。
【図13】図12に示したレコーダ,TV,及びAVアンプの構成例を示すブロック図である。
【図14】図12に示したソフトウェア更新システムにおけるレコーダの動作例について説明するためのフロー図である。
【図15】図12に示したソフトウェア更新システムにおけるTVの動作例について説明するためのフロー図である。
【図16】図12に示したソフトウェア更新システムにおけるAVアンプの動作例について説明するためのフロー図である。
【図17】図12に示したソフトウェア更新システムによるコマンドフローの一例を説明するための図である。
【図18】本発明の一実施形態に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図である。
【図19】図18に示したレコーダ,TV,及びAVアンプの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のソフトウェア更新システム、表示ユニット、及びソフトウェア更新方法に係る好適な実施の形態について説明する。各図において、同じ構成要素には同じ符号を付し、繰り返しの説明は省略する。なお、デジタル音声伝送ラインとして、S/PDIFを例示し、通信インタフェースとして、HDMIを例示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
図1は、本発明の参考例に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図で、図中、1はTV(テレビ)、2はAVアンプ、3はS/PDIFケーブル、4はHDMIケーブルを示す。本参考例の表示ユニットは、TV1で構成され、HDMI規格ではシンク機器と呼ばれる。AVアンプ2は電子機器に相当し、HDMI規格ではリピータ機器と呼ばれる。本実施形態では、TV1とAVアンプ2とがHDMI接続されると共に、S/PDIF接続されたシステム構成に基づいて説明する。すなわち、TV1とAVアンプ2とがS/PDIFケーブル3(以下、S/PDIFライン3という)及びHDMIケーブル4で接続されている。
【0036】
S/PDIFライン3による音声伝送は、各機器が備える光デジタル音声端子あるいは同軸デジタル端子によって行われる。S/PDIFによる音声伝送方式及び接続端子は、IEC60958及びEIAJRC−5720Bで規格化されている。また、HDMIケーブル4は、デジタル信号である映像・音声信号を差動方式で伝送するためのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ライン(デジタル信号ライン)と、機器間で共通の制御信号(CECメッセージ)を伝送する双方向バスであるCECラインとを含んでいる。またこの他、HDMIケーブル4には、EDID(Extended Display Identification Data)の送信やHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)認証等に利用されるDDC(Display Data Channel)ラインが含まれる。
【0037】
ここで、CECメッセージは、HDMI規格のCECプロトコルに基づく機器制御信号である。そして、この機器制御信号を機器間でやり取りすることにより、HDMI機器間で各種の動作制御を実現する。CECの場合、HDMI接続された各機器の論理アドレス(機器の種別)と物理アドレス(機器の位置)が取得されるため、この論理アドレスを指定することで所望の機器にCECメッセージを送信することができる。
【0038】
以下、CECにおける論理アドレスと物理アドレスについて簡単に説明する。
まず、論理アドレスは、HDMI CECにおける規格では、機器の種別に応じて複数個扱えることになっており、HDMIネットワーク内では唯一名となっている。この論理アドレスはHDMI機器の種類に応じて異なっている。例えば、論理アドレス“0”はテレビなどの表示機器、“1”はBD/DVD/HDDレコーダなどの録画機器、“5”はスピーカやAVアンプなどのオーディオ機器を示す。
【0039】
また、物理アドレスは、HDMIネットワーク内では唯一名となっているが、通常、表示機器には物理アドレス(0.0.0.0)が割り当てられる。また、HDMI機器がHDMIネットワークに追加されたり、切り離されたりすると自動的に調整される。物理アドレスは、表示機器を含む複数階層のアドレスを持ち、同一階層における唯一番号nから構成され、(n.n.n.n)形式で表現される。表示機器に直接接続されたHDMI機器の階層を第1階層とした場合、この第1階層の機器に接続されたHDMI機器が第2階層となり、表示機器から離れるに従って階層番号を増やしていく。そして、上記形式(n.n.n.n)の左端のnから右に行くに従って階層番号が増えるように表記される。
【0040】
HDMI機器の場合、このような論理アドレスと物理アドレスを持つために、たとえ複数台のHDMI機器がHDMIネットワークに接続されていても、特定の1台を指定してCECメッセージを送信することが可能となる。
【0041】
図2は、図1に示したTV1及びAVアンプ2の構成例を示すブロック図である。図中、TV1は、アンテナを介して放送波を受信するチューナ11と、インターネット等のネットワーク(通信網)に接続する通信部12と、チューナ11で受信した放送波からAVアンプ2の更新データを抽出する更新データ抽出部13と、TV1の動作を制御するコントローラ14と、更新データ等の各種データを記憶する不揮発性メモリの一例であるフラッシュメモリ15と、S/PDIF端子19の入力をフラッシュメモリ15または映像・音声再生部17に選択的に切り替える切り替えスイッチ16と、チューナ11または通信部12で取得される映像信号及び音声信号を再生処理する映像・音声再生部17と、AVアンプ2から映像信号及び音声信号を受信すると共に、AVアンプ2との間でCECメッセージを相互に送受信するHDMI受信部18と、S/PDIFライン3を介してAVアンプ2へ音声信号を伝送するデジタル音声伝送インタフェースの一例であるS/PDIF端子19とを備える。
【0042】
また、AVアンプ2は、AVアンプ2の動作を制御するコントローラ21と、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリ22と、スピーカ(図示せず)から音声出力するオーディオアンプ23と、TV1から伝送される更新データを抽出する更新データ抽出部24と、TV1から伝送される音声信号を処理する音声信号処理部25と、映像信号及び音声信号をTV1へ送信すると共に、TV1との間でCECメッセージを相互に送受信するHDMI送信部26と、TV1からS/PDIFライン3を介して音声信号を受信するS/PDIF端子27とを備える。
【0043】
