説明

ソフトカプセル入浴剤

【課題】ゼラチン代替物をソフトカプセル皮膜材料に用いるときに、未使用の状態で入浴剤がソフトカプセル皮膜から流出して製品としての使用に適さなくなるおそれが少なく、かつ入浴剤の白濁作用効果を好適に得ることができるソフトカプセル入浴剤を提供する。
【解決手段】ソフトカプセル入浴剤は、ソフトカプセル皮膜に入浴剤を封入してなるソフトカプセル入浴剤である。ソフトカプセル皮膜が、多糖類および可塑剤を配合した材料で形成され、入浴剤が、水中で乳化する液状油分と乳化剤を主成分として含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入浴剤をソフトカプセル皮膜に封入したソフトカプセル入浴剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品、食品および化粧品等の分野では、油状、ペースト状あるいは粉状等の流動性を有する内容物をソフトカプセル皮膜に封入してソフトカプセル(ソフトカプセル剤)として取り扱うことが広く行われている。
【0003】
ソフトカプセルは、通常、化粧品等の内容物を2枚のシート状のソフトカプセル皮膜(湿潤皮膜)に挟み込み、内容物の周囲をヒートシールすることにより、内容物がソフトカプセル皮膜で被覆されたソフトカプセルが形成される。その後、ソフトカプセルを周囲のソフトカプセル皮膜部分から打ち抜き、乾燥する等して製品が得られる。
このような方法で得られるソフトカプセルは、内容物がカプセルから漏れないように適度の皮膜強度や2枚のソフトカプセル皮膜の張り合わせ部分の接着性等が求められる。そして、これらの要求を好適に満たすものとして、ゼラチンと可塑剤を材料として、その水溶液がゲル化したものをソフトカプセル皮膜材料として用いることが一般に行われている。
【0004】
ソフトカプセルの内容物として入浴剤を用いたソフトカプセル入浴剤も市販されているが、この場合もソフトカプセル皮膜材料として、ゼラチンと澱粉を材料として、その水溶液がゲル化したものが用いられているのが現状である(特許文献1参照)。
【0005】
ところが、ゼラチンは動物由来のたんぱく質であり、牛、豚等の動物の骨や皮等から製造されるため、昨今の狂牛病問題やアレルギー問題が心配されている。このため、ソフトカプセル皮膜材料としてゼラチン代替物を用いることが種々検討されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平2−202812号公報
【特許文献2】特開2004−315466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ソフトカプセル入浴剤の場合、内容物である入浴剤および入浴剤を封入するソフトカプセル皮膜の双方に高い品質が求められる。
すなわち、入浴剤については、浴槽に投入した後にソフトカプセル皮膜から出てくる入浴剤成分が手でかき混ぜる等の操作を行わなくても自然に拡散して浴槽に張った湯全体にほぼ行き渡り湯を確実に白濁させることが必要である。一方、ゼラチン代替物を用いるソフトカプセル皮膜については、接着性等の機能を十分果たすことが求められる。このとき、入浴剤の組成によっては、ソフトカプセル皮膜の接着性等の特性が十分に得られずに、未使用の状態でソフトカプセル皮膜の張り合わせ箇所(シール箇所)から入浴剤が流出して使用に適さなくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ゼラチン代替物をソフトカプセル皮膜材料に用いるときに、未使用の状態で入浴剤がソフトカプセル皮膜から流出して製品としての使用に適さなくなるおそれが少なく、かつ入浴剤の白濁作用効果を好適に得ることができるソフトカプセル入浴剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、ソフトカプセル皮膜に入浴剤を封入してなるソフトカプセル入浴剤であって、該ソフトカプセル皮膜が、多糖類および可塑剤を材料として形成され、該入浴剤が、水中で乳化する液状油分と乳化剤を主成分として含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