ソフトコンタクトレンズ用装着液組成物
【課題】装着時、装用時のべたつきが抑制され、使用感に優れたソフトコンタクトレンズ用装着液組成物の提供。
【解決手段】ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体にソルビン酸及び／又はその塩及びセスキテルペノイド化合物を含有するソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【解決手段】ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体にソルビン酸及び／又はその塩及びセスキテルペノイド化合物を含有するソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ソフトコンタクトレンズ用装着液に関する。
【背景技術】
【０００２】
コンタクトレンズの装用は、異物を眼に挿入するという観点から、装着時又は装用時に異物感を感じる等、様々な問題がある。これらの問題を解決するために、コンタクトレンズ用装着液が開発されている。例えば、セルロース系高分子化合物、ポリビニル系高分子化合物等の高分子化合物を含有したコンタクトレンズ用装着液が知られている。しかし、これら従来のコンタクトレンズ用装着液は、ソフトコンタクトレンズへの防腐剤等の吸着が懸念されることから、ハードコンタクトレンズへの使用に限られていた。また、前記装着液をソフトコンタクトレンズ装着液として使用すると、べたつき感等、装着時の使用感が劣るという問題があった。したがって、装着時、装用時の使用感が優れたソフトコンタクトレンズ用の装着液の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】国際公開９４／０４０２８号パンフレット
【特許文献２】国際公開９７／２８８２７号パンフレット
【特許文献３】特公昭４８−３７９１０号公報
【特許文献４】特開平１１−１３０６６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、装着時、装用時のべたつきが抑制され、使用感に優れたソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、高分子化合物と、ソルビン酸及び／又はその塩を配合することにより、高分子化合物特有のべたつきが抑制された水性液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】
即ち、本発明は、高分子化合物、及びソルビン酸及び／又はその塩を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を提供する。以下、本発明を詳細に説明する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、高分子化合物、及びソルビン酸及び／又はその塩を配合することにより、べたつきがなく使用感に優れたソフトコンタクトレンズ用装着液が得られる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物における第一の必須成分は、高分子化合物である。高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル等のポリビニル系高分子化合物；メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子化合物；ブドウ糖；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等があげられる。好ましくはポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物であり、特に好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【０００９】
上記高分子化合物の好ましい分子量は、重量平均分子量５０００〜２００００００である。さらに好ましくは、ポリビニル系高分子化合物の場合、重量平均分子量１００００〜３０００００、特に好ましくは２００００〜１５００００である。セルロース系高分子化合物の場合は、重量平均分子量１００００〜１００００００が好ましい。
【００１０】
本発明のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物における高分子化合物の含有量は、好ましくは０．２〜１０ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．３〜５ｇ／１００ｍｌ、さらに好ましくは０．５〜４ｇ／１００ｍｌである。この範囲で、ソフトコンタクトレンズ装着時に適当な溶液粘度とレンズへの濡れ性が得られるため、装着性が特に良好である。
【００１１】
本発明の組成物には、上記高分子化合物を１種又は２種以上を用いられるが、２種以上とすると、使用感がよくなるため、好ましい。好ましくは、ポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物を組み合わせる。好ましいポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物の含有比（質量比）は、ポリビニル系高分子化合物／セルロース系高分子化合物＝９９／１〜１０／９０、特に好ましくは９０／１０〜２０／８０である。
【００１２】
本発明のソフトコンタクトレンズ用装着液における第二の必須成分は、ソルビン酸及び／又はその塩である。ソルビン酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、有機アミン塩等があげられる。好ましくは、アルカリ金属塩である。これらは、１種で用いても良いし、２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００１３】