AVアンプ2は、レコーダ等のソース機器(図示せず)を接続可能とし、ソース機器から映像信号及び音声信号を受信すると共に、ソース機器との間でCECメッセージを相互に送受信するHDMI受信部を備えているが、ここでの記載は省略する。このAVアンプ2は、チューナ11や通信部12を持たない電子機器である。
【0044】
本発明の主たる特徴部分は、複数の電子機器がS/PDIF等のデジタル音声伝送ラインを介して接続されたシステムにおいて、放送受信機能やネットワーク接続機能などを持たない電子機器であっても、ソフトウェアの更新を迅速且つ簡単に行えるようにすることにある。このための構成として、TV1は、AVアンプ2のソフトウェアを更新するための更新データを取得する更新データ取得手段に相当するチューナ11または通信部12と、取得した更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する更新データ伝送手段に相当するS/PDIF端子19とを備える。そして、AVアンプ2は、AVアンプ2のソフトウェアを、TV1から伝送された更新データにより更新するソフトウェア更新手段に相当するコントローラ21を備える。
【0045】
なお、以下の説明では、ソフトウェアとしてファームウェアを例示して説明するものとする。また、更新データは1つのファームウェアに対して、全体的に更新する更新用ファームウェアの形態であってもよく、また、部分的に更新するパッチファイル(修正プログラム)の形態であってもよい。
【0046】
図2において、チューナ11は、更新データを含む放送波を受信する受信手段に相当する。また、通信部12は、更新データを格納したサーバ装置(図示せず)にネットワークを介して接続し、サーバ装置から更新データをダウンロードするネットワーク接続手段に相当する。以下ではチューナ11あるいは通信部12により更新データを取得する場合について説明するが、光ディスク(BD,DVDなど)、USBメモリ、メモリカードなどの各種記録媒体に更新データを記録しておいて、記録媒体から更新データを取得するようにしてもよい。
【0047】
TV1は、AVアンプ2の識別情報及びファームウェアのバージョン情報を記憶する識別情報記憶手段に相当するフラッシュメモリ15を備える。TV1は、チューナ11または通信部12により取得した更新データに、AVアンプ2の識別情報及びファームウェアのバージョン情報が含まれ、そのファームウェアのバージョン情報がフラッシュメモリ15に記憶されたバージョン情報より新しい場合に、AVアンプ2のファームウェアを更新するか否かをユーザに選択させるための選択画面を表示する。そして、TV1に表示された選択画面上でユーザによりファームウェアの更新が選択指示された場合、コントローラ14が切り替えスイッチ16をフラッシュメモリ15側に切り替え、フラッシュメモリ15に記憶されている更新データをS/PDIF端子19のS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する。
【0048】
放送波に含まれる更新データには、そのヘッダ等に、アップデートする1つ以上の機器の識別情報及びファームウェアのバージョン情報が予め記述されており、TV1は、チューナ11で受信した更新データがAVアンプ2の識別情報を持つ更新データであるか否かを判定し、さらに、そのファームウェアのバージョン情報がフラッシュメモリ15に記憶されたバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。そして、TV1は、AVアンプ2の識別情報を持つ更新データであり、バージョン情報が新しい場合に、この更新データをフラッシュメモリ15に記憶する。この識別情報としては、例えば、機種名、型番、製造番号など、機器を特定できる固有情報であればよく、特に限定されるものではない。
【0049】
また、TV1は、AVアンプ2の識別情報及びファームウェアのバージョン情報を予め保持しておく必要があるが、これは、例えば、TV1の起動時などにAVアンプ2に所定のCECメッセージを送信することにより、AVアンプ2からその識別情報及びファームウェアのバージョン情報を受信し、フラッシュメモリ15に記憶しておけばよい。上記のCECメッセージとしては、AVアンプ2に対して、AVアンプ2が保持する識別情報及びファームウェアのバージョン情報をTV1に送信するように指示するベンダコマンドを用いることができる。このベンダコマンドは、メーカが独自に定義することができるCECメッセージである。
【0050】
ここで、本例の場合、上述したように、AVアンプ2のファームウェアの更新を行うか否かの選択画面をTV1に表示させ、ユーザの指示に基づいてファームウェアの更新処理を行うように構成されている。ファームウェアの更新処理中は、その旨をユーザに通知するためのコーション表示等をしたほうが好ましく、TV1は、各種UI(ユーザインタフェース)画面やコーション画面の表示を行うことができる。
【0051】
S/PDIFライン3の物理的な伝送レートは約1,536Mbps(16bit×2ch×48kHzfs)以上が可能であるため、アップデートするAVアンプ2のファームウェアのデータ容量を約1MBとすると、データ伝送に要する時間が、8,000,000(bit)/1,536M(bps)≒5.2秒、となる。このように、S/PDIFライン3を利用することで、前述のCECラインを利用した場合と比べ、格段に更新データの伝送時間を短縮することが可能となり、十分に実用的なレベルであることがわかる。
【0052】
また、AVアンプ2のファームウェアの更新を行うタイミングは、例えば、TV1の起動時または終了時や、ユーザによる更新指示があったときなど、種々のタイミングが考えられる。
【0053】
また、上記例では、ユーザによるファームウェアの更新指示に基づいて更新処理を実行するものとして説明したが、夜間やユーザが不在の時間帯などに自動的に更新処理を実行するようにしてもよい。この場合、TV1は、放送波等から取得した更新データに、AVアンプ2の識別情報及びファームウェアのバージョン情報が含まれ、そのバージョン情報がフラッシュメモリ15に記憶されたバージョン情報より新しいか否かを判定し、更新データのバージョン情報のほうが新しい場合に、コントローラ14が切り替えスイッチ16をフラッシュメモリ15側に切り替え、フラッシュメモリ15に記憶されている更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に自動的に伝送する。AVアンプ2は、TV1から伝送された更新データにより自身のファームウェアを自動的に更新する。なお、自動更新の場合、ユーザに対してUI画面やコーション画面を表示する必要がない。
【0054】
