説明

ソマトスタチンに由来する新規なオクタペプチド化合物及びその治療的利用

本発明は、一般式(I):H−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−AA4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2の新規なオクタペプチド化合物に関するものである。これらの生成物は、ソマトスタチンレセプターサブタイプに対する良好な親和性を有するので、それらは、一の(又は、より多くの)ソマトスタチンレセプターが関与する病理的状態又は病気を治療するのに特に有利である。その上、これらの化合物は、それらを、医薬の配合のための種々の溶液において、例えば製薬上許容しうるキャリアーとして構想することを可能にする物理化学的特性を有している。この発明は又、該生成物を含む医薬組成物及びそれらの医薬の製造のための利用にも関係する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なオクタペプチド化合物に関するものである。これらの製品は、ある種のソマトスタチンレセプターサブタイプに対する良好な親和性を有するので、それらは、特に、ソマトスタチンレセプターの一つ(又は2以上)が関与する病理的状態又は病気の治療に有用である。その上、これらの化合物は、それらを、医薬の配合のための様々な溶液において、例えば製薬上許容しうる支持体として構想することを可能にする物理化学的特性を有する。この発明は又、該製品を含む医薬組成物及びそれらの医薬の調製のための利用にも関係する。
【背景技術】
【0002】
ソマトスタチン(SST)は、最初に、視床下部から、成長ホルモンを阻害する物質として単離された環状のテトラデカペプチドである(Brazeau P.等、Science 1973, 179, 77-79)。それは又、脳において、神経伝達物質としても作用する(Reisine T.等、Neuroscience 1995, 67, 777-790; Reisine等、Endocrinology 1995, 16, 427-442)。ソマトスタチンの生物学的機能の不均一性及びそのペプチド類似体の構造と活性の関係は、5つのサブタイプの膜レセプターの発見へと導いた(Yamada等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 89, 251-255, 1992; Raynor, K.等、Mol. Pharmacol. 44, 385-392, 1993)。分子クローニングが、ソマトスタチンの生物学的活性が、これらの5つのサブタイプのレセプターに直接的に依存するを示すことを可能にした。
【0003】
これらのレセプターの機能的役割は、現在、活発に研究されている。サブタイプ2及び5の優先的活性化が、これらのホルモンを分泌するアデノーマにおける成長ホルモンGH(先端巨大症)、TSH及びプロラクチンの抑制と関係付けられてきた;但し、各サブタイプの正確な役割は、未決定のままである。
【0004】
ソマトスタチンと関連する病理的異常(Moreau J.P.等、Life Sciences 1987,40, 419; Harris A.G.等、The European Journal of Medicine, 1993, 2, 97-105)のうちで、例えば、先端巨大症、下垂体腺腫、クッシング病、ゴナドトロピン症(gonadotrophinoma)及びプロラクチノーマ、糖質コルチコイドの異化副作用、糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性ネフロパシー、甲状腺機能亢進症、巨人症、カルチノイド症候群を含む内分泌性胃腸膵管系腫瘍、ビポーマ、インスリノーマ、膵島細胞症、高インスリン血症、グルカゴノーマ、ガストリノーマ及びゾリンガー‐エリソン症候群、GRF産生腫瘍、並びに、食道静脈瘤の急性出血、胃食道逆流、胃十二指腸逆流、膵炎、腸皮及び膵臓フィステルを挙げることができ、下痢、後天性免疫不全症候群の難治の下痢、慢性の分泌性の下痢、過敏性大腸症候群と関連する下痢、ガストリン放出ペプチドと関連した病気、腸移植片に伴う二次的病変、門脈高血圧並びに肝硬変患者における静脈瘤の出血、胃腸の出血、胃十二指腸潰瘍の出血、クローン病、全身性硬化症、ダンピング症候群、小腸症候群、低血圧症、硬皮症及び甲状腺髄質癌腫、細胞増殖亢進に関連した病気例えば癌、一層特に乳癌、前立腺癌、甲状腺癌並びに膵臓癌及び結腸直腸癌、繊維症、一層特に腎臓繊維症、肝臓繊維症、肺繊維症、皮膚繊維症、中枢神経系の繊維症並びに鼻繊維症及び化学療法により誘発される繊維症、及び他の治療分野例えば、下垂体腫瘍と関連した頭痛を含む頭痛、疼痛、パニック発作、化学療法、傷の瘢痕化、発育の遅れ、肥満及び肥満と関連する発育の遅れから生じる腎機能不全、子宮の発育の遅れ、骨格形成異常、ヌーナン症候群、睡眠時無呼吸症候群、グレーヴズ病、卵巣の多嚢性疾患、膵偽嚢胞及び腹水症、白血病、髄膜腫、癌性悪液質、H幽門の阻害、乾癬、並びにアルツハイマー病をも挙げることができる。骨粗鬆症も挙げることができる。
最近、ソマトスタチンレセプターに対する親和性を有するペプチドがますます注目されている。こうして、ランレオチド(lanreotide)は、成長ホルモンと関連する病気の治療のために熱心に研究されてきている(Cendros JM, Peraire C, Troconiz IF, Obach R. Metabolism. 2005 Oct, 54(10), 1276-81)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Brazeau P.等、Science 1973, 179, 77-79
【非特許文献2】Reisine T.等、Neuroscience 1995, 67, 777-790
【非特許文献3】Reisine等、Endocrinology 1995, 16, 427-442
【非特許文献4】Yamada等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 89, 251-255, 1992
【非特許文献5】Raynor, K.等、Mol. Pharmacol. 44, 385-392, 1993
【非特許文献6】Moreau J.P.等、Life Sciences 1987,40, 419
【非特許文献7】Harris A.G.等、The European Journal of Medicine, 1993, 2, 97-105
【非特許文献8】Cendros JM, Peraire C, Troconiz IF, Obach R. Metabolism. 2005 Oct, 54(10), 1276-81
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、既存の解決法に対する代替法を見出すことへの要求は、主要な挑戦を構成する。本発明は、このコンテキストで為されるものである。
【0007】
それ故、出願人は、ソマトスタチンレセプターに対する良好な親和性及び/又は、医薬の配合のための様々な溶液を構想することを可能にする物理化学的特性を有する新規なオクタペプチド化合物を提供する。
【0008】
この発明によるこれらの化合物は、多くの利点を、特に、下記の特性の少なくとも一つを有している:
− ソマトスタチンレセプターに対するそれらの親和性、
− 注射の快適さに関連する粘度範囲を与えるそれらのレオロジー、
− 配合物支持体として用いられるためのそれらの能力、
− 可変分散及び単分散直径のナノチューブの形態で自己集合するそれらの能力、
− 繊維形態で自己集合するそれらの能力、
− 水に対するそれらの様々な程度の溶解度。
【課題を解決するための手段】
【0009】
それ故、本発明の主題は、下記の一般式(I)のオクタペプチド化合物
【化1】

{式中、AA4は、下記式に従って、アミノ酸Tyr3及びLys5に結合したアミノ酸基を表し
【化2】

(式中、n4は、0〜3の整数を表し、R4は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、それらのアリール及びヘテロアリール基は、適宜アリールアゾ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されている;
R41は、基
【化3】

を表し、式中R42は、アルキル基又は水素原子を表し、nは、2〜4の整数であり、mは、1〜4の整数である);
すべてのアミノ酸は、D又はL配置であってよく、
但し、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ピリジル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Trp4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2及びそれらの塩は除かれる}
又はこの化合物の製薬上許容しうる塩である。
【0010】
本発明によれば、アミノ酸基とは、そのアミン官能基又は酸官能基によって、ペプチド結合に参加するアミノ酸により形成される基を意味する。従って、Rを側鎖として有するアミノ酸基は、ラジカルにつき、式−NH−CH(R)−C(O)−の基を有するであろう。
【0011】
本発明によれば、一般式中で、上記のように三文字コードにより表されたアミノ酸も、アミノ酸基も、何も特定されていなければ、D又はL配置であってよい。
【0012】
その上、本発明及び慣例に従い、三文字コードにより表されたアミノ酸配列により例示されたペプチドの名称は、何も特定せずにL配置アミノ酸に言及し、他方、Dアミノ酸は、文字Dによって、考えているアミノ酸の三文字コードの前に文字Dによって、はっきりと示されている。
【0013】
本発明の意味において、アルキルとは、別途特定しない限り、1〜6炭素原子(好ましくは、1〜4炭素原子)を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、又はヘキシルを意味する。
【0014】
シクロアルキルとは、一重結合により一緒に結合された3〜7炭素原子を含む環式基例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを意味する。この基は、適宜、上で規定したアルキル基によって置換されている。優先的に、このシクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルのように、4〜6個のメチレンメンバーを含む。非常に優先的には、このシクロアルキル基は、シクロヘキシル基を表す。
【0015】
アリールとは、少なくとも一つの芳香族環を含む不飽和炭素環系を意味し、好ましくは、フェニル、ナフチル、アントリル(又は、アントラセニル)及びフルオレニルから選択される基を意味する。
【0016】
アリールアゾとは、本発明の意味において、式アリール−N=N−の基(式中、アリール基は、上で規定した通りである)を意味する。好ましくは、このアリールアゾ基は、フェニルアゾ基を表す。
【0017】
ヘテロアリールとは、本発明の意味において、N、O及びSから選択される一以上の同一又は異なるヘテロ原子を含む不飽和の芳香族環例えばピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、特に、チエニル、ベンゾチエニル及びイミダゾリル基を意味する。
【0018】
本発明によれば、製薬上許容しうる塩という表現は、無機酸との付加塩例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩及び硝酸塩又は有機酸との付加塩例えば酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモエート及びステアリン酸塩を規定するものである。製薬上許容しうる塩の他の例については、「Salt selection for basic drugs」、Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0019】
本発明によれば、アミノ酸は、当業者に公知のD又はL配置のアミノ酸(ここでは、それらの通常の命名法によって表す)及び該アミノ酸の側鎖上で改変された合成アナログを表し、該改変合成アナログにおいては:
− β−(3−ベンゾチエニル)−Ala、β−(2−チエニル)−Ala、β−(1−ナフチル)−Ala、β−(2−ナフチル)−Ala又は2−Nal、β−(9−アントリル)−Ala、β−(2−フルオレニル)−Alaは、それぞれβ位で、ベンゾチエニル基によりその3位で、チエニルによりその2位で、ナフチルによりその1位で、アントリルによりその9位で、そしてフルオレニルによりその2位で置換されたアラニンを表し;
− Ph−Gly又はPhgは、フェニル基で置換されたグリシンを表し;
− ホモ−Phe又はホモpheは、側鎖がメチレンメンバーにより伸張されたフェニルアラニンを表し;そして
− p−Br−Phe、p−F−Phe、p−ニトロ−Phe、p−Ph−Phe;p−O−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ−Phe、m−Br−Phe、m−F−Phe、o−Br−Phe、o−F−Phe、3,5−ジF−Pheは、フェニル核が、それぞれ、パラ位置で、臭素、フッ素原子、ニトロ、フェニル及びO−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基により、メタの位置で、臭素及びフッ素原子により、オルト位置で、臭素及びフッ素原子により、そして3及び5の位置で2つのフッ素原子により置換されたフェニルアラニンを表す。
【0020】
優先的に、この発明の一層特別な主題は、上で規定した化合物であって、該化合物において、n4は0〜2の整数を表し、R4はアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、これらのアリール及びへテロアリール基は、適宜アリールアゾ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されている;
R41は、基
【化4】

を表し、式中R42は、アルキル基を表し、n及びmは、2を表す。
【0021】
非常に優先的には、この発明の主題は、n4が0又は1を表し、R4が水素原子又はアルキル基を表す上で規定した化合物である。
【0022】
やはり非常に優先的には、この発明の主題は、n4が0を表し、R4がアルキル基を表す上で規定した化合物である。
【0023】
尚一層優先的には、この発明の主題は、アルキル基がメチル基を表す上で規定した化合物である。
【0024】
本発明の主題は又、下記の一般式(I)のオクタペプチド化合物
【化5】

{式中、AA4は、下記式のアミノ酸を表し
【化6】

(式中、n4は、0〜3の整数を表し、R4は、水素原子、アルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、それらのアリール及びヘテロアリール基は、適宜、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されている;
R41は、基
【化7】

を表し、式中R42は、アルキル基又は水素原子を表し、nは、2〜4の整数であり、mは、1〜4の整数である);
すべてのアミノ酸は、D又はL配置であってよく、
但し、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ピリジル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Trp4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2及びそれらの塩は除かれる}
又はこの化合物の製薬上許容しうる塩である。
【0025】
優先的に、この発明の一層特別な主題は、上で規定した化合物であって、該化合物において、n4は0〜2の整数を表し、R4はアルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、これらのアリール及びへテロアリール基は、適宜、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されている;
R41は、基
【化8】