記ソフトカプセル皮膜の材料が、前記多糖類100質量部に対して前記可塑剤5〜300質量部を配合したものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記多糖類が、カラギーナン10〜30質量部と澱粉分解物および/または酸処理澱粉80〜120質量部の配合物であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記ソフトカプセル皮膜の前記可塑剤がグリセリンであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記入浴剤が、前記液状油分を75〜82質量%および前記乳化剤を7〜10質量%含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記液状油分が流動パラフィンであり、前記乳化剤が界面活性剤であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、好ましくは、前記入浴剤が、保湿効果を発現するグリセリンを含まないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るソフトカプセル入浴剤は、ソフトカプセル皮膜が、多糖類および可塑剤を材料として形成され、入浴剤が、水中で乳化する液状油分と乳化剤を主成分として含むため、未使用の状態で入浴剤がソフトカプセル皮膜から流出して製品としての使用に適さなくなるおそれが少なく、かつ入浴剤の白濁作用効果を好適に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係るソフトカプセル入浴剤の好適な実施の形態について、以下に説明する。
【0017】
本実施の形態に係るソフトカプセル入浴剤は、ソフトカプセル皮膜に入浴剤を封入(充填)したソフトカプセル入浴剤である。
ソフトカプセル皮膜は、多糖類および可塑剤を材料として形成される。また、入浴剤は、水中で乳化する液状油分と乳化剤を主成分として含む。
【0018】
ソフトカプセル皮膜材料である多糖類は、単独 または 金属イオンや糖との共存下で、熱によるゾル・ゲル転移能を有するもの(以下、これを多糖類Iということがある。)と、ゾル・ゲル転移能は有さずに、ゲルの分子骨格の間を効率良く埋め得るもの(以下、これを多糖類IIということがある。)を組み合わせて用いることが好ましい。このように、性質の異なる多糖類Iおよび多糖類IIを併用することによって、ソフトカプセル皮膜に強度をより確実に付与でき、また、ソフトカプセル内外の分子レベルでの透過性をより低減することができる。
【0019】
上記多糖類Iとして、植物種子から得られるローカストビーンガム、サイリウムシードガムおよびタマリンドシードガム、植物根茎から得られるグルコマンナン、果実から得られるペクチン、海藻(紅藻類、褐藻類)から得られる寒天、カラギーナンおよびアルギン酸類ならびに微生物を培養して得られるキサンタンガム、ジェランガムおよびカードラン等を挙げることができる。
熱によるゾル・ゲル転移の速度が早く、かつ、得られるゲルが適度の柔軟性および強度を有することで、ソフトカプセルの製造時に、湿潤皮膜同士のヒートシール性を付与するのに有利であり、また、得られるソフトカプセル皮膜の強度や透明性も高くなる観点からは、ペクチン、寒天、カラギーナン等がより好適であり、そのなかでもカラギーナンがさらに好適である。
【0020】
上記多糖類IIとして、グアーガム、プルラン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロース等のセルロース誘導体ならびに天然澱粉およびその誘導体(所謂化工澱粉)を含む加工品等を挙げることができる。
上記多糖類IIは、常温であるいは加熱したときに水和し得るものであることが好ましい。