図3は、TV1によるAVアンプ2の更新データ取得方法の一例を説明するための図で、図中、5は更新用ファームデータ(更新データ)を示す。この更新用ファームデータ5は、ヘッダ51、TV1のファームデータ52、AVアンプ2のファームデータ53で構成される。まず、TV1は、TV1のファームデータ52及びAVアンプ2のファームデータ53を含む更新用ファームデータ5を放送波により取得し、これをフラッシュメモリ15に記憶する。ヘッダ51にはTV1及びAVアンプ2それぞれの機種名及びファームウェアのバージョン情報が記述されている。
【0055】
ユーザがTV1を起動したとき、あるいは、ユーザ操作によりAVアンプ2の更新指示があったときに、TV1は、CECメッセージなどを使用して、TV1に現在接続されているAVアンプ2から機種名及びファームウェアのバージョン情報を取得する。そして、TV1は、ヘッダ51に記述されているAVアンプ2の機種名及びバージョン情報と、AVアンプ2から取得した機種名及びバージョン情報とを比較し、機種名が一致し、且つ、ヘッダ51に記述されているバージョン情報のほうが新しい場合に、更新用ファームデータ5をフラッシュメモリ15に保存し、AVアンプ2のファームウェアの更新を許可する。なお、機種名が不一致の場合や、機種名が一致してもヘッダ51に記述されているバージョン情報が同じあるいは古いバージョンである場合には、更新用ファームデータ5をフラッシュメモリ15から削除する。
【0056】
図3の例において、更新用ファームデータ5は、TV1の更新データに対して、TV1に接続可能な1つ以上のAVアンプの更新データが組み合わされていてもよい。すなわち、ヘッダ51には、TV1の機種名に対する複数のAVアンプの機種名及びファームウェアのバージョン情報の組み合わせが記述されている。例えば、TV1に対して、接続可能なAVアンプが5種類あれば、更新用ファームデータの5つのペアが記述される。そして、仮にTV1に接続されているAVアンプが2種類である場合には、TV1は、TV1の更新用ファームデータと、該当する2種類のAVアンプの更新用ファームデータとを取得すればよい。なお、TV1もAVアンプ2と同様に、コントローラ14により、取得した更新用ファームデータによりTV1のファームウェアを更新することができる。
【0057】
上記において、図2の構成例の場合、TV1には1つのAVアンプ2が接続されているが、AVアンプあるいはスイッチャなどのリピータ機器を階層的に複数接続しても同様の処理が可能である。例えば、AVアンプ2の後段にさらに別のAVアンプがHDMI接続され、この別のAVアンプの識別情報を持つ更新データを伝送する場合には、別のAVアンプの更新データをAVアンプ2がスルーするように取り決めをしておけばよい。
【0058】
図4は、TV1によるAVアンプ2の更新データ取得方法の他の例を説明するための図で、図中、6はサーバ装置を示す。サーバ装置6はAVアンプのバージョンアップ管理ファイルを格納する。この例では、ユーザがTV1を起動したとき、あるいは、ユーザ操作によりAVアンプ2の更新指示があったときに、TV1は、CECメッセージなどを使用して、TV1に現在接続されているAVアンプ2から機種名及びファームウェアのバージョン情報を取得する。
【0059】
そして、TV1は、例えばネットワーク経由でサーバ装置6にアクセスし、サーバ6に格納されているAVアンプのバージョンアップ管理ファイルを参照する。ここではTV1に接続してファームウェアを更新可能なAVアンプとして機種A〜Eが存在し、機種AがAVアンプ2に対応する機種であるものとする。このバージョンアップ管理ファイルには各AVアンプ(機種名)毎にファームウェアの最新のバージョン情報、ファームデータの保存場所(インターネット上のURL)などが記述されている。
【0060】
TV1は、AVアンプ2から取得したバージョン情報と、バージョンアップ管理ファイルに記述されているAVアンプ2(機種A)のバージョン情報とを比較し、バージョンアップ管理ファイルに記述されているバージョン情報のほうが新しい場合に、バージョンアップ管理ファイルに記述されている保存場所にアクセスして、新しい更新用ファームデータを取得する。なお、この更新用ファームデータの保存場所はバージョンアップ管理ファイルを格納するサーバ装置6であってもよい。このようにして、AVアンプ2のファームウェアの更新が許可される。
【0061】
前述の図2において、TV1からAVアンプ2への更新データの伝送中や、AVアンプ2でのファームウェア更新中に停電等の障害が発生した場合の対応策について以下に説明する。
【0062】
TV1は、チューナ11により取得した更新データを、更新データ記憶手段に相当するフラッシュメモリ15に記憶する。そして、TV1は、S/PDIF端子19によりAVアンプ2への更新データの伝送が完了した後に、フラッシュメモリ15の更新データを削除する。これによれば、更新データの伝送中に停電等の障害が発生し、伝送処理が中断されたとしても、更新データはフラッシュメモリ15に記憶されているため、障害復旧後に再度伝送処理を行うことができる。
【0063】
また、AVアンプ2は、TV1から伝送された更新データを、更新データメモリ手段に相当するフラッシュメモリ22に記憶する。そして、AVアンプ2は、コントローラ21によりファームウェアの更新が完了した後に、フラッシュメモリ22の更新データを削除する。これによれば、ファームウェアの更新中に停電等の障害が発生し、更新処理が中断されたとしても、更新データはフラッシュメモリ22に記憶されているため、障害復旧後に再度更新処理を行うことができる。
【0064】
図5は、図1に示したソフトウェア更新システムにおけるTV1の動作例について説明するためのフロー図である。まず、TV1は、放送波にAVアンプ2の更新データが含まれているか否かを判定し(ステップS1)、放送波に更新データが含まれていない場合、または、更新データがAVアンプ2の更新データではない場合、または、更新データのバージョン情報がAVアンプ2の現在のバージョン情報と同じあるいは古い場合(NOの場合)、通常動作に移行する。また、ステップS1において、放送波にAVアンプ2の更新データが含まれており且つそのバージョン情報がAVアンプ2の現在のバージョン情報よりも新しい場合(YESの場合)、更新データをフラッシュメモリ15に保存する(ステップS2)。
【0065】
次に、TV1は、AVアンプ2のファームウェアを更新するか否かをユーザに選択させるための更新選択画面を表示する(ステップS3)。このTV1の更新選択画面上でユーザが更新処理を選択しなかった場合(NOの場合)、ステップS3に戻り通常動作を行いながら、所定の間隔であるいは電源切断時等に再度更新選択画面をTV1に表示させる。また、ステップS3において、TV1の更新選択画面上でユーザが更新処理を選択した場合(YESの場合)、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをAVアンプ2へ送信する(ステップS4)。そして、TV1は、AVアンプ2へS/PDIFライン3により更新データの伝送を開始する(ステップS5)。