を表し、式中R42は、アルキル基を表し、n及びmは、2を表す。
【0026】
優先的に、この発明の主題は、用語アリールが、フェニル、ナフチル、アントリル及びフルオレニルから選択される基を表す上で規定した化合物である。
【0027】
優先的に、この発明の主題は又、用語ヘテロアリールが、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルから選択される基、尚一層優先的には、チエニル、ベンゾチエニル及びイミダゾリルから選択される基を表す上で規定した化合物でもある。
【0028】
同様に、優先的には、この発明の主題は又、用語アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルから選択される基を表す上で規定した化合物でもある。
【0029】
同様に、優先的には、この発明の主題は、用語アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルから選択される基を表し;用語シクロアルキルがシクロヘキシル基を表す上で規定した化合物である。
【0030】
一層優先的には、この発明は、一般式(I)のオクタペプチド化合物に関するものであり、式中、AA4は、Trp、Ala、β−(3−ベンゾチエニル)−Ala、β−(2−チエニル)−Ala、β−(9−アントリル)−Ala、β−(2−フルオレニル)−Ala、His、Val、1−Nal、2−Nal、フェニル−Gly、ホモ−Phe、p−Br−Phe、p−F−Phe、m−F−Phe、o−F−Phe、m−Br−Phe、o−Br−Phe、p−NO2−Phe、3,5−ジフルオロ−Phe、4−フェニル−Phe、Tyr、p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−Phe;β−(シクロヘキシル)−Ala、p−フェニルアゾ−Pheから選択されるアミノ酸の基を表している。
【0031】
一層優先的には、この発明は又、一般式(I)のオクタペプチド化合物に関するものでもあり、式中、AA4は、Trp、Ala、β−(3−ベンゾチエニル)−Ala、β−(2−チエニル)−Ala、β−(9−アントリル)−Ala、β−(2−フルオレニル)−Ala、His、Val、1−Nal、2−Nal、フェニル−Gly、ホモ−Phe、p−Br−Phe、p−F−Phe、m−F−Phe、o−F−Phe、m−Br−Phe、o−Br−Phe、p−NO2−Phe、3,5−ジフルオロ−Phe、4−フェニル−Phe、Tyr、p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−Pheから選択されるアミノ酸を表している。
【0032】
尚一層優先的には、この発明は、一般式(I)のオクタペプチド化合物に関するものであり、式中、アミノ酸基AA4は、D配置であり、尚一層優先的には、アミノ酸2−Nal1及びAA4は、D配置であり、他のアミノ酸は、L配置である。
【0033】
非常に優先的には、この発明は又、一般式(I)のオクタペプチド化合物に関するものでもあり、式中、アミノ酸基AA4は、L配置であり、尚一層優先的には、アミノ酸2−Nal1及びAA4は、L配置であり、他のアミノ酸は、D配置である。
【0034】
尚一層優先的には、この発明は、一般式(I)のオクタペプチド化合物に関するものであり、式中、AA4は、アミノ酸Alaの基を表す。
【0035】
優先的には、この発明による化合物は、下記から選択される:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−Ph−D−Gly4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−ホモ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−ジF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−2−Nal1−シクロ(D−Cys2−D−Tyr3−Trp4−D−Lys5−D−Val6−D−Cys7)−D−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(シクロヘキシル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
又は、製薬上許容される、この化合物の塩。
【0036】
一層優先的には、この発明による上で規定された化合物は、下記から選択される:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−diF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【0037】
一層優先的には、この発明による、上で規定した化合物は、下記から選択される:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−Ph−D−Gly4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(シクロヘキシル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【0038】
やはり優先的には、この発明による、上で規定した化合物は、下記からも選択される:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−ホモ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【0039】
やはり、非常に優先的には、この発明による、上で規定した化合物は、下記の化合物である:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【0040】
この発明の主題は又、上で規定したこの発明による化合物を含む医薬でもある。
【0041】
この発明の主題は又、上で規定したこの発明による化合物を、一層特に、その化合物を有効成分として利用する場合に含む治療用組成物でもある。
【0042】
この発明の主題は又、上で規定した一般式(I)の化合物を有効成分として、少なくとも一の製薬上許容しうる賦形剤と組み合わせて含む治療用組成物でもある。
【0043】
この発明の主題は又、上で規定した一般式(I)の化合物を製薬上許容しうる賦形剤として、少なくとも一の有効成分と組み合わせて含む治療用組成物でもある。
【0044】
やはり、この発明の一つの主題は、上で規定した一般式(I)の化合物を製薬上許容しうる賦形剤として、少なくとも一の有効成分と組み合わせて含む、直接的な、制御された、持続性の又は遅延された放出用の治療用組成物でもある。
【0045】
この発明の主題は又、医薬を製造するための、上で規定した一般式(I)のオクタペプチド化合物の利用でもある。
【0046】
この発明の主題は又、医薬が、成長ホルモンに関係した病気から選択される病状を治療することを意図される、上で規定したような利用でもある。
【0047】
最後に、この発明は、上で規定した化合物の、医薬の製造のため;優先的には、一以上のソマトスタチンレセプターが関与する病状例えば先端巨大症、神経内分泌性腫瘍、糖尿病性網膜症、血管、関節及び皮膚の治療;優先的には、先端巨大症又は神経内分泌性腫瘍を治療することを意図した医薬の製造のための利用に関係する。
【0048】
この発明による治療用組成物は、固体形態例えば粉末、顆粒、錠剤、ゼラチン、カプセル、リポソーム又は坐薬であってよい。適当な固体支持体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、澱粉、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及びワックスであってよい。
【0049】
この発明による治療用組成物は又、液体形態例えば溶液、乳濁液、懸濁液又はシロップでも提供することができる。適当な液体支持体は、例えば、水、有機溶媒例えばグリセロール又はグリコール並びにこれらの混合物(水中での割合を変える)であってよい。
【0050】
この発明による組成物の投与は、局所的、経口、非経口経路により、筋肉内、皮下注射などによって行なうことができる。
【0051】
別途規定されない限り、本願で用いられるすべての技術的及び科学的用語は、この発明の属する分野の専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0052】
下記の実験部は、上記の手順を例示するために与えられるものであり、決して、この発明の範囲を制限するものと考えるべきでない。
【0053】
実験部
1.合成の説明
1.1用いた材料
HPLC−MS
この系は、インラインの脱ガス剤を有するWaters(2525)商標であり、自動化注射システム(2767)である。溶出は、0.1%蟻酸を含む水とアセトニトリルの勾配よりなる。溶出された種の検出は、ダイオードアレイ(2996)、蒸発光散乱検出器(ELSD)及び質量分析器を用いて行なわれる(以下、参照)。このカラムは、逆相型の、C18グラフトされた、モデルX−Bridge(100×4.6mm)であり、粒径3.5μmで細孔寸法13.5nmである。流量は、1ml/分に調節され、注射容積は、20μlに調節される。
【0054】
質量分析器は、Waters商標MicromassZQである。イオン化は、エレクトロスプレーにより行なわれ、供給源温度は120℃であり、円錐電圧は20Vである。試料は、0.3ml/分で連続的に導入される。分析装置は、四極子型(モデルZQ2000)である。スペクトルは、Mass Lynx 4.0 ソフトウェアを用いて、m/z 100−1000(有機分子)及び100−2000(ペプチド)の範囲ないで記録される。
【0055】
調製用HPLC
2つのシステムが、ペプチドの精製のために用いられる。前記のシステムは、逆相型カラム、C18グラフトされたモデルX−Bridge(150×19mm)、粒径5μm、細孔寸法13.5nmを備えた。流量は、17ml/分である。第二のシステムは、前記のものに似ているが、質量分析器を備えていないWaters2545である。カラムは、Thermo Hypurityであり、これは、寸法21.2×250mmの逆相型(C18−グラフト化)である。それは、0.1%TFAを含む水とアセトニトリルの混合物により、流量20ml/分で溶出される。これらの2つの調製用HPLCシステムを、最適条件の決定後に、定組成様式で用いる。
【0056】
NMR分析
核磁気共鳴分析は、Burker Advance 400 超遮蔽分光計にて行なう。この分析の周波数は、プロトンに関しては400MHzであり、フッ素19に関しては376.4MHzであり、炭素13に関しては100MHzである。フッ素のNMRスペクトルは、90°の単一パルス及び19.5μ秒の持続時間のシーケンスにより記録する。ウィンドウサイズは、7.5kHzであり、緩和時間は2秒であり、捕捉時間は、0.87秒である。各分析につき、16回の走査を行なう。これらのスペクトルは、周囲温度で記録される。化学シフトは、ppmで表され、結合定数は、Hzで表される。多重度は、次のように与えられる:s=一重項、bs=二重一重項、d=二重項、bd=広域二重項、dd=二重項の二重項、ddd=二重項の二重項の二重項、t=三重項、bt=広域三重項、q=クアドルプレット、dq=クアドルプレットの二重項、m=多重項。
【0057】
HRMS分析
正確な質量測定を、飛行時間型質量分析器(英国、Micromass(商標)からのLCT)にて行なった(正モードで、エレクトロスプレー源(Zスプレー)を使用)。正確な質量測定を可能にする外部基準が、試料と並行して、連続的に導入される(Lockspray(商標)コンフィギュレーション)。ここで用いられる一つは、ロイシンエンケファリンであり、それは、m/z=578.2591で[M+Na]+イオンを生成する。この装置の分解能は、6500であり、それらの結果は、理論的質量からの5mDa未満のずれで与えられる。この装置は、Masslynx 4.0(商標)ソフトウェアにより駆動される。水溶性の試料を、HPLCにより、水50%、メタノール50%の流れに注入する(自動試料交換機(英国、Waters(商標)からのAlliance 2795)を流量200μl/分で使用)。注入体積は、10μlである。キャピラリーの電圧は、2800Vである。円錐部の電圧は、40Vである。供給源温度は、120℃である。脱溶媒温度は、250℃である。脱溶媒ガス(窒素)の流量は、500リットル/時である。円錐部ガス(窒素)の流量は、20リットル/時である。TDC停止:100mV。
【0058】
IR分光分析
これらのペプチドの赤外線スペクトルを、全反射の減衰及びフーリエ変換により記録する。この装置は、45°N Znse ATRモジュールを備えたBruker IFS 66である(窒素で連続的にパージ)。10μLの溶液を、水晶上に置いて、30回の走査を平均する(4cm-1の分解能時)。水からのシグナルを未加工のスペクトルから、OPUS4.2ソフトウェアを用いて減算する。
【0059】
凍結乾燥機
使用する凍結乾燥機は、約15μバールの真空を達成することを可能にするベーン・ポンプに接続されたChrist Alpha 2−4 LD plusである。水性試料を、この装置に接続する前に、液体窒素中で固化させる。
【0060】
顕微鏡検査
Phillips CM−20型顕微鏡のTEMを200kVで操作し、Leo−Gemini型のSEMは、電界放射銃を使用。
【0061】
1.2 用いた試薬
合成ペプチド樹脂が、Novabiochem, Merck Biosciences部(Schwalbach, ドイツ国)から得られる。このイオン交換樹脂は、Bio-Rad laboratories(Hercules, 米国)からのものである。
【0062】
用いた水は、Millipore(Billerica, 米国)製のMilli−Q Plus交換システムを用いて、2回脱イオン化したものである。これらの合成及び精製のための溶媒は、Aldrich and VWR(West Chester, 米国)から購入したものであり、別途指示しない限り、精製せずに使用する。
【0063】
アミノ酸は、Bachem (Weil am Rhein, ドイツ国)、Fluka (Buchs, スイス国)、Acros Organics(Geel, ベルギー国)及びNeoMPS(Strasbourg, フランス国)から購入したものである。
【0064】
市販のアミノ酸前駆体
Fmoc−L−Cys(Trt)−OH,Fmoc−L−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−L−Lys(Boc)−OH,Fmoc−L−Val−OH,Fmoc−L−Thr(tBu)−OH,Boc−b−(2−ナフチル)−D−Ala−OH;
Fmoc−b−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala−OH,Fmoc−b−(2−チエニル)−D−Ala−OH,Fmoc−D−His(Boc)−OH,Fmoc−D−Ala−OH,Fmoc−D−Val−OH,Fmoc−b−(1−ナフチル)−D−Ala−OH,Fmoc−b−(2−ナフチル)−D−Ala−OH,Fmoc−b−(9−アントリル)−D−Ala−OH,Fmoc−Ph−D−Gly−OH,Fmoc−ホモ−D−Phe−OHFmoc−p−Br−D−Phe−OH,Fmoc−p−F−D−Phe−OH,Fmoc−D−Tyr(tBu)−OH,Fmoc−m−F−D−Phe−OH,Fmoc−o−F−D−Phe−OH,Fmoc−3,5−ジF−D−Phe−OH,Fmoc−m−Br−D−Phe−OH,Fmoc−o−Br−D−Phe−OH,Fmoc−p−ニトロ−D−Phe−OH,Fmoc−p−Ph−D−Phe−OH;Fmoc−b−(シクロヘキシル)−D−Ala−OH;
Fmoc−b−(2−ナフチル)−L−Ala−OH,Fmoc−D−Cys(Trt)−OH,Fmoc−L−Trp(Boc)−OH,Fmoc−D−Lys(Boc)−OH,Fmoc−D−Thr(tBu)−OH。
【0065】
アミノ酸Fmoc−β−(2−フルオレニル)−D−Ala−OH
a/ メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)アクリレート
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU,1.35ml,1.5当量)を、0℃で、メチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(ジメトキシホスホリル)アセテート(2g、6.04mモル、1当量)の、ジクロロメタン(60ml)中の溶液に加える。5分間の攪拌後に、9H−フルオレン−2−カルバルデヒド(1.17mg、6.04mモル、1当量)を加える。この混合物を、2時間、攪拌しつつ、0℃に置き、次いで、氷浴を取り去って、20〜30℃の温度にする。この反応物を、攪拌しつつ、2時間置く。40mLのジクロロメタンを、この反応媒質に加えて、0.5M HClでの洗浄後に、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させてから、蒸発させる。冷ジエチルエーテルを用いて粉砕を行なう。上清を回収して、この操作を、数回行なう。得られた固体を、シリカゲル上で精製して(溶離剤:ヘキサン−AcOEt75:25)、1.75gの純粋生成物(配置未知)を得る。収率=74%。他の異性体も又、回収される。これらの2つの異性体の比は、95/5である。
1H−NMR(CDCl3):δ3.84(m,2H,フルオレン+3H メチル);5.13(s,2H,ベンジル);7.25−7.40(m,7H),7.45(s,1H);7.55(d,J=7.6,2H);7.72(m,2H),7.79(d,J=7.6,1H)。
13C−NMR(CDCl3):δ36.95;52.76;67.63;120.04;120.44;123.36;125.22;127.04;127.52;128.38,128.59;129.17;132.16;132.73;136.07;141.04;143.31;143.52;144.0;166.02。
MS(ESI):m/z400.0[M+H]+
IR:λ.(cm-1):3262,3034,2951(CH アルキル),1725(CO),1699.1509,1234,730。
融点:109℃
【0066】
b/ メチル(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパノエート
不斉ロジウム触媒(35mg、2%モル)を、閉じた金属反応器内で、MeOH(150ml)中のメチル2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)アクリレート(1g、2.51mモル)の溶液に加える。この媒質を空気をパージして、水素雰囲気(50バール)下に置く。24時間後に、この媒質を、還元生成物を定量的に生成するために濃縮する。
1H−NMR(CDCl3):δ3.15(dd,J=14.0,J=6.4,1H);3.22(dd,J=14.0,J=6.0,1H);3.73(s,3H メチル);3.85(s,2H フルオレン);4.70(m,1H);5.07(d,J=12.4,1H ベンジル);5.12(d,J=12.4,1H,ベンジル);5.25(1H,NH);7.11(d,,J=7.6,1H);7.27−7.38(m,8H);7.53(d,J=7.6,2H);7.58(d,J=7.8,1H);7.75(d,J=7.6,1H)。
13C−NMR(CDCl3):δ36.74;38.38;52.27;54.95;66.91;119.76;119.85;124.96;125.87;126.64,126.70,127.79,128.04;128.11,128.45,134.14;136.17;140.74;141.27;143.12;143.64;155.58,172.01。
MS(ESI)m/z:402.0[M+H]+
IR:λ.(cm-1):3347,3025.2949(CH アルキル),1741(CO),1689,1523,1256,1024,740
融点:125℃
キラルHPLCにより測定された鏡像体過剰率:93.4%
【0067】
c/ (R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパン酸
LiOH96mgの水(15ml)中の溶液を、メチル(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパノエート(800mg、1.99mモル)のジオキサン(35ml)中の0℃の溶液に加える。この反応を、TLC(ヘキサン−AcOEt1:1)により追跡する(形成された酸は、移動しない)。この反応は、一時間後に終結される。その媒質を、2M HClにより酸性化して、生成物を酢酸エチルにより抽出する。この生成物は、硫酸ナトリウムによる乾燥、真空下での蒸発及びエーテルからの結晶化の後に、定量的に回収される(735mg)。
1H−NMR((CD32SO):δ2.90(dd,J=14.0,J=9.6,1H);3.20(dd,J=13.6,J=4.8,1H);3.71(s,2H,フルオレン);4.40(dd,J=9.6,J=4.8,1H);4.87(d,J=12.6,1H ベンジル);4.96(d,J=12.6,1H,ベンジル);7.12(m,6H);7.18(t,J=7.6,1H);7.26(t,J=7.6,1H);7.32(s,1H);7.43(d,J=7.6,1H);7.60(d,J=7.6,1H);7.68(d,J=7.8,1H)。
13C−NMR((CD32SO):δ36.17;36.60;55.68;65.14;119.59;119.71;125.01;125.77;126.43;126.63;127.40;127.59;127.70;128.45;128.15;136.57;136.89;139.39;140.90;142.82;142.88;155.92;173.27。
MS(ESI)m/z:388[M+H]+
IR:λ.(cm-1):3333;3035;2902(CH アルキル);1724(CO);1705;1689;1531;1245;1062;734。
融点:141℃
【0068】
d/ (R)−2−アミノ−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパン酸
Pd/C(65mg)を、メタノール(80mL)中の(R)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパン酸(650mg、1.68mモル)の溶液に加える。この媒質を、窒素でパージしてから水素でパージする。反応を、激しく攪拌しながら、6時間放置し:沈澱が生じる。この媒質を濾過し:所望の生成物とPd/Cとのの混合物を、ジオキサン−水混合物(1:1)中での可溶化前に回収し、次いで、アミノ酸を溶解させるように、2M HClで酸性化する。この溶液を濾過し、ジオキサンを真空下で蒸発させてから、水相を、2M NaOHの添加により中和する。蒸発後に、得られた白色粉末を、過剰の塩を除去するために、水で洗う。500mgのアミノ酸が回収される。収率は、85%である。
MS(ESI)m/z:254[M+H]+
lR:λ.(cm-1):3425;3019;2960(CH アルキル);1567;1402;1316;737。
融点:225℃
UVλ.(nm):206(abs=0.868),267(abs=0.446),303(abs=0.203)
蛍光:(267nmで励起)312nmで最大。
鏡像体過剰率(キラルHPLCにより測定):93.4%。
【0069】
e/ (R)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−アミノ−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパン酸又はFmoc−β−(2−フルオレニル)−D−Ala−OH
FmocOSu(820mg、2.43mモル、1.1当量)の20mlのジオキサン中の溶液を、ジオキサン(50mL)と10%炭酸ナトリウム水溶液(30ml)の混合物中のアミノ酸(R)−2−アミノ−3−(9H−フルオレン−2−イル)プロパン酸(560mg、2.21mモル、1当量)の溶液に滴下させて加える。FmocOSuの消失を、ヘキサン−AcOEt(1:1)を溶離剤とするTLCにより追跡する。反応媒質を、3時間攪拌する。反応混合物を、酢酸エチルで抽出して、有機相を回収して蒸発させる。得られた固体を、濾過前に、AcOEtから結晶化させる。860mgの予想された生成物が回収される。収率=82%。
1H−NMR((CD32SO):δ3.00(dd,J=13.2,J=5.8,1H);3.13(dd,J=13.2,J=4.9,1H);3.76(s,2H,フルオレン);3.81(dd,J=6.4,J=4.8,1H),4.12(dd,J=9.8,J=6.4,1H,CHβFmoc);4.19(t,J=6.4,1H,Fmoc);4.30(dd,J=9.8,J=6.4,1H,CH’βFmoc);6.35(s,1H,NH);7.12(d,J=7.6,1H);7.20−7.40(m,7H);7.53(d,J=7.4,1H);7.62(t,J=7.2,2H);7.67(d,J=7.8,1H);7.81(d,J=7.6,1H);7.7(d,J=7.6,2H)。
13C−NMR(CD3SO):この分子は、分解される。
MS(ESI)m/z:476.0[M+H]+
lR:λ.(cm-1):3382.3051;2958(CHalkyl);1678;1605;1528.1411;1254;1037;735。
【0070】
N−フルオレニルメトキシカルボニル−4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe又はFmoc−p−O−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ−D−Pheの合成
a/ N−t−ブチルオキシカルボニル−4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe
100mg(0.35mモル)のBoc−D−チロシン−OH並びに155mg(1.12mモル、3.1当量)を、1mlのDMF及び100μlのH2O中に導入する。0℃で、180μl(1.43mモル、4.1当量)の1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンを導入して、この反応物を、50℃に7時間にわたって加熱する。この反応媒質を、次いで、酢酸エチル中に溶解させて、水相のpHを2に調節するために希塩酸を加える。有機相を、希塩酸で洗ってから、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。蒸発後に、218.9mgの非晶質固体が回収される。この固体を、2mlの1Mソーダ及び2mlのジオキサンに溶解させて、1時間30分、攪拌しながら放置する。pHを希塩酸によって2に調節してから、生成物を酢酸エチルで抽出する。137.7mgの粗生成物が回収される。この精製を、シリカカラムにより、溶離剤として、酢酸エチル−シクロヘキサン−酢酸(60:60:1%)を用いて行なう。蒸発後に、94.6mgの純粋生成物が回収される(即ち、68%の収率)。
NMR1H(400MHz,CDCl3):δ1.41(s,9H,tBu);3.01(dd,J=13.7,J=5.7,1H,CHβ);3.11(dd,J=13.7,J=4.8,1H,CHβ);3.39(s,3H,OCH3);3.55−3.60(m,2H,CH2 エトキシ);3.69-3.74(m,2H,CH2 エトキシ);3.81−3.87(m,2H,CH2 エトキシ);4.07−4.16(m,2H,CH2 エトキシ);4.50−4.59(m,1HCHα);4.97(d,J=7.7,1H,NH);6.84(d,J=8.3,2H,CHAr);7.07(d,J=8.3,2H,CHAr)。
MS(ESI)m/z:384.2[M+H]+
【0071】
b/ 4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe
1.89gのN−t−ブチルオキシカルボニル−4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Pheを、26mlの35% HCl及び74mlの酢酸エチルに導入する。この反応を、3時間にわたって、攪拌しながら放置する。蒸発後に、固体を、ジエチルエーテルを用いて、3回粉砕して、1.12gの白色固体を得る(即ち、収率66%)。
NMR1H((CD32SO):δ3.04(d,J=6.3,2H,CHHβ);3.23(s,3H,OCH3);3.41−3.46(m,2H,CH2 エトキシ);3.53−3.59(m,2H,CH2 エトキシ);3.68−3.73(m,2H,CH2 エトキシ);4.01-4.06(m,2H,CH2 エトキシ);4.09−4.12(m,1HCHα);6.89(d,J=8.8,1H,CHAr);7.16(d,J=8.8,1H,CHAr)。
NMR13C((CD32SO):δ34.84(Cβ);53.17(Cα);58.11(CH3O);67.16(CH2 エトキシ);68.97(CH2 エトキシ);68.77(CH2 エトキシ);71.34(CH2 エトキシ);114.57(CメタAr);126.61(Cオルトar);130.65(CH2Ar);157.84(O−CAr);170.30(CO)。
MS(ESI)m/z:284,1[M+H]+
【0072】
c/ N−フルオレニルメトキシカルボニル−4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe
812mg(2.87mモル)の4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Pheを、4mlの蒸留水及び4mlのアセトンに導入する。300mg(2。83mモル、0.98当量)のNa2CO3及び954.6mg(2.83mモル、0.98当量)のFmocOSuを、それに加える。この白色の懸濁液を、5時間30分、室温(20〜30℃)で攪拌する。次いで、アセトンを蒸発除去し、この媒質を、塩酸を用いて、pH=2に調節し、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合せて、飽和NaCl溶液で洗ってから、無水MgSO4上で乾燥させる。蒸発後に、1.5gの粗生成物が得られる。この生成物を、約120gのシリカ上で、ジクロロメタン−メタノール−酢酸溶離剤(98:2:5)を用いて精製して、939mgの白色固体を得る(即ち、収率65%)。
NMR1H(CDCl3):δ3.05(dd,J=14.0,J=5.7,1H,CHβ);3.13(dd,J=14.0,J=5.4,1H,CH’β);3.38(s,3H,OCH3);3.55−3.59(m,2H,CH2エトキシ);3.67−3.72(m,2H,CH2エトキシ);3.80−3.85(m,2H,CH2エトキシ);4.04−4.10(m,2H,CH2エトキシ);4.20(t,J=6.8,1H,CH);4.34(dd,J=10.8,J=6.8,1H,CHβFmoc);4.44(dd,J=10.8,J=6.8,1H,CH’βFmoc);4.63(dd,J=14.0,J=5.7,1H,CHα);5.30(s,1H,NH);6.81(d,J=8.1,2H,CHar,);7.03(d,J=8.1,2H,CHAr,);7.30(t,J=7.4,2H,フルオレニル);7.40(t,J=7.4,2H,フルオレニル);7.56(t,J=5.8,2H,フルオレニル);7.76(d,J=7.4,フルオレニル)。
NMR13C(CDCl3):δ36.89(CH2β);47.08(CHFmoc);54.66(CHα);58.96(CH3O);66.96(CH2Fmoc);67.22(CH2 エトキシ);69.68(CH2 エトキシ);70.55(CH2 エトキシ);71.83(CH2 エトキシ);114.65(CメタPhe,);119.92(CHフルオレニル);125.01(CHフルオレニル);127.02(Cオルトar);127.67(CHフルオレニル);127.77(CHフルオレニル);130.34(CH2Phe,);141.24(Cフルオレニル);143.64(Cフルオレニル);155.70(COFmoc);157.84(O−Car,);170.30(CO)。
MS(ESI)m/z:506.0[M+H]+
【0073】
アミノ酸Fmoc−β−(p−フェニルアゾ)−D−Phe−OHの合成
400mg(1mモル)のFmoc−pNH2−D−Phe−OH及び150mg(1.4mモル)のニトロソベンゼンを、20mlの氷酢酸中に入れてから、この混合物を、周囲温度で、16時間、攪拌する。次いで、150mgのニトロソベンゼンを再び加えて、攪拌を24時間にわたって続ける。次いで、溶媒を、蒸発除去し、残留物を熱メタノールから結晶化させる。次いで、この混合物を、+4℃に一晩置き、結晶を濾過により回収して、冷メタノール(2×20ml)ですすぎ、次いで、デシケーターを用いて真空中で乾燥させる。300mgのアミノ酸が回収される。収率は、61%である。
NMR1H(400MHz,CD3OD):δ3.04(dd,J=9.6,J=13.6,1H);3.22−3.28(m,1H);4.15(t,J=6.8,1H);4.24(dd,J=6.8,J=10.4,1H);4.33(dd,J=7.2,J=10.4,1H);4.50(dd,J=4.4,J=9.6,1H);7.27(t,J=8,2H);7.36(m,2H);7.42(d,J=8.4,2H);7.49−7.59(m,5H),7.76(d,J=7.6,2H);7.83(d,J=8.4,2H);7.88(dd,J=6.8,2H);.
MS(ESI)m/z:492.1[M+H]+
【0074】
1.3 オクタペプチド化合物の製造
1.3.1 ペプチドの合成のための一般的手順
この合成は、下記のダイヤグラム1が示すように4つの主たる段階を含む:
【化9】

