説明

ソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法

【課題】ソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明はソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、従来の衛生製品のシートとして用いられる不織布において、ソフト性を改善するためにポリプロピレンにエチレンが共重合されたコポリマーを用いてスパンボンド不織布を製造することから不織布のソフト性を容易に改善することができ、しかも、一定以上の空気透過性と物性を保有するソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法に関する。本発明のソフト性に優れたスパンボンド不織布は、ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし、且つ、アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチ0.5〜5重量%をブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造し、その後、前記繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してフィラメントウェブを得、このようにして得られたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工して目付けが10〜100g/m2になるように製造されたものであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、従来の衛生製品のシートとして用いられる不織布において、ソフト性を改善するためにポリプロピレンにエチレンが共重合されたコポリマーを用いてスパンボンド不織布を製造することから不織布のソフト性を容易に改善することができ、しかも、一定以上の空気透過性と物性を保有するソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、長繊維不織布は、スパンボンド不織布またはメルトスパンとして知られたものであり、スパンボンド、メルトブロー及びこれらの組み合わせから由来するものである。
【0003】
この種の長繊維スパンボンド不織布は、一般的に、機械的特性と空気力学的特性に極めて優れており、また、連続紡糸による生産性が高くて様々な分野において採用されているが、例えば、最も多く採用される分野が衛生資材用であり、農業用、生活資材用、産業業及び医療用などとしても多用されている。特に、ポリオレフィン系樹脂の中でポリプロピレン樹脂を用いた長繊維スパンボンド不織布は、ポリアミド系のポリエステル樹脂を用いたポリエステルスパンボンド不織布に比べて優れた柔軟性を有することから、使い捨ておむつ及び生理用ナプキンなどの衛生資材に広範に用いられているが、特に、おむつにおいて流体を吸収及び透過させる機能をするトップシートに長繊維スパンボンドが既存の短繊維やパンチングされたフィルムの代わりに用いられており、また、従来のおむつにおいて粉末状の高吸収性高分子(SAP:Super Absorbent Polymer)からなる吸収集合体を取り囲んで維持するコアラップとして用いられている。さらに、おむつバックシート保護用不織布は、例えば、下記の特許文献1にその詳細な構成が開示されている。
【0004】
一方、幼児用おむつのトップシートに用いられている不織布は短繊維不織布や長繊維不織布に界面活性剤を塗布して親水処理されたものであり、親水処理された不織布の欠点は、吸収体に伝達された流体が幼児の荷重により逆流してトップシートを湿っぽい状態にしてしまうことであり、このような湿っぽい状態のトップシートは幼児の皮膚を腐らせる原因となるため速乾性を有することが求められており、また、女性用生理用ナプキンのトップシートには織物風合いのスパンレース不織布やソフト感の向上されたPP/PE複合化長繊維不織布が採用されているが、スパンレースや複合長繊維不織布の使用時に繊維の密集度が高くて生理血の高粘度により表面に残留するという問題があった。このため、風合いは維持しながらも、生理血を吸収層に素早く伝達する特性が求められている。
【0005】
上記の理由から、上述した問題点、すなわち、吸収性、通気性及びソフト性を改善するために、例えば、下記の特許文献2及び特許文献3が提案されたが、これらは生産性に問題があり、これを解決するために、例えば、下記の特許文献4は、「長繊維スパンボンド不織布にニードルまたはパンチングピンを用いた機械的なパンチング加工を行うことによりソフト性と流体透過性を向上させたパンチング不織布の製造方法において、前記長繊維スパンボンド不織布にパンチングを付与するパンチングピンが固定されたパンチングピン用上部ローラーと、前記上部ローラーのパンチングピンが移入可能に前記パンチングピンの位置に対応する位置に位置され、前記パンチングピンの外形にマッチングされる内部形状の溝を有するパンチングピンカップルが形成された下部ローラーと、から構成されたパンチングローラーを用いて、前記パンチングローラーに長繊維スパンボンド不織布を上部ローラーのパンチングピンと下部ローラーのパンチングピンカップルとの間に移動させて加圧/加温により漏斗状の3次元状のパンチング孔を穿設して製造することを特徴とするソフト性とパンチング加工性に優れたスパンボンド不織布の製造方法」を開示している。しかしながら、上記の方法は単に機械的な方式によりソフト性を改善したものに過ぎず、その改善の度合いに限界があった。