また、水溶液の粘度は可能な限り低い値、例えば10%水溶液を70℃で測定した粘度が200mP・s以下であることが好ましい。これにより、比較的少量の水で、皮膜溶液の粘度および湿潤皮膜の強度をソフトカプセルの製造に適するように調整でき、湿潤カプセルの乾燥時間を短縮できる。なお、上記粘度の測定方法は以下の通りである。すなわち、200ml容のトールビーカーに、多糖類試料20gを入れ、精製水180gを加え、混合して多糖類試料を十分に分散させた後、沸騰浴中で約2時間加熱する。その際、最初の10分間は1分おきに、その後はおよそ30分おきに攪拌する。シェアによる粘度低下を避けるために、攪拌にはアジテーター等は用いず、スパーテルやガラス棒やこれに準ずるものを用いる。その後、加熱中の蒸発分の水を補うために、精製水で初期重量に調整し、70℃で粘度測定する。粘度測定では、B型粘度計を用い、ローターNo.2、ガードは使用せずに、60rpmで1分間回転させた後の値を読み取る。
また、多糖類IIは、このように水溶液粘度の低いものは上記した多糖類を酸や酵素によって分解、部分分解、また、酸処理等することによって得られる。酸化または酸処理を施された化工澱粉、乾式または湿式で分解され精製された澱粉分解物が好適である。これら化工澱粉、澱粉分解物は、その水溶液およびその乾燥物が無色で透明である場合が多いため、カプセル皮膜の透明性、艶感も向上する。また、価格も比較的安価である場合が多い。これら化工澱粉、澱粉分解物の製造方法は、高橋禮治著,でん粉製品の知識,幸書房(1996),p.94〜106に詳しく述べられている。
【0021】
ソフトカプセル皮膜材料である可塑剤は、カプセル皮膜に適度な弾力性を付与するために含有させるものであり、このような可塑剤として、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、エチレングリコール等を挙げることができる。
【0022】
以上説明したソフトカプセル皮膜材料は、多糖類100質量部に対して、可塑剤5〜300質量部を配合したものであることが好ましく、可塑剤10〜250質量部を配合したものであることがより好ましく、可塑剤20〜80質量部を配合したものであることがさらに好ましい。
可塑剤の配合量が、上記の範囲よりも少なすぎると、ソフトカプセル皮膜が脆くなって破損等するおそれがある。一方、可塑剤の配合量が、上記の範囲よりも多すぎると、ソフトカプセルの製造時に、湿潤皮膜の強度が弱くソフトカプセルの製造が困難になるおそれがあるとともに、湿潤皮膜同士の十分なヒートシール性を得ることができないおそれがある。また、得られるソフトカプセルの皮膜が過度に軟化して隣り合うカプセルの皮膜同士が付着するおそれがでてくる。
また、多糖類は、カラギーナンに代表される多糖類I10〜30質量部と澱粉分解物および/または酸処理澱粉に代表される多糖類II80〜120質量部の配合物であることが好ましい。
入浴剤に香料を添加する場合、多糖類Iの配合量が、上記の範囲よりも多すぎると、ソフトカプセル内外の分子レベルでの透過性が増し、入浴剤に添加されている香料の匂いがカプセル外に多く漏れ出してしまうおそれがある。また、ソフトカプセル皮膜が硬くなりすぎて脆く破損等するおそれがある。一方、多糖類Iの配合量が、上記の範囲よりも少なすぎると、ソフトカプセルの製造時に、湿潤皮膜同士の十分なヒートシール性を得ることができないおそれがあるとともに、湿潤皮膜の強度が弱くソフトカプセルの製造が困難になるおそれがある。また、湿潤皮膜同士のヒートシール性を得ることができ、製造もできたとしても、得られるソフトカプセルの皮膜の強度は弱く、僅かなショックでも皮膜が破れるおそれがある。
また、ソフトカプセル皮膜は、製造工程中の湿潤皮膜の状態において、厚みが0.5〜1.0mm程度であることが好ましい。
【0023】
上記ソフトカプセル皮膜は、例えば水に多糖類および可塑剤の各成分を懸濁し、加温して溶解した後に成形することにより、シート(フィルム)形状のものを得ることができる。ただし、後述するように、ソフトカプセル入浴剤を連続製造装置で大量に生産する場合は、ソフトカプセル皮膜材料を溶解した状態で連続製造装置に供給し、装置内で湿潤皮膜を調製しながら入浴剤を封入する。
【0024】
入浴剤成分である、水中で乳化する液状油分は、乳化して浴槽の湯全体を白濁させることができるものであれば特に限定するものではなく、例えば流動パラフィン等の炭化水素油、エステル油、植物抽出油等を用いることができる。このうち、流動パラフィンがコストや粘度の面でより好ましい。