【0075】
1/樹脂の湿潤化
樹脂4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−フルオレニルメトキシカルボニル−アミノメチル)−フェノキシアセタミド−ノルロイシル−(4−メチル)−ベンズヒドリルアミン −ポリスチレンベース− ジビニルベンゼン(Rink Amide MBHA)を、焼結ガラスを備えたシリンジ(一端にタップ及び他端にストッパー)に導入する。それをNMPで満たし、混合物を1時間にわたって穏やかに攪拌しながら入れる。次いで、溶媒を、濾過により除く。
【0076】
2/アミノ酸の結合
これらのアミノ酸を、カップリング反応を利用して、所望の順序で一緒に結合させる。アミノ酸(2当量)を、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、2.2当量)及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC、2.2当量)と共に、試験管中のN−メチルピロリジノン(NMP、5ml/樹脂1g)に導入して、数分間攪拌する。次いで、それを、その容器中で、樹脂の存在下に置く。この反応混合物を、1時間30分攪拌してから濾過する。二重カップリング技術を使用する:反応速度と最終生成物の純度を最適化するために、反応が約50%進行したときに反応混合物を濾過して、新鮮な試薬を再導入する。第二段階は、新たなカップリングを可能にするために、導入された新規なアミノ酸を脱保護することよりなる。この脱保護は、樹脂1g当たり5mlのNMP(20%v/v)中でのピペリジンでの3回の処理と、その後の、NMP(樹脂1g当たり10ml)での3回の洗浄により行われる。樹脂をモニターするために、最初の処理に対応する5μlの濾液、そして、次の2回の処理に対応する10μlの濾液、並びに、最初の洗浄液(即ち、4試料)を、2mlのピペリジンに導入した後に、UV吸光度を290nmで測定する。各段階の間で、樹脂の3回の洗浄をNMP(樹脂1g当たり10ml)を用いて行なう。それ故、このアセンブリ段階は、2つの反応からなる:アミノ酸のカップリング反応及びFmoc基の脱保護反応(これらは、ペプチド配列が完成するまで繰り返し行われる)。
【0077】
3/ジスルフィド結合の形成
一度配列が組み立てられたならば、そのペプチドは、ジスルフィド橋の形成によって環化されなければならない。このジスルフィド橋は、NMP(樹脂1g当たり5ml)中のジイオジン1当量で、それぞれ、2分、3分及び5分の3回の処理によって形成される。次いで、この樹脂を、樹脂中に保持されている過剰のジイオジンを除去するために、DCMで5回、NMPで5回洗う(樹脂1g当たり10ml)。
【0078】
4/開裂
この樹脂は、NMPでの2回の洗浄、メタノール(MeOH)での2回の洗浄、ジクロロメタン(DCM)での2回の洗浄及びジエチルエーテル(DEE)(樹脂1g当たり10ml)での2回の洗浄による開裂のために製造されなければならない。次いで、この樹脂を、真空下に一日置く。開裂は、マグネチックスターラーを備えたガラス製フラスコ中で行われる。反応混合物を、トリフルオロ酢酸(TFA、樹脂1g当たり10ml)並びにトリイソプロピルシラン(TIS)及び水から形成する(3%及び2%v/v)。反応物を、4時間にわたって、周囲温度で攪拌する。次いで、この媒質を、焼結ガラス上で濾過して、固体をTFAで2回洗う。次いで、濾液を、蒸発させて、非常に濃厚な白色の液体を得る。これを、凍結乾燥するために、水−アセトニトリル混合物(1:1)に溶解させる。この段階の後に、ペプチドは、トリフルオロ酢酸塩の形態で存在する。
【0079】
1.3.2 精製
精製を、調製用高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行なう。固定相は、それがC18アルキル鎖をグラフトされているので「リバースト(reversed)」と呼ばれ、移動相は、水とアセトニトリルの一定の混合物(定組成)により構成され、固定相に存在しうる残留非グラフト化シラノールの中和に役立つ0.1%TFA又は0.1%蟻酸を伴う。
【0080】
このペプチドは、調製用HPLCに注入されるためには、水−アセトニトリル混合物に溶解されなければならない。先ず、溶解度の検査を少量について行なう。それは、アセトニトリルの最適パーセンテージを与え、確立されるべきペプチドの最大量を与える。非常に高濃度のペプチドを含む最も低いパーセンテージのアセトニトリルとその結果生じる澄
んだ溶液は、理想的条件を構成する。例えば、4−パラ−フルオロフェニルアラニン誘導体(実施例13、後記)の溶解度は、水−アセトニトリル溶液(58:42)中で、49gl-1で確立された。
【0081】
精製後、精製されたペプチドを含む画分を合せて、真空下で蒸発させる。この純粋なペプチドを、次いで、多量の溶媒中で回収した後に(溶媒は、蒸発させる)、凍結乾燥を行なう。このペプチドは、一般に、トリフルオロ酢酸塩の形態で存在し、それは、物理化学的分析の前に酢酸塩に交換されなければならない。
【0082】
1.3.3 イオン交換
この交換は、強アニオン交換型樹脂(AG1−X8 Biorad)上で行われる。この樹脂245mgを、先ず、10mlの1.6N 酢酸で3回洗い、次いで、10mlの0.16M 酢酸で3回洗う。TFA塩としてのペプチド20mgを、次いで、4mlの水に導入し、その容器を、1時間、回転攪拌する。次いで、その液体を濾過し、樹脂を1mlの蒸留水で2回洗う。これらの画分を合せてから凍結乾燥する。
【実施例】
【0083】
1.4 実施例
これらの生成物を、前記の当業者に公知の標準的方法によって特性決定した。
実施例1:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化10】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なカップリング、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0084】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.8分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.28−0.40(m,1H);0.42−0.54(m,1H);0.90(d,J=6.6,3H);0.92(d,J=6.6,3H);1.20(d,J=6.4,3H);1.28−1.34(m,1H);1.48−1.62(m,1H);1.90(s,6H);1.90−2.20(m,1H);2.44(dd,J=14.6,J=4.2,1H);2.57(dd,J=14.8,J=9.3,1H);2.65-2.82(m,4H);2.92(d,J=7.4,2H);3.06(dd,J=13.9,J=5.5,1H);3.12−3.22(m,1H);3.29(dd,J=13.3,J=9.5,1H);3.43(dd,J=13.5,J=5.5,1H);3.81(dd,J=10.3,J=3.7,1H);4.24(dd,J=6.4,J=4.1,1H);4.26−4.38(m,3H);4.64(t,J=7.5,2H);6.84(d,J=8.2,2H);7.12(d,J=8.2,2H);7.31(s,1H);7.38−7.50(m,3H);7.54(dd,J=9.4,J=3.8,1H);7.55(dd,J=9.4,J=3.8,1H);7.71(d,J=7.7,1H);7.78(s,1H);7,85−7.90(m,1H);7.90-7.95(m,2H);7.98(d,J=7.5,1H)。
HRMS(H2O)m/z:1113.4368[M+H]+(calc.1113.4360)C54H69N10O10S3
【0085】
実施例2:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化11】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(2−チエニル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0086】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.7分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.76−0.88(m,1H);0.92(d,J=6.6,3H);0.95(d,J=6.6,3H);1.19(d,J=6.4,3H);1.40−1.54(m,3H);1.76−1.88(m,1H);1.93(s,6H);2.14−2.26(m,1H);2.41(dd,J=14.8,J=3.8,1H);2.63(dd,J=15.4,J=9.7,1H);2.68(dd,J=15.0,J=3.6,1H);2.74−2.82(m,1H);2.83−2.95(m,4H);3.10(d,J=8.0,1H);3.37(dd,J=13.6,J=8.6,1H);3.47(dd,J=13.8,J=5.6,1H);4.02(d,J=9.7,1H);4.07(dd,J=10.8,J=3.5,1H);4.21(dq,J=10.4,J=6.4,1H);4.28(t,J=8.1,1H);4.31(d,J=4.0,1H);4.42(dd,J=8.6,J=6.2,1H);4.62(t,J=7.4,1H);4.89(dd,J=10.5,J=3.6,1H);4.93(dd,J=10.5,J=3.6,1H);6.82(m,3H);6.98(m,2H);7.11(d,J=8.4,2H);7.31(d,J=5.1,1H);7.47(d,J=8.2,1H);7.54(dd,J=9.5,J=3.3,1H);7.55(dd,J=9.5,J=3.3,1H);7.8(s,1H);7.82−7.88(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1063.4230[M+H]+(calc.1063.4204)C50H67N10O10S3
【0087】
実施例3:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化12】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−D−His−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0088】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=6.3分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.90(d,J=6.6,3H);0.94(d,J=6.6,3H);1.02−1.14(m,2H);1.17(d,J=6.6,3H);1.51−1.64(m,3H);1.83−1.90(m,1H);1.91(s,6H);2.10−2.18(m,1H);2.53(dd,J=14.6,J=4.4,1H);2.60(dd,J=14.8,J=9.5,1H);2.70(dd,J=14.6,J=4.4,1H);2.75(dd,J=14.4,J=4.2,1H);2.84−2.94(m,5H);2.99(dd,J=15.2,J=7.2,1H);3.36(dd,J=13.9,J=8.6,1H);3.46(dd,J=13.8,J=5.7,1H);4.04(d,J=9.7,1H);4.13−4.23(m,2H);4.26−4.32(m,2H);4.40(dd,J=8.7,J=5.9,1H);4.55(t,J=7.7,1H);4.86(dd,J=9.6,J=4.4,1H);4.92(dd,J=10.4,J=4.6,1H);6.74(d,J=8.6,2H);7.01(d,J=1.3,1H);7.04(d,J=8.6,2H);7.46(dd,J=8.5,J=1.7,1H);7.52(ddd,J=6.7,J=4.4,J=1.6,1H);7.53(ddd,J=6.7,J=4.4,J=1.6,1H);7.80(s,1H);7.93−7.93(m,3H);8.29(d,J=1.1;1H)。
HRMS(H2O)m/z:1047.4507[M+H]+(calc.1047.4545)C49H66N12O10S2
【0089】
実施例4:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化13】