本発明の組成物中に含有されるソルビン酸及び／又はその塩の量は、好ましくは０．００５〜０．５ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．０１〜０．３ｇ／１００ｍｌ、最も好ましくは０．０５〜０．２ｇ／１００ｍｌである。この範囲で、べたつきが抑制された良好な使用感が得られ、しかもソフトコンタクトレンズへの吸着や眼刺激がない良好な装着液が得られる。
【００１４】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物の粘度は、３５℃における粘度が１〜３０ｍＰａ・ｓ、好ましくは１〜２０ｍＰａ・ｓである。この範囲で、特に良好なコンタクトレンズの使用感が得られる。
【００１５】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物には、さらに良好な装用感を持続させる目的で、モノテルペノイド化合物、セスキテルペノイド化合物、及びそれらの誘導体（以下テルペノイド類）から選ばれる１種又は２種以上を含有することが好ましい。モノテルペノイド化合物としては、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、オイゲノール等があげられる。セスキテルペノイド化合物としては、ファルネソール、ネロリドール等があげられる。誘導体としては、前記テルペノイド化合物のアルキル又はアルケニルエステルやエーテルをあげることができる。
【００１６】
前記テルペノイド類は、１種又は２種以上の混合物として含有することができる。これらは、精製された成分を配合しても良いし、前記テルペノイド類を含有する植物精油を配合しても良い。植物精油としては、ローズマリー油、ラベンダー油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ベルガモット油、ハッカ油、ウイキョウ油等があげられる。
【００１７】
本発明の組成物に含有される前記テルペノイド類の量は、好ましくは０．０００１〜０．５ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．０００５〜０．２ｇ／１００ｍｌ、さらに好ましくは０．００１〜０．０５ｇ／１００ｍｌである。
【００１８】
さらに、本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物は、各種有効成分を含有することができる。有効成分としては、例えばグリチルレチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、塩化リゾチーム等の抗炎症剤、ビタミンＢ２、ビタミンＢ６、ビタミンＢ１２、ビタミンＥアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビタミンＡパルミテート等のビタミン類、Ｌ−アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のアミノ酸、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフエニラミン等の抗ヒスタミン剤、塩酸エピネフリン、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去成分、メチル硫酸ネオスチグミン等その他の有効成分があげられる。
【００１９】
その他、通常の眼科組成物に含有される添加剤として、例えば、防腐剤、等張化剤、緩衝剤、安定化剤、香料等を、本発明の効果を損ねない範囲で添加することができる。
【００２０】
防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸エステル等があげられる。
【００２１】
等張化剤としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、プロピレングリコール、グリセリン等があげられる。
【００２２】
緩衝剤としては、クエン酸、ホウ酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、氷酢酸等があげられる。
【００２３】
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等があげられる。
【００２４】
本発明におけるコンタクトレンズ用眼科組成物の製造は、特に制限されるものではなく、各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水や水とエタノール等の低級アルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、ｐＨ調整剤（ｐＨ５〜８が好ましい）、等張化剤（浸透圧比０．８〜２が好ましい）により適宜調整して得ることができる。
【実施例】
【００２５】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【００２６】
表１〜４に示すソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を調製し、各々１０名のパネラーにより下記の基準でソフトコンタクトレンズ装着液の使用感の評価を行った。結果を表１、表２に示した。
＜べたつき感＞
５：べたつきがない
４：べたつきがほとんどない
３：べたつきがややある
２：べたつきがある
１：非常にべたつきがある
＜装着感：装着作業時及び直後の異物感＞
５：非常に装着感が良い
４：装着感が良い
３：装着感はどちらともいえない
２：装着感が悪い
１：装着感が悪い
５段階評価の平均点が４以上を◎、３以上４未満を○、２以上３未満を△、２未満を×とした。
【００２７】
【表１】
【００２８】
実験１〜５の各組成において、ポリビニルアルコールとしてコ゛ーセノールＥＧ−２５、コ゛ーセノールＥＧ−４０（日本合成化学工業（株）製）；ポリビニルピロリドンとしてコリト゛ンＫ−１５、コリト゛ンＫ−６０（ＢＡＳＦＪａｐａｎ（株）製）；メチルセルロースとしてメトロース゛ＳＭ２５、メトロース゛ＳＭ４０００（信越化学工業（株）製）；ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルメチルセルロースとしてメトロース゛６５ＳＨ１５００、６５ＳＨ４０００（信越化学工業（株）製）を用いて組成物を調製し評価した結果、いずれもソルビン酸カリウムによるべたつき感の抑制が確認された。また、組成物中のソルビン酸（塩）のソフトコンタクトレンズへの吸着はなく、ソフトコンタクトレンズへの使用に対して問題は認められなかった。