入浴剤成分である乳化剤は、水中で油分を効率的に乳化できる界面活性剤が好ましい。このうちノニオン系界面活性剤が乳化性、安全性の面でより好ましい。界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテルやポリオキシエチレン硬化ひまし油などを挙げることができる。
【0025】
以上説明した入浴剤は、液状油分を75〜82質量%および乳化剤を7〜10質量%含むことが好ましい。
液状油分の量が上記の範囲よりも少なすぎるとソフトカプセル皮膜でカプセル化したときに、未使用の状態で入浴剤がソフトカプセル皮膜から流出して製品としての使用に適さなくなるおそれがあり、一方、液状油分の量を上記の範囲よりも多くしても白濁効果を得るうえでは無駄となる。
【0026】
本実施の形態に係る入浴剤は、保湿効果を発現するために通常用いられるグリセリンを含まないことが好ましい。入浴剤がグリセリンを例えば5〜25質量%程度含むと、そのグリセリンが皮膜に移行し、得られるソフトカプセルの皮膜が過度に軟化して隣り合うカプセルの皮膜同士が付着するおそれがある。
このため、入浴剤に保湿効果を持たせるときは、エステル油や油溶性保湿成分等の保湿成分を用いるとよい。
【0027】
入浴剤は、上記以外の成分として、必要に応じて、芳香を得るための香料、安定性向上のための酸化防止剤、光安定性のための紫外線吸収剤、着色のための色材等を適宜含ませることができる。
【0028】
以上説明した本実施の形態に係るソフトカプセル入浴剤は、その製造法については特に限定するものではなく、公知の各方法を適宜採用することができる。高い生産性を得るうえでは、例えば以下に説明する連続自動装置を用いて製造することが好ましい。
連続自動装置として、例えばロータリーダイ式カプセル充填機を好適に用いることができる。
ロータリーダイ式カプセル充填機では、精製水に前記したソフトカプセル皮膜材料を懸濁させた後、加温溶解して、皮膜溶液を得、加温した溶解槽に貯留する(水の量は得られる皮膜溶液の粘度および下記湿潤皮膜の強度が適当となるように調整される)。皮膜溶液は、スプレダーボックスへ移液され、さらにキャスティングドラムに展延、ドラム上で冷却されて湿潤皮膜が形成される。形成された湿潤皮膜はドラムから剥がされ、ローラーを伝って加温されたセグメントおよび2つのロール状の金型部分へ供給される。そこで、2枚の湿潤皮膜は再加温された後に、ヒートシール、入浴剤の注入、打ち抜きが同時進行的に行われ、例えば、フットボール型等の湿潤カプセルが得られる。さらに湿潤カプセルが乾燥されて、ソフトカプセル入浴剤が得られる。
連続自動装置として、上記のロータリーダイ式カプセル充填機以外にも、例えば二重ノズル式(シームレス式)カプセル充填機等も用いることができる。
【0029】
本実施の形態に係るソフトカプセル入浴剤は、未使用の状態でソフトカプセル皮膜のシール部が剥離し、あるいは入浴剤がシール部から流出して製品としての使用に適さなくなるおそれが少なく、かつ入浴剤の白濁作用効果を好適に得ることができる。
【実施例】
【0030】
実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
【0031】
(ソフトカプセル皮膜調製)
表1記載のそれぞれの配合条件(皮膜調製例1〜8 表1中、単位は全て質量部)で、水にカラギーナン、澱粉分解物である高度分岐環状デキストリンおよび/または酸処理タピオカ澱粉ならびにグリセリンの各成分を懸濁、90℃以上で2時間加温溶解して、皮膜溶液を得た。続いて、皮膜溶液を平滑な金属板上に展延し、冷却、ゲル化させて湿潤皮膜(厚さ0.7mm±0.1mm)を得た後、乾燥の操作を行った。
なお、水の量は、加温溶解時(即ち、皮膜溶液時)の粘度が30000±3000mP・s(B型粘度計,90℃,ローターNo.4、ガード使用,12rpmで1分間回転させた後の値)となるように設定した。また、乾燥後のソフトカプセル皮膜の含水量は10±1質量%に設定した。
【0032】
【表1】

【0033】
得られた各皮膜調製例のソフトカプセル皮膜それぞれ5枚について、目視評価した。
○皮膜調製例1:得られたソフトカプセル皮膜はやや脆く割れるおそれのある状態であった。