また、例えば、下記の特許文献5は、プロピレン系重合体組成物、これから得られる成形体及びプロピレン重合体組成物の製造方法について開示しており、例えば、下記の特許文献6及び特許文献7は、それぞれプロピレン/α−オレフィンコポリマーから製造された繊維とエチレン/α−オレフィンコポリマーから製造された繊維について開示しているが、これらの繊維の形状は芯鞘型であって、内部にはポリプロピレン樹脂を、そして繊維の長手方向に連続する外部層にはコポリポリプロピレンを適用して柔軟性を付与している。しかしながら、繊維の外部層(鞘層)に低い結晶化度及び融点を有する樹脂を適用するため、製品生産時における結晶化速度差により紡糸性に不良が引き起こされたり、熱融着時にエンボカレンダーに容易に融着されてしまうなどの製造工程上の問題点がある。また、不織布の力学的特性、例えば、切断強度及び低伸度時の強度(応力ひずみ曲線上における3、5、10%の伸度)を適当に確保することが困難である。すなわち、ソフト性を確保するために熱融着温度を低く設定すると摩擦に起因して繊維に毛羽立ちを生じ易く、伸度が低下して、おむつのバックシートとして適用時、おむつの着用時に付与される荷重により構造がたるみ易くておむつが垂れて外れ易くなることがある。逆に、温度が高くなると過度に融着されて工程上の問題だけではなく、目的とする柔軟性を確保することが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国特許出願第2003−0053009号公報
【特許文献2】大韓民国特許出願第2005−7010352号公報
【特許文献3】大韓民国特許公開第2005−0026482号公報
【特許文献4】大韓民国特許出願第2006−0042923号公報
【特許文献5】特開2007−186665号公報
【特許文献6】特表2008−538389号公報
【特許文献7】特表2008−538390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、従来のおむつの素材として要求される物性を充足しながらも、特に必要とされる物性の一つであるソフト性を物理的な方式によることなくその材質の属性に起因して改善することから一層ソフト性に優れたスパンボンド不織布を提供するところにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上述した従来の問題点を解消してソフト性に優れたスパンボンド不織布を一層容易に製造可能な製造方法を提供するところにある。
【0009】
さらに、本発明は、上述した明確な目的の他に、このような目的及び本明細書の全般的な技術からこの分野における当業者により容易に導出可能な他の目的を達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明のソフト性に優れたスパンボンド不織布は、ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマー(a)をホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし、且つ、一面またはそれ以上のスパンボンド層に脂肪酸アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチ(b)を0.5〜5重量%ブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造し、その後、前記繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してフィラメントウェブを得、このようにして得られたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工して目付けが10〜100g/m2になるように製造されたものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の構成によれば、前記不織布は、スパンボンド不織布/スパンボンド不織布/スパンボンド不織布またはスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/メルトブロー/スパンボンド不織布の1層以上の構造に製造されることを特徴とする。
【0012】
前記他の目的を達成するために、本発明のソフト性に優れたスパンボンド不織布の製造方法は、ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造するステップと、前記製造されたポリエステルフィラメント繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してウェブを得るステップと、前記集積されたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工するステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記他の目的を達成するために、本発明のソフト性に優れたスパンボンド不織布の製造方法は、ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし、且つ、脂肪酸アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチを0.5〜5重量%ブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造するステップと、前記製造されたフィラメント繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してウェブを得るステップと、前記集積されたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工するステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のさらに他の構成によれば、前記本発明により製造されたソフト性に優れた不織布は衛生資材として適用され、特に、おむつのバックシート、立体ギャザー、耳部、ウェーストバンド及び締結システムの基材などとして用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記の如き構成を有する本発明のソフト性に優れたスパンボンド不織布及びその製造方法は、ポリプロピレン鎖にエチレンが共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに所定の割合