この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0090】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.8分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.93(d,J=6.6,3H);0.96(d,J=6.6,3H);1.18(d,J=7.8,3H);1.20(d,J=6.6,3H);1.34−1.44(m,2H);1.60−1.68(m,2H);1.68−1.80(m,2H);1.90(s,6H);1.92−2.20(m,1H);2.12−2.22(m,1H);2.45(dd,J=14.6,J=4.9,1H);2.55(dd,J=14.7,J=8.7,1H);2.74(d,J=1.3,1H);2.76(s,1H);2.90−3.00(m,4H);3.3(dd,J=13.5,J=9.1,1H);3.44(dd,J=13.7,J=5.6,1H);4.04(d,J=9.5,1H);4.07(d,J=7.3,1H);4.2(dd,J=9.9,J=4.1,1H);4.24(dd,J=6.5,J=3.9,1H);4.28−4.32(m,1H);4.33(d,J=4.0,1H);4.55(dd,J=7.8,J=7.3,1H);4.82−4.88(m,1H);6.82(d,J=8.6,2H);7.11(d,J=8.6,2H);7.47(dd,J=8.5,J=1.7,1H);7.54(ddd,J=5.7,J=4.7,J=2.0,1H);7.55(ddd,J=5.7,J=4.7,J=2.0,1H);7.79(d,J=0.9,1H);7.86−7.96(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1003.4161[M+Na]+(calc.1003.4146)C46H64NaN10O10S2
【0091】
実施例5:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化14】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−D−Val−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0092】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=10.7分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.73(d,J=6.6,3H);0.80(d,J=6.8,3H);0.93(d,J=6.8,3H);0.98(d,J=6.6,3H);1.19(d,J=6.6,3H);1.30−1.50(m,2H);1.58−1.82(m,4H);1.60-2.08(m,4H);1.92(s,6H);1.96−2.06(m,1H);2.14−2.24(m,1H);2.51(dd,J=14.8,J=3.8,1H);2.62(dd,J=14.8,J=10.0,1H);2.69(dd,J=14.5,J=3.5,1H);2.79(dd,J=14.9,J=11.2,1H);2.88−3.00(m,3H);3.37(dd,J=13.9,J=8.6,1H);3.57(dd,J=13.9,J=5.8,1H);3.60(d,J=9.7,1H);4.05(d,J=9.7,1H);4.21(dd,J=6.3,J=3.9,1H);4.25(dd,J=10.7,J=3.7,1H);4.30(d,J=3.8,1H);4.42(dd,J=8.6,J)=5.8,1H);4.61(dd,J=8.4,J=6.9,1H);4.95(dd,J=9.3,J=3.6,1H);4.96(dd,J=11.8,J=2.9,1H);6.81(d,J=8.6,2H);7.12(d,J=8.4,2H);7.47(dd,J=8.4,J=1.5,1H);7.54(dd,J=10.2,J=3.8,1H);7.55(dd,J=10.2,J=3.8,1H);7.80(s,1H);7.84−7.94(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1009.4627[M+H]+(calc.1009.4640)C48H69N10O10S2
【0093】
実施例6:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化15】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(1−ナフチル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0094】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.9分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ−0.10−0.04(m,1H);0.22−0.34(m,1H);0.87(d,J=4.6,3H);0.89(d,J=4.6,3H);0.98−1.10(m,1H);1.18(d,J=6.4,3H);1.20−1.30(m,1H);1.40−1.52(m,1H);1.95(s,6H);2.06−2.18(m,1H);2.42(dd,J=14.9,J=3.9,1H);2.57(dd,J=14.9,J=8.8,1H);2.64(t,J=8.0,2H);2.72(dd,J=14.8,J=4.8,1H);2.78(dd,J=10.8,J=4.8,1H);2.89(dd,J=13.3,J=8.3,1H);2.89(dd,J=13.6,J=6.8,1H);3.26(d,J=8.4,2H);3.34(dd,J=13.4,J=9.0,1H);3.48(dd,J=13.7,J=6.0,1H);3.68(dd,J=10.8,J=3.7,1H);3.90(d,J=9.7,1H);4.21(ddd,J=12.7,J=6.4,J=4.0,1H);4.29(d,J=3.8,1H);4.31(t,J=8.6,1H);4.42(dd,J=8.7,J=5.8,1H);4.66(dd,J=8.5,J=6.8,1H);4.82−4.87(m,1H);6.86(d,J=8.6,2H);7.14(d,J=8.6,2H);7.28(d,J=7.3,1H);7.45(t,J=7.7,1H);7.46(d,J=9.7,1H);7.53(dd,J=6.4,J=3.5,1H);7.54(dd,J=6.4,J=3.5,1H);7.57-7.65(m,2H);7.78(s,1H);7.84−7.97(m,6H)。
HRMS(H2O)m/z:1129.4578[M+Na]+(calc.1129.4516)C56H70NaN10O10S2
【0095】
実施例7:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化16】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0096】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=14.5分
HRMS(H2O)m/z:1129.4651[M+H]+C56H69N10O10S2
【0097】
実施例8:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化17】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(9−アントリル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0098】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=10.1分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ−0.68−−0.58(m,1H);−0.36−−0.24(m,1H);0.68−0.72(m,1H);0.83(d,J=4.6,3H);0.84(d,J=4.7,0.92−1.04(m,2H);1.06−1.12(m,1H);1.18(d,J=6.4,3H);2.0(s,6H);2.0−2.08(m,1H);2.4(dd,J=14.7,J=4.3,1H);2.44−2.54(m,3H);2.78(d,J=7.8,2H);2.90(dd,J=13.2,J=9.6,1H);3.01(dd,J=13.3,J=6.2,1H);3.26(dd,J=10.4,J=4.2,1H);3.30−3.36(m,1H);3.38−3.52(m,2H);3.84(d,J=9.3,1H);3.89(d,J=13.5,1H);4.20−4.30(m,2H);4.32(d,J=3.8,1H);4.42(dd,J=9.1,J=5.8,1H);4.66-4.76(m,2H);6.97(d,J=8.6,2H);7.23(d,J=8.4,2H);7.44(d,J=8.6,1H);7.48−7.60(m,5H);7.75(s,1H);7.82−7.94(m,5H);8.05(d,J=8.0,2H);8.4(s,1H)。
HRMS(H2O)m/z:1157.4919[M+H]+(calc.1157.4953)C60H73N10O10S2
【0099】
実施例9:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化18】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−β−(2−フルオレニル)−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0100】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.8分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.08−0.20(m,1H);0.32−0.44(m,1H);0.88(d,J=6.7,3H);0.91(d,J=6.6,3H);0.96(t,J=7.8,2H);1.17(d,J=6.4,3H);1.48−1.60(m,1H);1.96(s,6H);1.80−2.08(m,2H);2.10−2.20(m,1H);2.45(dd,J=14.7,J=3.7,1H);2.61(dd,J=14.8,J=9.7,1H);2.68(dd,J=14.8,J=3.7,1H);2.76(d,J=11.0,1H);2.81(dd,J=11.9,J=9.2,1H);2.88−3.00(m,3H);3.35(dd,J=13.7,J=8.8,1H);3.46(dd,J=13.7,J=5.8,1H);3.80(dd,J=11.0,J=3.2,1H);3.88(s,2H);3.92(d,J=9.8,1H);4.19(dd,J=6.5,J=3.7,1H);4.21(dd,J=11.8,J=5.4,1H);4.29(d,J=3.8,1H);4.41(dd,J=8.8,J=5.8,1H);4.63(t,J=7.5,1H);4.86(dd,J=11.7,J=5.8,1H);4.90(dd,J=11.7,J=5.8,1H);6.81(d,J=8.6,2H);7.11(d,J=8.6,2H);7.17(d,J=8.0,1H);7.43(d,J=1.0,1H);7.7(dd,J=7.4,J=1.1,1H);7.40−7.48(m,2H);7.52(dd,J=9.9,J=3.5,1H);7.52(dd,J=9.9,J=3.1,1H);7.62(d,J=7.3,1H);7.78(s,1H);7.79(d,J=7.8,1H);7.82−7.92(m,4H)。
HRMS(H2O)m/z:1167.4774[M+Na]+(calc.1167.4772)C59H72NaN10O10S2
【0101】
実施例10:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Phg4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化19】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−D−Phg−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBU)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0102】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Phg4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.9分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.93(d,J=7.0,3H);0.96(d,J=6.8,3H);1.10−1.20(m,2H);1.20(d,J=6.4,3H);1.47(q,J=7.8,2H);1.61−1.72(m,1H);1.82−1.92(m,1H);1.97(s,6H);2.12−2.20(m,1H);2.40(t,J=8.3,1H);2.48(d,J=6.5,2H);2.68−2.89(m,6H);2.95(dd,J=13.3,J=6.0,1H);3.31(dd,J=13.0,J=9.1,1H);3.42−3.51(m,1H);4.11(d,J=8.4,1H);4.14(dd,J=10.0,J=4.2,1H);4.39(dd,J=9.1,J=6.0,1H);4.60(dd,J=9.2,J=6.5,1H);4.66(t,J=6.6,1H);4.70−4.78(m,2H);6.69(d,J=8.1,2H);7.03(d,J=8.4,2H);7.15(d,J=6.4,2H);7.32−7.42(m,3H);7.46(dd,J=8.7,J=0.5,1H);7.52−7.60(m,2H);7.78(bs,1H);7.88−7.98(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1065.4276[M+Na]+(calc.1065.4303)C51H66NaN10O10S2
【0103】
実施例11:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−ホモphe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化20】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、D−ホモphe−OH,次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0104】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−ホモphe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.87分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.89(d,J=6.7,3H);0.92(d,J=6.7,3H);1.17(d,J=6.4,3H);1.26−1.36(m,2H);1.54−1.68(m,3H);1.76−1.84(m,2H);1.86−1.92(m,1H);2.08−2.18(m,1H);1.94(s,6H);2.27(ddd,J=14.0,J=7.9,J=5.9,1H);2.36(ddd,J=14.2,J=6.4,J=5.6,1H);2.48(dd,J=14.7,J=4.8,1H);2.56(dd,J=14.8,J=8.8,1H);2.72(d,J=3.7,1H);2.74(s,1H);2.84−2.82(m,3H);2.96(dd,J=13.4,J=5.9,1H);3.34(dd,J=13.8,J=8.9,1H);3.47(J=13.7,J=5.8,1H);3.88(dd,J=8.5,J=6.3,1H);4.02(d,J=9.5,1H);4.14(dd,J=9.9,J=4.3,1H);4.21(dd,J=6.5,J=3.9,1H);4.30(d,J=3.9,1H);4.40(dd,J=8.9,J=6.0,1H);4.61(dd,J=9.9,J=6.1,1H);4.80−4.88(m,2H);6.82(d,J=8.6,2H);7.03(dd,J=6.9,J=1.4,1H);7.14(d,J=8.6,2H);7.22−7.28(m,1H);7.28−7.34(m,2H);7.45(dd,J=8.5,J=1.7,1H);7.52(ddd,J=6.9,J=5.1,J=2.0,1H);7.53(ddd,J=6.9,J=5.1,J=2.0,1H),7.78(s,1H);7.86−7.93(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1129.4609[M+H]+(calc.1093.4616)C53H70NaN10O10S2
【0105】
実施例12:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化21】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−p−Br−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0106】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.5分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.50−0.62(m,1H);0.70−0.82(m,1H);0.91(d,J=6.8,3H);0.99(d,J=6.6,3H);1.18(d,J=6.6,3H);1.30−1.42(m,1H);1.42−1.52(m,2H);1.70−1.80(m,1H);1.96(s,6H);2.12−2.28(m,1H);2.47(dd,J=14.8,J=3.6,1H);2.63(dd,J=14.6,J=9.8,1H);2.68(dd,J=14.7,J=3.7,1H);2.80−2.82(m,2H);2.84−2.96(m,4H);3.36(dd,J=13.7,J=8.7,1H);3.48(dd,J=13.5,J=6.2,1H);3.95(dd,J=11.1,J=3.5,1H);3.98(d,J=10.0,1H);4.18−4.24(m,2H);4.30(d,J=3.8,1H);4.42(dd,J=8.6,J=6.0,1H);4.62(t,J=7.1,1H);4.88−4.94(m,2H);6.82(d,J=8.6,2H);7.07(d,J=8.4,2H);7.10(d,J=8.6,2H);7.48−7.52(m,3H);7.53(dd,J=9.5,J=3.3,1H);7.55(dd,J=9.5,J=3.7,1H);7.80(s,1H);7.84−7.94(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1157.3549及び1159.3585[M+Na]+(calc.1157.3564及び1159.3544)C52H67BrNaN10O10S2
【0107】
実施例13:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化22】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−p−F−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0108】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.7分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.50−0.62(m,1H);0.72−0.84(m,1H);0.91(d,J=6.8,3H);0.93(d,J=6.6,3H);1.18(d,J=6.4,3H);1.30−1.50(m,4H);1.70−1.80(m,1H);2.02(s,6H);2.14−2.26(m,1H);2.47(dd,J=15.0,J=3.8,1H);2.63(dd,J=14.8,J=9.9,1H);2.68(dd,J=14.8,J=3.4,1H);2.74−2.98(m,6H);3.37(dd,J=13.8,J=8.8,1H);3.48(dd,J=13.7,J=6.0,1H);3.92−4.02(m,2H);4.18−4.24(m,2H);4.30(d,J=3.8,1H);4.43(dd,J=8.7,J=5.9,1H);4.62(t,J=7.5,1H);4.88−4.96(m,2H);6.81(d,J=8.4,2H);7.04−7.18(m,6H);7.47(dd,J=8.5,J=1.5,1H);7.54(dd,J=9.7,J=3.4,1H);7.54(dd,J=9.6,J=3.4,1H);7.80(s,1H);7.84−7.96(m,3H).
HRMS(H2O)m/z:1097.4332[M+Na]+(calc.1097.4365)C52H67FN10O10S2
【0109】
実施例14:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化23】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−D−Tyr−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0110】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=7.7分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.50−0.64(m,1H);0.66−0.80(m,1H);0.91(d,J=6.6,3H);0.93(d,J=6.6,3H);1.20(d,J=6.4,3H);1.28−1.48(m,3H);1.66−1.78(m,1H);1.89(s,6H);2.12−2.24(m,1H);2.41(dd,J=14.8,J=3.7,1H);2.55(dd,J=14.8,J=9.5,1H);2.64−2.96(m,7H);3.20(dd,J=13.4,J=9.1,1H);3.33(dd,J=13.2,J=5.7,1H);3.92(dd,J=11.0,J=3.2,1H);3.97(d,J=9.7,1H);4.10−4.20(m,2H);4.24(dq,J=10.5,J=6.4,1H);4.32(d,J=3.8,1H);4.60(t,J=7.3,1H);6.80(t,J=8.3,4H);7.02(d,J=8.2,2H);7.09(d,J=8.4,2H);7.43(d,J=8.4,1H);7.48−7.56(m,2H);7.73(s,1H);7.80−7.92(m,4H)。
HRMS(H2O)m/z:1073.4578[M+H]+(calc.1073.4589)C52H69N10O11S2
【0111】
実施例15:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化24】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−m−F−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0112】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.1分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.60−0.72(m,1H);0.74−0.88(m,1H);0.92(d,J=6.7,3H);0.95(d,J=6.4,3H);1.20(d,J=6.7,3H);1.34−1.51(m,3H);1.72−1.82(m,1H);1.90(s,1H);2.15−2.24(m,1H);2.47(dd,J=14.7,J=3.9,1H);2.61(dd,J=14.8,J=9.8,1H);2.70(dd,J=14.5,J=3.6,1H);2.74−2.84(m,4H);2.86−2.94(m,3H);3.32(dd,J=13.8,J=8.8,1H);3.44(dd,J=13.7,J=5.7,1H);4.00(d,J=9.9,1H);4.01(d,J=10.8,1H);4.23(dd,J=6.4,J=3.8,1H);4.25(dd,J=10.4,J=6.4,1H);4.32−4.36(m,2H);4.61(dd,J=7.1,J=7.9,1H);4.88(dd,J=10.0,J=3.9,1H);4.91(dd,J=11.5,J=3.5,1H);6.82(d,J=8.5,2H);6.93(bd,J=9.7,1H);6.98(d,J=7.7,1H);7.01−7.08(m,1H);7.10(d,J=8.5,2H);7.35(dd,J=14.7,J=7.9,1H);7.47(dd,J=8.6,J=1.3,1H);7.52−7.57(m,2H);7.80(bs,1H);7.86−7.89(m,1H);7.90−7.94(m,2H).
HRMS(H2O+ACN)m/z:1075.4492[M+H]+(calc,1075.4545)C52H68FN10O10S2
【0113】
実施例16:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化25】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−o−F−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0114】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.1分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.58−0.70(m,1H);0.74−0.86(m,1H);0.91(d,J=6.6,3H);0.94(d,J=6.7,3H);1.19(d,J=6.4,3H);1.33−1.51(m,4H);1.70−1.80(m,1H);1.97(s,6H);2.12−2.25(m,1H);2.47(bd,J=13.3,1H);2.61(dd,J=14.6,J=9.3,1H);2.64−2.86(m,4H);2.86−2.96(m,3H);3.31−3.41(m,1H);3.42−3.52(m,1H);3.99(d,J=10.0,2H);4.18−4.22(m,1H);4.28(dd,J=10.3,J=6.1,1H);4.31(d,J=4.3,1H);4.42(bs,1H);4.62(dd,J=7.5,J=7.0,1H);4.83−4.93(m,2H);6.82(d,J=7.9,2H);7.06−7.18(m,5H);7.28-7.36(m,1H);7.48(bd,J=7.3,1H);7.56(bs,2H);7.80(bs,1H);7.84−7.98(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1075.4514[M+H]+(calc,1075.4545)C52H68N10O10S2
【0115】
実施例17:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−ジF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化26】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−3,5−ジF−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0116】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−ジF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=8.8分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.75−0.85(m,1H);0.92(d,J=6.6,3H);0.96(d,J=6.6,3H);1.20(d,J=6.6,3H);1.40−1.55(m,3H);1.77−1.87(m,1H);1.90(s,6H);2.20(dd,J=13.2,J=6.6,1H);2.49(dd,J=14.8,J=4.0,1H);2.62(dd,J=14.7,J=9.8,1H);2.70(dd,J=14.7,J=3.8,1H);2.79(dd,J=14.7,J=11.4,1H);2.81−2.95(m,6H);3.34(dd,J=13.6,J=9.0,1H);3.45(dd,J=13.6,J=5.8,1H);4.01(d,J=9.9,1H);4.06(dd,J=10.8,J=3.6,1H);4.20−4.28(m,2H);4.33(d,J=3.8,1H);4.35(dd,J=8.8,J=6.0,1H);4.61(d,J=7.7,1H);4.89(dd,J=9.8,J=4.1,1H);4.92(dd,J=11.3,J=3.6,1H);6.75−6.84(m,4H);6.86-6.92(m,1H);7.09(d,J=8.6,2H);7.48(dd,J=8.2,J=1.1,1H);7.52−7.59(m,2H);7.80(s,1H);7.85−7.95(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1093.4406[M+H]+(calc.1093.4451)C52H67N10O10F2S2
【0117】
実施例18:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化27】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−m−Br−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0118】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.0分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.52−0.68(m,1H);0.76−0.90(m,1H);0.92(d,J=6.8,3H);0.95(d,J=6.6,3H);1.21(d,J=6.4,3H);1.30−1.54(m,3H);1.70−1.82(m,1H);1.93(s,6H);2.12−2.27(m,1H);2.48(dd,J=14.8,J=3.7,1H);2.63(dd,J=14.8,J=9.7,1H);2.70(dd,J=14.5,J=3.5,1H);2.74−2.99(m,7H);2.28(dd,J=14.0,J=9.1,1H);3.49(dd,J=13.7,J=5.7,1H);3.95−4.05(m,2H);4.19−4.27(m,2H);4.32(d,J=3.8,1H);4.43(dd,J=8.7,J=5.7,1H);4.63(dd,J=7.7,J=7.2,1H);4.87−4.95(m,1H);6.83(d,J=8.1,2H);7.11(d,J=8.4,2H);7.16(d,J=7.5,1H);7.27(t,J=7.8,1H);7.36(s,1H);7.48(s,1H);7.50(s,1H);7.53−7.60(m,2H);7.81(s,1H);7.86−7.96(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1135.3741及び1137.3704[M+H]+(calc.1135.3745及び1137.3724)
C52H68BrN10O10S2
【0119】
実施例19:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化28】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−o−Br−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0120】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.3分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.52−0.68(m,1H);0.76−0.90(m,1H);0.92(d,J=6.8,3H);0.95(d,J=6.6,3H);1.21(d,J=6.4,3H);1.30−1.54(m,3H);1.70−1.82(m,1H);1.93(s,6H);2.12−2.27(m,1H);2.48(dd,J=14.8,J=3.7,1H);2.63(dd,J=14.8,J=9.7,1H);2.70(dd,J=14.5,J=3.5,1H);2.74−2.99(m,7H);2.28(dd,J=14.0,J=9.1,1H);3.49(dd,J=13.7,J=5.7,1H);3.95−4.05(m,2H);4.19−4.27(m,2H);4.32(d,J=3.8,1H);4.43(dd,J=8.7,J=5.7,1H);4.63(dd,J=7.7,J=7.2,1H);4.87−4.95(m,1H);6.83(d,J=8.1,2H);7.11(d,J=8.4,2H);7.16(d,J=7.5,1H);7.27(t,J=7.8,1H);7.36(s,1H);7.48(s,1H);7.50(s,1H);7.53−7.60(m,2H);7.81(s,1H);7.86−7.96(m,3H)。
HRMS(H2O)m/z:1135.3749及び1137.3723[M+H]+(calc.1135.3745及び1137.3724)
C52H68BrN10O10S2
【0121】
実施例20:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化29】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−p−ニトロ−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0122】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.6分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.64−0.76(m,1H);0.78−0.90(m,1H);0.91(d,J=6.7,3H);0.94(d,J=6.6,3H);1.19(d,J=6.5,3H);1.35−1.47(m,3H);1.72−1.82(m,1H);1.89(s,6H);2.11−2.21(m,1H);2.47(dd,J=14.6,J=4.0,1H);2.59(dd,J=14.7,J=9.8,1H);2.69(dd,J=14.7,J=3.9,1H);2.72−2.81(m,3H);2.84(d,J=8.0,2H);2.94(d,J=2.9,1H);3.00(s,1H);3.30(dd,J=13.6,J=9.0,1H);3.42(dd,J=13.7,J=5.7,1H);3.99(m,2H);4.21(dd,J=6.6,J=4.0,1H);4.26−4.34(m,3H);4.59(t,J=7.6,1H);4.82−4.92(m,3H);6.75(d,J=8.5,2H);7.05(d,J=8.5,2H);7.35(d,J=8.7,2H);7.46(dd,J=8.6,J=1.2,1H);7.50−7.56(m,2H);7.78(bs,1H);7.84−7.88(m,1H);7.88−7.94(m,2H)。
HRMS(H2O)m/z:1102.4476[M+H]+(calc.1102.4490)C52H68N11O12S2
【0123】
実施例21:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化30】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−p−Ph−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0124】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.9分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.51−0.62(m,1H);0.62−0.72(m,1H);0.90(d,J=6.6,3H);0.93(d,J=6.6,3H);1.20(d,J=6.3,3H);1.23−1.28(m,1H);1.28−1.36(m,1H);1.62−1.73(m,1H);1.89(s,6H);2.12−2.24(m,1H);2.35−2.46(m,3H);2.54(dd,J=14.6,J=9.5,1H);2.67−2.82(m,2H);2.82−2.98(m,4H);3.20(dd,J=13.3,J=9.2,1H);3.36(dd,J=13.4,J=5.6,1H);3.91(dd,J=10.9,J=3.4,1H);3.96(d,J=9.8,1H);4.15(dd,J=8.2,J=6.2,1H);4.20−4.30(m,2H);4.32(d,J=3.9,1H);4.31(dd,J=7.7,J=7.2,1H);4.84−4.90(m,2H);6.81(d,J=6.8,2H);7.09(d,J=8.4,2H);7.25(d,J=7.9,2H);7.41−7.46(m,2H);7.48−7.58(m,4H);7.66(d,J=8.0,2H);7.71(d,J=7.4,2H);7.75(bs,1H);7.83−7.87(m,1H);7.87−7.92(m,2H)。
HRMS(H2O)m/z:1133.5002[M+H]+(calc.1133.4953)C58H73N10O10S2
【0125】
実施例22:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2]・2CH3COOH
【化31】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−p−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0126】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2]・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
1HNMR(400MHz,D2O):δ0.64−0.76(m,1H);0.76−0.88(m,1H);0.93(d,J=6.9,3H);0.96(d,J=6.9,3H);1.23(d,J=6.3,3H);1.35−1.52(m,2H);1.72−1.82(m,1H);1.91(s,6H);2.13−2.24(m,1H);2.43(dd,J=14.6,J=4.8,1H);2.54(dd,J=14.5,J=9.3,1H);2.70−2.95(m,4H);3.19(dd,J=13.1,J=9.6,1H);3.36(s,3H);3.60(t,J=3.4,1H);3.61(t,J=4.4,1H);3.71(t,J=4.4,1H);3.72(t,J=3.4,1H);3.84−3.89(m,2H);3.99(d,J=10.8,1H);4.00(d,J=4.01,1H);4.07−4.14(m,1H);4.16−4.20(m,2H);4.23−4.30(m,2H);4.35(d,J=3.9,1H);4.60(dd,J=7.6,J=6.8,1H);4.83−4.88(m,2H);6.82(d,J=8.4,2H);6.96(d,J=8.6,2H);7.07(d,J=8.4,2H);7.13(d,J=8.6,2H);7.46(dd,J=8.5,J=1.3,1H);7.51−7.56(m,2H);7.76(bs,1H);7.85−7.94(m,3H)。
【0127】
実施例23:H−2−Nal1−シクロ(D−Cys2−D−Tyr3−Trp4−D−Lys5−D−Val6−D−Cys7)−D−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化32】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−L−Trp−OH、次にFmoc−D−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−D−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−L−Ala−OH。
【0128】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−2−Nal1−シクロ(D−Cys2−D−Tyr3−Trp4−D−Lys5−D−Val6−D−Cys7)−D−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=9.87分
1HNMR(400MHz,D2O):δ0.10−0.22(m,1H),0.32−0.46(m,1H),0.90(d,J=7.6,3H),0.91(d,J=7.3,3H),1.10−1.30(m,4H)1.19(d,J=6.2,3H),1.50−1.62(m,1H),1.95(s,6H),2.10−2.20(m,1H),2.45(dd,J=14.5,J=3.9,1H),2.52−2.64(m,3H),2.70(dd,J=14.8,J=3.8,1H),2.78(dd,J=14.3,J=11.7,1H),2.90−3.60(m,4H),3.35(dd,J=13.5,J=9.0,1H),3.46(dd,J=14.0,J=6.0,1H),3.81(dd,J=10.9,J=3.4,1H),3.95(d,J=9.4,1H),4.18−4.27(m,2H),4.31(d,J=3.6,1H),4.42(dd,J=8.5,J=5.9,1H),4.64(t,J=7.4,1H),4.83−4.92(m,2H),6.84(d,J=8.6,2H),7.12(d,J=8.6,2H),7.16(t,J=7.1,1H),7.22(t,J=7.1,1H),7.43−7.49(m,2H),7.50−7.57(m,3H),7.77(bs,1H),7.83−7.88(m,1H),7.90(bd,J=8.9,2H)。
HRMS(H2O)m/z:1096.4749[M+H]+
【0129】
実施例24:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−シクロヘキシル−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化33】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−シクロヘキシル−D−Ala−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0130】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−シクロヘキシル−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=5.13分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.6−0.8(m,1H),0.8(d,J=7.5,3H),0.84(d,J=7.3,3H),0.95(bs),1.1(d,J=7.3,3H),1.14−1.35(m,4H),1,35−1.65(m,6H),1.7−1.94(m,5H),1.98−2.1(m,1H),2.32−2.5(m,2H),2.6(d,J=7.4,1H),2.72−2.92(m,4H),3.18(dd,J=9.2,J=13.4,1H),3.3(dd,J=8,J=13.4,1H),3.85(t,J=7.4,1H),3.9(d,J=9.5,1H),4−4.1(m,2H),4.18(m,2H),4.4(dd,J=6.2,J=9.5,1H),6.65(d,J=8.3,2H),6.97(d,J=8.4,2H),7.35(d,J=8.3,1H),7.37−7.42(m,2H),7.62(s,1H),7.7−7.8(m,2H),8.28(s,1H)。
HRMS(H2O)m/z:1063.51245[M+H]+(calc.1063.510909)C52H75N10O10S2
【0131】
実施例25:H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOH
【化34】