○皮膜調製例2:得られたソフトカプセル皮膜は若干脆く割れやすいが、カプセル同士が付着する傾向は全く認められなかった。
○皮膜調製例3:得られたソフトカプセル皮膜は強く硬いもので、カプセル同士が付着する傾向も認められなかった。
○皮膜調製例4:得られたソフトカプセル皮膜は柔軟
且つ 弾力を有するもので、カプセル同士が付着する傾向も認められなかった。
○皮膜調製例5:得られたソフトカプセル皮膜は柔らかくカプセル同士が付着する傾向がやや認められた。
○皮膜調製例6:得られたソフトカプセル皮膜はかなり柔らかくカプセル同士の付着が起こり、且つ、その付着を剥がそうとすると皮膜が破れるおそれがあった。
○皮膜調製例7:皮膜調製例3と同様であった。
○皮膜調製例8:皮膜調製例3と同様であった。
【0034】
(入浴剤調製)
表2記載の配合条件(入浴剤調製例A〜L)で入浴剤を調製し、入浴剤(中味液)0.1gを3Lの水に添加したときの白濁状態を目視評価した結果を同じく表2に示した。
白濁評価結果は、◎が白濁十分、○が白濁やや不十分、△が白濁不足傾向あり、をそれぞれ示す。
【0035】
【表2】

【0036】
(ソフトカプセル入浴剤調製)
ロータリーダイ式カプセル充填機を用いて、表3に記載したソフトカプセル皮膜調製例と入浴剤調製例の組み合わせ条件ごとにフットボール型の湿潤カプセルを得た。最後に、40±2℃、20%未満の湿度に設定した乾燥機内で湿潤カプセルを乾燥してソフトカプセル入浴剤を得た。なお、乾燥後のソフトカプセル皮膜の含水が10±1%質量となるように乾燥条件を設定した。
得られた各ソフトカプセル入浴剤調製例のソフトカプセルそれぞれ2000個について、ソフトカプセルの製品歩留まりを評価した。製品歩留まりは、ソフトカプセル入浴剤を目視したときの入浴剤の流出(溶出)有無およびカプセルのシール部からの入浴剤の漏れの有無についての総合評価により製品合否判定を行って求めた。表3に記載した製品歩留まりは、◎が歩留まり95以上、○が歩留まり60〜95%、△が30〜60%をそれぞれ示す。
【0037】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトカプセル皮膜に入浴剤を封入してなるソフトカプセル入浴剤であって、該ソフトカプセル皮膜が、多糖類および可塑剤を材料として形成され、該入浴剤が、水中で乳化する液状油分と乳化剤を主成分として含むことを特徴とするソフトカプセル入浴剤。
【請求項2】
前記ソフトカプセル皮膜の材料が、前記多糖類100質量部に対して前記可塑剤5〜300質量部を配合したものであることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル入浴剤。
【請求項3】
前記多糖類が、カラギーナン10〜30質量部と澱粉分解物および/または酸処理澱粉80〜120質量部の配合物であることを特徴とする請求項2記載のソフトカプセル入浴剤。
【請求項4】
前記ソフトカプセル皮膜の前記可塑剤がグリセリンであることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル入浴剤。
【請求項5】
前記入浴剤が、前記液状油分を75〜82質量%および前記乳化剤を7〜10質量%含むことを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル入浴剤。
【請求項6】
前記液状油分が流動パラフィンであり、前記乳化剤が界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル入浴剤。
【請求項7】
前記入浴剤が、保湿効果を発現するグリセリンを含まないことを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル入浴剤。

【公開番号】特開2009−242278(P2009−242278A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89349(P2008−89349)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(396020279)三生医薬株式会社 (11)
【Fターム(参考)】