【0066】
上記ステップS4,S5において、TV1は、更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する前に、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをAVアンプ2に送信する。この際、このCECメッセージを受信したAVアンプ2は全ての音声出力をミュートするようにしてもよい。具体的には、図2において、AVアンプ2は、TV1から伝送される音声信号を内蔵スピーカあるいは外部スピーカへ出力する音声出力手段に相当する音声信号処理部25を備える。コントローラ21は、CECメッセージを受信した時点から更新データの伝送処理が完了するまでの間、音声信号処理部25による音声出力をミュートするように制御する。
【0067】
上記において、本発明では本来音声信号を伝送するためのS/PDIFラインを用いて、更新データを伝送するため、誤ってこの更新データを再生してしまうと、ユーザに不快感等を与えたり、スピーカを破損してしまう恐れがある。このため音声出力のミュートによりこれを防止するようにしている。
【0068】
図5において、TV1は、更新データの伝送処理が正常に終了したか否かを判定し(ステップS6)、停電等の障害により伝送処理が正常に終了しなかった場合(NOの場合)、ステップS3に戻り、障害復旧後に更新選択画面を表示する。また、ステップS6において、伝送処理が正常に終了した場合(YESの場合)、フラッシュメモリ15に保存した更新データを削除して処理を終了する(ステップS7)。
【0069】
図6は、図1に示したソフトウェア更新システムにおけるAVアンプ2の動作例について説明するためのフロー図である。まず、AVアンプ2は、TV1から、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージを受信したか否かを判定し(ステップS11)、CECメッセージを受信しない場合(NOの場合)、通常動作に移行する。また、ステップS11において、CECメッセージを受信した場合(YESの場合)、TV1から音声伝送ラインにより伝送されてくる更新データをフラッシュメモリ22に保存する(ステップS12)。上述したように、この更新データの伝送処理中はAVアンプ2の全ての音声出力をミュートするように制御される。
【0070】
次に、AVアンプ2は、更新データの受信が正常に終了したか否かを判定し(ステップS13)、正常に受信が終了した場合(YESの場合)、正常に受信できたことをTV1に通知する(ステップS14)。また、ステップS13において、正常に受信が終了していない場合(NOの場合)、TV1の画面上等にエラー表示を行い(ステップS15)、通常動作に移行する。
【0071】
次に、AVアンプ2は、受信した更新データに基づいてAVアンプ2のファームウェアを更新する(ステップS16)。そして、AVアンプ2は、ファームウェアの更新処理が正常に終了したか否かを判定し(ステップS17)、更新処理が正常に終了した場合(YESの場合)、フラッシュメモリ22内の更新データを破棄して終了する(ステップS18)。また、ステップS17において、停電等の障害により更新処理が正常に終了していない場合(NOの場合)、ステップS16に戻り、障害復旧後に再度更新処理をやり直す。
【0072】
図7は、図1に示したソフトウェア更新システムによるコマンドフローの一例を説明するための図で、図中、7は放送局を示す。まず、放送局7は、AVアンプ2の更新データを放送波により送信し(S21)、TV1は、この放送波を受信し、AVアンプ2の更新データをフラッシュメモリ15に保存する(S22)。そして、ユーザが前述の更新選択画面上でAVアンプ2のファームウェアの更新を許諾した場合、TV1は、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをAVアンプ2に送信し(S23)、AVアンプ2は、このCECメッセージに対する応答をTV1に返す(S24)。
【0073】
次に、TV1は、フラッシュメモリ15に保存した更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する(S25)。AVアンプ2は、TV1から伝送されてくる更新データをフラッシュメモリ22に保存し(S26)、更新データの終端を検出すると(S27)、データ受信完了の応答をTV1に返す(S28)。TV1は、AVアンプ2からデータ受信完了の応答を受信すると、フラッシュメモリ15内の更新データを破棄する(S29)。
【0074】
そして、AVアンプ2は、フラッシュメモリ22に保存した更新データによりファームウェアを更新し(S30)、更新処理が正常に終了した場合、フラッシュメモリ22内の更新データを破棄する(S31)。
【0075】
ここで、S/PDIFライン3では、伝送波形よりデータ及び伝送クロックを抽出するため、受信デバイス(AVアンプ側)においてPLL(Phase Locked Loop)ロック状態となるまではデータを受信することができない。従って、単純にS/PDIFライン3で更新データを送ってしまうと、更新データの先頭部分が欠落してしまう恐れがある。
【0076】
上記の対策として、TV1は、図8に示すように、コントローラ14からの指示に基づいて、更新データの先頭にダミーデータを付加して伝送するようにしてもよい。このダミーデータは例えばTV1のコントローラ14が生成し、コントローラ14からの制御に基づいて更新データの先頭にダミーデータが付加される。
【0077】
上記のダミーデータの部分で、AVアンプ2におけるPLLのロックを完了させることで、データの欠落を防止することができる。なお、ダミーデータのデータ量を不用意に大きくすると、後述のバッファメモリ29の記憶容量を占有してしまうため、好ましくない。ダミーデータのデータ量(データ長)は、伝送開始からPLLロック状態になるまでの間伝送されていればよいため、ハードウェアの構成に応じて適宜決定すればよい。
【0078】
図9は、TV1からAVアンプ2に伝送される更新データのフォーマットの一例を示す図である。この例は、AVアンプ2が備える最大3つのデバイスのファームウェアをアップデートする場合のデータフォーマットを示し、図9(A)は更新データのデータフォーマット、図9(B)はヘッダの詳細を示す。
【0079】
図9(A)に示す例では、デバイス1〜3の更新データは予め決められたルールに基づいて記述されている。従って、更新データとダミーデータとを区別するために、例えば、ダミーデータのデータ形式を、更新データのデータ形式と異なるようにする。このダミーデータのデータ形式は、更新データとしては使用されないデータ形式であればどのようなものでもよいが、例えば、「Lchデータ:0x1234,Rchデータ:0x5678」を連続して出力する。これにより、AVアンプ2の更新データ抽出部24においてダミーデータを区別して更新データのみを抽出することができる。