【００２９】
（実施例２）
表２〜４に記載した組成のソフトコンタクトレンズ用装着液を調製し、実施例１と同様に使用感を評価した。
【００３０】
【表２】
【００３１】
【表３】
【００３２】
【表４】
組成物１５〜２０は、装着直後のみならず、装用中も異物感抑制が持続し、良好な使用感が認められた。また、実施例の組成物中のソルビン酸（塩）のソフトコンタクトレンズへの吸着はなく、ソフトコンタクトレンズへの使用に対して問題は認められなかった。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ソフトコンタクトレンズ用装着液に関する。
【背景技術】
【０００２】
コンタクトレンズの装用は、異物を眼に挿入するという観点から、装着時又は装用時に異物感を感じる等、様々な問題がある。これらの問題を解決するために、コンタクトレンズ用装着液が開発されている。例えば、セルロース系高分子化合物、ポリビニル系高分子化合物等の高分子化合物を含有したコンタクトレンズ用装着液が知られている。しかし、これら従来のコンタクトレンズ用装着液は、ソフトコンタクトレンズへの防腐剤等の吸着が懸念されることから、ハードコンタクトレンズへの使用に限られていた。また、前記装着液をソフトコンタクトレンズ装着液として使用すると、べたつき感等、装着時の使用感が劣るという問題があった。したがって、装着時、装用時の使用感が優れたソフトコンタクトレンズ用の装着液の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】国際公開９４／０４０２８号パンフレット
【特許文献２】国際公開９７／２８８２７号パンフレット
【特許文献３】特公昭４８−３７９１０号公報
【特許文献４】特開平１１−１３０６６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、装着時、装用時のべたつきが抑制され、使用感に優れたソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、高分子化合物と、ソルビン酸及び／又はその塩を配合することにより、高分子化合物特有のべたつきが抑制された水性液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】
即ち、本発明は、高分子化合物、及びソルビン酸及び／又はその塩を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を提供する。以下、本発明を詳細に説明する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、高分子化合物、及びソルビン酸及び／又はその塩を配合することにより、べたつきがなく使用感に優れたソフトコンタクトレンズ用装着液が得られる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物における第一の必須成分は、高分子化合物である。高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル等のポリビニル系高分子化合物；メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子化合物；ブドウ糖；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等があげられる。好ましくはポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物であり、特に好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【０００９】
上記高分子化合物の好ましい分子量は、重量平均分子量５０００〜２００００００である。さらに好ましくは、ポリビニル系高分子化合物の場合、重量平均分子量１００００〜３０００００、特に好ましくは２００００〜１５００００である。セルロース系高分子化合物の場合は、重量平均分子量１００００〜１００００００が好ましい。
【００１０】
本発明のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物における高分子化合物の含有量は、好ましくは０．２〜１０ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．３〜５ｇ／１００ｍｌ、さらに好ましくは０．５〜４ｇ／１００ｍｌである。この範囲で、ソフトコンタクトレンズ装着時に適当な溶液粘度とレンズへの濡れ性が得られるため、装着性が特に良好である。
【００１１】
本発明の組成物には、上記高分子化合物を１種又は２種以上を用いられるが、２種以上とすると、使用感がよくなるため、好ましい。好ましくは、ポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物を組み合わせる。好ましいポリビニル系高分子化合物とセルロース系高分子化合物の含有比（質量比）は、ポリビニル系高分子化合物／セルロース系高分子化合物＝９９／１〜１０／９０、特に好ましくは９０／１０〜２０／８０である。
【００１２】
本発明のソフトコンタクトレンズ用装着液における第二の必須成分は、ソルビン酸及び／又はその塩である。ソルビン酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、有機アミン塩等があげられる。好ましくは、アルカリ金属塩である。これらは、１種で用いても良いし、２種以上を組み合わせて用いても良い。
【００１３】