にてブレンドして使用することから、従来のポリプロピレン系またはポリエステル系の樹脂を用いた通常のスパンボンド不織布に比べてソフト性が顕著に改良されて、衛生材素材、特に、おむつのバックシート及び立体キャザーなどに良好に使用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好ましい実施形態によりさらに詳しく説明するが、本発明の範疇がここに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明のスパンボンド不織布は、ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上、好ましくは、8重量%以上に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに約10重量%の割合、好ましくは、20〜35重量%の割合にてブレンドし且つ溶融して使用する。ここで、エチレンの共重合比を最大10重量%の範囲に納める。もし、エチレンの共重合比が6重量%よりも低ければソフト性の改善効果があまり得られないため好ましくなく、逆に、10重量%以上であれば紡糸性及び不織布の強度が低下してしまうため好ましくない。
【0018】
また、前記ポリプロピレン鎖にエチレンが共重合されたコポリマーは、ホモポリプロピレンに約10〜40重量%の割合にてブレンドしたものであるが、もし、10重量%よりも低い割合にて混合するとソフト性の改善効果があまり得られないため好ましくなく、逆に40重量%よりも多量混合すると紡糸性と不織布の強度が低下するだけではなく、製造コストが上昇してしまうため好ましくない。特に、ブレンド含量が増加すると繊維の長手方向に対する延伸が低下し、且つ、結晶化が遅延されて繊度が太くなる。このため、不織布全体としての重量均一性及びフォーメイションが顕著に低下する問題点がある。エチレン共重合ポリプロピレンコポリマーを適用するときには共重合樹脂の軟質性により柔軟性が向上するが、表面摩擦係数が高いため全体的なソフト性を確保することは困難である。このため、本発明においては、一層または全層に滑石材である脂肪酸アミド化合物をブレンド紡糸することにより滑らかな表面の柔軟性が得られるということを知見した。脂肪酸アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチを0.5〜5重量%、好ましくは、1〜3重量%ブレンドして紡糸することが好ましい。
【0019】
上記の溶融されたポリプロピレンを紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造し、その後、前記繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してウェブを得、このようにして得られたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工して目付けが10〜100g/m2である不織布を製造することにより、ソフト性が改善された不織布を提供する。
【0020】
前記フィラメントの繊維径が1デニールよりも小さければ紡糸作業性が不良であるため好ましくなく、逆に5デニールを超えると延伸が十分ではないため強度が低下し、ソフト性を確保することができない。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の不織布は、スパンボンド不織布/スパンボンド不織布/スパンボンド不織布(SSS)またはスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布(SMS)の3層構造に製造可能であるが、前記多層構造不織布を構成するメルトブロー不織布の目付けは0.3〜3g/m2の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜2g/m2の範囲である。前記多層構造不織布に含まれるメルトブロー不織布の目付けが0.3g/m2未満であれば組織が緻密ではないため水遮断の機能をする立体ギャザーには不向きである。
【0022】
前記多層構造不織布に含まれるメルトブロー不織布の目付けが3g/m2を超えるときには組織が緻密化して通気性が低下する結果、アンモニアガスなどの気体が排出されないという問題点を引き起こす恐れがあるため好ましくない。
【0023】
上述したように、本発明による多層不織布の一層を構成する前記メルトブロー不織布の製造方式は公知の技術による方式であって、ポリプロピレン樹脂のメルトインデックス(MI:Melt Index)が800〜1200g/10分であるものを溶融し、多数のオリフィスから紡糸するときに、口金の両側から強い熱風を吹き付けて極細糸を製造する。好ましくは、本発明による不織布の一層を構成する前記メルトブロー不織布の繊度は1〜6μmであってもよい。
【0024】
また、本発明による前記スパンボンド不織布は、上述したように、特定のポリプロピレン樹脂を溶融して多数のオリフィスから押し出してフィラメントを形成し、フィラメントを固体化させるために冷却チャンバからの冷却空気により冷却した後に延伸を行うことにより、1〜5デニールの小さな繊維径のウェブを得、このようにして得られたウェブを連続移動するコンベヤ上に集積して不織布を製造する。
【0025】
ここで、エチレン含量が6重量%以上のコポリマーが繊維の長手方向に無造作に含有されるため、ホモポリプロピレン樹脂による生産時に比べて伸び率(キャビン圧力)を1.3倍以上向上させること、及び通常のポリマー冷却温度よりも2〜4℃低く設定することが求められる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、上述したようにコンベヤ上に集積されたフィラメントウェブは、熱接着またはニードルパンチ加工されてソフト性に優れたスパンボンド不織布として完成される。
【0027】
ここで、ホモポリプロピレン樹脂とコポリマーを所定の割合にてブレンドして紡糸された長繊維は、コポリマーの融点が低いため、通常のホモポリプロピレン樹脂からなる繊維よりは熱融着温度を約5〜30℃、好ましくは、10〜20℃低く設定しなければならない。熱融着温度が高くなると過度な熱融着に起因してソフト性が低下し、且つ、不織布の強度が低下するという問題点がある。