この開いたペプチドは、前記のプロトコールに従って、固体支持体上での、以下の順序での、連続的なFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護及び次のアミノ酸のカップリングによって得られる:Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、次にFmoc−L−Val−OH、次にFmoc−L−Lys(Boc)−OH、次にFmoc−4−フェニルアゾ−D−Phe−OH、次にFmoc−L−Tyr(tBu)−OH、次にFmoc−L−Cys(Trt)−OH、そして最後にBoc−β−(2−ナフチル)−D−Ala−OH。
【0132】
この化合物は、ジスルフィド橋の形成によって環化し、その後の樹脂から開裂し、精製して、最終的に、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−4−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2・2CH3COOHを生成するための前記の操作法によって、酢酸塩の形態で得られる。
HPLC:rt=6.0分
1HNMR(400Mhz,D2O):δ0.6−0.85(m,1H),0.9(d,J=7.4,3H),0.93(d,J=7.3,3H),1.2(d,J=7.4,3H),1.27−1.56(m,2H),1.68−2.07(m,10H),2.1−2.5(m,1H),2.55−3.07(m,8H),3.35(dd,J=8.9,J=13,1H),3.47(dd,J=5.6,J=13,1H),3.99(d,J=9.9,1H),4.21−4.25(m,1H),4.32(d,J=3.8,2H),4.33−4.4(m,1H),4.57−4.98(m,4H),6.81(d,J=8.4,2H),6.91(m,1H),7.1(t,J=8.8,2H),7.21−7.35(m,1H),7.37(d,J=8.3,2H),7.48(d,J=8.4,1H),7.55(m,2H),7.63(m,2H),7.78−7.94(m,8H)。
HRMS(H2O)m/z:1161.50281[M+H]+(calc.1161.501407)C58H73N12O10S2
【0133】
2.本発明による化合物の研究
2.1 オクタペプチドの、ソマトスタチンレセプターに対する活性
2.1.1 これらのペプチドのソマトスタチンレセプターに対する親和性の測定のためのプロトコール
この発明のこれらの化合物のソマトスタチンレセプターに対する親和性を、[125I−Tyr11]SRIFのトランスフェクトされたCHO−K1細胞の膜調製物への結合の阻害の測定により測定する。
【0134】
ソマトスタチンレセプターの各サブタイプを安定した様式で発現しているCHO−K1細胞を、0.5mMのEDTAを用いて集めて、4℃で5分間、500gで遠心分離する。そのペレットを、リン酸塩緩衝液(PBS)に再懸濁させて、4℃で5分間、500gで遠心分離する。そのペレットを、トリス50mM緩衝液(pH7.4)に再懸濁させて、4℃で5分間、500gで遠心分離する。これらの細胞を、超音波処理により分解して、39,000gで10分間遠心分離する。そのペレットを、トリス50mM緩衝液(pH7.4)に再懸濁させて、タンパク質アッセイのためにアリコートを取り出し、残りを50,000gで10分間遠心分離する。この最後のペレットにて得られた膜を、−80℃に保存する。
【0135】
ソマトスタチンレセプターの各サブタイプへの[125I−Tyr11]SRIF−14(Perkin Elmer)の結合の競争阻害の測定は、96ウェルのポリプロピレンプレートにて二重に行なわれる。これらの細胞膜(5〜20μgタンパク質/ウェル)を[125I−Tyr11]SRIF−14(0.05〜0.1nM)と、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)、5mM MgCl2、200KIU/mLトラシロール、0.02mg/mLバシトラシン、0.02mg/mLフェニルメチルスルホニルフルオリドを含む50mM HEPES緩衝媒質(pH7.4)中で、50〜90分間、37℃でインキュベートする(条件は、レセプターのサブタイプに依る)。
【0136】
結合した[125I−Tyr11]SRIF−14を、遊離の[125I−Tyr11]SRIF−14から、Filtermate96(Perkin Elmer)を用いて、0.1%ポリエチレンイミン(P.E.I.)を予備含浸させたGF/Cガラス繊維プレート(Unifilter,Perkin Elmer)を通す濾過によって分離する。これらのフィルターを50mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4)で4℃で洗い、存在する放射能をカウンター(TopCount,Perkin Elmer)を用いて測定する。
【0137】
これらのデータを、XLfit4.2(IDBS)ソフトウェアを用いるコンピューター支援の非線形回帰により分析する。
【0138】
2.1.2 結果
実施例1,2、3、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24及び25は、5μM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ2に対する親和性を有する。
実施例1、2、3、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24及び25は、700nM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ2に対する親和性を有する。
実施例1、2、6、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24及び25は、50nM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ2に対する親和性を有する。
実施例1、6、12、13、14、15、16、17、18、19、20及び24は、5nM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ2に対する親和性を有する。
実施例1、2、3、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24及び25は、5μM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ5に対する親和性を有する。
実施例1、2、6、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24及び25は、1μM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ5に対する親和性を有する。
実施例1、6、8、9、12、15、17、18、19、21及び24は、100nM以下のソマトスタチンレセプターサブタイプ5に対する親和性を有する。
【0139】
2.2 これらのオクタペプチド化合物の物理化学的特性
得られたペプチドは、それらの自己集合特性の研究の主題である。
用いる手順は、次の3段階を含む:ペプチドを溶液に入れて肉眼で分析すること;形成された構造の分光学的及び顕微鏡による分析、及び小角X線散乱(SAXS)分析。
【0140】
2.2.1 ペプチドを溶液に入れて肉眼により分析すること
これらの誘導体の特性決定の第一段階は、水中での3〜15質量%の濃度範囲の生成である。この溶液のゲル化は、自己集合した構造の存在を示し、それは、ナノチューブであってよいが、繊維その他の自己組織化構造であってもよい。
【0141】
2.2.2 形成された構造の分光学的分析及び顕微鏡による分析
この段階の目的は、自己集合した構造の存在を確認すること、それらの自己集合を特性決定すること及びそれらを顕微鏡観察により可視化することである。
赤外線分光分析は、自己集合においてペプチドが積み重なる方法についての情報を得ることを可能にする。ペプチド主鎖のカルボニル官能基の吸収スペクトルを反映するアミドバンドスペクトルは、これらのグループが含まれる水素結合の型(H結合は、βシート、αヘリックス又はループ若しくはランダムコンホメーションの形成へと導く)についての情報を与え、従って、溶液中の及び自己集合したペプチドの二次及び三次構造についての情報を与える。全反射測定法(ATR−FTIR)は、水晶を利用し、その上に固体又は液体の試料を置く。赤外光は、この水晶を通して導かれ、該水晶内を該光が数回反射することを可能にし、この技術の感度を増大させる角度で導かれる。この装置の性能の故に、比較的薄い溶液について測定を実施することが可能である。この光線は、水晶上に置かれた試料中に数ミクロン透過し、これは、水晶の表面上に置かれた分子/構造のみが分析されることを意味する。その上、この技術は、非破壊的である。
【0142】
集合した構造を、次いで、透過型電子顕微鏡観察(TEM)により可視化する。これは、非常に強力な技術であって、50万倍を超える倍率を可能にし、ナノメーター規模で構造を可視化することのできる数少ない技術の一つである。試料は、電子線にかけられる。透過した光線の可視化は、光輝性スクリーンによるか又はCCDカメラによって生成される。顕微鏡内の試料は、真空下に置かれ、それは、観察されるコントラストを増大させるためにウラニル塩で染色した後乾燥された試料である。
【0143】
溶液中のペプチドは、先ず、カーボンフィルムで覆われた銅グリッド上に堆積する。この物質の堆積後に、過剰の液体を除去する。同様にして、着色剤(我々の場合には、酢酸ウラニル)の溶液をこのグリッドに付着させ、過剰のものを除去して、該グリッドを屋外で乾燥させる。次いで、それを、顕微鏡に導入することができる。
【0144】
2.2.3 小角X線散乱(SAXS)による分析
これらの試料、液体又はゲルを、キャピラリーカラムに導入して、単色X線にかける。拡散される強度を、入射角に関して散乱角の関数として測定する。
【0145】
こうして得られた拡散パターンは、試料中に存在する構造の近似的な理論的モデルとの相関関係の根拠でなければならない。ペプチドが中空ナノチューブの形態で自己集合した場合には、無限に長い中空カラムにより生成される理論的拡散を有する実験データのモデル化は、カラムの直径を正確に決定してそれらの壁の厚みを見積もることを可能にする(Valery等、Biophysical journal, 2004, 86(4), 2484-2501 及び Proc.Natl.Acad.Sci., 2003, 100(18) 10258-10262)。多分散系の、ナノチューブの、繊維の、ミセルの又はラメラの自己集合については、それは、分光分析の、顕微鏡の及びX線散乱のデータの相関であり、これは、観察された対象物の大きさの範囲を評価することを可能にする。
【0146】
2.2.4 結果
これらの化合物の物理化学的特性の分析結果を、下記の表1に与える:
【表1】