【0080】
また、更新データのヘッダに、AVアンプ2の識別情報(例えば、機種名など)を含む固定データを付加するようにしてもよい。図9(B)に示すヘッダの例によれば、AVアンプ2が備えるデバイス1〜3の各第0〜第7バイトの値は、モデル名、デバイス名を表すユニークな固定値となる。そこで、このヘッダの固定データを検出することで、AVアンプ2の更新データであることが特定できる。これにより、AVアンプ2の更新データ抽出部24において更新データとダミーデータを区別して更新データのみを抽出することができる。なお、ダミーデータとしては上記固定値と異なる適当な値を設定すればよい。
【0081】
図10は、AVアンプ2において更新データを抽出するための具体的な構成例を示すブロック図で、28は切り替えスイッチ、29はバッファメモリ、30はヘッダ検出手段に相当するヘッダ検出部、31は更新データ抽出手段に相当する更新データ抽出部を示す。AVアンプ2は、TV1から更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージを受信すると、コントローラ21が切り替えスイッチ28を「通常動作時」から「更新時」に切り替える。これによりAVアンプ2はファームウェア更新処理モードに移行する。
【0082】
そして、AVアンプ2において、TV1から伝送されてくるダミーデータ及び更新データを含む伝送データは一時的にバッファメモリ29に格納される。ヘッダ検出部30では、バッファメモリ29に格納された伝送データから更新データのヘッダを検出する。更新データ抽出部31では、ヘッダ検出部30で検出されたヘッダの固定データに基づいてAVアンプ2の更新データのみを抽出する。これは固定データに含まれる識別情報によりAVアンプ2の更新データであるか否かを判定することができる。そして、更新データ抽出部31で抽出された更新データはフラッシュメモリ22に記憶される。
【0083】
このように、更新データのヘッダに付加された固定データにより更新データとダミーデータとが区別され、AVアンプ2の更新データのみを抽出することができる。また、複数のAVアンプが接続された形態であっても、各AVアンプは複数の更新データの中から自身の更新データのみを抽出することができる。
【0084】
図11は、AVアンプ2において更新データを抽出するための具体的な他の構成例を示すブロック図で、32はヘッダ検出部、33は更新データ書込部、34は更新データ抽出部を示す。AVアンプ2は、上記図10の構成と同様に、TV1から更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージを受信すると、コントローラ21が切り替えスイッチ28を「通常動作時」から「更新時」に切り替える。これによりAVアンプ2はファームウェア更新処理モードに移行する。
【0085】
そして、AVアンプ2において、ヘッダ検出部32では、TV1から伝送されてくるダミーデータ及び更新データを含む伝送データから更新データのヘッダを検出する。更新データ抽出部34では、ヘッダ検出部32で検出されたヘッダの固定データに基づいてAVアンプ2の更新データのみを抽出する。そして、更新データ書込部33が、更新データ抽出部34で抽出された更新データをフラッシュメモリ22に書き込んで記憶する。この場合も図10の例と同様に、上記固定データにより更新データとダミーデータとが区別され、AVアンプ2の更新データのみを抽出することができる。
【0086】
図11に示す構成の場合、ヘッダ検出部32、更新データ抽出部34、及び更新データ書込部33を専用のハードウェアとして備えているため、上記の図10に示す構成と比較して、更新データのフラッシュメモリ22への記憶を高速に行うことができる。
【0087】
図12は、本発明の他の参考例に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図である。本参考例の表示ユニットは、受信機器の一例であるレコーダ8と、表示機器の一例であるTV9とで構成され、レコーダ8とTV9とがHDMI接続される。そして、TV9とAVアンプ2とがHDMI接続され且つS/PDIFライン3を介して接続される。本参考例では、レコーダ8は、更新データをHDMI規格における音声伝送ラインによりTV9に伝送し、TV9は、更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する。なお、レコーダ8はHDMI規格におけるソース機器に相当する。
【0088】
図13は、図12に示したレコーダ8,AVアンプ2,及びTV9の構成例を示すブロック図である。図中、レコーダ8は、アンテナを介して放送波を受信するチューナ81と、インターネット等のネットワーク(通信網)に接続する通信部82と、チューナ81で受信した放送波からAVアンプ2の更新データを抽出する更新データ抽出部83と、レコーダ8の動作を制御するコントローラ84と、更新データ等の各種データを記憶するHDD(ハードディスクドライブ)85と、チューナ81または通信部82で取得される映像信号を処理する映像信号処理部86と、チューナ11または通信部12で取得される音声信号を処理する音声信号処理部87とを備える。
【0089】
また、レコーダ8は、映像信号処理部86から出力された映像信号及び音声信号処理部87から出力された音声信号をBD/DVD等の光ディスクに書き込み、また、光ディスクに記録されている映像信号及び音声信号を読み込む光ディスク駆動部88と、映像信号及び音声信号をTV9に送信すると共に、TV9,AVアンプ2との間でCECメッセージを相互に送受信するHDMI送信部89とを備える。このHDMI送信部89は、放送網あるいは通信網から取得されるAVアンプ2の更新データをTMDSラインに含まれる音声伝送ラインを利用して送信することができる。
【0090】
また、TV9は、レコーダ8のHDMI送信部89とHDMIケーブル4を介して接続される第1のHDMI受信部91と、AVアンプ2のHDMI送信部26とHDMIケーブル4を介して接続される第2のHDMI受信部92と、第1のHDMI受信部91からの入力と第2のHDMI受信部92からの入力のいずれかを選択的に出力する信号セレクタ93と、「通常動作モード」と「ファームウェア更新処理モード」とを切り替える切り替えスイッチ94と、映像信号及び音声信号を再生する映像・音声再生部95と、TV9の動作を制御するコントローラ96と、S/PDIFライン3を接続するS/PDIF端子97とを備える。なお、TV9のチューナ回路の記載は省略している。
【0091】