本発明の組成物中に含有されるソルビン酸及び／又はその塩の量は、好ましくは０．００５〜０．５ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．０１〜０．３ｇ／１００ｍｌ、最も好ましくは０．０５〜０．２ｇ／１００ｍｌである。この範囲で、べたつきが抑制された良好な使用感が得られ、しかもソフトコンタクトレンズへの吸着や眼刺激がない良好な装着液が得られる。
【００１４】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物の粘度は、３５℃における粘度が１〜３０ｍＰａ・ｓ、好ましくは１〜２０ｍＰａ・ｓである。この範囲で、特に良好なコンタクトレンズの使用感が得られる。
【００１５】
本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物には、さらに良好な装用感を持続させる目的で、モノテルペノイド化合物、セスキテルペノイド化合物、及びそれらの誘導体（以下テルペノイド類）から選ばれる１種又は２種以上を含有することが好ましい。モノテルペノイド化合物としては、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、オイゲノール等があげられる。セスキテルペノイド化合物としては、ファルネソール、ネロリドール等があげられる。誘導体としては、前記テルペノイド化合物のアルキル又はアルケニルエステルやエーテルをあげることができる。
【００１６】
前記テルペノイド類は、１種又は２種以上の混合物として含有することができる。これらは、精製された成分を配合しても良いし、前記テルペノイド類を含有する植物精油を配合しても良い。植物精油としては、ローズマリー油、ラベンダー油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ベルガモット油、ハッカ油、ウイキョウ油等があげられる。
【００１７】
本発明の組成物に含有される前記テルペノイド類の量は、好ましくは０．０００１〜０．５ｇ／１００ｍｌ、特に好ましくは０．０００５〜０．２ｇ／１００ｍｌ、さらに好ましくは０．００１〜０．０５ｇ／１００ｍｌである。
【００１８】
さらに、本発明のコンタクトレンズ用眼科組成物は、各種有効成分を含有することができる。有効成分としては、例えばグリチルレチン酸二カリウム、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、塩化リゾチーム等の抗炎症剤、ビタミンＢ２、ビタミンＢ６、ビタミンＢ１２、ビタミンＥアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビタミンＡパルミテート等のビタミン類、Ｌ−アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のアミノ酸、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフエニラミン等の抗ヒスタミン剤、塩酸エピネフリン、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去成分、メチル硫酸ネオスチグミン等その他の有効成分があげられる。
【００１９】
その他、通常の眼科組成物に含有される添加剤として、例えば、防腐剤、等張化剤、緩衝剤、安定化剤、香料等を、本発明の効果を損ねない範囲で添加することができる。
【００２０】
防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸エステル等があげられる。
【００２１】
等張化剤としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、プロピレングリコール、グリセリン等があげられる。
【００２２】
緩衝剤としては、クエン酸、ホウ酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、氷酢酸等があげられる。
【００２３】
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等があげられる。
【００２４】
本発明におけるコンタクトレンズ用眼科組成物の製造は、特に制限されるものではなく、各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水や水とエタノール等の低級アルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、ｐＨ調整剤（ｐＨ５〜８が好ましい）、等張化剤（浸透圧比０．８〜２が好ましい）により適宜調整して得ることができる。
【実施例】
【００２５】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【００２６】
表１〜４に示すソフトコンタクトレンズ用装着液組成物を調製し、各々１０名のパネラーにより下記の基準でソフトコンタクトレンズ装着液の使用感の評価を行った。結果を表１、表２に示した。
＜べたつき感＞
５：べたつきがない
４：べたつきがほとんどない
３：べたつきがややある
２：べたつきがある
１：非常にべたつきがある
＜装着感：装着作業時及び直後の異物感＞
５：非常に装着感が良い
４：装着感が良い
３：装着感はどちらともいえない
２：装着感が悪い
１：装着感が悪い
５段階評価の平均点が４以上を◎、３以上４未満を○、２以上３未満を△、２未満を×とした。
【００２７】
【表１】
【００２８】
実験１〜５の各組成において、ポリビニルアルコールとしてコ゛ーセノールＥＧ−２５、コ゛ーセノールＥＧ−４０（日本合成化学工業（株）製）；ポリビニルピロリドンとしてコリト゛ンＫ−１５、コリト゛ンＫ−６０（ＢＡＳＦＪａｐａｎ（株）製）；メチルセルロースとしてメトロース゛ＳＭ２５、メトロース゛ＳＭ４０００（信越化学工業（株）製）；ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルメチルセルロースとしてメトロース゛６５ＳＨ１５００、６５ＳＨ４０００（信越化学工業（株）製）を用いて組成物を調製し評価した結果、いずれもソルビン酸カリウムによるべたつき感の抑制が確認された。また、組成物中のソルビン酸（塩）のソフトコンタクトレンズへの吸着はなく、ソフトコンタクトレンズへの使用に対して問題は認められなかった。