【0147】
ある種のペプチドは、単分散ナノチューブを得ることを可能にするが、他のものは、繊維又は多分散系ナノチューブへと集合する。最終的に、少数は、可溶性であり、又は、他方、上記の操作条件下では不溶性である。
単分散ペプチドナノチューブに自己集合する誘導体は、次のものである:実施例1、2、3、6、9、12、13、14、15、16、17、18及び20。9.3〜35nmの直径範囲が得られる。
実施例19の誘導体は、多分散系の直径でナノチューブに集合する。
自己集合した繊維を得ることを可能にする誘導体は、次のものである:実施例4及び10。
研究した濃度で可溶性である誘導体は、次のものである:実施例5及び11。
最終的に、研究した濃度で不溶性である誘導体は、次のものである:実施例7、8及び21。
これらの化合物の他の濃度範囲での研究は、これらの挙動の変化を示しえた。
【0148】
2.3 これらのオクタペプチド化合物のレオロジー
この発明の化合物の溶液/ゲルの粘性及び粘弾性を、以下に記載した操作法に従って、レオロジーによって研究することができる。
【0149】
2.3.1 装置及び測定条件
これらの測定は、一般に、円錐/平面測定幾何学的構造(直径20mmの円錐、1度の角度及び52ミクロンの空隙)を備えた「Control Stress Haake 600」型のレオメーター(Haake, ドイツ国)を用いて行なわれる。測定温度は、サーモスタットにより制御されるバスを用いて25℃+/−0.2℃に固定する(但し、必要であれば調節できる)。
【0150】
2.3.2 測定及び操作方法の種類
2つの補足的な型の試験を、一方では静的様式で、他方では動的様式での測定(振動レオロジー)を行う;両者を以下に簡単に説明する。
【0151】
静的様式
流れ曲線を、静的様式で記録する(剪断速度γ(s-1)の関数としての剪断応力τ(Pa))。この曲線は、試料の流れ特性、粘性、剪断応力限界及び任意的揺変性などの情報にアクセスすることを可能にする。ナノチューブ又は繊維型のペプチドナノ構造を示す溶液/ゲルは、一般に、非ニュートン流体のように振舞う。Cross(Cross MM. J Colloid Sci 1965 20; 417-37)又はCasson(Casson, N. Rheology of Disperse Systems, C.C. Mill 編、1959, p. 82, Pergamon Press, New York, NY)のような理論的モデルをこの実験の流れ曲線に適合させることによって、外挿法によって、無限大の粘性(η)及び0の粘性η0(Pa.s)値にアクセスすることは可能であり、これは、比較及び参照パラメーターとして、これらの溶液/ゲルの粘性を限定するのに役立つ。
【0152】
動的様式(振動レオロジー)
動的測定のためには、既知の振幅及び振動数の正弦曲線型の剪断応力(γ0)(Pa)を試料に加える。その結果生じた正弦波形の剪断応力を測定する(振幅τ0)。これらのナノチューブ又は繊維型のペプチドナノ構造を示す溶液/ゲルは、一般に、粘弾性システムである。この場合において、正弦曲線は、位相角差δを有する剪断張力及び剪断応力を記録した。τ0、γ0及びδの値は、粘弾性パラメーターへアクセスすることを可能にする:
複素弾性係数 |G*|=τ0/γ0
貯蔵弾性係数 G’=|G*|cosδ
損失弾性係数 G”=|G*|sinδ
貯蔵弾性係数(弾性率とも呼ばれる)は、単位体積当りの貯蔵された(又は回復された)弾性エネルギーの測定値であり、損失弾性係数は、単位体積当りの散逸したエネルギーの測定値である。これらの係数は、直線的な粘弾性領域(即ち、これらの係数が剪断応力(張力)の振幅に無関係である実験条件)内で計算されなければならない。これらの実験条件は、一般に、いわゆる「応力掃引(sweep)」実験によって測定され、該実験は、強制的変形(所定の振動数、典型的には1Hzにつき)の振幅の関数としての弾性係数及び損失係数の測定よりなる。一般に、小さい変形の場合には、G’及びG”は、その変形によっては殆ど変化しない。降伏点の通過に際して、G’の強い減少及び最大のG”が認められる。この変化は、直線的粘弾性領域の範囲を定める。直線的粘弾性領域が既知である場合には、「周波数掃引」測定などの他の試験を行なうことができ、これは、直線的粘弾性領域に含まれる固定した変形振幅での剪断振動数の関数としてのG’及びG”の独立性を測定することよりなる。
【0153】
臨界的変形は、弾性率が一定の振動数で加えられた変形に依存する変形である。一層大きい変形に対しては、その材料は、その粘弾性特性を喪失し、弾性よりも一層粘性になる傾向がある。
【0154】
これらの化合物の溶液/ゲルを特性決定するために、ひずみ及び回復試験も行なうことができる。この種の試験においては、最初の時点t=0での一定の振幅応力が試料に課され、その応力は、経時的に一定に維持される。ゼロ粘性η0は、時間の関数として、弾性コンプライアンス曲線(J)の勾配の逆数に等しい。
【0155】
2.3.3 結果
【表2】