具体的には、図13において、レコーダ8のHDMI送信部89は、更新データをHDMIの音声伝送ラインによりTV9を中継し、さらにS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する前に、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをTV9及びAVアンプ2に送信する。そして、TV9は、レコーダ8からCECメッセージを受信すると、信号セレクタ93が第1のHDMI受信部91からの入力を選択し、コントローラ96が切り替えスイッチ94を制御し、切り替えスイッチ94を「データ伝送中」側に切り替える。そして、TV9は、S/PDIF端子97により、レコーダ8から受信した更新データをS/PDIFライン3を介してAVアンプ2に伝送する。
【0092】
図14は、図12に示したソフトウェア更新システムにおけるレコーダ8の動作例について説明するためのフロー図である。まず、レコーダ8は、放送波にAVアンプ2の更新データが含まれているか否かを判定し(ステップS41)、放送波に更新データが含まれていない場合、または、更新データがAVアンプ2の更新データではない場合、または、更新データのバージョン情報がAVアンプ2の現在のバージョン情報と同じあるいは古い場合(NOの場合)、通常動作に移行する。また、ステップS41において、放送波にAVアンプ2の更新データが含まれており且つそのバージョン情報がAVアンプ2の現在のバージョン情報よりも新しい場合(YESの場合)、更新データをHDD85に保存する(ステップS42)。
【0093】
次に、レコーダ8は、AVアンプ2のファームウェアを更新するか否かをユーザに選択させるための選択画面信号をHDMI規格における映像伝送ラインによりTV9に伝送し、TV9に更新選択画面を表示させる(ステップS43)。このTV9の更新選択画面上でユーザが更新処理を選択しなかった場合(NOの場合)、ステップS43に戻り通常動作を行いながら、所定の間隔であるいは電源切断時等に再度更新選択画面をTV9に表示させる。また、ステップS43において、TV9の更新選択画面上でユーザが更新処理を選択した場合(YESの場合)、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをTV9及びAVアンプ2へ送信する(ステップS44)。そして、レコーダ8は、TV9へHDMI規格における音声伝送ラインにより更新データの伝送を開始する(ステップS45)。
【0094】
上記ステップS44,S45において、レコーダ8のHDMI送信部89は、更新データをHDMIの音声伝送ラインによりTV9に伝送する前に、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをTV9及びAVアンプ2に送信する。この際、このCECメッセージを受信したTV9及びAVアンプ2は、CECメッセージを受信した時点から更新データの伝送処理が完了するまでの間、全ての音声出力をミュートするようにしてもよい。
【0095】
次に、レコーダ8は、更新データの伝送処理が正常に終了したか否かを判定し(ステップS46)、停電等の障害により伝送処理が正常に終了しなかった場合(NOの場合)、ステップS43に戻り、障害復旧後に更新選択画面をTV9に表示させる。また、ステップS46において、伝送処理が正常に終了した場合(YESの場合)、HDD85に保存した更新データを削除して処理を終了する(ステップS47)。
【0096】
図15は、図12に示したソフトウェア更新システムにおけるTV9の動作例について説明するためのフロー図である。まず、TV9は、レコーダ8から、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージを受信したか否かを判定し(ステップS51)、CECメッセージを受信していない場合(NOの場合)、通常動作に移行する。また、ステップS51において、CECメッセージを受信した場合(YESの場合)、全ての音声出力をミュートし(ステップS52)、信号セレクタ93が第1のHDMI受信部91からの入力を選択する(ステップS53)。そして、切り替えスイッチ94を“データ伝送中”側、すなわち、S/PDIF端子97側へ切り替える(ステップS54)。
【0097】
次に、TV9は、レコーダ8から受信した更新データをS/PDIFライン3を介してAVアンプ2へ伝送し(ステップS55)、更新データの伝送が正常に終了したか否かを判定する(ステップS56)。ここで、更新データの伝送が正常に終了した場合(YESの場合)、切り替えスイッチ94を“通常動作中”側へ切り替える(ステップS57)。また、更新データの伝送がまだ終了していない場合(NOの場合)、ステップS55に戻り、伝送処理を継続する。
【0098】
図16は、図12に示したソフトウェア更新システムにおけるAVアンプ2の動作例について説明するためのフロー図である。まず、AVアンプ2は、レコーダ8から、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージを受信したか否かを判定し(ステップS61)、CECメッセージを受信しない場合(NOの場合)、通常動作に移行する。また、ステップS61において、CECメッセージを受信した場合(YESの場合)、TV9からS/PDIFライン3により伝送されてくる更新データをフラッシュメモリ22に保存する(ステップS62)。この更新データの伝送処理中はAVアンプ2の全ての音声出力をミュートするように制御される。
【0099】
次に、AVアンプ2は、更新データの受信が正常に終了したか否かを判定し(ステップS63)、正常に受信が終了した場合(YESの場合)、正常に受信できたことをTV9及びレコーダ8に通知する(ステップS64)。また、ステップS63において、正常に受信が終了していない場合(NOの場合)、TV9の画面上等にエラー表示を行い(ステップS65)、通常動作に移行する。
【0100】
次に、AVアンプ2は、受信した更新データに基づいてAVアンプ2のファームウェアを更新する(ステップS66)。そして、AVアンプ2は、ファームウェアの更新処理が正常に終了したか否かを判定し(ステップS67)、更新処理が正常に終了した場合(YESの場合)、フラッシュメモリ22内の更新データを破棄して終了する(ステップS68)。また、ステップS67において、停電等の障害により更新処理が正常に終了していない場合(NOの場合)、ステップS66に戻り、障害復旧後に再度更新処理をやり直す。
【0101】
図17は、図12に示したソフトウェア更新システムによるコマンドフローの一例を説明するための図である。まず、放送局7は、AVアンプ2の更新データを放送波により送信し(S71)、レコーダ8は、この放送波を受信し、AVアンプ2の更新データをHDD85に保存する(S72)。そして、ユーザが前述の更新選択画面上でAVアンプ2のファームウェアの更新を許諾した場合、レコーダ8は、更新データを伝送する旨を通知するためのCECメッセージをTV9及びAVアンプ2に送信する(S73)。