【００２９】
（実施例２）
表２〜４に記載した組成のソフトコンタクトレンズ用装着液を調製し、実施例１と同様に使用感を評価した。
【００３０】
【表２】
【００３１】
【表３】
【００３２】
【表４】
組成物１５〜２０は、装着直後のみならず、装用中も異物感抑制が持続し、良好な使用感が認められた。また、実施例の組成物中のソルビン酸（塩）のソフトコンタクトレンズへの吸着はなく、ソフトコンタクトレンズへの使用に対して問題は認められなかった。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
（Ａ）ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンから選ばれる１種又は２種以上
（Ｂ）ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロースから選ばれる１種又は２種以上
（Ｃ）ソルビン酸及び／又はその塩
（Ｄ）モノテルペノイド化合物及び／又はセスキテルペノイド化合物
を含有するフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項２】
（Ａ）成分と（Ｂ）成分との含有比（質量比）が、９９／１〜１０／９０である請求項１記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項３】
上記（Ａ）成分及び（Ｂ）成分の合計含有量が、０．２〜１０ｇ／１００ｍＬである請求項１又は２記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項４】
（Ｃ）成分の含有量が、０．００５〜０．５ｇ／１００ｍｌである請求項１、２又は３記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項５】
（Ｄ）成分の含有量が、０．００１〜０．０５ｇ／１００ｍｌである請求項１〜４のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項６】
（Ａ）ポリビニルアルコールの重量平均分子量が２００００〜１５００００であり、（Ｂ）ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量平均分子量が１００００〜１００００００である、請求項１〜５のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項７】
３５℃における粘度が１〜３０ｍＰａ・ｓである請求項１〜６のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項１】
（Ａ）ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンから選ばれる１種又は２種以上
（Ｂ）ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロースから選ばれる１種又は２種以上
（Ｃ）ソルビン酸及び／又はその塩
（Ｄ）モノテルペノイド化合物及び／又はセスキテルペノイド化合物
を含有するフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項２】
（Ａ）成分と（Ｂ）成分との含有比（質量比）が、９９／１〜１０／９０である請求項１記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項３】
上記（Ａ）成分及び（Ｂ）成分の合計含有量が、０．２〜１０ｇ／１００ｍＬである請求項１又は２記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項４】
（Ｃ）成分の含有量が、０．００５〜０．５ｇ／１００ｍｌである請求項１、２又は３記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項５】
（Ｄ）成分の含有量が、０．００１〜０．０５ｇ／１００ｍｌである請求項１〜４のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項６】
（Ａ）ポリビニルアルコールの重量平均分子量が２００００〜１５００００であり、（Ｂ）ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量平均分子量が１００００〜１００００００である、請求項１〜５のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【請求項７】
３５℃における粘度が１〜３０ｍＰａ・ｓである請求項１〜６のいずれか１項記載のソフトコンタクトレンズ用装着液組成物。
【公開番号】特開２０１２−７２１５８（Ｐ２０１２−７２１５８Ａ）
【公開日】平成２４年４月１２日（２０１２．４．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２４４３４３（Ｐ２０１１−２４４３４３）
【出願日】平成２３年１１月８日（２０１１．１１．８）
【分割の表示】特願２００５−１７５９７６（Ｐ２００５−１７５９７６）の分割
【原出願日】平成１１年１２月２８日（１９９９．１２．２８）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年４月１２日（２０１２．４．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月８日（２０１１．１１．８）
【分割の表示】特願２００５−１７５９７６（Ｐ２００５−１７５９７６）の分割
【原出願日】平成１１年１２月２８日（１９９９．１２．２８）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]