【0156】
2.4 これらのオクタペプチド化合物の放出の研究
ゲル、固体又は懸濁液の形態のこの発明によるオクタペプチド化合物についての放出の研究を行なうことができる。次の二種類の試験を構想することができる:静的放出試験及び/又は動的試験(両者を、以下に、簡単に説明する)。
【0157】
実験パラメーターは、両方の試験で共通している。放出用媒質は、物理化学的に十分に制御された液体媒質、好ましくはpH7.4に調節されて37℃に維持されたPBS(ホスフェート緩衝塩溶液)緩衝液である。その放出曲線は、溶解媒質中の研究される化合物の濃度(遊離化合物の%で表す)として、時間(分、時間、日)の関数として規定される。これらの試験を開始するために、既知量の試料を、時間0(t=0分/時/日)で溶解媒質中に置き、該試料は、その初期物理的状態(ゲル、溶液、懸濁液)に適合された装置中で適宜調整される。放出媒質中での化合物の濃度の測定は、UV−可視分光測光又はHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)などの分野で周知である一以上の分析方法によって行われる。これらの分析方法のパラメーターは、これらの化合物の物理化学的特性の関数として調節される。これらの試験は、様々な開始濃度(例えば、以下の実施例で提示される75mM及び226mM)で行なうことができる。
【0158】
2.4.1 静的試験
静的様式における放出の研究は、試料を、制御された攪拌又は放出用媒質の流れに投じることなく行なわれる。放出用媒質のサンプリング及び/又は濃度の測定は、一般に、自動化されておらず、手による操作を必要とする。例えば、ある種の静的な放出研究は、オーブン中で37℃に維持した20mLのPBS中(典型的には、50mLビーカー中)の約2〜5mgの純粋化合物に相当する試料に対して行なわれうる。これらの濃度測定は、選択した時点で実施された放出用媒質の代表的サンプリングにつき行なわれる。
【0159】
2.4.2 動的試験
動的放出研究のためには、制御された攪拌又は放出用媒質流れを試料に適用する。この様式においては、サンプリング及び/又は濃度測定は、一般に、自動化されており、研究は、当分野で標準化されて周知であるシステム/器械において行なわれうる(European Pharmacopeia systems 参照)。例えば、動的様式でのある研究は、標準化されたビーカーに予め導入されて37℃に維持された100mLのPBS中に置かれた純粋な化合物の10mgのオーダーに相当する試料に対して行なわれうる。攪拌及びサンプリング/測定は、European Pharmacopeiaにより記載されたデバイス1型又は2型の溶解試験用器械により制御される。
【0160】
2.4.3 結果
【表3】