【0102】
TV9は、レコーダ8からCECメッセージを受信すると、音声出力をミュートし(S74)、信号セレクタ93が第1のHDMI受信部91からの入力を選択する(S75)。そして、TV9は、切り替えスイッチ94を“データ伝送中”側に切り替える(S76)。そして、TV9及びAVアンプ2は、このCECメッセージに対する応答をレコーダ8に返す(S77)。
【0103】
次に、レコーダ8は、HDD85に保存した更新データをHDMIの音声伝送ラインによりTV9に伝送し、TV9は、レコーダ8から受信した更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する(S78)。AVアンプ2は、レコーダ8からTV9を経由して伝送されてくる更新データをフラッシュメモリ22に保存し(S79)、更新データの終端を検出すると(S80)、データ受信完了の応答をTV9及びレコーダ8に返す(S81)。レコーダ8は、AVアンプ2からデータ受信完了の応答を受信すると、HDD85内の更新データを破棄する(S82)。
【0104】
そして、TV9は、切り替えスイッチ94を“通常動作中”側へ切り替える(S83)。また、AVアンプ2は、フラッシュメモリ22に保存した更新データによりファームウェアを更新し(S84)、更新処理が正常に終了した場合、フラッシュメモリ22内の更新データを破棄する(S85)。
【0105】
(本発明の実施形態)
図18は、本発明の一実施形態に係るソフトウェア更新システムの一例を示す図である。本実施形態の表示ユニットは、レコーダ8と、TV9とで構成され、レコーダ8とTV9とがHDMI接続される。そして、TV9とAVアンプ2とがHDMI接続され且つレコーダ8とAVアンプ2とがS/PDIFライン3を介して接続される。そして、レコーダ8は、更新データをS/PDIFライン3によりAVアンプ2に伝送する。
【0106】
図19は、図18に示したレコーダ8,AVアンプ2,及びTV9の構成例を示すブロック図である。前述の参考例(図12,図13)におけるシステム構成と異なる点は、レコーダ8がS/PDIF端子90を備え、AVアンプ2がS/PDIF端子27と異なる別のS/PDIF端子28を備え、レコーダ8とAVアンプ2とがS/PDIFライン3により接続されている点である。すなわち、前述の参考例では、レコーダ8が更新データをHDMIの音声伝送ラインを介してTV9に伝送していたが、本実施形態では、更新データがレコーダ8からAVアンプ2へS/PDIFライン3を介して直接伝送される。この際、レコーダ8のHDMIにて出力される音声はミュート処理される。
【0107】
上述したように、デジタル音声伝送ラインとして、S/PDIFを例示して説明したが、本発明は、このS/PDIFに限定されるものではない。また、通信インタフェースとして、HDMIを例示したが、本発明は、このHDMIに限らず、IEEE1394等の音声伝送ラインを持つ通信インタフェース全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1,9…TV、2…AVアンプ、3…S/PDIFライン、4…HDMIケーブル、5…更新用ファームデータ、6…サーバ装置、7…放送局、8…レコーダ、11,81…チューナ、12,82…通信部、13,24,83…更新データ抽出部、14,21,84,96…コントローラ、15,22…フラッシュメモリ、16,94…切り替えスイッチ、17,95…映像・音声再生部、18…HDMI受信部、19,27,28,90,97…S/PDIF端子、23…オーディオアンプ、25,87…音声信号処理部、26,89…HDMI送信部、28…切り替えスイッチ、29…バッファメモリ、30,32…ヘッダ検出部、33…更新データ書込部、85…HDD、86…映像信号処理部、88…光ディスク駆動部、91…第1のHDMI受信部、92…第2のHDMI受信部、93…信号セレクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機器及び表示機器で構成された表示ユニットと、該受信機器とデジタル音声伝送ラインを介して接続された電子機器とを備えたソフトウェア更新システムであって、
前記受信機器は、前記電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得する更新データ取得手段と、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する更新データ伝送手段とを備え、
前記電子機器は、該電子機器のソフトウェアを、前記受信機器から伝送された更新データにより更新するソフトウェア更新手段を備え、
前記受信機器と前記表示機器とが通信インタフェースを介して接続されると共に、前記表示機器と前記電子機器とがさらに通信インタフェースを介して接続されていることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項2】
請求項1に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、前記更新データに、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報が含まれ、該ソフトウェアのバージョン情報が前記識別情報記憶手段に記憶されたバージョン情報より新しい場合に、前記更新データ伝送手段は、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項3】
請求項1に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、前記更新データに、前記電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報が含まれ、該ソフトウェアのバージョン情報が前記識別情報記憶手段に記憶されたバージョン情報より新しい場合に、前記電子機器のソフトウェアを更新するか否かをユーザに選択させるための選択画面を表示し、該選択画面上でユーザによりソフトウェアの更新が選択指示された場合、前記更新データ伝送手段は、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記通信インタフェースを介して所定のコマンドを前記電子機器に送信することにより、前記電子機器から該電子機器の識別情報及びソフトウェアのバージョン情報を受信し、前記識別情報記憶手段に記憶することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する前に、前記通信インタフェースを介して前記更新データを伝送する旨を通知するためのコマンドを前記電子機器に送信することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項6】