【0028】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記本発明により製造されたソフト性に優れた不織布は衛生資材として適用され、特に、おむつのバックシート、立体ギャザー、耳部、ウェーストバンド及び締結システムの基材などとして適用される。
【実施例】
【0029】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
【0030】
下記の実施例中の各種特性の測定及び評価は以下の方法により実施した:
(1)重量:ヨーロッパ不織布産業協会(EDANA)40.3−90に準拠して測定した。
(2)引張り強伸度:ヨーロッパ不織布産業協会(EDANA)20.2−89に準拠して測定した。
(3)表面摩擦角:米国材料試験協会(ASTM)−D1894に準拠して測定した。
(4)肌触り性:官能検査を行い、次の基準で評価した。
◎:優秀、○:良好、△:普通
(5)ドレープ性(曲げ長さ):ヨーロッパ不織布産業協会(EDANA)50.5−99に準拠して測定した。
【0031】
実施例1
本発明のソフト性に優れたスパンボンドを製造するに当たって、メルトインデックスが35g/10分であるポリプロピレン樹脂にメルトインデックスが25であり、密度が0.876であり、且つ、エチレン含量が9重量%であるエラストーマ系ランダムコポリマーを30重量%とし、脂肪酸アミド化合物が18重量%含有されたマスターバッチを2重量%にしてブレンド溶融紡糸して繊維化させ、このときの冷却空気温度を16℃に設定して結晶化を向上させ、コンベヤベルト上に繊維を集積してウェブを得た。このとき、繊維層はスパンボンド不織布/スパンボンド不織布/スパンボンド不織布(SSS)の構造にし、繊維間結合は熱カレンダーによる熱融着方法により行い、通常のホモポリプロピレン樹脂100重量%の適用時に比べて熱融着温度を10℃低く設定した。ポリマーの時間当たりの吐出量とコンベヤベルトの速度を考慮して目付けは18g/m2とした。表1にその特性を示す。
【0032】
実施例2
脂肪酸アミド化合物を含むマスターバッチを付与しない以外は全ての条件を実施例1と同様にしてスパンボンド不織布を得た。
【0033】
比較例1
ホモポリプロピレン100重量%を適用した以外は実施例1の方法と同様にしてスパンボンド不織布を得た。。
【0034】
比較例2
エラストーマ系ランダムコポリマーの含量を5重量%とした以外は実施例1の方法と同様にしてスパンボンド不織布を得た。
【0035】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし、且つ、アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチ0.5〜5重量%をブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造し、その後、前記繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してフィラメントウェブを得、このようにして得られたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工して目付けが10〜100g/m2になるように製造されたものであることを特徴とするソフト性に優れたスパンボンド不織布。
【請求項2】
前記不織布は、スパンボンド不織布/スパンボンド不織布/スパンボンド不織布またはスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の多層構造に製造されることを特徴とする請求項1に記載のソフト性に優れたスパンボンド不織布。
【請求項3】
ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし且つ溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造するステップと、
前記製造されたポリエステルフィラメント繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してウェブを得るステップと、
前記集積されたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工するステップと、
を含むことを特徴とするソフト性に優れたスパンボンド不織布の製造方法。
【請求項4】
ポリプロピレン鎖にエチレンが6重量%以上10重量%以下に共重合されたエラストーマ系ランダムコポリマーをホモポリプロピレンに10〜40重量%ブレンドし、且つ、アミド化合物が5〜20重量%含有されたマスターバッチを0.5〜5重量%ブレンドして溶融した後に紡糸・延伸して1〜5デニールの繊維径のフィラメント繊維を製造するステップと、
前記製造されたポリエステルフィラメント繊維を連続移動するコンベヤ上に集積してウェブを得るステップと、
前記集積されたフィラメントウェブを熱接着またはニードルパンチ加工するステップと、
を含むことを特徴とするソフト性に優れたスパンボンド不織布の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のソフト性に優れた不織布を衛生製品素材、すなわち、幼児用おむつ、成人用おむつ及び生理用ナプキンなどのバックシート、立体ギャザー、ウェーストバンド、耳部及び締結システムの基材など柔軟性が要求される衛生製品の素材として使用することを特徴とする衛生製品。

【公開番号】特開2011−58157(P2011−58157A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55557(P2010−55557)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(504244069)トーレ セハン インク (7)
【Fターム(参考)】