【0161】
2.5 実験結果の分析
それ故、この発明の化合物の生物学的及び/又は物理化学的特性は、様々な応用を構想することを可能にし、例えば、それは、即時的若しくは持続的効果を有する治療活性を有するペプチド、又は固有の治療効果を有しないが、例えば活性成分の持続的放出のための配合物支持体として役立つペプチドである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)のオクタペプチド化合物
【化1】

{式中、AA4は、下記式に従ってアミノ酸Tyr3及びLys5に結合されたアミノ酸基を表し
【化2】

(式中、n4は、0〜3の整数を表し、R4は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、それらのアリール及びヘテロアリール基は、適宜、アリールアゾ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されている;
R41は、基
【化3】

を表し、式中R42は、アルキル基又は水素原子を表し、nは、2〜4の整数であり、mは、1〜4の整数である);
すべてのアミノ酸は、D又はL配置であってよく、
但し、化合物H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ピリジル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2、H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Trp4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2及びそれらの塩は除かれる}
又はこの化合物の製薬上許容しうる塩。
【請求項2】
n4が0〜2の整数を表し、R4はアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基を表し、これらのアリール及びへテロアリール基は、適宜、アリールアゾ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、OR41から選択される一以上の同一又は異なる基によって置換されており;
R41は、基
【化4】

を表し、式中R42は、アルキル基を表し、n及びmは、2を表す、請求項1に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項3】
n4が0又は1を表し、R4が水素原子、又はアルキル基を表す、請求項1又は2の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項4】
n4が0を表し、R4がアルキル基を表す、請求項3に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項5】
アルキル基がメチル基を表す、請求項3又は4の一つに記載の化合物。
【請求項6】
用語アリールが、フェニル、ナフチル、アントリル及びフルオレニルから選択される基を表す、請求項1又は2の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項7】
用語ヘテロアリールが、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルから選択される基を表す、請求項1、2又は6の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項8】
用語ヘテロアリールが、チエニル、ベンゾチエニル及びイミダゾリルから選択される基を表す、請求項1、2、6又は7の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項9】
用語アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルから選択される基を表し;用語シクロアルキルが、シクロヘキシル基を表す、請求項1又は2の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項10】
AA4が、Trp、Ala、β−(3−ベンゾチエニル)−Ala、β−(2−チエニル)−Ala、β−(9−アントリル)−Ala、β−(2−フルオレニル)−Ala、His、Val、1−Nal、2−Nal、フェニル−Gly、ホモ−Phe、p−Br−Phe、p−F−Phe、m−F−Phe、o−F−Phe、m−Br−Phe、o−Br−Phe、p−NO2−Phe、3,5−ジフルオロ−Phe、4−フェニル−Phe、Tyr、p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−Phe;β−(シクロヘキシル)−Ala、p−フェニルアゾ−Pheから選択されるアミノ酸基を表す、請求項1に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項11】
アミノ酸基AA4が、D配置である、請求項1〜10の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項12】
アミノ酸2−Nal1及びAA4が、D配置であり、他のアミノ酸は、L配置である、請求項11に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項13】
アミノ酸基AA4が、L配置である、請求項1〜10の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項14】
アミノ酸2−Nal1及びAA4が、L配置であり、他のアミノ酸は、D配置である、請求項13に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項15】
AA4が、アミノ酸基Alaを表す、請求項10〜14の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物。
【請求項16】
下記から選択される化合物である、請求項1に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物、又はこの化合物の製薬上許容しうる塩:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−Ph−D−Gly4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−ホモ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−ジF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−2−Nal1−シクロ(D−Cys2−D−Tyr3−Trp4−D−Lys5−D−Val6−D−Cys7)−D−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(シクロヘキシル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【請求項17】
下記から選択される化合物である、請求項16に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(3−ベンゾチエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−チエニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−His4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(1−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−フルオレニル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Tyr4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−o−F−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−3,5−ジF−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−m−Br−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−ニトロ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−フェニルアゾ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【請求項18】
下記から選択される化合物である、請求項16に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−Ph−D−Gly4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(シクロヘキシル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【請求項19】
下記から選択される化合物である、請求項16に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Val4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(2−ナフチル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−β−(9−アントリル)−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−ホモ−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−p−Ph−D−Phe4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【請求項20】
下記の化合物である、請求項16に記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物:
H−D−2−Nal1−シクロ(Cys2−Tyr3−D−Ala4−Lys5−Val6−Cys7)−Thr8−NH2
【請求項21】
請求項1〜20の一つに記載の一般式(I)の化合物を含む医薬。
【請求項22】
請求項1〜20の一つに記載の一般式(I)の化合物を有効成分として、少なくとも一の製薬上許容しうる賦形剤と組み合わせて含む治療用組成物。
【請求項23】
請求項1〜20の一つに記載の一般式(I)の化合物を製薬上許容しうる賦形剤として、少なくとも一の有効成分と組み合わせて含む治療用組成物。
【請求項24】
請求項1〜20の一つに記載の一般式(I)のオクタペプチド化合物の、医薬を製造するための利用。
【請求項25】
医薬が、成長ホルモンに関係した病気から選択される病状を治療することを意図される、請求項24に記載の利用。

【公表番号】特表2012−504156(P2012−504156A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529593(P2011−529593)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/FR2009/001162
【国際公開番号】WO2010/037930
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(509120469)イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (51)
【氏名又は名称原語表記】IPSEN PHARMA S.A.S.
【住所又は居所原語表記】65 Quai Georges Gorse,F−92100 Boulogne Billancourt FRANCE
【出願人】(511081358)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES (C.E.A.)
【住所又は居所原語表記】Batiment D  Le Ponant ,25,rue Leblanc,F−75015 Paris Cedex FRANCE
【出願人】(506128396)
【Fターム(参考)】