請求項5に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送される音声信号を内蔵スピーカあるいは外部スピーカへ出力する音声出力手段を備え、前記コマンドを受信した時点から前記更新データの伝送処理が完了するまでの間、前記音声出力手段による音声出力をミュートすることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記更新データは、前記表示ユニットの更新データと、該表示ユニットに接続可能な1つ以上の電子機器の更新データとが組み合わされていることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記更新データ取得手段により取得した更新データを記憶する更新データ記憶手段を備え、前記更新データ伝送手段により前記電子機器への更新データの伝送が完了した後に、前記更新データ記憶手段の更新データを削除することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送された更新データを記憶する更新データメモリ手段を備え、前記ソフトウェア更新手段によりソフトウェアの更新が完了した後に、前記更新データメモリ手段の更新データを削除することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記表示ユニットは、前記更新データの先頭にダミーデータを付加して伝送することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項11】
請求項10に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記ダミーデータのデータ形式は、前記更新データのデータ形式と異なることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項12】
請求項10に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記更新データのヘッダには、前記電子機器の識別情報を含む固定データが付加されていることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項13】
請求項12に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送されるダミーデータ及び更新データを含む伝送データから該更新データのヘッダを検出するヘッダ検出手段と、該検出したヘッダの固定データに基づいて前記電子機器の更新データを抽出する更新データ抽出手段とを備え、該抽出した更新データを前記電子機器が備える更新データメモリ手段に記憶することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項14】
請求項12に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記電子機器は、前記表示ユニットから伝送されるダミーデータ及び更新データを含む伝送データを一時的に格納するバッファメモリと、該バッファメモリに格納された伝送データから前記更新データのヘッダを検出するヘッダ検出手段と、該検出したヘッダの固定データに基づいて前記電子機器の更新データを抽出する更新データ抽出手段とを備え、該抽出した更新データを前記電子機器が備える更新データメモリ手段に記憶することを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記更新データ取得手段は、更新データを含む放送波を受信する受信手段であることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記更新データ取得手段は、更新データを格納したサーバ装置にネットワークを介して接続し、該サーバ装置から更新データをダウンロードするネットワーク接続手段であることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項17】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記通信インタフェースはHDMIであり、前記電子機器はリピータ機器であることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項18】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記通信インタフェースはIEEE1394であることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムにおいて、前記デジタル音声伝送ラインは、S/PDIFラインであることを特徴とするソフトウェア更新システム。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のソフトウェア更新システムを構成する表示ユニットであって、
該表示ユニットは、電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得する更新データ取得手段と、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送する更新データ伝送手段とを備えたことを特徴とする表示ユニット。
【請求項21】
受信機器及び表示機器で構成された表示ユニットと、該受信機器とデジタル音声伝送ラインを介して接続された電子機器とを備え、前記受信機器と前記表示機器とが通信インタフェースを介して接続されると共に、前記表示機器と前記電子機器とがさらに通信インタフェースを介して接続されたソフトウェア更新システムによるソフトウェア更新方法であって、
前記受信機器が、前記電子機器のソフトウェアを更新するための更新データを取得するステップと、該取得した更新データを前記デジタル音声伝送ラインにより前記電子機器に伝送するステップとを備え、
前記電子機器が、該電子機器のソフトウェアを、前記受信機器から伝送された更新データにより更新するステップを備えたことを特徴とするソフトウェア更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−282603(P2010−282603A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231714(P2009−231714)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【分割の表示】特願2009−137263(P2009−137263)の分割
【原出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】